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片山國務大臣 第一の
社会党をまとめる
自信ありや否や、こういう御
質問でありまするが、むろんその
自信をも
つておるのであります。先ほど何か
曖昧模糊な
答弁をしたというような攻撃がありましたが、決して
曖昧模糊でごまかしの
答弁をしておるのではないのでありまして、誠意を披瀝して申し上げたのであります。
社会党もこの
状態を十分に理解してくれるものと期待するのであるということを申し上げたのでありまして、私としては
十分自信をも
つて臨んでおるのであります。
第二の
インフレ進行に
拍車をかけるのではないか、こういう御
質問であります。今日のこの
破局化を防ぐためには、どうしても
インフレ進行を防止しなければならない、こういう
方針をもちまして組閣後今日まで進んできたのでありますが、さらにこの
方針に力を與え、さらにこれを強力に推進せしむるために、
生産増強に力を入れまして、相並んで
インフレ防止に進んでいきたい。
通貨面よりいたしまする
インフレ防止策、その他
やみの撲滅、
流通秩序の
確立等による
インフレ防止対策と相並んで、
生産増強の
対策をと
つて、物を多くつくり、物を殖やす、こういう
方面から來りまする
インフレ対策をも立てて、兼ねて
増強の第一歩を踏出したい、こういうことを中心といたしまして、二十三年度の
政策として臨んでいく。こういうことを先般來から、口をすつぱくして申し上げておるような次第であります。こういう
情勢に際しましては、通貨問題、
物價問題、賃金問題に関しても、現下の
経済情勢に対應いたしまして、再檢討しなければならないと
考えておりまするのて、その時期、
方法等も愼重を要しまするが、大体二十三年度の本
予算を提出いたしまするときに、これらの問題る十分考慮した案を、
諸君に示し得ると
考えております。こういう矢先でありまするが、当面の問題として〇・八を
支拂わなければならないし、また水害問題もあるし、六・三制の問題もあるし、いろいろ約束いたしました事項を遂行しなければならない
財源として、先ほどからるる申し上げまする
通り、万やむを得ざる
財源として
考えておるのでありまして、
インフレの
進行を
拍車しようとか、そういう
考えではなしに、極力あらゆる点から防止していかなければならない。かつまた
生産増強もはか
つていかなければならない。こういう面とにらみ合わして
考えておるのでありまして、どこまでも
インフレ防止の大原則を確立いたし、それに
伴つて今日の約束せる
政策を遂行するという建前で進んでおるのであります。私の
考えとしては
インフレの
進行速度は、どうしても弱めなければならない、こういう
意味で進んておるのであります。この
鉄道、
通信の
値上げは、決して
インフレ進行に
拍車を加える大きな原因になるものではないと
考えておるのでありまして、
値上げは
國民生活に非常な重荷を與えることになりまするが、しかし他の
方面からこれを抑制して、他の
方面においてこれをあとへ引張
つて、そうして調節しつつ
進行しておるのである、こういうように御了承願いたいと思います。
第三の、
行政整理が手ぬるい、人数も少い、これでは何もならないという御意見でありまするが、今日生活問題が窮迫を告げておりまするときに、多くの失業者を街頭に出すことは極力避けなければならないのであります。この失業者に対して失業手当、失業保險制度が充実しておるときであるならば結構でありまするけれども、不十分なる失業
対策の今日においては、多くの失業者を出すことを避けたい。とい
つて人員の整理もしなければなりませんので、いろいろ
研究しました結果、
予算面における二割五分程度をも
つて今日は摘当なりと
考えておるのであります。これは能率を向上せしめる、いわゆる
生産増強の面から來りまする行政の
合理化をはか
つていきたい。根本の問題は前に申したように、審議会を開いて根本的に一切新しく立直していきたいと
考えておるのでありまして、その場合においてはまたいろいろの問題が派生的にも出てまいりまするが、当面二十三年度の
予算の計上いたしまする
人員整理、行政改革の一端として現われてまいる問題は、能率本位、
生産増強の面から來りまする
人員整理でありまして、どこまでも本旨は能率向上というところに論点をおいて無駄をやめる、こういう建前であります。ただお
考え願いたいことは、國家の事業というものは相当殖えてくると思うのであります。これはこの前の
國会においても私が申し上げたことでありまするれども、民主國とな
つて國家が
國民のために事業をする、
國民のために奉仕をする、
國民のために必要な仕事を、事業家に代わ
つて行わなればならないという
意味の民主國家にならなければならないのでありまするから、仕事がだんだんと殖えてくると思います。殖えてまいりますれば從
つてその仕事に從事するところの、いわゆる官吏の数も殖えてくるのでありますが、今までのような
官僚的な
やり方はもちろんやらすべきではないのでありまして、眞に
國民の幸福のための國家事業、
國民の幸福に奉仕する國家の
役人、こういうことにしたいと
考えておるのであります。安本における機構の問題等につきましてもそういう面から
考えておるのでありまして、やたらに機構が大きくな
つてというだけで、それがただちに
官僚だ、こういうふうな見方は見当がちよつと違
つておるのではなかろうかと思うのであります。眞に新憲法の精神に副う、國家
國民のための奉仕的な事業はどしどしやらして、そうして
諸君が監督する、
國会監視の間に立
つて國家が事業を行う。官吏は公僕の観念に徹して進んでいく、こういうことにだんだんとしなければならないと思
つておるのであります。
第四番目の
鉄道公安に関する問題でありまして、
鉄道内において
公安が乱された問題については、はなはだ遺憾であります。何とか十分一般乘客の心配のないようにいたしたいと
考えておるのでありますが、これま警察制度が根本的に改ま
つて、國家警察と自治警察との交替変革の過渡時期であります。そういう時期においては
國民もなれないし、官吏もなれないという結果、いろいろ過渡
時代における一つの間隙が遺憾ながら出てくると思うのであります。しかしこれは
國民の訓練、
國民の民主革命と申しまするか、変革時期における一つの試練と
考えていただいて、
國民大衆が
自分たちの治安を
國民の力で自主的に守る、こういう態勢に進んでいただかなければならないのでありまして、國家警察と自治警察の移り変りの一つの摩擦、間隙の現象であるとお
考え願いたいのであります。しかしこれをも
つて時局を担当する
政府が責任を轉嫁するような
考えは毛頭ありません。これらの問題に処しましても、十分や
つていかなければならないということは申すまでもないのでありますが、
帝銀事件にも現われておりまする
通り、人相が悪いからとい
つて、その人間を引ぱ
つて來てぎゆうぎゆうと追い詰めて白状さすという
やり方は、今日は許されないのでありますから、科学的な捜査
方法、証據等によ
つてその犯人を突き止める、こういうようなことになるのでありますから、
鉄道公案の問題につきましても、十分これらの
事情をお
考え願いたいと思う次第であります。