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淺岡信夫君 御承知のように、昨年の十二月から今年の三月一ぱいまで中止されておりました
引揚げ問題が、更にこの四月にも再開されず、五月の当初に当
つて漸く第一船が
舞鶴並びに
函館に着くように
なつたのでありますが、この問題に対しまして、現在
ソ連地区に七十万近い
同胞がおるのでありまして、どうしてもこれは
年内に全部
引揚げを完了したいということは、これはもう國全部の輿論の一致するところであります。そうした点につきまして、
ソ連当局の方におきましては、
日本の
受入態勢がまだまだ至難な点があるのじやないかというようなことも、今日までいろいろ陳情し、或いは請願した
人達のところに、
ソ連当局のおのおの責任ある立場の方々から言われておるのであります。そうした
観点から、四日間停止されておりましたこの
引揚げ問題が、漸く一船が着く、そうして
両方とも合しますると、とにかく両引揚地に足を踏み入れる人が三千余人に及ぶのであります。この
受入態勢、それからあと続々と
引揚げて来る一切の
引揚げというものは、なかなか重要な問題なんであります。そこでこの
帰つて來る
人達のいろいろな話しも聞かなければなりませんし、更に実際において
舞鶴なり或いは
函館における
受入港が遺憾なきを期されておるか、或いは國内的のそうした
緊急処置が、今日の
政府当局において遺憾なきを期されておるかどうかというような点を、現実に、又遺憾なきよう
一つ徹底的に
参議院としても
調査して行きたいということでありまして、ただ單に第一船が着くから、それを
お迎えに行くというような問題でなくして、問題は、今後における
引揚げの人をどうしても
年内に帰えしたいというところに発足いたしておるのでありますから、その点を
一つ御了承願いたいと思います。