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1948-06-08 第2回国会 参議院 厚生委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月八日(火曜日)    午前十時三十一分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○醫療制度に關する小委員長報告藥事法案内閣送付) ○國立富山病院擴充に關する請願(第  八號) ○看護服竝びに豫防衣特別配給に關  する請願(第百十三號) ○看護課設置に關する請願(第四百九  十一號) ○國立濱温泉療養所擴充に關する請  願(第四百九十三號) ○國民健康保險制度改革に關する請願  (第三百九十九號) ○國民健康保險制度適正化に關する陳  情(第二十五號) ○藥務局設置に關する陳情(第百四十  六號) ○國民健康保險制度改革に關する陳情  (第百五十七號)(第百六十五號)  (第百八十五號)(第百八十七號)  (第二百一號)(第二百二十三號)  (第二百五十七號)(第三百二號)  (第三百十四號) ○藥務局設置に關する陳情(第二百九  十八號) ○衞生組合法制定に關する請願(第六  百三十一號) ○派出看護婦會經營特別取扱に關す  る請願(第六百二十六號) ○兒童福祉事業に關する請願(第七百  三十號) ○兒童福祉事業豫算増額に關する請願  (第七百三十六號)   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員會開會いたします。日程に上して置きました藥事法案につきましては、間もなく大臣が出席して、提案理由をお述べになるようでありますから、暫くあとに廻しましてこの機會醫療制度に關する小委員會報告を求めます。
  3. 藤森眞治

    藤森眞治君 先般この醫療制度調査に關する小委員會付託になりました請願陳情審議經過及び結果を御報告申上げます。  五月十九日に本小委員會付託になりました請願竝びに陳情の中で、五月二十二日及び二十四日の兩日に亙りまして審議して決定いたしました請願七件竝びに陳情十二件、合計十七件について御報告申上げます。  請願第八號、國立富山病院擴充に關する請願紹介議員小川久義君外三名であります。この請願趣旨は、富山國立病院富日縣における唯一の國立病院であるが、戰災によりまして大半燒失した結果、現在では一般大衆に對する醫療は勿論、國立病院の使命である引揚、復員者等の救護さえ十分でない現状であるから、速かに同病院復興擴充を圖られたいという趣旨であります。これに對して厚生省側から事情を聽取いたしましたところ、厚生當局としても實情調査の結果、擴充の必要を認めておられまして、昭和二十三年度においてその豫算を計上して、目下大藏省竝びに安定本部當局と折衝中であるということでございました。よつて本小委員會におきましては、願意の大體は妥當なものであるとして、議院會議に付した内閣送付すべきものと決定いたしました。  次は請願第百十三號、看護服竝びに豫防衣特別配給に關する請願紹介議員井上なつゑ君であります。この請願趣旨は、看護婦看護衣竝びに豫防衣は、衞生的見地からしまして不可缺のものであるけれども、現在殆んど無配給状態であり、且つ市場においてはこれが入手不可能の状態である。そのために看護婦業務の遂行上種々の不便と支障があるから、適正な配給を行われたいというのが請願趣旨であります。これに對し厚生當局より事情を承わりましたところ、昭和二十二年度の下半期分として、布地約二十萬ヤールを受けて、目下著々とこれを載つており、近く配給豫定であるということでありまするが、併しこれは殆んど豫防衣であるので、尚看護服用として更に二十萬ヤールを受けるべく商工省交渉中であるということでございました。これによつて本小委員會は、願意の大體は妥當なものとして、議院會議に付して内閣送付すべきものというように決定いたしました。  次は請願第四百九十一號、看護課設置に關する請願、同じく井上なつゑ君の紹介でございます。この請願趣旨は、公衆衞生思想の普及と各種保健事業運營のためには、保健婦看護婦等資質向上の必要があるが、現在の身分待遇は餘りにも低いから、この改善を圖り、併せて厚生省竝びに地方廳看護課設置して行政の一元化を期し、保健事業有機的活動に備えられたいというのが趣旨であります。厚生省側からこれに對する説明を承わりましたところ、厚生省としては、行政上又豫算上の面から見まして、現在まだ設置の機運には至つておらないが、早い機會看護課設置希望を有しておる。併し看護課設置された場合におきましても、看護婦、助産婦、保健婦等についての身分又は一般的の指導等は、ここで統一することができるが、業務上についてはそれぞれの主管に属すべきものであると、こういうふうな答辯をされました。委員の間においても二、三の質疑はありましたが、本小委員會としては、大體において願意妥當なものとして、議院會議に付して内閣送付すべきものと決定いたしました。  次に請願第四百九十三號、國立濱温泉療養所擴充に關する請願紹介議員小林前馬君であります。右の請願國立濱温泉療養所佐賀療養所の分院として傷痍者治療に利用され終戰後一般にも開放され主として温泉療養を必要とする外科的患者治療に當つており然もその效果のあることは萬人の認めるところであり、地元民においてもその擴充の要望も強く温泉療養施設に乏しい今日、擴充を圖られたいとの趣旨であります。これに對しまして厚生當局より説明を求めましたとこと當局としても一般的治療にも便宜を圖るため擴充の必要を認め、昭和二十三年度において本療養所の獨立を圖るため大藏省に折渉したが認められなかつたので本年度は豫算の許す範圍においてできるだけ趣旨に副うよう、努力するとのことでありまして、本請願趣旨妥當なものとして議院會議に付して内閣送付することに決定いたしました。  次は請願第六百三十一號、衞生組合法制定に關する請願紹介議員小杉イ子君であります。この請願趣旨國民健康増進を圖ることは、現下の我が國にとつて最も緊切な重要事項であるが、その原動力である衞生組合が、この目的達成のために活動しなければならない。その活動するのに衞生組合法制定によつて、その強化を圖らなければならない、速かに衞生組合法制定をせられたいというのが趣旨であります。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 皆さんにお諮りいたします。大臣がお見えになりましたが、閣議關係があるので、説明を先にさしてくれとのことであります。委員長報告を後刻に延ばすことに、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤森眞治

    藤森眞治君 それじやこの請願だけ終つておきます。
  6. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) この際藥事法案の審査に……。
  7. 藤森眞治

    藤森眞治君 委員長、これが中途でありますから、これだけ終る間待つて下さい。
  8. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それではもう少し……。
  9. 藤森眞治

    藤森眞治君 續けます。これについて政府委員から本法制定についての樣子を聽きましたところが、政府においてもこの重要性を認めて、目下法案提出の用意を以て各方面交渉を進めておる、こういう答辨がありました。これによつて、本委員會におきましては、この請願趣旨は極めて緊喫妥當なものとして、議院會議に付して、内閣には送付しないということに決定いたしました。一應これで……。
  10. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 藥事法案議題にしまして、豫備審査に入ります。先ず大臣より提案理由説明を求めます。
  11. 竹田儀一

    國務大臣竹田儀一君) 閣議の途中でありまして、甚だ失禮でありますが……。  只今議題となりました藥事法案について御説明いたします。  現行藥事法は、戰時中に立法せられました關係から、その規定の中には、今日において不適當と思われるもの、又は不要と思われるものも多々あり、且つ又終戰後の新情勢に鑑みて、新たに規定を設けねばならん點もありますので、ここに藥事制度民主的運営委任立法的規定の縮減及び公衆保健保護見地からする取締規定整備等に主眼を置いた藥事法案を、國會に提出する次第であります。  法案の構成といたしましては、「總則」、「藥劑師」、「藥事委員會」、「藥局及び調劑」、「醫藥品用具及び化粧品」、「監督」、「雜則」及び「罰則」の八章及び「附則」から成つておるのでありまして、「附則」を加えますと全條七十五條から成るものであります。  次にこの法案骨子を申上げますと、第一章におきましては、この法律において用いられる主要な用語について、その定義を定め、法律適用範圍を明らかにいたし、第二章は、藥劑師身分規定でありまして、藥劑師免許及び免許證更新に關して規定を設けております。尚藥劑師國家試驗制度及び免許證更新に關する規定は新たに設けられたものであります。  第三章は、藥事委員會に關する規定でありますが、藥事委員會には、實質的に重要な權能を與え、藥事行政運營民主化圖らんとしておるのであります。法律規定いたしました權能の主なるものは、公定書原案作成藥劑師國家試驗の執行及び廣く一般藥事に關する建議でありまして、厚生大臣はこの建議を尊重して、民意に即した行政を行わんとする次第であります。  第四章は、藥局及び調劑に關する章でありますが、現行藥事法と著しく異なつておりますのは、藥局開設許可制度を廢して登録制度といたし、登録を毎年更新することにより、業務實能把握を圖りました點及び藥劑師調劑權規定しております條文の但書として、現行藥事法においては、附則において規定している醫師齒科醫師又は獸醫師調劑權に關する規定を加え、且つその規定内容を、これらの者が自己の處方箋により、みずから調劑するか、藥劑師調劑させる場合には、この限りでないというように書き改めた點の二點であります。  第五章は、醫藥品用具及び化粧品に關する章でありまして、現行藥事法は、單に醫藥品のみを法的規整對象といたしているのでありますが、本法案においては、醫療器械器具その他衞生用具及び化粧品國民保健に對する重要性に鑑みて、新たに採り上げて、これらについても醫藥品に準ずる取締を加えておるのであります。醫藥品製造業輸入販賣業竝びに販賣業許可制は、これを廢して、藥局と同樣に登録制を採用し、一定基準に達すれば自由に登録せしめ、用具竝びに化粧品製造業についても同樣の制度を取り入れてあるのでありますが、ただ用具はその範圍が極めて廣く、取締對象とする必要のないものもありますので、この法律適用を省令によつて排除し得る規定を設けている次第であります。  次に不良醫藥品及び不正表示醫藥品に關しても詳細な規定を設けて、取締萬全を期している次第であります。用具及び化粧品につきましても、醫藥品に準じて不良粗悪品及び不正表示品取締に遺憾のないよう措置しております。  第六章及び第七章は、監督及び雜則といたし、藥事監視員規定登録基準竝びに公聽會に關する規定を設け、運用に萬全を期している次第であります。  以上概略を申上げましたのは、この法案骨子と、これに關する主なる内容でありますが、現行藥事法に比し、その規定内容は極めて具體的でありまして、でき得る限り委任立法を避け、苟くも權利義務關係のありますものは、能う限り、これを法律中に規定した次第であります。  以上藥事法案内容につきまして、大要の御説明を申上げたのでありますが、何とぞ御審議の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
  12. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 只今大臣から提案説明がありましたが、尚少し詳しく久下次長から説明を願いたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは久下政府委員
  14. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) それでは私から、只今大臣説明のございました中、今度の藥事法案改正の要點とでも申すべき事項につきまして、少しく補足的な説明をさせて頂きたいと思います。  先ず第一は、今回の藥事法案におきましては、從來藥事法と違いまして、法律對象となりまする範圍を擴大をしたということでございます。從來藥事法は、主として醫藥品に關すること、及びこれに關連する事項規定内容といたしておつたのでありまするが、今囘の藥事法案におきましては、單に醫藥品のみならず、醫療用器具、更に又從來他の法律によりまして取締つておりました醫藥部外品に關すること、或いは化粧品に關することなども、全部この法律の中に取上げることにいたしたのであります。  第二は、大臣の御説明にもございましたように、藥事委員會という制度を設けました點でございます。藥事委員會法案内容によりまして御承知頂きまするように、各方面の權威者を網羅いたしまして、而もその任務は相當廣範なものでございます。藥事行政に關する重要な事項は、すべて藥事委員會審議を經、或いは藥事委員會によつて執行されるというようなことにいたしておりまして、藥事行政の民事的な運營を、この制度によつてつて行きたいという考えでございます。  第三は、藥劑師國家試驗制度を新らしく設けました點でございます。從來藥劑師は、所定の藥學校を卒業いたしますれば、當然に藥劑師免許を得られたのでありまするが、この法案が施行せられるように相成りますれば、藥學校を卒業した後に、更に藥劑師國家試驗を受け、これに合格いたさなければ藥劑免許を得ることができないというふうにいたしたのでございます。この點につきましては、すでに醫師齒科醫師等につきまして、同樣の制度が設けられておるのでございまするが、藥劑師につきましても、藥劑師資質向上を圖りますために、かような制度を創設いたすことにいたしてあるのでございます。  第四は、藥局の開設或いは醫藥品等製造業につきましては、從來すべて許可制度になつてつたのでございますが、今囘の法案におきましては、これらをすべて屆出、登録という制度に改めたのでございます。その趣旨は、できるだけ企業の自由を尊重したいという考え方に出ておるのでございますが、併しながら、すべて無條件登録をするというのでなく、藥事委員會建議に基きまして一定基準を定め、この基準に合うものでありますれば、どんどん登録をして行くというような取扱方に變えたのであります。  第五は、藥劑師會に關する規定を全然設けなかつたのでございます。從來藥事法には、藥劑師會に關する規定がございまして、この規定に基いて、すべての薬劑師は強制的に藥劑師會を設立し、これに加入いたさなければならないことに相成つてつたのでありますが、この點も、すでに醫師會、齒科醫師會等において、第一囘醫會の御審議で實施せられておりますように、法律規定の中から強制加入強制設立條文を止めることにいたしまして、藥劑師會は、今後は任意加入任意設立の方針に基いて運營をして行くようにしたいという考えでございます。  第六は、いろいろ細かいことを申上げますが、先ず第一は、醫薬分業に関する規定の仕方を變えたという點でございます。醫藥分業につきまして、從來藥事法におきましては、藥事法の本文に、藥劑師でなければ調劑ができないという規定が設けてありました。藥劑師法附則に、醫師齒科醫師獸醫師調劑ができるという規定が設けてあつたのであります。今囘は、この原則例外とが離れた所にあるのは、却つて適當でないと考えまして、この原則例外をただ一條文の中に規定したというような規定のいたし方をいたしております。第二はズルフアミド或いはペニシリン等抗菌性製劑等につきましての新らしい規定でございます。厚生大臣の指定いたしましたこの種の醫藥品につきましては、醫師齒科醫師の處分箋又は指示がなければ、これを販實又は授與することができないというような規定が設けられておる點でございます。その外、部分的には細かに點においても從來規定と變つたところがございますが、藥事法案骨子となります點は、以上申上げましたような點であります。
  15. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) お諮りいたします。藥事法案につきまして直ちに質疑に入りますか、次囘に延しますか。
  16. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 次回に延して十分檢計したいと思います。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 草葉委員のお説に御賛成が多いようでありますから、質疑は次囘にいたします。ではこれより小委員長報告續けたいと思います。
  18. 藤森眞治

    藤森眞治君 この請願陳情報告を申上げます前に、委員長に一言お尋ねなり、希望なりを申上げたいと思います。少くも議員發言しております際に、大臣が來られたからというので、議員發言を抑制せられるというようなことはどうかと思われます。殊に御承知のように、陳情或いは請願というものは、國民の聲として、我々は十分にこれを含味しなければならんということが考えられます。これの報告中に、その發言が抑制されるということは、私は非常に遺憾に思います。若し大臣が來られた場合に發言を中止するという必要があるならば、委員長において日程組み方において十分にこれを考慮されたい。從來この委員會發言を見ておりますと、随分ときにはピントを外れた發言があるのです。而もこれは自由に發言がされておる。然るに今要な發言中に、こういうような問題の起ることは非常に私は遺憾と思います。これについて委員長の御所見を承わりたい。
  19. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) お答えいたします。小委員長報告中に、その發言を決して抑制したのではありません。議事の進行上全般の都合を見まして、委員會に諮つてて後を變更して頂いただけのことでありまして、決して發言を抑制したのではありません。その點は御了承願いたいと思います。大臣の方で閣議中に中座して説明に見えて、更に後に厚生省として重要な質疑が殘つておるという事情等もお述べに相成りましたので、從いまして委員會に諮つて前後を變えたのでありますから、その點は各般の事情を御了察下さつて、御了承願いたいと思います。
  20. 藤森眞治

    藤森眞治君 成る程只今大臣が來られたというので、私の方から中止しましようかと申しました。併しながら若し大臣が來た場合に、發言を中止してでも便宜を圖られなければならんというのであるならば、なぜ日程組み方にそういうことを、今の發言の前に、こういう場合にはこうするというお打合せがなかつたか、これは日程組み方が悪い。苟くも發言中に、委員會の諮つたと言はれる。發言中にその發言を抑制することを委員會に諮るということは、これはすでに不合理ではないか、どういうようなお考えでしようか。
  21. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) お答えいたします。先に申しますように、決して發言を抑制したのではなく、發言の順序の變更をお願いしたのであります。殊に最初小委員長報告を求めます場合にも、大臣が見えないので、この機會にということで前提を置いたものであります。それから尚、あの機會に小委員長報告を求めましたのは、專門調査員の方で、この報告は大體五分か六分でできるからということで、大臣が見えても、小委員長報告はすぐに濟むから、中絶しなくても行けるということであつて發言を續けて貰おうと思いましたけれども、尚相當後に澤山あるという小委員長のお言葉てありましたので、そこで皆さんにお諮りして、それならば一應後に廻して頂いて、大臣が濟んでからという取計らいをしたのであります。御了承願います。
  22. 藤森眞治

    藤森眞治君 私はこの報告の前にも申しましたように、請願並びに陳情十九件という程でありまして、決してそういう五分ぐないの間に片付けられるものでなく、殊に請願陳情というものは、これは先程申しましたように國民の聲である。こういう意味から相當長時間を要するということが豫定される。大臣が來られたからというので途中で止めるのなら、初めから日程の決め方にそうして貰いたい。委員長の責任においてそうして貰いたい。これは發言の繼續中に發言を中絶させるのは不穩當ではないか、よくこれはお考え願いたい。もうこれ以上は申しません。  それでは續いて陳情請願報告を申上げます。請願第六百二十六號、派出看護婦會經營特別取扱に關する請願紹介議員井上なつゑ君、この請願趣旨は、昨年十二月職業安定法公布によつて從來看護婦会は廃止されて、同法の適用を受けることになつたために、新らしく許可を受けなければならない。そのためには多額の手數料保證金を要し、會の經營は事實上禁止されたにも等しい状態である。これでは醫療補助、又は災害救助目的に十分副い得ないから、この点を考慮して、社會事業に適した特別の取扱をされたいとの趣旨であります。これに對して勞働省當局説明を求めましたが、これによりますると、職業安定法の中、手數料保證金等に關する勞働安定法第三十二條を適用すれば、請願目的を達し得るのであつて、即ち職業安定法第三十三條によれば、無料で職業紹介事業を行う場合には、勞働大臣許可を得て設立することができるというのであります。要するにこれは請願者に、本法趣旨が十分徹底しておらない點があるのではないかというので、この徹底方が望ましいという意味におきまして、この請願議院會議に付するを要しないものと決定いたしました。  次は陳情第百四十六號及び陳情第二百九十八號であります。これは藥務局設置に關する陳情であります。この陳情趣旨は、從來厚生省では直接醫療に關する面を主體にして、藥事方面を從としている感じがある。これでは藥事行政充實強化を圖る上に遺憾の點が多々あるから、藥務局を新設せられたいというのが趣旨であります。これに對して厚生當局から藥務局設置に關する意見を聽きましたところが、現在同省の藥務局は、人數から言つて藥務行政に半數以上を占めておる。又今囘國會に提出する厚生省設置法案公布になれば、その法律に伴い設置される療品局によつて、これは假稱であります。この陳情趣旨も達せられると思う。こういう説明がありましたので、本委員會においては、本陳情議院會議に付して内閣送付することに決定いたしました。  次は請願第三百九十九號、國民健康保險制度改革に關する請願並びに陳情文書表第二十五號、第百五十七號、第百六十五號、第百八十五號、第百八十七號、第二百一號、第二百二十三號、第二百五十七號、第三百二號、第三百十四號以上であります。紹介議員小林勝馬君外一名であります。この請願及び陳情趣旨は、略略同一内容を持つておりますので、これを一括して審議いたしましたが、これを總括いたしました趣旨は、國民保健の不安を芟除するために、國民健康保險法を根本的に改正し、本制度刷新強化を圖り、これが運營圓滑にすると共に、社會保險制度と表裏一體の關係を有する醫療費との調和を圖るよう措置を講じ、社會保險行政機構を整備し、國民健康保險に對する政府及び地方廳指導強化されたいとの趣旨でございます。國民健康保險のみならず、一般保險につきましては、すでに本委員會において度々調査、研究をいたしております問題で、近くその結果を報告し得る段階になつておると考えるのでありますが、更に本請願竝びに陳情審議するに當りまして、厚生省擔當係官より、第二國會提出豫定國民健康保險法改正要綱を聽取いたしました。この説明の要旨は省略いたしますが、大體におきまして、この請願竝びに陳情願意妥當なものと考えられますので、全議案を議院會議に付して内閣送付すべきものと決定いたしました。以上であります。
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 只今小委員長より報告によりました請願陳情の中、議院會議に付して、内閣送付を要するものと御決定になつたものは、請願第八號、同第百十三號、同第四百九十一號、同第四百九十三號、同第三百九十九號、陳情の第二十五號、同第百四十六號、同第百五十七號、同第百六十五號、同第百八十五號、同第百八十七號、同第二百一號、同第二百二十三號、同第二百五十七號、同第二百九十八號、同第三百二號、同第三百十四號であります。以上の請願竝びに陳情を小委員長報告通り院議に付し、内閣送付することに決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。さように決定いたします。  次に請願第六百三十一號については、小委員長報告は、院議に付して、内閣送付するを要しないものと御決定に相成つた報告でありまして、小委員長報告通り決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。さように決定いたします。次に請願第六百二十六號は、議院會議に付するを要しないものと、小委員長の決定報告をせられましたことに御異議ございませんか。    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。小委員長報告通り、議院會議に付するを要しないものと決定いたします。  それでは引續きまして請願文書表第七百三十號、兒童福祉事業に關する請願竝びに請願第七百三十六號、兒童福祉法事業豫算増額に關する請願議題に供します。紹介議員山下委員から請願の要旨を御説明願います。
  27. 山下義信

    ○山下義信君 只今上程せられましたる請願請願者は、財團法人日本社會事業協會長中川望でありまして、紹介議員は塚本君、宮城君竝びに自分でございます。現状私から簡單に請願趣旨を陳述いたします。要旨は兒童福祉法が制定せられましても、まだその法律の效果が十分徹底せられていないのでございまして、もとよりまだ短期間でございますから、今直ぐに十分その徹底的な效果を望むということは望み難いことではございまするけれども、併しながらこの兒童福祉法の實施状況が、只今の状態では憂慮に堪えませんので、是非共この法案が、折角制定せられましたる趣旨が徹底せられまするように、政府におきまして、諸般の對策を講じて頂きたいと、こういう大體の筋でございます。殊にこの請願の趣意書の中に特筆大書してございますことは、我が國の將來が、これらの兒童にかかつておりますことは言うまでもございませんが、この可憐なる兒童の今日の現状は、誠に可哀そうなるものがございまして、而もこれらのいたいけな子供達は、聲を上げて、叫びを上げて訴える術も、途も持たないものでございます。それらの者に代つて、福祉の保護をいたしまする聲が、即ち兒童福祉法でございますから、是非共その徹底につきましては、政府において一段の御努力を煩わしたいと陳述いたしておるのでございます、この日本社會事業協會は、去る五月七日、八日の兩日に亙りまして、全國兒童福祉關係會議を東京に開催いたしましたが、その時多數參列いたしました會員一同がこの要望に對しまして熱烈に意見の一致を見たのでございます。どうか、次に述べまするような諸點につきまして、趣旨の存するところを御了承下さいまして、速かにその實現に關しまして、國會におかれては格段の御配慮を煩わしたいという請願趣旨でございます。その要望いたしまする第一點は、兒童福祉通の實施に必要なる國家の豫算は、絶對にこれを確保して貰いたいというのでございます。説明は省略いたします。第二點は、兒童福祉事業に對する寄附金につきましては、所得税の源泉からこれを控除するような取計いを實現をして頂きたいというのであります。第三點は、兒童福祉事業に關しまする民間施設の事業資金の募集のために行いまする各種の演藝、その他の興行に對しましては、その入場税を免除せられるような御對策を講じて頂きたいというのでございます。第四點は、兒童福祉施設に對しまする農地法の適用を緩和して頂きまして。兒童福祉施設の完全なる發展のため寄與えるように、農地法の適用の緩和を圖られたいというのでございます、第五點といたしましては、これは實に重大な要望でございますが、兒童福祉行政は、兒童福祉法によつて統一をして頂きたいという要望でございます。兒童福祉法は、滿十八歳末滿の兒童にすべて適用されるものでございますが、且又犯罪少年は裁判所法によりまして、裁判に俟つことは當然ではございまするがそれ以外の兒童の處置に關しましては、すべて兒童福祉法によりまして統一的な取扱をするようにして頂きたいという要望でございます。最後に第六點といたしましては、中央及び地方を通じましての兒童福祉委員の選任竝びに兒童委員の人選につきましては、適正を期するよう萬全の處置を考慮されたいという要望でございます。以上六點を、この際當院におかれまして、請願者の申述べまする趣旨を御了察下さいまして、何とぞ十分御盡力を仰ぎないという趣旨でございます。
  28. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  29. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を止めて下さい。只今の請願に對します政府の所見を述べて頂きたいと思います。
  30. 喜多楢治郎

    政府委員(喜多楢治郎君) 只今のお尋ねに對しまして、最も重要なこの兒童福祉法制定後における。これを實際的に運營して行く場合においての、最も重要なる豫算に對しましてのことに對して御答辯をいたしたいと思つておる次第であります。御承知のごとく、厚生省といたしましては、この法案に對する實施に對して全力を注いでやらなくちやならない。結局法律を作つてもこれを實行のでき得ないようなふうにしてしまうことは取るべき措置ではないというので、當初よりこの豫算に對しましては大臣初め、省内一致結束をいたしまして交渉の任に當つたわけであります。當初御承知のごとく、大藏省における一般會計より五千萬圓の豫算を計上されたのであります。到底かくのごとき少額なものにいたしましては、實際問題といたしまして、殆んで施設もでき得ないのではなかろうかというところから、二億圓の要求を實はいたして參つたような次第であります。御承知のごとく、國家の財政緊迫の折柄、豫算面の對しましてこの點を入れられなく相成つたことを遺憾と存じますが、幸い一部を、厚生省豫算額の決定額より割きまして、約四千萬圓は公共事業費に安本より承諾を得ることに相成つておりまして合計九千萬圓ということに相成つておるわけであります。尚施設の方面におきましても、國有財産を適用、不動産を優先的に借入れるというようなことにもいたして、母子寮保育所等に對しまする只今の陳情に對しましての施策に對しましては、萬全を期していたしたいと、かように存じておる次第であります。簡單ながら以上御答辯いたしますが、尚その他のことに對しましては、事務當局より説明をいたすことにいたします。
  31. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 松崎さんは政府委員でなくて説明員ですが、御異議ございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 松崎芳

    説明員(松崎芳君) 私から補足説明いたします。農地法による農地の買收、その他の問題につきましては、關係方面目下連絡をいたしております。いずれ個々の問題につきましては、各縣當局と各施設との間に適當な解決方法を見付けつつありますから、統一的に何らかの方法を見出したいというふうに折衝を続けておるわけであります。寄付金に對する免税の問題につきましても、大藏當局と事務的折衝を続けております。兒童委員の適正な選任につきましては、第一囘國會におきまして御協賛頂きました兒童福祉法の附則によりまして、四月一日に相當の留意を以て、兒童委員としても適正な民生委員の選任を見たわけであります。爾今におきまして、これの再教育という面に大いに力を注ぎたいと考えております。それから兒童問題を、兒童福祉法一本でやるという問題は、第一囘國會におきまして御審議の際にも非常に御奮闘を願つた點であります。我々としましては、この社會事業協會の請願趣旨に副つて事務的な折衝を続けております。去る中央兒童福祉委員會におきましても、そういうふうに兒童福祉法一本でこれらの問題を解決するようにという決議をいたしまして、更にそれを關係方面に送つた次第であります。今日の状況におきましては、相當關係法律改正案、その他におきましてむずかしいというような状況もありますが、一縷の光明を認め得るという状況でございます。以上簡單でありますが、お答えといたします。
  33. 山下義信

    ○山下義信君 只今の政府の御説明では了承いたしかねます。要領を得ません。兒童福祉法實施に必要な國家の豫算を是非確保して貰いたいということに對して、最近の我々がいろいろ希望いたし、政務次官も盡力したことであろうと思う。その最近の成行きの程度の説明をしたのでは、この請願に對する政府の所見としては了解いたし兼ねる。今後どういうふうにして、兒童福祉法の實現の實施に伴う豫算の經費を確保するか、どういう考えを持つているか。これは政府もよく御承知のことであつて、今更これは言わないけれども、本法律が成立すると同時に、直ぐに兒童福祉法の實施に伴う諸般の計畫をいたして、そうしてやらなければならん。豫算の請求は正式に言えば、昨今の閣議でされたのではなく、もうすでに前年の七月から大體の要求をいたして、大藏省と折衝し、それが具體化して來て、十一月には纒まつて、十二月の通常國會豫算案が出るのが當り前なのだ。今頃出るのは當り前でないということで、昨年法律が成立する間際頃から、七月、八月にできたものではないが、その當時からの兒童福祉法に伴うところの、諸般の計畫というものに對する見積りというものがなつておらん。これからどうするか。政府はどういう考えを持つておるか。これからの兒童福祉法の實施に伴う豫算額を確保するための計畫はどうするか。聞くところによるというと、閣議において厚生大臣は、この豫算を要求することについての説明の仕方というものは、數字が少しもなかつたということで、ただ厚生省がやかましいから、何とかして呉れというような、莫然たる言葉を使つたということであつて、笑い話になつておる。今日のそういう要求というものは、ただ要るから、可哀そうだから何とかやつて呉れというようなことではいけない。數字によつて合理的に閣議に要求し、大藏大臣でも、安本長官でも數字攻めにすべきだ。これからどうやつてこの兒童福祉委員會の、全くこの請願趣旨のごとく、必要なる經費を確保するためにどういう考え、どういう計畫をこれから立でて行こうとするのかという政府の所信を明らかにして頂きたい。それから今請願趣旨の中で、兒童福祉關係の、いわゆる社會事業に寄附したものに對する免税、所得税とか、或いは入場税というようなことも、まだ當局はこれについてはいろいろ交渉中であると、さようなる当辯は、これは通り一遍の答辯である。そういう答辯は私は了承いたし兼ねる。所得税は暫くといたしまして、入場税はどうなつておるか。入場税はすでに地方に移讓するという閣議決定をやつている。まだ交渉中とは何だ。入場税を地方に移讓されたときはどうなるか。この請願というものは、あなた方には分つておる筈だ。要點はよく研究しておいでなさい。大藏省は來るべき入場税の改正については、入場税法の中から、慈善團體、その他、今慈善團體という言葉を使つたのは、あなた方も知つている通り、とにかく社會事業に寄附するものに對しての入場税の免税、あれは削除ということを大藏省は言明している。大藏省の發表の公文書に明らかに大藏省の所見を現わしている。どういうことを交渉しているのか説明して見給え。交渉中であるというような通り一遍のことではいけません。
  34. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を止めて……。    午前十一時四十分速記中止    —————・—————    午後零時六分速記開始
  35. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて……、本日はこれにて散會いたします。    午後零時七分散會  出席者は左の通り    委員長     塚本 重藏君    理事            今泉 政喜君            谷口弥三郎君            宮城タマヨ君    委員            中平常太郎君            三木 治朗君           池田宇右衞門君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            木内キヤウ君            小林 勝馬君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            小杉 イ子君            姫井 伊介君            山下 義信君   國務大臣    厚 生 大 臣 竹田 儀一君   政府委員    厚生政務次官  喜多楢治郎君    厚生事務官    (醫務局次長) 久下 勝次君   説明員    厚生事務官    (兒童局企畫課    長)      松崎  芳君