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1948-03-20 第2回国会 衆議院 文教委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月二十日(土曜日)     午前十一時六分開議  出席委員    委員長代理 理事 高津 正道君    理事 西山冨佐太君       松本 七郎君    伊藤 恭一君       押川 定秋君    久保 猛夫君       五坪 茂雄君    米田 吉盛君       近藤 鶴代君    坂田 道太君       圓谷 光衞君    水谷  昇君       黒岩 重治君  出席政府委員         大藏事務官   福田 赳夫君  委員外出席者         文 部 次 官 有光 次郎君         專門調査員   宇野 圓空君     ――――――――――――― 二月二十三日  女子の新制大学修業年限に関する請願近藤鶴  代君紹介)(第二号)  久美浜農学校昇格に関する請願大石ヨシエ君  紹介)(第三号)  書道必須科目復活請願早稻田柳右エ門  君紹介)(第五号)  師範附属校教官待遇改善に関する請願大石  ヨシエ紹介)(第九号)  小学校教員恩給増額に関する請願外一件(高  田弥市君外一名請介)(三〇号) 三月十六月  教員待遇改善に関する請願石原圓吉君外一  名紹介)(第八六号)  水戸市に綜合大学設立請願菊池重作君紹  介)(第一一七号)  廣島市に國立綜合大学設立請願田淵実夫君  外一名紹介)(第一二五号)  定時制高等学校設置請願豊澤豊雄紹介)  (第一二八号)  志摩水産学校昇格請願石原圓吉君外一名紹  介)(第一四〇号)  書道必須科目復活請願(松原一彦君紹  介)(第一四五号) の審査を本委員会に付託された。 三月十三日  新制中学実施に伴う國庫補助等に関する陳情書  (第四号)  定時制高等学校設置に関する陳情書外三件  (  第二〇号)  六・三制予算削減反対に関する陳情書外五十三  件  (第二八号)  都市学童体位向上に関する陳情書  (第二九号)  水産大学設置に関する陳情書  (第七〇号)  六・三制完全実施に関する陳情書  (第八二号)  教員最低生活保障に関する陳情書  (第八十四号)  女教員差別待遇撤廃に関する陳情書  (第八七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  六・三制予算に関する説明聽取     ―――――――――――――
  2. 高津正道

    高津委員長代理 会議を開きます。  本日まだ松本委員長が見えておりませんので、私が代つて委員長の職務を行います。  これより六・三制の予算に関しまして、議事を進めてまいりたいと思います。まず御質疑なり御意見の発表を願います。
  3. 西山冨佐太

    西山委員 六・三制予算に、十四億の支出をするということに通牒も出ておるわけでありますが、残額なつておる六億三千万円、これはどういう状態におるであろうかということをお尋ねしたいのであります。地方では、これは支出されるものとして工事を進め、それぞれ金を集め、要するに進行中でありますが、これがだめになるとか、あるいは非常に延期することになると、容易ならざる事態になるのでありまして、今瀕死の状態にある六・三制の問題が、崩壊するであろうと考えられるのであります。このことについてお尋ねいたしたい。  それからもう一つ、十七億の地方起債でありますが、これは地方からの起債認可申請がどのような状況に出ておるであろうか、また許可されるのはどのような状況なつておるであろうか、その状況を伺いたい。なお地方で今うわさされておるところのものを申し上げますると、その地方起債認可に関して、地方貯蓄高に應じて起債認可順位がつくのだというようなことがしきりに言われておる。これを質してもらいたいという要望があるので、これらについてもお話を願いたい。  それから昨日、日教組の方から代表者が参りまして、これは委員長あてでありますが、こういう要望書が出ておりますから一應朗読いたします。    要望書  昭和二十三年三月十七日   日本教職員組合   中央執行委員長 荒未 正三郎  衆議院文教委員長松本淳三君   六・三制の完全実施民主國家再建の基礎である。   さきに片山内閣は六・三予算として、地方超債十七億、國庫補助十四億を決定した際、内七億は直ちに支出し、残額六億三千万円は追加予算による支出として優先決定し、これを國民に確約した。当時各政党はそろつてこれを支持したのである。   なお、今般芦田内閣はその成立に当り、三党政策協定において、六・三制の完遂並びに定時制高等学校その他による勤労教育の実現を期することを決定し、天下に公表した。しかるに政府は三月十二日の閣議において、六・三予算残額六億三千万円の繰越を決定発表した。かかる決定は新学制実施に対し、その熱意皆無に等しいものと断ぜざるを得ない。   日教組五十万組合員は全國民とともに、國家將來のため政府に対し猛省を促すものであるが、なお衆議院文教委員会におかれては、本年度追加予算國会審議において六・三予算残額六億三千万円の復活努力されて、全國民の期待に副われんことを懇請する。 こういうのであります。  要するに以上申しましたことについて説明を願うとともに、政府の責任を明らかにしていただきたいと考えます。
  4. 有光次郎

    有光説明員 六・三制予算残額処置につきまして御質都でございましたが、この六・三制予算のことにつきまして一應経過を申し上げてみますと、前々内閣のとき、昨年の二月の末ごろに、とりあえず八億円をもちまして、昨年四月から六・三制の実施ということを決定したわけでございますが、その際は建築費は見ないで、教員の俸給の負担だけで第一年度はとりあえず発足しようと決定したのでございます。ところが実際に始めてみますと、各方面におきまして二部教授、あるいは仮教室という非常なやりくりをしなければならない事態が出てきておつたのでございます。從いまして今年の四月を予想しますと、今年の四月に備えましては、どうしても最小限度建築設備手当をしなければ、新制中学第二年目を義務にすることは不可能であることがはつきりしてまいつたのでございます。そこで前内閣のときでございますが、その準備は本年度においてやつておかなければ、來年四月の間に合わないというところから、昨年の八月第何回目かの追加予算審議のときに、六・三制の予算としましては、ただいまお示しのありましたような國費十四億、地方起債十七億、計三十一億でその準備をすることに相なつたわれでございます。そういう閣議決定があつたわれでありますが、九月に起りました関東その他の水害復旧予算計上しなければならないはめになりまして、最初予定されておりました十四億が数億に減らされるような状態が出てきたのでございます。そこで國会でもその十四億確保ということについて強い御要望もございますし、閣内においても六・三制実施必要性を認めまして、いろいろ折衝しました結果、ほかの緊急な公共事業方面も削りまして、結局七億を計上して残額についてはできるだけ早い機会に財源操作がつき次第追加計上するということになりました経過は御承知通りでありますが、昨年末に給與改善に伴います予算計上しなければならないことになり。年内追加予算で解決しようと考えておりました事柄が、その事柄等と競合いたしまして、遺憾ながらとうとう年内処置をすることができなくなりまして年を越したわれであります。しかし、せめてこの年度内には、ぜひとも残額の処理をいたしたいということを考えまして、これはひとり文部大臣が考えただけでなく、現内閣としましても、総理大臣を初めとし、大藏大臣の他の閣僚も同じ氣持で、でぎるだけ本年度追加予算計上するように、あらゆる努力をしたのでございますが、やむを得ない財政上の理由によりまして、遂にこれが計上できなかつたのでございます。しかし本年度の最後の追加予算決定します際には、内閣におきましては本年度追加予算には計上できないけれども、來年度当初の暫定予算には、ぜひとも残額の全部を計上するとすう方針をとるという申合せの趣旨に基きまして、内閣ではできるだけの考慮を拂つて努力を続けておるわけでございます。早晩何らかの決定を見ることになると思うのでございます。  それから十七億の起債状況でございますが、先月各府縣からの起債認可その申請書がもとまり、その総額は十五億数千万円でございます。たしか十五億二千二百万円の起債認可申請が参りました。これをそれぞれ関係の部局で審査をし、認可の手続を進めまして、それぞれ関係の筋から認可があつたはずでございます。要するに地方で一應必要とする起債全額認可されたと考えております。ただそのときに貯蓄の多寡によつて順位をつけるということが、條件なつているようなお話がありましたが、これはいずれ大藏当局からも正確な御答弁があると思いますが、私の承知しておりますところでは、先月の預金状況が少し思わしくなくて、そのために今後預金を増強しないと、起債操作が円滑を欠くという心配が相当にありましたので、それを円滑に処理するために貯蓄運動を起すという必要は、われわれも十分わかりますし、文部省方面で應援をすると申しますか、お手傳いをすることは、いくらでもすめ覚悟でおり、從事もある程度お手傳いをしたつもりでありますが、この六・三制の起債について、特にまた新たに貯蓄をして、その貯蓄の多い所からある割合をもつて実際に預金の融資をしていくということにはつきり関連を結びつけていくことに対しては、われわれはそうでなくしてもらいたいということを強く要望しておつたのでございます。從いまして、実際問題としましては、ひどく無理な操作はされていないのではないかと考えておるわれでございます。  一應文部省関係としましてそれだけのことをお答えしまして、なおまた必要がございましたら、随時補足さしていただきたいと思います。
  5. 福田赳夫

    福田政府委員 ただいまお尋ねの点につきましては、文部次官からお答えのあつたことで、大体盡きるかと思うのでありますが、この六・三制の予算がどうも円滑に進まぬというのは、ただいまもお話がありました通り、結局六・三制の建築費というものは、ただいまの予算系統から申しますと、公共事業という系統予算になるのであります。公共事業と申します予算は、これは日本政府一般会計予算におけるほとんど唯一資材を必要とする予算、これのほかにさような系統の大きなものとしては終戰処理費がありますが、かような特殊な関係のものを除きまして、純國内的な問題といたしましては、公共事業唯一資材を必要とする性質のものであります。この公共事業費予算は、物との関係ということを非常に重要視いたしまして、大体物を配当し得る限度においてこれを決定する建前をとつている。すなわち鋼材の生産がどうなつているか。需給の状況がどういうふうなぐあいになつているか、またセメントのぐあいがどうだろう、木材がどうだろうというようなことを檢討いたしましてこれを作成するのが建前であります。二十二年の予算もさような建前でできておるのであります。ところが二十二年度予算編成の途上におきましては、御承知関東、東北の大水害があつた関係上、水害対策のための公共事業費を追加しなければならぬという事情が出てきたわれであります。水害対策の経費といたしましては、いろいろ各方面の要請がありましたが、二十億円ばかりの金額か追加されておるわけであります。それまではセメント状況木材状況等とにらみ合わせまして、六・三制予算地方において十七億円、中央において十四億円を計上するという建前で進んでおつたのでありますが、災害費を重要視いたしますると、どうも十四億の計上全部がむずかしいという状況なつてきたのであります。しかしながらこの六・三制予算ということについては、前の政府におきましても手当したいという公約もいたしておりますので、できる限り努力をいたしまして、災害費の方を押えるというようなことをいたして、先ほどお話のように、七億円程度公共事業費の中に含まるべきものが災害の方にきておる、そういう関係なつておつたわけであります。一面地方におきましては、しかしながら予算が少くなつたからといつて二十三年度、すなわち六・三制の二年生がその年には出てくるわれなのでありまして、この二年生のために設備をしなければならぬという事情があるわけであります。これを今度置かないというわけにはいかぬので、どんどん仕事は進んでおる。おそらくは地方ではいろいろなやりくりをいたしまして、予算はないけれども事業は進捗したというような向きもあろうかと思いまして、その借金というか、無理算段の結末をつけなければならぬという状況に迫られておるのが、今日の実情であろうかと思うのであります。十四億のうちの残りの七億円、正確に申せば六億四千七百万円でありますが、この六億四千七百万円は、そのぎりぎりの整理のために必要の金であるというふうに考えまして、この追加予算計上する考えで進んでおつたわけであります。しかしながら、ただいまも申しましたように、資材関係等表面から理論的に言いますとなかなか出てこない。しかし実際は相当部分はつくつておるのでありますから、資材は要らぬということにもなるのでありますが、表面の理論から言いますと、そういう資材があるはずがないということにもなりますので、なかなか理論づけというものがうまくいかぬ点もあるのでありまして、追加予算はどうしても計上できないというようなことになつて、今日になつてきておるわけであります。しかしながら暫定予算にはこれを予算化したいという目途の下にただいま最善の努力をしており、総理大臣もみずからいろいろ奔走されておるわれでありますから、おそらく本日午前中には結論を得る、私どもどぜひ事の済んだものの整理の問題でありますから、これはどうしても暫定予算化という問題はぜひ一つつていただきたいという氣持でやつておるのであります。  それからお尋ねの第二点に当ります地方の問題でありますが、地方の十七億円に対しましては、大藏省といたしましては、全額これを起債ができるという手当万端を整備しております。ただいま文部次官からお話のあつた通りで、ただ預金と結びつけるという問題は、必ずしも私どもはそういうふうには考えておりません。預金は十七億円の地方起債が消費される資源でありますから、なるべくひとつ預金によつて消化したいということは当然の念願であります。しかしながらさような預金ができないという際におきましても、地方の非常に緊迫した必要な問題でありますから、これは日本銀行から資金を供給するというような方法によりましても、この地方予算財源は何とか手当をしたい、かようなことでやつておるのであります。さようなことで、もし本日の結論としまして、暫定予算計上ができるというようなことに相なりますれば、まず二年生を入れる袋の問題といたしましては、これを予定通り完成できる、またできた、かようなことに相なろうかと存じます。
  6. 西山冨佐太

    西山委員 先ほど文部次官の方からのお話でありますが、どうも六・三の残額六億三千万円には、はつきりしたお話がないのでありまして、計画を承つたにすぎないのであつて、何ら見当がつきません。これでは國民は納得ができないのであります。いろいろ事情があることであろうと思いますけれよも、要求いたしました御答弁を伺つたことに相ならぬのであります。なおまた貯蓄起債順位との結びつきについても、これもはつきりしたお話がないのであります。ただいま大藏省の方から起債についてははつきりしたお話を承つたのでありますが、六・三の方がただ資材関係のみで暫定予算も困難であるというのか、あるいはそうではないのであるか、どこが難点であるかということも突きつめたお話はありません。これではわれわれも納得しませんが、地方はやはりきわめて不安な状態を続けて、あるいはこれがためにいろいろおもしろからざる問題が起つてくることが想像できるのであります。もう少しはつきりしたお話は伺えませんですか。
  7. 福田赳夫

    福田政府委員 速記を止めていただきたいと思いますが……。
  8. 高津正道

    高津委員長代理 それでは速記を止めてください。     〔速記中止
  9. 高津正道

    高津委員長代理 速記を始めてください。
  10. 水谷昇

    水谷(昇)委員 宝くじの方はどういう関係なつておりますか。文部当局から経過の御報告を願いたいと思います。
  11. 有光次郎

    有光説明員 宝くじ計画につきましては、具体的に詳細なことを私の手もとで申し上げるだけの材料をただいま持ち合わせておりませんが、ただこういうことは申し上げることができると思います。六・三制の実施につきましての財源として、一つには國庫支出金、その次には地方起債、もう一つ寄附金とかあるいは室くじというところだろうと思います。そこで地方起債のわくを大体十七億と見ておりましたところが、実際に地方起債申請をしてきました総額を合わせてみますと十五億二千二百万円になつております。でありますから十七億の起債全額は使わなくても済んだわけであります。なぜそうなつたかと申しますと、地方將來負担を残すことをなるべく避けて、寄附金とかあるいは宝くじ等によつて操作した結果が、十七億使わなくても済んだということになるのではないかと思います。具体的な数字を今持ち合わせておりませんのではなはだ恐縮でありますか、大体そういうような操作はうまくいつた結果が、地方起債の額の減少ということによつてうかがわれるのではないかと思います。
  12. 水谷昇

    水谷(昇)委員 今ずくでなくてもよろしいが、宝くじ地方模樣を、ひとつ調査していただいて、お示しを願いたいと思います。それから宝くじについては、かねて私から当局要望してあるのでありますが、一割國庫へ納金をすることになつておるのであります。これを全部免除してもらうように要求してあるのでありますが、その御交渉の経過はどういうことになつておりますか、それまお伺いしたいと思います。
  13. 有光次郎

    有光説明員 その御要望の線に沿いまして、大藏当局等とも、たしか折衝いたしたのでありますが、当時の折衝の状況から申しまして、十分な話はまだ、これも宝くじの実況に併せまして御報告申し上げたいと思います。
  14. 水谷昇

    水谷(昇)委員 ちよつと要望いたしますが、いの当時の御答弁によりますと、大藏当局説明によりましても、大藏大臣が承認をすれば、これは免除できるのだ、こういうことを承つておりますから、その心組で、ひとつ強く要望していただきたいと思います。それが実現いたしますれば、宝くじも各地方実施することができると思います。
  15. 高津正道

    高津委員長代理 ほかにありませんね。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十八分散会