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中川以良君 私共が長い間念願をしておりました
中小企業に対します今回のかような特別の配慮が、
政府において
考えられましたことは、誠に欣快に堪えないことでございまするが、
只今御
説明の中で承
つておりますと、
中小企業廳ができて、これは大体の計画並びに
指導を総括的にやる廳である。而して別に各
物資については
原局がそれぞれあ
つて原局が取扱うという、こういうお話であ
つたのでありますが、そういたしますると、その他に安本がございまして、これは企画立案の省として、
只今物資について
関係をしております。殊に最近の実情を見ますと、ややともいたしますと、
経済安定本部が余りにも第一線に出過ぎまして、折角の
商工省の
原局というものがその影に隠れて引込んでしまう、非常に
地位が弱いということを私共は常々痛感されているのでありまして、今度はここに
中小企業廳ができました際におきましては、
原局と安本と
中小企業廳と、この三者の間に入りまして業者は非常に困難をするのじやないか。窓口が多過ぎるのじやないかということを懸念いたします。先ず
中小企業廳の
関係がどういうふうになるか、あらゆる
物資について
中小企業廳で扱うものは別に
原局があるかどうかということを承わりたいと思います。
それから
中小企業廳ができました上は、
経済安定本部の
仕事は是非ともできるだけ縮小いたしまして、でき得べくんば、企画立案のことに関しましては、
中小企業廳に移して頂きたいと私共は念願いたします。この点について如何にお
考えになるかということを承わりたいと思います。
只今油井委員から極めて適切なる御
質問があ
つたのでありますが、從
來中小企業というものが誠に継子扱いをされておりまして、
只今物價の例がございましたが、現実に大
企業におきまする重要
物資につきましては、物價問題等も物價廳において比較的迅速に又合理的に決定をされているのでありますが、
中小企業の生産をしておりまするところの多くの品種、殊に
生活必需物資等に対しましての物價の決定というものは、常に重要
物資より数ケ月遅れて発表されております。かかるが故に例えて申しますると、昨年の七月に新物價体系ができまして、あの際に直ちに新らしい物價が発表される段取にな
つたのでありますが、先ず石炭、鉄、その他重要
物資の順序で價格が発表されましたが、多くの
生活必需物資のごときはずつと遅れてこれが発表されまして、甚だしき例によりますと、私が知
つております
範囲内におきましては、本年の一月において初めて七月に改訂さるべき物價のマル公が決定した。半年以上もマル公が遅れたという例があるのであります。さようにいたしますると、
中小企業は、
中小企業に用いまするところの基礎資材につきましては、新らしい價格を以ちましてクーポンが発行されておりますので、新らしい高い價格で入手しなければならない。これで生産しまして
中小企業が懸命な努力をいたしましてできます製品は、依然としてこれをマル公で賣らなければならない。この場合
中小企業は常に赤字を出しているのであります。これを決して
政府は補償しておりません。大
企業に対しては赤字融資或いは補償等をいたしておりますが、この
中小企業の惨めな
実態に対しましては商工当局は十分な御理解がないのじやないかと思います。常に苦しい
仕事をしております。そのために止むを得ず
中小企業が闇をする。ここに
中小企業が闇の温床になるという
一つの原因がある。
政府自体の
政策において御熱意を欠いた点があるがために、かような
状態を今日作
つたのじやないかと私は存じます。この点につきましても
中小企業の價格
対策というものは、
中小企業を
振興いたします上に極めて重大でありますので、物價廳におきますあの
仕事は、これ亦
中小企業廳において、本当に工場の
実態、
中小企業の業態の実情を知
つておりまするところにおいて御決定を願うようにさしたらどうかと思います。私共はさように熱望しておりますが、從來のように物債廳と
中小企業廳の
関係が、
商工省と物價廳との
関係にあります限りは、
中小企業は救われないと思うのであります。
もう
一つは、從来は各
企業につきましては、一々
企業の許可制度を採
つておりましたが、今日は
企業の自由を許しております。然るが故に、
中小企業のごときは到るところで自由に
企業を開設できるのであります。ところが
中小企業に対しまして、一方において
企業の自由は認めながら、あらゆる
物資に対します統制を強化している。こうなりますと、ややともいたしますと、
中小企業はやたらに雨後の筍のごとくできまして、少い
物資を奪い合う。そのために折角
中小企業が発展しようとしても、お互いが共倒れになる虞れがあるのであります。かような問題に対しまして、
中小企業を健全に
振興育成させます点におきまして、
企業の自由という点につきまして、何かのそこに一應の御制限をお加えになるというお
考えがあるかどうか。それとも一應統制を或る
程度大幅に改訂をされて、そういう
矛盾をお取除きになるお
考えがあるかどうか。その点を伺いたいと思います。今日の統制
経済と
企業の自由におきまするところの両者の
矛盾はあらゆる生産に大きなる悪影響を及ぼし、これがために正直な者はいつも馬鹿を見、不正な不徳漢のみ太るという今日の
中小企業の現状でありまするこの点に対する御所見も併せて承わりたいと思います。