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1948-07-01 第2回国会 参議院 決算委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月一日(木曜日)    午後零時十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○商工省官制の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○行政管理廰設置法案内閣提出、衆  議院送付) ○運輸省官制の一部を改正する法律案  (内閣提出参議院送付) ○工業技術廰設置法案内閣提出)   —————————————
  2. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) これより決算委員会を開きます。
  3. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 行政管理廰の問題ですが、この二年間の行政調査部の足跡を見ますと、調査されたものが一向実現しないのであります。若しも今回又お役所を作られても、それが日本官廳機構民主化合理化に役立たないような官廳であつては、賛成し兼ねるのでありますが、どうなるでしようか。とういうふうに役立つでしようか。その点を一つつまり調査研究としてどういう点が役立つか、調査研究された結果が具体的に、日本官廳民主化合理化にどう役立つであろうかという、この二点を一つ大臣からお伺いたしたいのであります。
  4. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 今の兼岩委員の御質問にお答え申上げますが、現在の行政調査部臨時のものとして、設置いたされまして、その後國家公務員法の制定に伴いまして、人事委員会なども作られました関係で、最初機構が途中で変わりましたような事情もありまして、調査研究立案というようなものにつきましても、必ずしも理想的には行えないような状態になつておりまして、その後行政整理或いは行政機構簡素化というような問題を、重要な問題として取上げるに至りまして、必ずしも行政調査部設置制によらずに、閣議決定などによつていろいろとそういう方面に関する事務を取扱つてくるというような、非常に余り合理的でない行き方臨時的な行き方をして参りましたので、そのために本來の使命と申しますか、そういうものを達するに不便がありまして、又一方行政監察委員会臨時のものとして設置されておりまして、その活動期間も、実をいうと実際に活動した期間が非常に少かつたような状態でありますので、これ亦できるだけのことをいたしましても決して完全にその使命を果し得たとまでは言うことはできないような状態にありまして、こういうような臨時のものでありますと、どうしてもその機能を十分に発揮するわけには参り兼ねまする状態に鑑みまして、この度、今までの行政調査部行政監察委員会、勿論、後者は、徹底的に整理をいたす次第でありますが、この二つを合せた確定された権限の下に、永続的なものとすることによつてその機能を十分に発揮さしたいというふうに考えるのでありまして、その設置法案にもありまするように、行政管理廳におきましては、行政機関機構定員、或いは運営総合調整を行なうとか、その他定員とか運営に関する調査企画立案ばかりでなく、更に各行政廳に対して勧告を行なうというようなことによつて、その機能を十分に効果的たらしめるようにいたしたい、こういうふうに考える次第でありまして、はつきりした規定の下に十分な機能を発揮して、いわゆる行政民主化、或いは行政能率化のための、それを目的とする行政機構簡素化というようなことに向つて進みたい、又進むことができるのではないか、こういうふうに考えておるのでありす。
  5. 山下義信

    山下義信君 前回私は簡單に質疑をいたしたのでございますが、この種官廳設置は、現在ありまする調査部、又監察委員会、それらを会せて一組織になさいますので、当然当分その必要性を思いますので、大体賛意を表するに吝かでないのでありますが、一体行政組織に関しまする研究を今日ずつとなさつておいでになりました行政調査部の御自分官廳組織を御立案になりまする設置法としては、私は多大な遺憾の思いを持つ者であります。その第一番は、名称でございますが、前回私はこの点を質疑したのでありますが、結局御答弁もなかつたのであります。私の質疑いたしましたのは、行政管理というと、行政そのもの管理するような役所感じがするのが如何であろうかと、こういうことを私は言うたのでございます。そして行政機構いろいろ立案とか、調査とか、そういうことを管理なさるならばよろしい、詳しく申せば行政機構に関する種々なる調査企画立案、或いは審査等管理をなさる役所である。でありまするけれども、それを略して行政管理となさるのでありましようが、行政管理と申しますと、いわゆる行政一般管理する役所である。こういうふうにしか役所の名前の解釈ができませんので、極めて妥当でない感じがするのであります。そうしてこの所掌事項の第二條の分け方というようなものも極めて曖昧な点があります。第二号のごときは、「行政機関機構定員、及び運営総合調整」という、総合調整ということはどういう意味を持つておいでになりますか、この意味によりましては実に重大である。この役所が相当行政機構の拡充に当りまして、いわゆる審査をなさいましたり、或いは立案をなさいましたり、いろいろ勧告をなさる程度であるならよろしうございますが、総合調整ということがこの行政管理廳で殆んど決定的な御権限を持つというようなことになると、私は実に重大である。でありまするので、管理ということがその意味におきましてもどの程度範囲管理するという御意味になるか。固より行政全般管理なさるというようなお考え名称ではないのでありますが、所掌事項に至りましてその点が頗る曖昧、私はもう一度念を押して伺つて置きます。行政管理廳名称である行政管理とは何ぞやということと、極めて妥当でないように思いますが、政府所見如何、こういうことを伺います。愚案によりますれば、これはむしろ行政監察というものを付けたりでなしに大きくお浮入れになつて、そうして行政監察廳となさる。そうみて行政機構に関する調査立案審査、そういうものをこの役所を通して一應立案するような御構想になりましてもちつとも差支ない。行政監察廳を何も付けたりになさらなくても、その方を大きく浮び上らせて、そうして行政監察廳となさるのがいいんじやないか。尚、行政調査廳ならば尚はつきりしていい、何れにしてもこの名称は妥当でないように思います。今の第二條第二号の「総合調整」ということの限界、この範囲、この二点を今一度入念して置きたいと存じます。
  6. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 山下委員のお話は誠に御尤もと考えるのでありまして、必ずしもこの名称を非常に完全なものとは考えてもいないのでありますが、單に行政機構調査とか企画とか立案とかいうばかりでなく、それと関連いたしまして、やはり行政そのものに関しましても各種調査研究その他を行なうことに相成りまするし、更に決してこの監察事務を付けたりとして考えておるわけではないのでありまして、そういうような方面のこともありまするし現在まだぼんやりとではありまするが、行政管理廳におきまして、更に進んで行政運営全般に関する科学的な研究とか或いは更に行政運営法というようなものの性格とかいうようなものも考えなければならんというようなこともございますので、そのために單に行政機構管理とか監察とかいうだけでなしに、廣い意味名称を付する方が適当であるというふうに考えたのでありまして、只今指摘になりました総合調整に関しましては、これは最後的な決定はどこまでも内閣が全体として行わなければならない。政府が全体として行なうべきものでありまして、行政管理廳だけで最後的な決定をしてしまうというようなことはございませんので、政府全体の責任において、政府全体の権限において行うことはいうまでもないことと御承知置きを願いたいと存じます。
  7. 山下義信

    山下義信君 只今の問題は先ずその程度にいたしましよう。時間もございませんから次の機会に譲ることにいたします。先般質疑いたしましたときに、只今つておいでになりまする臨時行政審議会もこれは任務が終了しまして、おやめになるということでございましようが、この行政管理廳行政全般の御研究をなさるとしましても、初めは大藏省から出身の人が入り、商工省のこともよく存じておる人が入り、通信省関係のこともよく存じている人が入りいたすようなことでありまして、この行政管理廳所属職員人達で御研究もできましようが、段々この専属の職員になつて來ますと、皆日が経ちますと元の大藏省におつたからと言つて大藏省のことはよく分らんというようなことになつて参りますと、行政全般の御調査をなさるには、所属職員だけでは足りない、それは御調査になります研究会と言いますか、審査会のようなものを、今までのようなえら物を並べたような、おおいう審議会でなしに、実際の実情に即して、各省機構調査研究をなさるのには、どうせ各省の相当にエキスパートを集めて、このいろいろ研究会のようなものをお持ちにならなければならんと私は考えます。そうしなければ行政管理廳所属職員の方だけでは世間が狭くなるのではないかと考えますので、そういうような協議機関でもこの行政管理廳にお置きになりますお考えがあるのかないのか、運営のことになりますが、御所信の程を承つて置きたいと思います。それから今までは委員会制度中央委員会なり、或いは各省委員会があつて、これは時間がございませんから、意思は省略いたしますが、おのおの自分の省のいわゆる高等官か首脳部自分の省の行政監察をするなんというのは、まるで自分の手で自分の手を調べるようなもので、その組織には噴飯を禁じ得なかつたものでございますが、そのままをやるのだというような前回の御答弁でありましたのですが、眞に行政監察を徹底的に今回の行政管理廳でやつて行こうというお考えがあるならば、専任行政監察員というような者でも……この皆他の方は経済査察であるならば経済査察官、いろいろそういうような調査をいたしまする調査官をお置きになりますようでございますが、そういう専任の相当な職員をお置きになりまして、会計檢査官がそれぞれ会計檢査をいたしますように、行政調査専任監察員というような者をお置きになりまして、この活動をなさいませんと睨みが利かないと私は考える、眞にその目的が達し得ないと思いますが、只今のような委員会程度で、その事務をただここで扱うというような程度では徹底いたさないと考えるのでございますが、運営方面におきまする当局の御所信を念のために承つて置きたいと思います。
  8. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 只今山下委員の御質問の中の最初の、各行政機関との連絡、或いは行政全般に関する研究というようなことに関しましては、実例を以て申上げますと、実を言えば行政機構改革審議会は一週間に一度しか審議会そのものが開かれませんが、行政調査部において、現在行政調査部が中心となつて幹事会を開いておりまして、それには各省からの、各行政機関からの然るべき係官が集まりまして、密接な連絡を取つて幹事会の案を作成して、それを審議会で更に檢討するというようなことをやつておりまして、十分できるだけの連絡は取つておりまするので、例えばこういうような機構を更に確立いたしまして、各行政機関との十分な連絡を取つて行かなければならないと思いまするし、又行くことができるというふうに考えておるのでありまして、その外に、できまするならば、將來予算の許す限度におきましてではありまするが、一種行政研究所のようなものを設けることが適当ではないかという考えおりまして、目下その案を練つておりまするし、同時にこの日本経営科学協会とか、或いは日本事務能率協会というようなものとも十分に連絡を取つて行きたいという方針でおる次第であります。又監察員制度につきましては、御指摘の通りのことを考えておるのでありまするが、現在の状態におきまして、できるだけ機構を簡素なものにして出発して行きたいというふうに考えましたので、委員といたしましては、民間側委員を置きまして、相当密接な連絡を取つて、十分な機能を発揮するように努めて行きたい、こういうふうに考えております。
  9. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 二つお尋ねいたします。一つ定員、現在調査部専任定員何名お持ちであり、新しい課長が何名になるかという点が一つ、それからもう一つ、構造、構成、第二は構成です。つまり行政機構全体を民主的に、合理的に行こうとする官廳であつたならば、自分自身が先ず民主的であり、合理的でなければいけないと思うのです。果して大臣はこの管理廳に対してどういう点が民主的であり、合理的であるか、この民主的であり、合理的であるという二つの証明が願いたい。從來こういう長い日本官廳機構、特に中央官廳の弊風として、こういつた行政機構などを実際の専門家、或いは勤労職員意見を聞くということでなしに、祕密的に、これは俺の仕事であるとばかりに、極祕であるとか、祕というようなもので抱え込んで、こそこそと一部の法律官僚がいじくり廻しておる。そういうことをこの官廳でもう一遍繰返して行かれるようなものならば、そういうものは我々は必要と考えない。從つて私は具体的に一つ第二点、つまりこの構成において、どこが合理的であり、どういう方法によつてそういう祕密的なところ、特権官僚的な運営方法をやめて、技術者、或いは専門家勤労職員等、いわゆるエキスパート、先程山下議員の言われたエキスパート意向を十分に反映するというようなそういう民主的な合理的な機構をどういう点においてとつておられるか、はつきり具体的に、簡單でいいから具体的にはつきりと一つ御説明願いたいと思います。
  10. 船田享二

    國務大臣船田享二君) お答え申上げます。現在の行政調査部では、一級官一名、二級官九名、三級官が二十二名、それから中央行政監察委員会におきましては、一級官一人、専任の二級官が二人、それから三級官が四人というようなもので形成しておつたのでありますが、今度の行政管理廳におきましては、次長を置きまして、それから管理部長監察部長、各部に三課四課を置きたいというふうに考えておりまして、一級官三名、二級官十八名、三級官三十名、その外臨時職員などを合せまして、全体で百二名という、できるだけ少ない人数のものを立案いたしておるのでありまして、それから只今のお言葉の中にありました祕密主義或いは官僚主義というようなことを打破するためには、できるだけの工夫を凝らして参るつもりでありまして、更に一種行政公開とでも申しますか、廣く行政に関することを國民全般に知つて貰うために、例えば行政官廳運営状況、その他も入れました各種監督とか、協議内容その他を含めましたものを年報とか月報とかいう、これも勿論経費の関係もありまするので、現在のところでは年報というようなことしか確かできないのではないかと考えますが、そういうものを発行するとか、或いは先程申上げましたような、監察に関しましては、監察部に置きましては、委員として民間側委員二十名を委嘱するというような計画を立てまして、能う限り民主的な運営方法を講じて行くという方針でおります。
  11. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今の大臣の報告によりますと、三十九名、現在一級官二名のものが今後は三名になる、二級官十一名のものが十八名になる、三級官二十六名のものが三十名、その他を入れて百二名、現在三十九名のものが百二名、約二倍半に殖える、臨時的なものが恒常的なものになつて、且つ二倍半に殖える、然るにその内容運営は具体的に民主的、或いは合理的に持つて來というような具体案を一向にお持ちにならない。いたずらに官廳が又殖えるというふうでは、果して実際の効果を持つかどうか非常に疑わしいのであります。そこで僕の質問に対して答弁のピントがぴつと合つていないのであります。つまり我々は先進國に学ばなければならないから、先進國米英、フランス、ソ連等々の行政機構を一方において、國家として腰を落著けて勉強して貰うこと、これは無論必要なことの外に、官廳それ自身の、つまりその中で働いておる、一生をかけて働いている専門家技術者、その他のエキスパート及びその中で一生働く職員が働きいいような組織でなければいけない、そういうエキスパート及び勤労職員意思をどうして反映させる具体案をお持ちになるかという一点と、それから所詮官廳國民のための官廳でなければならないが、一体その國民意思をどうして反映させる、意向をどうして官廳民主化合理化に使おうとするその具体的措置があるか。この一点に対してどうも答弁が不十分であつたように思います。つまり、大学教授その他学識経驗者等々の脳髄を使われるということは、むしろ第一点の、先進國その他に学ぶという程度であつて、これは、もののほんの一面であり、もつと重要なことは、その中で働く人達希望をどういうふうにして取入れ、又國民のこれに対する批判なり欲求をどういうふうに取入れるか、我々は日本官廳日本的に合理化し、民主化するということが問題であり、その具体的の日本官廳民主化合理化ということに備えることのないような漠然たる官廳ならば、私は作る必要はないと考えておりますが、その一点をもう一遍承わりたい。
  12. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 先程私の答弁の中で言葉が足りませんでして誤解を招いたところがありまするが、三十数名が百二名になるというのではありませんで、現在でも一級二級三級を合せたところだけで計算して現在三十二名になつておるわけなんでございまして、その比較から申しますると、三級官までの計算でやりますと五十一名になるわけであります。後の雇員とか事務補助員などを合せまして百二名になると申上げたわけでありまして、現在も三十名の外にそういう者もありますので、二倍半というような増加になるわけでは決してございませんで、殊に監察に関しましては地方の監察委員会その他をすつかり整理いたしまして、できるだけ簡素なものにいたす予定で立案いたしたわけでございます。それから御指摘の、官廳組織或いは運営方法などにつきましては、今申上げましたような非常に簡單組織簡單機構といたしますと共に、他方におきまして各方面からの顧問とでもいうべきものを委嘱いたしますが、これは必ずしも外國行政その他の、おつしやるような研究ばかりでなしに、常に國民全体の、民間側と申しますか、その意見を反映せしめ、行政管理廳運営の上に十分に反映せしめるという趣旨で立てた案でありまして、こういうような方法によりまして能う限りの民主的な或いは合理的な運営はできるものと考えておるのであります。
  13. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どうも、その御答弁は全く第二の観点で、満足できませんのでありますが、一体あなたはこの官廳民主化合理化立案をするし、これを実現して行く官廳をこれから運営して行くのに、どのような力を使つてつて行くということも考えないで、單なる一片の脳髄に頼つてあなたがやつて行こうとされるならば、私はこの官廳は殆んどただプリントを沢山拵えるということに帰着すると私は思うのです。つまり國民専門家勤労者の圧力というものをこの官廳に取入れて行くということにおいて、初めて民主化が行われ且つ合理的な日本官僚機構になつて行くので、だから、もう少し具体的に聞けば、あなたはこの官廳を今後運営するのに、一部の官廳幹部級ですね、そういうものだけをちよいと顧問とかその他の恰好で、お座なりな委員会運営をして行くというような旧態依然たるやり方で、この官廳運営して行かれるように聞いたのですが、私はそういうようなやり方ではなくて、各官廳の中で本当に働いている人達の中から、最も信頼のある、例えば文化團体とか職員組合とか労働組合とかいうようなものから選挙によつて推挙される、力もあり信頼もあり、その中で何十年働いて本当に從來官廳機構の欠点を知つている人達と取組んで立案をするというだけの民主的な機構運営観点があるかという一点と、それから官廳内部にいるエキスパート勤労者職員だけでなくて、國民の、官廳に対する批判、幾千万の勤労國民の、官廳に対する合理的、民主的な欲求をどういう形で、受入れられようとする組織が、あなた方の提案されているこの官廳の中に盛られておるか。この二点を簡單に、明瞭にお答え願いたい。
  14. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 決してお言葉のようにお座なりの顧問とか委員とかいうものを作るような計画を申上げたつもりでありませんで、この点十分に各方面エキスパートと申しますか、そういうものを集める工夫は、これは組織そのものというよりも、運営の方で考慮して行かなければならぬと考えるのであります。それと共に國民全体の行政官廳に対する各種意思というようなものを反映せしめるという方法につきましては私といたしましては國会と密接な関連を以て、國会議員の方々と当行政管理廳との合体いたしましたような、これは機構として、行政管理廳機構そのものとして設けるわけには参りませんが、これも亦國会と密接な連絡を取り得る運営をすることが、こういうような機構を立てましてできると考えるのでありまして、そういう方面において十分連絡が取れると考えておりまして、機構そのものとしては、こういうような案を立てた次第であります。
  15. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もうこれで僕の質問は打切りますが、そうすると各官廳の内部に働いている課長とか部長とか局長とかいう一部の上層の人ではなくて、中堅或いは大衆、エキスパート技術者、その他勤労職員等々の、官廳に対する改革案を具体的に受入れるという構想をあなたは考えられるのですか、考えられないのですか。
  16. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 勿論考えておりまして、それをこの機構において現わすことはできませんので、運営の方でそういう方針運営して行くという考え方であります。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どのようなふうにどの程度まで具体的にそれを考えておられるか。例えば委員会というような恰好ですか。職員の中にそういう人を採用するという形ですか。それともそういうような、まだ具体的なことは考えておられない、まだそういう希望を漠然と持つておられるだけですか。
  18. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 現在におきましても、先程申上げましたような行政機構改革審議会幹事会などにおきましては、あらゆる方面からのエキスパートというものの連絡会議をいたしておりまして、このような機構を拡充いたして参りますれば、十分にそういう各省の何と申しますか、役目で、お言葉のような部長課長でなくして、更に十分に熱心にこれについての見識を持つておる人達を探し出すこともできまするし、その人達意見を十分に反映することができるような、一種の現在の会議を拡充して参りますればできるし、又すでに現在におきましても、例えば行政監察委員の方でも民間側などの意見が十分に反映するような、これはごく期間が短かつたので例は少ないのでありますが、十分そういう例も持つておりますので、そういう委員の会合、これは必ずしも制度として委員会とか、そういうものにするわけには参りませんが、そういう会議を作り、又その会議から個々の問題につきまして、会議以外におきましても連絡を取るというようなことで、現在まで行つておりました経驗に基きまして、今おつしやるような方法が講ぜられるというふうに考えておりますし、又講ぜられなければ意味をなさないというふうに考えておる次第であります。
  19. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 新たに生まれようとしておる行政管理廳のお仕事となさいまして、行政制度一般に関する基本的事項企画とか、それから行政機関行政状況監督、こういういずれの仕事を見ましても、女性性格と、それから過去の特殊の専門的な知識と申しますか、経驗と申しますか、これを採用なさらないと、十分に所期の目的を達成できない部面が多いと存じますが、ここのお役人に相当沢山高級の方の役目女性を採用なさる御意思がございましようか。むしろこれをお願いしたいのでございます。
  20. 船田享二

    國務大臣船田享二君) 例といたしましては、すでに行政監察委員としては、いろいろ女性の方にも現在までにすでに御面倒をお願いしておる例もありまするので、お言葉のようなことにつきまして、十分考慮いたしたいと存じますが、具体的にどういう所にどれだけの女性の官吏を採用することができるか、というようなことにつきましては、十分に考慮いたしたいと存じます。
  21. 小野哲

    ○小野哲君 議事進行について、質疑を打切られることの動議を提出いたします。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  22. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) それでは質疑を打切つて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) 質疑は終りました。討論に入ります。
  24. 中川幸平

    ○中川幸平君 行政機構簡素化並びに運営の改善が叫ばれると同時に、人員の整理が叫ばれておることは、今更申上げるまでもないことでありまして、從つて行政機関の拡充、或いは新設につきましては、愼重にこれを考慮せんければならん問題であります。それがためにこの行政管理廳設置を私共は大いなる期待を持つものであるのであります。併しながら先般來山下委員から申されたことく、この官廳に何らの権力がない、或いは圧力がないということでは、この管理廳設置の意義を失うものであるのであります。固より國務大臣が総裁になられまするが、それではまだ心細いのでありまして、私はこれらの所掌事務を強力に遂行するために、権威ある審議会を設けることを希望いたしておるのであります。さような点から本法案の修正意見も出したい氣持もあつたのでありまするが、政府委員の御説明によりますると、それらの点もそれぞれお考えになつておるようであります。從つて私は民主自由党を代表いたしまして、本法案に賛成いたす者であります。
  25. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 私は本案に対しまして一言申上げます。本法案は我が國の行政の部面におきまして、戰時中からいろいろ悩みがありましたそれの解決の一歩前進であると、かように考える。いわゆる経済方面においては綜合的に安本、或いは人事方面においては人事委員会、それから行政その他の査察におきまして今までの調査部ができており、余計その他において会計檢査院がこれをやります。この四本建ての機構が、各國務大臣によつて國務でやることが本当でありますけれども、その足がない。そういうわけでいろいろの機関ができて参つたのでありまして、これが本当に活動して頂くときにおきまして、現在の日本行政簡素化或いは能率化、スピード化、その他の官吏の生活内容が向上いたしまして、本当に公僕としての官吏の向上があるのじやないかと思うのであります。併し今までの実績を見ますときにおきまして、甚だ隔靴掻痒の感があるのでありまして、この点特にこの行政監察廳ができましたときにおきましては、この長官たる方が最も大決心を持たれまして、いわゆる整理その他に対する不合理なる二割減とか、或いは二割五分減というふうではなく、この官廳は二割、この官廳は三割、そういうような整理考えられ、その研究を実行して貰いたい。かような希望を持ちまして、私は本案に賛成するものであります。
  26. 太田敏兄

    ○太田敏兄君 最近新しい官廳が踵を接して殖えておるのが現状であります。ところが、日本の官吏は能率の悪い関係でありますが、数的に非常に多過ぎるとおもうのであります。米國あたりでは、局とか課とか申しても、これに包含される人員は非常に少ないようであります。この調子で行きますと、私は日本はいろいろの意味において官吏亡國になると思うのであります。そこで私は事務合理化の立場から官廳の部門が殖えるのはよろしいが、他面におきまして事務の能率化によりまして、人員を増さないということが望ましいと思うのであります。今度できます行政管理廳におきましても、そういう意味におきまして、極力努力せられんことを強調いたしまして、本案に賛成いたす次第であります。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私はこういう日本行政機構民主化し、合理化し、恒常化する、このことには賛成でありますが、今までの行政調査部運営の実績度の官廳を作るために、わざわざ定員を増加するということが、果していいのか悪いのか、非常な疑問を持ちます。從つて根本的な意味で、恒常的な行政調査機関を作ることには賛成でありますが、今の政府委員の説明の程度のものであるならば、私これを定員を増加し、新たなる廳として作る程の値打ちがないという意味で、もう少しこれを練つて、第三回國会においてこれを作つても遅くないのだというふうな考えを持つております。
  28. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) 外に御発言なければ、討論を終つたことにいたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) 討論を終りました。採決いたします。行政管理廳設置法案に対しまして御賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  30. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) 挙手者過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。報告書に御署名を願いたいと思います。尚委員長の報告は適宜お委せを願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    〔多数意見者署名〕
  31. 下條康麿

    委員長(下條康麿君) それでは一應この委員会を閉じまして、午後一時半から再開いたします。その間休憩いたします。    午後一時二分休憩    —————・—————    午後二時零分開会
  32. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 只今より午前に引き続き決算委員会を再開いたします。運輸省官制の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず政府委員より提案理由の御説明を願います。
  33. 植竹春彦

    政府委員(植竹春彦君) 只今より運輸省官制の一部を改正する法律案の提案理由について、御説明申上げます。  この度、政府におきましては、國家行政組織法の施行が延期になりました関係から、この國家行政組織法の施行に伴う機構改革と切離して、この際急を要する國営自動車関係事務を、陸運監理局から鉄道総局へ移管することにいたした次第であります。從來地方にありましては、國有鉄道の経営と國営自動車の経営は、何れも鉄道局において所掌しておりましたが、本省におきましては自動車関係事務はこれを一括して陸運監理局で所掌しており、ただ自動車の関係というだけの理由で、現業事務である國営自動車の経営を、監督行政を扱う部局である陸運監理局に入れておくことは適当でなく、むしろ國営自動車は業務運営上、國有鉄道と密接な関係があり、会計面におきましても國有鉄道事業特別会計に属し、要員、資材、予算等すべて鉄道総局に負うておるのでありまして、これを同一個所に集中して、國営自動車の経営を國有鉄道の経営と一体化することが緊要であり、また今後最も考慮を要する企業の独立採算制の観点からいたしましても、同会計所属の鉄道総局に属させることが適当であると考えられるのであります。事務の移管に伴いまして從來の陸運監理局國営自動車部を鉄道総局國営自動車局といたしまして、これが運営の万全を期したいのであります。  以上、この法律案の制定の趣旨及び内容を御説明いたしましたが、この改正によりまして、國営自動車の運営合理化を図り、併せて行政と企業の分離の一助といたしたいと存じます。何卒愼重御審議の上、速かに可決あらんことを御願い申上げる次第であります。
  34. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 速記を止めて……    〔速記中止〕
  35. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 速記を始めて……、他に御発言はございませんか。別に御発言もなければ、本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。ご意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。運輸省官制の一部を改正する法律案を可決することに御賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  38. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。  尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、予め、多数意見者の承認を経なければならぬことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑應答の要旨及び表決の結果を報告することとしまして、御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 御異議ないと認めます。それから、本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可決することに賛成された方は順次御署名を願います。
  40. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 次いで商工省官制の一部を改正する法律案及び工業技術廳設置法案を議題に供します。先ず政府委員より提案理由の説明を願います。
  41. 駒井藤平

    政府委員(駒井藤平君) 御承知の通り、政府商工省設置法國会提案を撤回いたしましたので、今回別に商工省官制の一部を改正する法律案を提案いたし、御審議を仰ぐことといたした次第でございます。  商工省官制の一部を改正する法律案におきましては、第一に、鉄鋼増産の緊要性に鑑み、新たに鉄鋼局を設けることとした点、第二に内外諸般の情勢に鑑み、賠償実施局を賠償実施部として、これを総務局に置くこととした点、第三に、製品の品質向上のため、任意檢査又は輸出品取締法等の法律に基く檢査を行うための檢査機関を商工省設置し得ることとした点がその主要な内容でございます。  何卒御審議の上速かに御可決あらんことを希望いたします。  次に工業技術廳設置法案の提案理由を説明いたします。  政府は先般來、工業技術廳について鋭意檢討を進めて來たのでありますが、漸くその成案を得ましたので、ここに工業技術廳設置法案國会に提出して御審議を仰ぐ次第であります。  我が國の産業の状態を見ますに、遺憾ながら欧米の技術に比べて低い技術の設備しか保有していないものが多い状況であり、又産業の基礎をなる資源についても極く貧弱な状態でありまして、敗戰後の我が國経済の基礎を確立し、將來へ向つての発展を期するためには、この際速かに産業各方面に亘つて生産方式及び生産技術を向上させ、併せて資源の開発利用に努め、量質両面の生産力を強化することが、極めて肝要と考えられるのであります。これがためには、鉱工業技術に関する研究機関の総力を発揮すると供に、鉱工業に対する行政に技術を注入し、以て鉱工業技術の改革と緊急課題の解決を速に図ることが大切なのでありますが、飜つて現状を見まするに、試檢研究機関は官立たると公立たるとを問わず、戰後経済の変化に伴い資金資材の欠乏のため頗る不振の状態にありまして、十分の機能を発揮していない状況であるのは、甚だ遺憾に存ぜられるのであります。只今申上げたような事情に鑑みまして、政府は鉱工業技術水準の改善向上と、資源の開発利用を急速に推進するため、必要な態勢を整備するの急務を痛感いたしまして、ここに工業技術廳を設置することに決定したわけであります。即ち、本廳の中に商工省管下に分散しております試驗研究機関並びに工業標準化を担当しております部局を統合しまして、これら機関をした十分な機能を発揮せしめるように取計うと供に、公立、私立の試驗研究機関との密接な協力態勢を確立し、官民を通ずる試驗研究能力を綜合的に発揮させ資金資材の確保、研究資材の整備等、円滑な研究活動のために必要な基本的條件を整備し、又或いは研究奬励制度の確立、或いは積極的な技術指導の実施等、技術改善に必要な施策を強力に遂行して、商工行政の一環として我が國産業の振興に協力し、以て緊急対策、長期計画両者の遂行に遺憾なからしめんとするものであります。  何卒御審議の上速かに御可決あらんことを希望いたします。
  42. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 速記を止めて……    午後二時十分速記中止    —————・—————    午後二時二十四分速記開始
  43. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 速記を始めて……
  44. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 鉄鋼増産のための鉄鋼局の設置という、これは日本の産業の基礎で、今回商工省がそういう決心を以て御出発になつたことを、非常に喜ぶ者であります。又工業技術廳設置という、つまり科学技術の振興によつて祖國を復興しようという御決意は、むしろ遅きに失するのであつて、遅きと雖も今日こうして出されたということを、非常に歓迎する者であります。で、一條、三條、その他を拝見いたしますと、非常に結構でありますが、ただ言うは易く行うは難いのでありますが、一体こういうようなよい目的を本当に達成できるかどうかという点を、お尋ねしたいのであります。その二点からお尋ねしたい。結局人事と資金、予算の問題になつて來ると思いますが、この工業技術廳設置は、工業技術廳において、人事の問題について、つまり専門家、科学技術者を、その技術行政運営者として、眞に官廳から、或いは民間たるとを問わず、眞に練達の人を採用される意思があるかどうかということが一点と、もう一点は、そういつた科学技術行政の練達者ではないけれども、科学技術そのものに非常に優秀な技術者専門家等を、官廳、民間たるとを問わず、そういう優秀な人を優遇するという決意を持つておるかどうかという、人事行政についての点。  それからこの予算についてお尋ねしたいのでありますが、とかく官廳は庶務細則とかその他條文だけを美々しく裝いまして、内容において非常に貧弱である。予算、つまりその実際の運営において非常に貧弱であり、予算が僅かである。そうして政府がこういう組織を持つておるというだけで、本当に國家のためにならないことをやつておるという嫌いが非常に多いのでありますが、この工業技術廳はそういう点において、一條並びに三條の目的を達成するに足るだけの十分な予算を持つておられるかどうか。予算を持たないで、ただ美辞麗句にじよる法文及び肩書だけの官吏を並べるというのが……本当に勿論節約すべきところは節約するのでありますが、科学技術の振興は精神論や言葉ではできないのでありまして、これは物でありますから、本当に科学技術を振興するに足るだけの予算が必要でありますが、第二点は、十分な予算を持つて、これを動かすだけの内容を持つて、これを御提出になつておるかどうか。人事の問題と予算の問題と、二つをお尋ねいたします。
  45. 駒井藤平

    政府委員(駒井藤平君) 只今の兼岩委員からのお尋ねにお答えいたします。兼岩委員のおつしやる人事の点でありますが、御尤もな御説でありまして、私共も爾かく考えております。民間を問わず各階級を研究いたしまして、優秀な技術者、優秀な人達を網羅いたしまして、向上いたしたい、こういう決意をいたしております。  尚予算面でありまするが、只今計上いたしておりますのは三億四千五百五十三万円であります。尚御例示になりましたように、將來拡充強化して行くという点には、これは私共御共鳴するところで、おつしやる通りでありまして、尚この技術の総てを向上するには予算が伴うということは御尤でありまして、私共政府当路者は御意に副うべく予算面の拡大いたすように努力いたし、尚人事、すべての点において仰せのような方面に向いたい。こう思つております。
  46. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 外に御質問ありますか——御質問がなければ、これで質疑を打切つて討論に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) それでは討論に移ります。御発言を……
  48. 玉置吉之丞

    ○玉置吉之丞君 この修正を加えられております第六條の協議会の運営につきまして、これは從來こういう機関が設置されましても、往々にして有名無実に陷つておるような幾多の例がありますが、本工業技術廳の運営の上においては、極めて民間の各企業者と緊密なる連絡を取る必要があると考えております上において、この協議の運営等については十分愼重な考慮を拂われまして、常に緊密なる連絡を実際の上に保たれんことを私は希望いたしまして、この案に賛成をいたします。
  49. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  50. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 速記を始めて。それではどなたか修正案につきまして御意見を……
  51. 小野哲

    ○小野哲君 この工業技術廳設置法案は、我が國の鉱工業部門における技術の向上なり、或は発展を期する目的で今回置かれようとするので、その趣旨に賛成いたしたいと思うのでありますが、これが運営につきましては、どうしても民間との繋がりを十分に持つ必要があるので、この点に関して修正の意見を持つておりますので、その内容をここに読み上げたいと思います。   第四條中「工業技術運営審議会」の下に「、工業技術協議会」を加える。   第五條の次に新たに左の條文を設ける。   (工業技術協議会)  第六條 工業技術協議会(以下本條中協議会という。)は、左の事項に関して、工業技術廳長官の諮問に基いて、これを審議する。   一、鉱業及び工業の化学技術に関する試驗研究の遂行に関する事項   二、鉱業及び工業に関する生産技術の向上に関する事項   三、試驗研究の成果の普及に関する事項  2 協議会は工業技術廳長官の諮問に答える外、前項各号に掲げる事項に関して、工業技術廳長官に対し、意見を提出することができる。  3 協議会は、工業技術廳長官に対し、審議に必要な報告又は資料の提出を請求することができる。  4 工業技術廳長官は、協議会の答申又は意見については、これに十分な考慮を拂わなければならない。  5 協議会は、委員二十人以内で、これを組織する。  6 委員は商工大臣の申出により学識経驗のある者の中から、内閣がこれを命ずる。  7 協議会に委員の互選による会長及び副会長各一人を置く。  8 前各項に定めるものの外、協議会の運用について必要な事項は、政令で、これを定める。第六條以下を一條ずつ繰り下げる。   附則に左の一條を加える。  第十五條 電氣試驗所管制(大正七年勅令第二百十九号)の一部を次のように改正する。    「電氣試驗所管制」を「電氣通信研究所官制」に、「電氣試驗所」を「電氣通信研究所」に改める。    第一條中「電氣ノ」を「電氣通信ノ」に改める。  以上でございます。
  52. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 只今小野委員から提案されました修正案について御意見があればお述べ願います。
  53. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 政府が工業技術運営審議会だけを考えて、こういう民間との関係考えない原案を出したということが全く理解できんのでありまして、かような修正案は非常に結構だと思います。私は大賛成なのでありますが、ただ一つ意見を申述べて、政府所信を聞いて置きたいと思うのですが、つまり、こういうものをただお役所的に運営されても成功しないと思うのです。私自身長い技術者の生活をしておりましたが、それはただお役所式にこういうものを運営されても成功しないと思うのでありますが、廳員の調査研究、発明、分析、鑑定等について画期的な発明なり努力に対して、いわゆる官廳的形式でなしに、もつと破格にこれを報奬するというようなことが僕は必要であろうと思うのでありますが、それに対して若しも政府がその考えを今持つておらないならば、そういうことを將來考えて、次にある機会の委員会に御報告願えたら、外の事務的な官廳並みの職員の採用方法でなくて、画期的な発明、発見、及び廳員の努力に対して報奬するというような点を考えられるということを希望し、且つそれに対して奬來の委員会に対して実行された点の報告があることを要求して、私はこの修正案に賛成し、且つ全体一括して賛成する者であります。
  54. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 私は小野委員の修正意見を容れまして、本案に賛成する者であります。
  55. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) それでは討論終結と認めまして、直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) それでは採決をいたします。商工省管制の一部を改正する法律案と工業技術廳設置法案と、この両案について採決するのでありますが、最初に小野委員から提案された工業技術廳設置法案の修正案に御同意のお方の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  57. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 全員御同意と認めます。修正案は可決いたしました。次いで修正を除いた他の部分の採決をいたします。修正を除いた他の部分は政府の原案に御同意のお方の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  58. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 全員御同意と認めます。よつて可決いたしました。  次いで商工省管制の一部を改正する法律案について原案に御同意のお方の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  59. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 全員御同意と認めます。本案は可決いたしました両案につきましては、委員長が本会議におきまする報告は、例によつてお委せ願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 御異議ないと認めます。それから議院に提出する報告書について、多数意見者の署名を附することになつておりますから順次御署名をお願いいたします。    〔多数意見者署名〕
  61. 伊達源一郎

    ○理事(伊達源一郎君) 御署名漏れはありませんか……、それではこれで散会いたします。    午後二時四十九分散会  出席者は左の通り    委員長     下條 康麿君    理事            太田 敏兄君            中川 幸平君            伊達源一郎君    委員            吉川末次朗君            北村 一男君            西山 龜七君            竹中 七郎君            平野善治朗君            深川タマヱ君            小野  哲君            駒井 藤平君            山下 義信君            玉置吉之丞君            兼岩 傳一君            山崎  恒君            千田  正君            小川 友三君   國務大臣    國 務 大 臣 船田 享二君   政府委員    商工政務次官  駒井 藤平君    運輸政務次官  植竹 春彦君    説明員    商工事務官    (技術室長)  井上 春成君