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1948-03-29 第2回国会 衆議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月二十九日(月曜日)     午前十一時五十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 川島 金次君    理事 稻村 順三君 理事 小島 徹三君    理事 苫米地英俊君 理事 庄司 一郎君    理事 川野 芳滿君       海野 三朗君    河合 義一君       黒田 義男君    島田 晋作君       竹谷源太郎君    田中 松月君       中崎  敏君    押川 定秋君       古賀喜太郎君    五坪 茂雄君      長野重右ヱ門君    山崎 岩男君       淺利 三朗君    磯崎 貞序君       鈴木 正文君    上林山榮吉君       西村 久之君    島村 一郎君       今井  耕君    笹森 順造君       野坂 參三君    小澤佐重喜君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏事務官   福田 赳夫君  委員外出席者         專門調査員   小竹 豊治君     —————————————— 三月二十七日  昭和二十三年度一般会計暫定予算  昭和二十三年度特別会計暫定予算 の審査を本委員会に付託された。     —————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計暫定予算  昭和二十三年度特別会計暫定予算     ——————————————
  2. 川島金次

    川島委員長代理 会議を開きます。  これより昭和二十三年度一般会計暫定予算及び昭和二十三年度特別会計暫定予算の両案を一括議題といたします。まず政府説明を求めます。北村大藏大臣
  3. 北村徳太郎

    北村国務大臣 今期國会に提出いたしました昭和二十三年度一般会計及び各特別会計暫定予算につきまして御説明申し上げます。  昭和二十三年度の年間を通ずる予算編成にあたりましては、嚴に收支の均衡を保持するはもちろん、企業会計にあつて独立採算制を確保し、いやしくも財政の面からするインフレーシヨン高進の原因を拂拭し、進んでわが國民経済再建を推進し、國際信用回復のための素地を培う建前をもつて目下鋭意その策定を進めておる次第でありまするが、なお現下の事態に対処すべき諸般の対策、特に予算編成基礎となるべき物價等の問題につき、いまだ成案を得る段階に達しておらないのであります。從つて、この際これらの問題を織こみ、年度全般にわたる予算編成を了するには、なお相当の時日を要し、本年度内に御審議を願う運びに取り進めますることは、目下のところ困難と認められるのであります。從いまして、この際といたしましては、財政法第三十條の規定によりまして、さしあたり昭和二十三年四月にかかる歳入及び歳出計画につきまして暫定予算編成し、國会の御審議を仰ぐことといたした次第でございます。この暫定予算編成に際しましては、今後決定を要する本予算編成に支障を來さないよう措置するとともに、迅速なる御審議を願うために、その便をも併せ考えまして、またいやしくも当面の國務の円滑なる運営を阻害することのないように、十分配慮いたしておる次第でございます。  まず歳出におきましては、新規計画にかかる事項は、原則として計上することなく、從來よりの継続にかかる事業につきまして、昭和二十二年度実行状態及びその後における情勢の推移等を、十分に檢討いたしまして、必要最小限度の額を計上するに止めたのでございますが、経費の積算につきましては、現行の物價水準と、今回実施いたしました二千九百二十円ベースの新給與水準とを基礎といたしておるのでございます。  次に歳入につきましては、租税その他一般歳入は、原則として現行制度基礎といたして計上することといたしましたほか、價格差益納付金特殊物件收入等につきましては、最近における收入状況をも考え併せまして、極力徴收を促進する方針のもとに計上いたしました。  以上申し上げましたときこの方針に從いまして編入いたしました暫定予算につきまして、以下その概要を御説明申し上げます。  まず一般会計暫定予算につして申し上げます。一般会計暫定予算額歳入歳出ともにおのおの二百四十五億九千四十余万円でありまして、その歳出のうちおもなる経費について申し上げますと、終戰処理費五十九億円、賠償施設処理費三億三千六百万円、價格調整費十五億円、物資及び物價調整事務取扱費八億八百九十万余円、公共事業費十一億七千九百六十余万円、地方分與税分與金二十四億円、地方警察費國庫負担金七億円、復興金融金庫等に対する政府出資金二十億百十余万円、國債費二億千五百七十余万円、損害保險会社損失補償金三億円、同胞引揚費五億五千六百九十余万円、小学校教育費國庫負担金二十二億四千六百五十余万円、中学教育費國庫負担金六億九千六百十余万円、盲聾唖教育義務制実施費百三十余万円、生活保護費五億六千四百四十余万円、國民健康保險組合補助六千四十万余円、失業保險特別会計繰入三億五千六百十余万円、農地改革費六億千八百九十余万円、大藏省預金部特別会計へ繰入一億三千二百十余万円、帰還輸送費四千余万円、船舶運営会補助四億五千四十余万円、予備費一億円等でございます。  次に歳入内訳を申し上げますと、租税及び印紙收入百七十三億千百万円、專賣局益金五十八億三千三百三十余万円、印刷局及びアルコール專賣事業益金一億百五十余万円、病院その他官業收入一億四千百三十余万円、官有財産收入二億千八百十余万円、雜收入一億三千七百十余万円、價格差益納付金五億五千八百八十余万円、特殊物件收入一億六千百二十余万円、宝籖等発行者納付金一億二千五百万円、前年度剩余金受入二百八十余万円、合計二百四十五億九千四十余万円となつております。  次に各特別会計暫定予算は、地方分與税分與金特別会計ほか二十三の特別会計を通じまして、総額歳入六百六十六億七千九百四十余万円、歳出六百四十四億千八百余万円と相なつております。右歳入のうち國有鉄道事業及び通信事業特別会計におきまして、設備建設改良費財源につきましては、公債または借入金によることといたしました。國有鉄道事業におきまして八億円、通信事業におきまして六億五千百四十万円を予定しておるのでございます。なお右公債または借入金につきましては、國民資金蓄積の現状に顧みまして、総額七億円を限り日本銀行に引受けさせ、または日本銀行から借入れることといたしたいのでありまして、財政法五條但書規定に基き、御承認をお願いしておる次第でございます。  最後にこの暫定予算実行上必要とする大藏省証券及び國庫金の一時融通のためにする一時借入金は、その限度一般会計において百二十億円、國有鉄道事業その他七特別会計において五十六億三百三十余万円を予定し、本暫定予算の円滑な実行を確保することにいたしました。  以上をもちまして昭和二十三年度一般会計及び特別会計暫定予算概要を御説明申し上げましたが、先にも申し述べました通り、本暫定予算は四月分として年度開始早々より必要とするものでございまするから、何とぞ早急に御審議をお願い申し上げたいのでございます。
  4. 川島金次

    川島委員長代理 次に主計局長より補足説明を承ることといたします。
  5. 福田赳夫

    福田政府委員 ただいま大臣からの説明を補足いたしまして、お手もとに差上げてあります昭和二十三年度暫定予算概要という資料に基きまして御説明申し上げます。  この概要の第一枚目の紙がただいま大臣から説明した通りでありまするが、第一表に歳入が掲げてあります。  第一表をごらん願いますと、歳入の総額は二百四十五億九千万円ということになつておりまして、この算出方法といたしましては、目下二十三年度の本予算を檢討いたしておるのでありますが、一應の現行税制その他制度に基きますところの十二箇月分の見透しを立てまして、その十二箇月分をここに計上いたしたわけであります。しかしながらこのトータルは二百四十五億ということになりますが、実際の收入は、四月にはなかなかさように多額には上つてこないのでありまして、実際の收入といたしましては、百三十億程度しかありません。從いましてその差額百二十億近くというものは、これは國庫金で何とかしなければならぬという状況に相なります。その百二十億円は予算総則にも掲げてありまするが、大藏省証券の発行によつてこれを支弁いたしたいと思つておるのであります。歳入面におきましてはただいま申し上げました通りの状況でありまして、特別申し上げるような事項もないのであります。  それから次に歳出面でありまするが、第二表は予算書の部別によりまして歳入歳出を区分いたしたものでありますが、これは後刻申し上げる資料と重複いたしますから、ただ單にごらん願うことにいたします。  それから第三表、これは歳出面所管別を掲げたものであります。それから第四表は、予算面はこの通りの数字は出てまいりませんが、予算面を分析いたしまして、これを重要事項別に区分いたすということにいたしまして、ごらんに入れたわけであります。これによりまして歳出の大体を御説明申し上げます。  歳出は、ただいま大臣からの説明にもあります通り人件費は二千九百二十円ベース、それから物件費は現行の予算單價、すなわち昨年の補正予算において修正された單價によつておるわけであります。それから予算の内容といたしましては、原則として新規の経費を見ない建前をとつたのでありまするが、以下申し上げる諸点におきまして、新しい事項を若干含んでおるという次第であります。  まず終戰処理費でありますが、終戰処理費は二十二年度の予算が六百四十二億七千三百万円となつておるのであります。これは昨年度の補正予算におきまして、当初の二百七千億予算をかように増額したのでありまするが、増額をした結果月大体八十億円くらいの予算なつておるのであります。今回はそれより下りまして、五十九億円というふうになつております。二十三年度暫定予算としては五十九億円、これはどういうことかと申しますと、四月分といたしましては、大体六十億円見当でよかろうかというふうに考えたのでありますが、この予算を編成した後におきまして、予備金を一億円計上するということにいたしたのであります。予算の総体を動かさざる建前からこれを一億円減らしまして、五十九億円というふうにいたしたわけであります。現在の予算の月八十億円につきましては、大体そのうち半分の四十億円というものが、進駐軍諸施設維持管理に要する経費であります。残りの四十億円が新規宿舎建設費彗また兵舎の建設費、道路の建設費、その他建設に要する経費であります。その維持管理に要する四十億円につきましては、大体二十三年度におきましてもさような経費が必要じやないかというふうに考えられるのでありますが、建設費につきましては目下関係方面とも打合せ中でありまして、この打合せの結果によりましてはいかになるか、目下のところ見透しは困難でありまするが、暫定予算といたしましては、維持管理を四十億円と見、建設費を二十億円と見まして、六十億円というふうな金額を計上いたしたわけであります。  次の賠償施設処理費は、今年度の予算は三十六億円でありまするが、暫定予算は三億三千六百万円を計上いたしたわけであります。本年度の予算といたしましては、撤去の工場の数を、軍需工場大体十七工場というふうに考え、それから撤去される施設がトン数にいたしまして六万トンというふうに考えたのでありますが、大体実行の見透しといたしましては、本年度は五万二千トン、十七工場というふうに相なる見透しであります。二十三年度の見透しにつきましては、関係方面打合せ中でありまするが、まず四月といたしましては大体昨年度の調子を続けて、一向差支えなかろうかというふうな見透しでありまして、ここに三億三千六百万円というものを計上いたしたわけであります。  價格調整費につきましては、本年度は二百三十八億五千三百万円でありまするが、このうちいわゆる安定帶物資という分が百七十億円がはりでありまして、その他は主として食糧の関係のものでありました。暫定予算におきましてはこの安定帶物資の分のみを計上いたすことにいたしまして、十五億円というものを計上いたしたわけであります。  次に物資及物價調整事務取扱費は、物資の割当事務をやつている関係、並びにもろもろの公団に対する経費を含むものであります。公団につきましては二十二年度の過程におきまして、相当多数の公団ができました関係上、数は非常に殖えてまいりまして、二十二年度予算では二十四億四千万円でありまするが、暫定予算では八億八百余万円を計上するというふうにいたしてあるのであります。内容的には格別なことはないのであります。  公共事業費におきましては、百四十七億四千六百万円の本年度の予算に対しまして、二十三年度分十一億七千九百万円を計上いたしておるのであります。この十一億七千九百万円の内訳といたしましては、災害の関係が四億六千九百万円であります。その他一般公共事業関係から六億七千六百万円となつておるのであります。災害の関係四億六千九百万円は、二十二年度の夏の災害が主たるものでありまするが、その以前のものも、またその他の災害も含まれておるわけであります。二十三年度に新しい計画としてさような復旧をいたすというものでありますが、二十二年度の補足分というものをこれには含んでおらないのであります。また十一億七千九百万円の中には六・三制の二十二年度における補助金に相当する六億四千万円の額を含んでおりません。  次に地方分與税分與金であります。地方分與税分與金につきましては、ただいま政府におきましては、中央地方を通ずる財政の調整ということを檢討中であります。從いましてこの金額は、本予算におきましては相当変化を見る可能性をもつておるのでありまするが、その暫定予算といたしましては、大体二十三年度の地方財政における歳入歳出総額を、かりに千四百億円くらいと押えまして、二十二年藤の地方財政における分與税のウエート、すなわち百分の二十一というものを千四百億円に乘じまして、その十二箇月分をかりに計上するという措置をとつたのであります。  次に地方警察費國庫負担金、二十二年度二十二億九千百万円でありまするが、これに対しまして七億円を計上したのであります。地方警察費國庫負担金につきましては、地方分與税分與金と同樣に、地方中央財源調整関係から、これまた相当異動を生ずる見込みでありますが、暫定予算といたしましては、前年度におきまして地方警察費國庫負担金に附属する額約十三億円があるのでありまして、そのうち約半額をここに計上いたすということにいたしたのであります。  次に住宅復興資材費、前年度は七億円、本年暫定で一億百万円を計上しておるのでありまするが、この住宅関係につきましては、ただいま建設院当局と二十三年度の全体の計画を檢討中であります。暫定予算といたしましては、さしあたり二十二年度の四万四千戸計画に要する金額の十二分の一額だけ計上いたすということにいたしたのであります。  次に政府出資金昭和二十二年度は七十一億二千四百万円に対し、暫定で二十億百万円であります。この二十億百万円のうち、十五億円は復興金融金庫に対する出資金であります。四月中に十五億円の額だけ復興債券償還期が到來するのでありまして、その償還期が到來したものだけにつきまして、償還資金政府から出資するということにいたしまして、十五億円であります。残余の約五億円は閉鎖機関、すなわち南発でありますとか、産業設備営団でありますとか、あるいは外資金庫でありますとか、住宅営団、あるいは更生金庫でありますとか、あるいは日本石炭でありますとか、さような閉鎖機関の整理が進行いたしまして、これに対して整理の貫徹のために政府から拂い込むというのが四億四千六百万円であります。それから日本銀行に対しまして五千五百万円、すなわち政府の未拂込みの全額を拂い込むという計画であります。さらに皇室から財産税として引継ぎました三菱重工業の株式でありまするが、これを十八万七千円四月中に拂い込むということにいたしております。  次に國債費でありまするが、國債費暫定予算二億一千五百万円であります。このうち四月中に國債の利拂いが到來する関係で、必要なる額が八千七百万円であります。その他借入金利拂いが五千九百万円、大藏省証券割引量が六千八百万円、その他事務費として十万円という内訳になつております。  次に損害保險その他補償金でありまするが、これは御承知の通り戰爭死亡傷害保險という制度と、戰時特殊損害保險という二つの制度が戰時中にありまして、この生命保險並びに損害保險を実行いたしました結果、会社側に生ずる損失は政府がこれを補償する建前になつております。この補償に必要な経費であります。その損失の総額は生命保險で十億九千五百万円、損害保險で二百三十八億二千万円、合計いたしまして二百四十九億一千五百万円というふうに相なつておりますが、二十一年度の予算におきまして二百十一億円を計上し、二十二年度の予備金におきまして五千万円を計上いたして、残額が三十八億六千五百万円というふうになつております。暫定予算におきましては、そのうち三億円を計上するということにいたしたのであります。  次に同胞引揚費であります。これは在外同胞が二十三年度中には全部引揚げるという計画をもつておるのでありまするが、その四月中に要する経費を計上いたしたわけであります。  次に帰還輸送費、これは同胞が引揚げるにあたりまして、これを海上輸送するために必要な経費であります。その四月分のものであります。  次は小学校教員給與國庫負担金、これは前年度は三十九億一千二百万円でありまするが、暫定予算におきまして二十二億四千六百万円、これは二十二億のうち過年度すなわち二十二年度の不足分が九億円はいつております。その他約十三億でありまするが、これは二十三年度の第一・四半期に要する分を四月に支拂うということになつておる関係上、十二分の一という計算にはなつておりません。すなわち第一・四半期所要分をここに計上してあるのであります。  次に新制中学校教員給與國庫負担金でありまするが、これまた同樣であります。過年度分がこの中に一億円はいつております。その他は第一・四半期に要する國庫負担金であります。  次に盲聾唖教育義務制実施費、今まで申し上げました事項は、すベて二十二年度において計画され実施されておるものでありまするが、盲聾唖教育義務制は、二十三年度における新規施設にかかわるものであります。すなわち新規に盲聾唖に対して義務制を施行しようということであります。これは金額もわずかでありまして、百三十九万円程度のものでありますので、この際人道上の見地よりこれを、暫定予算であるけれども、年度の関係もありますので、実行いたしたいというふうに思つております。盲聾唖の生徒十人当り、先生を一・五人くらいおくということで、教員の数が三百三十三人というふうになるのであります。この給料、事務等に要する経費が百三十九万円であります。  次は生活保護費、二十二年度予算は四十八億五千万円でありますが、暫定予算におきましては五億六千四百万円といたしておるのであります。大体におきまして前年度通り施設を行うという一箇月分の所要額であります。  次に國民健康保險関係経費、前年度三億七千九百万円に対しまして、暫定予算では六千四十万二千円を計上しております。これまた前年度の施設を大体において踏襲するというものであります。  次は失業保險であります。前年度は十億円の予算であつたのでありますが、追加予算の財源に充当した結果これを減額いたしまして、五億円というふうに相なつております。二十三年度の暫定予算は三億五千六百十二万六千円というふうになつております。失業保險につきましては、昨年の十一月にこれが実施されまして、そうして六箇月間は手当制度で臨時的にいくというふうになつております。從いまして五月から本格的の保險制度に移り、四月暫定予算の期間におきましては、未だにこの手当制度が続くのであります。この手当制度が続くということにいたしまして、この手当金に必要な金額を一箇月分計上いたしたわけであります。ベースは二千九百二十円ベース、被保險者を四千七十万人と前年度と同等に見てこれを計上したのであります。ただいままでの失業保險実施状況を見ますと、非常に支出が少くなつておりますので、この金額がはたして必要であるかどうかということはわかりませんが、とにかく前年度と同じような建前で計上するということにいたしたわけであります。  それから農地改革費、二十二年度は十七億一千六百万円でありますが、暫定予算におきまして六億一千八百万円を計上する。これは農地改革が現に進行しておるのであります。農地改革進行のために必要なる経費は、自作農創設特別会計において計上いたしておるわけでありますが、一般会社におきましてはこれを推進するための農地委員会経費を補助するというものであります。  次に貿易資金特別会計繰入、これは四百三十六万六千円となつておりますが、これは貿易資金特別会計で必要な事務費一般会計から繰入れるものであります。これは法律に明記されておる通りであります。  次が貿易資金繰入九億五千万円の前年度に対しまして今回は繰入をいたしません。この貿易資金につきましては二十二年度におきまして補正予算で九億五千万円の繰入のほかに、五十五億の予算をとつたのでありますが、それが追加予算財源等に充当されまして、補正予算で組みました額は、全部これを減額いたしておるのであります。減額いたしました趣旨は御承知の通り貿易資金における輸出不振による赤字の減少というものであります。二十三年度におきましても黒字は出るけれども赤字は出ないという状況でありますので、これを零にいたしております。  次は炭鉱臨時國家管理でありますが、暫定予算で千三百四十六万二千円を計上いたしております。炭鉱國家管理は前年度におきましては準備費のみを計上いたしたわけでありますが、本年四月からこれが実施過程にはいるわけであります。すなわちこれに要する石炭局の人員に要する経費、それから石炭管理委員会経費等がこれに計上されておるわけであります。それから次は政府事業再建費、これは名前が適さないのでありますが、政府事業再建費というものは、特別会計として政府がやつておる諸々の事業國有鉄道通信事業預金部簡易保險郵便年金等特別会計、それに繰入れするに必要な経費を、この政府事業再建費という名前のもとに一括しておるのであります。前年度は、國有鉄道通信事業簡易生命及び郵便年金預金部等で繰入れを要するために、百六十四億一千五百万円を要したのでありますが、鉄道通信につきましては、独立採算制を堅持するという見地から、一般会計からは暫定予算として繰入れをいたしません。その結果一億三千二百万円というものは預金部に対する繰入れのみを計上するということにいたしたのであります。  次は船舶運営会補助でありまして、前年度は三十三億一千万円でありますが、暫定予算は四億五千万円でありまして、これは船舶運営会の赤字を補填するものであります。船舶運営会赤字補填につきましては、船舶運営会独立採算の見地から目下檢討中でありまして、本予算といたしましては相当赤字を解消し得る見透しでおりますが、暫定予算といたしましては、從來の料率等を踏襲する結果、四億五千万円の赤字を生ずるものであります。次に年金及び恩給、これは格別のこともありません、刑務費においては、刑務收容者増加等関係を織こんで、その一箇月分を計上したわけであります。それから予算費は一億円計上いたしました。  それから雜件といたしましては、ただいま申し上げましたほかの経費所管別に掲げたわけであります。このうち新規施設に属するものは、内閣所管におきまして治水調査委員会というものが一万円であリますが、これは治水というものが非常に重要な題目となつてまいりますので、治水調査会を設置するというための一万円であります。それから大藏省所管におきまして五億五千四百万円のうち一億円、金資金持別会計に繰入というのがはいつております。これは新しい事項であります。この金資金特別会計におきましては、産金を一切ここで買上げまして、そして司令部の許可に從いましてこれを民間その他の賣拂うわけでありまするが、その産金の買上資金が不足いたしてまいつたのであリます。これはもちろん買上げて賣拂うのでありますから。收支はバランスするのでありますが、過渡的に買つてから賣るまでのつなぎとして、資金の不足を生ずるのでありまして、それをここに一億円計上いたしております。  農林省におきまして新規の施設しとて、飼料作物の原種圃補助、すなわち家畜の飼料を改良しようという見地から、その原種を政府がつくつてやるのでありますが、これのために三十四万九千円計上しております。それから世界農業センサスというのが一九五〇年にあります。そのために日本としても農業調査をする必要があるというので、七万九千円、それから農業協同組合の指導監督費十万六千円、この事項が昨年度以外に新規として計上いたしたものであります。それ以上は全部昨年度の系統、すなわち昨年度の十二月分を一箇月延ばしまして、十三箇月にいたしたというふうに御了承願いたいのであります。單價等は昨年申し上げた通りであります。  次は第五表の特別会計でありまするが、特別会計一般会計において申し上げた原則に基きまして計上いたしてあるわけであります。通信事業特別会計並びに鉄道特別会計におきましては、收支の差額につきまして、本予算の際に独立採算の見地から十分檢討いたして、この赤字を埋めるようにいたしたいということから、借入金でこれを支弁することにいたしておるのであります。  以上大体申し上げた通りであります。なおお手もとに印刷物として正式の予算書が出ておるのでありまするが、その印刷をしたあとにおいて修正いたしております。それは正誤表で目下配付をする段取をしておるのでありまするが、先ほど申し上げました金資金というところで、金資金を大藏省所管に増額するために一億円殖やしまして、地方分與税分與金より一億円減少しております。その点お含みおきを願います。
  6. 川島金次

    川島委員長代理 暫定休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後零時四十一分開議
  7. 川島金次

    川島委員長代理 それでは休憩前に引続いて会議を開きます。  明日は午前十時定刻から開会することにしまして、質疑にはいります。  本日はこれで散会いたします。     午後零時四十二分散会