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根本龍太郎君 私は、
同志クラブを代表いたしまして、ただいま上程されました
追加予算案につきましては、重大なる
警告と
條件のもとに
賛成の意を表するものであります。
本案は御
承知のごとく、
全逓の
要求に対する
中労委の
裁定を
政府がそのままうのみにいたしまして、二・八箇月分の
生活補給金を
支給するところの案なのであります。ただいまの
委員長報告にありますごとく、
本案は、その全体におきましては二・八箇月分を支出するということにな
つておるのでありまして、その
総額は九十七億二千九百余万円という実に巨大なる額に達するものであります。その一部が、本
予算案において三十四億七千四百九十九万円に達するのであります。この巨大なる
予算は、本年末並びに
明春早々において、これが全て
購買力として市中に撒布されるところの
性質のものなのであります。
このように観じてきますれば、この
予算案の通過によ
つて、実に恐るべき
インフレがただちに起こり得るというところのおそれがあるのであります。しかも、この案が実施された場合におきましては、單に
官公労のみではなく、
一般事業界において、
地方自治團体の
職員その他においても、必然的に
生活補給金を
要求することは当然でありまして、しかもその影響が、実に厖大なる
予算支出とならざるを得ないのであります。しかも、この
予算の
財源は、ただいま
委員長みずからが承認いたされたことく、ほとんど
大衆課税あるいは
大衆の犠牲のもとにこれがなされるのであります。
なるほど、
官公労二百五十万になんなんとする人々の
生活はまことに困難であります。それゆえに、私は
本案には
賛成するものであります。しかしながら、この案の実行によりまして、はたしてしからば
官公労諸君が今後さらに
生活の安定が保せられるかというならば、そうではないのであります。これはわずか二箇月、三箇月間の一時的な安定を得られるのみであ
つて、ただちに起こるところの
インフレによ
つて、再びみずからの首を
締めつるのみであ
つて、ただちに起こるところの
インフレによ
つて、再びみずからの首を締めつけるところの状況に立至るのであります。從いまして、
政府がこの
予算案を通過せしむるならば、より
基本的な問題として、
生産増強と
健全財政の
基礎を確立し、
國民の
担税能力あるいは
財源の確保を画して後、初めてこの案が正鵠を得ることになるのであります。この施策なくして、
官公労組織労働の
攻勢におびえて、
基本的政策の樹立をなさずして、あたふたとこれを通過せしむるがごときは、
救國政権と名乘
つて起こつたところの三
党連立内閣は、その
基本において崩れ去つたと言わざるを得ないのであります。(
拍手)
しかも、各位御
承知のごとく、本年の七月、八月に起こつたところの東北の
水害、あるいは関東の
水害におきましては、その
損害額五百億になんなんとすると稱せられているのであります。しかも、これらの災害は…