運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-06-23 第2回国会 衆議院 文教委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十三日(水曜日)     午後二時開議  出席委員    委員長 松本 淳造君    理事 水谷  昇君 理事 高津 正道君    理事 西山冨佐太君       柏原 義則君    圓谷 光衞君       冨田  照君    田淵 実夫君       野老  誠君    松尾 トシ君       松本 七郎君    伊藤 恭一君       久保 猛夫君    武田 キヨ君       米田 吉盛君    黒岩 重治君       平川 篤雄君    松本 眞一君       織田 正信君  出席政府委員         文部政務次官  細野三千雄君         文部政務次官  岩木 哲夫君         文部事務官   辻田  力君  委員外出席者         專門調査員   宇野 圓空君         專門調査員  横田重左衞門君     ————————————— 本日の会議に付した事件  公聽会開会に関する件  教育委員会法案内閣提出)(第一五二号)     —————————————
  2. 松本淳造

    松本委員長 それでは会議を開きます。  その前にちよつと御相談いたしたいことがありますので、速記を止めて……。     〔速記中止
  3. 松本淳造

    松本委員長 速記を始めてください。——教育委員会法案を議題といたします。  昨日の委員会におきまして、総括的な質問は大体終了したと存じますので、本日は逐條の審議に移りたいと存じます。  なおそれにつきまして、お手もとに、先ほど申し上げました関係筋の方の刷物と、それから「教育委員会法案修正を要する箇所」という表題についておる二枚続きの刷物がありますが、これについて一言申し上げておきたいと思います。  これは專門調査員におきまして一應調べました上で、こういう点が問題になるのではないかということについての資料として、提出したわけであります。表題は「修正を要する箇所」というように、何だか決定的な題になつておりますが、これは間違いでありまして、專門調査員資料として出したというわけでありますから、その点を御了承願いたいと存じます。なお逐條審議にあたりまして、これが問題になりますならば、その際專門調査員から御説明申し上げる、かように取扱いたいと思いますから、その点御了承願いたいと思います。  それでは條章審議に入ります。  教育委員会法第一章総則   第一條 この法律は、教育が不当な支配に服うることなく、國民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきであるという自覚のもとに、公正な民意により、地方実情に即した教育行政を行うために、教育委員会を設け、教育本來の目的を達成することを目的とする。  この点御審議を願います。御意見はありませんか。
  4. 織田正信

    織田委員 この前文部大臣から説明があつたのでありますが、「教育が不当な支配に服することなく」という点について、御質問申し上げたいと思います。この前の御答弁の中には、過去の不当な支配とは、一は内務官僚並びに軍部からであり、一は中央集権的文部行政官僚というものの支紀であるというような御説明がありましたが、内務官僚支配並びに軍部からの支配は除かれて、あと文部官僚からの支配のみが、今日残つておるという結論に達するのじやないかと思いますが、具体的にどういう点について不当な支配であるかという点について、御説明願いたいと思います。
  5. 辻田力

    辻田政府委員 文部省の方で不当な支配をしたかどうかという問題については、これはいろいろ人によつて意見の異るところであろうと思うのでありますが、地方実情をそれほど十分考慮せずに、画一的に行政を行つてつた傾向があるということは、從來教育行政の欠点ではなかつたかと思うのであります。その場合に、それが不当な支配であつたかどうかということについては、ここで私から不当な支配であつたと確言するのは、遠慮したいと思うのでありますが、そういう欠陷があつたということは、十分言い得るのではないかと思うのであります。
  6. 黒岩重治

    黒岩委員 この不当な支配ということにつきましては、過去においての反省をいたしますと、いろいろの事実が出てくるだろうと思いますが、われわれがこの審議をいたします建前としては、將來における不当な支配、排除するということを考えて、決定をしていきたいと思います。そこで將來予想される不当な支配というものは、どんなものがあるかということについて、当局の御見解を承りたいと思います。
  7. 辻田力

    辻田政府委員 將來のことにつきまして、いろいろ予想して申し上げることもいかがと思いますが、われわれとしては、この第一條目的は「教育が不当な支配に服することなく、」という意味の、この教育というのは、教育者あるいは教育を受ける者、あるいは教育内容教育行政をする者、それら全部を含めて、そういうものが不当な外部からの支配を受けることなくいきたいということであります。但し、教育独善陷つてはいけないのでありまして、そのために教育國民全体に対して直接に責任を負つてもらうべきものであるという考えのもとに外部からの不当な支配も排除すると同時に、また教育内部だけの独善陷つてはならない、そういう自覚のもとに教育行政をなさなければならぬということであります。それで將來不当支配がどういうふうなものであるかということについては、具体的に申し上げるのはちよつとどうかと思います。たとえば將來それも官僚の弊とか、あるいはまた一党一派の不当な支配というふうなことがあつてはならないというふうに考えるのであります。
  8. 黒岩重治

    黒岩委員 この第一條の最後の方の「教育本來の目的を達成することを目的とする」とある。これに対する先日の質問に應じての当局の御答弁は、教育の本來の目的を規定したものは、教育基本法であるということを、明確になさつたのでありますから、この「教育が不当な支配に服することなく、」という「不当な支配」は、教育基本法をゆがめるような他の勢力支配をせられない、こういうふうに了解してよろしいか。この点についての御意見を伺いたい。
  9. 辻田力

    辻田政府委員 さように存ずるものであります。
  10. 水谷昇

    水谷(昇)委員 ただいま局長の御答弁で「教育が不当な支配に服することなく」という、この「不当な支配」ということについては、具体的にはなはだ言いにくいようでありますが、私は國民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである、こういう文句で「教育が不当な支配な服することなく」という、この句は除いて差支えないと思います。除いた方がよいと思います。
  11. 松本七郎

    松本(七)委員 この「不当な支配」ということについては、いろいろ御意見もあると思いますが、やはりこれは從來明治維新以來文部省教育というものが、軍國主義國家主義に基いて國策の具に供しておられたということが、私は一番大きな点ではなかろうかと思う。從つて將來でもこの教育基本法に基いた教育が行われ、どこまでもこれを守つていくならば、教育國策の具に供されるということを除かなければならぬ、その意味でもしそういう意味が含まれているとすれば、私はこの「不当な支配に服することなく、」ということが重要な意味があると思うので、これはどうしても入れておかなければならぬと思うのですが、そういう意味と解釈して差支えございませんか。
  12. 辻田力

    辻田政府委員 ただいまお話にありましたよう関係のことも、含まれていると思います。
  13. 水谷昇

    水谷(昇)委員 文部当局のこの句を抜くことについての御意見一つ……。
  14. 辻田力

    辻田政府委員 文部省としましては、この「第一條教育が不当な支配に」以下「自覚のもとに」までは、これは教育基本法にある文章であります。そしてこの教育基本法根本精神のもとに、この法律は実施されなければなりませんので、文部省としましては、「不当な支配に服することなく、」ということは、ぜひ入れておきたいと存ずるのであります。
  15. 伊藤恭一

    伊藤(恭)委員 これはやはり松本委員の言われたごとくに、從來教育は、実に不当な圧迫を受けたことが非常に多いのであります。そういうことから言いましても、教育基本法にも、個人基本的人権の尊重、個人の完成というようなことがはつきりしてありますから、そういうよう意味のもとに、やはり不当な支配に彈圧せられることのないように、この「不当な支配に服することなく、」という文句は、私は入れておいた方がいいと思います。
  16. 田淵実夫

    田淵委員 私はこの文句は必要だと思う。殊にこの原條に当つてみますと、これは逐條審議ならば八十一條にわたつたときに申し述べるのがいいのかとも思いますが、連関がありますから、ここでも申し述べておきます。八十一條におきましては「昭和二十三年十月五日に都道府縣の教育局部の長及びその職員並びに市の教育に関する事務主管の長の地位にある者及びその職員は、それぞれ現にある級及び現に受ける号俸に相当する給料をもつて都道府縣又は市の教育委員会教育長又は事務局職員に、任用されたものとみなす。」こう規定されているのであります。私は教育が不当な支配に服さなければならぬと予想されるよう危險性が、八十一條の中にすでに見てとれると思う。教育委員会が成立いたしまして、これが教育長を選挙すべきであるのであります。從つて教育委員会が成立してならば、教育長はすぐにもこれを選ぶことができるのであります。しかるに越えて二十四年三月三十一日までは縣の部長あるいは課長その他の教育行政担当責任者が、代つて教育長の任務を遂行する。何ゆえにこういう必要があるか。もし最初にできた教育委員会において、そうした從來縣関係にあつた職員がかりにも教育長の代行をなすというようなことがあるならば、これは古い観念と古い勢力とを、公正な民意によつて地方実情に即した教育行政を行わなければならぬところの教育委員会というものを、ゆがめてはならない、そういう断定はできませんけれども、そういう危險性も見られるということであります。これはほんの一例でありますが、各條にわたつて見ますならば、そこここにそうした不当な支配に服さなければならないのではないかと思われるよう危險性というものが見られるのであります。從つて各條との関係におきましても、この「不当な支配な服することなく」という言葉は、單に大所高所から言うばかりでなく、他の條文との関係においても残さなければならぬ、このように私は考えるのであります。
  17. 圓谷光衞

    圓谷委員 私はこの「教育が不当な支配に服することなく」という文句は、これは削除したいと思うのです。意見を述べてもいいですか。
  18. 松本淳造

    松本委員長 この取扱いは一應逐條審議をして、討論あとにしたらと思いますが、いかがでしようか。
  19. 田淵実夫

    田淵委員 討論をやらなかつた逐條審議にならぬと思う。從つてそこは委員長の采配よろしきを得て、緩急の裁きをつけていただくよりほかはないと思う。
  20. 圓谷光衞

    圓谷委員 この法案教育民主化のために永遠に生きる法案であつて教育が不当の支配を受けておつたので、こういうことをなくするためにできた法案であつて、つまり過去の事実として教育が不当の支配を受けておつたということを、文部大臣辻田局長はつきりこれを言つておりますがここで過去の事実が教育が不当な支配を受けておつたから、今後こういうことをなくするためにという文章は、法文として入れることは妥当ではないと思うのであります。すつきりした、もう少しこの法律國民全体に対して直接に責任を負つて行わるべきであるということでなければならぬと思う。過去の事実であつたものを、またも過去の不当な支配を受けるであろうというようなことをこの法文の中に入れておくということは、ほんとう精神が生きてこないと思う。またこういう残滓を残しておくことは、私は法文としては賛成できません。これがあるために、またも不当な支配教育長や何かから受けるのではないかというよう観念をもたせることは、法文としては非常に掣肘を受けることで、この法文は私は削除してもらいたいと思う。
  21. 伊藤恭一

    伊藤(恭)委員 今の円谷委員の話によると、今までは不当な圧迫を受けておつたけれども、これからはないという意味でありますけれども、われわれは今後もこういうことはあると思います。同時に教権の確立という意味からいいましても、やはり不当な支配に服することがないということを入れるのが当然であると思います。
  22. 黒岩重治

    黒岩委員 私もこの字句を残すことに賛成であります。それがために先ほど政府の方へお尋ねをしたところ、教育基本法精神をゆがめるところの支配的な力が加わることがあつた場合には、それを断固として排除しなければならぬという趣旨のもとに入れられた字句であるということが、はつきりいたしましたので、残すベきだという考えをもつております。
  23. 圓谷光衞

    圓谷委員 この法律案がしからば不当な支配をとるために起案されたという観念が起るではないか。教育目的基本法目的を達成するという意味であつて、不当な支配を受けておつたから、不当な支配をなくするためにこの法文ができたという観念はいかがであるか。この文章がなくても、この法律ができれば、委員会の運営その他においてこういうことが除去されると私は思う。こういう文章を入れることは好ましくないと思う。
  24. 高津正道

    高津委員 この文案をよく見ると、「教育が不当な支配に服することなく、國民全体に対し直接に責任を負つて行わるベきである」ということが書いてある。この國民全体に対して責任を負うことがよいことで、妙な表現だが、それで一部の不当な支配に服するということは悪いことなんだ。だからそれを明らかにしてあると思う。ぼくはこのままでよいと思う。それからこの文句文部省の填意をまだはつきり聽いていないが、過去に不当な支配があつたということは、軍閥からもあり、内務官僚からもあり、それからいろいろな支配があつたということは、將來にもこれは及ぶという解釈が十分できる言葉だから、それはやはり明記してあつた方が、この法律としては非常にぼくは適当だろうと思うが、將來をも含む言葉ですか。私はさように解釈しておるのですが。
  25. 辻田力

    辻田政府委員 さようでございます。
  26. 松本七郎

    松本(七)委員 圓谷さんの御意見はごもつともだと思います。われわれとしてもこういう言葉をこの法案において使わないで済むことが望ましいと思いますけれども、過去にそういう不当な支配があつたということと、法律はやはり何といつてもただ理想的であるばかりでなく、時代の反映なんですから、日本の今の教育基本法にしても、まだできたばかりで、これから実がはいつてほんとう民主主義体制が確立されなければならぬ、そういう過程にある。また將來不当支配が行われる危險は十分あると考えなければなりません。それを除き去るためにも、どうしてもこういう言葉をうたつておくということは、今の段階としては必要であるということを一つ御了解を願いたいと思うのであります。
  27. 松本淳造

    松本委員長 ほかに御意見はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 松本淳造

    松本委員長 では問題になりました不当な支配の問題につきましては、後ほどどうしても削れという御意見でありますならば、修正案を出していただくということにいたしまして、次に移ります。  第二條 教育委員会の組織、権限及び職務は、この法律の定めるところによる。  これは御異議がありませんか。
  29. 松本淳造

    松本委員長 第三條 教育委員会は、都道縣並びに市(特別区を含む。以下同じ。)人口一万以上の町村及び特別教育区にこれを設置する。  2 この法律で「都道縣委員会」とは、都道府縣に設置する教育委員会を、「地方委員会」とは、市、人口一万以上の町村及び特別教育区に設置する教育委員会をいう。  3 第一項に規定する人口一万以上の町村は、官報で最近に公示せられた人口に從い、政令で、これを告示する。
  30. 圓谷光衞

    圓谷委員 人口一万以上の町村に設置するという問題について、昨日文部当局に向つて、いかなる根拠によつて一万と規定したかという問題について、質問を発しておいたのでありますが、その方はお答えがなかつたのです。一万と規定した根拠について、あらためて御答弁願つて、それから審議したいと思います。
  31. 辻田力

    辻田政府委員 人口一万以上の町村に区切りました理由につきましては、理論的根拠はつきり申し上げることはできないと思います。大体人口一万以上の町村であれば、独立いたしまして学校を経営し、または教育内容を充実するのに適当であるという、大づかみのところできめたのであります。
  32. 圓谷光衞

    圓谷委員 人口官報によつて告示せられた人口從つて一万以上というものを決定するということになれば、九千九百九十一人という場合の村は、設置できないわけになりますか。
  33. 辻田力

    辻田政府委員 さようでございます。なお人口一万以上の町村官報で告示いたしまして、その都度明らかにしたいと思います。
  34. 黒岩重治

    黒岩委員 人口一万以上の町村が設置するという根拠は、きわめて薄弱であると存じます。私はこれに対しては反対の意見をもつておりますが、地域が狹くなればなるほど、教育行政面において大きな支障があるということは、過去の事実によつて明らかであると思います。たとえば教育の更迭を考えますときでも、このわく内に括られましたところの教員が、他の委員会へ轉出をするということは、相当困難性を伴うものであると思います。またかりに山間部の特に不便な地域の、人口一万以上といつたような村におきまして、適当な教員を迎えなければらなぬという場合にも、相当困難性が伴うのであります。また第一條の不当な支配という意味から考えまして、大体小地域においての支配勢力というものは、日本の現状におきましては、いわゆる土地の顔役というものが絶対的な支配力をもつております。してみると、多分に不当な支配というものが、はつきりした形によつて現われなくても、日々の教員生活面相当に強く反映してくると思います。由來今までの教育者が氣力に乏しくて、ときには土地有力者のごきげんをもつてまわらなければ、その地位が保たれなかつたという実例もたくさんにあるのであります。かような事実から、教員というものの性格そのものが陰性であつて純正面に欠けたところの、教育者として望ましからざる傾向すら日本教育者の中には生れてきております。こういうよう観点から考えますときに、人口一万の町村には原則として一つ委員会を置かねばならぬといつたような法は、私ははなはだ不適当な規定であると考えるのでございますが、この点について当局の先ほどの御答弁以上に、しつかりした、われわれを納得させ得るところの理由を申し述べていただきたいと思います。
  35. 岩木哲夫

    岩木政府委員 人口一万以上の町村に限る点につきましては、実は文部省内におきましても、当初非常な議論があつたのであります。なるべく特別教育区というような煩瑣な区を少くしたいというよう観点等も考慮いたしまして、お説のような点につきましてはごもつともな点もあるわけでありますが、諸般の事情より、やむを得ず一万以上ということにとりきめざるを得ないことに立ち至つた事情を御了承を願いたいと思います。
  36. 黒岩重治

    黒岩委員 含みのある御答弁でございまして、それを追及することはどうかと思いますけれども、私は特別教育区というようなものができることは、煩瑣になるというよう意味には、感じかねるのであります。それならば、何ゆえ都道府縣の教育委員会市町村教育委員会との二本建にしないか。そうしましたならば、これよりも一層簡潔な表現をもつて委員会名称考えることができると思います。なお市町村というような大ざつぱな名称でありましても、その内容としては、ここに盛られておりますような実際の委員会の構成がなし得ると思います。たとえば附則が、先の方にあげておりますところの市と、人口一万以下の町村とが特別教育区をつくつたり、それからまた一万以上の町村と一万以下の町村とが連合して一つ教育区をつくる、こういうことも可能であるわけでありますから、むしろ相当人口を多く包含した区域において、連合体教育区をつくることができるよう方法を主として考え法案にこれを改める御意思はないでしようか。その辺なお文部省の御意見を伺いたいと思います。
  37. 岩木哲夫

    岩木政府委員 特別教育区の設定につきましては、お説のような点が多々あるのでありますが、ただ連合区を多く設定いたしますことは、これらの歳入歳出その他経済上のこうした予算審議決議地方議会に止めなければならぬという建前等から考慮いたしますれば、多くの連合体地区設定いたしますことは、決議を得る上におきましても、また学校運営上におきましても、相当なんぎな点が多く発見されるのではないかというような点から、できる限り特別教育区の設置範囲を縮小して、少数の村におきまして、ごくなじみの深い隣接町村等が、これらの話合いを進めて運営することが望ましい、できるだけ特別教育区の範囲を小範囲にいたしたいということから、かよう方法をとつたわけであります。
  38. 黒岩重治

    黒岩委員 予算措置において煩瑣なという意味連合体教育区は、なるべく縮小したいという御意図のようでありますが、この予算措置の流通的な問題は、きわめて簡單に解決がつくと思います。それはその区内に所属いたしますところの町村に適当な負担率をきめておけば、その率に應じてその予算案をつくることもできれば、またそれに対して各町村議会審議にあたりましても、事教育に関する限りの予算は、最低の動かすべからざるところの基準をきめておけば、その点においても大きな支障はないと考えますが、その支術面において今の煩瑣なということを解消する方法があることについては、どういうお考えをもつておりますか。
  39. 岩木哲夫

    岩木政府委員 文部省といたしましては、御指摘の点は実は逆に考えておりまして、予算編成、あるいは地方議会決議、あるいは通学区域設定等につきましても、いろいろ学校設置場所、あるいは將來中学校高等学校をこうした小さい委員会の所管に移した場合についてのいろいろな点から考慮いたしますれば、予算編成決議のことが一番心配な点でありまして、むしろ負担率を公正に割り当てるというようなことは、あるいは例といたしましては、もとよりあり得ることだと思いますが、実は予算の方面におきましては、私の方では逆の心配をもつておるような次第であります。
  40. 黒岩重治

    黒岩委員 この点につきましては、私個人としましても、私の党としても意見がございますので、しかるべき時期に修正案を提出いたしたいと思います。
  41. 水谷昇

    水谷(昇)委員 この特別区問題につきましては、ここに一万以上と規定してありますが、この点について経費の問題を私が質問をして、まだその具体的な標準をお示しいただいていないのであります。一万程度、あるいは五万程度、あるいは十万程度のそれぞれの経費を比較対照いたしまして、その経費の上から考慮する必要があると思いますから、それをお示し願つた上で意見を発表したいと思います。——ただいまここに配付していただいてあるようでありますから、これをよく見せていただいた上で、あらためて質問いたします。
  42. 圓谷光衞

    圓谷委員 一万以上の町村特別区域をつくるということの根拠は、きわめて薄弱なように承つたのであります。先ほど黒岩君からの意見もあつたようですが、教育目的を達成するための委員会であるとするならば、数をもつて限定する。しかも内閣官報に公示せられた人口によつて限定するというようなことは、きわめて非民主的のやり方だと私は思います。この一万以上と決定し、特別教育地区が数箇村集まつて一万以上に達するということが、すこぶるがんになつておりますので、地方町村長やその他からの陳情がこれに集中しておる状況であります。これはまつた根拠のない案で、大体一万程度がよかろうというようお話ようでありまするが、さきほど黒岩君の言つたように、私の党においても相談いたしまして、この点について後に修正をいたす考えでおります。もしまた文部省において、一万以上にやることが最もよいという明確な御意見があるならば、聽かせていただきたいと思います。
  43. 平川篤雄

    平川委員 総体的の質問のときにお伺いしたのはその点なのでございますが、特別教育区の設置準則というようなものをもし出される意向があるならば、その大体をお知らせ願いたいと言つたところが、それについての御答弁がなかつたのであります。私はそれが出ざる限り、この特別教育区は五十万になろうと百万になろうと、最高限をきめてないのでありますから、差支えないものと一應考えたのでありますが、しかしできたあとで設置基準なるものが文部省から出て、一万ないし二万程度でなくてはならぬとかいうようなことがあとから附け加えられては非常に困るからと思つて、その点をこの前総体質問のときにお願いしたのです。そこのところをもう一度はつきりさせておいていただきたいと思います。
  44. 辻田力

    辻田政府委員 特別教育区を設定いたします場合に、最低の人口については制限がございますが、それ以上については、一應この規定としてはないのでございます。ただ規定としてないから、百万でも二百万でもよいかということになるわけでありますが、しかしその点は地方実情とか、通学区域関係とかいろいろな事情を考慮いたしまして、適当に住民の都合のよいように、またこの特別教育区を経営していくのに便利なようにきめていかなければならぬ。そこにおのずから自然に最高の制限といつたようなものがあるのじやないかと思います。しかしこれをもし一般に徹底いたしますために、解説等を書く場合がありましても、文部省は基準をつくつてそれを押しつけようという考えはありません。
  45. 平川篤雄

    平川委員 政府には全然さような意思は、將來もございませんね。われわれおつしやることはよくわかるのでありますが、その地方実情というのは、財政的にも通学区の問題とかいろいろな点で、あるわけであります。それで地方民の意思によれば、幾万の特別教育区ができないとも限らない。その際にかような点を考慮して、やはりこのくらいのものだろうという点があとから出てくるようなことになれば、われわれはこれをこのまま通すわけにはいかぬのです。ですからその腹をきめる意味におきまして、もう一度、くどいようですけれども、將來もさようなことを政府としてお出しになることはないかどうか、はつきりと御答弁願いたいと思います。
  46. 辻田力

    辻田政府委員 特別教育区の設定については、この法案にもありますように、府縣委員会できめることになつておるのであります。その府縣委員会がきめる場合におきましては、関係町村とよく相談してきめることになつております。そこでいろいろ相談等がありました場合に、政府の方において、あるいはそれについて助言をするようなことがあるだろうと思いますが、しかしさきに申した通り、一定の基準をつくつてそれを無理に押しつけるようなことはいたさないつもりであります。
  47. 松本淳造

    松本委員長 ほかにございませんか。
  48. 水谷昇

    水谷(昇)委員 この御配付いただきました経費の表を見ますと、人口一万のものの標準が示してない、経費が書いてないのでありますから、はつきり言えないのでありますが、大体人口三万のものと人口十万のものと経費は同じであります。そこでこれを人口一人あたりに割つて見ますと、三万と十万の違いでありますから、人口三万のものは十万のものに比べて三倍になるということになります。こういう点から考えると、特別区の人口を少くすることが経費が非常に多くかかることになりますから、こういうことも考えなければならぬ。私どもはもつと十分研究いたしまして、この点を修正したいと考えております。
  49. 久保猛夫

    ○久保委員 前々からの第三條のところが問題になつておりますが、この案をつくられますとき、大体これは調査局の局長さんがいつもおいでであるので、調査局が中心になつてつくられたのであろうと私は思うのですが、地方教育行政について、実際経験があり、あるいはそういう経験者からどういう清見を徴されたのであるか、文部省の中の全國の地方行政について明るい人が具体的な資料を求めてつくられたのか、まつたくそういうことはされなかつたか、その点をお聽きしたいと思います。
  50. 辻田力

    辻田政府委員 この法案が國会にかかりました最初の日に、大臣から法案の提案理由として経験を説明されましたその際に、大綱についてはお話があつたのであります。アメリカの教育使節團の報告だとか、あるいはまた教育刷新委員会の建設とか、あるいはまた教育基本法精神、また関係方面の助言といつたようなものを基本としまして、それをもととしてつくつたのでありまするが、しかしその事務は調査局の方で一應中心にして進めてきたのであります。この法案をつくるにあたりましては、関係官廳等とも、もちろん相談いたしまするし、また実際それぞれの縣について、あるいは埼玉縣、富山縣、京都府というような方面で具体的に実際行われた場合に、どういうふうになるかということまで、それぞれの縣当局とも十分連絡いたしまして、そういうことも考慮してつくられた次第であります。
  51. 久保猛夫

    ○久保委員 今一府二縣について実際意見を徴したということでありますが、私はおそらく京都であれ、あるいは埼玉であれ、こうした都道府縣の委員会地方委員会特別教育区の委員会、こういうものをつくつて、それで大体よかろうという意見はなかつたと思いますが、そういう点があつたかどうか、もう一應お伺いいたします。
  52. 辻田力

    辻田政府委員 いろいろな相談のときに、いろいろの意見がありましたが、つくるとすればこういうことになるというわけで、相談があつたわけであります。教育の民主化のため、こういうふうなものをつくり上げることになると、こういうふうな方法が一番よいじやないかというわけで相談があつたわけでありますが、しかし若干そういうよう意見があることは、もちろんございました。
  53. 久保猛夫

    ○久保委員 今のつくるとすればこういうころが、という「こういう」という意味はここにあなた方がつくられている原案のようなものを指すのですか。
  54. 辻田力

    辻田政府委員 なおただいま一府二縣について申しましたが、地方教育部長会議等も開きまして、実際に地方行政の衝に当つております教育部長あたりの意見も徴しまして、そういうふうな意見で適当と思われる分につきましては、この法案にも反映しているわけであります。ただいま大体こういうふうなところと申しましたのは、これはもちろん相談の点において、たとえば、京都と富山等ではそれぞれ事情が違いますので、そこで大都会としての議論とか、あるいはそうでない地方というようなことで、いろいろ意見がありました。そうしてそれらについてとるべきものはとつたわけでございます。
  55. 久保猛夫

    ○久保委員 どうもはつきりしないのですが、それでは今一府二縣から資料をとられた、意見を求められたということですが、それがまだ残つているとすれば見せてもらえますか。
  56. 岩木哲夫

    岩木政府委員 この問題につきましては、先ほど來局長からいろいろ言つておりますが、要は都道府縣の知事なり、市長なり、町長なり、村長が從來主宰しておつた教育行政教育事務というものを、不当にゆがめられることなく、任意に教育委員会というものが運営の衝に代るという建前等から、元來教育委員会の設置地域都道府縣一本を理想とする考え相当各方面に強かつたのであります。しかし今申し上げます通り、知事なり、市長なり、町村長等から教育行政教育事務というものを、あげて教育委員会に以譲するという、民主的な組織替の建前からいたしますれば、結局都道府縣を一円とする建前か、できる限り村長、町長、そういう地方公共團体を一地域として、経営上、通学上、便利な方法で設置するか、この二つの方法よりないのでありまして、都道府縣一円か、小なりといえども公共團体單位にこしらえるか、この二つの方法以外の中間的な教育委員会の設置ということは理論上あり得ない。しかしながら一万以下の町村におきましては、学校経営上、財政上、非常に困難な点も考慮されるから、せいぜい一万くらいのものを標準として、かつ財政的な方面から見ましても、あるいは通学的な方面から見ましても、一万以下の小さい町村においては、やむを得ず特別教育区という連合組織によつてやらざるを得ないというような大体の意見に結着いたしたのであります。もとより御指摘の一万なるものの論拠につきましては、依然として御意見の点はよく拜聽いたしておりまするし、承知をいたしておりまするが、各般の事情から余儀なくこうした事情になつたことを御了承願いたいと思います。
  57. 久保猛夫

    ○久保委員 私がさつきから聽いておりますることは、実際この教育行政の実態は、失礼ですけれども、とても文部省の方は知られぬと思います。地方行政の実際ということは、とてもあなた方は知られぬと思います。私どもから考えてみますと、こういうことが実際行われることになりますと、るる昨日まで各委員からも具体的な意見なども出たのでありますが、実際上困難であつて、行われないとわれわれは結論として思う。そこで実際の衝に当つておる一府二縣から意見を求められたというのであれば、その意見がどういうものが來ているか、これはどうしてもお聽きしたい。もしそれがこういうものでよいと——先ほども局長さんは言葉を獨されてはつきり言われぬようでありますが、こういうものだというのは、この案でよいという向うの意見であるとするならば、それでは少くとも私は知事なり、市長なり、これもまた知らない容務系の官僚考えたことであつて、実際こういうことに苦労し、実際こういう実体を知つている者は、こういうことが実際行われたとしたならば、教育行政自身が困難であつて、とてもできることではありません。これは具体的に申しますと、おわかりかもしれませんけれども、これは黒岩委員そのほかからも出たことで、私は申さぬのでありますけれども、とうていできるはずはないものだと思うのであります。そこで聽いておりますのは、そういう所からきた意見というのはどういうものであつたか。もしはつきり御記憶がなければ、向うから提出されたところの一府二縣のその意見を見せていただけるかどうか、それを聽いておきたいと思います。
  58. 辻田力

    辻田政府委員 一府二縣の問題でありますが、これはこちらから人が出向きまして、いろいろと実態調査をいたしたのであります。文書によつて質問してとつたという性質のものではないのであります。從つてその文書を見せろということにつきましては、今のとことは、事実調べてきた結果だけがわかつておるのであります。
  59. 久保猛夫

    ○久保委員 実態調査をしに行つた意見を聽きに行つたのなら、大臣なり局長なりに復命したその復命書があるはずですが……。
  60. 辻田力

    辻田政府委員 それは一々復命をいたしますが、口頭でやる場合が相当あるのであります。向うから報告してきたいろいろな町村資料、あるいはまた府縣から報告してきた資料というものはございますが、口頭で受けた場合が多いのでありまして、全部文書になつておるわけではございません。なお教育部長会議といつたような方面からは文書によつて意見が出てきておるものがあります。
  61. 久保猛夫

    ○久保委員 教育部長会議の結果、その意見はおよそどういうものですか。
  62. 辻田力

    辻田政府委員 教育部長会議におきましての意見内容でございますが、教育部長会議におきましては、五つの事項につきまして意見が出ているわけであります。その中に、地方教育委員会の設置の範囲についての意見が出ております。その内容を申し上げますと、人口一万以上の町村及び人口一万以下の町村にあつては、数町村を合する区域にこれを設置せんとする模樣でありますけれども、それにつきましては、町村委員会を設置するのは適当でないということが出ておるわけであります。
  63. 久保猛夫

    ○久保委員 どうもはつきりしたようでいて、私頭が悪いのかわからないのであります。都道府縣に委員会を措置するのが妥当だ、そうして町村は妥当でない。それなら市ではどうですか。
  64. 辻田力

    辻田政府委員 都道府縣と市及び特別区に措置されるものはいいが、町村委員会を措置するのは適当でないということであります。
  65. 水谷昇

    水谷(昇)委員 久保君の質問に対する政府委員の御答弁は、諸種の事情によつて一万という標準がきまつたように伺つたのでありますが、御配付をいただきました経費の表でありますが、先ほども申し上げましたように、人口三万のもので経費が年間五十八万七千三百七十円、人口十万のものでもやはり五十八万七千三百七十円であります。そこでこの構成のメンバーを見ますと、二級官が二人、三級官が二人、雇が一人計五人となつております。そういたしますと、人口一万の所でもやはり五人くらいはどうしても置かなければならぬ。そういたしますと、経費はやはり年間五十八万七千三百七十円となるのでありますが、一万の人口の所と、人口十万の所と比較いたしまして経費考えてみますと、一万の所は一人当り人口十万の所の経費の十倍かかるということになるのであります。この点について、経費の点からお考えになつて、一万以上ときめるということが妥当であるかどうかという御意見をひとつお伺いしたいのであります。
  66. 辻田力

    辻田政府委員 お手もとにお配りいたしてあります市の教育委員会事務局に要する経費概算年間費計上というものについて御説明申し上げます、これは説明がここに書いてありませんので、誤解を抱かれるだろうと思うのでありますが、ここに書いてありますのは、現在のものの上に新しく委員会を設置いたしますために、こういうふうな人々が必要になるということでありまして、人口三万のものと人口十万のものが同じであるという意味ではないのであります。これは新しく必要とするものが人口三万と十万の市におきましてはこういうふうな計算になる。それから人口が三万であるというのはこれは三十万の間違いでありますが、人口三十万のもの、五十万のものにつきましては、それぞれ新しくこれだけの人が必要となつてくるという意味でございます。從つて從來までにおきまして、すでに三万と十万との市におきましてはそれぞれ規模が変つておりまするので、それを一緒に合致いたしまするところの相当の差異が出てくると思います。
  67. 水谷昇

    水谷(昇)委員 それにしても、人口一万の所でも、新たにこの五人はどうしても必要だと思いますから、やはり五十八万七千三百七十円というものは新規に要るということになります。そうすれば、人口一人当りに割り当てますと、人口が少いと相当経費がかさむということになる。この点から、人口一万にするということは考えものだと私は思います。この点について御意見を伺いたいと思います。     〔速記中止
  68. 松本淳造

    松本委員長 速記を始めて下さい。
  69. 松本七郎

    松本(七)委員 先ほど平川委員より質疑打切りの動議が出ましたが、この問題は最も重要な問題でありまして、私はただいまの久保委員の御意見に全面的に賛成であります。この問題はもつて徹底的に審議してもらいたいと思います。そこで委員会を小さい市町村にまでもつくるということは、なるほど理論としては理想的なものであります。しかし要は、いい教育を行うための形を整備するのですから、形ばかりできても、その目的が達せられない危險があるということを十分反省してみる必要がある。先ほど黒岩さんもおつしやいましたように、細分した場合に、地方のボスにこれが歪曲される危險が多分にある。また現在の地方の、財政状態からいつて、六・三制でさえも、これを実施するに四苦八苦しているときに、この委員会経費負担ということになつてまいりますと、相当混乱が予想されるのであります。そういうことを考えますと、なるほど理論から言えば、民主主議の建前から、これを地方に委讓していくということが根本原則にもなりましようけれども、実情から考えれば、せめて都道府縣、あるいは五大都市ぐらいに止めたらどうかという意見が当然常識として、日本の國情を知つている者なら出てくるだろうと思います。その点をどの程度考慮されるか、詳細に承りたかつたのですが、さいわい今政庁次官のお話によつて、そういうことが全然考えられなかつたわけではなく、むしろ考えたが、いろいろな事情でこういう原案を出すことになつたという事情がわかりました。また政府のその間の御苦心のほどは十分察せられます。日本実情というものを納得いくまで説明することがいかに困難であるかは、よくわかるのであります。しかし、ただここに重要な問題は、現在國民一般がガラス箱にはいつたような明るい政治を期待している。そのときにどうも納得のいかないような過程で自分たちの強く熱望していることが通らない結果に、いつの間にか終るというようなことを続けていると、將來議会政治というものに対する非常な不信の芽生えを現在つくることになるのではないか。これはどうしても政府の折衝、政府の努力だけに任せておくわけにまいりません。今後は國会みずからが國民に対する責任をとつて相当な努力をしなければなるまいと思います。そういう意味で久保さんの言われたように、今まで政府の努力してきた内容を詳細に知つて、その上でこれから國会が活動しなければならないと考えるわけであります。それについては政府のとられた努力の内容を詳細承つた上で、こちらも準備してかかる必要があると思います。なおこの法案はこの問題の主要点として非常に重用でありますし、他の條項とも関連することが非常に多うございますので、党としても十分審議を重ねなければならぬので、私としては一應審議を留保して、後にまたやつていただくということにしていただきたいと思います。
  70. 田淵実夫

    田淵委員 この法案審議いたしますについて、微妙な関係があるので、政務次官にお尋ねしたいのでありますが、この法律は七月一日には是が非でもこれを施行しなければならぬという意味のことをおつしやつたのでありますが、過般文部大臣は、七月一日と書いてあるのは、作成する過程においてそういうことになつたのだから、必ずしもそれにこだわる要はないというようなことを、明らかにこの委員会でおつしやつたのであります。一体どれが正しいのでありましようか承りたいのであります。
  71. 岩木哲夫

    岩木政府委員 お答えいたしますが、関係方面から、九月には指導官が日本へ來られるということを言われておりまして、そうしたよう関係から、ぜひ七月一日に本法を施行すべき旨の御意見があつたのであります。但し本法案につきましては國会の権威におきまして御審議賜りました結果によりまして、文部省といたしましては國会の御方針を十分考慮して、國会が直接先方へ交渉されるか文部省が当るか、國会の審議の結果によりましては、文部省といたしましては絶対的なことを主張するわけではないのであります。しかし元來こうした條文法案を提出すべき時期等については、関係方面の強い御趣旨に從つてつた次第でありますので、その点御了承願いたいと思います。
  72. 松本淳造

    松本委員長 ちよつと速記を止めて。     〔速記中止
  73. 松本淳造

    松本委員長 では次に移ります。  第四條 教育委員会は、從來都道府縣若しくは都道府縣知事又は市町村若しくは市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の権限に属する教育、学術及び文化(教育という。以下同じ。)に関する事務、並びに將來法律又は政令により当該地方公共團体及び教育委員会の権限に属すべき教育事務を管理し、及び執行する。  2 大学及び私立学校は、法律に別段の定がある場合を除いては、教育委員会の所管に属しない。
  74. 高津正道

    高津委員 第四條は自治体及び自治体の首長の手にあつた教育行政教育事務の権限を、地方委員会の手に奪うというか、與える規定だと思いますが、文部省從來都道府縣及び市町村都道府縣知事及び市町村長、それに全部権限を與えておつたわけではなしに、直接にもつてつたものがありはしないだろうか。もしあるとするならば、その権限を地方委員会に移すというのが、元來法案精神であろうと思うのであります。それで文部省の権限を移すということはちつとも現われないで都道府縣、市町村及びその長にあつた権限を移すことだけをうたつてあるが、その点第一條法案の趣旨が十分第四條に現われていないようなことはないのであるか、これが第一の質問です。
  75. 岩木哲夫

    岩木政府委員 從來文部大臣がもつておりました権限のことにつきましては、後刻御審議を賜わるでありましようが、五十四條の第一項並びに第二項に申し上げてあります文部大臣從來つてつた指揮、監督権が特別の定めがある場合のほかは全部なくなることになりまして、教育委員会に委讓する次第であります。
  76. 高津正道

    高津委員 五十四條によれば文部大臣は所轄区域教育に関する年報その他必要な報告書を地方委員会をして提出させるということ。それだけが残つてあとは全部ないということになるのですか。
  77. 辻田力

    辻田政府委員 第四條の「將來法律又は法令により」とあります「將來」の中には、この委員会法自身も含んでおるのでありまして、ただいま御説明がありました五十四條の第二項によりまして、法律に別段の定めがある場合には権限がありますが、それ以外のものは文部大臣といたしましては委員会に対して指揮監督をしてはならないということになります。そこでそれぞれの法律によりまして、たとえば教科書のことにつきましては教科書に関する法律によつて文部大臣の権限が定まるのでありまして、それ以外のことは全部地方に委讓されるということになります。
  78. 高津正道

    高津委員 自治團体及び自治團体の首長のもつてつた教育、学術及び文化に関する事務でありますが、自治團体の中には特別教育区のように非常に小さいものがあり、その中に研究所とか実驗所というものがある場合が、都会の周辺においてはあろうと思います。そういう研究所や実驗所という高度なものを、大都会ならば教育委員会相当しつかりしておるでありましようが、一万とか一万以下とかいう小区域まで学術に関する事務などを扱わせていいという法案になつておりますが、その点は政府はどのようにお考えでしようか。なお学術に関する事務という「学術」は例示的に言えばどういうものでしようか。
  79. 辻田力

    辻田政府委員 第四條に規定いたしました教育、学術及び文化の内容でありますが、特に学術については、例を申し上げますと、学校教育、社会教育のうち、学問、藝術、技術の面からとらえた立場を考えておるのでありまして、研究所とか試驗所の設置、あるいはこれらを通じての学術の奨励、援助という事項があります場合に、それを含めておるのでありまして、もちろんただいまお話がありましたように、小さな所では、この事項はない所もありましよう。またある場所もでき得ることでありますので書いたのであります。
  80. 高津正道

    高津委員 教育委員会区域の大きい場合は構わないのですが、非常に小さい場合に、研究所や試驗所がその区域内にあつて、それを奨励するということをやろうといつても見当がつかないのではあるまいかと思うのです。その点に私は大きな法案の不備があると思いますが、政府はどのようにお考えでしようか。
  81. 辻田力

    辻田政府委員 小さな地域におきまして試驗所あるいは研究所まで入れるのはどうかという御質問でありますが、小さな地域におきましても、そういうことができないようになつては困るので、社会教育とかあるいは学校教育を学術の面からながめた場合は、大なり小なりやはり学術的な事務もあるのではないかと思うのであります。從つて必ずしも研究所あるいは試驗所という具体的な施設だけを考えておるのではありません。そういう場合ももちろんありまするが、そのほかに学校教育、社会教育を特にこの面から見て必要な施設等もこの中に入れたのであります。
  82. 高津正道

    高津委員 教育に関する研究所とかあるいは小さい研究所のような場合は私理解し得るのでありますが、家賃の関係や敷金のとれない関係で大きな都会の隣りの村にある場合があろうと思うのです。すなわちそういう村にはそういうものを扱う能力はないように思うのですが、この点はどうなるのですか。
  83. 岩木哲夫

    岩木政府委員 この点につきましては第五十條の第三号に、地方委員会に対しましては技術的、專門的な助言と指導を與えることを府縣の委員会がなし得る制度になつておりますので、御指摘のような点につきましては、こうした方法によりまして、都道府縣の委員会がそういつた方面の実際的な技術的、專門的な助言指導を與えるようなことにしたらどうかと考えております。
  84. 高津正道

    高津委員 一應了承いたしました。  次に文化に関する事務をお聽きするのですが、学問的な定義ということでなしに、例示的にあげれば文化というものはどのようなものを指しておるのでしようか。
  85. 辻田力

    辻田政府委員 文化についての事務の例示でありますが、博物館、図書館の施設とか、あるいは天然記然物の保存、管理、あるいはまた展覧会、陳列会等の実施による文化活動その他一般社会通念上文化活動と考えられるものにつきまして、激励をしたり援助をしたりする事務もこの中にはいつております。
  86. 高津正道

    高津委員 映画、演劇というものははいつておるのですか。
  87. 辻田力

    辻田政府委員 もちろん文化の中には映画、演劇もはいつておりましようが、それが都道府縣とか市町村とかいつた地方公共團体において取扱われる事務の範囲にはいつてきたときに、初めてここの問題になると思います。
  88. 高津正道

    高津委員 今までそういうものを許可したりなどをすることを、いわゆる自治体の首長あるいは自治体の役場それ自体がやつてつたのですが、いわゆる教育委員会事務局ができて、そこがそれを許可したり不許可にしたりするという権限をもつことになるのであるか、そういう意味でもないのですか。
  89. 辻田力

    辻田政府委員 映画、演劇につきましては、現在においては取締関係という法規については別に考えられません。ただ警察関係として特別の規定があるわけでありますが、文化関係においては認可とか許可とかいうものは現在はなくなつております。
  90. 高津正道

    高津委員 それでは第二項に大学及び私立学校教育委員会の所管に属しないことにしてありますが、大学及び私立学校については、政府は別にこの教育委員会法とマツチするよう法案を出す用意をもつておられるのであるかどうか。もしもつておられるならば、その内容の輪郭を聽かせていただきたい、これが第二点です。
  91. 岩木哲夫

    岩木政府委員 御指摘の点につきましては、別個に大学及び私立学校に関する法律案を目下立案かつ先方と折衝中に属しております。なるべく本委員会法の趣旨とはなはだしく背馳しないよう考え方をもつて、なおかつこれらの関係團体等の御意見等も斟酌いたしまして、目下折衝中にあるのであります。
  92. 松本淳造

    松本委員長 ちよつと私からお尋ねしたいのですが、文化の下に「(教育という。以下同じ。)」となつておりますが、これはどういう意味ですか。文化を教育と言うのですか、どういう解釈ですか。
  93. 辻田力

    辻田政府委員 これは「教育、学術及び文化」を一々次に繰返すことは、非常に煩雜になりまするので、「教育」という文字によつて、次にあります「教育事務を管理し、」という場合には、教育、学術及び文化に関する事務を管理するという意味であります。
  94. 松本淳造

    松本委員長 わかりました。他に御質問ありませんか。
  95. 松本眞一

    松本(眞)委員 第二項の大学には、縣立大学を含んでおりますか。
  96. 辻田力

    辻田政府委員 縣立大学も含んでおります。
  97. 松本眞一

    松本(眞)委員 それからたとえば縣立の今までの高等女学校、あるいはお茶の水の附属小学校というものですが、これは新しい制度で、もしこれが学藝あるいは教育大学というようなものになつたときには、やはり附属の小学校も、それと同じよう教育委員会には属しないということになりますか。
  98. 辻田力

    辻田政府委員 國立の学校につきましては、委員会の所管外でございます。
  99. 松本淳造

    松本委員長 他に御質問ありませんか。それでは次に移ります。  第五條 教育委員会に要する経費は当該地方公共團体の負担とする。 について……。
  100. 圓谷光衞

    圓谷委員 第五條の「教育委員会に要する経費は、当該地方公共團体の負担とする。」これが一番問題になるのでありますが、昨日細野政務次官のお話では、委員会法案ができても、地方の負担はあまりに殖えないで、できるだろうというお話があつたのであります。しかもその教育委員会の役職員に対しては、政府においても義務教育職員のごとく、國庫あるいは地方費において半額ぐらいの費用が出るであろうというようなお答えがあつたのですが、ここにははつきりと、「地方公共團体の負担とする」という規定がある以上は、昨日の細野政務次官の話をわれわれは信じていいのか、あるいは文部省でそういうような処置をとるのか、ちよつと昨日私はそう聽いたのですが、これはいかがでしようか。
  101. 辻田力

    辻田政府委員 第五條は教育委員会自体と、教育委員会内部を構成しまする事務局に必要とする経費を全部包含いたしまして、その経費は当該地方公共團体の負担とするということでありまして、從つて委員会委員に要する経費地方公共團体の負担となるのでございます。ただ新しく負担が増加いたしまするので、財源につきまして地方分與税等の操作によつて、中央の方から財源を流していくそうして特別御迷惑のかからないように、できるだけ少くするという趣旨でお話になつたのではないかと思いますが、建前として大体今申しましたような趣旨でございます。
  102. 圓谷光衞

    圓谷委員 そういう趣旨でお話になつたかもしれませんが、それでは、責任のある答弁とは考えられません。いやしくも政務次官が文部大臣の代理としてここに答弁される以上は、何かの根拠があつて、この費用について経費を負担されるということを、われわれははつきりと認識しなければならないのです。それについてはただでたらめに、ここでその経費はあまりかからないであろうと考えておるということを申されたのでは、私どもこれを審議する上に非常に困るわけです。その点を政務次官からはつきりとお答えを願いたい。地方分與税か何かで流すということを辻田局長がおつしやつたのですが、そういうことは答弁にならぬと思います。
  103. 岩木哲夫

    岩木政府委員 教育委員会に要しまする経費とは、大体地方教育委員会に関しまする選挙費用、それから事務費、委員の実費弁償等であります。この金額が軽いか重いかは別ものでありますが、從來におきましても、それぞれ教育事務に関しましての経費は、町村地方公共團体の経費として計上し、かつ消費しておりますので、教育委員会といたしましては、その上特に余分に要るものは、選挙費用と委員の実費弁償等の問題であろうと思います。これはそう大したものではないというような感覚で、細野次官が申し上げたと思う次第であります。その点御了承を願います。
  104. 圓谷光衞

    圓谷委員 岩木政務次官のお答えは、まことに地方事情を知らない御答弁だと思うのですが、現在義務教育を実施しておる市町村経費には小学校、中学校の経営費その他俸給以外のものは、今計上してあります。これは変りありません。今度新しくできまする教育公務員法によつて任命される役職員、これには相当経費がかかるのであります。その点を文部省においては負担軽減のために、義務教育の方のごとく半分くらいの経費をそれに出すというよう考えておられるかどうか。そこを私は聽いておるのです。その考えがあるかどうか、これは相当の費用がかかりますから、地方の地区に、たくさん細かくつくりたくないというのが地方の輿論なのです。
  105. 岩木哲夫

    岩木政府委員 ただいまの御指摘の点は、現在といたしましては國費で負担いたしますよう方法考えられておりませんが、実際におきましては地方自治関係方面と折衡いたしまして、なるべくこうした経費は分與税その他におきまして、軽減いたしまするようなぐあいに、あるいはその方面に幾分でもまわし得るようなぐあいにいたしたいと考えて、当局と折衡中でございます。建前といたしましては、國費は現在これに充当しない考えをもつておるわけであります。
  106. 圓谷光衞

    圓谷委員 その額については細野政府次官のおつしやつたように、この役職員の俸給の半額ぐらいを出すというお考えですか。
  107. 岩木哲夫

    岩木政府委員 それは現在半額というところまでまだ具体的に考えておりませんが、なるべくそういうようなぐあいに進んでまいりたいと考えておるわけであります。なお折衡途中に属しているのであります。
  108. 平川篤雄

    平川委員 ただいまのところは、前に文部大臣にお尋ねしましたら、ある程度國庫負担をするということで、その具体的な数字をお示し願いたいということをお願いしたところが、結局國費としては、この委員会法実施の、運営の準備金と講習費と、それだけを現在考えておるというような御答弁つたのですが、それで間違いございませんでしようか。
  109. 岩木哲夫

    岩木政府委員 考えておるという言葉で、私非常に失礼いたしましたが、大体折衡中でありまして、先に私の方から申し上げることは失礼でありますから遠慮いたしておるのですが、大体御了承は願つておるものと承知をいたしておるのであります。それは從來府縣市町村教育事務に関する経費がかかつておりまする上に、こういう教育委員会の制度によつて余分にかかるというような部面だけをを先ほど申し上げましたように、地方自治團体の方面において負担をしていただくため、分與税その他で考慮していただくように折衡は進んでおるわけでありますが、まだ発表の具体的な措置は、私の方からは差控えておる次第であります。
  110. 平川篤雄

    平川委員 C・——・Eの修正意見を先ほどいただいたのでありますが、「第五條中「教育委員会経費学校の建物設備に要する費用につき、國庫から都道府縣教育委員会地方教育委員会に対し補助金を與えることができる。」と規定する。」とあります。「学校の建物設備に要する費用」ということが書いてあると、これは少し根性の悪い考え方かもしれませんが、職員の給與などは補助をしないということになるんじやないかという疑いがある。この点を一つ質問をいたしたいと思います。  次に都道府縣教育委員会地方教育委員会に補助金が國庫から出ることになると、一体どうなるのでしようか。この教育委員会はそういう補助を與えられるような主体になるのでしようか。私の考えでは地方公共團体が予算についての権限をもつておると思うのですが、この場合はどうなるか御説明願いたいのであります。
  111. 辻田力

    辻田政府委員 司令部の案につきましては私たちの方で批評することはできませんが、委員会が補助ができるかということにつきましては、補助の主体としてできると考えるのであります。
  112. 平川篤雄

    平川委員 そうすると、その場合には学校の建物設備に関する國庫からの費用は、全部教育委員会が自由にやつてもいいわけですね。そういうことまで含むわけですか。そうなればたいへん結構と思いますが、その辺のところをはつきりさしていただきたいと思います。
  113. 辻田力

    辻田政府委員 実はC・——・Eの修正意見は本日先ほどいただいたのでございますが、これはむしろ昨日お話に相なつた方から伺つていただきたいと思います。
  114. 松本淳造

    松本委員長 速記を中止して。     〔速記中止
  115. 松本淳造

  116. 辻田力

    辻田政府委員 都道府縣の委員会に補助金を與えることができるということにして、府縣の知事に関してでなく、國庫から直接委員会自身に対して補助金を與えるというふうにすることは、法制上できるのではないかと思つておるのであります。
  117. 黒岩重治

    黒岩委員 委員会へ直接行くのですか、知事を経由しなくて……。
  118. 辻田力

    辻田政府委員 知事を経由せずに直接國庫から府縣の委員会にできるというふうに、私どもは解釈しておるのであります。
  119. 黒岩重治

    黒岩委員 そうすると委員会がつくる見積書というものには、この補助金のことは一切関係ないのですね。
  120. 辻田力

    辻田政府委員 先ほどちよつと御質問の要旨を取り違えて失礼いたしました。國庫から直接教育委員会に補助金を與えることができるのでありますが、手続といたしましては、府縣知事を通じて遠道府縣の委員会に行くということになろうと思います。委員会において受けた補助金を出納長、あるいは收入役を通じて交付うる、こういう順序になつておるのであります。
  121. 久保猛夫

    ○久保委員 総司令部の修正意見もここに出ておつて、それがまだよくわからないのでありますから、五條の審議は一應留保しておいてはどうだろうと思うのですが。
  122. 松本七郎

    松本(七)委員 留保することには賛成ですが、この修正意見については、やはり今すぐ問題になりはしないかと思われるような点は、一應政府委員に質しておきたいと思います。手続その他は今後研究して見なければわかりませんが、かりに國庫から相当な費用を補助できるということになれば、非常にこれは結構なことだと思うのです。しかしそういうことになりますと、結局地方財政法といろいろな関係が出てきはしないか。せつかくそういう規定を設けても、用立ちにくいものになつて地方財政法によつて思うようなこてができないというおそれはございませんか、その点をひとつ伺いたい。
  123. 辻田力

    辻田政府委員 この問題は地方財政法とこれとの関係もありますので、こういうふうに概括的に一般的にそれを規定する場合に、地方財政法との関連においてどういうふうな扱いになるか、その点は研究してみなければならぬと思つておるのであります。從つてただいまいわゆる修正意見を拜見したのでありますが、十分研究してみたいと思つております。
  124. 平川篤雄

    平川委員 とにかくこの修正意見の中には、第四項など重大問題に触れておるのではないかというような氣もいたしますし、とにかくこれをはつきりさせることが先決問題だと思うのです。どうでしよう、これを明らかにしていただいてから進めなければだめじやないかというような氣がするのです。新制高等学校の移管の問題などどういう腹かこれではわからない。
  125. 松本七郎

    松本(七)委員 修正意見について折衝をやつてからということになりますと、たいへん時間も要すると思います。結局これは逐條審議をしながら修正意見を加味して、向うの眞意を確かめる必要があれば、その都度やりながら、こちらはこちらでやはり自主的にどんどん進めていくという基本的な態度をはつきりとつていただきたいと思います。
  126. 松本淳造

    松本委員長 文部当局ちよつとお伺いしますが、この修正意見從來の交渉の過程でこれはやはり出ておりましたが、どうでしようか。
  127. 辻田力

    辻田政府委員 從來の交渉過程の中に出たものもございますし、出ないものもあろうと思います。それで私たちとしては、交渉過程のうちに速急に研究してみたいと思つております。
  128. 松本淳造

    松本委員長 それではどういたしましようか。修正意見だけについての問題を先にやると、進行が非常に遅れますので、委員会は、法案逐條審議をやるということにして、修正意見の方は調べつつ進めるというふうにしたらどうですか。
  129. 平川篤雄

    平川委員 私はそういう意味で言つたのじやない。これを先に調べてもらいたいという意味で、文部省が御研究になつて向うさんの腹がはつきりわかるのでつたらそれで結構だと思うのです。委員会を問題にするときはよいのですが、すぐこれにかかつていただきたいという意味でありまして、決してこれを今から逐條審議せいというのではないのです。
  130. 松本淳造

    松本委員長 了承しました。それではまだいろいろ御質疑があると思いますけれども、本日はかなり長い時間を経過いたしておりますので、本日はこれで質疑を終りたいと思います。明日は午前十時からこの部屋で委員会を開きます。  なお公聽会を開くことについて委員諸君の御賛成を得たのでありますが、公聽会を開くには、衆議院規則第七十七條により、公聽会開会承認要求書を議長のもとまで提出いたさねばならぬのでありますが、この要求書を提出いたすのに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 松本淳造

    松本委員長 それではさようにいたします。なおこの要求書の内容についてお諮りいたしますが、  一、公聽会を開こうとする議案 教育委員会法案  一、意見を聽こうとする問題 教育委員会法案について といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 松本淳造

    松本委員長 それではさよう決定いたします。なお議長よりの承認を得ましたならば、公聽会開会報告書の提出や公告等の手続が必要でありますが、これらの件につきましては委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 松本淳造

    松本委員長 それではさよう決定いたします。  本日はこれで散会いたします。     午後四時四十二分散会