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1948-05-21 第2回国会 参議院 議院運営委員会政党及び選挙に関する小委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年五月二十一日(金曜日) 午前十時四十四分開会 ———
—————
—————
本日の会議に付した事件 ○
政治資金規正法案
(
衆議院提出
) ———
—————
—————
藤井新一
1
○
委員長
(
藤井新一
君)
只今
より
委員会
を開会いたします。前会に引続いて
題名
から
審議
をいたします。社会党の方では「
公開法
」というのを入れた方がよいという大多数の意向でございます。「
資金規正
」という字を使うことについて、あらゆる
意味
においての法規は全部
規正
でございますから、この
意味
に於て
國民
に対してはぴんと來ない、やはりこういう
意味
深いものには「
公開
」とすることが一層
國民
に対して刺戟を與え、且つ効果的でありはしないかというのでございます。
黒川武雄
2
○
黒川武雄
君 「
政治資金規正
」の「
規正
」を取
つて政治資金公開法
だけではいかんかね。
藤井新一
3
○
委員長
(
藤井新一
君)
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
藤井新一
4
○
委員長
(
藤井新一
君)
速記
を始めて。
題名
については
政治資金規正公開法
といたしたいと思いますが、如何ですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
藤井新一
5
○
委員長
(
藤井新一
君) さよう仮
決定
いたします。 次に
政党
、
協会
その他の
団体
の
定義
についての御
審議
を願いたいと思います。私はこの際第
一條
の問題と関連するのですが、第
一條
において「この
法律
は、
政党
、
協会
その他の
団体
及び
公職
の
候補者等
」、これを全部取
つて
しま
つて
、「この
法律
は、
政治団体
の
政治活動
の公明を図り、
選挙
の公正を確保し、以て
民主政治
の健全な発達に寄與することを
目的
とする。」、こういうように「
政党
、
協会
その他の
團体
及び
公職
の
候補者等
」を取
つて
しまう。そうすれば第三條において
政党
の
定義
がなくともいいと思うのです。第三條においては「この
法律
において
政治団体
とは、」、こういうように
字句
を修正すれば、この三條の
意味
がうまく合うように思うのです。そうすれば
労働団体
というものを別個の
定義
がここに行われるわけです。さよう考えますが、如何でございましようか。
岩間正男
6
○
岩間正男
君 もう一遍
言つて
下さい。
藤井新一
7
○
委員長
(
藤井新一
君) 第三條の所において「この
法律
において
政党
とは、」というのを「
政治団体
とは、」と修正しようというのです。その理由は、第
一條
において「
政党
、
協会
その他の
団体
及び
公職
の
候補者等
」というのを取去る結果、第三條において「
政治団体
」と、
字句
を修正せんとするものであります。そうすれば前後の
関係
上、
意味
がはつきりすると思うのです。
竹下豐次
8
○
竹下豐次君
そうすると、第
一條
において「この
法律
は、
政党
、
協会
」というのを削
つて
、その代りに「
政治団体
」という
言葉
を置き換えるということになりますか。
藤井新一
9
○
委員長
(
藤井新一
君) そうです。
竹下豐次
10
○
竹下豐次君
それから第三條の「
政党
とは、」というのを「
政治団体
とは、」と書き変えて、その後はどうなるのですか。修正しないのですか。
藤井新一
11
○
委員長
(
藤井新一
君) 後の方は……。
ちよ
つと
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
藤井新一
12
○
委員長
(
藤井新一
君)
速記
を始めて。
岩間正男
13
○
岩間正男
君 第三條の第二項ですが、これでその他の
団体
の
定義
がありますが、「
政党
以外の
団体
で
政治
上の
主義
若しくは
施策
を支持し、若しくはこれに
反対
し、」、こういうふうにあるのですが、この
範囲
が非常に曖昧ではないか。つまり
政治
上のこのようないろいろな
活動
というものは個人でも
団体
でも実際臨時が日常に行な
つて
おるので、この限界が非常に曖昧である、こういうような曖昧な点を
條文
の中に残して置くよりは、むしろこういう抽象的なところを削除してしま
つて
、そうして実際の
行動面
、例えば
労働組合
とか或いは
経済団体
とか、そういうところで、例えば
公職
の
候補者
を推薦し、そうして
選挙活動
をやるというような場合にだけ適用するということにしたらどうか。そのために今の「
政治
上の
主義
若しくは
施策
を支持し、若しくはこれに
反対
し、」という
項目
の削除を提案したい。非常に曖昧であります。
竹下豐次
14
○
竹下豐次君
私は実質問題としては、
政治団体
以外の、例えば
経済団体
のごときものに対してこの
法律
を適用する
範囲
は、それらの
団体
が
選挙
に
関係
する場合、及び
政治団体
と
金銭
上の
関係
を生ずる場合というだけに適用するということに制限して、この
法律
の
目的
は達するのだ、かように考えております。そうすると
岩間
君の言われるようなふうの
立法
の形式を採
つた
方が適当であるということになる。
藤井新一
15
○
委員長
(
藤井新一
君)
速記
を止めて。 午前十一時九分
速記中止
—————
・
—————
午前十一時二十五分
速記開始
藤井新一
16
○
委員長
(
藤井新一
君)
速記
を始めて。
政党
、
協会
についての
定義
は本日仮
決定
をいたしたいが、二十四日に
証人出頭
を求めておりますから、その
意見
を聞いた後に仮
決定
をいたしますので、本日は、第三條はこの
程度
に止めて置きたいと思います。(「
異議
なし」と呼ぶ者あり)ついては、
寄附
の
定義
を御
審議
願いたいと思います。第
五條
でございます。
木内四郎
17
○
木内四郎
君 第
五條
の
寄附
に入る前に、
寄附
と同じような
収入
ということですが、借入はやはり含むわけですね。
郡祐一
18
○
政府委員
(
郡祐一
君)
収入
の中には当然含みます。
木内四郎
19
○
木内四郎
君
財産
上の
利益
というのは、
反対給付
があ
つて
も、金を
受取
ればこれに入りますか。
郡祐一
20
○
政府委員
(
郡祐一
君) 入ると思います。
木内四郎
21
○
木内四郎
君 例えば、
書画
なら
書画
を賣
つて
、その
代金
を
受取つた
らどうなりますか。
郡祐一
22
○
政府委員
(
郡祐一
君)
只今
の
収入
のところでおつしや
つて
おります
財産
上の
利益
の
収受
でございますね。この中には当然含まれると思います。この
お話
の外かと思いまするが、二項にあります
債務
の
履行
としてなされるものですね。二項では、
債務
の
履行
は除いておりますけれども、一項の方の
収入
は一切のものを網羅しておりまするから、
お話
のようなものは当然入ると思います。
木内四郎
23
○
木内四郎
君
財産
上の
利益
の
収受
というものは、
反対給付
があ
つた
場合も、それは
利益
になるのですか。
郡祐一
24
○
政府委員
(
郡祐一
君) その
財産
上の
利益
の
収受
という
言葉
それ自身は、
反対給付
の如何に拘わらず、この
利益
の
収受
ということは、やや
選挙法
でも熟しておる
言葉
としまして、これは当然入ると思います。若しこれを除こうとしますれば、
利益
の
収受
の
除外例
を設ければ格別、
利益
の
収受
という
言葉
の中には一切が入ると思います。
木内四郎
25
○
木内四郎
君 どうもその点は
経済
の
観念
と少し一致しないように思うのです。或る物を賣
つて
その
代金
を
受取つた
というようなものが
財産
上の
利益
の
収受
ということに入るということは、
ちよ
つと
経済
上の我々の
観念
と一致しないように思います。
郡祐一
26
○
政府委員
(
郡祐一
君) この
五條
の一項の
収入
と申しておりますのは、現われて参りますのは、
政党
の
費用
の
届出
、
公開
の所で現われて参りまして、それで
政党
の
費用
の
届出
、
公開
は、いわゆる
党費
の一切を
公開
しようという考えでありますから、
收入
の面では一切入
つて
参ります。
支出
の面では又その一切を
届出
て
公開
するというところが狙いでありまするから、
反対給付
のありました場合には、
収入
なり
支出
なりの面でそれぞれの分が現われて参るということだと思います。又それを
法律
が要求しておることだろうと思います。
竹下豐次
27
○
竹下豐次君
今の御
説明
によりますというと、
不利益
な場合でも、
木内委員
からお尋ねに
なつ
たように、例えば或る品物を賣
つた
、それが丁度がつがつの相当の値段であ
つた
という場合には、
金銭関係
で考慮するというと、
利益
でもなし
不利益
でもなし一杯々々と、少し値がよか
つた
というときには
利益
と、一万円の物がた
つた
五千円にしか賣れなか
つた
というときには五千円の
不利益
ということになりますのが普通の
考え方
でありますが、その場合でもとにかく一万円の値打があると
思つて
お
つた
が五千円にしか賣れなか
つた
、それでもやはり
收入
ということになる、こういう御
説明
だらうと思いますが、そうですか。
郡祐一
28
○
政府委員
(
郡祐一
君) 確かに普通の
経済
上の
観念
から
言つて
おかしいじやないかとおつしやるその御氣持は分るのであります。ここで第
五條
の
利益
と申しますのは
財産
に最終的に
金銭
的の價値があるものに換算し得る一切のもの、これを称して
財産
上の
利益
と申しております。さような
意味
で、何らか
評價
のできるものであれば一切を含むというので、從來
財産
上の
利益
という
言葉
を使
つて
おります。從いましてこの
利益
というものには儲ける。儲からないという
意味
は入
つて
おりません。
財産
上の
利益
に何が入らないかというと、
空氣
とか太陽は
財産
上の
利益
に考えられないのが、從來の
選挙法
の読み方でありまして、
財産
上の
利益
というものはさような
意味
に廣く考えております。又
政党
の
収支
を
公開
いたしますのは、これは御議論のあるところと思いますけれども、
収支
を
公開
してはつきりさせる、こういう
趣旨
から申しましても、出入をそれぞれ明確にして置きたいというのがこの
立法
の
趣旨
だろうと考えております。
竹下豐次
29
○
竹下豐次君
そうすると「
金銭
、
物品
その他の
財産
上の
利益
の
収受
」と書いてあるのは、今の御
説明
によると
金銭物品
その他の
財産
の
収受
と書いてしまえばむしろ疑問が起らずに済むのではないかと思いますが、この点はどうですか。
郡祐一
30
○
政府委員
(
郡祐一
君)
財産
と申しますと、有形的のものだけに限るという誤解を避けますために、
財産
上の
利益
の
収受
という
言葉
にしたのでありまして、
財産
という
言葉
では債権というようなものは含まれないじやないだろうかという
考え方
で、
財産
上の
利益
という
言葉
を
使つたの
であります。
木内四郎
31
○
木内四郎
君 極端に言いますと、物の交換ということもやはりこれに入りますね。
郡祐一
32
○
政府委員
(
郡祐一
君) これは当然入ると存じます。
事務所
と
事務所
を交換するというような、事態があるといたしますれば、これは
財産
上の
利益
です。一方は
供與
で、一方は
収受
という形にな
つて
現われます。
竹下豐次
33
○
竹下豐次君
極く簡単に煎じ詰めて申しますと、とにかく入
つた
ものは何でも入れるのだ、こういうわけですね。
郡祐一
34
○
政府委員
(
郡祐一
君) さようです。
木内四郎
35
○
木内四郎
君 そうすると、次の項の
寄附
ですが、
寄附
についても何かここにある
寄附
というのは、普通我々の考えていることと
違つて
、
金銭
、
物品
その他の
財産
上の
利益
の
供與
又は交付をすれば、一方において
反対
のものがあ
つて
も、
反対給付
があ
つて
も
給付
ということになるのですか。
郡祐一
36
○
政府委員
(
郡祐一
君) この場合に、
寄附
につきましては
債務
を
履行
するというものは除外しておりますが、その分だけが
収入
と
違つて
参ります。その外に
党費
、
会費
その他
債務
の
履行
と申しておりますから、
党費
と
会費
、それから
債務
の
履行
というものを除いておりますから、
寄附
は
収入
より幅が狭くな
つて
おりますが、それ以外の贈與とか財政上の援助、こんなものが当然入
つて
参ると思います。
木内四郎
37
○
木内四郎
君 貸與も入るのですね。
郡祐一
38
○
政府委員
(
郡祐一
君) 新たに
債務
を負います場合には入
つて
参ると思います。
藤井新一
39
○
委員長
(
藤井新一
君) どなたか御
意見
か御発言ありませんか。……次に第四に移ります。第四は、この前も問題にな
つて
非常に複雑だ
つたの
ですが、今日は便宜上それは後に廻して、第五の方の簡単な分から
審議
いたしたいと思います。十三條の
政党
、
協会
その他の
団体
の
選挙
に関する
報告書
を提出すべき
選挙管理委員会
について御
審議
をお願いいたします。
川上和吉
40
○参事(
川上和吉
君) 第五の
項目
について前会にも申上げたのでありますが、一
應御説明
をいたします。この
法律案
によりまして
報告書
を提出いたすべき
相手方
の
選挙管理委員会
について
二つ
の決め方があるのであります。
一つ
は第六條に出ております
行き方
でありまして、第六條では
政党
、
協会
その他の
団体
がどこへ
報告書
を出すかということにつきまして、この第六條の第一項の一、二、三でそれぞれ
事務所
の
所在地
の
選挙管理委員会
ということを抑えておるのであります。これを平たい
言葉
で申しますると、
政党
、
協会
その他の
団体
の一種の
戸籍
と申しまするか、
戸籍
がこれからその
事務所
の
所在地
の
選挙管理委員会
でできる。その
団体
の
戸籍
の
所在地
の
選挙管理委員会
に
報告書
を出すという
行き方
が
一つ
であります。いま
一つ
の
報告
の
相手方
といたしましては、
選挙
の
関係
につきましては、例えば外にももう少し適当な
條文
があるかと思いますが、第二十
八條
を御覧願いますと、第二十
八條
に、
当該選挙
に関する
事務
を管理する
選挙管理委員会
ということにな
つて
おりまして、
選挙
の
関係
につきましてはその
選挙自体
の仕事をやる
選挙管理委員会
、たまたまその
政党
が全國的な
政党
でありましても、全國的な
政党
でありまするというと、一
應第六條
によりますると、全
國選挙管理委員会
に出すということになりますが、その全國的な
政党
が
府縣会議員
の
選挙
についてやります場合にどうするかということが問題にな
つて
参るのでありまして、今の
事務所
の
所在地
の市町村なり、或いは
府縣
、或いは全
國選挙管理委員会
に
届出
るか、或いは
当該選挙事務
を直接管理する
選挙管理委員会
に
届出
るという
二つ
の
行き方
があるわけであります。この
原案
によりますれば、第二章の
政党
、
協会
その他の
団体
につきましての
報告書
の
提出先
はすべてこの第六條の先程申しましたその
政党
、
協会
その他の
団体
の
戸籍
がある
事務所
の
所在地
の
選挙管理委員会
に
届出
ることにな
つて
いるのであります。然るにこの第十三條の規定は、ここにありますように
選挙
に関してなされた
収支
の問題であります。そこで
選挙
に関しなされた
収支
の問題をその
戸籍
の
所在地
の
選挙管理委員会
に
届出
るという
行き方
が果して適当かどうか。これは
選挙
に関しなされたものでありますが故に、むしろ
当該選挙事務
を管理する
選挙管理委員会
にや
つた
方が至当であります。こういう点が問題なのであります。ただこの
原案
は、現在の
選挙法
がこの
通り
の
建前
にな
つて
おります。現在の
選挙法
が、
衆議院議員選挙法
の第百六條におきまして、同じ
條文
を
参議院議員
の
選挙法
についても準用いたしておりまするが、この
原案
の第十三條と同じ
建前
が現在の
選挙法
に採られております。
從つて
この
原案
は現在の
建前
をそのまま踏襲しておるという
意味
においてこれも
意味
があるのであります。併しながらこういうように今度新たに
政党
、
協会
その他の
団体
についてはその
事務所
の
所在地
を、いわゆる
戸籍
を管理する
選挙管理委員会
ができまする以上、今度はこの
選挙
についてはむしろ
当該選挙
を管理する
管理委員会
にした方が適切じやないかという見解が取られるのであります。そこでこれは必ずしもこの
原案
をそういうふうにすることが絶対によろしいということにもならんと思いまするが、一應この際問題として御檢討願うことが適当じやないか、こういうことにな
つて
おるわけであります。甚だ複難して恐縮でありますが、一
應御説明
いたしました。
藤井新一
41
○
委員長
(
藤井新一
君) 本日はこの
程度
において散会いたしたいと思いますが、如何ですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
藤井新一
42
○
委員長
(
藤井新一
君) それでは散会いたします。 午前十一時四十三分散会
出席者
は左の
通り
。
委員長
藤井
新一
君
委員
黒川
武雄
君
木内
四郎
君
竹下
豐次君
岩間
正男
君
佐々木良作
君
政府委員
全
國選挙管理委
員会事務局長
郡
祐一
君
事務局側
参 事 (
法制部長
)
川上
和吉
君
衆議院事務局側
参 事 (
法制部長
) 三浦 義男君