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1948-10-07 第2回国会 参議院 決算委員会第二分科会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月七日(木曜日)    午後二時六分開会   ————————————— 昭和二十三年六月二十四日(木曜日) 決算委員長において左の通り分科担当 委員を選定した。            岩崎正三郎君            太田 敏兄君            堀  眞琴君            北村 一男君            中川 幸平君            田方  進君            竹中 七郎君            小野  哲君            下條 康麿君            鈴木 憲一君            帆足  計君            千田  正君 六月二十五日(金曜日)主査及び副主 査の互選の結果左の通り決定した    主査      太田 敏兄君    副主査     小野  哲君   —————————————   本日の会議に附した事件昭和二十一年度歳入歳出総決算昭和二十一年度特別会計歳入歳出決  算 ○特殊財産資金歳入歳出決算  (司法省、文部省、厚生省、農林  省、商工省運輸省遞信省所管の  部)   —————————————
  2. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) それではこれから決算委員会の第二分科会を開会いたします。前会に引続きまして、この際質問をお願いいたします。
  3. 北村一男

    北村一男君 この会計檢査院批難事項の一三九頁の「食糧増産のため予算に認められた以上に多額の経費を使用したもの」という條項に関連しまして、先ずお伺いしたいのは、この運輸省説明書で、生産されたものの賣拂代金処理方については善処したいという説明になつておりますが、これはどういうふうに善処なさいましたですか。  それから、未利用地利用についても、有効適切に使用すべく努力しておる……どんなふうに結論を付けられましたか。特に私が伺いたいのは、この黒石原第二農場はゴルフ場の附近を買われたということになつておりますが、私もゴルフ場を経営して経驗がございますが、凡そゴルフ場にするような所は芝の勿論生えておる所は、これはもう地味が非常に悪いということは常識で分るのでありますが、どういうことでこういう土地を買収なさつたか。それから買収なさるについてどういう調査方法を採られたか。それからここは今どういうふうにこの開墾地は成果を挙げておるか。こういうようなことについて御答弁願いたいと思うのであります。
  4. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) 今関係政府委員がまだ見えていないそうですから、質問後廻しにして……
  5. 北村一男

    北村一男君 それは來られますかどうですか。
  6. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) 後程來るそうですから……今の答弁後廻しにして、外に質疑がありましたら……
  7. 竹中七郎

    竹中七郎君 やはり運輸省関係のものでありますが、この批難事項の一三二頁から四頁、第四の「物品拂代金物資購入資金として流用しているもの」、次の一三四頁の「(一)不急でしかも割当のない統制品を大量購入したもの」、こういうもの並びに一三八頁の「物件の購入当り措置よろしきを得ないもの」については伺いたいのでありますが、結局運輸省におかれましては、いろいろ戰争中職員とか引揚者の共濟用としていろいろな品物をお買いになり、そうしてそのものが直ぐと配給にならなくて相当次年度まで持つておられる。そうしたり弘濟会との関係がいろいろありますが、こういう問題に対しましてその後始末でありますが、又事務官黒岩某処置、こういう処置につきましてはどんな処置をしておられますか、弘濟会運輸省関係というものはどんなふうになつておりますか、この点をお伺い申上げたいと思います。
  8. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) この質際に対しましても後程運輸省総務局長が見えて答弁されるそうですから、これも後廻しにしまして、外に御質問がありましたらお願いします。
  9. 千田正

    千田正君 運輸省の分に対しましては後廻しにしたらどうですか。
  10. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) 総務局長が後で見えるそうですから後廻しにした方が便利だと思います。
  11. 千田正

    千田正君 それでは次は遞信省の部分でよろしいですか。
  12. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) 構いません。
  13. 千田正

    千田正君 遞信省の分としましてちよつと伺いたいと思いますが、一四八頁の「不当と認めた事項」の中の「予算を流用して給與の増加を図るなど措置当を得ないもの」、その中遞信省回線統制本部同省総務局から資金の前渡を受け、昭和二十一年十二月から二十二年三月までの間に、支拂つた事務費、或いはその中に同部の職員に対する報勞金、又は宴会費、こういうものが当を得ないで支出されておりまするが、この点につきましてのその後の取扱いに対して遞信省からのお答えを頂きたいと思います。
  14. 横田信夫

    遞信省主計課長横田信夫君) 只今指摘になりました回線統制本部工事費から事務費を流用いたしまして、その使用方について不当の点のありました点は、種類別に分けますと大体二つ事項だと思います。  一つはこの回線統制本部が全國的に亘つてつたということと、もう一つ現場におきましてこの仕事を急速にやつて行くという関係上、この工事費の一部を事務費に流用いたしまして、それによつて從業員の方に、いわば現場給食と申しますか、大体從來炊出しをいたしておつたのでありますが、最近の事情によりまして、多数の人間食糧纒めて炊くことができないというようなために、炊出しに代つて各個人に金を渡したということが一つ事項であるわけであります。で、それは大体予算に予定いたしておりましたものが一人当り七円五十銭ということになつておりましたのでありますが、これが物價の高くなつたこと、賄物資の高くなつたことと、それからもう一つは、急速にこの工事を運営いたしますために、予定の人間以上の人間をこちらの方に充当いたして行くという必要のために、その單價が実際上は一人当りの支給を十一月にいたした。それから人数が殖えている。こういうことのために相当その方に流れた金があつたわけであります。それからもう一つの部類はこの宴会費等に使われたものでありますが、この宴会費の方におきましても、この宴会費が外部のいろいろな方面といろいろ話し合うという懇談会で、客観的に考えて一應妥当と認められるものと、それから幾分不当であると思われるものと二つあるわけでありますが、その点不当と思われるものにつきましては、その後内部的に官吏懲戒令処置によりまして、その関係者の処罰をいたしますと共に、その金額も弁償させるというこういう方法を取つたわけであります。でもう一つ現場における賄物資の点につきましては、会計法上の処理の不当につきましては御指摘通りでありますが、実際の工事をする上におきましては不当なものも相当つたのでありまして、その点は將來注意するようにいたしまして、本件については尚当該事項についての会計法規上の責任ある者につきましては、それぞれ処分をいたしましたが全体といたしましてその事項の推進上或る程度止むを得なかつたものだとこういうふうに考えられるのであります。
  15. 千田正

    千田正君 続いて遞信省に御質問申上げたい点は、一五一頁の「職員犯罪により國に損害を與えた事項」というのがありますが、最近殊にこの戰後におけるところの犯罪相当増加する一方であり、又その犯罪のいろいろのやり方が智能犯的な犯罪が非常に多くなつて來ておる、その処分に対しましては御報告があつたようでありますが、單に犯罪を犯した者に対してのみのことばかりでなく、或いは監督責任ある者に対しては、譴責若しくは注意という程度に止めておるようでありますが、これはむしろこれからますますこういうような問題が起つて來ると思いますので、今少し嚴重取締方法遞信省考えて頂きたい。何かその点について遞信省考えておられるかどうか、その点について一應伺いたいと思います。
  16. 横田信夫

    遞信省主計課長横田信夫君) 只今注意のありました通りでありまして、我々といたしましても、この点についてはいろいろ方策を構ずるように努力いたしておるわけであります。先ず第一におきまして、こういう犯罪の起きます根抵が、戰争中いろいろと手続を簡略にしたというところに相当原因があつたわけでございます。この点につきましては漸次戰前のような手続に移しまして、殆んど現在におきましては、手続的には戰前のものに近いものに段々直つて來ております。全体の趣旨としてはお話のように犯罪によつて公衆に迷惑を掛けるということを防ぐことが第一でありますので、そういうような措置をいたしております。それから第二には、これをただ罰するということだけではいけないのでありまして、これを科学的に予防し、又科学的に犯罪の端緒を早く掴んで措置を講ずる、こういうことが大事だと思います。そういう意味におきまして遞信省内における監察陣営というものを相当強化いたしまして、その監察方法相当統計資料を取つて行つて、早く分るようにする、例えて申しますと、從來はこれは一つ役所仕事の悪い例でありますが、一つ犯罪事件について非常に大部の調書を作つて、それを段々上に廻して行く、それに相当暇を取つておる、こういうような情勢になつておるわけでありますが、最近のやり方といたしましては、例えば郵便事故につきましても、不着申請その外のことがあれば一つの紙にその事項を書いてその紙を三通作つて、そのままそれがそれぞれの方向にその郵便物の逆を通つて廻つて行く、それでそこにおけるいろいろの、こういうものはいつそこで取扱つたというようなことが一々そこで答弁を書くようにやる、それがずつと廻つて又中央の監察部に入つて行く、それによつて統計的に行くと、大体どの辺に犯罪原因となるべきようなものが最も多いかというものが、統計的に自然出て來る。そういうところが最も危いので、そういうところを注意して行く。こういうようないわば統計に基く事故予防措置とそれからまあ犯罪のできた後の発見になりますのですが、こういう方法を以てやつて行く、こういうようないろいろ考案をいたしております。この点につきましては実はアメリカ方面もそういう方面やり方について相当自分の経験を我々に教えて呉れて、そういう方面の点はアメリカやり方のいいところを我々は習つて行く。こういう方面で段々整備して行く、こういうふうにいたしております。
  17. 北村一男

    北村一男君 これは心得のためにちよつと伺つて置きたいのでありますが、政府のこの説明書を見ますと、責任者に対しては譴責訓告等処分行なつた。それから監督責任者に対しては、こういうのもまあ二通り見受けますが、この責任者というのは、大体どの程度責任者というのでありますか。例えば政府答弁書の七八頁の二の「書類を作爲し、自由支拂限度を超過した支拂をなしたもの、」という場合の責任者というのは、一体、実例を挙げてどの程度責任者というのか。それからその次の、職員犯罪により國に損害を與えた事項、一の監督責任者というのはどの程度までを監督責任者というのであるか。その場合の例を挙げて一つ説明して頂きたい。
  18. 横田信夫

    遞信省主計課長横田信夫君) 一般的な原則として申上げますと、或る事項を省議とか、或いは局議とか、そういう首腦部審議を経てやつて行く。で、実行していたその審議方法において幾分の欠陥があつたために、実行上不当なことがあつたという場合は、そういう局議等参加者に及ぶ。それから帳簿とか、そういう現場の、方針の問題でなくして現場そのものの技術上の事項としてなされた場合には、現場のその当務者並びに現場責任者、こういうように大体考えております。で、実例を挙げて申しますと、只今お話がありました自由支拂限度を超過して支拂をした。これは東京の二六電話局、これは連合軍專用電話局大手町電話局でありますが、その大手町電話局建設するのに、普通少くとも三ヶ月半掛かるものを、確か二ヶ月以下でやるというような必要上、非常に急がれたというために、物品購入等において、当時許されておつた限度を超えて自由支拂をして物を買つたという事例があるわけでございます。その処分におきましては、その建設当りました建設本部長、これは同時に東京遞信局工務部長本部長を兼任いたしておりましたが、建設本部長に対して注意を與え、それからその本部におきましては、総務班長である小瀧君は、これが資金管理の直接の当務者でありますので、その当務者に対しては譴責をいたします。こういうふうにいたしておるわけであります。
  19. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) それでは先の北村委員竹中委員質問に対しまして運輸省会計課長説明をお願いします……それではやはり運輸省の方は総務課長が來られないと説明できないそうですから、ほかに質問をお願いします。
  20. 北村一男

    北村一男君 会計檢査院事務総長がお見えになつておりますから、お尋ね申したいのでありますが、会計檢査院政府説明書で御満足になつておるのでありますか、どうでありますか。一般的に政府説明書がそれで会計檢査院批難なすつたことに答えているというふうにお考えになつているかどうか、御所見を承わりたいと存じます。
  21. 東谷傳次郎

    説明員東谷傳次郎君) お答えいたします。会計檢査院批難事項相当沢山あるのでございまするが、大体達観的に申上げますと、專賣局関係を除きましては、他の省の批難事項は殆んど盡く会計檢査院檢査報告通りに、甚だ遺憾である、こういうふうに善処したという大体説明書のように見受けられるのであります。そういたしまして專賣局に関しましては、第二國会の場合にここでいろいろ論議もされ、私も説明いたしたのでありまするが、專賣局説明に対しては全面的に会計檢査院は不賛成でありまして、尚追及の矛を緩めない決心でおるのであります。  尚序でに申上げておきまするが、從來会計檢査院では檢査報告に掲げるだけでありまして、帝國議会時代には出て説明する機会もなかつたのでありますが、新憲法になりまして、出まして説明することに相成りまして、檢査院檢査報告の意のあるところをお傳えすることができるのでありまするが、この二十一年度の檢査報告後始末でありまするが、只今の御質問にありましたように、この説明、即ち政府の弁明で了承しておるかということでありまするが、專賣局を除いては大体檢査院と同じような御意向ではありまするけれども、善処したということであるので、如何にこれか善処されておるかということをトレースして行きたいということに会計檢査院では只今考えておるのでありまして、この二十一年度の檢査報告只今審議に相成つておりまする各省檢査報告の本当の後始末如何ようになつておるかということをこの次の二十二年度の檢査報告に掲げまして、御審議の御参考にいたしたいと考えておるような次第でございます。
  22. 北村一男

    北村一男君 分りました。
  23. 千田正

    千田正君 その点この決算後始末に対しては只今説明で大体分りますけれども「譴責、或いは訓戒、その程度相当の立場にある人達が、その程度のことを受けても恬として免れて恥なしという感を我々は感ずるのであります。曾てはそういう譴責を受け、訓告を受けた人達が又当然局長になり、課長になつて、相も変らずそういうことを続けておるというのが相当多数見受けられます。それは從來人事行政の上から大きな問題ではないか。この度國家公務員法案によつて人事院というものができ上つて、そこにおいて公務員人事は決定されて行くのだろうと思いますが、我々決算委員の全体から見ますとこういう問題が発生する度に、そうした職務の完全なる責任を完うして貰うという点から言うても、この問題は軽視することのできない問題だと思いますので、決算委員としましては、少くとも私としましては、こういう問題は將來の人事院に轉向して行つても、職務責任を追求すべきものであると私はこういうふうに考えておりますが、会計檢査院総務部長あたりのお考えにどうお考えになりますか。その点を聞いて置きたいと思います。
  24. 東谷傳次郎

    説明員東谷傳次郎君) 会計檢査院としての意見を決定的に申上げることも如何かと思うのでありますが、実は会計檢査院檢査報告に対しまする、何と言いますか、責任者処分ということが取上げられましたのは、これは帝國議会当時も無論そういうふうに取上げられておつたのでありますが、具体的に処分をしたものを会計檢査院も見、又國会にも御説明するというのは、この前の二十年度の檢査報告から実は始つたのでありまして、この二十一年度の檢査報告につきましても会計檢査院檢査報告に関する責任者の何と言いますか、御処理と言いますか、御処分といいますかにつきましては各省と協議というか、各省処分をいたされまして、実は会計檢査院にそれぞれ御報告に相成つておるのであります。先程遞信省の方から御説明があつたのでありますが、大体会計檢査院はこの事態実行したもの、それから実行すべしと決行したもの、並びにこれを監督するものというふうに大体分類いたしまして、監督者がどなたである、決定者誰々である、そして実行者誰々である。そうしてそれぞれの処理といいますか、処分の結果をまあ御報告を受けておるわけであります。会計官吏といいますか、会計官吏には御承知のごとく二通りといいますか、幾つにも分けられますが、大別いたしますと会計法とことんまで、とことんといいますか、財産上の責任を負わされておるものと、そうでないものと二つに分れておるものでありますが、財産上の弁償責任を負わされておるものを出納官吏と言つておるのでありまして、その他支出官とか歳入徴収官というようなものがあるわけであります。出納官吏に対しては物品或いは現金などを亡失いたしますると、その注意が欠けておるかどうかを会計檢査院で判定いたしまして、それを檢定と申しておりまするが、檢定をいたしまして善管者注意を怠つて國庫損失を及ぼしたものは弁償責任があるとこういうふうに檢定をいたしまして、各省大臣にそれぞれ期限を切つて処分を要求しておるのであります。これはその通り実行されておるのであります。他面支出官、多くの場合は支出官でありますが、歳入徴収官の場合とか……物を安く賣り過ぎて國庫損失を及ぼしておる、これは歳入徴収官の主として問題であります。物を高く買い過ぎて國庫損失を及ぼしておる……まあ支出官の問題でありますが、明らかにそれが國庫損失を及ぼしておるということが分りましても、財産上の責任は今の会計法上では問わないことになつておるのであります。そういたしまして監督上の行政責任というものは両方とも問われるのであります。出納官吏もそろでない支出官も、歳入徴収官行政責任に問われるのであります。そういう場合に國会でもよくお聞きするのでありますが、拜聽するのでありますが、どうも会計官吏がまあ非常に國庫に莫大な損害を與えても、ただ注意とか譴責を受けるだけで終つてしまう、これではならないということをよく聽きますが、今の会計法はさようになつておるわけでありまして、これを徹底的に身分に及んで取締つて行く、譴責を受けた者は栄轉すべからずとか、或いはどうするとかいうようなことに相成りますると、只今文官懲戒令とか或いは文限令とか、そういう面では明定されておりませんので、お話のごとく或いは國家公務員法がこれから御審議されるわけでありましようが、そういう方面でも明らかに定めらるるということでありませんと、今のでよろしいということになるかどうかは存じませんが、やはり監督者に対しても訓告とか嚴重注意をやつておられ、或いは決定者実行者に対しては文官懲戒令による戒舌、或いは減俸というところまで相当きつく御処分に相成つておるので、現在の法令においては、これで止むを得んのではないかというふうに考えておるわけであります。重ねて申上げますが、檢査報告に対する御処分の実際については、各廰から会計檢査院にそれぞれ御報告を受けておるような次第でございます。
  25. 竹中七郎

    竹中七郎君 私も会計檢査院事務総長に対しましてお伺いいたしたいと思います。先程運輸省関係において質問が出たのでございますが、食糧増産のような関係厚生費から、一千万圓も予算がある、それを一億圓以上使つて土地買つた、そこに九千万円、約一億円の余裕の金ができたから買つたというような問題が起つておる。こういうことに対しまして私はいろいろ考えますが、各省がその各省自分予算というものは使わなければならない、余つておればこれを繰返すということでなくてその年度内に使つてしまいたい、こういうところにこういう一億円以上の金を流用するというようなことは、これは以ての外と私は考えるのでございます。又その他において三月の決算期近くになりますと非常にいろいろな不要なものを買われる、それを繰越しすればいいのに、さようなことを考えられますることが一番問題であつて会計檢査院とせられましてもさようなことに対して御注意になつておると思います。特にかような運輸省関係のごときものにおきまして、これは物が上つて來る、或いは食糧増産をやるというわけで特に捻出してやられたことと思いますが、こういう問題に対しまして檢査院におきましては、権限においてあとでどうするということはないというようなお話もございましたが、この点が私は最も必要であつて、我々國民の膏血を絞つて、税金に対しましては非難囂々たるものがあるにも拘わらず、こういうことになることにおきまして、私は最も決算委員として憤慨に堪えないところがある。でありますからこの点は檢査院としては特に御注意になつてお調べになり、そのものが非常に支出されたときにおきましては嚴重なる戒告をして、又我々の方にも御報告になつて頂きたい、國会といたしましても特にその点をやらなければ、ますます厖大いたしまする予算に対して我々の責任がないと考えるものでございますので、その点の御決意を承わりたい。
  26. 東谷傳次郎

    説明員東谷傳次郎君) お答えいたします。只今運輸省、鉄道の関係についてでございまするが、お話のごとく食糧増産関係予算的に申しますると一千万円しかないのに一億円も使つておる、十倍も使つておらるる、これは必ずいろいろな節約された結果こういうことになつたということも無論言えるのでありまするが、他の面から申しますると結局予算がそこにだぶついておるということも言えると思うのでありまして、そういうような意味合いにおきまして会計檢査院では批難をいたしておるのでございます。この食糧増産をなさるのには、相当な御決意を以てなされておるようでありまして、実際現業に携わつておる者に対して、理窟を飛び越えてやはり食べさしてやらなければならないというところから出発しておられるようでありまするが、その事情はよく分るのでありまするが、やはりそういうふうな事情であれば、その事情を十二分に國会に反映されまして、國会の承認の下に堂々と二億でも三億でも使つて食糧増産をやるべきものであれば、なされた方がよろしい、こういうふうに会計檢査院では考えておるのでありまして、本件はさよう事態でないので、会計檢査院といたしましては大変悪い事態として批難をいたしておるのであります。それで会計檢査院決算を見まして、悪い事態批難する、是正するという批難をし、監督し、是正をして行くということになつておりまするが、実際その実力を以て右なら右に向わしめるということは、これは権力、職権がありませんので、できないわけでありまするが、先程も申しましたように、從來会計檢査院檢査報告に掲げまして國会で御審議に相成りますると、それで終るわけではありませんが、その事件はそれで一應おしまいなつたような形になるのは、甚だ会計檢査院としても遺憾に存ずるのでありまして、例えば本件について申しますると、買上げて持つておられる農地というものを如何ようにされたかということは、当然今後の問題にしなくちやならんことだと思うのであります。のみならず説明書を御覽になりますと、七〇頁に書いてありまするが、会計檢査院では経費を一億円以上も使われて、できたものは大してできていないじやないかということも、実はこの中に書いてあるのであります。そういたしますると、遞輸当局におかれては、いや、それは大分成績が挙つておるのであつて、二十二年度は四月から十二月までに三千万円も賣上つておるのだというふうに書いてあるのでありますが、これは大分成績が挙つたことでありましようが、会計檢査院といたしましては、この三千万円が賣上げになつており、収入になつておるとすれば、これは当然に國庫の歳入に入らなければならんのでありまして、さようなものが如何よう処理されておるかということは、今後調べまして、二十二度の檢査報告に掲げるつもりでおるのであります。結局さように檢査報告後始末如何ようになつておるかというのを実際に見て置くという面におきまして、会計檢査院が職権を持つていないところを補充して行きたい、こういう考え会計檢査院の檢査官会議でむ話合つておるような次第でございます。
  27. 竹中七郎

    竹中七郎君 只今の御答弁によりまして御決意の程が伺えて、我々として了承するものでございますが、只今の御答弁の中で、運輸省職員の方に成るたけ沢山食べさせたいと思つて食糧増産をやられる、そういうことになりますと、各省その他が全部こういうようなことをやりましたならば國はどうなるかと私は考えるのであります。こういう点もお考えになりまして、いい方面と悪い方面と……鉄道だけがその土地を買つてそのものだけにやるということならば、労務者には加配米がある、そういうことを考えますときにおきまして、私は本当にこれは不当なるものである、かように考えます。そうして今のお話のように三千万円、これは私は全各省の方がおいでになりますからこれに対して申上げたいのでございますけれども、そういうものでないのでお聽き取りを願いたいと思つておるのであります。こういう問題をもう少し、これは終戰直後であつて、こういうふうにやられたと思つておるのです。今後はこういうことはないと思いますけれども、この点も我々といたしましては、甚だ遺憾である。こういうことをされましたならば、國のものは全部各省國民から取つて、安いものを皆官有地、いわゆる賣地が陸軍のものがあつた、海軍のものがあつた、それを各省の、金のあるところで皆買つてしまう。こういうような関係考えますときにおきまして、私は甚だ遺憾である。これは運輸省当局に対しまして、もう一遍質問したいと思つておりますが、この点をここで申上げまして質問を打切ります。
  28. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) それでは運輸省総務局長がお見えだそうですから、この際北村竹中委員質問に御答弁を願います。
  29. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 食糧増産につきましては、先程もお話がありました通り、戰争末期から非常に食糧事情が悪くなりまして、國民全般がそうであつたのではありますけれども、列車運轉に非常な食糧不足のために支障を來たすようなことを痛感いたしておつたのであります。ところが終戰後もそういう事情は解消いたしませんし、それへ持つて來て入営しておりました者、應召されておりました者が多数除隊になつてつてしまつたのであります。そうして業務運営に必要な、より以上の人間を擁するように、抱えるようになつて來たわけであります。そこで整理とか、そういうことも当然考えられるのでありますが、そうして又一部分は成績の上らない者、或いは女子、そういうような人で、特に終戰後働いて貰う必要もなく、又辞めて貰つてもいいような者は相当辞めて貰つたのでありますけれども、入隊、應召の者が非常に沢山帰つて來ましたために、過員を相当つたのであります。それでそういう食糧が非常に不足しておるということと、それから過員を擁してこれを急速に全部戰後の混乱時代に直ぐ、業務上に必要以外の人間は整理するということは考えられない。この二つの状態の下にありまして、非常に人口が殖えて來た内地において、その余つた人手を食糧増産に向けたらどうか、こういうことにいたしまして、そうして食糧増産ということを始めたわけであります。そうして原則として土地は借地をする、買わない、而もそれは全部不毛地である。開墾地を借りたりするのは、國にとつては何のプラスにもならないのであるからそういうことはしない。不毛地を借りて、そうして余つた人間で、過員を持つておる。その過員で働いて開墾をして、植付をして収穫をする、こういう建前で出発したのであります。それで黒石原のようなものは、省の方針では買わないつもりであつたのでありますが、いろいろな事情で間違つて買つた、間違つて買つたと申しますと何ですが、購入をしたのであります。そういうことは会計檢査院批難された通りであるし、省の方針とは違つて、そういうことが例外的に行われたことの一つなんであります。それから予算は僅か一千万円ばかりで、支出が一億円、予算としてはそういう予算で出発したのでございましたが、予算面では種子代であるとか、開墾の用具であるとか、開墾のために特に必要な小さい掘立小屋を作る。そういうものを大部分やるんだ、この外は全部余つた人手でやる、こういう建前でありましたために予算としては当初は少なかつたのでありますが、決算する場合には、その余つた人間の、所属費目の人間、費目でなしにそういう主なものが人件費でないか、こういうふうに考えるのであります。そういう事情で始めたのでございますけれども、開墾の仕事として農耕の仕事というものはそう簡單に行くものでもございませんし、選択上、不毛の土地を十分に研究もせず作物に適しないような土であつたりしましたし、それから、そういうことで一向生産も十分に上りませず、元々過剰労働力を利用するという建前から出発したのでありますけれども、非常に成績も上りません。食糧事情の方も外國の援助なりそういうことで段々と改善されて行くのを見まして、今年度限り食糧増産は全部止めよう、こういうことに決意いたしまして、本年度の予算には食糧の費用を要求しないことにいたしたのであります。そうしてただ折角そういうふうに手を掛けた土地でありしますから、適当な讓受人があり、適当な後継者が現われて讓り渡すことができるまでは管理をする。保存管理をする意味で幾分の人間をそれに当らせておりますが、それ以外の者は成るべく速かにそういう農地なり施設なりそういうものを適当な方に讓つて、そうして早く始末をつけたい、ただ加工品のようなもので十分採算の取れるようなものにつきましては、共済組合で職員の福利事業として十分に、國費を使わないでもやつて行けるようなものについては幾分そこに残して行く、こういうふうにして行く次第であります。
  30. 北村一男

    北村一男君 只今のお答えでは私は満足はできないのであります。一体今御事情を御説明になりましたが、土地をお買いになるとき不毛地を成るべく買うというようなことは、そういうことは運輸省として許されることであるか、不経済も顧みないでやるというようなことは、運輸省にどういうわけで許されておるか。
  31. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 借りる方針で進みましたので、開墾地はすでに百姓の方がやつておられますから、未開墾地を、不毛というのは誤弊がありますが、未開墾地を借りる、買わない。これは永久の鉄道の事業でないのでただ一時的の過剰労働力を使うものであるから、借りて使う、借りるのは既開墾地でなしに未開墾地を借りる、こういうふうにしたのであります。あなたが御指摘になりましたところについては未開墾地であつたことは事実であつたのでありますが、これを買つたことに非常に過ちを犯したのであります。
  32. 北村一男

    北村一男君 私申すのはそういうことではないのでございます。この運輸省説明書によりますれば「黒石原第二農場の十二町歩は地味が悪く酸性も強く直ちに耕作には適当でない」こういうふうになつております。そこで、これはゴルフ場であつたということになつておるのですが、あなたも御承知でありましようが、ゴルフ場には芝が当然生えなければならない。芝の生える所に土地のよい所などはないのです。そういうことを御承知になつてこういうのを買われたのであるか、不毛という言葉は私共農業の常識から解釈いたしますれば、これは開墾しても土地にならんということです、耕地にならんというのを不毛と申すのです。だから不毛という言葉はお取消になつたから私は決してその点をお責め申すわけではございませんが、ここにも書いてあるように、地味が悪く酸性の強いということは、日本の土地が大体酸性が強いのですから、特にこのゴルフ場の附近というのは酸性度が強いのです。だからこれをお買いになるとき、どういう調査をなさつてお買いになつたか、特に悪い所を開墾でプラスにするというようなことでお買いになるとすれば、私は悪い所をまあ買われたということは当初の目的でないとしましても、借りるにしても耕作に適しないような所をお借りになるというようなことは、國費の乱費だと私は考えますが、その点についてお見解を……どういうふうに調査なさつたか、調査なさらずにただお買いになつたのかどうか、そういうことを……
  33. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 当時は非常にごたごた敗戰後の混乱時期でもございましたし、そういう世情が非常に混沌としておつた際でございましたので、一應の調査はいたしたのでございますけれども、十分の調査をいたしませんため、ただ非常に食糧増産をやらなければならんことに駆られて、十分の調査をしないで、而もそれを借りておればまだよかつたのでございますが、買受けというような間違いを仕出かしたのでございまして、申訳ないことだと思つております。
  34. 北村一男

    北村一男君 多少の調査をなさつたとおつしやいますが、誰が調査したか、その責任者ちよつとお示し願いたいと思います。私は甚だこういうことは遺憾だと存じます。農林省その他に御委託になつて御調査なさつたのか、それともただ鉄道の役人が方面違いで見てよかろうという程度の調査かどうか、その点をお示し願いたい。それからその土地はどういう方針で御処分になるおつもりであるか、つまりこれは農地開放に絡んでどういうことになるかということをお考えなつたか、どうかその点を……
  35. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 調査購入当りましたのは、下関の地方建設部の者がやつたのでございます。それからこれを借受けておりますもの、或いは買受けて所有地になりましたものを讓るときに当りましては、十分農地法関係の機関とも連絡して一番よいと思われるような処分をしたいと、こういうように考えております。現実に現在においてもそういうふうにそれぞれの場所において御相談を申上げたわけであります。
  36. 北村一男

    北村一男君 まだ私関連してちよつと……それから第一点の賣拂代金処理法については善処したい、とこういう書き方は甚だ私は不深切であり不誠意であると思うのであります。善処というのは何を一体おつしやるのか、どういうふうに今善処なさつておるか、それからさつきお言葉の中に、当初はこの土地を借受けるつもりであつた、いろいろの事情で買受けなければならんようになつた。この決算委員会といケのは、いろいろの事情を伺うための会であります。ただ読んでは分らんから、どうして買つたかということの事情を伺うのであつていろいろの事情だけでは私は満足できない、いろいろの事情を御開陳願いたい。
  37. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 借受けるように指示してございましたから借受けるように所有者に相談したのでございますけれども、借受け貸渡しに應じて貰えなかつたので、その際それを放棄すれば本省の指示にも合つたわけでございますが、そういう当時の情勢でありましたものですから、それを買受けることに当時者がやつたのでございます。
  38. 北村一男

    北村一男君 それから今一点あります。賣渡代金、つまり生産物の賣渡代金の処分について善処したいというのは、どういうふうに善処なさつたのか。
  39. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 國庫の収入にしなければならんものについては収入にしなければならん、こういうふうに考えております。その辺はよく会計檢査院とも御相談いたしまして、当時の詳しい賣上代金を一應共済組合に積立てておりますから、その内容をよく檢討いたしまして、当然である部分は歳入として収入さるべきものだと思いますが、よく檢討しましてそういう処置を採りたいと思つております。
  40. 北村一男

    北村一男君 採りたいというお言葉では私相すまんと思うのでありまするが、まだ善処なさらんのでありますか、なさつたのでありますか。大体本日本委員会が開かれまして御所管の運輸関係のことが審議されておることは御承知あつてのことだと思うのでありますが、御出席も遅いのみならず、どうも御答弁が私らのお伺いすることにぴつたり來ないと思うのであります。これは善処したいとなつておるのは、これは二十一年度の決算について会計檢査院の御批難に対しての説明でございますから、まだ善処なさらんと解釈してよろしいじやないか。その点はつきりして……
  41. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 細目に亘つて調査いたしております。至急に完了して……。
  42. 竹中七郎

    竹中七郎君 先程私が質問いたしました御答弁がないのですが、共済組合と運輸省関係はどうなつておりますか、その問題を一つお伺いいたしたいと思います。  それからこの物品拂代金購入資金について、ここでは二万どれだけは、一万二千円は回収不足、あとは残額が約三十万円ばかりありますが、これはどうなつておりますか。これは取締りの最低はどうなつておりますか。その差額はどうなつておるか。又責任者報告処分の結果はどうなつておるかという点なのですが、その点の御答弁がない。  もう一つ先程私が申上げたのでございますが、このいろいろの物品を、蒲團を買つたりいろいろのことをせられる。この点なども十万人の届けの鉄道局の職員に対して、それ以上の蒲團を買われて殘つておる。これも鉄道局が非常に予算が余るのでございますからどうなつておるか、その点を局長からお伺いいたしたい。鉄道がかように非常な予算がどうにもできるような形体になつておるのか。又これに対する今の問題で御答弁になりましたが、この善処したいというのは、共済組合の方に積立ててあるのであるかどうかというお話がありましたが、その共済組合と運輸省との関係を明確に御答弁願いたい。
  43. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 共済組合というのは御承知でもございましようが、法律で定められた官吏の組合でございまして、そこでいろいろな事業をやつておるわけでありますが、その事業の一部として物資部というものを経営しまして職員利用しまする物資の購入、配給をやつておるのであります。そうしてこれは食糧品並びにその加工品でございまして、そこで積立てて置いてそれを資金に厚生物資を購入配給する資金にさせるのがよかろう。こういうことで積立てさせておるのでございまして、現在も十分明確に積立てておるのでございます。それから黒岩某処置でございますが、これはまだ判決はございませんから休職にいたしてございます。判決が確定いたしますれば、当然定められた処分をしなければならん。  それから予算関係につきましては、御承知でもございましようが、鉄道には、昔は用品資金と申しまして、一定の事業に必要な、一般の官廰と違いまして、事業を運営しておりますために、用品資金というものを以て事業運営に必要な物品を手持しておることができるように、或る國会で承認されました限度について、物品を持つておることができる形になつております。会計法が変りましてから、もう名前は今度の予算では運轉資金という名前に出ておりますが、中間勘定として、そういう資材の手持ができる。又その資材を購入する金額、或いは支出金額というようなものが定められておるのでございまして、そういうもので購入したものが直ちに議会で拘束されております事業費なり、或いは損益勘定或いは購入勘定の決算ということにもならない仕組になつておりますために、予算が余つておると思われることは非常に何でございますが、資金の都合によりましては、いろいろな物を買うことになりますから、そういうことが起り得る仕組になつておるわけでございます。  それから時計、ガーゼ、蒲團のようなものの処分をしたことについて御質問なつたと承知いたしますが、時計、ガーゼはそれぞれ必要が生じましたので、所要しておるところへ配給いたしまして、蒲團が弘済会に七千五百組を配給したのでございますが弘済会と申しますのは財團法人でありまして、鉄道職員の退職者、その中には勿論負傷したり、不具癈疾になつて罷める者が非常に多いのでありますが、そういう者の救済を目的とした社会事業をやるために設立した財團法人でございますが、その救済の財源を得るためにいろいろな事業をやつております。主たる事業は御承知の通り駅構内における物品の販賣、いわゆる賣店というようなものを主力にいたして、そうして利益を上げまして、それを鉄道退職者の遺族或いは不具癈疾者の職業の補導或いは救済こういうようなことに当らせておる会であります。  それから御非難になりましたもの、未使用物品を或いは職員に拂い渡したもの、そうしたものは全部回収いたしまして、ただ黒岩がすでに取りましたものについてはまだ回収できていない。こういうような現状でございます。
  44. 竹中七郎

    竹中七郎君 私はまあこれからどんどんと申上げることがございますが、結論はですね。この國会決算というものが、あなた方は非常にこう軽く持たれて、予算さえ通れば後はいい。それでは実際國会は、國民の公僕として政府が一番大きい國の予算を持つておる。このものがいい加減にと申しましてはいけませんけれども、この経済の変革事でありますから、予算が余れば、それを翌年度でやつて貰いたい。節約して、少しでもやつて頂きたいと思いますのに拘わらず、いろいろな批難事項が出て参りますことは甚だ遺憾であると、かように思う者でありまして、私達甚だ喰い下つておるわけでありますけれども、その点も各官廰の方が御諒察下さいまして、最も少い経費で、最も有効な仕事をして頂きたい。これが念願で我々決算委員として終始したいと、かように考えておる者でございますので、今後共この点は御了承のことと思いますけれども、しつかりやつて頂きたい。かようなことを申上げて私は今日の質問を打切ります。
  45. 北村一男

    北村一男君 この食糧増産関係しまして、結局運輸省は黒字になつたと考えませんが、土地処分が完了しませんから分りませんけれども、多分赤字になるものと私は考えますが、どういうような収支になるお見込でも、今立ちましたならばそれを承わりたい。  それからこの土地の開放をなさるのに、これは開放をするということを申請なされば、私はそう買人など物色なさらずとも済むんじやないかと思いますが、その辺はどんな方法を今現実に取つておいでになりますか。その二点の御答弁を……
  46. 三木正

    運輸省總務局長(三木正君) 一番私共手放し処分について困つておりますのは、土地を開墾しまして、畑地のようなものにいたしましたものにつきまして、元の所有者である元の地主さんから、原状回復というようなお話も出ております。それはいろいろな事情があるだろうと思いますが、面倒でないかと思います。そういうことがある。それからそれもただ農地だけでありませんで、その場合に農耕に從事する鍬や何、そういうものは使つておりませんので、そういうものと一緒に処分できたならば、投じました費用を回収するのに、一番高率に回復できると思います。その一方に、もうそういう農地法との関係がありますので、そういう方面と十分御相談の上でなければいけない。そういう意味で、各土地々々と折衝しておるようなわけであります。  それから赤字になる見通しというお話でございますが、これは、そんな事情でございまして、恐らくお分りになると……勿論赤字になると存じますけれども、見込は、大雜把な見込も十分ついていないので、今年成るべく早いような機会に、そういう見通しをつけて行きたいと、こういうふうに考えております。
  47. 北村一男

    北村一男君 もうやつてしまわれたことでありますから、これ以上申上げませんが、鉄道の、運輸関係批難事項は、違法、不当を合せて十件で、恐らくは各省の中で一番……大藏省が一番で、それから運輸省は二番になつていると思います。大きな世帶でありまするから、これ又無理からんことは一應考えますが、どうか運輸省は、運輸関係の能率を上げて頂くことは國民の一番要望しているところでありまして、農耕地をお持ちになるとか、その他手廣くいろいろの事業をご経営になるということは恐らく國民は余り希望しておらんと考えるのであります。こういう点をよくお考え下さつて、本來の仕事に精進して頂くという希望意見を附しまして私は質問を終りたいと思いますが、後は委員長に一つ議事進行でちよつと申上げてよろしいですか。
  48. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) はい。
  49. 北村一男

    北村一男君 この上審議を継続になつてもこの期間中に到底終りませんから、この程度一つ第三國会にお引継ぎになるようにお運びになつては如何でしようか。
  50. 太田敏兄

    主査太田敏兄君) 外に質問がありませねば会計檢査院の方でこの檢査報告書に載つておりまする以外に何か附加えられることがありますればこの際お述べ願いたい……それでは檢査院の方で別にないそうですが、本日御出席になつております各省政府委員の方でこの会計檢査院報告書の中にありまする批難事項に対しまして更に説明を附加える必要がありますればこの際御発言を願います。ありませねば本日はこの程度質問を打切ることにいたしまするが、実はここで全部の質疑が終つたとすれば、ここで一應仮決議をいたす順序でありまするが、本日御欠席の委員もありまするし、尚外に質問事項もあると思いまするが、これ又只今北村委員からの御希望もありましたので、大体第二國会の継続決算委員会の第二分科会といたしましては、大体この程度で一應質疑を打切りまして、後は第三國会に引継いで審議を進めることにいたしたらどうかと思いますが、これにつきましては更に第一分科会ともよく打合せまして決定いたしたいと思います。さように御了承願います。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時二十四分散会  出席者は左の通り。    主査      太田 敏兄君    委員            北村 一男君            竹中 七郎君            下條 康麿君            鈴木 憲一君            千田  正君   政府側    運輸事務官    (鉄道総局総務    局長)     三木  正君    遞信事務官    (総務局主計課    長)      横田 信夫君   —————————————    会計檢査院事務    総長      東谷傳次郎