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1948-05-29 第2回国会 参議院 厚生委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十九日(土曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○墓地埋葬等に関する法律案(内閣送  付) ○食肉輸移入取締規則を廃止する法律  案(内閣送付)   —————————————    午前十時十四分開会
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。前回に引続き食肉輸移入取締規則を廃止する法律案並びに墓地埋葬等に関する法律案、両案についての質疑を続行いたします。
  3. 山下義信

    山下義信君 前回質疑にも一部あつたのでございまするが、この際取纒めまして次の三点を政府にお尋ねいたして置きたいと存じます。  第一点は、燒骨を分けまして、即ち分骨として、これを納骨堂又は埋葬等に付しまする場合、本法取扱はどういうことに相成りまするか、そういう点であります。  第二点は、本法の第十三條に関連してでございますが、正当の理由なくしては拒むことができないとなつておりますことにつきまして、埋葬又は納骨に際しまして、当該経営者或いは管理者とその依頼人との間に、宗教儀式等を異にいたしておりまするような場合、即ち教義とか宗旨とかいうものが異つておりますことを理由といたしまして、管理人はこれを拒みますことができますでしようか、如何でございましようかという点でございます。  第三点は、第十八條解釈でございますが、当該吏員身分証票はこれを立入りいたしますに際しましては、関係人の要求を待たないでも成るべくこけを呈示することを本來の趣旨といたしますることが、かくのごとく火葬場でございますとか、或いは墓地納骨堂というがごとき地点に立入いいたしますにつきましては、さようにいたしますることがよろしいのではないかと存じまするので、これの運営に関して政府のお心構を承わりたいと存じます。且つ又関係人と申しますものの範囲でございますが、これは経営者或いは管理人に限らないで墓地納骨堂、或いは火葬場等にそれぞれ委託いたしますものも、その関係人と了承すべきものと考えますが、これらの諸点につきまして、政府の御所信を明らかにして置いて頂きたいと存じます。
  4. 三木行治

    政府委員三木行治君) お答えいたします。分骨の場合の取扱についてはどういうふうにやるのかという御質疑でございますが、分骨の場合におきましてはいろいろな方法があることと思うのでございますが、先ず主骨を家庭收藏いたしまして、分骨を、例えば弟なりその他の肉親が收藏するというような場合におきましては礼を失う問題もございませんし、公衆衞生の問題もないと存じますので、特別なとりきめは要らないと思います。主骨が家にありまして、分骨菩提寺に葬るというような場合におきましては、没提寺火葬許可書を示すようにいたしたいと思います。又主骨を菩提寺に葬りまして、分骨を例えば本願寺等收藏するというような場合におきましては、菩提寺火葬許可証を示しまして、そうして菩提寺から預り証と申しまするよう証明書を出して貰う。そうして分骨を添えて、例えば本願寺に持つて参るというふうに、それからの保管責任を明らかにし、犯罪等の起る余地のないように、且つ又礼を失はないよう取扱をいたしたい所在でございまして、これらの詳細につきましては省令規定いたしたいと考えておるのであります。  次に、第二番目の御質疑宗旨等が異るの故を以て管理人はこれを拒むことができるかどうかという御意見でございますが、これは正当なる理由というものの解釈になると存ずるのでございます。現行の内務省令におきましては、細目標準の第三條に「墓地種族宗旨ヲ別タス其町村ニ本籍ヲ有シ若クハ其町村ニ於テ死シタルモノハ何人ニテモ之ニ葬ルコトヲ得其從前別段習慣アルモノハ此限ニアラス」ということに相成つておりまして、今日と雖も宗教習慣のございまするところにおきましては、さような場合に拒み断わることが正当なる理由というように相成つておるのでございます。この法律におきましても、省令にこれらの点を明らかに規定いたしたい、かように考えておる次第であります。最後に十八條当該吏員身分証票はこれを立入りに際して原案におきましては、関係人請求があつた場合に呈示すること、こういうことになつておるのであるが、これの運用について政府の見解はどうかという御質疑でございます。從來の法律におきましては、当該吏員身分を示す証票を携帶しなければならんというよう規定せられておつたのでありますが、本國会法律案におきまして、ここに示してございまするように、関係人請求があつた場合は、というように統一することに相成つておりますので、本法律案もさように記載をいたしているような次第であります。併しながらこれが運用に当りましては、勿論礼儀を失わないということは根本の問題でございまするので、当該吏員であるからというので、挨拶もしないで入るというようなことのないように、又顏見知りでないというような場合には率先身分証票を呈示するように、さよう指導いたして円滑にやつて行きたい所在でございます。尚この関係人ということの解釈でございまするが、この立入りの場合におきましては、臨檢立入り火葬場のみの行い得るのでございます。この場合は私共といたしましては、火葬場管理人又はその関係者というよう解釈しておるのでございます。遺族を関係人と考えてはどうであろうかという意見もあつたのでございますが、この際火葬場につきまして特別の利害関係ということはないのではないかと考えられますので、一應管理人及び使用人というよう解釈をいたしているような次第でございます。
  5. 小林勝馬

    小林勝馬君 前回質疑に私参らなかつたので重複するかも知れませんけけども、ちよつと二、三お伺いしたいのでございますが、先ず第一に、第二條の第六項にございます。「納骨堂とは燒骨收藏するために」となつておりますが、古い墓を改葬した場合に、もう骨ばかりになつておつて、何ら燒く必要がないと思うようなものもあるのではないかと思いますが、燒かない骨を納骨堂に納められないのか、又古い骨を取り上げた場合に必らず一遍燒かなくちやいけないのか、又その燒く場合は火葬許可証を又貰わなくちやいけないのか、この点を第一にお伺いします。  それから第二番目に、第七條にございまする「船舶の中で云々」という條項でございますが、「その死体埋葬又は火葬ようとする者は、」という條件があるようでございますが、これは船舶が入港して、入港するまで死体を持つてつた場合で、水葬する場合はどういうことに相成りますか、その点が何ら明記していないようでございますが、お伺いしたいのであります。  それから第三点、第一四条第二項にあります「納骨堂管理者は、」というのでございますが、「第八條規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、燒骨收藏してはならない。」ということになつておりますが、これはどういうために必要があるのか、納骨堂收藏するのにも一々これがなくちやならない理由をお伺いしたい。以上三点をお伺いしたい。
  6. 三木行治

    政府委員三木行治君) お答えいたします。古い墓を改葬した場合、古い遺骨納骨堂に納められないのであるが、或いは又燒かねば納められないのであるかという御意見でございまするが、この点につきましては、私共はこれを廣く解釈いたしたいのでございまして、例えばそういう場合は枯骨、骨が枯れた枯骨と申すベきものであると思いまするが、何百年も前の枯骨はすでに土に帰しておる場合も非常に多いと思う。併しその場合でも或いは身に付けておりました遺品等の一部が残るというような場合には、やはりこれは礼を失わないよう改葬いたしまして納骨堂に納めるというようにやつて行きたい。かように考えておるのであります。  それから第七條水葬の場合の規定がないのではないかという御質疑でございまするが、これは船員法水葬の場合を詳細に規定してございまするので、船 員法讓つた次第でございます。  それから第十四條の火葬埋葬許可証というもの、これを受理したその後でなければ燒骨收藏してはならないという理由でございますが、これにつきましては、最後埋葬し、或いは收藏し、或いは埋藏するという、落着くところに参りますまで、埋葬許可証、或いは、火葬許可証等が附いて廻わるというようにいたしたのでありまして、これによりましてお骨でないものが犯罪の目的その他で入るというようなことのないように、且つは礼を失わないようにやつて行こう、こういう趣旨でございます。
  7. 小林勝馬

    小林勝馬君 只今の御説明で第一の質問の、六項の改葬をするというお話でございますが、私の聞いておるのは、改葬でなくて燒骨するということになつておりまするから、燒かないでも改葬さえすればよろしいのかという意味でございます。  それから第七項の船員法の方に條文があるというお話でございますが、その條文を一應読んで頂くか何かして頂きたいのですが……。
  8. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 参考資料の中にあります。
  9. 小林勝馬

    小林勝馬君 第七條の点は分りました。第六項のことをもう少し御説明願います。
  10. 三木行治

    政府委員三木行治君) 改葬をやります場合には、枯骨なつております場合と、それから埋葬後まだ日にちが経つておりませんために、土に帰していないという場合と、二つの場合があり得ると思います。若し枯骨の場合におきましては、只今申上げましたように、格別火葬に附することなく、これを納骨堂に納める、併し若しまだ全部が土に帰していないというような場合におきましては、これは改葬許可証に、火葬をするということを指示いたしまして、改葬許可をいたす所存でござのまして、それらの規定省令規定するつもりでございます。
  11. 小林勝馬

    小林勝馬君 そうするとこの第六項の燒骨というふうに限定してしまつてあるのが、ちよつと工合悪いのじやなかろうかと思いますが、そういうことはないのですか。
  12. 三木行治

    政府委員三木行治君) 御指摘通りでございますが、その場合は燒骨例外規定と、かよう解釈して行きたいと思います。御了承を得たいと思います。
  13. 中平常太郎

    中平常太郎君 埋藏の意義につきまして御質問したいのであります。近來、墓地の相当整理した所におきましては、少くとも歴代の墓というものの下にちやんと遺骨を埋藏する所を、いわゆる埋藏でなくて收藏する所を構えておるようでありますが、それでもやはり埋藏という意味許可を受けて、そこへ入れて行きつつあるのが普通の習慣であります。ところがそれを改藏するという場合、改葬じやなく改藏するという場合、或いは又その遺骨をどこかへ移すという場合には、一々市町村長許可を受けずして、一部を取つて出したり、半分出したりするようなことは、殆んど收藏しておる遺骨が幾つもある中でいろいろやつておる人があると思うのでありますが、一々許可を受けていないと思うのであります。恐らく收藏しておるところの室を、お寺さんの許可を受けずして勝手に開けて、子孫が出し入れておるよう状態でありますが、そういうものの取締に対しては別にないのでありますか。これを埋藏というか收藏というか、そういう場合には「埋」ということは土に埋める意味を含めておると思うのでありますが、ちやんと遺骨を入れるところの室を構えて、コンクリートなんかで構えて、開けたてする扉があつて、開けると各種の遺骨が目に見えるという状態に随分やつております。長い間やつております。どこでも近頃やつておりますが、そういうようなものは埋藏ですか、收藏ですか。又それの出し入れ、或いは分骨許可を一々受けなければならないのか。又実際許可を受けていないように思いますが、この点をお伺いいたします。
  14. 三木行治

    政府委員三木行治君) 墓碑の下にすでに收藏し得るよう施設がある場合でも、これは埋藏というのであるか、埋藏と收藏との相違はどうであるかということですが、御指摘ように、その点には非常に立派な燒骨を收納する施設がある場合もあると思います。ただ墳墓の中に收めるという場合におきましては、これは埋藏というよう規定しておるのであります。又その遺骨を移す場合に、自分の家の遺骨自分の家の家族が一部若しくは全部を取出すということに許可を受けるということはどうであるかという御質疑でありますが、許可手続は非常に簡單なのでございますし、又自分の家のお骨であるからということで勝手に取出すというようなことでは、管理人責任を持てないというようなこともございます。又これは形法等規定にも関連を持つて参りますので、簡單手続でありまするので、是非これを励行いたしたいと、かよう所存であります。
  15. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質疑はありませんか……。私から一つお伺いいたします。燒骨自分の先祖の墓の中に、今中平委員の言われたよう施設の中に收藏する場合等におきましては、改葬許可証最後処理はどうなるか、その家が勝手に保存して置くというようなことになつて、その各自が保存している火葬許可証というものがいろいろの犯罪等に利用せられるような場合が予想せられるようなことがありはしないか、そういう場合の火葬許可証最後処理ということについて何かお考えがありますか。
  16. 三木行治

    政府委員三木行治君) 自宅にその場合火葬許可証が残るのでありますが、そういう場合にはそれが犯罪等に利用される虞れはないかという御質疑であります。これはそういう場合は私共といたしましては、姓名、年齢、それから、住所、それから管理人の裏書、捺印が済んでおりませんというようなことで、これを悪意に使うということは事実上できないと、さように考えております。
  17. 小杉イ子

    小杉イ子君 私は死んだら解剖をして貰おうと公言しておりますが、お墓にしないで自分屋敷がございませんけれども、屋敷ようなところへ一つの棒みたいなものを立てて置くだけにしたいと思いますが、これはやはり違反となりますか、自由でございましようか。
  18. 三木行治

    政府委員三木行治君) 解剖いたしましたその燒骨家庭收藏いたしますことは、一向差支えございませんが、自分の邸内の一部に墓地を作りまして、そこに埋藏するということは、これは許可が要る。許可を申請して頂かなければならんと、かように思つております。
  19. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質疑はありませんか。
  20. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 十三條でございますが、ちよつと御質疑があつたのかも知れないのでございますけれども、十三條の「墓地納骨堂又は火葬場管理者は、埋葬、埋藏、收藏又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければ」と書いてございますが、この正当の理由と申しますとどんなものでございますか。実は流患が流行りましたり、傳染病が多うございまして火葬場火葬が山積みになつていて、なかなか燒かれないということがございますが、そんなのも理由一つに入るのでございましようか。
  21. 三木行治

    政府委員三木行治君) 御指摘になりました火葬場が満員であるという場合におきましは、それを拒絶いたしましても、正当な理由と相成るのでございます。
  22. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 他に御質疑ありませんか。他に御質疑もないようでありますから、議題になつております両法案についての質疑を打切ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。次回は月曜日三十一日の午前に委員会を開きまして採決に入りたいと思います。今日はこれを以て散会いたします。    午前十時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君            宮城タマヨ君    委員            河崎 ナツ君            中平常太郎君            三木 治朗君            草葉 隆圓君            安達 良助君            木内キヤウ君            小林 勝馬君            井上なつゑ君            小杉 イ子君            姫井 伊介君            山下 義信君            米倉 龍也君   政府委員    厚 生 技 官    (公衆保健局    長)      三木 行治