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政府委員(駒井藤平君) 御承知の通り、
政府は
商工省設置法の
國会提案を撤回いたしましたので、今回別に
商工省官制の一部を改正する
法律案を提案いたし、御審議を仰ぐことといたした次第でございます。
商工省官制の一部を改正する
法律案におきましては、第一に、鉄鋼増産の緊要性に鑑み、新たに鉄鋼局を設けることとした点、第二に内外諸般の情勢に鑑み、賠償実施局を賠償実施部として、これを総務局に置くこととした点、第三に、製品の品質向上のため、任意檢査又は輸出品取締法等の法律に基く檢査を行うための檢査機関を
商工省に
設置し得ることとした点がその主要な
内容でございます。
何卒御審議の上速かに御可決あらんことを
希望いたします。
次に工業技術廳
設置法案の提案理由を説明いたします。
政府は先般來、工業技術廳について鋭意檢討を進めて來たのでありますが、漸くその成案を得ましたので、ここに工業技術廳
設置法案を
國会に提出して御審議を仰ぐ次第であります。
我が國の産業の
状態を見ますに、遺憾ながら欧米の技術に比べて低い技術の設備しか保有していないものが多い状況であり、又産業の基礎をなる資源についても極く貧弱な
状態でありまして、敗戰後の我が國経済の基礎を確立し、將來へ向
つての発展を期するためには、この際速かに産業各
方面に亘
つて生産方式及び生産技術を向上させ、併せて資源の開発利用に努め、量質両面の生産力を強化することが、極めて肝要と
考えられるのであります。これがためには、鉱工業技術に関する
研究機関の総力を発揮すると供に、鉱工業に対する
行政に技術を注入し、以て鉱工業技術の改革と緊急課題の解決を速に図ることが大切なのでありますが、飜
つて現状を見まするに、試檢
研究機関は官立たると公立たるとを問わず、戰後経済の変化に伴い資金資材の欠乏のため頗る不振の
状態にありまして、十分の
機能を発揮していない状況であるのは、甚だ遺憾に存ぜられるのであります。
只今申上げたような事情に鑑みまして、
政府は鉱工業技術水準の改善向上と、資源の開発利用を急速に推進するため、必要な態勢を整備するの急務を痛感いたしまして、ここに工業技術廳を
設置することに
決定したわけであります。即ち、本廳の中に
商工省管下に分散しております試驗
研究機関並びに工業標準化を担当しております部局を統合しまして、これら機関をした十分な
機能を発揮せしめるように取計うと供に、公立、私立の試驗
研究機関との密接な協力態勢を確立し、官民を通ずる試驗
研究能力を綜合的に発揮させ資金資材の確保、
研究資材の整備等、円滑な
研究活動のために必要な基本的條件を整備し、又或いは
研究奬励
制度の確立、或いは積極的な技術指導の実施等、技術改善に必要な施策を強力に遂行して、商工
行政の一環として我が國産業の振興に協力し、以て緊急対策、長期
計画両者の遂行に遺憾なからしめんとするものであります。
何卒御審議の上速かに御可決あらんことを
希望いたします。