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1948-04-06 第2回国会 参議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月六日(火曜日)    午後三時五十二分開會   —————————————   本日の會議に付した事件 ○政務次官臨時設置に關する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○海上保安廳法案内閣送付)   —————————————
  2. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 只今から決算委員會を開きます。最初に豫備審査のために廻付になりました石炭廳設置法案は、その内容鑛工業委員會に密接な關係がありまするから、鑛工業委員會との連合委員會を設けたいと思いますが、如何でございましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 御異議ないと認めてさようの手續をいたします。  次に政務次官臨時設置に關する法律案を議題といたしまして、これはすでに質問が終了いたしております。この際討論を願いたいと存じます。北村委員
  4. 北村一男

    北村一男君 私はこの法律案に反對する者のであります。この法律案の論議の焦點となつておりまするのは、第8條の「第二回國會終了のときに、その效力を失ふ。」という點にあつたかと存じます。この八條を置かなければならない理由につきましては、總理大臣からいろいろ御説明があつて、その限りにおきましては私共も了承いたしたのでございます。併しながら、この國會において法案審議するときの對象となるものは、飽くまでも成文化された法文であると考えます。一讀して疑問を起したり不審を起させるような法律立法機關としてこれを成立させることには餘程愼しまなければならない點があると存じます。それが反對の第一點でございます。  それから總理大臣は、政務次官制度は片山内閣當時から非常に有效であつた。この制度を更に恆久化するために、調査研究をしました上に改めて法案を作りたい。こういうようなお話もございましたが、その法案が果してその筋の承認を得られるかどうかということは、今日までの經過に鑑みまして、得られるという確證を我々は抱くわけには參らんのであります。若しも承認を得られない場合は、この法案がつまり第二囘國會效力を失いますから、第3條の「政務次官の外、國務大臣及び内閣官房長官は、國會議員を兼ねることができる。」この事項も自然效力を失うことになつて、その措置についてどういう御措置をお取りになるか、そういうことについても確信を得ることができないわけであります。私共は決してこの法案の本旨自體には反對するものではありませんので、政府としてはやはり恆久的の立法をなさつて國會審議を俟たれた方がよろしい。その意味において、この法案を撤囘という言葉は甚だ當を得ませんが、その間は現行法でやられていいのではないか。どうしても原案を固執なさるならば、民主自由黨としては、只今申あげたよう理由でこの法案に反對せざるを得ないのであります。
  5. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 總理大臣その他から、この法案が作られた經緯につきまして、いろいろ我々の今日政務官の問題については考えさせられることもありますけれども、併し今日新憲法の下におけるところの國會運營というものは、ともすれば圓滑を缺く、又政府國會との連絡というものが圓滑を缺いて、これは勿論政府に多くの缺點もあつたでしようけれども、とにかく新憲法下におけるところの國政運營が非常にうまく行つてないということは、我々何といつても考えさせられることであります。これはお互い今後とも政府を鞭撻して、その運營をしなければならんということは、我々國會が作るところの政府である以上責任があると思うであります。その意味において、國會衆議院參議院その中から政府の中に多少なりとも代表を入れて、政府國會一つ代表機關としの機能を十分に發揮させることは勿論のこと、國會それ自身が本當に新憲法の下に日本の權力の中心であるということを發揮する意味においても、私共は、今日本政治が新しく新憲法の下に発足する際に、我々は過去の政治を離れて新しい政治を作る建前において、この政務官法を成立せしめて、お互いが今後勉強しなければならん、かように思うのであります。參議院諸君には勿論練達堪能の士も多いと思いまするが、又新憲法下におけるところの新しい政治を打立てるという観點からして、日本政治をただ單に官僚の政治ではなくして、やはり國會議員自身のその氣持政務の中に、或いは又行政の中に織込んで行こうという積極的な氣持からしても、まあ多少の不十分こところはありましようけれども、我々國會議員が積極的に行政を擔當して行こうという、この氣持を考えまして、總理大臣がとにかくこの政務官の仕事を通していろいろ新しき行政その他我々が勉強もし、又政府を鞭撻することにもなるというこの趣旨を我々了解して、成るべくならば本本案を皆さんの御協力を得て通したいと私は考えます。どうか一つ了解を願いたいと思います。
  6. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 他にご質問もなければ、討論は終わつたことといたしましてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それでは採決に移ります。政務次官臨時設置に關する法律案に對して御賛成諸君の擧手をお願いします。    〔擧手者多數〕
  8. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 過半數と認めます。よつて政務次官臨時設置に關する法律案は可決せられたものと認めます。ちよつとその前に、正誤があつたそうでございますが、法律關係ないことでありまするが、一應政府委員から説明を伺いまして、尚若しそれについて御異議があれば又改めて採決をいたします。
  9. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) 印刷になりましたものがお手許に廻つておりませんそうでありまして、口頭で申上げます。この活版刷の二頁であります。二頁の第六條とありまする所に、「官吏任用敍級令第六條第一項中」云々とございますが、その「第六條第一項中」から先を、以下讀みますように改めたいと存じております。即ち、「、各省」、これを「及」に改め、それから次に「及各省參與官」を削り、それからその次の行の「分限令一條中」、その以下が次のように變ります。第一條中「各省」、それから裸で「及」と來まして、それからまた「各省參與官、」を削ります。結論は同じことでありまするけれども、これもいろいろの經緯がありまして、こういう表現をしなければならんことになりました。全く結論は同じでございます。
  10. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 實質には變りはないようであります。念のために伺いますが、修正がありましたが、別に採決は變更ないことに考えてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 御異議ないと認めます。尚本會議における委員長口頭報告内容は、多數意見者承認を經なければならんのでありますが、これは便宜委員會内容適當に傳えることにいたしまして、御承認願うことにいたしましてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 御異議ないと認めます。それから多數意見者署名がありますから、お手許にお廻しいたしますから御署名願います。    〔多數意見者署名
  13. 下條康麿

    委員長下條康麿君) それでは續いて海上保安廳法案につきまして審議をいたします。本案につきましてはすでに連合委員會におきまして、相當質問をいたして御意見も承わつておりますが、これはまだ正式にこの委員會囘付になつておりません。衆議院が濟みませんから。若し修正でもありますならば、この際GHQの方の連絡を取りたいと思いますので、この際討論願つて一つ御發言願つておいた方がよいと思います。
  14. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 先程申あげたのでありますが、二十一條の第二項における「港則法」を「港則に關する法令」と修正することの動議を出したいと思います。修正案一つ出したいと思います。尚先程申しましたそういうことは法律的に妥當なりや否やということにつきまして、運輸省の局長とも相談していたのでありますが、結構なことである、妥當であるというようなことでありました。御贊成を願います。    〔「贊成」と呼ぶ者のあり〕
  15. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 今の吉川さんの御意見に對して贊成でございませうか。    〔「贊成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 正式の採決ではありませんけれどもそれではさように決めます。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私も二十一條でありますが、私はこの二十一條削除すべしという動議を提出いたします。その理由は二點であります。  第一點はこの法律内容であります。この條文内容、現在開港が五十六ある。その五十六のうち横濱、神戸、下關、門司、敦賀の五港だけが、國が築造し、國家が管理しておるのであつて、あと五十一港は地方公共團體が築造し、公共團體が管理しておるのであります。この案によりますと、この國家警察機關である職員港長となつて、それらの五十六港の取締をするというのは、地方民主化地方行政官廳の發達ということに逆行しておるという意味において、その内容ににおいて反對いたします。  第二點は第二項にあります、只今の「港則に關する法令」と言うようなふうにしても、何ら問題の本質は解決しておらないのでありまして、我々はそういつた「港則に關する法令」と言おうと「港則法」と言おうと、そういうものはまだ審議していなのであります。こういう審議していないところの法律等によつて、この港長の任務が決められるというような、そういう不合理が……、まだ我々が審議していない事務、我々の十分承知してそれが妥當であるかどうであるかを知つていないような事務を掌るような、そういう港長を置くという、そういう無責任な態度でこの審議をするということは私は間違いであるという理解の下に、つまり法律の形式的なこの意味からいつて私は反對であります。内容的にいつても、形式的にいつても、法理の形式からいつても、内容からいいいましても、この二十一條削除するのが當然であるというふうに考える。削除動議を提出いたします。
  18. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 只今の御意見に御賛成の方はございませんか。二十一條削除という……。    〔「贊成です」と呼ぶ者あり〕
  19. 下條康麿

    委員長下條康麿君) 少數です。
  20. 中川幸平

    中川幸平君 私は二十一條の第二項を修正して、他は原案贊成いたす者であります。終戰以來我が國の船舶が激減して、海運界が萎靡沈退した今日において、殊に國家財政の緊迫した關係上、行政整理を大々的に行わんという際に、かような厖大なる海上保安廳という官廳が新設されることは如何かと案じておつたのでありまするが、政府提案理由、その後の説明によりまして、今や海運力のない我が國にかような機關が置かれることは、海上保安のみならず、國内の秩序維持のためにも國力の伸展上にいおきしても、誠に喜ばしきことであると存ずるのであります。法案内容につきましては多少不備な點もあるように存じますが、さような意味におきましても、原案贊成いたす者であります。
  21. 千田正

    千田正君 私は第25條「この法律のいかなる規定も海上保安廳又はその職員軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊機能を營むことを認めもるものとこれを解釋してはならない。」という、この二十五條削除して欲しいと思うのであります。ということはすでに日本憲法におきましは、軍隊とか武器とかいうものはないのでありまして、これによるとまだ終戰前の、日本の國はそうしたものに憧れ、そういうものに對する希望を持つがごとき感を抱かせるがごとき意味のこの條文は、この際穏當ではないじやないか。殊にいろいろな國際事情の輻湊しておる今日において、日本國民としてこれは穏當法律條文ではないと思いますので、この點削除をした方がいいじやないかという點を申上げます。
  22. 下條康麿

    委員長下條康麿君) この二十五條削除千田委員の御意見に御賛成の方はおられますか。……少數のようであります。  外に修正の御意見ございませんですか。それでは一應この程度に止めて置きまして、只今の二十一條の第二項の修正につきましてその筋の了解を求めたいと思います。尚正式にこの案が囘付なつた上に改めて委員會を開いて決定いたします。本日はこれで散會いたします。    午後四時十九分散會  出席者は左の通り。    委員長     下條 康麿君    理事            太田 敏兄君            西山 龜七君    委員            岩崎正三郎君            田中 利勝君            吉川末次郎君            北村 一男君            中川 幸平君            平野善治郎君            深川タマヱ君            小野  哲君            駒井 藤平君            鈴木 憲一君            兼岩 傳一君            千田  正君   政府委員    法 制 長 官 佐藤 達夫