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1948-05-05 第2回国会 参議院 議院運営委員会政党並びに選挙に関する腐敗防止法に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月五日(水曜日)   ————————————— 昭和二十三年二月三日(火曜日)  議院運営委員長において、左の通り  小委員を選定した。            藤井 新一君            島   清君            黒川 武雄君            左藤 義詮君            木内 四郎君            伊東 隆治君            佐佐 弘雄君            竹下 豐次君            板野 勝次君            兼岩 傳一君            佐々木良作君 二月六日(金曜日)  小委員長互選の結果左の通り決定し  た。    委員長     藤井 新一君   委員の異動 二月六日(金曜日)  小委員岩傳一君辞任につき、その  補欠として岩間正男君を議院運営委  員長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○政治資金規正法案衆議院提出)   —————————————    午前十一時三十八分開会
  2. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 只今から政治資金規正法案についての委員会を開きます。  この法案衆議院案でございますから、淺沼委員長から提案理由とその趣旨を御説明願いたいと思います。淺沼委員長
  3. 淺沼稻次郎

    衆議院議員淺沼稻次郎君) 只今議題になりました政治資金規正法案に関しまして、衆議院を代表いたしまして、提案理由及び本案要旨を御説明申上げたいと存じます。  先ず第一に本案衆議院における起草経過について申上げます。  本案衆議院政党法及び選挙法に関する特別委員会の中の政党並びに選挙に関する腐敗防止法案起草小委員会において起草いたしたものでありますが、小委員会は一月の三十一日に政党並びに選挙に関する腐敗防止法案起草のために、政党法及び選挙法に関する特別委員会において選任された小委員が、二月の四日に第一回委員会を開きまして、委員長を互選し、委員長には長野君が小委員長になりまして、爾後十二回に亘りまして活溌なる論議を重ねて、これが起草に当つて参つたのでありますが、四月の二十六日の小委員会成案を得まして、二十七日、三十日と両日に亘つて委員会を開いて、小委員会成案に対して若干の修正を加えて、最後的成案として決定をして、四月三十日本会議におきまして決定を見たものであります。小委員会に関する問題をいささか御報告申上げて見まするならば二月十二日から四回に亘つて本案立案に関する研究事項に基いて法案起草について種々協議をして、その結果に基き衆議院法制部において取纏め方を依頼いたしましたものを、三月二十六日政治腐敗防止法案要綱として小委員に配付することにいたしたのでありますが、たまたま全國選挙管理委員会においても同様の趣旨を持つ法案起草に当つており、相当のところまで折衝が進んでおる旨のお話を伺いましたので、三月三十一日に同委員会協議をいたしまして、四月一日同委員会説明を聴取した結果、より良き法案起草をいたす目的で、両案の長所を取つて一つ素案を作成するよう事務当局に依頼したのであります。小委員会はこの素案につき四月十三日から四回に亘つて協議し、大体の成案を見たのでありますが、更に若干の修正を加える必要があつて、四月二十六日に小委員会を開き、政治資金規正法案成案を得た次第であります。これを基礎として本委員会審議し、更に先程申上げました通り、四月三十日の衆議院会議を通過した次第であります。  次に本法案要旨を申上げます。本案は、第一章総則、第二章政党協会その他の團体、第三章公職候補者、第四章政党協会その他の團体及び公職候補者以外の者、第五章報告書公開、第六章寄附に関する制限、第七章罰則、第八章補則及び附則より成る全文五十九條に及んでおります。この法案の骨組みは大掴みに申しまして三つ部分から成立つております。第一は政党協会その他の團体公職候補者及び第三者政治活動に伴う資金收支を公の機関に報告させ、以てこれらの資金全貌一般國民の前に公開する措置であります。第二は政治資金寄附制限措置でありまして、主として選挙に伴う不正行爲の発生を未然に防止せんとするのであります。第三は右二つ措置に関する違反行爲の処罰及びその結果としての当然無効、選挙権、被選挙権喪失等に関する措置であります。この三つ措置を綜合的に組み立てることによつて、全体として政治活動の公明と選挙の公正を確保し、以て民主政治の健全な発達に寄與することを目的としております。従いまして法案題名は、その内容に最もふさわしい意味合いから、いわゆる政治腐敗防止法案等の名称を避け、政治資金規正法案と名付けることにいたしました。  さて、具体的の内容について申上げます。第一章総則において、本法目的を明示すると共に、各本條に現われて來ます用語の定義規定しております。「選挙」の範囲は、衆議院議員選挙法参議院議員選挙法地方自治法による選挙に限つてあります。又政党協会その他の国体について、特に定義を設け、政党とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本來の目的とする團体とし、協会その他の團体とは、政党以外の團体で、政治上の主義施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職候補者を推薦、支持し若しくはこれに反対する目的を有する團体をいうことといたしたのでありまして、例えば組合等が、本来の目的においては、経済團体或いは思想團体等であつても、この目的を有するに至つたときは、その限度において、本案の狙いとする費用公開趣旨に副い、團体收支に関する規定適用を受けることとなるわけでありまして、これらの團体寄附支出を徒らに制約する等の意味を持つものではないことは固よりのことであります。  次に政党協会その他の團体に関しまして申上げますと、先ずこれらの團体代表者主幹者及び会計責任者届出規定し、寄附受領支出も、挙げてこの届出の後になさるべきこととし、この手続を取らないで、隠れて團体資金授受をすることは、これを防止することといたしました。而して会計責任者義務として、会計帳簿備付、毎年三回の收支定例報告選挙に関する收支特別報告書類保存等義務規定しまして、政党を始めこれらの團体收支全貌が、それぞれの選挙管理委員会に詳細に現われて来ることを期しておるのであります。これらの團体寄附支出について報告を要するものは、個人に係るものは五百円、團体に係るものは千円以上のものについて、氏名、住所等を明らかにすることにしてあります。更に会計責任者の事故によつて責任が曖昧になるようなことのないため、事務引継についても規定を設けました、又政党協会その他の團体の支部についても、以上の取扱いは同様といたしました。  次に公職候補者に関しまして、先ず政党等の場合におけると同様、出納責任者を定め、これを届け出ること、この手続を経ない中は、寄附受領又は支出が制約される旨を規定しました。而して出納責任者義務として、会計帳簿備付選挙運動に関する收支報告書類保存等を定めてあります。この外に、特に重要な規定といたしまして、選挙運動に関する支出の権限を、僅かの例外を除いては、出納責任者一人に専属せしめたいことであります。  尚、候補者出納責任者に関する事項は、現在の衆議院議員選挙法或いは参議院議員選挙法等規定とほぼ同様でありまして、本案中に包括された部分については、附則において選挙法改正し、該当條文を削除することにいたしました。  次に一般第三者政党協会その他の團体のために二千五百円以上の支出をなした場合の報告義務規定いたしました。即ちこれらの團体のために、第三者運動として支出をした者は、これを報告しなければなりません。  又官吏その他公職にある者は、寄附を自由になし得ることといたしましたが、この場合は授受双方の側にこれに関する報告義務を負わせることといたしました。  次に報告書公開でありますが、これは実は本案最大眼目一つでありまして、今まで申上げましたところにより、選挙管委員会に提出された各種の報告書は、選挙管理委員会公表手続保存義務一般閲覽要求権の両面の措置によつて、廣く國民の前に公開されるのであります。  次に寄附に関する制限といたしまして、先ず一定の身分又は地位に伴い絶対的に、或いは特殊の場合を除いて、一般的に選挙に関し、寄附をしてはならない者の範囲を掲げまして、これらの者が寄附をすることも、これらの者から寄附を受けることも許されないことにいたしてあります。又公職候補者は、立候補に際し過去一年間にしたすベての寄附について報告義務を負うこと、更に何人も選挙に関し、本人の名義以外の名義を用いたり、匿名を以て寄附をすることを絶対に禁止し、これを犯してなされた金銭、物品の所有権は、國庫に帰属する旨を規定いたしました。  次に罰則におきましては、各本條に対する違反行爲の態様につぎ、事柄の軽重に應じて、でき得る限り公平を期すべく、手続的な規定違反と本質的な規定違反とに分け愼重考慮したわけでありますが、この法案の特別の重要性に鑑み、全体として相当重い処罰を以て臨み、殊に過失犯をも処罰する旨を規定いたしました。又罪の時効は、二年を経過して完成することといたしてあります。  尚処罰に伴う当選無効及び選挙権等喪失規定罰則の章に規定してあります。  次に補則におきましては、この法律施行に関する事務的規定を掲げておきました。  最後附則におきましては、本法施行に伴う経過規定を定めた外、衆議院議員選挙法参議院議員選挙法の一部を改正いたしまして、これら選挙法規定せられておる罰則限度も本法案罰則と均衡をとつて、これが改正を加えました外は、主としてそれらの規定本法中に吸收せらるるに相應する改正であります。  以上が本法案要旨でありますが、衆議院委員会におきまして、論議の中心となりました主な点は、第一に労働組合農民組合等團体が、本法適用を受けるか否かの問題であります。  第二に、いわゆる第三者選挙運動に関する支出届出に関する問題、  第三に、当該選挙区の候補者寄附を絶対に禁ずべきか否か、或いは公職にある者の寄附をどう取扱うか、立候補前の候補者がなした寄附報告についての期間の問題、  第四には罰則において、その限度過失犯時効の年限、当選無効等規定処置等の問題でありまして、以上が議論をされた重点でありまして、最後本法題名でありまするか、これについては政治腐敗防止法政治團体等費用公開法等の案が出たのでありますけれども、結局本法案内容に最も近い意味合におきまして、先程申上げた通り政治資金規正法とすることにいたした次第であります。  以上本案内容並びに提案理由、更に加えて、衆議院における審議経過を御報告申上げた次第であります。
  4. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 何かお尋ねがございましたら……
  5. 佐々木良作

    佐々木良作君 この内容の前に、衆議院の本会議でこれをかけられたときにこれは少し話が横道に外れるかも知れませんけれども、殆んど議場が定足数にも達せずに、三四十名かなんかであつて、そうしてそれに対する異議が出ておつたにも拘わらず、これが通過したという話を聞いておりますけれども、その辺の事情を一つ承わりたいのですが、衆議院の本会議における審議の状態です。
  6. 淺沼稻次郎

    衆議院議員淺沼稻次郎君) 衆議院の本会議の議決の状況を私から申上げることは果して妥当であるかどうかということについては、非常な疑義を持つのであります。私が本日ここに参りましたのは、只今議題になつておりまする政治資金規正法案提案理由及び本案要旨を御説明参つたのでありまして、審議経過について、本会議の構成その他のものについて果して私が申上げていいかどうかということについては非常な疑義を持つ者でありまするが、私共本会議出席をしておつたのでありまするが、発言をされる方もちつたようでありまするが、衆議院におきましては、本会議において多数を以てこれを可決して、そうして参議院に送付したのでありまして、衆議院では合法的にこの問題の処置を扱つておると私は確信しております。
  7. 木内四郎

    木内四郎君 今日は時間もありませんから、淺沼委員長の御説明伺つた程度にして、質問その他研究は次回に延ばされたら如何でしようか。
  8. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 木内委員長から動議があつたのですが、どうでしようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  9. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 委員会はこの程度で散会いたしたいと思います。    午前十一時五十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     藤井 新一君    委員            黒川 武雄君            左藤 義詮君            木内 四郎君            竹下 豐次君            板野 勝次君            佐々木良作君   小委員外委員            門屋 盛一君            堀越 儀郎君   衆議院議員    議院運営委員長 淺沼稻次郎