○黒田
委員 私もこれも
大藏大臣にそう言われれば仕方がありませんが、それはいわゆる大臣
答弁であ
つて、信念をもつた政治家の
答弁の態度ではないと思う。しかしこれはむろんまだ現実ではありません。仮定論であります。仮定論には答えないとおつしやるならば、私もそれ以上
質問しようとは思いません。しかし私が
質問した
心持は、今から十分に念頭においていていただきたいと思います。元來われわれがこの運賃並びに郵便の料金値上げというようなものを、わずか二日や三日できめてしまえというような態度をも
つて、この
予算の審議を要求されたことに対しまして、非常に不満をも
つておりますのは、運賃の値上げとか、郵便料金の値上げというようなものは、すでにこの内閣になりましても、一切ならずなされておるのであります。今度万一そういう問題を取上げるというならば、これは独立採算制の立場からするといたしますならば、それを十分綿密に正確に
計画を建てて、その上であるいは
一般会計の中から不足金を充当するとか、あるいはこれを値上げによるとか、そういう
計画を早く立てて、その上でわれわれに相談してもらいたい。すでにこの片山内閣ができてから、
相当の日にちが経
つているのでありまして、この
議会の劈頭にあた
つて組閣したわけではない。だからそういうことに対しましても、すでに
計画を立てていなければならぬ時期だと、われわれは思うのであります。それをうつちや
つておいてできないので、いつごろできるかと言えば、近いうちにやるが、はつきりしたことは言えないというようなことを、先日運輸大臣も
答弁されておりましたが、今年はインフレが最も危機的状態に到達するかもわからないということが、多くの専門家から警告されているようなときに、こういう
計画性のない
政府のやり方に対しましては、私は議員といて並びに
國民として非常に不満であり、不安である。
根本的にはそういう経理
計画を立てないでおいて、部分的にとりやすいものからと
つていくというような印象を與え、また事実そうであるような
計画を立てたならば、その結果は
政府がどう弁解せられようとも悪性インフレをますます高めていくということに終る以外に、私は途はないと思うのであります。それを防ごうと思うのが、われわれの一生懸命の努力である。私は決して一片山内閣を問題にしているのではない、一
大藏大臣を問題にしているのではないのであります。この時機にあたりまして、インフレーションの解決のために、
政府の責任の衝にあた
つている人々が、
國民を内得せしむるような案を立てなければならぬ。その案を立てて、われわれに相談してもらわねばならぬ。しかるにこのような安易な行き当りばつたりの、そうして必ず惡性インフレを激化するようなそういう案をも
つてきて、われわれに三日か四日でのんでくれ、急ぐんだ。こういうことを言われましても、私は
國民のほんとうの代表者のつもりの立場からは、簡単にこれに同ずることはできないのであります。
なお私はこの際ひとつ
考えておきたいた思うのでありますが、
財政法というりつぱな法律ができておりまして、そうしてこの問題につきましては、第三條がこの場合を
規定しておりまして、法律または
國会の
決議に基いてこれを定めなければならぬということがきめられておりますのにかかわらず、その附則におきまして、施行期日は政令でこれを定めるということにな
つているために、未だに政令でこの第三條の施行期日を定めない。先日この理由につきまして、他の同僚議員の
質問に対して簡単にお答えにな
つたのを聽いておりましたけれ
ども、一体何ゆえにこの第三條を
政府は未だに施行しないでおるのか、その理由をもう少し詳しく納得のいくように聽かせていただきたいと
考えるのであります。