○
福田政府委員 ただいま
お尋ねの点につきましては、
文部次官からお答えのあ
つたことで、大体盡きるかと思うのでありますが、この六・三制の
予算がどうも円滑に進まぬというのは、ただいまも
お話がありました
通り、結局六・三制の
建築費というものは、ただいまの
予算の
系統から申しますと、
公共事業という
系統の
予算になるのであります。
公共事業と申します
予算は、これは
日本政府の
一般会計予算におけるほとんど
唯一の
資材を必要とする
予算、これのほかにさような
系統の大きなものとしては
終戰処理費がありますが、かような特殊な
関係のものを除きまして、純國内的な問題といたしましては、
公共事業が
唯一の
資材を必要とする性質のものであります。この
公共事業費の
予算は、物との
関係ということを非常に重要視いたしまして、大体物を配当し得る
限度においてこれを
決定する
建前をと
つている。すなわち鋼材の生産がどう
なつているか。需給の
状況がどういうふうなぐあいに
なつているか、また
セメントのぐあいがどうだろう、
木材がどうだろうというようなことを檢討いたしましてこれを作成するのが
建前であります。二十二年の
予算もさような
建前でできておるのであります。ところが二十二
年度の
予算編成の途上におきましては、御
承知の
関東、東北の大
水害があ
つた関係上、
水害対策のための
公共事業費を追加しなければならぬという
事情が出てきたわれであります。
水害対策の経費といたしましては、いろいろ各
方面の要請がありましたが、二十億円ばかりの金額か追加されておるわけであります。それまでは
セメントの
状況、
木材の
状況等とにらみ合わせまして、六・三
制予算は
地方において十七億円、
中央において十四億円を
計上するという
建前で進んでお
つたのでありますが、
災害費を重要視いたしますると、どうも十四億の
計上全部がむずかしいという
状況に
なつてきたのであります。しかしながらこの六・三
制予算ということについては、前の
政府におきましても
手当したいという公約もいたしておりますので、できる限り
努力をいたしまして、
災害費の方を押えるというようなことをいたして、
先ほどお話のように、七億円
程度公共事業費の中に含まるべきものが
災害の方にきておる、そういう
関係に
なつてお
つたわけであります。一面
地方におきましては、しかしながら
予算が少く
なつたから
といつて二十三
年度、すなわち六・三制の二年生がその年には出てくるわれなのでありまして、この二年生のために
設備をしなければならぬという
事情があるわけであります。これを今度置かないというわけにはいかぬので、どんどん仕事は進んでおる。おそらくは
地方ではいろいろな
やりくりをいたしまして、
予算はないけれ
ども、
事業は進捗したというような向きもあろうかと思いまして、その借金というか、
無理算段の結末をつけなければならぬという
状況に迫られておるのが、今日の実情であろうかと思うのであります。十四億のうちの残りの七億円、正確に申せば六億四千七百万円でありますが、この六億四千七百万円は、そのぎりぎりの
整理のために必要の金であるというふうに考えまして、この
追加予算に
計上する考えで進んでお
つたわけであります。しかしながら、ただいまも申しましたように、
資材の
関係等、
表面から理論的に言いますとなかなか出てこない。しかし実際は相当部分はつく
つておるのでありますから、
資材は要らぬということにもなるのでありますが、
表面の理論から言いますと、そういう
資材があるはずがないということにもなりますので、なかなか理論づけというものがうまくいかぬ点もあるのでありまして、
追加予算はどうしても
計上できないというようなことに
なつて、今日に
なつてきておるわけであります。しかしながら
暫定予算にはこれを
予算化したいという目途の下にただいま最善の
努力をしており、
総理大臣もみずからいろいろ奔走されておるわれでありますから、おそらく本日午前中には
結論を得る、私
どもどぜひ事の済んだものの
整理の問題でありますから、これはどうしても
暫定予算化という問題はぜひ
一つや
つていただきたいという
氣持でや
つておるのであります。
それから
お尋ねの第二点に当ります
地方の問題でありますが、
地方の十七億円に対しましては、
大藏省といたしましては、
全額これを
起債ができるという
手当万端を整備しております。ただいま
文部次官から
お話のあ
つた通りで、ただ
預金と結びつけるという問題は、必ずしも私
どもはそういうふうには考えておりません。
預金は十七億円の
地方の
起債が消費される資源でありますから、なるべくひとつ
預金によ
つて消化したいということは当然の念願であります。しかしながらさような
預金ができないという際におきましても、
地方の非常に緊迫した必要な問題でありますから、これは日本銀行から資金を供給するというような方法によりましても、この
地方の
予算の
財源は何とか
手当をしたい、かようなことでや
つておるのであります。さようなことで、もし本日の
結論としまして、
暫定予算に
計上ができるというようなことに相なりますれば、まず二年生を入れる袋の問題といたしましては、これを予定
通り完成できる、またできた、かようなことに相なろうかと存じます。