○海野
委員 この前の國会におきましても、私は石炭のことについて、盛んに主務
大臣に
質問を発したのでありまするが、その後さらに見るべき施設がない。それは何であるかと申しますと、われわれ
日本人の持てるところの科学的頭脳を働かしめたらいいのじやないかということを申したのでありますが、その当時の閣僚の人たちは当座逃れの
お話をなさるのであります。今日石炭が三千万トン、來年度は三千六百万トンという目標を置いてや
つておりますが、この石炭の消費節約につきまして熱管理を何ゆえもつと
政府は力を入れないのか。戰前ドイツにをきましてはこの熱管理に力を入れまして、三〇%の成果を得ておるのであります。わが
日本におきましても、学界の人々及び技術者、そういう人たちにこの熱管理、熱
経済のことをもつともつと民間に徹底するように指導させましたならば、いくら内輪に見積りましても、ドイツの三分の一、1〇%はゆうに節約可所であることを、私は信じておるのであります。しかるにこの熱管理の問題につきまして私は
文部当局をも責めました、商工
当局をも責めましたが、一向ピンとこないらしい。そうしてただ單に
予算の面においてのみつじつまを合わせんとしておるのでありますが、
日本人の持てるところの科学的頭脳を最大限に活用するために、もつとお力を注がれたらいいのではないかと思いますが、現在芦田総理
大臣といたしましては、この科学者を動員して使うか使わないかということについて、いかようにお
考えにな
つておるのでありましようか。そのお
考えを伺いたいのが
一つと、もし御構想がおありでありましたならば、その御構想をお伺いしたいと思います。一〇%節約いたしますれば、三千万トンのうち三百万トンの増産になります。三百万トンと一口に申しますが、トン千円と見ましても、すばらしい成果になるのであります。私は過去三十年にわたりまして、この燃料
方面の研究に沒頭してまいりましたが、民間のみならず、各自の家庭におきましても、燃料の使い方については非常に
程度が低いのである。しかもその專門の学者、技術者は、今民間にうろうろといわば路頭に迷
つておるような形であります。この技術者たちを動員して、何とかもつと徹底して燃料の節約、石炭の節約という
方向に持
つてい
つて一〇%の節約ができれば、その十分の一の
予算をここに注がれたならば、天然資源に代るところの節約が可能であると、私は
考えるのであります。その点につきまして、総理の御所信をお伺いしたいと思います。