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1948-06-30 第2回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月三十日(水曜日)     午前十時六分開議  出席分科員    主査代理 副主査 田中源三郎君       庄司 一郎君    田中 稔男君       田中 松月君    成田 知巳君       中崎  敏君    川崎 秀二君       小坂善太郎君    東井三代次君    兼務                 鈴木五郎君    出席國務大臣         國 務 大 臣 栗栖 赳夫君  出席政府委員         経済安定政務次         官       西村 榮一君  分科員外出席者         衆議院参事   西澤哲四郎君         総理廳事務官  川鍋  昂君         専門調査員   小竹 豊治君 六月三十日  第四分科所属員鈴木五郎君が本分科兼務とな  つた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計予算皇室費國会、  裁判所、会計檢査院総理府、法務府及び大藏  省所管  昭和二十三年度特別会計予算総理府及び大藏  省所管     —————————————
  2. 田中源三郎

    田中主査 会議を開きます。  質疑にはいります。庄司一郎君。
  3. 庄司一郎

    庄司(一)委員 ただいま議題と相なつておりまする國会予算の額の範囲内においてお伺いしておきたいと思いますが、私は今まで前後二回にわたつて本院の職員諸君に対する待遇改善に関して所見を述べてまいりました。第一回の國会においても、その前の國会においても述べてまいつたのでございますが、それを要約して申しますと、他の諸官廳と違いまして、本院の職員諸君公務上他の府縣等出張するようなことがほとんどないように見ております。戰事前は、外國議員團が行くような場合に随伴されたこともありまするが、國内における出張はほとんど皆無と言つてもよろしいと考えております。  これは他の官廳のように、各都道府縣に出店がないという関係もございましようか、また從來の古い習慣によつて出張がないためでございましようか、その関係はわかりませんが、どうも他の官廳政府職員諸君と比較して出張というものがないために、ただこの院内において黙々として勤労されておる。それは速記者諸君であろうが、あるいは委員部諸君であろうが、庶務部諸君であろうが、各部を通じて、こういう点は、他の官廳と比較して、いろんな角度からはなはだお気の毒なことであると考えておるのであります。それに加うるに、本会議あるいは各委員会等が、相当その日の都合によつて遅れまして、場合によつては、午後の八時あるいは十時、あるいはおそらく今夜などは相当遅くまで本会議が開催せられると思うのでございますが、そういう場合においては、衆議院すべての職員諸君とは言いませんけれども、重要なる部面の責任ある諸君、あるいは速記者諸君たちは、やはり議員とともに最後まで公務をとらなければならない。かような状態を見せつけられておりまして、ただ單に他の官廳並み同様な官吏としての待遇だけでは、まことにお氣の毒千万万である。何とか特別なる措置を講じていただいて一特別なる待遇をしてほしいものであると、私は考えております。さような観点から、ただいままでに前後二回、職員諸君の特別なる待遇改善を叫んでまいりましたが、前回の第一回國会、その前のいわゆる憲法議会から通して考えてみますと、第一回の國会は、御承知通り二百四日と相なつております。今回の第二國会もまたおそらくあと三、四日あるいは五日間の延長になりますと、二見十日くらいに相なると想像するのであります。第一回と第二回と合わぜて四百十五日くらいの長い長い議会と相なるのであります。かようなために、おそらく本院に勤務されている諸君、特にその郷里が遠隔の地にある諸君は、その郷土も訪問することができないという状態にありはしないか。かようなことを考えますと、一層お氣の毒な感をもつのであります。また公式には承つておりませんが、われわれ議員待遇も、一部改正されるようなうわさを聞いております。しかるに、われわれ議員だけが若干の待遇改善がありましても、われわれとともに苦楽をともにされている、殊に黙々としてこの院内に奮闘されている職員諸君に対し、ただ單に他の官廳並みによる俸給並びに諸手当、あるいは時間外勤務の場合における特別な手当ということだげでは、お氣の毒千万である。われわれ議員待遇が多少改善される場合においては、われわれとともに苦労をなめておられる職員諸君にも、ただいま具体的に申し上げたように、第一回が二百四日であり、今回は二百十日にも相なりましよう。合わせて四百何日という長い議会であつたのであります。こういう間に、しかもいろいろ資材が足りない、あるいは速記諸君などはその頭数が足らないので、委員会に万遍なく配置もできないという場合において、とにもかくにもあく惡戰苦鬪されている職員諸君に対して、何とか特別なる措置を講じてほしい。他の官廳なんかでは、殊に議会政府委員あるいは連絡委員等で出入されている各官廳諸君は、いわゆる慰労休暇的の意味を多分に含んで、慰労的な視察旅行ということを行いまして、多少なりとも精神的の慰安をか與え、あるいは多少なりとも経済的な支援を與えるような親心をもつて考えられている官廳が、相当あるそうであります。本院におかれては、本院の諸君等で、それぞれ責任ある諸君に、そうした意味を含んで、地方主張命令を出されて、國会の運営というものは、こういうものである。あるいは請願というものは、こういうふうに取扱われて、政府に送付されるものであるとか、いわゆる公民教育的な、そういうことを場合によつて地方教育者国体とか、あるいは町村長国体とかいうものに講演をさるることも、一つの方法であると思うのであります。むろんそういうことは、われわれ國会議員として当然なすべき義務でもございましよう。また不肖私なども、やつておりまするが、何とか職員諸君を公然と出張させ、幾分なりともやはり精神的の慰安を與えるとともに、他の官廳並みな方途を講ぜられて、経済的方面においても、多少なりとも待遇改善の一端を実現することができ得るような措置を講じていただく方法がないであろうか、ぜひそうしてほしいという信念の上から、同じ趣旨のことをこれで三回申し上げて、御善処を願いたい、こう思うのでございます。御意見いかがでございましようか。もし御回答を得ることができるならば、まことに幸甚でございます。
  4. 西澤哲四郎

    西澤説明員 ただいま庄司委員より、われわれ事務局員に対しまして、非常に御同情のあるお言葉を頂戴いたしまして、職員一同たいへん感激いたすことと考えております。一度ならす三たびこのお言葉を頂戴いたしまして、なおその待遇改善につきまして、十分なる措置を講じ得ない点につきまては、われわれといたしまして、はなはだ恐縮に存じております。しかしこれもただ單に事務局内部だけの問題ではなくて、やはり一般との均衡ということもある程度は考慮いたさなければならない関係上、われわれの望んでおりまする理想の域に達しまするには、相当日月を要するのではないか、しかしその相当日月は、どうしてもわれわれの努力によつて、これを極度に短縮して、近い機会において、ただいま庄司委員のお話いたされましたような域にまで到達して、國会職員というものが、一般公務員とは異つて、この激務に従事しておりまする点を、十分認めていただきましてより有利な待遇を受け得るような境域に早くもつていきたいものと思つてわれわれは努力いたしておる次第でございます。これにつきましては、事務局だけの力では及ばないところが多いのでございまして、議員各位の御援助によりまして、その実現を期していかなければならないことと考えております。  具体的の問題につきましてお答え申し上げますれば御説の通り事務局職員には出張ということは、非常に少うございます。それはこの事務局の性質といたしまして、外部に出て仕事をするというよりも、内部にあつて仕事をする点に、特色があるものでありますから、出張をいたすべき理由が非常に少いのでございます。それをただいまお話くださいました政治教育の面、あるいは公民教育の面に進出して、地方を視察することによつて、精神的の慰労を與えてはどうかという御詮でございますが、この点につきましては、事務局が積極的にそういつた方面に進出するというよりも、議員さんの方で、そういつた方面に御進出を願つて、われわれはそのことを蔭から御協力申し上げる、こういう建前をとるのが、当然ではなかろうかと考えております。なおわれのただいまもつておりまする職員に対しまする給與規程によりますると、政府職員に対しましては支給されておらない手当の種類も、中には支給し得ることにはなつております。たとえて申しますれば、議会中特に成績のよかつた者については議会手当を支給し得るという規定はございます。しかしながら、この特別の手当を支給いたしますにつきましては、関係方面等においても賞與等のものは一切これを廃止するという建前に進んでおりまる関係上、いよいよになると、なかなか実現が困難に相なつてまいりまて、われわれ当局といたしまして、非常に苦痛を重ねておる次第でございます。途は開けておりましても、実際にはなかなか支給することができないような実情になつていることを、御了承願いたいと思います。しからば國会職員待遇を、今後いかにしてかつえていくかという問題につきましては、御承知のように二千九百二十円ベースというものが、ある程度職階制を加味せられておりまする関係上、この点について一般官吏より級職をある程度上げることが考えられると思つております。この点につきましては、実はただいま職員組合当局の方と交渉を継続しておりまして、未完に実現は見ておりませんけれども、近い機会実現し得ると考えております。このときにある程度一般官公吏よりも、その級職を高める必要が起つてくる。またそれに向つて、われわれも合理的な範囲内において、そういうふうに取扱つていきたい、かように考えております。  以上簡單でございますが、御答弁申し上げます。
  5. 田中源三郎

    田中主査 よろしゆうございますか。——鈴木君。
  6. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 実はこの問題は本予算関係がなく、御多忙のところ大臣においで願いまして、まつたくその他の委員諸君に対してもお氣の毒であります。一言質問に入る前にお詫びを申し上げます。終戰前盛岡支部所が、秋田縣羊毛糸加工業者に対して燒かれれば困る関係から、これの保管を依頼しておつたのであります。それが終戰になりまして、秋田縣としては、そういうものを業者が横流ししては困るというので、縣廳がこれを嚴重に届出をなさしめて保管をしておりました。保管するばかりではなくて、この品が——ここはあとで問題になると思いますが、大体において秋田縣廳がこの羊毛糸十八万ポンド、綿糸十五万ポンド現在ありますが、こういう綿糸加工して、戰災者あるいは引揚者等配給するというようなことで、現在百三十五の工場を設置して、手持資材配給して、製品を作つているのであります。ところが、去年の暮からこの春にかけまして、仙台安定局出張して、これはもう完全な隠匿物資だというようなことで、縣当局との間に相当交渉が続けられてきたのであります。いくたびも安本にも長官初め係の商工課長に、この陳情をなしたにもかかわらず、私が長官から聞いたところによれば、安本長官その他安定本部首脳部の人は、秋田縣廳の意思通りつて差支えないというような意思表示は、しばしぱあつた。ところが、仙台安定局では、どうしてもこれは隠匿物資であるという見地に立つて、これを処理しようとしているのが、今日の問題である。ところが、これだけを取られるのでなくて、さかのぼつて隠匿物資であれば勝手に今まで製造さして縣のルートにのせてすでに配給したということが、当然責任を追究されるということになります。それが追究されつつある。こういうような問題で、先ほど申し上げましたように、本予算とは関係ない質問でありましたけれども、この間の詳細な事情を、まず説明を承りまして、さらに自分のもつている資料によつて質問を続けたいと思います。
  7. 川鍋昂

    川鍋説明員 お尋ねございました秋田縣羊毛糸その他の摘発に関しまして御説明いたします。  この事件は、仙台経済安定局情報によりまして着手した事件でございまして、隠退藏物資摘発につきましつては各地方安定局で、最後処理までやるのでありまして、その結果中央処理の点については、本部報告があるということになつておりますので、本部で直接やつたものではないのであります。現在まで安定局でとりました処置につきまして、報告がまいつておりますから、それによつて、御説明いたしたいと思います。  これは本年の二月一日に、軍放出羊毛糸が三十八万ポンド、秋田縣横手町の倉庫に隠匿されたという情報がございまして本年の三月十三日に仙台地方経済安定局在庫品課の二名の査察官調査に現場にまいりまして調べたところ、その羊毛糸は、縣の羊毛糸加工組合から、東北繊維工業株式会社羊毛糸を受取りまして、これをメリヤスにするために保管中のものであるということがわかつた。その在庫数量横手町の十箇所にわかれておりまして、また米澤市にも一箇所ございまして、これは染工場に行つているということで、合計しまして四万八千六百九十ボンドである。これが三月十二日にまいつた調査でございます。あとまだたくさんあります。それで、これを羊毛加工組合帳簿と対照しましたところが、仕掛品とかその他のものを全部加えまして、大体帳簿と合致しておりまして、その間の不正は認められなかつた。そして、その工場でくつ下とか、子供のシヤツとか、学童のシヤツ、そういうものを加工してつくつている。それからこの羊毛糸がどういう径路で入つてきたかという点を、仙台で調べたらしいのでありますが、それは秋田縣特殊物件でございまして特殊物件処理の際に、商工省繊維局長、それから外務省の調査部長から秋田縣知事に対しまして、この羊毛糸及びそのほかの秋田縣にございます繊維の原材料の配分につきまりしては、日本織物統制会社拂下げて、配分先に引渡すべきものであるから、そういうふうに処置してもらいたいという通牒が、昭和二十一年八月五日に行つている。それに対し秋田縣知事の方から、この羊毛糸、それからあとに出てまいりますが、綿糸もあつたわけでありますが、これは中央の指示によらないで、秋田縣特殊物件処理委員会の決議で、縣内でこれを製品化して、引揚者とか、戰災者とか、そういう者に配給したい。そして口頭で何か中央の係官にその旨を申立てて、その承認を得たから、縣ではそれぞれ羊毛綿糸加工組合を特別に結成して、その製品化に全方を傾注している実情であるから、それだからしかるべくその方針に副つて処理していただきたいというような趣旨の申請を、秋田縣知事から中央に申している。それに対しまして、商工省繊維局長としては、前の昭和三十年十二月二十七日に、繊維局長調査局長の連名で、その処理要領繊維原料統制規則によつてやるという方針を示してあるのに、縣の方で勝手に製品化に着手したということは、非常に遺憾である。それで縣で製品化した上で、商工省繊維局長と打合わせの上配分を実施してもらいたいということが、秋田縣知事に通牒されております。それに対しまして、秋田縣知事の方から、秋田縣衣料の不足が非常に多く、他の府縣に所在する戰災者引揚者受給率に比してはるかに少い。その配分については、やはり現在の実情を考慮して、縣に任せてもらいたいというようなことを出してあります。これに対しては、商工省からは何も返事がいつておりません。そういうような経緯になつておりました関係で、秋田縣としましては、商工省はこれを承認したものと解釈したらしいのであります。そして今の羊毛糸加工組合その他に加工させまして、これを縣としましては、やはり切符を出して、また價格も嚴重に査定しまして配給しておる。配給の結果は、すべて軍政部にも報告しておる。その配給の点については、変な点はないようです。縣内引揚者、あるいは戰災者報奨物資というようなものにまわしておる。その後隠匿物資緊急措置令、あるいは指定生産資材在庫調整規則報告がございましたが、これはいずれも提出しております。ただ昨年の九月に繊維資材配給統制規則衣料品配給統制規則が出まして、これは手持ちのものを全部報告すべきであつたのでありますが、その当時業者縣廳の方と相談いたしましたが、縣廳では別にはつきりした返事をしない。出さなくてもいいような口ぶりであつたので、報告を出さなかつた。そして衣料品配給統制規則が出ましたあとは、法規の上から、衣料品配給統制規則による切符によつて繊維品配給さるべきでありますが、秋田縣におきましては、この品物につきまして、秋田縣自体の特別の衣料切符を、秋田縣独自で出しまして、秋田縣内配給しておる。縣として衣料品配給統制規則の違反をやつておるわけです、そういうような状況でございましたので、仙台安定局では、これらの品物は全部一膳移動禁止いたしまして、その処置についていろいろと検討を続けておるような状況であります。ただこれを結末がつきますまでに、その原料につきまして使用を停止いたしておきますと、これが一月なり一月半なり解決までにかかるということになりますと、業者の方が潰れてしまうというようなことがございますので、そういう解決がつくまでの間は、加工は認めるというような措置を講じております。結局一番初めに申しましたのは、羊毛糸でありますが、この関係秋田縣全体にわたりまして、この特殊物資拂下げ秋田縣独自立場で、製品化いたして配給したというような事件関係した物資は、梳毛糸原糸が十一万一千百八十四ポンド、その仕掛品二万九千四百七十一ポンド、製品が一万六千二百八十三ポンド、ほかに靴下、シヤツ等が五千五百八十七ダース、これだけのものが梳毛糸関係として保管請書安定局で取つております。そのほかに横領事件関係しまして、検察廳で押収中のものがございます。これは梳毛糸の。
  8. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 内容は大体わかつておるから、数字は結構です。
  9. 川鍋昂

    川鍋説明員 大体安定局としましては、現地に來ました査察官は、そういうようなことで、指定繊維資材統制規則に基く報告を提出していないどいうような点から、不正にもつているものであることが明瞭にわかりましたので、上司の指揮を受けまして、仙台商工局の係員の協力を求めて、共同でこの品物について、各所在場所にわたつて調査をいたしました。工場組合、その品物配給しております秋田縣衣料品輩商連合組合というようなものから、保管請書を徴しまして、移動禁止を命じたのであります。そうしてその品物所有者たちが、組合からは供出承諾書をとつたわけであります先ほど申し上げましたように、移動禁止いたしまして、操業を停止いたしますと、その工場の労務者の不要というようなことも起りますので、関係官廳処理方針が決定するまでは、原糸とか仕掛品製品化することは認め、操業は継続する。またその結末については、まだ報告が來ておりません。そういうような状況であります。
  10. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 今の内容につきましては、縣から來ている数量と、大体一致しております。ただ長官にここにお願いしなければならぬのは、秋田縣承知のように、統制物資だけがたくさんある縣でありまして、米、木材、石油、こういう重要な物資をたくさんもつておるがゆえに、日本で一番貧乏な縣、現在の状態では非常に苦しい環境に置かれておるのであります。終戰当時秋田縣ばかりでなく、各縣の軍の保管を受けた者が横流し、あるいはでたらめに使われておつたということを、われわれは実際あらゆる方面で知つております。今の状態安定本部の御説明通り、若干縣としまして行き過ぎた感もあるかもしれませんけれども、もしその当時縣が巌重に各業者保管を依頼しておつたものを、そのまま放出しておつたことは、さらに別の意味のやみが行われたということを予想するにかたくない。それを逸早くその業者から、さらに縣が保管をした。そうして特殊な秋田縣事情から百三十五の工場を、このためにごしらえて、それぞれ機械を秋田縣に入れて、現在この加工に当つておる従業員が二千名近くおるのであります。今この糸がそういう規定に違反したという意味において没収されるということになれば、秋田縣では非常に大きな打撃を受けることになるのでありますから、秋田縣の特殊な事情を認めていただきまして、一應摘発したものは摘発したものとして、これをそのまま秋田縣にくださるというようなわけにはまいらぬでありましようか。
  11. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 数量その他については、ただいま説明員をもつて申し上げたのでございますが、秋田縣特殊事情その他については、私も種々の事情のあることはよく承つております。一面において法規その他の関係もございますので、そういう情状をよくにらみ合わせまして、調整その他の方法をとり得るものについては善処いたしたい、こう考えておる次第でございます。
  12. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 事態は今の安本長官の御答弁のように、猶予ならないところまで進んでおるのでありまして、仙台安定局から本廳に出てきておる調査資材は、きわめて詳細に出ておるのでありますから、そういうことでなしに、もう少し腹を割つてとつお願いしたいと思うのでありますが、どうしてもこれは縣全体空氣といたしまして、こういうものを隠匿物資として取扱われるということになれば、秋田縣としては相当考えなければならぬ問題が、種々あるというようなことで、おとといも長官がわざわざ來られまして、どうしてもこの予算委員会でこの問題に結論をとつてほしい。こういうことをくれぐれもお願いを受けまして、特に忙しい長官を煩わしたわけであります。長官一個のお考えでも結構ですから——秋田縣は実際それは繰返して言う必要はありません。税金は同等に徴収され、四箇月も五箇月も雪の中にありまして、地租、税金なんかは全國同じであります。先ほども申し上げたように、材木なんかは、その大半がもう丸太棒でどんどんとられる。石油は全國の大部分を秋田縣において生産しておるが、これなども嚴重な監視のもとにほとんどその恩惠をこうむらない。米は御承知のように百万石近いものを公定で出しております。しかも現在、農業者は続く災害に遭いまして、高い金では衣料を買うこともできない。こういう現状にあるのが、ほんとうの姿である。全体的に見れば、現在大別して羊毛糸十八万ポンド、綿糸が十五万ポンド、こういうようなものを、さらに終戰時マル公で引上げられて、そうして当然なる機関にのせて、正常なルートで全國に配給する。これが今の安定局考え方でありますけれども、こういう特殊な事情を認めていただければ、日本全体としての約三十二、三万ポンドの問題は、ちつぽけな問題だと思う。こういうようなことから大きな問題になりまして秋田縣全体農民が、供出その他の問題に協力しないというふうな氣持になれば、この三十二、三万ポンドの、日本全体から見れば、少量な糸のために、全体の農民政府に協力しない。こういう状態考えられる。思想はこういうような意味からだんだん悪くなる一方であります。であるから、これは安定局の役人としては、こういう処置は当然だと思われるのでありますけれども、長官が政治的な大きな日本的な立場からお考えになりまして、ここはどうしても長官の断の一字で、処理願いたいと重ねて要望いたしたいのであります。どうか抽象的なことじやなしにひとつ私に花をもたせる意味においてお願いしたいと思います。
  13. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 秋田縣陳情につきましては、かねがね鈴木代議士よりもお話があり、なおかつ地元の長官その他からもいろいろ御要望があつたのであります。その点私もよく了解いたしたのであります。このものにつきましては、早急に処理その他をきめたいと思いまして、御趣意の点は十分のみこんで、処理をいたしたい。こう思つておる次第でございます。
  14. 鈴木彌五郎

    鈴木(彌)委員 それで結構です。それ以上何回申し上げても同じでありますから、どうかただいまの長官のお言葉を実際に行つていただけるように、またそういうことを希望しながら、私の質問は打切ります。
  15. 田中源三郎

    田中主査 これにて本分科の大体の質疑は終了したと思うのであります。よつて当分科の採決討論は留保いたしまして、これは総会において決定するとして当分科の終了をいたしたいと考えるのであります。お諮りいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 田中源三郎

    田中主査 別に御異議の声を聽きません。よつて右様決定いたしました。これにて散会いたします。     午前十一時二十六分散会