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1948-04-14 第2回国会 参議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月十四日(水曜日)    午後二時一分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○海上保安廳法案内閣提出衆議院  送付) ○石炭廳設置法案内閣提出衆議院  送付)   —————————————
  2. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 只今から決算委員會を開きます。海上保安廳法案衆議院から送付になりましたので正式に審議に移りたいと思います。大體豫備審査におきまして質疑を終り討議の段階に入つております。前回第二十一條修正を加え、その他三つの修正が出ましたが、豫備審査討議でありまするが、便宜この法案審議の場合における討議と認めてよろしうございますか。もう一度申上げますというと、この前出ました討議は、第一は第二十一條第二項に「港則法」とあるのを「港則に關する法令」と修正するのでありまして、これは異議なく假りに可決せられたのであります。第二は法案第二十一條全部の削除意見が出ましたが、これは少数で假りに否決されました。第三は法案第二十五條全部の削除でありますが、これも少数で假りに否決されました。本委員會においてもその通り討論を確認してよろしうございますか。    〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  3. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それでは右申しました法案第二十一條第二項の「港則法」とあるのを「港則に關する法令」と修正いたしまして、その他は原案通り可決すべきものとしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それではさように決定いたしました。それでは法案可決につきまして各員の御署名を願いたいと思います。    〔多数意見者署名〕  尚口頭報告の内容は適宜委員長において作成いたしたいと思います。お委せ願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今の通りで結構でありますが、念のためにちよつと午後の本會議關係がありますので、御了解を得たいのであります。私は四十三ヶ條のうち四十二ヶ條賛成ですが、ただ一ヶ條修正案を、二つの根據から削除すべきであるという點を申上げましたけれども、多数が御賛成下さいませんでしたので、その點を本會議においてもう一度討論の形で、少数意見の形でなく、無所属懇談會の代表として討論の形で問題の在り場所をはつきりしたいと思いますが、その場合賛成で行くか反對で行くか、今議事部長とも相談したんですが、法案賛成ですが、ただ時期尚早として、二十一條を除くというだけの修正意見でありますので、賛成か反對かいろいろ研究して見たのでありますが、併し最後に原案通り賛成かという場合には、私はそれが入つておるという理由で反射しなければならん立場にあるので、そういう意味での反封の立場を採ることに、先程議事部長とも研究の結果、そういう立場を探るという關係でございますが、今決をお採りになりました場合に、原案に對しては、だからそういう意味で反對の立場を採らして頂きます。
  6. 下條康麿

    委員長下條康麿君) よく承りました。それでは次に石炭廳設置法案を議題にいたします。御審議を願いたいと思います。これは鑛工業委員會との連合委員會を開きまして質疑は経つておりますのですが、この際御討議を願いたいと思います。
  7. 小川友三

    小川友三君 石炭廳設置法案ですが、第六條の「開發局においては、石炭及び亜炭開發に關する事務を掌る。」という事項でありますが、これは實際開發局でやつてみますると、その他に仕事がある筈であります。天然ガスのことにつきましても業者から幾多の陳情がある筈でありますが、更に増産という政府の大見地から見ましても、天然ガスをこの中から、第六條の開發局の中から削除をすることもできない筈であります。それから開發局といういわゆる積極的な政府の方針でございますので、勿論泥炭であるとか、それから人工石油に關することも著手せられるのではないかと祕かに思うのでありまして、第六條、開發局において天然ガスの採集及び開發に關する一般事項泥炭に關する事項人工石油に關する事項を挿入することを希望するのであります。  それから生産局において、第五條なつておりますが、「石炭生産に閲する事項」というだけで、御承知の通り現に石炭を掘つてみますると、ここに、耐火煉瓦用鑛石が澤山出るのでありまして、これも同時に捨ててしまわないで、生産局において有効適切にこれをやるようなことになるのではないかと……現に岩手炭鑛株式會社状況を見ましても、その株主として現場を観察しておりますが、特にそうした事業を併行してやつておられるという點においてお伺いいたし、同時に耐火煉瓦石事務も取扱つて貰いたい、こう思うのであります。  又第一條ですが「石炭廳は、商工大臣管理に属し、石炭亜炭ガス及びコークスの生産、配給及び消費に補する事務竝臨時石炭鑛業管理法」ですが、この中の「ガス」と書いてありますが、このガス人工ガス天然ガスとを區別すべきものであると思います。ガス石炭を加熱して出す。今東京にて使つておるガスと、都會で使つておるガス天然ガスそのままで使える天然ガスを區別して明記すべきであると私は思つております。それからこの中に又人工石油石炭から採る人工石油及び泥炭というものも加えるべきであろうと思いますが、それに對して大臣の御意見をお願いしいたします。
  8. 吉田悌二郎

    政府委員吉田悌二郎君) 只今例えば天然ガスのことでありますとか、或いは人造石油の問題、泥炭の問題、その他御發言がございましたが、先ず天然ガス及び人造石油の問題は、これは鑛山局商工省として扱つておりまして、石炭廳はこの第一條にありますように、石炭亜炭ガス及びコース、これだけの品物についての所管でございます。従いまして只今天然ガス開發、或いは人造石油というような問題は、鑛山局でございますから、この法律からは除かれるわけであります。それから耐火煉瓦或いはその原料の粘土お話もございましたが、これは耐火煉瓦は勿論化學局でございますが、粘土の方はやはり鑛山局一般鑛石の部門として取上げるのでございまして、從いましてこの石炭廰設置法には特に粘土のことは書いてございません。尚泥炭というのがございまして、亜炭に非常に類似いたしまして、炭化した植物でございますが、これは非常に亞炭に近い仕事でございますので、やはり亞炭局においてできるだけお世話して行きたいと思つております。亜炭に非常に近い生産保存状況でございますので、これは亜炭局においてお世話をいたしますが、その他の只今仰せになりました品物鑛山局において、鑛物でございますけれども所管をいたし、尚ガス只今仰せのごとく、これは勿論人工ガス天然ガスでございまして、天然ガスは入つておりません。これは鑛山局の方で取扱うことになつております。
  9. 下條康麿

    委員長下條康麿君) ちよつと私から質問いたしますが、石炭廳の今度お出しになつ法律案の經費の關係はどうでございますか。
  10. 吉田悌二郎

    政府委員吉田悌二郎君) 石炭廳關係豫算でございますが、これはこの四月分は、やはり他の豫算と同じく、暫定豫算なつておりまして、約八百五十萬圓程の豫算を四月分として暫定豫算に御決定を得たような次第であります。尚この他に石炭關係は地方にも石炭局がございまして、これに關係ございませんけれども、約六百五十萬圓程を以て、四月分の豫算として、これも暫定豫算として御決定を頂いております。
  11. 下條康麿

    委員長下條康麿君) この設置法案に上りまして、從來の政令である官制との何といいますか、費用差額増加はどんな工合なつておりますか。
  12. 吉田悌二郎

    政府委員吉田悌二郎君) お答え申上げます。この石炭廳の八百五十萬圓のうち大部分は炭田開發調査實施事務でございまして、現業的な費用を相當含んでおりまして、石炭廳の本來の豫算といたしましては、人件費その他につきましては極く僅かでございます。そうして定員数で申しますと、この本官以上の増員が四十三名従來より殖えておるのでございます。その他開發局長及び管理局長一級官を二名増員いたしておます。
  13. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 他に別に御發言がなければ討論……。
  14. 小川友三

    小川友三君 關連いたしましてちよつとお伺いいたします。鑛山局泥炭或いは天然ガスの方をやつておるようなお話ですが、今まで石炭亞炭はやはり鑛山局でございましたのでしようか、ちよつとお伺ひいたします。
  15. 吉田悌二郎

    政府委員吉田悌二郎君) 昔は鑛山局において石炭も一緒に扱つてつたのでございますが、約二年租前、終戰の年の十二月から石炭廳を別に設けまして、石炭に對する行政は、第一條に書いてありますように、石炭廳が獨立いたしまして、扱うことになつたのであります。要するに石炭を緊急に増産をする必要がございましたので、特に石炭廳を新設いたしまして、その機構を十分に整備いたしまして、石炭緊急増産に當てる、こういう意味石炭廳を一昨々年の暮から設けてございます。
  16. 小川友三

    小川友三君 泥炭鑛山局の方ですか。
  17. 吉田悌二郎

    政府委員吉田悌二郎君) 特に泥炭という官制言葉は上つておりませんが、これは亞炭に非常に類似したもりであります。從いまして亞炭局においてそのお世話をする方が適當であろうと考えております。
  18. 小川友三

    小川友三君 それは、そこで今の政府委員の御説明通り泥炭亞炭に類似しておる、狸が狐に似ておるというようなわけで、似ておるからこんがらがつちやつて、この法律を作るに當つて亞炭の中に抱込んでしまうというような含みのようにも思われますので、解釋は違うかも知れませんが、この際折角こういう法律をお作りになるに當りまして、亞炭及び泥炭という二字をお加え頂きたいと思つておりますので、こういう興味でなくきちんと、今決めるところでございますから、お決め願うに際しまして、特に雅量ある大臣の御答辯を願いたいと思います。
  19. 水谷長三郎

    ○国務大臣水谷長三郎君) 只今小川委員の御熱心な御發言でございますが、この泥炭というものは、いわゆる行政對象になる域まで發達しておりませんので、殊更法文の上にそういう文字を現わすよりもへ運用の面におきましてやつて行く方がよいのではないか、このように考えて治りますので、さよう御了承を願いたいと思います。
  20. 小川友三

    小川友三君 只今大臣の御答辯を頂きまして、泥炭が非常に量が少いような感じを與えられ、又泥炭採掘が發達をしておらないということを拜聽いたしましたのですが、泥炭埋蔵量日本においては相當多いのでございます。これはよく御研究を頂きますると明白になるのでございます。そこで特に産業再興のために政府日本を大いに産業立國にするという積極的な建前から見まするときに、亜炭の埋藏量よりも泥炭の埋藏量というものは多い筈でありまして、そうしてこの泥炭が非常に多く用いられるように政府から御指導を願わなくちやならん、こう思つております。今の大臣の御説明ですと、まだ大臣は甚だ恐縮ですが、御研究が積んでいらつしやらないので、これは非常に少い量であるかのごとく、「たんぽぽ」の花の毛が飛んで行くような解釋のように思われますが、そういうものでなく、泥炭の埋藏量というものは、これはいわゆる中世期時代の存在でありまして、非常に多いのでございまして、この點にも十二分に、政府は非常に御多忙でございましようが、御研究を下さいまして、日本産業立國建前から失業者を救い、日本産業を起すために一つ大臣の、今でなくて結構ですからして、後で御所感を拜聽いたしたいと思つております。
  21. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それでは別に他に御發言がなければ、討論を終つたことにいたしてよろしうございますか。……それでは採決に移りますが、石炭廳設置法案に御賛成の方の擧手を願います。    〔擧手者多数〕
  22. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 多数でございます。原案通り可決せられました。それではこの案に御賛成の方の御署名を願いたいと存じます。    〔多数意見者署名
  23. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 両本會議における委員長報告委員長にお委せを願いたいと思います。
  24. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 商工大臣がおいでになりますので、この機會希望を申述べたいと思うのでありますが、中央機關並びに出發機關におきまして、大臣出先機關に對しては民間からの推薦する者を半ば入れるんだというふうに、大いに民主的に行こうというお考えを持つておられるようでありますが、中央機關におきましては同様の精神で、實際その仕事の衝に永年當つて來た者、或いは科學技術者、及び勞働組合、職員組合の推薦するような實際に堪能な者をできるだけ官廳に過半数入れられて、官廳民主化を圖られ且つ能率化を圖られたいという希望大臣に特に申上げたいと思います。
  25. 小川友三

    小川友三君 石炭廳設置法案の第六條に對しまして、「亞炭及び泥炭開發に關する事務を掌る」ということを少数意見として要求いたします。本會議におきましては少数意見として發言することを希望いたします。
  26. 山下義信

    山下義信君 只今小川議員發言修正意見のようでありますが、修正意見ならやはり修正案を提出して討議しなければなりません。
  27. 小川友三

    小川友三君 少数意見として發言をいたします。
  28. 水谷長三郎

    國務大臣水谷長三郎君) 小川さん、亞炭というものは廣く解釋すると泥炭が入るんだそうです。つまり亞炭としてのカロリーが非常に低いやつを俗に泥炭と言つておるのです。亞炭というまあ行政對象として考えるときに、亞炭の中に泥炭を入れて差支えないのですよ。だから亞炭及び泥炭といつて貰わなくても、先に申しましたなうに、若し泥炭というもりが非常に利用價値があるとか何とかというならばやりますですが、最近一時亞炭を全部統制に入れたのですよ。ところがその中でカロリの少い、三千五百カロリー以下のものはその統制から外したのです。それで三千五百以上の亞炭だけを統制するという工合に方向が向いておりますから、そこでこういうカロリーの上において非常に低い泥炭を又ここで扱うということは、肝腎のカロリーのいい石炭とか、カロリーのいい亞炭生産増強を集中しなければならん時に、非常に困るんですよ。一つそれは勘解して下さい。
  29. 小川友三

    小川友三君 只今大臣の御答辯がありまして、甚だ光榮ですが、關東地區には泥炭が非常に多いと思いまして、特に關東地方で生れた本員としましては、眞面目に泥炭研究した時代もございましたですが、カロリーの點において或いは劣る點があるかも知れませんが、併し木炭よりも藁よりも優秀であるということは事實でございますから、特に言葉泥炭亞炭と區別せられてある關係上、これは少数意見として……、修正意見でございませんでして、少数意見として、議員の中にはこういう意見があるということを、それだけの意思を申上げたいと思うので、全面的に反對を申上げるのでありませんで、この法案の第六條の一部だけに反對する意思でございますから、御了承を願います。
  30. 下條康麿

    委員下條康麿君) 決算委員會を散會いたします。    午後二時二十二分散會  出席者は左の通り。    委員長     下條 康麿君    理事      山下 義信君    委員            吉川末次郎君            北村 一男君            中川 幸平君            竹中 七郎君            谷口弥三郎君            平野善治郎君            深川タマヱ君            小野  哲君            駒井 藤平君            鈴木 憲一君            兼岩 傳一君            小川 友三君   國務大臣    商 工 大 臣 水谷長三郎君    石炭廳次長   吉田悌二郎