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1948-07-04 第2回国会 衆議院 文教委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月四日(日曜日)     午後五時五十五分開議  出席委員    委員長 松本 淳造君    理事 水谷  昇君 理事 西山冨佐太君       圓谷 光衞君    冨田  照君       花村 四郎君    田淵 実夫君       松本 七郎君    伊藤 恭一君       久保 猛夫君    武田 キヨ君       黒岩 重治君    平川 篤雄君       織田 正信君  出席國務大臣         文 部 大 臣 森戸 辰男君  出席政府委員         文部政務次官  細野三千雄君         文部事務官   辻田  力君  委員外出席者         議     員 林  百郎君         專門調査員   宇野 圓空君         專門調査員  横田重左衞門君     ————————————— 本日の会議に付した事件  教育委員会法案内閣提出)(第一五二号)     —————————————
  2. 松本淳造

    松本委員長 それでは会議を開くことにします。  教育委員会法を議題といたします。本案に関しましてはすでに大体の審査を終了いたしておるのでありますが、なお御質疑の点がありますならば、これを許します。
  3. 久保猛夫

    久保委員 私は先ほど委員長が大体関係方面との折衝を御報告になつたのを聽いて、向うの氣持、好意に対しては非常にうれしく思うものであります。そこで委員会に対して私はお諮りしたいことがあるのであります。それは私が繰返し主張してきましたところの、本教育委員会法を、われわれはある程度満足するところまで修正ができたのでありますけれども、実はその一番根本をなすところの予算関係について、一応時間がないからというので置いておいて、他日の研究並びに修正に譲ろう。ただそれだれのことでは、とうていこの委員会としての職責が果されたとは私は思わぬのであります。私もまた委員としてそういうふうに思うのであります。大体向う意向もわかつたことでありますから、もしわれわれが、この委員会としての責を果そうとするならば、明後日から議会閉会になることになつておりますが、この閉会中に、資料なり何なりを整えておくことにして、第三國会が開かれたときに、この問題について、この委員会でさらに審議を進めて、そうしてもしその点に関しての修正にかかるという意思が委員会にあるならば、私は非常に満足するものであります。ただそれがなくして、將來の問題としてこれを残すというそれだけのことであるならば、私ははなはだ不満をもつものであります。これは委員長並びに委員各位の御意向を伺いたいと思うのであります。
  4. 松本淳造

    松本委員長 ただいまの久保委員の御意見に対しまして、何か御意見ございませんか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 松本淳造

    松本委員長 賛成の方が多数でありますので、さようにいたしたいと考えます。なお休会になりましても、これは委員長としての考えでありますが、國政調査をやる必要があると思います。たとえば委員会法予算に関する調査であるとか、あるいはかねて縣案になつておりました大学設置に関する実地視察の問題でありますとか、その他もあると思いますが、そういう面もありますので、正式に調査をするということを議長に出した方がよいと、かように考えておりますが、いかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松本淳造

    松本委員長 それではさように取計らいます。     —————————————
  7. 松本淳造

    松本委員長 なおこの際お諮りいたします。委員外でありますが、議員林百郎君から本案について意見を申し述べたいという要求がありますが、それを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松本淳造

    松本委員長 御異議ありませんので、林百郎君。
  9. 林百郎

    ○林百郎君 貴重な時間を割いていただきまして、簡單に日本共産党教育に関する大綱方針だけをこの委員会へ具申しまして、將來日本の國の教育制度についての御参考に供したいと思うのであります。この教育委員会法案については、すでに質疑が終了し、本日討論の段階に至つておることをお聞きしておりますから、斯界の権威である本委員会において、將來日本教育制度を御審議なさる際の参考としてお聽き願いたいと思うのであります。なお教育委員会法に対するわが党の態度も、私の討論の中に入れておきたいと思うのであります。  わが党といたしましては、人民教育を受ける権利を保障するため、義務教育と、高等教育大学をも含めて、これを國家で行い、民主的に管理する、いわゆる教育人民管理ということを考えておるのであります。これを執行するために、すなわち教育人民管理し、民主的に管理するために、中央最高教育会議を設けるということを考えておるのであります。ただいま上程されております教育委員会法におきましては、都道府縣教育委員会は設けられておりますが、中央最高委員会についての方針が何ら示されておらないのであります。その点につきましてわが党といたしましては最高教育会議を設ける。この最高教育会議委員推薦によるものであつて、その推薦母体は何かというと、第一には各都道縣教育委員会、それから民主的な文化的な諸団体教職員組合市民団体、そのほか労働組合農民組合というような民主的な諸団体推薦母体にして最高教育会議を設ける。この中へは公職から追放された者とか、あるいは軍國主義的な経歴をもつておるという人は除かなければならないと思うのであります。この最高教育会議國会に対して責任を負う。しかし教育に関する一切の事項決定して、政府をしてこの最高教育会議決定した事項執行せしむる。行政廳である政府はこの最高教育会議決定を拒否することができないという方針で進んでおるのであります。この最高教育会議決定執行するために、政府教育廳というものを設ける。從來文部省はいろいろの弊害がありますから、教育廳にかえて文部省を廃止するということに考えておるのであります。最高教育会議執行機関であるところのこの教育廳執行監視監督する。最高教育会議國会に対しては責任を負うけれども、行政府たる教育廳に対しては、これを監視監督し、教育廳最高教育会議方針を拒否することができないという方針をとろうとしておるのであります。  この最高教育会議審議事項につきましては、第一に教育制度内容に関する事項決定する。第二としては教育財政計画確立する。第三には教員の待遇問題を決定する。第四はその他國民教育全般に関する事項決定する。第五として育英事業計画を樹立するということになつておるのであります。  この教育制度内容につきましては、この教育委員会法の四十九條、五十條にもありますが、左の事項教育制度内容の中へ入れたいと思うのであります。イとしましては学科目教授法、教材、教科課程基準決定。ロとして教科書檢定基準決定。ハとして各種の学校設置基準決定。ニとして教員資格基準決定教員の再教育養成計画決定。ホとして教員適格審査基準決定運営監督。ヘとして教科書、学用品、通学用品配給計画。トとして給食基準計画。チとして教育復興計画教育施設建設計画等であります。このうちイからヘまでは教育委員会法にありますが、教育復興計画教育施設建設計画、二の教育財政計画確立、三の教員の待遇問題の決定、その他育英事業確立というようなことは、まだこの教育委員会による権能事項の中にはいつておらないと思うのであります。將來はこういう事項もやはり教育委員会仕事として考えていくべきだと思うのであります。  その次に、この下部機関として地方教育委員会を置くのでありますが、この地方教育委員会というのは大体この教育委員会法のこれに則つていいと思うのであります。ただわが党としましては、この地方教育委員会の中には、公選委員と、やはり教職員組合労働組合農民組合、民主的な文化団体等推薦母体とする、こういう面からも選ばれた委員を入れなければならないと思うのであります。この点につきましては、本委員会の御努力によりまして教職員立候補の自由が確立されたことは非常に喜ぶべきことだと思うのであります。わが党としましては、そのほかなお労働組合農民組合というような団体から推薦してこれを入れる。まだ日本の國の民主化現状からいたしましては、公選によりましては、やはりボス的な要素が非常に多く出る危險がありますから、しばらくはこういつた組織労働者、民主的な文化団体からの推薦による委員を出したらどうかということ考をえておるのであります。この地方教育委員会は、地方議会に対して責任を負つて、それぞれの地方において最高教育会議決定從つて次事項審議立案して、その決定地方行政機関執行させる、その執行監視監督するということになつておるのであります。すなわち地方教育委員会中央における最高教育会議方針從つて地方教育行政監視監督し、その能率化をはかつて、その責任はただ議会に対して負うのみであるという方針でいきたいと思うのであります。なおこの地方教育委員会の中に含まれておらない事項として、給食基準計画というようなことも入れるべきだ。それから教育復興計画教育施設建設計画教育財政計画、その他の地方教育全般に関する事項というようなことを入れるべきだと思うのであります。なお、都道縣教育委員会最高教育会議意見を具申してこの執行についてこれを報告をする、あくまで最高教育会議の指導のもとに諸方針決定する。なお、最高教育会議並びに地方教育委員会委員に対してリコール制確立してもらいたいということが一つ。それから最高教育会議地方教育委員会は、その決定にあたり、十分に國民の輿論を聽いて民主的に決定してもらいたい。これが大体最高教育会議地方教育委員会との構成の大綱であります。  結論を申しますと、わが党の主張するところは、最高教育会議並びに地方教育委員会は、國会並びに地方議会に対しては責任を負うけれども、教育行政廳に対しては優位にあつて教育行政廳はこの最高教育会議並びに地方教育委員会方針を拒否することはできない、かつ教育委員会並びに最高教育会議は各行政廳教育方針に対して監視監督をするという方向と、その委員会の中へ民主的な諸団体からの推薦委員を入れるということになつておるのであります。  最後に、この教育委員会法としてなお皆さんにお願いしておきたいことは、先ほども委員からも発言のありました通りに、第五條費用、これをぜひ國庫負担で賄うようにしていただきたいということが一つ。それから、町村、特別区の教育委員会については、これは日本の國の民主化下部に浸透し確立されるまでは、しばらくこの委員会設置しないようにする、都道府縣並びに特別市の教育委員会程度に止めてもらいたい。これを最後に希望いたしまして、わが党の教育人民管理大綱皆さん参考までに申し上げる次第であります。貴重なお時間をありがとうございました。
  10. 松本淳造

    松本委員長 これで質疑は終了いたしました。これより討論に入りたいと思いますが、この際各派共同提案による修正案が提出されております。松本七郎君より趣旨説明を願います。
  11. 松本七郎

    松本(七)委員 本委員会政府提案教育委員会法案に対しまして愼重審議を重ねましたが、その結果、各党から出ておる全委員が一致して強調した点は、なるほど原案は、案としては理想的であるけれども、日本現状からすれば、あまりにも現実から遊離し過ぎる感が強い。こういう観点から、重要な点を相当修正する必要があるということでございました。こういう観点に立とまして、委員会では愼重審議を重ねて、次の数項目について修正案提案するに至つた次第であります。  詳細なことは省きまして、そのおもな点だけを御説明申し上げますならば、第一に設置範囲でございます。現在のような教育の大改革を行いますときに、この原案のような趣旨を徹底することは、まことに望ましいことではございますが、現に各地方とも六・三制の実施に四苦八苦をしており、財政は窮乏に瀕しておるのであります。そういうときにただちに政府原案のごとく市にまでこれを至急実施するということになると、教育界が非常に混乱する。この際は、せめて都道府縣五大都市くらいに止めたい。こういう意見で、この第三條を次のように改めることにいたしました。すなわち「教育委員会は、都道縣及び市(特別区を含む。以下同じ。)町村にこれを設置する。」また政府原案では、人口一万以下の町村が連合して委員会設置することになつておりましたが、この修正案では、町村も希望するならば独自に委員会設置することができるようにすべきであるということ。それから、修正案では、さしあたりただちに実施するのは都道縣及び五大都市に限りまして、市及び町村委員会は二年間これを延期するということに決定いたしたのであります。しかしその二年以内においてもあるいは希望する町村がなきにしもあらず、現にそういう声もございますので、希望する場合はこれを設置することができる旨を規定したのであります。  第二は経費であります。この法律実施するにあたりまして、一番憂慮される点は、各地方財政的な負担があまりに大きくなりはしないか。まだ現在の日本地方自治体の財政確立されておりませんから、どうしてもこれは國庫から相当補助する必要がある。こういう観点から経費補助という規定を新たに設けたのであります。すなわち第五條の次に一條を加えまして第六條として「教育委員会に要する経費及びその所掌に係る経費は、國庫からこれを補助することができる。」と規定したのであります。  次は組織におきまして、原案では現職教員立候補することができないようになつております。これは教育委員以外の公務員は現職でもつて立候補することができるのに、教育委員のみ立候補までも禁止するというのは不当であるという見解と、さらに積極的には、現在まだ日本教育的な関心というものが低い、なるほど從來日本における教員は非常に型にはめられておつた。しかしそれは教員の素質、能力がないのではない、文部省教育國策によつてこの能力を発揮することができないように閉ぢ込められておつたのであるから、現職教員が自由に立候補して、積極的にこの日本教育改革を担当してもろう方が適当である。教員にも視野の廣い熱心な方がたくさんおられるのだから、むしろ積極的に立候補現職のまましていただく。ただ問題になりましたのは、委員会というのは、使用者側であるから、教員委員になることは不都合であるというような意見相当有力に唱えられましたが、当選すれば現職を離れるのでありますから、何らその立候補を禁ずる理由は認められないという意見で、この第九條を削除いたしたのであります。  次に第四番目ですが、原安の三十一條におきまして、教育委員報酬を受けることができないようになつております。これはやはりほんとうに身を挺してこの教育委員会に入り込んで仕事をしていただくためには、それ相当報酬を出す必要があるという見地から、次のように改めました。すなわち「地方公共団体は、当該教育委員会委員に対し報酬を支給しなければならない。但し給料は支給しない。」「委員は、職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる。」このように改めたのであります。  次は四十九條におきまして、原案では「教育委員会は、教育長助言推薦により」と、こういうふうになつておりますが、これではあまりしにも教育長の下に立つがごとき感を与えますので、どうしてもこれは受動的な軽い意味にする必要があるというので、この條文を改めまして「教育委員会は、左の事務を行う。但し、この場合において、教育長に対し、助言推薦を求めることができる。」こう改正したのであります。  さらに人事に関する点でございますが、なるほどこの教育委員会を貫く精神から申しますならば、人事もまたそのおのおのの教育委員会が独自にこれをやるということが、理論的には考えられるのであります。しかしながらやはりこれも現在の日本の状態と過去の長い間の習慣というようなものから考えますと、教員交流、そういう点はもつと廣い範囲で、そうして自由にできるようにしておかなければ実際問題でせめて地方委員会都道府縣委員会とが話し合うという機関が必要ではなかろうか。できれば、当分の間は都道府縣にこの人事を任せる。地方委員会はただ具申をするということが望ましいという意見が、ずいぶん強かつたのでありますが、結局今回はこれが協議会設置する程度に止めておこうということに結論がついたのであります。すなわち第五十條の次に第五十一條といたしまして、ここに新たなる協議機関規定を設けました。すなわち「校長及び教員の任免、給与等人事その他共通する必要な事項決定するために、都道府縣内の地方委員会都道縣委員会が連合して協議会を設けることができる。」「前項の協議会の決議は、全員一致によらなければならない。」「協議会に関し必要な事項は、当該教育委員会協議によつて、これを定めなければならない。」かような規定を設けたのであります。これはもし都道府縣に一切の人事権というものを与えますと、やはり中央集権的になる危險がある。この危險を防止しよう。それと同時に、人事交流その他の便をこれではかろうという趣旨でございます。  大体おもな点は申し上げたと思いますが、ここで一つ附け加えておかなければなりませんことは、この法案実施するについて最も必要なことは、冒頭にも申しましたように、財政的の基礎確立するという点であります。この点は今回は委員においても相当案をもつておられるのでありますが、十分な審議期間がございませんので、それを持ち寄つて結論を見出すまでに至りませんでした。しかし今後におきましてわれわれ一層研究いたしまして、この財政確立基礎を固める必要があろうということに全員一致したのであります。この点については今回の修正には入りませんでしたが、今後に期したいという考えでございます。  ごく大ざつぱでございましたが、以上重要なる点のみ御説明を申し上げまして、趣旨弁明に代らせていただくことにいたします。
  12. 松本淳造

    松本委員長 それでは修正案及び原案を一括して討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。水谷昇君。
  13. 水谷昇

    水谷(昇)委員 ただいま上程中の教育委員会法案に対しまして、私は民主自由党を代表しまして相当この文教委員会において修正をいたしました修正案賛成せんとするものであります。本法案目的は、その第一條に、この法律教育が不当な支配に服することなく、國民全体に対し直接に責任を負うて行わるべきものであるという自覚のもとに、公正な民意により、地方の実情に即した教育行政を行い、その教育本來の目的を達成するということであります。これは、昨年の三月三十一日に公布施行されました教育基本法の第十條に規定されてあるところでありまして、この方針に基いて、地方教育行政に関する根本的改革を企図したというところの法案であります。この教育目的を達成するために、行政民主主義一般の原理のもとに、権限地方分権、公正な民意に即するもの、制度的にも機能的にも教育自主性を確保する、この三つの根本方針によつて制定せられたこの法案は、すでに実施中の新学制を初め、その他の教育刷新に関する諸施策を急速に促進するとともに、他面今後の諸改革の強力なる支柱となるべき重要な意義をもつものであります。この趣旨において賛成するのであります。  しかしながらこの教育行政地方分権を行うために、これと同時に財源の裏づけがなければならないのであります。現在地方財源の困難なことは各位御承知の通りであります。六・三制の完全実施が未だ不完全で昏迷中であるのであります。そこで財政上の地方分権確立をして、地方財源があたかになるか、あるいは多額の國庫補助を得るか、いずれかでなければなりません。我が國の現状からいえば、早急な実施には多大の困難が伴い、今日六・三制の完全実施にも戰影響をすることになりますから、相当の準備を必要とするものであります。これが都道府縣設置の場合を考えてみますと、比較的財源基礎づけがなされ、民主的な運営がなされるときに、地方教育分権確立し、教育民主化のために大いに喜ばなければなりません。しかしこの教育事務局の機構が拡大し、人的にも多くの人を擁して経費がかさむのでありますから、地方財政確立が重大な要件であります。  次ぎに五大都市の場合には、府縣と独立して、市民の総意により教育公正化独立化を図らなければならぬと思うものであります。教育財源の確保をはかるため、特別な措置を講ずる必要があると思います。その他の都市、特別区、人口一万以上の町村設置せられる場合を考えますと、大小の差はありますが、一般に縣や五大都市ほどの財源能力がないのでありますから、経営が非常に困難であります。殊に人口一万以上の町村設置の場合は、委員会における私の質問に答えられた文部省計画によると、事務局に要する経費は、概算において、人口一万のもの、人口三万のもの、人口十万のもの、いずれも年間五十八万七千三百七十円を要するのであります。これは二級官二人、三級官二人、雇一人計五人という計画でありますが、なかなかこれだけで所期の目的を達することはできないので、このほかに相当経費を要するのであります。これはこの計画によつて考えてみましても、人口一万程度人口十万程度と両方比較するならば、十分の一程度人口について、経費は十倍を要することになるのでありまして、この負担額相当の差があるのでありますから、我が國の現状において地方小都市においては、いましばらく実施困難であります。また大都市においても、殊に大都市における特別区といたしましても、東京都の各区のごとき独立した財源を持たないところは、いかに財源確立するかが問題であります。そこで最近、町村は適宜合同して設置可能な区域をつくることのできるよう、自由を与え、また一箇町村においても、環境や財政その他諸種の状況によつて、可能なものは設置し得るように、一万以上という不自由なわくを撤廃するように修正したのであります。提案の御説明にこの点がなかつたのでありますが、これは重要な問題でありまして、修正案には第三條の第二項といたしまして、町村は適宜合同して設置することができる、かように修正したのであります。そうして新学制の六・三制完全実施地方財政確立等とにらみ合わせて、その実施は三箇年をわれわれは修正意見としたのでありますが、いろいろ相談をした結果、二箇年という修正になつておるのであります。また特にこの修正案によりますと、市と町村は二箇年後ということに修正案ができたのでありまして、これは私ども地方財政の上から考えて最も結構だと存じます。次に権限の上から人事権人口一万以上の程度町村地方委員会が持つたとき、教員適正配置が円滑にいかなくなり、教員がある地方に偏在するのを直すためには、地方委員会相互の交渉だけではむずかしくなる。この点からも町村は適宜合同せしむべきであるという考えのもとに、第三條が修正されたのであります。  第四十八條に、新制高等学校の移管の問題は、当該教育委員会協議により、いずれよりいずれにも移管することができるように修正したことは、まことに結構であります。経費の問題で第五條において、我が國の現状においては、地方財政困難は説明をするまでもありませんから、教育委員会における経費地方負担とするということにきまつておりますが、さらに第六條を設けて、教育委員会に要する費用学校の建物や設備に要する費用、それを教育委員会が使用する経費として修正いたしまして、この一箇條を附加したことはまことに結構だと思うのであります。  第四十九條においては、提案の御説明にもありましたが、せつかく過去の教育中央集権の弊を排除して、教育民主化を徹底させるというのに、教育委員会事務局殊に教育長権限が過去の弊を繰返すようなことになつてはならぬのであります。もちろんこの條文はさような意味ではないように、当局から説明は聽いたのでありますが、この文句では、すなわち「教育長助言推薦により」といえば、これが前提となつて委員会がそれぞれの事務を行うように解釈せられますから、この点を明確にするために、「教育委員会は左の事務を行う。但しこの場合において、教育長に対し、助言推薦を求めることができる。」というふうに修正したことは、われわれの目的を達することができて、まことに結構だと思うのであります。  そのほか第九條の削除、第三十一條修正であります。報酬の支給、職務を行うために要する費用等に修正したことは、これまた喜ぶべきことであります。  第五十一條を設けて、人事に関し協議会設置の件を規定したことも、時宜に適したことだと喜ぶものであります。  それからさきにも申しましたが、財政確立の点に去りましては、私どもは具体的な案をもつてこれを修正したいと思つておるのでありますが、審議の期間がはなはだ短時日でありましたために、私どもはこの期間にできるだけの努力をしたのでありますけれども、とうていこの短時日ではこの大問題を解決することができませんでしたから、今後において大いにこれを研究して、將來においてこの点を確立するようにしたいと存じておるものであります。  その他いろいろ修正した点がありますが、この修正案に対して全部賛成するものであります。
  14. 松本淳造

    松本委員長 田淵実夫君。
  15. 田淵実夫

    ○田淵委員 本法案修正において当委員会が最も意を用いましたところは、ただいまも御意見がありましたように、この法律目的として第一條規定しております、教育が不当な支配に服することなく、しかもそれが公正な民意によつて地方の実情に即した教育行政が行われなければならぬ、この観点からほとんどの修正が行われたものと考えるのであります。大体修正いたしました際に、重点となつたところは三つあると思うのであります。その一つ設置範囲の問題であります。次は人事の問題であります。最後財政、この三点に力点がおかれたのであります。設置範囲におきましては、都道府縣並びにいわゆる五大都市にこれを設けるとともに、以下の市町村にもこれを設ける。但し市町村の場合は二箇年これを延期するというふうに規定されましたのは、過般の公聽会などの意見に徴しましても、最も地方の実情に即した、現段階における國情に即した修正であると考えまして、賛成を表するものであります。経費の点におきましては、第五章に新たなる規定を加えましたのも、これまた当然であつたと思うのであります。組織の問題におきましては、第二章の選挙の規定において、現職教員立候補を認めたということが、この修正の実に大きなやまであると思うのであります。なるほど現職教員より立候補させるということになるならば、教員たりし者が委員のほとんど、もしくは全部を占めるのではないか。少くとも半数を超えるようなことがあるならば、この委員会運営は円滑にいかないのではないかというような憂いもあつたのでありますが、他の公務員一般立候補せしめないというのならば、一応筋が通るのでありますけれども、その公務員中、現職教員に限つて立候補せしめないということは、これは他の基本的な法及び法律などに関係して、はなはだ問題になることだと私は考えるのであります。そういう意味におきまして、現職教員立候補を認めたということは、わが党といたしましても異議のないところであります。  ただ私はこの場合特に強調しておきたいことは、現職教員立候補を認めた以上は、現職教員側におきましても、その立候補に際しては、いわゆる民主的な態度をもつて候補者の推薦決定といつたものを行つていただきたいということでございます。これがセクト主義に陷つて——かかることは万あるまいとは存じますが、もしセクト主義に陷つてこの立候補がなされ、從つてそれによつて幾人かの当選者がここに現われるということになりますと、多くの問題を委員会内に残すのではないかと考えるのであります。現職教員の方は教育の專門家であるとともに、また父兄であり、國民大衆一般なんであります。從つて父兄である立場、國民大衆の一員であるという立場をよく認識されますとともに、教育專門家としとての自負、信念、権威をもつて、ここにそうした立候補者の選考その他に当つていただきたいということを特にお願いいたしたいのであります。  次に第三十一條におきまして幾分の報酬を認めたことは、当然であると思うのであります。どなたかの御意見にも、今日無報酬にして働き得るものは、やみ屋よりほかにないというようなお言葉があつたのでありますが、他の有力なる諸外國の場合とは異なりまして、殊に終戰後のわが國においては、無報酬で働き得る人が幾人あるか。もし無報酬にして働き得る人があるとするならば、あるいはそうした人は眞に教育行政を担当すべき人ではなくて、いわゆるボス的な存在である。このように考えられますところから、ここに当然報酬を与えることを規定したことは賛意を表するのであります。  さらに、第四十九條において「教育長助言推薦により、左の事務を行う。」となつておりましたのを、「助言推薦を求めることができる」と改めました点は、この委員会の本務を十分に活かし得たところの規定つたと思うのであります。「助言推薦により」と規定しておりますならば、これは絶対的な前提條件であつて教育長委員会に所属しているのではなくて、委員会教育長に所属しておるごとき規定となつているのであります。ここを改めました点、また異議がないのであります。  次に、第五十一條において、人事に関しまして、協議会を市町村委員会の間に設けるというこの一項を加えました点でありますが、都道府縣委員会にのみ人事を任しておくならば、末端の実情というものが誤られやすい、從つて円滑な人事交流ということがはかられないのであります。そこで円滑な人事交流をはかるとするならば、ここに協議会的なものを設けまして、これに潤滑油的な役割を演じさせるということ、しかも半面都道府縣教育委員会中央集権化することを憂えまして、これにブレーキをかける役割を演じさせるということ、こういう意味合から、この規定また大いに賛成するものであります。  最後に、財政の問題でありますが、教育委員会予算に関しましては、深くこれは檢討しなければならぬ問題であります。私などの見解からいたしますならば、教育目的税というものをここに設定いたしまして、その教育目的税によつてつていくという行き方が最も自然な正しい行き方であろうと考えるのでありますが、ただ留意しなければなりませんのは、この教育目的税なるものは、これを設定いたしますについては、実に緻密な計画と用意が要るのであります。その財源を那辺に求めるか、その税源をどこに求めるかという、この問題がまず解決されなければならないのであります。從つて、これは一般税制、一般財政と深い連関をもつてくるのでありますがゆえに、今日ただちに問題を解決するわけにはいかないのであります。けれども、それだけに重要でありますがゆえに、これはやがて本委員会において、來る議会に再び修正案でも出されることによつて愼重に審議されなければならぬ問題であろうと思います。そういう意味において、私たちはこの委員会財政問題については、なお檢討すべき多くのものが残つておるということを強調しまして、以上申し述べました修正の諸点について賛意を表し、この修正案日本社会党は賛成するものであります。
  16. 松本淳造

  17. 西山冨佐太

    ○西山委員 私は本教育委員会法案の共同修正案に対しまして、民主党を代表して賛成するものであります。本案從來の封建的、中央集権的の弊を除去いたしまして、教育行政民主化するために設けられたものであると考えます。言葉をかえて言えば、教育基本法の徹底を期するために設けられたものであると考えるのであります。しかして本案は全國五十万の教職員はもちろん、全國各市町村方面において特に多大の関心をもち、不安を抱いておつたものであります。原案によりますとこれは日本民主化程度と、窮迫しておる地方財政の状態よりして、多くの困難と支障がありますが、これが修正案説明のごとく、——私はここで重複を避けて一々申し上げませんが、修正されましたことは、審議にとりかかる当時予想しておりましたことから考えると、相当適切な修正ができたと考えるのであります。しかし運営上には多大の考慮を必要とするものがあるのでありまして、本案実施に誤りなきを期するならば、教育民主化のために喜ぶべきものであると信じております。  さて運営上最も重要な予算の裏づけについて、時間の関係上、未だその措置をつけることができなかつたことを遺憾とするのでありますが、これは本案の成立後引続き研究調査を続けまして、適切なる措置を講じ、再び修正案を出しまして、万全を期したいと思います。このことを前提として、本案賛成するものであります。
  18. 松本淳造

    松本委員長 黒岩重治君。
  19. 黒岩重治

    ○黒岩委員 私は教育委員会法案に対しまして、國民協同党を代表し、各派共同提案修正案並びに修正案において修正された以外の原案賛成するものであります。教育民主化の課題は、わが國民の課せられた重要な問題であると存じます。制度としては、特に教育基本法学校教育法等の制度を制定いたしまして、すでに実施されておるのでありますが、実際においてその実をあげようとする具体案として、この制度は当然考えなければならぬところのものであつたと存じます。かような意味におきまして、原案はまことにりつぱな構想のもとにつくられておると存じますが、わが國の現実には一致を欠く点が所々に発見されたのであります。從つてわれわれは各派協同のもとに修正をしなければならぬという結論に到達したのであります。段々申し述べられましたように、第三條の設置範囲実施の時期について、國家の実情に合致するように努めた点、第五條國庫補助ができるように修正をした点、第九條の教員被選挙権の制限を撤廃した点、第四十八條の高等学校の所管の変更は、一方的な意思においてできない、当該教育委員会会議納得の上でなければできない、会議納得すればそれが可能であるというような、はつきりした方法を考えた点。なお四十九條の教育長の專断というようなおそれのある点を修正し、五十條、五十一條の間に人事の公正なる運営及び待遇の均衡適正をはかるために、都道縣教育委員会地方教育委員会とが協議会をもつという民主的な合理的な機関考えた点、なお五十五條から五十七條にわたります予算編成上の欠陷を十分に審議をした点、これらの点につきましては、われわれ委員としてはこの問題が特に國家將來に対して大きな影響をもつということを考えて、愼重審議をした結果の結論であつたのであります。その間公聽会や多数の請願書によつて國民の輿論が那辺にあるかということを十分に檢討をいたしたわけであります。公聽会に御出席なされた方々の御意見には、多少の異なつた御意見もあつたと思いますが、われわれは大所高所からこれを判断いたしまして、大体において國民の輿論を反映できるように努めたと信じております。ただ予算編成上の欠陷といたします点は、御承知の通り原案においては、委員会予算を編成して、それを地方自治体の長に送付した場合に、地方自治体の長の意見によつて修正が可能であります。また修正が可能であるということは結構なことといたしましても、その間に見解の相違によつて予算問題をめぐつて地方自治体に好ましからざる紛爭を惹起するという縣念が多分にあるのであります。そこでわれわれは目的税の設定とか、負担の最低基準とかいうものを定めて、紛爭を起すことなく、必要な予算の獲得ができるような方法を考えたいと思つて苦心をいたしたのでありますが、これは他の制度にも関係をもつことであり、短時日において研究の結果がその解決にまで到達しなかつたことを、まことに遺憾に思うのであります。しかしながら、これは早い時期に、來るべき第三國会において修正をしようということを本委員会においては申合せをしたわけでございますから、われわれはこれにつきまして十分の研究をいたしまして、この欠陷を補うべく用意をしたいと存ずるわけであります。  以上私はわれわれの信ずる修正点の妥当であるということを信じますがゆえに、修正案賛成し、その他の部分については全面的にその妥当性を確認をいたしますがゆえに、本修正案並びに修正案修正されました以外の原案賛成をいたすものであります。
  20. 松本淳造

    松本委員長 久保猛夫君。
  21. 久保猛夫

    久保委員 教育委員会法政府原案並びに各派協同提案修正案に対する意見を申し上げます。  松本委員から御説明があつたように、政府原案は、ある一つの理想的な形ではあつたかもしれないけれども、日本の現実には、かなり遠い点が多々あつたと思うのであります。すなわち設置範囲であるとか、委員の選挙であるとか、あるいは委員の待遇であるとか、事務局の性格であるとか、委員会権限あるいは予算編成等について、日本の経済的な、あるいは日本の民度とまだかなり即応しないものがあつたと思うのであります。これをわれわれは一応ここに審議を重ねてきたのでありますけれども、その過程を考えてみますると、委員各位は、この委員会というものは一つ教育を愛するという情熱を傾けて、これを審議をしてきたと私は思うのであります。もし教育を愛する者が廣い意味の教育者であるということがいえるならば、およそこの委員会委員教育者ということができると思います。私は文教委員であり、みずからそうした意味で教育者であると思つておるものであります。私は自分の教育を愛するというこの情熱を傾けて、この委員会を、よりよきものにしたいと考えてきたのでありましたけれども、われわれのこの情熱をほんとうに結集するところまで至らしめるだけの審議の期間がなかつたことを、はなはだ残念に思うものであります。御承知のように行政というものは現場に直結するものであつて、從つて委員会法はわが日本教育を実際において左右するものであります。人間の基本的な陶冶及び教化というものが、かかつてこの委員会法がよいか悪いかということに私は結果されるだろうと思うのであります。私は過去の日本教育というものを振り返つてみて、この法案審議するにあたりまして、こうした根本的な考えをもつてつたのであります。その一つ日本の明治以來の教育、これに携わつてきた方々、そうした方の氣持をくんで、過去の日本教育の歴史を考えてみますと、一方において本委員会法の第一條にうたつてあるところの、教育が不当な支配に服してきたという一面である。これはもしわれわれの努力をもつて修正をしましたら、これの点が今後うまく運営されるならば、この点だけでも私は大部分修正されたことによつて満足すべき法案ができたと思うのであります。ところがまた一面過去のわが日本教育というものは、経済面において非常な窮屈なる立場に置かれてきたのであります。金がなくて教育ができると思うのは、それが教育の一面であつて、金がなければ満足な教育はできるものではない。しかるに地方教育は常に貧弱な予算のもとに教育が続けられねばならなかつたのである。そういう立場からまた教育者の待遇も同樣であつて、この地方教育予算がきわめて乏しい、多額を地方議会において協賛してくれない。そうした立場からやはり教育予算面からして、教育というものが非常な困難なものになつてつた。こういう点を、もう一応われわれはそういう面からもこの法案考えねばならなかつたのであります。そして私が先ほど原案で不満な点を申しました主なる事項最後一つ予算の問題、すなわち委員会がりつぱにできても、これに財政的な裏づけがなければ、結局過去の教育界と同樣なものになるであろう、私はそれを憂えたのであります。公聽会において村長、市長から述べられたあの不満は、私は確かにそれがはつきりうかがえるのであります。從來におきましても、地方公共団体では教育予算負担に耐えぬということが一つと、教育を認識するということがきわめて浅いという立場から、教育予算は常に削減されてきた。文部省から指示があつたところの事項についてでも、これを組もうとしなかつたのであります。まして今後は予算だけは出させられて、そうしてこの教育についてはまつたく一点もタツチすることができないという立場に置かれた場合に、この予算が削減されることは、過去以上に今後憂慮すべきものだと私は思うのであります。こうした点を考えますときに、はたして教育委員が選ばれても、この委員が職責を果されるかということを考えてみなければならない。  もう一つ今後労働組合というものを考えないわけにはいかない。この労働組合委員会でこれを処理するということになつているが、この経済的な労働組合との折衡にあたつて予算的なもの、予算決定権をもたないところのこの委員会がそれを処理した場合に、これは委員会も困るし、職責も果せない。また組合自身はまつたくのれんに腕押しの形になるであろうということを憂慮したのであります。ここにも大きな教育問題が残されるのであります。私はこの法案にはどうしても地方公共団体のために、教育に使う目的の税をここに設置してやらなければならない。こういうことを考えたのでありますけれども、これは遂に技術的に修正案として出すまでの時日をもたなかつたのでありまして、まことに遺憾に存ずるのであります。私はこの法案趣旨、もちろん賛成である。これは明治以來の教育者たちがほんとうに憧憬してきたところの夢が、今ここに実現しようとするところの改革的なものでありまして、そうである限り私は大賛成であります。大賛成であればあるほど、よき法律をつくつてその期待にこたえなければならないという責任を深く感ずるのであつて、從つて審議を十分盡しておらなかつたという点が、未だに私の頭には残念でたまらないのであります。私はこうした氣持からどうしてもこの法案審議が十分盡されたとは考えられないので、この修正案に対しても賛成する氣持にはなれなかつたのであります。先ほど松本委員長報告を聽き、その際私はこの私が指摘しました欠陷を補うのには、この第二國会閉会になつても、この欠陷を補うための研究を続け、次の國会において審議を続行して、そうして修正案をつくる努力を拂うということをこの委員会が確認してくれましたので、それを信じ、この確認を前提として、この修正案並びにその他の部分に原案賛成するものであります。
  22. 松本淳造

    松本委員長 討論はこれにて終局いたしました。これより採決いたします。
  23. 水谷昇

    水谷委員 討論のときにもちよつと申し上げましたが、この町村は適宜合同して設置することができるという第三條の第二項でありますが、これは先日專門調査員の方で附則にしたという説明がありましたが、この文教委員会においては、これはこの第三條の第二項に入れておくことが確かである、こういうことに一決したのであります。この点を一つはつきりしておいていただきたいと思います。
  24. 松本淳造

    松本委員長 わかりました、ただいま水谷君の御発言通りに訂正いたさせます。
  25. 平川篤雄

    ○平川委員 昨日までのいろいろな空氣でまだ教育公務員の任免等に関する法律案をどうするかということがきまつていないのでありますが、もしこれが今会期中に上げられないとすると、前に專門調査員の方から御提出になつたおつたそれがなくなつた條項を含めて修正案にしなければいけない、ただいまの修正案の御提案の中にはいつておるかどうか。
  26. 横田重左衞門

    ○横田專門調査員 一応昨日の懇談会の定めに基きまして、今日公務員法をお扱いになるということで、公務員法案の通過という前提のもとに修正したもので、今度の修正案の中には、全部公務員法が通過するということで修正してあります。もし通過しないということになりますと、最後の九十八條になりますか、全文削除しました案に代るべき條文をつくらないと、委員会法全体が死んでしまう。その他各條項の中に教育公務員法というものがうたつてありますから、それも全部訂正しないと、委員会法案全体にまた影響してくることになります。
  27. 平川篤雄

    ○平川委員 それでこれは明日たつた一日残されておるので、参議院へ送付せられるものと思いますが、もしも本日の本会議に上程をせられることになつたならば、そのあとで今のを加えられるような事態が起ることは非常に困つたことだと思います。その点深甚の御考慮をお願いしたいと思います。  それからちよつと速記を止めていただきたいと思います。
  28. 松本淳造

    松本委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕
  29. 松本淳造

    松本委員長 速記をとつて。——ただいま平川君の御発言の最初の方の教育公務員法と関連する御発言でありましたが、それにつきまして御協議いたしたいと思いますので、一時休憩いたします。     午後七時二十四分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後七時三十一分開議
  30. 松本淳造

    松本委員長 再開いたします。  先ほどの平川君の御発言に対しまして、理事会を開きまして意見をまとめたのでありますが、一応ごもつともな発言でございますけれども、從來の慣習に、近く提案される予定の法律の場合——その点が多少関連ある法律である場合においては、欠字なんかありましても大丈夫だという慣例がある。從つてこの際公務員法が本日は可決されませんでも、その点は從來の慣例上間違いない、大丈夫だという点が一つと、それからもう一つは、しかしそれではいかぬから、もつとはつきりしなくちやいかぬということになれば、先ほど專門委員からお話しました修正案に対して、さらに修正を加えて、平川さんのお話になりました点を明らかにしておくことができるので、その点を修正したいと思つております。なお公務員法は、委員会といたしましては、当然審議すべきものであり、これを上げたいのはやまやまでありますけれども、時間がありませんので、すでに政府提案説明もありましたし、近く開かれます國会におきまして、当然審議すべきものだと考えておりますから、その辺のことをお含みくださいまして、御了承願いたいと思つております。
  31. 平川篤雄

    ○平川委員 御存じと思うのでありますが、それならば、國会法第四十七條に基いて、本院の議決ををもつて、特に閉会中もこれを審査すべきものとして、われわれは要求しなければならないと思います。その方法をとつていただくことが——理由はもうすでに皆様方御存じの通りでありますから、繰返しい申し上げませんが、一番穏当な、妥協案であろうと考えております。
  32. 松本淳造

    松本委員長 お答えいたします。その点は、委員長から議長に申出することによつて成り立つわけであります。  それから同時に、先ほども申し上げておきましたが、それとは別でありますけれども、國政調査に関する調査提案もすることになつておりますので、併せて御了解願いたいと思います。  それでは平川さんの御提案によりまして、委員長から議長へ申入れておきます。
  33. 松本淳造

    松本委員長 討論は終局いたしました。これより採決いたします。まず、本修正案について採決いたします。本修正案賛成の諸君の御起立を願います。   [総員起立]
  34. 松本淳造

    松本委員長 起立総員。よつて修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま修正せられました部分を除く原案についての賛成の諸君の起立を求めます。   [総員起立]
  35. 松本淳造

    松本委員長 起立総員。よつて修正部分を除く他の部分については、原案通り決定いたしました。よつて本案修正議決せられました。  なお本案に対する委員会報告書作成方に対しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松本淳造

    松本委員長 それではさよう御了承願います。  なお條文の整理に関しましては、時間等の関係もありますので、委員長一任とせられたいと思いますが御了承願いたいと思います。     —————————————
  37. 松本淳造

    松本委員長 なお請願の採択についてお諮りいたしたいと思います。
  38. 水谷昇

    水谷(昇)委員 すでに審議をしてある部分がたくさんあるのでありますが、採択は保留しておりますから、この際、たとえば大学設置に対して、各地方から請願が出ておるのでありまして、これらは文教委員会においても、実地調査をする必要があろうと思いますので、こういうようなものは保留をしておいて、実地視察をする必要のないものについては、明日定刻からこれを提案いたしまして採決したらいいと思います。
  39. 松本七郎

    松本(七)委員 特に調査を要するものを除き、その他のものはたいてい採択し得るもののように考えられます。委員会の面目を失するような特別のものを除いては、その採択については委員長に一任したいと思います。
  40. 久保猛夫

    久保委員 從來の旧憲法のときの請願は、大して権威のないものであつたと私は思う。民意を聽くというふうな程度で取扱われていて、大して権威がないものであつたと私は思う。ところが國会がもしこれを取上げて採択したということになると、この請願を採択したということは、相当の権威をもたねばならぬと思う。そこで趣旨賛成だけれども、今の実情ではなかなか困難だという問題も事実あると思うので、そういう点は関係省の意向も聽いて採択して、あとはどうでもいいというのではなく、そういう点まで考慮してやられたらよかろう。私は議会の請願についてそういう考えをもつているわけであります。
  41. 松本七郎

    松本(七)委員 できれば水谷さんの言われるように、明日やつていただきたいと思います。
  42. 松本淳造

    松本委員長 では時間を短縮する見地からも、明日最初に理事会を開いて、大体整理いたしましてから、請願の件をお諮りするというようにしたらいかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 松本淳造

    松本委員長 ではさようにいたします。  なお陳情書の審査の件でありますが、本委員会に送付されました陳情書は八十九件であります。その内容を見ますと、今までの委員会における法案あるいは請願などの審査の過程で十分檢討した問題でありますから、本委員会としては十分その陳情書の趣旨はわかつているのでありますが、その取扱い方はいかがいたしましようか。
  44. 久保猛夫

    久保委員 非常に急を要し、あるいは目を通さねばならぬという陳情でなければ、あとにまわしてもいいではないかと思います。
  45. 松本淳造

    松本委員長 それでは急を要しない陳情に関しましては、十分その意思を了承するということで決定しておきたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 松本淳造

    松本委員長 それでは本日の日程はこれで終りました。これにて散会いたします。