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1948-06-25 第2回国会 衆議院 文教委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十五日(金曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 松本 淳造君    理事 水谷  昇君 理事 高津 正道君       近藤 鶴代君    圓谷 光衞君       田淵 実夫君    野老  誠君       松澤 兼人君    松本 七郎君       伊藤 恭一君    久保 猛夫君       武田 キヨ君    黒岩 重治君       織田 正信君  出席政府委員         文部政務次官  岩木 哲夫君         文部事務官   辻田  力君  委員外出席者         專門調査員   宇野 圓空君         專門調査員  横田重左衞門君     ————————————— 六月二十四日  地方教育委員会法に関する請願外十件(淺利三  朗君紹介)(第一五八六号)  地方教育委員会法に関する請願外三百四十五件  (石川金次郎紹介)(第一五九二号)  地方教育委員会法に関する請願(關内正一君紹  介)(第一六〇七号)  同(岡井藤志郎紹介)(第一六一七号)  地方教育委員会法に関する請願外一件(高津正  道君紹介)(第一六一九号)  地方教育委員会法に関する請願野老誠君紹  介)(第一六二〇号)  地方教育委員会法に関する請願外一件(齋藤晃  君外一名)(第一六三七号)  六・三制完全実施のための全額國庫負担請願  (岡井藤志郎紹介)(第一六三八号)  地方教育委員会法に関する請願押川定秋君紹  介)(第一六四一号)  公民館施設費國庫補助増額請願中島茂喜君  外四名紹介)(第一六五一号)  地方教育委員会法に関する請願米窪滿亮君紹  介)(第一六五二号)  新制中学校建設費全額國庫負担請願中島茂  喜君外四名紹介)(第一六五三号)  國立大学、高專の授業料値反対請願高津  正道紹介)(第一六八六号)  地方教育委員会法に関する請願榊原千代君紹  介)(第一七一二号)  同(松本淳造紹介)(第一七一三号)  同(伊藤郷一君紹介)(第一七一四号)  地方教育委員会法に関する請願外一件(松澤兼  人君外二名紹介)(第一七一五号)  高瀬高等学校建設費起債認可に関する請願(  福田繁芳紹介)(第一七二九号)  地方教育委員会法に関する請願酒井俊雄君外  一名紹介)(第一七三八号)  同(高津正道君外二名紹介)(第一七三九号)  同(平川篤雄君外一名紹介)(第一七四〇号)  同(大島多藏君外一名紹介)(第一七四一号)  東京女子高等師範学校昇格請願押川定秋君  外二名紹介)(第一七四二号)  地方教育委員会法に関する請願外三件(圓谷光  衞君紹介)(第一七五五号)  地方教育委員会法に関する請願内藤友明君紹  介)(第一七五六号)  地方教育委員会法に関する請願外一件(降旗徳  弥君紹介)(第一七五七号)  三重農林專門学校大阪大学農学部昇格の請  願(川崎秀二君外一名紹介)(第一七九一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  教育委員会法案内閣提出)(第一五二号)     —————————————
  2. 松本七郎

    松本委員長 会議開きます。前会に引続きまして、教育委員会法案審査を進めます。  質疑に入ります前に、岩木政務次官から発言を求められておりますから、これを許します。岩木政務次官
  3. 岩木哲夫

    岩木政府委員 昨日の会議におきまして、第十條の御審議に関連し、第九條の解釈並びに第六條の解釈に関連する事項につきまして、私の方から御答弁申し上げましたところ、この間やや統一を欠いておつたような憾みがあつた点につきましては、まことに申訳ない次第であります。この点につきましては、特に第十條に関連する事柄で、委員会委員が、地方議会議員のうち現に教員の職におる者は、その委員を兼ねることができるかどうかという問題につきましては、実はややこれらに関しまする予測の研究がやや徹底を欠いておりましたる事柄等から、この間に見解の相違が生じたのでありますが、きわめて重要なる問題と考えまして、昨日の委員会終了後、部内におきまして関係者一同寄りまして、これらに対しまする善後の研究とさらに態度を協議いたしましたるところ、本法案條文それ自体から直情的に解釈いたしますれば、差支えのないというような解釈も生ずるのでありまするが、元來この法案は一箇年にわたる諸種の論議の研究、あるいは関係方面との折衝の間にいろいろの議論が繰返し重ねられた結果、ややこの間結論の結果を得るにつきましての権衡を欠いた等から、精神においてはあくまでも第九條の精神、すなわち現職教職員被選挙権がない。從つて委員会委員になることができないという原則論結論いたすべきが妥当なりとの部内意見が有力になつてきたわけであります。さらにこの点につきましては、関係方面の旧來の折衝内容意図等もありまするので、昨夜関係方面にもこの点につきまして協議をいたしましたところ、やはり第九條の現職教職員被選挙権がない。從つて委員会委員たることを得ないという方針が堅持されることに相なりましたような次第でありまするので、この点につきまして私どもの統一せる御答弁徹底を欠いておりましたることは申訳ない次第でありまするが、以上の趣旨で御了承願いたいと存ずるのであります。  但し現在のこの法規條文のままでは、かような原則論というものにつきましてはやや疑義をはさみ得る余地がありまするので、場合によりまして條文の一部修正が余儀ないのではないかという見解もまた生ずるのでありますが、たまたま法制局との接衝が、時間的関係でできておりません。但しこれを嚴密に言いますれば、絶対そのようなことにも解釈はできるわけでもない。第九條の條文を廣義に解釈すれば、すなわち現職教員教育委員会委員被選挙権を有しないということは、かりに地方議会議員であつて現職教員を兼務したまま地方議会議員であつた場合においても、第九條の適用を廣義に解釈し、適用し得るものではないかという見解も生じ得るのであります。この点を御了承願いたいと思います。
  4. 松本七郎

    松本委員長 それでは法案審査を進めます。
  5. 野老誠

    野老委員 ただいま岩木政務次官からの御説明でよくわかつたわけでありますが、その点に関連いたしましてお伺いしたいのです。それは現職教員でそのまま地方公共團体議会議員を兼ねておる、こういうものがあるわけですが、その際においては、いずれが本職になるものでありますか。すなわち小学校なら小学校教員本職であつて議員を兼ねておるという立場に立つか、それとも議員本職であつて教職員は兼職であるか、そのいずれであるかということについて御説明を願いたいと思います。
  6. 岩木哲夫

    岩木政府委員 ただいまの点につきましては、私の方では地方議会におきまして議員としての本分を盡す場合におきましては、議員たる職責に限定せられ、学校先生職責に立つ場合には、学校先生本分を盡すというような次第であります。
  7. 久保猛夫

    久保委員 今の話で、妙な答弁があつたようですが、これはここであまり問題にしてもしようがないからいたしませんが、先ほどの御弁明は松澤委員が主として質問されたのでありますから、松澤委員がおられるときに私はやられたらよかつたのではないかと思うのであります。私がその問題を取上げてここでまた質問したいこともあるのですけれども、これはあとに譲りたいと思います。
  8. 松本七郎

    松本委員長 それではこの問題は適当な機会まであとに譲つてまいります。法案審査を進めます。  第十一條 通常選挙は、二年ごとに、選挙による委員定数半数についてこれを行う。 御異議ありませんか。
  9. 水谷昇

    水谷(昇)委員 この「半数」というのは五名でいくとどうなるのですか。
  10. 辻田力

    辻田政府委員 第六條第二項の、一般公選による委員定数は、それぞれ偶数になつております。その半数という意味でございます。
  11. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十二條 委員選挙においては、選挙区を設けない。 御異議ありませんか。
  12. 水谷昇

    水谷(昇)委員 都道府縣教育委員会では、委員が七名でありまして、これを全縣支で選挙をするということになると、その人選に一般選挙民が非常に困るだろうと思うのです。なるべく選挙区をつくつて、その地方によくわかつておる人を選挙した方が適当であるように思われるのでありますが、この点について当局の御意見を伺います。
  13. 辻田力

    辻田政府委員 この選挙区を設けない理由につきましては、過日申し上げたことがありますが、公選によりまする委員の数は、府縣におきまして六名、地方委員会におきまして四名でございます。しかも普通の場合におきましては、それの半数ずつ選挙されるのが常態でございます。それで都道府縣について例をとつて申しますると三名になつておる。この三名につきまして選挙区をわかつて実施するということは、委員数があまりに少い関係上、かえつて適当な人を得ないのではないかという考えであります。廣く全縣下から適当だと思われる人を選挙するというふうにいたしたいという趣旨でございます。
  14. 水谷昇

    水谷(昇)委員 そういたしますと、候補者人物選挙民に知らせるには、どういう方法を用いるのですか。
  15. 辻田力

    辻田政府委員 ただいまの御質問に関しましては、二十七條によりまして、選挙運動に関する規定がございますが、この選挙運動に関しましては、地方自治法の知事の選挙につきましての選挙運動規定を準用するのでございます。從つて氏名とか経歴等を掲載した文書を発行するというふうなことにいたしまして、また候補者氏名一般に掲示するという事柄ができるのでありまして、それによつて一般に周知するようにいたす次第でございます。
  16. 松本七郎

    松本委員長 よろしゆうございますか。それでは次に移ります。  第十三條 委員選挙に関する事務は、当該地方公共團体選挙管理委員会が、これを管理する。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十四條 都道縣委員会委員選挙と、地方委員会委員選挙とは、これを同時に行うことができる。     〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  18. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十五條 委員選挙は、市町村の議会議員選挙に関する選挙人名簿により、これを行う。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十六條 委員候補者は、選挙人推薦によるものでなければならない。  2 前項の推薦は、選挙人本人の承諾を得て、六十人以上の連署をもつて、その代表者から選挙長に届け出なければならない。
  20. 高津正道

    高津委員 推薦制度とつ理由と、それから六十人という数は、どういう理由できめたか、お伺いいたします。
  21. 辻田力

    辻田政府委員 教育委員会委員は、一般から國民代表者として、適当であると認められる人を、自分で立候補するというよりも、むしろ一般の人が、少くとも相当数の人が推薦をいたしまして、そこで出ていくという方が、教育委員会委員として適当であり、ふさわしいというふうな考えのもとに、推薦制度にしたのであります。これは一八條供託金を要しないというようなこととも関連いたしまして、教育委員会委員教育に從事するものであるということと、行政機関であるということの両方の立場から、推薦制度にいたしたのであります。  なお六十人につきましては、これは御承知の通り地方自治法の五十四條において、町村長の場合においては三十人以上の連署で届け出ることになつておりますが、この三十人では都道府縣等の場合において少きに失するというような考えのもとに、その倍数をとりまして六十人にいたしたのでございます。なお地方委員会におきましては、特にこの教育委員会性格から考えまして、これを都道府縣より少くする理由も見当りませんので、都道府縣地方委員会の場合を同樣にいたしまして、六十人以上ということにいたしたのでございます。
  22. 松本七郎

    松本委員長 他に御質疑ありませんか。
  23. 水谷昇

    水谷(昇)委員 この推薦はみずから立候補しようという者が、推薦してもらうよう人に衣頼するような方法とつた場合には、どうなるのですか。
  24. 辻田力

    辻田政府委員 もちろんそういう場合もあろうと思いまするが、趣旨といたしましては、一般推薦によつて人が出ていくということで、推薦制度にしたのでありますが、実際上にはそういう場合も起るかと思います。
  25. 水谷昇

    水谷(昇)委員 実際の場合にはそういうことが住々起ると思いますが、それで差支えはないのですか。
  26. 辻田力

    辻田政府委員 法規形式的條件といたしましては、六十二人以上の推薦がありましたならば、それでよいのでございます。
  27. 野老誠

    野老委員 六十人以上となつておりますが、都道府縣の場合と人口一万程度の所では、住民の数に非常に大きな開きがあるだろうと思う。その開きたるや実に厖大な開きであるにかかわらず、まつたく同一の六十人と押えた理由、それを説明願いたい。
  28. 辻田力

    辻田政府委員 お話通り人口によつて推薦者の数を適当にきめるということも、一方においては合理的だと思うのでありますが、教育委員会委員定数を定めます場合にも御説明申し上げたのでございますが、この委員会委員定数につきましても、人口の比率による比例制をとらなかつたのでございまして、先日も申し上げました通り、現在実施をしておる先進國状態等もよく調査いたし、またその運行状態長短もよく考慮いたしまして、この委員定数をきめたのでごでいますが、そういう考えのもとに推薦につきましても、六十人以上の推薦ということについては、百万の府縣においても、一万の町においても、その精神からいつて推薦制度とつたという精神からいたしまして、比例制にする必要はないといいますか、人口によつて必ずしもきめる必要はないというふうに考えておるのでございます。
  29. 野老誠

    野老委員 ただいまの御説明の中で、先進國のいろいろの例の比例制長短というようなものを御研究の上、こうなつたというようなお話でありますが、その先進國比例制長短というものについて、簡單に御説明願いたいと思います。
  30. 辻田力

    辻田政府委員 比例制長短と申しますか、人口に應じて何万以上は何人の委員定数によるというふうに、大体人口比例と申しますか、それによつていたしますると、最低限が大体きまつておりますので、人口が非常に多い所になりますと、委員の数が非常に多くなるのであります。その関係で、この委員会性格は、行政機関であるという性質からいいまして、非常に委員の数が多くなりますと、運営上支障を來すということになりますので、その点で一定の数に抑えることにいたしたのであります。
  31. 松本七郎

    松本委員長 他に御意見はありませんか。——では次に移ります。  第十七條 委員被選挙権を有する者は、同時に二つの教育委員会委員候補者となることができない。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十八條 委員候補者の届出には、供託金を要しない。
  33. 水谷昇

    水谷(昇)委員 この供託金を要しないということについて、どういうお考えでこういう規定をなさつたのか。私は、たとえば都道府縣のこの委員候補者でありますと、供託金が要らなければ、立候補者が非常に多くなつてくるのではないかということを心配するのであります。何となればこれは全府縣下でおりますから、供託金なしに賣名的な者がたくさん現われてくるというようなおそれであるのであります。そういうような考えの人は、衆議院議員選挙だとか、あるいは参議院議員選挙の予備に、そういうことをやつておこうといつたような考えをもつ者もあるようにも考えられるのであります。從つてそういう者を防ぐのには、供託金を相当とることにした方がいいと思うのでありますが、この点について御意見を伺います。
  34. 辻田力

    辻田政府委員 第十八條におきまして供託金を要しないということにいたしましたのは、第十六條において推薦制をとることにいたしましたことと相関連するのでございまして、金を供託することによつて候補者としての資格と申しますか、一定條件を備えるということよりも、むしろ教育委員会委員としては、一般推薦によつて、人的に信用ある人が候補者として立つということの方が適当であると考えましたので、十六條で推薦制とつたのであります。從つて八條では、供託金制度について、あるいはその裏づけが——自治法の方から申しますと供託金制度もありますので、その関係で疑問がもたれるというようなことがあつてはなりませんから、自治法との関係をも考慮して、ここに特別の例外を規定したわれでございます。
  35. 水谷昇

    水谷(昇)委員 推薦はまことに結構でありますが、この六十名の推薦というのは、一万以上の小さい都市においても、都道府縣においても、人数が六十名であつて、しかもその範囲が規定してありませんから、たとえば六十人といえば一あざでも六十人くらいの推薦者は得られるのであります。こういう点からいくと、都道府縣教育会員会委員推薦するにしても、その一部落だけで六十人の推薦者を得られることになりますから、それではだれでも立候補することができる。こういうことになると、ただいま申しましたように、立候補が非常に多くなるのではなかろうか。こういうことを心配するのでありますが、当局においては、そういうことを御心配になりませんか、御意見を伺います。
  36. 辻田力

    辻田政府委員 お話のようなことも、あるいは起ることがあろうかと存じますが、そういうたくさんの候補者が出た場合に、それに対して選挙人立場からどういうふうにされるであろうかということも考慮して、その場合には、やはり先ほど申しましたように、選挙運動に関する規定によつて氏名とが、経歴等を掲載した文書を発行し、また氏名等について一般に廣く掲載をするというようなことをいたしますので、選挙する人から見ますと、そういうことをよく研究じて、適当な人を選ぶのではなかろうかと思います。そこで必ずしも供託金制度を設けることは、この委員会委員選挙については、必要でないというふうに感ずるのでございます。
  37. 水谷昇

    水谷(昇)委員 候補者人物経歴宿をいろいろの方法によつて選挙民紹介をしてもらうということが、立候補者を多くすることになる。ただで廣告をしてもらうのでありますから、そういうことができると、非常にたくさんの立候補者ができてきて困つた問題になる。私はかように心配するのでありますが、その点御心配にはなりませんか。
  38. 辻田力

    辻田政府委員 委員会制度が布かれます当初におきましては、確かにそういうことも起るのではなかろうかという心配はあるのでございますが、だんだんこの委員会委員選定趣旨徹底いたしますと、そういうことについても候補者の側からも反省が起りましようし、また選挙をする人の方からもいろいろ反省が起つて、非常にたくさんの人が出てくるものとは考えないのであります。
  39. 水谷昇

    水谷(昇)委員 供託金を相当多額にとつても、衆議院あるいは参議院には立候補者が多いのでありますが、將來衆議院参議院に立候補しようと思う者は、そういうことになると絶好のチヤンスでありますから、非常にたくさんの立候補者が現われてくることと思うので、どうしてもこれを適当に防止しなければならぬと思います。私はどうしてもこれは供託金とつた方がいいと思うのでありますが、いずれ十分研究した上で修正意見を出したいと思います。
  40. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第十九條 教育委員会委員選挙においては、有効投票の最多数を得た者をもつて当選人とする。  2 当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長が、くじでこれを定める。
  41. 田淵実夫

    田淵委員 本條の第二項でありますが「当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長が、くじでこれを定める。」とあります。最近各種選挙を見ますと、得票同数であつた場合には、くじ当落を定めるというのがよく行われておるのでありますが、私は少くとも公の選挙は、できるだけ立候補者が納得するところの手を盡して当落をきめて、万策がないという場合に限つてくじのごときは行わなければならないと思います。もし、くじによつて不幸にして落選する者があるならば、おそらく当人は容易にあきらめがつかないであろうと思うのであります。そこに何らか本人あきらめをつけ得る理由というものが附されて、初めて当然は決定されなければならない。それが不可能な場合において、くじで行うことがなければならぬと思うのであります。從つて從來用いられましたところの、年長者をもつてきめるとか、あるいはその他のしかるべき順位によつてきめるということがなされなければならぬと思うのでありますが、その点当局の御見解を承りたいと思います。
  42. 辻田力

    辻田政府委員 ただいまお話になりました選挙については、候補者を定める場合に、当落をきめますときに、落選する人の十分納得するようになさなければならぬということにつきましては、まつたく御同感でございますが、第十九條におきましては、教育委員会選挙において同数となるような場合は、まれな例であろうと思いまするが、その場合に必ずしも年齡のみでこれを定めることについても、いろいろまた反対理由も成り立ち得るわれでございますので、種々考究の結果、結局くじで定めるのが最も妥当であるということに決したのでありまして、同数の場合にはくじということになつたのであります。
  43. 田淵実夫

    田淵委員 ただいまの御説明も一應納得される節もあるのでありますが、これは全都道府縣一区的な選挙である。從つて区域を狹く限つて選挙でないだけに、候補者当落ということが深刻な心理的影響をもつのでありまして、その点が考慮されなければならぬということと、おそらく数名の当選者を決定するのであるならば、同数であるというようなことはほとんどあり得ないだろうということは予想されるのでありますが、しかし法には法の建前というものがある。建前だけは確立しなければならぬということと、まれな場合にしかかようなことはあり得ないということとは、また別な問題ではないか、こういうふうにも考えられるのであります。殊に年齢順位によつて当落を定めるという從來の慣行があるのでありますが、この慣行といえども、落選者は十分納得し得るものではない。心理的にはそうではなかろうと思われるのでありますが、しかしこうした慣行は世界各國とも各種選挙において行われているものでありますがゆえに、この慣行であるということが、納得のいく一つの大きな理由となるのではないかと思うのであります。そのような普遍的に用いられたところの慣行というものが行われていて、それ以上出ないところの代案としての抽籖で定めるということが、なぜとつて代らなければならないかという理由を見出すに私は苦しむのであります。なお御感想があるならば、重ねてその点もう少し詳しく御説明を願いたいのであります。
  44. 岩木哲夫

    岩木政府委員 仰せはごもつともであるわけでありますが、しからば年齢順位当落を決するということにつきましても、同樣に種々の議論が生じ得ると考えるのであります。くじの場合におきましても、御見解のごとく議論も生ずるのでありますが、新しいこういつた制度による問題等を前後考慮いたしまして、はなはだ答弁は不十分でありますが、抽籖制度が、まだまだ議論のあるうちにでも、やや穏当なものがある、かような解釈結論なつたわけであります。
  45. 田淵実夫

    田淵委員 この点につきましては、はつきり当局と私との意見は対立するようでありますが、なお先輩諸君とも協議いたしまして、修正すべき案としてとり用いられるものがあるならば、その際修正案を出したいと思います。
  46. 松本七郎

    松本委員長 では次へ進みます。  第二十條 在任期間を異にする委員選挙を合併して行つた場合においては得票数の多い者から、在任期間の長い当選人を選ばなければならない。  2 得票数が同じである者のうち、任期の長短の定める必要がある場合には、選挙会において、選挙長が、くじでこれを定めなければならない。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十一條 当選人が当選を辞したとき、死亡者であるとき、又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第五十七條の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会開き当選人にならなかつた者のうち、得票数の最も多い者から順次に、当選人を定めなければならない。  2 地方自治法第六十二條第一項第五号から第七号までの事由若しくは欠員が、同法第六十條第一項の期限前に生じたときは、当選人にならなかつた者のうち、得票数の最も多い者から順次に、又はその期限経過後に生じた場合において、第十九條第二項の適用を受けた者があるときは、その者のうちから、選挙会開き当選人を定めなければならない。
  48. 黒岩重治

    ○黒岩委員 第二項の当選人にならなかつた者のうち、得票数の最も多い者から順次にというこの規定でありますが、かりに当選をしなかつた人々のうちで、得票数の著しく少い者だけが残つてつて、欠員が生じたからそれを順次繰上げるというような方法をとりました場合に、地方民の信頼のきわめて薄い人が、繰上つて委員になるというような弊が生じるおそれがありますが、その点についての制限の方法が何か考えられないのですか。
  49. 辻田力

    辻田政府委員 教育委員会委員公選規定は、原則といたしまして、地方自治法地方公共團体議会議員選挙に関する規定を準用しておるのでありますが、ここに特にこの法案の中に規定いたしました事項については、いわばその例外的な措置をする規定でございます。特にその例外的な規定を設けまするに至りました理由の一つといたしまして、あくまでも選挙主義を貫いて欠員等があつた場合にも、また再度補欠選挙をするようなことになりますと、非常に経費その他國民一般にも迷惑をかける場合も多くなるということが考えられまするので、どう申しますか、欠員の補充等のごときは、やむを得ない場合は、もちろん選挙によらなければなりませんが、そうでない場合にはある程度次点者をだんだん繰上げていく、繰上げ当選を認めていくというふうにいたしまして、選挙の回数を少くするということを主眼といたしまして、こういう規定を設けたのでございます。そこでただいまいろいろ御心配になりましたような事項は、ある場合には起つてくることも予想はされるのでございますが、その点につきましては、特別にこの法案の中に規定は設けておりません。
  50. 黒岩重治

    ○黒岩委員 たとえば有効投票数を定員数で除した何分の一に満たないものは、その繰上げの当選人にはなれないといつたような規定考える必要はないかということを重ねてお尋ねいたします。
  51. 辻田力

    辻田政府委員 有効投票とかいうようなこと、あるいはまた有効投票の何分の一を得た場合についてだけ、この規定を適用するというふうなことも、考えられないことはないのでありまするが、先ほど申しまするように、この委員会委員選挙につきましては、再選挙等はできるだけ少くしたいという考えのもとに、二十一條第二項の前段のような規定をつくることになつたのでございます。
  52. 松本七郎

    松本委員長 他に御異議ありませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十二條 在任期間を異にする委員選挙を合併して行つた場合において、普通地方公共團体議会議員選挙に関する地方自治法第五十八條規定の適用があるときは、選挙会において、選挙長くじでいずれの委員候者をもつて在任期間の長い委員当選人とするかを定めなければならない。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十三條 地方自治法第六十二條第一項第一号から第三号までに掲げる事由が生じた場合、又は同條第一項第四号から第七号までに掲げる事由若しくは欠員が、地方自治法第六十條第一項の期限前に生じた場合において、更に選挙を行わないで当選人を定めることができないときは、更に選挙を行う。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 松本七郎

    松本委員長 では次へ進みます。  第二十四條 地方自治法第六十二條第一項第四号から第七号までに掲げる事由若しくは欠員が、同法第六十條第一項の期限経過後に生じた場合において、当選人を定めることができないときは、教育委員会において、委員被選挙権を有する者のうちから、すみやかに補充委員を選任する。  2 補充委員の任期は、次の通常選挙の期日の前日までとし、その委員の任期終了による欠員については、次の通常選挙とあわせて補欠委員選挙を行う。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十五條 地方自治法第六十條第一項の期限経過後、議会において選挙された委員を除くすべての委員が欠けたときは、前條第一項の規定にかかわらず、補欠委員選挙を行う。  2 前項の事由が、次の通常選挙前六箇月以内に生じたときは、前項の規定にかかわらず、前條第一項の規定よる。
  57. 圓谷光衞

    圓谷委員 この規定は非常に詳しくできているのですが、前の普通公共團体の選挙法を適用するということで規定できないものでしようか、当局のお考えを伺いたい。こういう詳しいことを書いたら非常に煩瑣になると思うのですが。
  58. 辻田力

    辻田政府委員 できるだけ私たちといたしましては、この特例を設けずに、全般的に地方自治法選挙に関する規定が適用されることを期待しておるのでございますが、ただこの教育委員会委員定数が非常に少い。またそのために、たびたび補欠選挙をしなければならないというふうな、あるいは再選挙をしなければならないというふうな事柄が起りましては、非常に國民一般に迷惑をかけてまいりますので、そこでできるだけこの委員会選挙は万やむを得ない場合以外は、選挙数を少くしようとする方針でございましたので、それに基いて必要な規定を最小限度に規定したつもりでございますが、どうしてもこれだけの規定は必要になつてきますので、やむを得ないと思います。
  59. 圓谷光衞

    圓谷委員 わかりました。
  60. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十六條 第六條第三項の規定による委員が欠けたときは、議会は、すみやかに委員選挙しなければならない。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 松本七郎

    松本委員長 では次に移ります。  第二十七條 地方自治法第七十二條第一項に規定する都道府縣知事の選挙運動に関する規定は、委員選挙選挙運動に、同條第三項の規定は、都道縣委員会委員選挙に、これを準用する。但し、同條第一項で準用する衆議院議員選挙法(大正十四年法律第四十七号)第百四十條第四項中「都議会議員選挙管理委員又は道府縣議員選挙管理委員会」とあるのは、地方委員会委員選挙については、「当該地方公共團体選挙管理委員会」と読み替えるものとする。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第二十八條 委員選挙については、この法律又はこれに基く政令に別段の定がある場合を除いては、地方自治法に定める普通地方公共團体議会議員選挙に関する規定を準用する。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第二十九條 委員選挙権を有する者は、委員の解職の請求をすることができる。  2 前項の解職の請求に関しては、地方自治法に定める普通地方公共團体議会議員の解職の請求の例による。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第三十條 委員は、教育委員会の許可を得て辞職することができる。
  65. 松本七郎

    松本(七)委員 專門調査員の方からこれに対する修正意見が出ておるようですがちよつと御説明を願いたい。
  66. 宇野圓空

    ○宇野專門調査員 この三十條につきましては、本來單純に委員の辞職という意味合でその規定ができておつたのでありますが、前の二十三條その他とのいろいろな関連がありまして、私ども考えておるうちに、いろいろ文部当局意見を聽きましたところが、むしろ修正を要する箇所として指摘しておきましたように、 二、第三十條の見出し、「(委員の辞職)」を「(委員の辞職及び資格の決定)」に改め、同條を次のように改める。   委員の辞職及び資格の決定については、地方自治法第六章第八節の規定(第百二十六條但書の規定を除く。)を準用する。但し「普通地方公共團体議会」とあるのは「教育委員会」と、「議員」とあるのは「委員」と読み替えるものとする。 こういうふうにやつた方が適当であろうというようにおちつきました。なお、この内容等につきましては、文部当局の方からいろいろ方針を説明していただけば十分かと思いますが、こういうふうに改めた方がいいという当局の御意向をも汲んで、この一項を加えておいた次第でございます。
  67. 松本七郎

    松本委員長 これに対する文部省の御注意をお伺いいたします。
  68. 辻田力

    辻田政府委員 三十條の委員辞職の規定を拡張して、地方自治法第百二十六條以下にある資格の決定についての條文を必要とするのではないかという御注意であります。この辞職のことについては、地方自治法百二十六條に書いてある内容を、本法案の三十條に出してございますが、地方自治法百二十七條以下の規定については、別に本法案規定を設けてありませんので、その点は調査員のお話のようにしていただいた方が完璧になるのではないかと思います。至急研究してみたいと思います。
  69. 松本七郎

    松本委員長 次に移ります。  第三十一條 地方公共團体は、委員が職務を行うために要する費用を弁償しなければならない。但し、委員に報酬を支給しない。  2 費用弁償の額及びその支給方法は、当該地方公共團体の條例で、これを定なければならない。
  70. 圓谷光衞

    圓谷委員 委員の職務を行うために要する費用、これは実費弁償ですが、その額を地方公共團体の條例で定めるということになれば、これはその地方公共團体によつて非常にまちまちになると思うのですが、それでよろしいのですか。
  71. 辻田力

    辻田政府委員 その点は地方公共團体によつてまちまちになることはやむを得ないと思います。
  72. 圓谷光衞

    圓谷委員 まちまちになると非常に差がつくと思うのですが、大体の基準を定める意思はないのですか。
  73. 辻田力

    辻田政府委員 地方公共團体が独自の活動をなさる上において、その行政機関として教育委員会がありますので、その費用弁償等の額についても、原則として公共團体自身で定めるべきだと思います。ただ費用の額について、たとえば國会の議員の例によるのか、あるいは監察委員の例によるのかというふうなことについて、いろいろ異議があるようなことも起るかもしれませんが、そういうような場合においては、この委員会委員が特に報酬を支給しないという点から鑑みまして、大きい額をわれわれとしては希望しておるのであります。從つてそういうことにつきまして、地方公共團体の方から御相談等がありました場合には、もちろんそういうふうな方針で相談したいと思います。
  74. 圓谷光衞

    圓谷委員 これは市とか都道府縣の方には、あまり問題は起らないと思うのですが、私は地方の状況から見て、從來の例から見ますと、地方の小さい特別教育区等においては、その村によつては、たとえば從前村において年末賞與のごときものを支給する場合において、ある村においては十割も支給しても、一方においては無給酬の村もできたのであつて、これは実費弁償を結局無報酬でもよいという極端な委員会もできないとは予想できないのですが、そういう点についての何らの考慮を拂つておらないのですかどうですか、そこをお伺いしたいと思うのです。
  75. 辻田力

    辻田政府委員 三十一條の第一項によりまして、費用弁償は必ずしなければならないことになつておりますが、その額については、公共團体の條例によつて定めるということになつておりますので、從つて費用弁償を全然しないということは、法規に違反することになると思います。
  76. 黒岩重治

    ○黒岩委員 他の委員のごとき公職にある者には、歳費が支給されることになつておると思いますが、この教育委員会委員のごとき、非常に重い責任を負うて仕事をしなければならぬ者に、歳費の支給をしないということについての当局の御見解を承りたいと思います。費用弁償については、これは実費ということが基準になつておりますので、私はその点については格別の異論はございませんが、今初めにお尋ねしました点についてお答えを願いたいのであります。
  77. 辻田力

    辻田政府委員 お答え申し上げます。仰せのごとく、この教育委員会委員は非常な職責をもつておるのでありまして、そのために相当な労力を使わなければならぬことは当然でございます。しかるにもかかわらず、歳費その他報酬を全然支給しないということは、適当でないじやないかという御主張でございますが、その点は一面においては、まつたく同感なところもあるのでありますが、ただこの教育委員会委員一般の住民を代表しておりまして、しかもこれが行政官である。この場合においては、一般國民として、ある程度別に相当な生計の途を立てておりまして、それによつて自分の生活の主要な分を賄つておるような人が、おそらくこの委員会委員に選ばれることになるのじやないかと思うのでございます。先ほどお話の御趣旨は、まことにごもつともな点があるのでございますが、この委員会は今申しましたような趣旨からいたしまして、この際は報酬を支給しない。しかし費用弁償は必ずしなければならないということにしたのであります。なおこの委員会の設置してあります諸國の例を見ましても、委員に報酬を支給していない國、あるいはアメリカ等におきましては州が多いのでありまして、そういうふうな実例をも勘案して、三十一條のような規定なつたのであります。
  78. 黒岩重治

    ○黒岩委員 報酬を支給しないという理由としては、かような委員会を設置している世界各國の実例があるからということ以外に、今の御答弁には理由がないと思うのです。わが國の実情を考えますときに、この委員会は労働組合法による使用者としての責に任ずる立場にあります今日、教員組合が発足以來、その法に基きまして、使用者側に対する團体交渉なども頻繁に行われますし、また事態によりましては、ストライキをやつた実例もございます。今後ともそうした問題は頻繁に起るだろうと思います。そういたしますと、ほんとうに愛國的な熱情に燃えて、無報酬でもいい、教育のために身を捧げてやろうという聖人君子に近い委員があれば、いかなる難関に遭遇いたしましても、その職責のために忠実にやつてくれるだろうと思いますが、わが國の現状から考えますときに、さような篤志者がそうたくさんあろうとは思われません。現に地方自治体の長になります者は、相当の報酬を受けて自治のために盡しております。その自治に匹敵する教育行政を担当する責任者が、いわゆる奉仕的な立場において十分仕事ができるということを確信をもつて考えになれるかどうか。またいま一つは、裕福で、生活の資はほかに求められるような立場の人のみ、かような仕事ができるということになりますときに、そうなれば、資産のない、收入の途の乏しい人は委員にはなれないという大きな矛盾を生ずると思います。また一面無報酬の委員は責任を軽く考えるということが、今までの制度の上においてよく実例として考えられるのであります。從つて、この委員会がすべての仕事の実権を教育長以下事務局の者に任せてしまうような実情になりはせぬか。そういたしますと、地方教育長以下事務局のものは、委員会に名をかりて教育專制を行うという弊害が起りはしないか、つまり天皇の名をかりて東條軍閥のやつたと同じようなことを、この地方教育委員会の名をかりて、教育事務局において行うということが憂慮せられる点もあると思います。こうしたようなさまざまの欠陷につきましては、十分御考慮になつておと思いますが、その点につきまして詳細な御説明を願いたいと思います。
  79. 岩木哲夫

    岩木政府委員 お答えいたします。御指摘の御意見の点まことにごもつともでありまして、私どもの方におきましても、この第三十一條のこうした條文につきましては、ずいぶん議論し、かつ研究が重ねられたのであります。お説のようなぐあいに人格高潔、かつ教育に熱心なる士は、おおむねとは申しませんが、財政的清貧の方が多い。またそうしたような方において、まことに純眞なる教育行政の遂行ということが、國家的に欲求されるような事態から、この報酬を支給することができないというようなことにつきましては、まつたく同感をもつ点もあるのであります。ただしこの委員会が毎月一回定例の会議のほか、臨時的会議がありまするが、またある委員会においては、当面する諸問題があつて、常に連日また三日にあけず委員会を開催するような場合と、ほとんど一箇月一回ないしは二回ぐらいな会議で、あと事務局の事務長に一任しても差支えない程度の範囲の了解と施策が済めば、それでもなし得る月もあるので、そこはこうした諸種の事情を考慮、勘案いたしまして、文部省といたしましては当該地方公共團体の條例でこれをきめてほしいということを要望いたしておりまするが、その内容につきましては、特にその委員会に出席する実費弁償は、十分この報酬に相当するような額を念願いたしておるのであります。これを始めから報酬として毎月なんぼときめるというようなことにつきましては、非常に諸種の困難がありまして、結局この委員会開催の度合、程度等を考慮いたしまして、この実費弁償を十分歳費に相当いたすようなふうに、地方公共團体に、この機会に願つておく次第であります。以上で御了承を賜わりますれば、幸いでございます。
  80. 黒岩重治

    ○黒岩委員 御説明を願いまして御立場は了解いたしましたが、さような方法でやりますときには、教育長が教育行政の実権を握つて委員会はその諮問機関の性格になるというおそれがございますが、さようなおそれは当局はお考えにならないのですか。
  81. 岩木哲夫

    岩木政府委員 絶対にさようなことにはならないと思います。
  82. 久保猛夫

    久保委員 私は教育委員会委員には歳費をやるべきだ、こう考えるものであります。その理由としておよそ四つがあげられると思うのであります。第一に教育委員会の職務というものはきわめて重大であつて、しかもその仕事はまことに多忙であるのであります。月々例会が開かれ臨時の会議が開かれるということは、三十四條ないし三十五條で規定されておる。今日教育界にはきわめて問題が多いであろう。從つてこの例会というものが再々開かれるということも考えなければならぬ。この教育委員会の仕事の内容というものが、実に日本再建の基盤をなすところの大きな職責をもつておる。そういう立場から考えまして、     〔委員長退席、高津委員長代理着席〕 委員には歳費を與うべきである。なお相当額のものを出さねばならぬと思うものであります。  もう一つその次の理由としましては、今日は日本はほとんどの人が生活不安の実情にある。余裕をもつて生活しておるという人は、きわめて少いのであります。外國の例をとつて説明をなさいましたが、おそらくその外國というのは、戰爭前の、平時のいわゆる生活が安定した場合、しかもアメリカ等の裕福な國ではないかと思うのであります。それを今日の日本のこの窮迫して事態を認識せずに考えられたのでは、実に迷惑だと私は思うのであります。全然こういうことを考える基盤が私は違うので、そういうときに、はたして無報酬で、黒岩君が言われたように、聖人君子が得られるかどうか。  第三点はこの委員というものは、きわめて有能な適任者を得なければ目的を達することができないという立場にあり、なおまたその委員の活動、それは熱心に研究をし勉強してもらわなければならぬのであります。ただ單に実費弁償という、そういうことではいけない。自分の家にあるときも、あるいは教育法規を調べ、あるいは教育関係の、たとえば労働組合の関係もあります、そういう方面を調べ、あるいは教育内容も調べ、新時代の教育というものがどうあらねばならぬかということを、常に研究してもらわねばならぬ方なのであります。從つて教育委員というものは何も集まつたときだけが仕事ではなくして、特別の職務遂行に努力してもらわねばならぬ特別の委員であります。從つてそういうことを考えてみますときに、もし選ばれた方が相当りつぱな方でありましても、人間というものは、ものを見るときに、どうしても自分の人生経驗と現実の生活の窓から見ようとします。そういうことであつてはならないのであります。常に自分の人生の経驗なり現実の生活の窓から見、教育委員会にかれられた問題が、はたしておれの考え方で妥当であるかどうかということを、常に反省していかなければならぬものであり、現在の日本の過程はそういう時代なんである。從つて自分自身を修養し、常に研究していかなければならぬ立場に置かれておる委員でありまして、そういう場合に、まつたく無報酬で、ただ実費弁償で、なおそれが相当の額をもつて歳費に当るようなものを考慮しておるなどという話でありますが、そういうことができることであるかどうか。これは先ほど私がるる申し上げました通り、そういう委員会に出席し、そこで三時間が、四時間か委員会を開いておる間が、この人たちの任務ではないのであります。このことを考えねばなりません。     〔高津委員長代理退席、委員長着席〕  最後に第四点といたしまして、これも黒岩議員から話があつたのでありますが、この法案通りにしておきますと、私が今まで申しましたようなことは行われずに、ただ事務局任せになるおそれが多分にあるのであります。そうなつた場合には、今まで諸行政をやつてつたいわゆる内務系官僚、あるいはそれに似たような性格をもつて下についておつた官僚に代る事務局が、非常に強力なものとなつてくるおそれが、またここに多分に生ずるのであります。こうした四つの観点から、私はその委員なつた方には、歳費によつて一應の生活ができる程度の報酬を與うべきであると思うのであります。  なおここで思い出すことがあるのでありますが、かつて方面委員というのがありました。あれはまつたく宗教的な考え方、社会奉仕的な考え方からあつたものでありますが、終戰後に生活保護法ができたときに、民生委員として再出発したのであります。一昨年の議会委員会で、生活保護法が取上げられて、審議しますときにも、過去のそうした経驗からして、なお現実の社会不安からして、はたして民生委員が活動できるかどうか。そのためには相当額の報酬をやるべきであるという主張が圧倒的に強かつたのであります。そして政府原案の考えておつた民生委員の報酬、手当よりもずつと増額されて、今日実施されておる実情でありますが、民生委員教育委員とは比ぶべくもなく、とうてい比較にならないものであります。その民生委員にしてかくのごとき状態である。ましてやわれわれが希望し、期待するような教育委員会の満足な運営をしていこうとするならば、これに報酬を支給すべきである。実費弁償をあなた方がいかにお考えなつたとしても、これでうまくいくとは考えられないのであります。  私が今申しました四つの点、なお引合いに出しました民生委員の問題、これについてもし私が間違つておれば反駁してもらいたい。それからこういう点を考慮したのだと言われるのであれば、どういうふうに考慮していかれたか。それを前々から第九條なり、あるいはその他のところで私が質問をしたときも、また昨日委員会が閉じられますときにちよつと反省を求めておきましたように、満足できない答弁が多いのであります。私はあなた方を責めるとか何とかいう氣持ではなくして、率直にやつてくだされば、私たちは私たちとして、また委員会考えることがあるのであります。どうぞ誠意のある御答弁をお願いいたします。
  83. 岩木哲夫

    岩木政府委員 この問題につきましては御指摘のようなぐあいに、まつたくわれわれも同樣の感じを多々もつものがあるのでありまするが、重ねて申し上げる通り、この実費弁償は廣義の解釈で、報酬に相当するような考慮が望ましいという見解をもつてつたのであります。そこで実費弁償の内容につきましては、ただ会議に出席する費用であるとか、時間的な問題であるとか、あるいは車馬、交通費といつたような問題に限定しておらないつもりであります。仰せの通り、自宅におきましても諸種の研究をしなければならぬ、いろいろな視察もしなければならぬ、あるいは諸種の別個の会議もしなければならぬというようなものも、あげてこの実費弁償のわく内に入れ得るというような解釈をもつているのであります。
  84. 久保猛夫

    久保委員 わかりました。そこでそういう結論に達せられたというのであれば、こういうことをかつて関係方面折衝なさつたことはありませんか。日本の現実から考えて、この法案をほんとうに生かそうという考え方から、それではこれは都道府縣委員会に一應止めてしまうか。そうであれば委員の数もきわめて少く、從つて経費的もわずかで済む。相当の経費をやつたときに、こういうほかの観点から言つてもなお日本の実情にはそれがいいわけであります。そういう点を、それではこういうふうにしてはどうか、そういうことを御考慮になつたことがあるか。またそれを関係方面と強力に連絡されたことがあるかどうか。
  85. 辻田力

    辻田政府委員 第三十一條の問題につきましては、ただいま政務次官からお話がありましたような関係の事情がありまして、こういうふうな規定なつたのでありますが、そうなりまするまでの経過におきまして、その途中に都道府縣地方委員会とにおいて取扱いを異にするようなことについて折衝したことがあるか、またその他の委員会、たとえば監査委員とか、選挙管理委員、あるいは地方議会といつたようなことについても、説明したことがあるかというふうな御趣旨であつたと思いまするが、それにつきましては、われわれの方といたしましては、他の國内の事情についても種々説明はいたしたのでございます。
  86. 久保猛夫

    久保委員 辻田局長の答弁は、繰返して言いますが、われわれが質問したこととそれたことをあなたは言う。もつとよく聽いておつて、ほんとうに質問したことを答弁していただかないと困るのです。私が今二番目に聽いたことは、こういうことなんです。経費が非常に高くかかるということもあつたかもしれないと思いまして、関係方面意見として、都道府縣あるいは五大都市とか、八大都市とか、そういう経費をもつても大したことはないという程度のものだけに教育委員会をつくつて地方委員会などは全部やめてしまつてくれ。これはほかの観点からもそれがいいのですから、そういうことを折衝されたことがあるか、あるいは考慮されたことがあるかということを聽いておるのです。
  87. 辻田力

    辻田政府委員 御質問の要点に直接触れないような御答弁をいたしまして、はなはだ申訳ありません。ただいまのお話のようなことにつきましては、関係方面考え方では、最初におきましては、都道府縣委員会の権限はむしろ小さくいたしまして、地方委員会に権限を強くもたせるというような考え方で実は來ておつたのであります。從つて学校の設置を所管しまする範囲等につきましても、その点がやはり現われておりまして、たとえば高等学校の所管等につきましては、相当いきさつがございまして、必ずしも都道府縣等において新制高等学校を所管する必要はないではないかというような話まであつたことはあるのであります。從つてわれわれといたしましては、わが國の種々の実情を説明いたしまして——財政的にも、また教育的にも、いろいろな観点から説明して、その結果現在提案いたしておるようなところにおちついたのでございます。
  88. 田淵実夫

    田淵委員 委員に対する無報酬という規定でありますが、両委員の述べられたところに私は賛意を表するものであります。政務次官の御答弁では、実費弁償の場合、そこに余裕をもたせるとか、あるいはこの規定の運用上妙をもたせるとかいう意味でお答えになつたのでありますが、「費用弁償の額及びその支給方法は、当該地方公共團体の條例で、これを定めなければならない。」という一つの制約がある限り、はなはだこれは実際問題として疑わしいのではないかということが、まず案ぜられるのであります。  なお実際問題として起り得るであろうという一、二例をあげますならば、第九條において、現職教員及び教育職員の免許状を有する教員委員会の職員は、教員委員会委員の選浦挙権を有しないと限定してあるのであります。ところが実際は教員であつて教育行政に多大の関心をもつがゆえに、教職を退いて教員委員会選挙に立候補するという人、あるいは教員免許状を有する職員にして、教育委員会において活動した結果経驗と技術を得る。あるいは從つてそこから生ずるところの自負なり、技術なり、熱意なりをもつて立候補するというような人は、これはまれにあるというより往々あり、往々というより、むしろ再々こういうことは起り得るのではないかと思うのであります。そうした場合に、もし無報酬というこの三十一條の規定があるならば、そこに不都合が生ずる、つまり不当なる制約をこれに加えるものである。教育行政が教育と表裏一体をなすものであるならば、当然教育專門家が教育行政專門家としてここに登場することを考えなければならないと思うのであります。このように実際問題において、すでに不当なる制約を加えることになるのではないか、このように私は考えるのであります。從つてこの点前の委員会におきましても、細野政務次官の御答弁など、教育行政は他の行政よりは異なるものである、特殊なものであるというような立場から、委員には報酬を與えないことにしておるのであるというような答弁があつたのであります。もちろん教育行政はこれ以外の行政と異なる。しかしこのことは教育自体について見るならば、青を赤でないと言うのと同じことであつて、何らそこに無報酬であつてよろしいという回答にはなつておらないのであります。ただいまの政務次官並びに局長の御説明答弁によりまして、私が納得した点は、ただむずかしい他の方面との関係がある、そういつた点のみなのでありますが、このむずかいし点がはたしてどこまでむずかしいのかという点に至つては、まだ納得がいきかねるのであります。その点、私はこれ以上論議を重ねることも、時間の都合上どうかと思いますが、はつきり無報酬という規定は改正されなければならないという意見を表示しておきます。
  89. 松本七郎

    松本委員長 この問題はやはり相当大きい問題だと思いますので、修正案御提出の場合に譲つていただいて、次へ移つたらいかがかと思います。
  90. 松本七郎

    松本(七)委員 いずれ修正案のときに、十分申し上げなければならぬと思いますが、やはりこの際今まで数名の委員から言われたことに対して、補足の意味で、はつきり意見を申し上げておきたいと思います。政府の答弁で、政府としても非常に苦しい立場におられることは、われわれもよくわかります。しかし先方との折衝に、はたしてどの程度努力されたのか、その点については、われわれ大いに疑いをもつておるのでありますが、これは國会とは立場が違いますので、その苦しさは十分わかります。この上は國会みずからがそれを償うだけの努力をしていくよりほかなかろうと思います。そういう意味で政府に十分われわれの満足するだけの答弁を求めることはこれ以上いたしませんが、ただ今まで言われた議員意見に、私は全面的に賛成で、多少補足しておきたいと思うのは、やはりこの條文も非常に理想を追い過ぎておる。なるほど、われわれは先進民主主義の國の例にならつて、いいところをどんどんとつてかいなければならぬのでありますが、あまり日本の実情を無視し過ぎておる。アメリカのように非常に金をもうけた人々が、その金をもうけたということは自分だけの努力ではない、これは社会の恩によるものであるというような観念から、公共事業、特に教育方面には非常な努力をする。そういう人がたくさんおる所では、あるいはこういうことが考えられるかもわかりませんが、しかし現在日本でこういうことをやりますならば、第一に選挙公営ということが少しも徹底しておらない今日においては、選挙そのものに金が要る。しかも委員になつてくれば、委員としての仕事以外に、やはり何だかんだといつて費用を負担しなければならない。そういう状態で、無報酬でこれをやつていこうというようなことで、はたしてこの委員会がこの目的をよく達成するかどうかという点に大いに疑いが生じてくるのであります。この法律案では委員会に非常な責任と権限を與えておきながら、かんじんなところでこの委員会を骨拔きにしてしまう。そして先ほど久保さんは事務局の方に実権が移るという危險が絶対にないとは言われないといわれましたが、これによつてその危險をますます増大するということを私は確信いたします。なるほど実費弁償ということによつて運用の妙を得ればいいじやないかということも、解釈としてはできますが、はつきりと報酬を支給しないという規定を法文に入れている以上は、そういう運用上の解釈というものは、これは全然あてにならないものとしか考えられません。從いまして、この條項はむしろ十分な報酬を支給するという積極的な面に改正していかなければならないものと考えます。今まで教育の仕事というものは、教員学校にいる間だけを労働の時間と考え、あるいは教育ということが神聖な非常に高尚な仕事であるといいながら、実際の経済的な面では、それが少しも十分に行うだけの保障がされていないというような実情であつたことに鑑みまして、この点でこの教育界を実のあるものにするという意味で、絶対にこれは報酬を支給するように改めたいと考えるものであります。
  91. 黒岩重治

    ○黒岩委員 政府の御答弁は、報酬をやつてはならぬという理由を示しておりません。報酬は関係筋の考えもあつて出さないことにしたという意味の答弁しかないのであります。そうしたような自主性のないところのあやふやな答弁をしておきながら、政務次官は、この委員会が弱体であるために不当に事務局の実権が増して、そこに將來の禍いが生れる心配は断じてないと極言をしておる。自信のない制度をつくりながら自信のあるその断定を下すところにも私は矛盾があると思う。日本が敗戰國であることは、われわれも十分承知しております。そして教育の民主化が戰勝國からわれわれに義務として與えられておるということも存じております。またこの義務を果すことは、日本の將來のために幸福であるという喜びをもつておるわけであります。ところがその民主化の具体的方法に至りましては、まことに矛盾もはなはだしいところの方法を強いられておる。今日無報酬で働ける人間は、日本にはやみ屋よりほかにはありません。やみ屋もまた、持つた以上に金が欲しいということになれば喜んでやりますが、農村には昔からいわゆる素封家と称せられるところの生活の安定をした階級があつたのでありますが、農地改革法によりまして、この人たちの生活はまことに窮迫そのものであります。してみると、やみ利得者でなければ、こうしたような教育委員には出られないというような実情を、いま少し徹底的に関係筋へお話をするだけの熱意を、当局はもたねばならぬと私は思うのであります。いろいろの法案が続いて提出せられると思うのでありますが、もう少し文部省は文部省としての責任を完遂した上で、われわれに安心させてもらいたい。國家の実情をつぶさにお話をするということは、決して敗戰國の政府であるからといつて、向うに対して非礼ではない。そうして日本では民主化するには、いかにすれば最もぐあいよいよできるかというその制度をつくらなければならぬ。こうしたような観点から、われわれはわれわれの立場においても主張をいたしますが、今後とも政府はもう少ししつかりした態度で、礼儀というものと卑屈ということの区別をはつきり知つて、仕事をしていただきたいと思います。
  92. 高津正道

    高津委員 岩木政務次官辻田局長のお話を聽いておると、報酬はやるべきであるけれども、やれないから、運用の妙をもつて、旅費その他視察というような形式で、大体それに相当するようなものを出したい。こういうお話であるが、これは不健全な財政主義であると思われます。民主主義においては何のためにどれだけの経費が要つたというようなことを、はつきりして物事をガラス箱の中に入れて、どこからでも見えるようにすることが非常に大切だと思います。今日の時事新報を読んでみますと、問題の昭和電工が、いわゆる接待費などに使われるその他の経費というものが、他の会社に比べて非常に過大であることが判明した。去年の五月ごろからだんだんそれが膨脹して、去年の十二月には一千三百万円ほどになつておる。今の場合はいわゆる旅費、そういうようなものがほとんどその他の経費的な扱いの中に入れられるのでありますが、それだけの額を出したい自治團体の條例で、そういうように出せるように規定してもらうような考えでいるという政府のお考えであるようでありますが、それだけの経費を実際に出すのならば、そういう形で出さないで、正式にそれを歳費いくらときめて、そうしてその人々に義務をもつてもらうようにするのが、それが民主主義に適つたやり方であろう。あいまいな形でとにかくそれだけは出してやるというようなやり方は、不健全な財政方針である。このように私は考えることをこの際申し添えておきます。諸君の意見はもちろん私賛成です。
  93. 松本七郎

    松本委員長 先ほど申しましたように、本條はかなり重要な問題を含んでおりますので、後ほど修正案で提出願うということにいたしまして次へ移ります。  第三十二條 委員の宣誓、法令等に從う義務及び服務に関しては、別に地方公共團体の職員に関して規定する法律で、これを定める。 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 松本七郎

    松本委員長 それではやはり速記の関係でどうしても時間をこれ以上延ばすことができないのでありまして、本日の審議はこれで終りたいと思います。     午後零時二十一分散会