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1948-02-24 第2回国会 衆議院 予算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年二月二十四日(火曜日)     午後三時五十六分開議  出席委員    委員長 鈴木茂三郎君    理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君    理事 小島徹三郎君 理事 川野 芳滿君       海野 三朗君    河合 義一君       島田 晋作君    竹谷源太郎君       田中 松月君    中崎  敏君       西村 榮一君    岡田 春夫君       山花 秀雄君    押川 定秋君       川崎 秀二君    工藤 鐵男君       五坪 茂雄君    寺島隆太郎君      長野重ヱ右門君    山崎 岩男君       角田 幸吉君    鈴木 正文君       世耕 弘一君    上林山榮吉君       西村 久之君    本多 市郎君       野坂 參三君    小澤佐重喜君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君         運 輸 大 臣 北村徳太郎君         逓 信 大 臣 三木 武夫君         國 務 大 臣 竹田 儀一君  出席政府委員         大藏政務次官  小坂善太郎君         大藏事務官   森永貞一郎君         大藏事務官   福田 赳夫君         大藏事務官   河野 一之君  委員外出席者         專門調査員   小竹 豐治君     —————————————— 二月二十四日  昭和二十二年度一般会計予算補正(第一四号)  昭和二十二年度特別会計予算補正(特第八号) の審査を本委員会に付託された。     —————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十二年度一般会計予算補正(第一四号)  昭和二十二年度特別会計予算補正(特第八号)     ——————————————
  2. 稻村順三

    稻村委員長代理 会議を開きます。  本日政府より提出せられました昭和二十二年度一般会計予算補正(第十四号)及び昭和二十二年度特別会計予算補正(特第八号)の兩案を一括議題といたします。まず政府説明を求めます。栗栖大藏大臣
  3. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 昭和二十二年度一般会計予算補正第十四号、及び昭和二十二年度特別会計予算補正特第八号について御説明申し上げます。  この補正予算はさきに中央労働委員会裁定にかかる二・八箇月分の生活補給金について、その支給残額〇・八箇月分を支給するに必要な経費等に関しまして、去る一月二十九日國会提出し、本日撤回いたしました昭和二十二年度一般会計予算補正第十三号、及び特別会計予算補正特第七号のうち、〇・八箇月分の生活補給金の分につき編成替えをいたしまして、提出いたしたような次第でありまして、早急に御審議をお願いしたい次第であります。  まず一般会計予算補正について申し上げます。この補正予算第十四号の歳入歳出は、おのおの十億八千六百十余万円の増加でありまして、これをすでに成立いたしました昭和二十二年度予算額二千二十八億五千七百八十余万円に加えますと、二千百三十九億四千四百余万円と相なります。この補正予算内訳を申し上げますと、政府職員に対し、特別の一時手当支給に必要な経費といたしまして、一般政府職員に対する分四億七千四百余万円、地方共公團体補助職員に対する分三千九百五十余万円、地方警察職員に対する分九千五百六十余万円、義務教育職員に対する分二億三千八百七十余万円、計八億四千七百九十余万円、厚生保險及び農業共済保險特別会計所属職員に対する特別の一時手当支給財源の一部を一般会計において負担するため三百九十余万円、大藏省預金部國有鉄道事業通信事業簡易生命保險及び郵便年金の各特別会計関係職員に対にる特別の一時手当支給に必要な経費財源について、当該会計に七千七百余万円、國有鉄道事業特別会計繰入七億九千四百四十余万円、通信事業特別会計繰入四億余万円、簡易生命保險及び郵便年金特別会計へ繰入七千三百十万余円、計十三億四千四百六十余万円、政府職員に対して一時手当支給に伴いまして増加する所得税收入の一部を地方公共團体に分與するため、地方分與税分與金特別会計へ繰入一億二千九百十余万円、地方公共團体財源の実情に鑑みまして、地方費支弁職員に支給する特別の一時手当財源を、地方公共團体に貸し付けるため十億七千八十余万円、会計三十三億九千六百六十余万円を追加いたしますとともに、既定歳出予算につき國債費不用額五億九千五十万円、價格調整費不用額五億七千四百九十余万円、公團出資金不用額九千五百万円、生活保護費不用額五億五千万円、失業手当金不用額五億円、計二十三億千四十余万円を修正減少いたしまして、差引補正増加額十億八千六百十余万円と相なつて居る次第であります。  この歳出予算補正増加額財源といたしましては、所得税收入増加五億四千三百万円、アルコール専賣事業益金増加一億九百八十余万円、電力超過加算料金二億円、前年度剰余金二億三千三百三十余万円、計十億八千六百十余万円と相なつております。  次に特別会計予算補正特第八号について申上げます。特別会計予算補正は、地方分與税分與金特別会計外二十の特別会計に関するものでありまして、その予算補正額は各会計を合計いたしまして、歳入六億八千五百十余万円、歳出六億八千九百十余万円の増加と相なつております。この歳出増加内訳は、政府職員に対し特別の一時手当支給に必要な経費十五億七千六百五十余万円、右の一時手当支給財源として他会計または他勘定へ繰入一億五千三百七十万余円、地方分與税分與金増加一億二千九百十余万円、合計十八億五千九百四十余万円を追加いたしますのと、既定予備費予算等を十一億七千二十余万円修正減少いたしまして、差引六億八千九千余万円の増加と相なる次第であります。  右のうち國有鉄道事業特別会計工事勘定所属職員及び通信事業特別会計建設勘定所属職員の特別の一時手当支給に必要な経費財源は、これを公債金收入によることといたしました。その金額國有鉄道事業におきまして五千三百五十余万円、通信事業におきまして二千八百三十余万円であります。  以上をもちまして、昭和二十二年度一般会計予算補正第十四号、及び昭和二十二年度特別会計予算補正特第八号の説明といたします。何とぞ速やかに御審議をお願いいたします。
  4. 稻村順三

    稻村委員長代理 これより質疑にはいります。西村君。
  5. 西村久之

    西村(久)委員 私は本予算案につきまして質疑を試みまする前に、追加補正十四号、特第八号は、片山内閣提案に基くものか、昨日指名を受けました新総理大臣によつてこれを施行していくという意味合提出になつておりまするのか、この点もはつきりいたしたいと思うのであります。芦田首班がきのう議会指名は受けて、おりまして、陛下の認証を受ければ総理大臣となられるのであります。それを急ぎまするために先議として——議会はもみにもんで昨日ようやく終結を告げたような状態であります。今日この案件が総辞職した前片山内閣より提出すべきものか、芦田内閣によつて提出すべきものかということにつきましては、かような時期におきまする提出について、今後問題を残しまするので、実はお尋ね申し上げるわけでございます。憲法から申しますれば、國会指名は終えておるけれども、天皇の任命がないからまだ内閣総理大臣でない。從つて次内閣総理大臣ができるまでは前内閣において行政事務をやつていく、こういう解釈のようでございます。從つてそういう手続でお編みになつたものであろうとは思いまするが、すでに今日まで延びてまいつておるこの問題でありまするから、この問題を解決をしてまいりまするのには、すでに前内閣が〇・八の予算提出にあたりまして、政治上の失政を暴露して総辞職をしておるのでありまするから、その内閣の手によるよりも、新内閣によつて適出をして、〇・八が正当であるか、あるいは一箇月分を給與するのが正当であるか、この新しい観点から、ここで檢討する必要があるのじやなかろうかと考えるのであります。つきましては、この点につきまする御見解を、先に承りたいと在ずるのでございます。
  6. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 お答えいたします。昨日芦田民主党総裁に対して、後継総理としての御指名があつたわけでありますけれども、未だ認証その他の手続も経ておりません。また閣僚の顔触れもきまつておらぬわけであります。從つてそういう閣僚が揃い、認証式の済むまでは、片山内閣として政務を見る責任を負うておるものであります。その責任によりまして、最も急ぎますところの〇・八の支拂いについての予算をお願いしたような次第であります。支拂いについては、すでに前回の予算につきましても御異議のなかつたところであります。また財源についていろいろ御異議がありましたので、今回は爭いの余地のない財源をもちまして、窮迫をいたしております官公吏諸君への支拂いを急ぐためにお願いしたような次第であります。各党の御承認も得てお願いしたような次第でございます。
  7. 西村久之

    西村(久)委員 そうであるといたしますれば、芦田総理大臣指名を受けてでも、芦田総理大臣の組織される内閣によつてはやらないでもよろしい。前辞職した片山内閣によつてやる。芦田総理の組閣によつて新しい構想のもとにやる必要はないということに解釈してよろしいのでございますか。なお大藏大臣お話のようであるとすれば、その責任者たるところの片山さんの御出席のないのは一体いかなる理由に基くものであるか、その点をお尋ね申し上げたいと思います。
  8. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 お答えいたします。片山内閣としてなお政務を見る責任をもつておりますので、先ほど申し上げましたように、最も急ぎます問題につきまして御承認を得て提出いたしたような次第であります。総理出席その他につきましては、いささか答弁いたしかねる次第でございます。私大藏大臣として、また國務大臣として、閣議できまりましたところを、責認を負うて申し上げますと、以上二回で申し上げたような趣意でございます。
  9. 西村久之

    西村(久)委員 今大藏大臣お話を伺いますると、総理関係については答弁されないということでございまするが、私ども委員会に付議されておるこの案件は、総理責任において御提出になつておることと思うのであります。大藏大臣が出しておるものでないのであります。総理総理大臣責任において、内閣を代表しておの予算案提出されておると思うのであります。その責任者たる総理が出ずして、本予算案審議をせよということは、御無理じやないかと思うのであります。私は片山さんの御出席を促して、御出席のあるまでは、本予算審議に移るべきものでない、かように考えるのであります。その理由は、本予算は前に出ました補正十三号と、特七号とに関連のありまする組替予算であります。從いまして、当然片山さんが御出席になりまして、その理由を明らかにされるのが妥当だと考えるものでありすま。片山さんの御出席を要求いたします。
  10. 稻村順三

    稻村委員長代理 このまま暫時休憩いたします。     午後四時十六分休憩      ————◇—————     午後四時二十五分開議
  11. 稻村順三

    稻村委員長代理 休憩前に引続いて会議を開きます。  質疑の続行をいたします。
  12. 西村久之

    西村(久)委員 実は私は、片山総理が、憲法第八十六條に基きまして、当然予算案提出に対する責任あることを痛感いたしますために、片山さんの御出席がないこてを遺憾に思い、出席を促したのであります。政治のやり方といたしまして、責任者出席せずして案件を上程することは、非立憲だと思います。しかしながら、今日これを追究いたしておりますれば、片山さんの御出席はおそらく不可能と思いまするし、從つて審議が続行いたしません関係では、〇・八の支拂いに支障を來す等関係も伴いますので、ここへ片山さんの御出席つて提出したものとみなしまして、片山さんの出席を要求した点は、一應取消すことにいたします。從いまして、案の内容につきましては、私は今日質問申し上げることを差控えて、私の質問を終ることにいたします。
  13. 稻村順三

  14. 上林山榮吉

    上林委員 私は今西村君によつて質問されたように、もちろん法規的に考える場合、所管大臣説明してもあえて差支えないと思いまするが、本問題は、われわれ委員会政府に組替えを要望して、そうして要求したにもかかわらず、政府においては、何ら具体的な誠意を示さなかつた。政府側が何ら具体的な責任をとらなかつた、組替えに應じなかつた。しかも予算返上の決議をしたにもかかわらず、これに対してですらも、何ら打つべき手を打たずして、結局政策の行き結まりというどたんばに追いこまれて、片山内閣はもろくも退陣をした。しかもその片山内閣残務整理というような形式論に名をかりて、ほおかむりをして、その責任所在を明らかにせずして、ここにこの案を出すに至つた以上、所然首班である総理大臣が、しかるべき責任所在を一應は明らかにすべきであるということについては、西村君と同意見であります。本会議における大藏大臣の撤回の理由説明を聽きましても、これまた責任所在を明らかにせずして、ほおかむりで、支拂いを急がなければならぬから審議を急いでくれ、この審議の遅れるということは、政府責任でもなく、あるいは與党側責任でもなく、あたかも野党側責任であるかのごとき口吻すらも、ところどころによつて聽える。ことに本日大藏省関係職員組合諸君がわれわれを訪問したのでありまするが、その言葉によると、あたかも自由党みずからが、この支拂いの遅延を故意にしておるかのごとく宣傳をしておるらしく聽くのでありまするが、これは大藏大臣の口から出たのであるか、あるいは局長や次官の口から出たのであるかは知りませんが、いずれにしても、責任を他に轉嫁して、政府がこの問題を、ほおかむりで、急ぐということを理由に、しやにむしやに押し切つていくという態度は、われわれの諒とできないところであります。もちろんわれわれは、この案の出された劈頭から、生活補給金は急速にこれを支拂うべきものである。だから大衆課税的方法をとらずして、いわゆる他にこういう財源を求めて支拂つたらどうだと、熱心にこれを要望したにかかわらず、今日に至つたのであります。しかもこの政治的な空白時代を、先ほど言つたような反対党に、野党にこの責任を轉嫁するという政府のいき方は、私ども政治的責任を明らかにしなければならぬという態度からいつて、まことに遺憾と考えるのであります。当面の責任者である大藏大臣は、この点についてどういう考えをもつておられるか。もし少し明瞭にこの点は遺憾であつた。政府責任を痛感しておる。だから新しくこういう理由でここに出したのであるから、審議してもらいたいという説明をせられるのが至当であつて、單に事務的な説明のみで、この当座をば切り拔けようとするような態度は、民主党の首領であるあなたが、再び次の内閣閣僚になるかもしれないあなたであるが故に、私どもは殊にこの点を質しておきたいと考えます。その他の具体的な財源の問題については、われわれ委員会の、いわゆる議会側趣旨を諒とされて、ここに反省されたという点については、われわれはこれを認めるものであつて、そういう細目についての質問をして、議会審議故意に延長しようという意図をわれわれは絶対にもつていないのでありますから、この点をお含みの上で、率直明快な御態度によつて責任を明らかにしてもらいたい。それによつてわれわれは審議を打切るなり、あるいはその他の方法によつて善処していきたいと考えるのであるから、この点を含んで、ひとつ明快な責任をここに明らかにしてもらいたいのであります。
  15. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 上林委員の御質問に対してお答えします。政府はこの〇・八につきましては、十分すみやかにこの支拂いをいたしたい。こう考えたのでありまして、補正予算の十三号、特第七号というものを提出申し上げたのでありますが、種々の審議の結果に鑑みまして、政府としては政府責任において、またこの〇・八を拂うべき責任ということを十分考えまして、そうして新たに特第八号と補正予算の十四号とを出したような次第であります。  それから大藏省職組が、あるいは自由党へこのたびの申入れをしたということは、今初めて承つたのであります。われわれとしましては、そういうようなことを申したり、また示唆したりしたようなことは毛頭ございませんから、御了承願いたいと思う次第であります。
  16. 上林山榮吉

    上林委員 後段の大藏省職員に関する答弁は、それで諒としたいのでございますけれども、前段の私の質問趣旨については、あまりにもそれておるように思いますので、この点について率直にお答えしてもらえるものであつたならば、われわれはこの案を積極的に審議し、時間的にも制約をつけても、これを通過させたい。こういう意図をもつておるのでありますが、この責任所在について、事務的な答弁でなしに、もう少し政治的な責任というような上から御答弁願いたい。これだけを要求いたします。
  17. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 すでにただいまも申し上げましたが、政府といたしましては、〇・八を支拂うということは、これは大きな責任をもつておるわけでありまして、その点に鑑みまして、この御審議の御趣意もくみ、そうして本日あらためて御審議を願うような次第でございます。その辺を御了承願いたいと思う次第でございます。
  18. 稻村順三

  19. 野坂參三

    野坂委員 はつきりしない点がありますので、簡單に伺います。まず大藏大臣にお伺いしたいのは、こういう九つの財源が出ておりますが、この財源は過去一、二週間の間に初めて発見されたものか、あるいはすでにそれ以前に大藏大臣の方では、ちやんとわかつておる財源か、私は後者だと思いますが、この点について伺いたい。
  20. 福田赳夫

    福田政府委員 お答えいたします。財源のうち大部分は前からわかつているものでありますが、一部につきましては、新たに計上したものもあります。
  21. 野坂參三

    野坂委員 そうしますと、政府が前の追加予算については、鉄道料金郵便料金値上げ財源として特におとりなつているこの意味は、こういうような財源がすでにあるにもかかわらず、特に鉄道及び郵便料金値上げを求められたという根拠は、私たちには依然としてまだはつきりしない。われわれの見解では、これは明らかに政治的意図がある、こういうように考えておりますが、これについて何か御見解がありますか。
  22. 福田赳夫

    福田政府委員 お答えいたします。本年度追加予算といたしましては、〇・八ばかりではないのであります。このほかに数十億円、場合によりましては百億にも及ぼうとする追加予算がまだ控えているのであります。その全体の歳出に対する財源を準備しなければならぬ、かような必要に迫られているわけであります。そこで先般の〇・八その他の予算財源といたしまして、鉄道料金通信料金値上げを計画いたしましたのは、これは鉄道料金通信料金を入れまして、この全体の歳出がやつと賄えるというように考えたからであります。しかして鉄道料金通信料金につきましては、早急にこれを値上げしなければ、全体の歳出財源を賄うことができない、かような状況におかれているわけであります。先般來通信料金鉄道料金値上げを停止いたしている結果、そこに全体といたしましては、相当財源欠陷を生じているわけであります。今後政府といたしましては、この財源の補填につきまして、新たに相当多額の問題につきまして研究しなければならぬ、かような状況におかれているわけであります。
  23. 野坂參三

    野坂委員 私の言つているのはそういう点ではない。ちやんとここに財源があるにもかかわらず、なぜ鉄道及び郵便料金値上げに求められたか、この点であります。この点はこの前の討論でも質問し、また今も質問して、同じような回答を得ておりますが、結局われわれとしては、われわれの結論、すなわち政府はわざわざ鉄道料金郵便料金財源を求めて、そうして官公吏給與の要求というものと、それから一般人民との対立をこれによつて釀成させる、こういう意図よりほかにないということを、われわれは依然として今日の御答弁から窺い知ることができるのであります。  それからもう一つお伺いしたいのは、八番目に、失業手当不用額ということがありますが、これが五億円あります。これはあるいは手続上一箇月遅れたためにこういう剰余金が出た、不用額が出たかと思いますが、この点が一つ。それから第二には、生活保護費不用額、これが五億五千万円ありますが、これはどういうわけで、こういう不用額が出たのか、これをお聽きしたい。
  24. 福田赳夫

    福田政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、非常な誤解を招いているようでありまするが、政治的意図というようなことは毛頭ないのでありまして、要するにただいま申し上げました通り、鉄道料金通信料金値上げをいたしませんと、全体の予算のバランスが合わない、しかもこれは早急にやらなければならぬというので、先般のような提案をしたわけでありますが、その提案を停止いたしました関係上、相当多額財源につきまして欠陷を生じつつある、かような状況におかれておるわけであります。さよう誤解なきように了承願いたいのであります。  それから失業手当不用額五億円と申しますのは、これは失業手当につきましては、十億円の予算を計上しておつたのであります。十二月から実施になつたのでありまするが、十二月中の制度の実行状況によりますると、十億円を予定した際におきましては、失業者の数が二十一万人あるということを予想したのでありまするが、実際におきましては、これは約千人である。しかもこの千人の人が、ほとんど大部分再就職いたしまして、手当は要らぬというような状況になつておるのであります。私ども想像いたしまするに、一月におきましても、大体さような状況が続くのではないか。それから二月、三月の失業状況につきましては、今後の企業整備、また行政整理というような問題がありまするが、この帰趨につきまして、まだ確たる見当がつきません。從いまして、はつきりした見透しが立たないのでありまするが、ただいまのような十二月の状況等から見ますると、五億円程度のものは、ここで削減して十分賄い得るのではないか、かように考えておるわけであります。なお万一、五億円の節減をいたしまして、これで間に合わぬというような事態がありますれば、これはまたその際予算的措置を講じなければならぬというふうには考えておるのであります。それから生活保護資不用額と申しますのは、これは生活扶助費というのがありますが、この予算が四十三億二千六百万円あるのであります。これは貧困者に対しまして、生活扶助資金を供給するために必要な経費でありますが、貧困者の人数が予定よりも相当減少いたしたのでありまして、本年度におきましては、かかる金額を節約いたしまして、十分予定の計画を実行し得る、かように考えておるわけであります。さような結果、この不用額を計上いたしたというふうに御承知願いたいのであります。
  25. 稻村順三

    稻村委員長代理 質疑の通告はこれでおしまいになりましたが、質疑打切りに御異議ありませんか。
  26. 稻村順三

    稻村委員長代理 それではさようにいたします。川島君。
  27. 川島金次

    川島委員 この際両案については、討論を省略して、ただちに採決されんことを望みます。
  28. 稻村順三

    稻村委員長代理 川島君の動議に御異議ありませんか。
  29. 稻村順三

    稻村委員長代理 それではこれより採決をいたします。予算両案に賛成の諸君起立を願います。
  30. 稻村順三

    稻村委員長代理 起立総員。両案は可決いたしました。  それから最後に、鈴木委員長から挨拶がしたいという申し入れがあります。
  31. 鈴木茂三郎

    鈴木委員長 私は皆さんと御相談する暇なく、先般予算委員長の辞任を申出でましたについて、御挨拶をさせていただきたいと思います。  私は予算委員長といたしまして、私の職責上何ら辞任すベき毫末の理由も認めておるものではございませんが、一身上の都合によりまして辞任いたしました情勢については、ここでわざと詳しくその理由を申し上げることを差控えておきたいと存じます。しかしただ御承知のように、この際私の皆さんとともに念願いたしましたこの〇・八の支拂いに関しまして、運賃あるいは通信料の値上げによらないで、いわゆる大衆の負担によらないで支給し得ることになりましたことに対しては、私ははなはだ満足に存じておるものでございます。  この際私は辞任いたしまするについて、短い期間ではございましたが、皆さんの御協力によりまして、二つの問題について努力をいたしまして、その成果をあげ得たことを、私は満足に存じておるものでございます。  第一の点は、御承知のように運賃料金等、いわゆる政府事業の値上げに関しましては、財政法第三條によりまして、当然國会承認を経ベきものでございますにかかわらず、その施行に関しまして、政府はこれを履行いたしませんでしたに対しまして、私は國会の権威のために、こういう政府事業の料金運賃等は、一切今後國会承認を経なければ、勝手に値上げをすることのできないという法案を政府提案しなければならぬということに相なつたことが、その第一点でございます。  第二点につきましては、お互いに予算委員といたしまして、重要な予算案が、審議する時間もなく、ちようど〇・八も三十一日に支拂うベきものを二十九日の夕方提案するというように、審議する暇のないほど短い時間に提案されてまいり、しかもその予算案は、いわゆる関係方面との間に決定的なものとして提案されてまいりましたような、從來の、財戰後今日に至るまでの政府予算に対する取扱いに対しまして、私はそういう方法でないように十分審議する期間をもち、またこれに対しましては、われわれの権威の上において信ずるところに從つて、修正すベきものを修正し、返上組替えを命ずベきものを組替えし得るような建前にいたしたいと存じまして、二回にわたつて意見書を提出いたしましたが、今回その関係方面の御理解を得て、そういうことのないような手続によつて行われるようなことにも相なつてまいつたことでございます。  はなはだ微力でございましたが、短い期間に予算委員長といたしまして、いささか國会の権威のためにも盡し得たということを満足に存じまして、予算委員長の辞任の御挨拶にさしていただきたいと思います。たいへんありがとうございました。
  32. 稻村順三

    稻村委員長代理 それでは本日の会議は、これで散会いたします。     午後四時四十七分散会