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1948-09-20 第2回国会 参議院 決算委員会特殊物件小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年九月二十日(月曜日)   ————————————— 昭和二十三年六月二十四日(木曜日) 決算委員長において、左の通り小委員 を選定した。            岩崎正三郎君            吉川末次郎君            北村 一男君            中川 幸平君            竹中 七郎君            深川タマヱ君            伊達源一郎君            山下 義信君            千田  正君            小川 友三君 六月二十五日(金曜日)小委員長及び 副小委員長互選の結果左の通り決定し た。    委員長     千田  正君    副委員長    岩崎正三郎君   —————————————  本日の会議に付した事件特殊物件処理状況調査派遣議員の  報告   —————————————    午後一時二十九分開会
  2. 千田正

    委員長千田正君) それでは只今より決算委員会特殊物件小委員会を開催いたします。今期休会中に各委員の皆樣方が酷熱の間を懸命に御調査下さつたことに対しまして、誠に御苦労樣でした。厚く御礼申上げます。つきましては第三國会も間もなく開催されると思いますので、その前に一応皆樣方調査の御報告並びに御意見を伺つて置きまして、第三國会においてどういうふうに進むかという点におきましても、お打合せを願いたいと思います。関西班関東班に分れておるのでありますが、関東班の方の岩崎君から簡單に御報告願います。
  3. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 詳しくは報告書がまだ正式に謄写版してありませんけれども、できておりますから、後で御覽願うことにしまして、簡單に御報告申上げます。  埼玉縣は七月二十六日から三日間、それから引続いて栃木縣をやるわけでありましたけれども、種々の事情手違いがございましたので、栃木縣は八月二十三日から二十五日までその間一月の間置いたのであります。御承知のように埼玉縣は全國でも一番特殊物件と申しますか、放出物件と申しますか、戰争関係物資が沢山あつたので、非常にそれは問題が多い筈なんでありますけれども、幸いに埼玉縣が終戰後直ちに関係官並市町村長農業会長なんかを集めてこういうわけだからこういうものを大切にしろというので、きつく達しをしたために、非常な物件取扱つたにも拘らず、問題は概してなかつた。勿論いろいろ詳細に見ればそれぞれ問題はありますけれども、概して埼玉縣は大きな物件を取扱つておるにも拘らずそう重大なことはなかつたようであります。これは栃木縣でも言われることでありますけれども、埼玉縣でも知事が関連した一つの問題がありますけれども、そういうものはともかく價格の問題ですが、公定價格が或いは値上りになる、價格が上る、そういつたことを特に栃木縣なんかはちよつと手抜かりをして終戰当時價格扱つたというので、栃木縣の問題になりましたけれども、一番これは問題になつたのですけれども、併しこれもいろいろ人が迭り、非常に役人でもこの問題がむつかしいためもあつたのでしようけれども、特に栃木縣においては係りの役人が非常に沢山迭つて、一人ぐらいしか初めからやつている人がないというわけで、非常に責任者が移動したためにそういうことに対しで手抜かりがあつた。これは遺憾なことでありますけれども、これもそういう混乱の場合だから仕方がないとは思います。それからどこの縣でもそうでありましようが、栃木縣なんかは特に自分の縣に余計に物を置きたいという、これは恐らくどの縣でも濃淡の度合は別としても、その傾向はあつたのでしようけれども、そのために報告書にもありますけれども、委託加工とということを余計に縣内業者にやらしたというために、そこから派生して問題が起きておるというようなわけです。それは詳しくはこの報告書にありますので、後日御覽になればその辺のことは御了解行く筈であります。簡單でありますが、さよう御報告いたします。
  4. 千田正

    委員長千田正君) 関西班山下さんがお見えになりませんので、吉川さんからお願いします。
  5. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 関西班山下委員竹中委員伊達委員並びに私の四人の委員を以て組織いたしまして、随員として藤田專門員及び立原委員部主事が参加いたしましたが、伊達委員は事故のためにおいでにならなかつたので、結局委員は三名で参つたわけであります。尚一行には建設省から大津留事務官が参加いたしまして調査に協力して呉れたのであります。  我々の間では山下義信委員団長といたしまして、そうして七月の十九日に山口縣廳へ参りまして、爾來二十日、二十一日、二十二日、二十三日、二十四日の間に亙りまして、山口縣下並びに廣島縣下における特殊物件に関する諸種の実情を調査いたしたのであります。その調査報告書は、団長であります山下義信君が休会中で登院いたしておりませんし、本日も遺憾ながら欠席しておられますので、最も熱心に指導的な地位に当つて調査の任務を遂行するについて中心的でありました山下君が見えませんために、報告書の完全なものがまだでき上つておらないのでありますが、これは山下君の登院を相待ちまして、第三國会までには十分具体的な報告書を作成いたしまして、委員長の手許まで提出することにいたしたいと思つております。ただその一行に加わりました私としての立場から簡單にその経緯だけを御報告申上げて置きたいと思うのであります。  第一は山口縣でありますが、山口縣は廣島縣と共に軍事基地といたしまして、他縣と比較いたしますと、比較的厖大軍需物資を包藏しておつたのでありますけれども、その総収入山口縣におきましては、見込額は二億一千七百余万円となつておるのであります。その代金中央で徴収いたしますものと、又地方において納入告知書を発行いたしまして、納入させるものとがあるのでありますが、中央代金収納いたしますところの分につきましては、完了いたしておりますが、山口縣において納入告知書を発行いたして徴収いたしておりますところのものは、本年の六月末までの分におきまして、納入告知書発行額が九千二百四十三万余円でありまして、その内收入の済んでおりまするものは五千八百三十余万円となつておるのであります。でこの特殊物件処理のために山口縣が特に設置いたしました機関といたしましては、第一には山口縣特殊物件処理委員会、第二には山口懸埋沒特殊物件調査発堀委員会、第三には山口縣海中物件引揚委員会、四番目には山口縣特殊物件價格等査定委員会というような機関が設けられたのであります。尚山口縣につきましては、我々が参りまして、これらの特殊物件拂下げ状況調査いたしました中におきまして、拂下げました自動車拂下げ價格は果して妥当なりや否や、或いはその拂下げられたるところの自動車が、その後所有主にどのように転化しているかというようなことにつきまして、特に意を用いて調査するところがあつたのでありますが、その結果につきましては後日更に御報告を申上げる機会があるかと思うのであります。尚我々一行に対しまして、山口縣当局から希望いたしましたことは、一は特殊物件処理費の全額を國庫で負担して貰いたいということ、第二には埋沒しているところの特殊物件、或いは海沒している特殊物件処理に要する諸経費を予算化して貰いたいということ、第三番目には無償の処理物件処理というようなことにつきましても又向うは希望しているところがあつたのであります。尚我々は縣廳におきまして田中知事及び副知事その他縣のその衝にありましたものを呼びまして、いろいろ聞くところがありまして、又その外地方財務局檢察廳、及び経済安定局地方のそれぞれの当局を呼びまして、この問題について種々聽取し、又調査するところがあつたのであります。現に地方檢察廳におきまして、この特殊物件処理に関しまして、柱島の浮標ブイの転賣に絡まるところの容疑事件が現存いたしているのであります。尚軍の施設であつて現に他の工業転用されて、工場として使用されておりますところのものにつきまして、その転用が果して妥当に行われているかどうか、或いは転用に際するところの使用料等問題等調査する必要のために防府市、即ち以前の三田尻布にありますところの日本セルローズ工業株式会社人絹製造工場を視察いたしまして、又この視察いたしました日本セルローズ工業株式会社軍施設転用のことにつきましても、我々の意見は改めて御報告申上げる機会を持ちたいと思つておるのであります。  次に廣島縣における我々の調査につきまして御報告申上げたいと思うのであります。廣島縣における特殊物件の総収入見込額は三億と称されておるのでありまして、特に同縣におけるところの特殊物件に関するところの一件書類、五千数十册というものが、本年の五月に廣島の地方檢察廳におきまして、容疑事件に関連いたしまして押牧されておりまして、現にその檢察廳調査が進行中であるのであります。そうした書類檢察廳に押収されておるというようなことに関連いたしまして、十分なる調査報告書を接収することがやや遺憾な点があつたのでありますが、廣島縣が放出物件処理のために要しました経費だけでも、直接、間接合せまして、凡そ四百五十万円に達しておるということを聞いておるのでありまして、これは他府縣に較べて相当に額が多いと考えるのであります。廣島縣における特殊物件放出物件をも合せまして、その拂下代金の総額は当初約三億一千万……これは中央収納分を除いてであります……と予定されておつたのでありますが、本年の六月一日現在におけるところの実績によりますると、納入告知書発行額が二億二千八百万円でありまして、そのうち収納の済んでおりまする額は一億五千万円であります。尚廣島縣は呉の地区の御承知のような前の呉海軍工廠という、日本において比類の少ないくらいの厖大軍施設がありましたので、同地区分室を設けて三十人余りの係員を常置しましたために、分室に絡まるところの若干の疑獄事件の発生を見ておるのであります。又縣の肝入りで、そうして又実際上はその会社責任地位にあるのでありますが、西日本物産会社というものを縣の肝入りで建てたのであります。それはやはりこの特殊物件処理に関連して建てたものでありますが、縣を代表いたしまして、この会社に幹部として入つておりまするところの元縣の部課長級疑獄に連坐した者を生じたのであります。これらにつきましても、地方の檢察廰の当局、或いは財務局経済安定局等地方当局を招致いたしまして、いろいろ聽取し、調査いたすところがあつたのであります。尚前の山口縣におけると同樣なる軍の施設転用工場といたしまして、顯著なものと見らるべき尼崎製鋼及び播磨造船等も視察いたしました。これらの問題についての我々の三名の委員の見解につきましては、更に山下団長登院の日を待つて山口縣における同樣転用工場については、それと併せて改めて御報告いたす機会を持ちたいと思います。甚だ不十分でありますが、どういうことをして來たかという程度のことに止めて、改めて御報告申上げるときまで暫く御猶予を願いたいと存ずるのであります。尚これに関するところの山口縣及び廣島縣より受取つて参りましたところの処理状況、或いは拂下状況等についての調査書は、前以て両懸当局予備作成を依頼して置きましたので、相当部厚なものを持つてつておるのであります。以上御報告申上げます次第であります。
  6. 千田正

    委員長千田正君) 有難うございました。何か今までの御報告につきまして委員の方々から御質問がございましようか。ありましたらどうぞ。
  7. 北村一男

    北村一男君 吉川さんにちよつとお伺い申したいのですが、西日本水産会社というのは、前の法務廳の檢務局ですかから説明を求めましたとき、水産などはちつともしないで以て、特殊物件トンネル会社のような仕組のものであるという説明があつたかのように記憶いたしております。それでも水産と名がつくのですから、少しは水産をやつておりましたでしようかどうでしようか。細かい調査は困難でございましたでしようけれども、大体御覽になつたところ、水産を少しはやつておる会社ですか、一向水産をやらない会社でございましたでしようか。
  8. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私に代つて藤田專門調査員をして答弁せしめます。
  9. 藤田友作

    專門調査員藤田友作君) 御指名によりまして、西日本水産会社の内容につきまして御説明申上げたいと思いますが、詳細なことは追つて西日本水産会社に関する部分を一項目設けますから、調査報告書を御覽願いたいと思います。只今の御質問水産に関する方面の会社の仕事は皆無であるかどうか、殆んど特殊物件の転賣、闇横流しのみをやつておる会社のような噂が私共あたりも聞きましたが、現に廣島縣へ参りまして、例の資料その他で縣当局者にも質しました結果は、余り世間で非難をされておるようなことではなしに、会社の現在施設に相応した水産関係事務は遂行しておる状態だと思つております。ただ水産会社が立ちます当時に、廣島縣から現物出資として、廣島縣が政府から特殊物件拂下を受けまして、それを西日本水産会社漁業用の船舶を造る資材に当てたわけでありますが、たまたま会社ができまして後、中央農林省当局からの漁船建造計画に対する許可程度が当初の計画とは著しく変革したために、つまり十数隻の漁船を造ろうとした計画が七隻程度許可というような程度に切下げられたために、その過剩分、つまり漁船を造る特殊物件資材会社の経営上他に転賣したということが自然起つたのでありまして、それが專ら世聞横流し特殊物件の転賣ということが大きく噂される因になつたのであろうと、いろいろ調べて見ますとかように考えられるのであります。結局北村委員の御質問に対して簡單にお答えすれば、やはり西日本水産会社は現在でも廣島縣のための水産漁獲については十分事業としては活動を続けておる。ただ世間に噂されたような疑獄事件があつたことは事実でありまして、その結末も世間の風評程ではなしに判決も決定しまして、少数の関係者がそれぞれ罰金等に付されまして、事件が解決しておるという状況であるのであります。  以上簡單でございますが、御説明申上げます。
  10. 千田正

    委員長千田正君) 別に御質問はございませんでしようか……なければこれで散会することにいたしたいと思いますが、皆さんの御意見を伺いましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 千田正

    委員長千田正君) それではこれで散会いたします。    午後一時五十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     千田  正君    副委員長    岩崎正三郎君    委員      吉川末次郎君            北村 一男君            深川タマヱ君   常任委員会專門員            藤田 友作