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1948-06-11 第2回国会 衆議院 予算委員会 第30号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年六月十一日(金曜日) 午前十一時二十五分
開議
出席委員
委員長
鈴木茂三郎
君
理事
庄司
一郎
君
理事
苫米地英俊
君
理事
稻村 順三君
理事
川島 金次君
理事
押川
定秋君
理事
小坂善太郎
君
理事
今井 耕君
理事
大原 博夫君 青木 孝義君 東
舜英
君
植原悦二郎
君 角田 幸吉君
古賀喜太郎
君 島村
一郎
君
鈴木
正文君
鈴木
明良君
西村
久之君 本間 俊一君 岡田 春夫君
黒田
寿男君
田中
松月君 中崎 敏君 中原 健次君 梅林 時雄君 川崎 秀二君
田中源三郎
君 圖司 安正君 長野重
右ヱ門
君 笹森
順造
君 松本
瀧藏
君 中村
寅太
君
出席國務大臣
大 藏 大 臣
北村徳太郎
君 農 林 大 臣
永江
一夫君
出席政府委員
経済安定本部財
政金融局長
佐多
忠隆
君
大藏政務次官
荒木萬壽夫
君
大藏事務官
福田 赳夫君
專賣局長官
原田 富一君
委員外
の
出席者
專門調査員
芹澤
彪衞
君
專門調査員
小竹 豊治君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
昭和
二十三
年度
一般会計予算
昭和
二十三
年度
特別会計予算
—
——
——
——
——
——
——
鈴木茂三郎
1
○
鈴木委員長
たいへんお待たせいたしました。御
著席
を願います。これより
会議
を開きます。 きようは参議院において
財政演説
に対する
質問
がただいま続行中でありますために、
総理大臣
あるいは
大藏大臣
などの御
出席
を得ることができませんので、きのうのように、午後一時に
政府委員
から確実に
出席
していただくことにいたしまして、ただいま
農林大臣
が御
出席
でございまするから、さしあたり
通告順
によりまして、
農林大臣
に対する御
質疑
は、
稻村君
、それから
田中
君、
押川
君、次に
黒田
君と、こういう
順序
にな
つて
おりまするから、この
順序
によりまして、時間
一ぱい農林大臣
に対する
——
たいへん勝手でございますが、御
質疑
をしていただきたいと思います。
西村久之
2
○
西村
(久)
委員
議事進行
について、お許し願いたいと思います。
農林大臣
に
質疑
をいたすのは結構だと思いますが、けさの新聞を見てみますると、
大藏大臣
は議員の
予算審議
を拘束すると申しまするか、牽制すると申しまするか、解釈はいろいろございましようが、
與党
の
代議士諸君
の
意見
を束縛するようなことを
記者團
に発表されておるかのように思われるのであります。從いまして、あの記事の
眞相
を
大藏大臣
からはつきりしていただきますることが、今後
與党
の
委員諸君
が、
予算案
を
審議
する上について、参考にもなり、また
審議
の進捗をはかるゆえんではないかと、私は考えるのであります。この
機会
に
議事
の
進行
に関して、
大藏大臣
の弁明を求めたいと思います。
鈴木茂三郎
3
○
鈴木委員長
ただいまの
西村
君の御
意見
は、
大藏大臣
御
出席
の際にいたします。稻村順三君。
稻村順三
4
○
稻村委員
実は私の
質問
は、主として
大藏大臣
と
安本長官
に対する
質問
でありまして、
大藏大臣
に
質問
した方がはつきりするのでありますけれ
ども
、その点、ほかの
大臣
が出ておりませんので、
関連事項
として、簡單に
農林大臣
に
質問
したい、かように思
つて
おります。 まず第一に
農林大臣
に
質問
したいことは、今度の
予算
を
編成
するにあた
つて
、
農林省関係
の
予算
を、どういう
心組
で
編成
したか。私をして言わしめるならば、今日最も破壞もされなかつた
ところ
の
産業
として、
農業
があげられておるのでありますし、また
農業
がそれほどまでにひどい破壞もされなかつたということによ
つて
、
國民
がどうやら
最低生活
を保持することができておる、かように理解しておるものでありますが、しかしながら、戰爭の間の多年の
荒廃
と、それから最近における
水害
、
旱害
というようなものが、近時ようやく著しくな
つて
まいりまして、その結果として
農業生産
が非常に
荒廃
に帰そうとしておるのであります。この
農業生産
が
荒廃
に帰するということは、一面において
農民生活
を窮迫せしめるとともに、今日すでに
部分
的に現われておる
インフレ下
における
恐怖現象
、特に國内において最も大きな
商品市場
であります
ところ
の
農村
の
恐慌
が、
生活
が窮乏していくということによ
つて
、これがますます激化されているという事実を見るのであります。それに
生活必需品
が、
農業
が
荒廃
することによ
つて
、最も大きな
打撃
を受ける。
産業
全体の基本が破壞されようとしていると言えるのであります。その際に
農林大臣
といたしましては、
予算編成
に対して、かような一番
打撃
が少かつた
農業
を復活させるということは、
日本産業再建
にと
つて
の一箇の優先的なものとも言えるのでありますが、優先的に
農業
の
復興
をするというような
氣持
でも
つて
農林省予算
の
編成
にあたられたかどうか。そうしてそういう
氣持
であたつたものとすれば、今度の
公共事業費
の中における
ところ
の
農林省
の九十何億というあの
予算
、その中における
ところ
の
水害
、
旱害
の
予算
、それからまた
農業土木
、
土地改良
その他の
事業
に対する
ところ
の
予算
が、これで
農業
が
國民生活
に
最低
の保障をする
ところ
の
生産
を完全に維持するという
ところ
までいかないにいたしましても、少くとも平時において
國内食糧
の八割を供給するだけの
ところ
にまでも
つて
いけるかどうか。この点をまず第一に
お尋ね
したい、かように考えております。
永江一夫
5
○
永江國務大臣
稻村君
にお答えいたします。本
年度
の
農林省
の
予算
についての心構えについて
お尋ね
がありましたが、私といたしまして、今
お話
のごとく、わが國の
経済復興
の第一の基盤になりまする
農村
の
復興
ということに、もちろん
重点
をおきまして、諸般の
予算
の組立をいたしたのであります。非常な困難なる
予算編成
の
現状
でありまして、この意思を十分に現わしておるとは、残念ながら申しかねるのでありますが、本
予算
に出ておりまする
農林省関係
の
予算
は、今お
示し
のような御趣旨のもとに、私としては
最高度
の
予算
として、ただいまの
ところ
、これを認める、こういう考え方で、この
予算
を
皆さん
の御
審議
にお願いをしたわけであります。もちろん個々につきまして、今例にお引きになりましたような
公共事業費
の面につきましても、いろいろ私
ども
としては十分ならざる点がありまするが、しかし現在の
公共事業費
の内容から申しまして、またその総額から申しまして、いろいろ
関係方面
との
折衝等
の経過を見ましても、この限度において、私
ども
は
最高
の
効果
をあげたい、こういうように考えておるわけであります。
稻村順三
6
○
稻村委員
農林大臣
がその氣構えをも
つて
苦心して
予算
を組んだということは、非常に私としては喜ばしいことだ、かように考えておるのでありますが、しかし不十分であるという御返事でありましたが、現在少くとも
輸入食糧
の
関係
その他とにらみ合わせまして、どうしても八割以上の
食糧
を國内で補給しなければならない、それからそのほかに今日
資源
が非常に不足しておる
ところ
の
工業資源
の供給も、
農業
化しなければならない。
食糧
ばかりでなく、こういう面もますますその意味が大きくな
つて
きておる。私はかように解釈している。そうしますとこの点
食糧
は八割以上、それから今日與えられている
ところ
の國内の
工業資源
としての役割を果すことがこの
予算
の中でできるかどうか。これは緊急の問題であります。決して一年の後にはこうしてやる、二年の後にはこうしやるという問題ではありません。
工業資源
の方はまだそれとしましても、
食糧
は少くとも八割二、三分ぐらいなものは、國内で
確保
しなければならぬのであります。この
確保
にはたして万全を期するだけの
予算
であるかどうか、この点お伺いいたします。
永江一夫
7
○
永江國務大臣
ただいま
お話
の
食糧
につきまして、
國内需要
の約八〇%以上をこれで
確保
できるか、こういう御
質問
でありますが、私はよほどこの
予算面
以外に
農家
の
皆さん
の御
協力
を得なければ困難ではないかと思う点があるのであります。しかしこれは御
承知
のように、一割
増産運動
と申しましても、
一つ
の
國民運動
ではありますが、これはやはり
相当
の物資の
裏づけ
をもつた
國民運動
として
政府
は展開をしておるのであります。しかしその物質的な
裏づけ
以上に、
農民
の皆樣の
協力
によ
つて
、害虫の駆除その他の努力が加わらなければ、やはり八〇%
確保
ということは、むつかしいと思うのであります。ただ
先ほど
も御指示になりましたように、
農業土木
、あるいは
土地改良
、その他の面についての
予算
的な
措置
において十分でないと、私は申し上げた。これはしばしば皆樣から御
議論
のありますように、
食糧増産
という
一つ
の窓から
議論
をいたしまして、
土地改良費
に
重点
をおくべきか、あるいは
開墾開拓
に
重点
をおくべきかということは、かなり永い間の
議論
であり、また実際の問題であります。
予算面
から申しまして、
開墾開拓
に
重点
をおかずして、
土地改良
に
重点
をおきまして、ただちに本年の
食糧増産
に間に合わせるということが緊急のことであるという
一つ
の
議論
は成立つのであります。しかし
稻村君
も十分御
承知
にな
つて
おりますように、
開墾事業
は、その
目的
とする
ところ
の
一つ
は、たしかに將來における
食糧
の
確保
に役立つ
目的
でありますが、他の
一つ
は
戰爭犠牲者
に対します
國家
的な責任において
行つて
おる
開墾開拓
でありますので、
食糧
という窓から
議論
するだけではこの点は十分でないのであります。こういう点について、
一つ
の財布から出まする
予算
について、特に
農林省
が左右し得る
予算面
の中におきまして、どちらにウエイトをおくかということに、かなり苦慮をいたしたのであります。結局今提出しております
予算
のように、
開拓事業
にも、また
土地改良事業
にも、両者にどちらから見ても十分なだけの
予算
を計上するに至らなかつたという点は、私は残念に思
つて
おります。しかし最初に申し上げましたように、
食糧増産
ということにつきまして、物質の
裏づけ
以上の
協力
を得まして、これが達成をいたしますれば、八〇%の
確保
ということも至難ではない、こう考えております。
稻村順三
8
○
稻村委員
大体
生産
がかくのごとく
荒廃
に帰しつつある
現状
におきまして、さらに
農村
に対する
ところ
の
供出
が
——
これは
日本
の
食糧事情
からして、やむを得なかつたとは申しながら、非常に強い
供出
が強要されておる。そこにも
つて
きて、さらにことしは非常な多額の
所得税
が課せられた。そのために
農民
はほとんど裸にな
つて
し
まつ
た。殊に一年に一回の收穫しかしない
ところ
の
單作地帶
、あるいは
寒冷地帶
の
農民
は、ほとんど裸にな
つて
し
まつ
た。こういう事実を
農林大臣
はよく御
承知
であるかどうか、この点ちよつと
お尋ね
しておきたい。
永江一夫
9
○
永江國務大臣
今お
示し
の
通り
、
單作地帶及び寒冷地帶
における
農家
が、非常に逼迫した
経済事情
のもとにあるということは、私は十分了承しております。
稻村順三
10
○
稻村委員
先ほど
申しました
通り
、この情勢は私の知
つて
おる限りにおきましては、全國約六割に近いものが
單作地帶
と
寒冷地帶
が面積を占めておると私らは想像しておるのであります。こういうふうな
関係
にある
ところ
の
農民
が、
生活
が窮乏しておるということが、これがすなわち一面において
農村
の
購買力
が非常に減退して、
地方
的に
農村
では
配給品
すらとれない。こういう
状態
にな
つて
おるのであります。現在の價格ですらも
配給
がとれないというときに、
物價改訂
をした場合を考えてみますと、これによ
つて農民
が購買することができない。
從つて國
内で最も大きな
市場
である
ところ
の
農村
が
購買力
を
失つた
ということが、
物價改訂
によ
つて
ますますこれが強められて、
恐慌的現象
を強めるというように、私は考えられるのでありますけれ
ども
、この点に関しまして、
農林大臣
はどうお考えにな
つて
おられますか。
永江一夫
11
○
永江國務大臣
今
お話
のように、税あるいはその他のことが、いろいろ
條件
の上では非常に
農村
を逼迫させる原因にな
つて
おるということは、私は十分了承しておりますが、これにつきましては、何としても今まで
農村
問題の中で、そう急に起
つて
まいりません
ところ
の
農村
の
金融
の逼迫ということが、本年の二、三月以降急激に実際問題として現われてまい
つて
おるのでありますから、これらのことについては、緊急並びに根本的な
金融対策
ということを、併せて
農村
の
対策
として、
政府
は
実施
をしつつあるのであります。
稻村順三
12
○
稻村委員
今
大臣
の方から出ましたので、
農村金融
の問題について、ついでに
お尋ね
するのでありますが、
農村金融
に関しましては、
日本
の
金融機関そのもの
は実に冷淡であります。たとえば
土地改良
の問題でありますとか、あるいは
水害
、
旱害
の復旧の問題とかいうものに関しまして、
農民
がこれに対して
助成金
が出るから、一
應助成金
を
担保
として金を貸してくれというのでは、ほとんど
市中銀行
は金を貸さないのであります。はなはだしいものになりますと、二重の
担保
として
自分たち
が秋にとれる米を、いわゆる
供出米
の代價を見返り
担保
として金を貸してくれと
言つて
も、それを貸さない。それから
日本
銀行
の融資ということを
條件
としましても
つて
い
つて
も、それでも貸さない。私の知
つて
おる
ところ
の、これは
名前
は出しませんが、某
地方銀行
のごときは、
農村金利
などというような年に一割かそこいらにしかならないものには、とても金を貸しておくわけにいかない。われわれは何とかして金をまわすならば、月一割くらいでも
つて
十日か十五日でも
つて金
の貸り手はたくさんある、こんなひき合わないものはやらないのだ、と断
つて
おる実例もあるのであります。こういうふうに
やみ金融
をしつつも、
農業金融
をしない。こういう
銀行
、これは殊に
地方銀行業者
の
常套手段
である。こういうふうな
状態
で、
農業金融
というようなものを考えてみた場合には、現在の
金融機関
を利用して
農業金融
をするというのは、
農業会
が
解体
をしておる今日におきましては、ほとんどその金の
出みち
がないのであります。この点
農業金融
の
機関
というものをつくることをわれわれとしては非常に待望しておるものでおりますけれ
ども
、さらにわれわれが考えなければならないのは、單に
農業金融
というようなことになりますと、これは
短期
の
金融
の問題でありますか、実に
短期金融
というものは、
農業
においては前の青田賣り、
黒田
賣りという形を繰返されるにすぎない。殊に
資金
の蓄積というものは、非常に零細な
農民
であります。一度
借金
をいたしますと、その
借金
を
短期
で返さなければならないということは、その年の青田を賣ることなのです。そういうことで
農業手形制度
というものを
農林省
で考えまして、殊に
農林大臣
などは
——
ここで言うとどうもおかしい話ですが
——
大分得意にな
つて談話発表
がありましたけれ
ども
、実を言うと、これはどうも
地方
に行きますと、
農業手形
をやるというのはいいが、これは青田賣りを始めるのだというように
言つて
おる。そこでわれわれとしては、
農業
にはやはり
生産資金
としては、
短期
と申しましても、半年あるいは四箇月の一
生産過程
における償還し得る金、あるいは農機具とか、あるいは
土地
とかいうように、何年かか
つて
償還しなければならぬものに対しましては、
長期金融
が必要だろう。しかもこれは非常に安い
金利
でなければならぬ。今の
復興金融金庫
ぐらいの
金利
だと、今ちよいとインフレーシヨンでありますので、
農村
の手もとに残る金は少いとしても、一應まわす金の量は多いのであります。
從つて
ある程度
金利
がそう安くなくてもいいのでありますが、しかし今後になりますと、
長期金融
は特に
金利
が安くなければならない。今の
復金金利
よりも、もつと安くならなければならないというようなことを、私
たち
は考えているのであります。殊に最近になりまして、
大藏省預金部
の金もなく
なつ
たことでありますし、その点われわれとしては、こういうふうな
長期金融
の特殊の
機関
をもつことを必要だと考えているのでありますけれ
ども
、これに対する
農林大臣
の見解を
お尋ね
したいと思います。
永江一夫
13
○
永江國務大臣
農村金融
のことにつきまして、私
ども
が五月から
実施
しておりまする
農業手形
のことを今
お話
がありましたが、もちろん私
ども
は
農村金融
はできるだけ
長期
で、さらにこれが低利でなければいけないという今のお説に、
まつ
たく同感をしているものであります。しかし本年
農業手形
の
処置
をいたしましたのは、
先ほどお話
がありましたように、かなり
農村
の
課税
につきましての
支拂期日
が一度にまいりまして、たまたま
春肥等
の購入についても、非常な逼迫した
事情
が現われたのであります。併せて
農業会
の
解体
、
協同組合
の
発足等
の問題が、これに絡んでまいりまして、
從つて農村
における実際の
金融機関
でありまする
農業会
の
機能
が完全に
協同組合
に移行をしない特殊な
事情
の中におきまして、
政府
としては
農業手形
という別個な
方法
を立案いたしまして、これを
実施
したのであります。特にこの
実施
の区域は、
北有道
及び
東北等
の
先ほどお話
がありました
寒冷地
及び
單作地帶
をまず第一の目途といたしまして、
実施
をしたのでありまして、その結果かなり北海道及び
東北地方
におきましては、應急の
処置
としては、ある程度の
効果
があが
つて
いると、私は信じているのであります。しかしこれは
先ほど
申しましたような
農業会
の
解体
、
協同組合
の完全なる
機能
の確立をせざる
状態
、及び特に
農村課税
における
影響等
が重
なつ
た際にとつた
方法
でありまして、恒久的な
金融
としては、すでに御
承知
のように
原始産業
でありまする
農業
、あるいは水産、あるいは
林業等
を含めました
農業復興金庫等
の
処置
を考えまして、これを
政府
は立案して目下檢討中でありまして、この
制度
があるいは
農業復興金庫
という
名前
で
発足
をいたしますか、今の
復金
の一部門としてわくを別にしてやりますか、あるいは別個に今の
農業中央金庫
の改組をいたしましてその業務をやらせるか、それらの問題を含めまして、今
政府
では鋭意考究中であります。適当な
機会
に、その具体的なことについてはまた
皆さん
の御
審議
を願いたい、こう考えております。
稻村順三
14
○
稻村委員
最後に私やはり関連して
質問
いたしたいと思いますが、
土地改良
、灌漑の
事業
が、
資金難
で悩んでおります。
予算
が決定されるまでの
つなぎ資金
もないというものに対して、
市中銀行
が
金融
をぽつりぽつりと
行つて
いる
ところ
もありますけれ
ども
、概して
行つて
いない。殊に
日本農業
は、
先ほど
申しました
通り
、
予算
が不十分であるから、こういうことが十分できないとしたら、
金融
の面でこれを補
つて
やらなければいけない、こういうふうに考えているのでありますが、私
農林省
に
行つて
、
開拓局長
その他ともいろいろ相談してみたいのでありますけれ
ども
、今の
ところ
ほとんど
処置
がないというのが、
農林省
の
人たち
の
意見
じやないかと思います。こういうことに対して、
大藏省
との間にどういう
折衝
が行われているのか。こういう緊急な
措置
であります。殊に今
植付
が始ま
つて
いるのであります。この
植付
を前にして何万
町歩
、
新潟縣
の私の南蒲原郡でも一万
町歩
くらい取付ければすぐ排水ができる。しかもポンプもセメントも來ているというのに、
資金
がないために仕事をしないで、ことしの
植付
には間に合わない。今
はちようど旱魃状態
なので何とかなるそうでありますが、もしも一雨降るとせつかく植えたものが腐
つて
しまう。こういうような
状態
の
ところ
があるのであります。これは
新潟縣下
に
相当
たくさんあるように私は聞いているのであります。こういうものの
資金
を、一体どうや
つて
つないで、ことしの
植付
に間に合わせるか、ことしの秋には、すでに
増産
の実をあげることができるというような
手段
を講じているかどうか。これに対する
質問
をも
つて
私の
農林大臣
に対する
質問
を終ります。
永江一夫
15
○
永江國務大臣
土地改良事業
が、
從來ただ政府
なり
公共團岩
の一方的な天降り的な
補助金
で行われるということよりも、これらの
事業
は
金融
によりまして、自主的に行われるような
傾向
をもつことが、
日本
の
農村
の
土地改良
には私は望ましい
傾向
だと考えているわけであります。從いまして、ただいま緊急に何らか
処置
をしたらどうかという
お話
でございますが、
先ほどお答え
をいたしましたように、
農業復興金庫等
の処理によ
つて
、基本的な
金融
を考えますと同時に、その案ができまするまでの
つなぎ
として、適当な
方法
を考えたいと思
つて
おります。それにつきましては、
お尋ね
はありませんが、昨
日本会議
において議決になりました
米價
の改訂に関する際においても、いろいろ
関係方面
とこの点も
話合
をいたしまして、適当に緊急な
処置
を何とかいたしたいと思
つて
おります。
鈴木茂三郎
16
○
鈴木委員長
田中
君。
田中源三郎
17
○
田中
(源)
委員
農林大臣
に
大藏省所管
の
專賣益金
と関連いたしましたことについてお伺いいたしたい。わが國の
食糧
問題につきまして、日夜
農林当局
の御苦心のほ
ども
察しております。今回の
事前供出割当
について、
農家
はできるだけの
協力
をして、わが國の
食糧
問題について鋭意
國家
に奉仕いたしたいと考えている。
ところ
がこの
予算
を通覽してみますと、歳入の面におきまして、
專賣益金
は約二五%近く占めておるのであります。
專賣益金
中殊に
タバコ益金
がその主要なる
部分
であることは、
農林大臣
も御
承知
のことであろうと存じます。そこで本
年度
の
タバコ
の
生産目標
は約五百五十一億二千万本だということを
專賣当局
は発表されておりまするが、このうちには前
年度
收納したる
葉タバコ
の
原料
と同時に、新生賣残りのものをも
つて
大体
販賣予定
をいたしているわけであります。
ところ
が私はこればかりでなく、やはり
輸入タバコ
をこれに混合する、または場合によ
つて
、ことしの收納した
葉タバコ
を
原料
として、これにやはり幾分か混合していくということになる。そこで
專賣益金
の
増收面
から考えてみますと、
農林省
の方で
事前供出
をお
割当
にな
つて
おりまするが、現在すでに
タバコ
は
植付け
ております。
タバコ
の性質は
農林大臣
御
承知
の
通り
に、在來種は
連作
は利きます。しかし
黄色種
においては隔年もしくは三年更新ということにな
つて
おります。
從つて
前
年度
畑地でつくつたものは、今年は
水田
につくるということになる。
事前供出
で永田には全部
タバコ耕作禁止
の
通牒
がまい
つて
おる。かりに氣温なり、あるいは
灌漑用水
の
関係
から、あるいは一部過植によ
つて
、
タバコ收納
後において栽培可能のものもあろうと思いますが、これは当初
植付けたより
も
相当量減收
を見込まなければならぬ。たとえば反当
收量
二石五斗あるものとみるならば、あるいは二石とか、一石八斗とみなければならぬ。こういうように植えたものは、その
事前供出
の
割当
の率によ
つて
供出
することは当然だと思う。しかし現在
連作
をやるべき
米種
の問題については、すでに大
部分
が植えられたと思う。まず今年の五万
町歩
の中で予定される
米種
は、おそらく一万八千
町歩
以上になろうと思う。そのうち
水田
がなんぼ占めるかという問題です。かりに二分の一
水田
が占めたと仮定したならば、
事前供出
の
割当
そのままの米を出すというならば、遺憾ながらこの
葉タバコ
を引拔いて今日これを他に植えなければならぬことになる。これは
大藏省
と
食糧管理局
との間に
事前協定
ができておらなければならぬはずでありますが、全國に
通牒
のまい
つて
おります
ところ
によりますならば、これはできておらぬ。話が継続中のものかもしれません。そういうわけで、各縣の
当局
、知事並びに
農産課長等
は、今日これに非常に頭痛をいたしておるような実態であります。これをもし御解決をつけられなかつたならば、本
年度
の
專賣局
のあわゆる
葉タバコ
の製造の面につきましては、ある程度のものはできましようが、
來年度
においては
予定收量
より非常に激減して、
來年度
の
專賣益金
は
相当
に減るものであるということは、ここにはつきり現実に現われてきておる問題でございます。またそのうちで
灌漑地
があります。
灌漑地
は、いかに
水田
に
政府
が植えるなと
言つて
も、その
補給水量
によ
つて
三分の一
植付け
るか、あるいは二分の一
植付け
るかいたさなければならぬことは、
大臣
も選挙区である
兵庫縣
において、はつきりと御
承知
のことであると思う。
兵庫縣
だけでなく、四國、中國、九州、いわゆる
近畿以西
全体は、このことははつきりいたしておる。この問題は適宜
地方長官
において
処置
はつくだろうと思います。しかしそれ以外の用排水利の面において惠まれておりますものは、この問題の解決は今日両者の間において決定されてなければ、ここに
葉タバコ
の減收ということははつきりとした事実が現われてくるわけです。
從つて
本
年度
並びに
來年度
の
專賣益金
の上において、製造
原料
タバコ
は減る、あるいは関東東北地帶における比較的
寒冷地
の在來種の轉作をいたさなかつたならば、
原料
タバコ
の
予定收量
は得られないという実態がくるのでございます。この点は特に
農林大臣
はいかに御指令相なりましたか。なお今後これらの問題について両者の間において御協定をつけて、本
年度
の問題は、
事前供出
よりこれを除く、そうして過植並びにその後に
植付け
たるものにおいては、これは当然
供出
いたさせる、こういう御
処置
をおとりになるでしようか。今後この
予算
を
審議
する上におきまして、本問題は重要な問題でございますから、この際
大臣
の御所見を承
つて
おきたいと存じます。
永江一夫
18
○
永江國務大臣
主食の事前
割当
については、いろいろ六箇條の
條件
がついて全國知事
会議
の決議を尊重して適当に是正をするということにいたしております。しかし今お
示し
のようなことは特例でありまして、
政府
部内においてどの程度助成ができるかということはまだ結論に達しておりません。しかし
食糧
の
生産
を担当いたしております私としては、よほどこの問題は愼重に
処置
をしなければ、弊害が出てまいると思いますので、適当に大藏
当局
と早急に結論を出したい、こう考えます。
田中源三郎
19
○
田中
(源)
委員
私はごく要点だけを申し上げますが、これは結論はすぐ出るのです。なぜかと申しますならば、
專賣局
においては、現実
タバコ
は
植付
いたしております。しかも本
年度
から昔にかえ
つて
葉数檢査をやることにな
つて
おる。葉数檢査を現に
專賣局
の支局において、
植付
の反別一筆田ごとにいくら
タバコ
を植えて、いくら葉数ができるかということを、今度耕作面積と併せて耕作者の
名前
を掲
示し
て、一一標柱を立てるわけであります。それでありますから、これははつきりしておる。また用排水の問題については、今後の雨量等とも
関係
を生じてくるだろうとは存じますけれ
ども
、大体降雨量から見ますならば、予期の
通り
の
植付
は不可能ではないかと思われる
地方
が多少あるのではないかと考えられる。
從つて
この問題については、もうはつきりとしておる。現実面において、一筆ごとにこれを隠蔽することができない実態におかれておるのでありますから、
專賣当局
との御
処置
は、私は容易なりと考えておるようなわけであります。かようなわけでありますから、早急にこの問題を御解決願いませんことには、全國の
タバコ
耕作業者はいかなる成行になるだろうかということを、鶴首して待
つて
いるようなわけであります。
從つて
もしこれがどうしても現在の
政府
の方針
通り
いきますならば、遺憾ながら各
地方長官
は六箇條の條項がございましても、断じてこれは
事前供出
せしめるよりほかに途がないことをはつきり申しておりますので、何らかの御指令をお出しくださらない以上におきましては、この問題の解決は不可能だろうと思う。この点については当
予算
委員
会期間内において、事前に御協定願
つて
、はつきりとその方向をお
示し
願わない以上には、遺憾ながら歳入の上において考慮いたさなければならぬ事態に逢着いたすのであります。これは
予算
委員
会の責任でなくして、
政府
の責任に帰着すると私は思いますので、どうかこの期間内において
農林当局
との間で早急に御決定願いたいことを申し上げまして、他の問題は
関連事項
もまだ二、三ございますが、他の方の
関係
もございましようから、一應これにて私の
質疑
は打切ります。
鈴木茂三郎
20
○
鈴木委員長
お諮りいたしますが、
農林大臣
は
関係方面
との約束の時間があ
つて
、時間がないそうでありますから、午前はこれで休憩いたしまして、ただいま
政府
の都合を確かめておりますけれ
ども
、本
会議
の始まります前、午後正一時に開会しまして、きのうのように
政府
側の全部の御
出席
を煩わして、
稻村君
の
質問
を続行することにいたしたいと思います。休憩いたします。 午後零時五分休憩
——
——
◇—
——
——
午後一時二十二分
開議
鈴木茂三郎
21
○
鈴木委員長
午前に引続いて開会いたします。 稻村順三君の
総理大臣
、
大藏大臣
並びに労働
大臣
に対する
質疑
を続行いたします。
稻村順三
22
○
稻村委員
大藏大臣
に
お尋ね
したいことは、まず第一に今度の
予算編成
にあた
つて
、
予算
の実行過程にインフレーシヨンが高進するということを、一應計算に入れておられるのか、それとも今の程度のインフレーシヨンで止まるということを前提としているのか。その点お伺いいたします。
北村徳太郎
23
○北村國務
大臣
お答え申し上げます、インフレーシヨンの
進行
過程において
編成
した
予算
でありまして、
從つて
この問題はきわめて重大な意義をもつと思うのでありますが、しかし大体私
ども
といたしましては、從來考えられた一種の危機感から、やがて安定の方へ向わしむべきであるし、向うべき諸
條件
がやや現われてきたという考え方をいたしておるのであります。從いまして、たとえば物價賃金の惡循環等がどうして断切れるかという問題が、むしろ今後インフレーシヨンがもつと
進行
の速度を早めるかどうかということの大きな原因になると思うのでありますが、しかしこれについては、いろいろ考え方があると思いますが、一應
政府
の計算をいたしました賃金ベースに
從つて
、これを維持するために必要なるあらゆる努力を傾倒いたしまして、たとえば主食についてその他家計費に及ぼす諸
條件
、その
影響等
については、これを実質的に保持し、あるいは実質を向上するために、最善の努力を盡すことにな
つて
、大体このインフレーシヨンの緩慢化に向
つて
効果
をあげ得るというように考えておるのであります。從いまして、
予算
等につきましては、その程度の勘案と、なお若干の修正等を要する場合が起り得るかもしれません。このことは
予算
の中に多少の用意を含めて御
審議
を願
つて
いる次第でありまして、今よりも緩慢化に全力を盡して努力をいたしたい、こういう考え方をいたしておる次第であります。
稻村順三
24
○
稻村委員
そうしますと、大体がインフレーシヨンの
進行
は緩慢になり、物價も大体横ばいの形を維持することができるということを前提にして組まれたものであろうと思うのでありますが、しかしながら、そうなりますと、この
予算
にそういう意味で健全財政の建前をと
つて
おいでになるのだろうと思うのでありますが、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
北村徳太郎
25
○北村國務
大臣
大体今の段階で財政支出から來るインフレーシヨンの
進行
を、どうしても止めなければならぬというような点から、財政の面に
國民
経済の規模において財政を処理するということに努力をいたしまして、
從つて
財政支出から來るインフレーシヨンを防ぐために、どこまでも收支の均衡に力点をおくというような意味で
予算
を
編成
しましたので、ただいま
稻村君
のお言葉の
通り
申し上げてよろしいと思うのであります。
稻村順三
26
○
稻村委員
本
予算
を見ますと、大体において收支の上で均衡がとれまして、 赤字が出ていないように出ているのであります。しかしながら、これは帳簿上で赤字がないというふうにわれわれは見るのであ
つて
、その実結局赤字と同じような
條件
がたくさんあるというふうに、私考えているものがあるのであります。その点につきまして二、三の
質問
をしてみたいと思うのであります。 まず第一に交付公債の問題であります。これは
予算
外に計上されております。最初
政府
が第一次案をつく
つて
、いわゆる現行物價を基準といたしましてつくりました三千七百億円の案の中には、この
予算
の中に交付公債がはい
つて
おつたと思うのでありますが、しかるにもかかわらず今度の
予算
を見ますと、これが
予算
外として書かれているのであります。しかもこの交付公債は、公債である以上は、これはたしか日銀の見返り
担保
とな
つて
、融通が可能であるというのに考えております。そうしますと、かようなことが、やはり紙幣の増発とな
つて
、インフレーシヨンを高進させるという結果になりはしないか、これはこれだけでそうなるというのではありませんが、あとからだんだん
質問
していくうちに、これと似た問題がたくさんあると思いますが、まずこの点に関しては答弁を願いたいと思います。
北村徳太郎
27
○北村國務
大臣
御
質問
の交付公債は、主として
金融機関
等に対する補償にあてるものであります。これはいわゆる交付公債でございまして、現金の收受を伴わないのでありますから、
從つて
予算
には入れておりません。これは別途法律的な
措置
を講じまして、法律案として御
審議
を願うことにいたします。新たなる赤字公債の発行ではなくて、
政府
が補償すべきものを、現金もしくは交付公債をも
つて
処理するということに相なるのでありまして、これはもちろん
金融機関
が主でありますから、登緑公債の形をとる。
從つて
流通自在のものには相なりませんので、登録公債として発行せられることになると思います。最後には
日本
銀行
の
担保
の対象になることはもちろんでありますが、それだからこれがただちに赤字公債と同じようになるとは考えておらないので、將來必要があればもちろん財産でありますから、
國家
の國債でありますから、
担保
になるべき性質をも
つて
いるというだけでありまして、これを現金で交付するのと、交付公債で交付するのといずれがたとえばインレーシヨンだけの観点から申しまして、インフレーシヨン的な結果を來すかといえば、むしろ登録公債をも
つて
交付した方が安全である。
政府
が支拂うべき債務でございますから、これをただちに現金で拂わずに、登録公債による交付公債を発行する。こういうことになりますから、その点からだけではインフレーシヨンをそれだけ促進するという
議論
には、ただちに相ならぬ。こういう見解をも
つて
おります。
稻村順三
28
○
稻村委員
大藏大臣
の答弁を聽いておりますと、これは現金化する速度が、いわゆる通貨の融通とな
つて
現われる速度が、非常に緩慢であるというだけでありまして、結局このものがか
つて
の公債と同じように、これが日銀
担保
とな
つて
貸出がなされるということは、実は否定していないと考えております。そうすると結局これは
金融
が逼迫するにつれて、
金融
関係
ではこういうものを
担保
に入れて、日銀から融資してもろうというようなことが、行われるだろうと思うのでありますが、これに対して制限か何かされるのでありますか、その点を伺います。
北村徳太郎
29
○北村國務
大臣
これは御
承知
の
通り
、ただいま融資準則というものを設けまして、つまり
地方
、
國家
を通じての健全財政ということの建前から、この健全財政がもし
金融
においてはみ出すことがあ
つて
はならないし、また
資金
の
重点
的な配置から考えまして、
生産
に対して役立つように、あるいは不
生産
的方面には
資金
が流れないようにという観点から、
資金
の融通準則を設けまして、第一に何に
資金
を流すか、第二にいかなる必要の用途に
資金
を流すか、第二段の構えは何であるかというふうなことを決定いたしておりますので、その面で十分に
資金
の流れ方を
國家
の
一つ
の考え方に伴わせる。すなわち
生産
第一主義の、インフレーシヨンを防ぐ方向へ
資金
を流れさせるということに相な
つて
おりますので、公債が交付になりましても、必要があればこれは
日本
銀行
の借入れの対象になることはもちろんでありますが、その
資金
の流れ方については、
國家
の強力な統制を必要とする。こういう
関係
から
重点
的に必要な方面にのみ流れる、かように考えていただいてよろしいと思います。
稻村順三
30
○
稻村委員
そういうことは、日銀の最近の貸出の引締めによ
つて
、一應なされるとは申しますが、しかしながら、
地方銀行
あたりで、はたして日銀に対して
資金
の融通を頼んだ場合に、日銀融資がそのままに、
地方
の
銀行
から貸出されておるかどうかは、きわめて多くの疑問がある。日銀
当局
との間の了解では、借りる業者とのいろいろな
関係
もありますので、一應のそういう日銀融資なら融資という日銀の計画のもとに、
金融
するという了解のもとに借出す場合がありましても、その際に
地方
にまわりますと、それがそういうふうにいかない。私は
名前
は申しません。しかしながら、
地方
某
銀行
のごときは、日銀融資の
話合
いがつきまして、そうしてそれを
地方銀行
から貸出される場合には、必ずそこの貸出す所の支店長なり何なりが、借りる人間との間の契約によ
つて
、一應いろいろな別な形の
金融
がなされておるということを聞くのであります。しかもこういうふうな金があれば、そのために
やみ金融
も行われる。
新潟縣
の私の住んでおる三條市のごときは、私を借りたことはありませんが、人のうわさによると、大体こういう
金利
相場が月一割、そういうことかどうか知りませんけれ
ども
、私が
土地改良
の問題でいろいろ
金融
のことについて
大藏大臣
にもいつか
お話
したこともありますが、日銀
当局
と
話合
いがつきまして、日銀
当局
からある
地方銀行
に日銀融資をするから、貸してやるようにという
話合
いが、借りる方と日銀との間についたのであります。しかるに
地方銀行
は、その際に
日本
銀行
から融資するという約束があるにもかかわらず、
農業金融
は年一割、年にたつた一割ぐらいの
金利
しかとれない。これは実をいうと
土地改良
のための
金融
であつたのであります。
從つて
それには
補助金
もあります。
補助金
ばかりではない、もし
補助金
が十分でないというならば、
農家
は自分の
供出
した米の代金を
銀行
に預けて、それを
担保
にするからという話でい
つて
おるのであります。それにもかかわらず、
農業金融
というものは、もうからないというので、途中でこういう
ところ
には
金融
しない。こういうふうなので、実をいうとそういうふうなもうからない
ところ
には
金融
しない。日銀融資があ
つて
も
金融
しない。もうかる
ところ
なら何とかかとか
話合
いをつけても、日銀にはもつともらしい話をも
つて
い
つて
、融資をしてもらう。こういうふうになると、こういうふうないわゆる交付公債などというものが、こういう
市中銀行
の手にはいつた場合には、
担保
の濫発が行われるのじやないか、私
たち
はこういうふうに考えているのでありますが、これに対してもしそういう場合があつた場合に、これを阻止する
方法
があるのかないのか。これもお伺いしておきます。
北村徳太郎
31
○北村國務
大臣
ただいまの問題は、
相当
にむつかしい問題でありますが、現在
資金
を先に申しますように
重点
的に流す流し方の決定は、
國家
がやるということで、
國家
の法律秩序として、
資金
の融資準則というものがまわ
つて
おるわけであります。
從つて
その方向へ流さないということになれば、これは法に反したことになるのでありまして、さような場合は、違法行為ということになるのであります。このことに関しては、もちろん
日本
銀行
も責任を負いますが、
大藏省
が監督して、さようなことのなからしめるよう絶えず注意をいたしております。また最近しばらくいろいろの
事情
で、
大藏省
の
銀行
檢査というものが、ちよつと時が長びいておつたのでありますけれ
ども
、最近はおそらく一箇年に一回くらい、一
銀行
について徹底的な検査を行うという方針で、ただいまそういう整理をいたしております。また
日本
銀行
が金を貸す場合には、
目的
を明らかにして、これこれの具体的なこういう
ところ
の融資に使うのだということで、制約をしておる。制約されたものが手にはいつた場合には、また
國家
できめた流し方によ
つて
流すということが決定しておるのでありまして、それを犯すものがあつた場合にはどうするかということになると、これはおのずから別な問題になりまして、ただいま
お話
のごときもしそういうことがありとすれば、きわめて不都合なことでありますから、私
ども
の方でも具体的な例がございますならば、それは注意をいたすことはもちろんであります。けれ
ども
一般の私
ども
の取扱いの例としては、ただいままでに申し上げたような
方法
で、そういう方向で監督をいたしておる、こういうことでございます。さように御了承を願います。
鈴木茂三郎
32
○
鈴木委員長
お諮りいたします。
稻村君
の
質疑
続行中でございますが、本日は本
会議
で
大藏大臣
の
財政演説
に対する
質疑
が行われまして、すでに本
会議
が開会されようといたしておりますから、
稻村君
の
質疑
続行中でありますが、このまま散会いたしまして、
予算
委員
会はあす正十時に開会いたしたいと思います。 それでは散会いたします。 午後一時三十九分散会