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1948-06-19 第2回国会 衆議院 文化委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十九日(土曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 小川 半次君    理事 鈴木里一郎君 理事 佐藤觀次郎君    理事 最上 英子君    奥村 竹三君       佐々木盛雄君    竹尾  弌君       原田  憲君    平澤 長吉君       山名 義芳君    受田 新吉君       太田 典禮君    岡田 春夫君       玉井 祐吉君    馬場 秀夫君       高橋 長治君    成島 憲子君       森山 武彦君  委員外出席者         專門調査員   武藤 智雄君     ————————————— 六月十七日  伊能忠敬記念館設置並びに旧宅修理費國庫補助  の請願(山村新治郎君外一名紹介)(第一四五  四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  祝祭日に関する件     —————————————
  2. 小川半次

    小川委員長 それではこれより会議を開きます。  本日の議題は公報をもつてお示しいたしました通り祝祭日に関する件であります。同僚各位におかれてもすでに御承知のごとく、政府はさきに政令をもつて早急に祝祭日を改定しようといたしたのでありますが、われわれは強くこれに反対し、廣く民意に徴しつつ愼重にこれを議すべきものとし、われわれ自身の手において、これがための法律案を作成しようといたしたのであります。さいわいにして関係筋においては、このわれわれの意のあるところを了とせられ、時間的猶予を與えられましたことは、まことに感謝感激にたえない次第でありました。かくしてわれわれは、われわれの責任において全力をあげて立案し、これを関係筋にもたらすことこそ、その厚情に報ゆるゆえんであることを痛感いたしました。しかし当初の二月十一日ごろまでの成案予想延引延引を重ねて、今日に至りましたことは、まことに恐縮にたえないところであります。ただわれわれといたしましても、この間において審議を重ねること二十二回、うち委員会十回、打合会八回、両院合同打合会四回に及び、また正式の会合以外に同僚委お互いにおいて、終始研究を加えてまいりましたが、特に国民大衆ないし有識者の意向を知り得たことも非常な收穫でありました。  かくしてわれわれは新祝祭日選定の標準といたしましては、まず第一には新憲法に則ること、そして第二には國民全般が容易に納得し祝福するに値するものたることを條件といたしました。從つて國家神道的色彩が拂拭せらるべきはもちろんでありました。これまでの祝祭日概念が一変せらるべきことも当然でありまして、それは、國及び國民全般が恒例として祝い、記念する日となつたわけであります。われわれはこの新しい観点におきまして、新祝祭日研究審議してまいつたのでありますが、われわれがひそかに誇りといたしますことは、われわれが前後二十二回の委員会、打合会ないし合同打合会を通じまして、終始公開の建前をとりまして、傍聽を希望する向きはことごとくこれを許し、報道方面に対しましても何らの制限を加えなかつたことであります。同僚各位の中には、みずから街頭に立つて大衆とともに新祝祭日を論議檢討した方も少からずあるのでありますが、これは所詮われわれが当初からこの問題を重要視し、國民とともに研究審議を重ねたいとの念願の現われにほかなりません。  次に本委員会としての審議の内容をうかがいまするに、まずもつて論議が近來とみに活発の度を加えてまいりましたことは、まことに欣快にたえませんが、前回までに一應まとめられました案につきましても、委員各位におかれては未だ必ずしも御満足の行かない点があらうかと存じます。殊にわれわれが全員一致をもつて設定に決しておりましたいわゆる國始節が、去る六月十二日の合同打合会案以來、一應保留の形となつておりますことは不肖委員長といたしましても、まことに遺憾に存ずる次第であります。  なお不肖委員長としての希望を申し上げますならば、本件はぜひとも本会期中に成案を得て両院を通過せしめたいものと存じます。從つて時日の余裕はいくばくもないのであります。委員各位には会期切迫折柄、何かと御多用とは存じますが、あえて本問題のために寸暇を惜しまれ、よりよき案への到達に向つて邁進せられんことを念願いたしてやまない次第であります。  御参考までに現行祝祭日と四月十五日の合同打合会以後の案を表にまとめてお届けしておきました。御一覽を願いたいと存じます。  大体これまでの経過の御報告をただいま委員長の挨拶とともに申し上げたのでありまするが、すでに二十数回も委員会を重ねられまして、実はでき得るならば、本日中に試案をまとめたいと考えておる次第であります。六月十五日案は、われわれ衆議院側にも二、三の反対意見も出たりしたのでありますが、結局表決をとつたわけではないのでありますが、多数の方々が大体この十五日案に御賛成であつたので、大体この十五日案が決定したのであります。
  3. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 ただいま委員長からの、本祝祭日の点についての審議経過並びに本日これを試案としてまとめたいということについては、わが党におきましても全然賛成であります。しかしながらこれにつきまして私どもといたしましては「國民の日」ということを、單に「祝日」と訂正いたしたいのであります。もう一つ名称におきまして「勤労感謝の日」の、「勤労」をとりまして、單に「感激の日」とする。この二つの箇所を訂正いたしまして本案をまとめるように希望いたします。
  4. 小川半次

    小川委員長 ただいま鈴木君から「國民の日」というのを「國民祝日」という祝を入れること、及び「勤労感謝の日」の「勤労」の文字をとること、それ以外は全面的に御賛成という御意見が出ましたが、これについて御意見はございませんか。
  5. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いま鈴木君の提案がありましたが、國民の日ということについては、参議院の案でありまして、衆議院の方では國民祝日、あるいは國民祝日ということに大体きまつてつたわけであります。これはあの当時におきましては、衆議院参議院委員長に一任すると、あのとき集まつた人の全部がそういう申合せになつておりますので、そういう点については、委員長に何らか取計らいをしていただきたいと思います。それから「勤労感謝の日」は御承知のように感謝の日になつておりましたが、参議院羽仁君とかそのほかのいろいろな方面からメーデーを復活するという五月一日の問題が出まして、かねて私の方の馬場委員からも労働感謝の日というのが、ずつと前の縣案になつたのでありますが、そういう点から感謝の日というのにいろいろ初めは主張したのでありますが、勤労感謝するという意味でとつたらどうかという多数の意見があつた感謝の日が勤労感謝の日なつたことは、ちようど鈴木委員は來ておられなかつたが、大多数の人が認められたのでありまして、でき得るならばこの委員会において皆さんの納得のいくよう説明をなさつて原案の方にいきたいと私は考えております。
  6. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 ただいま佐藤委員から御発言がございましたが、この勤労感謝の日であります。そもそも衆議院案といたしましては、勤労感謝の日という十一月二十三日は、新穀祭新穀に対する感謝の日ということが原案であつたのであります。それが感謝の日になりまして、はからずも六月十五日の衆参合同打合会におきまして、私はおりませんでしたが、勤労という字を羽仁君の動議によつてつけたというお話であります。私といたしましては、これは國民全般が、新穀並びにすべてのことに感謝する意味合のもとに感謝の日を設けるのが至当でありまして、單に一階級である勤労者に対して感謝をするということは、いたずらに階級意識を助長するような感を深くしますので、どこまでもこの「勤労」という字を削除することを主張するものであります。
  7. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 鈴木君から大分誤解された点があると思います。勤労ということは、何も労働者だけが勤労者ではないので、われわれも勤労しているのであります。遊んでいる人に対して勤労というだけで、私らは勤労ということをどうしても入れなければならないというのではなかつたけれども、あなたの言われたようないろいろな意見が出て、これに対して佐々木あたりからも大分議論が出、そんならどうだろうというわけで勤労感謝の日としたのでありまして、皆さんの了解がつけば原案がいいし、これが絶対にいけないというならば、これについてはそうこだわらなくてもいいと思います。
  8. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 ただいま佐藤委員お話によりまして、あえて固執しないというお話でありますから、わが衆議院文化委員会といたしましては「勤労」という字を削除していただきたいと思います。
  9. 玉井祐吉

    玉井委員 私は今の鈴木さんの御意見には反対なので、「勤労」という字自体が、あつてもなくてもいいというのではなくて、新穀感謝するということは、むしろ私どもよりは、かえつて鈴木さんあたりの方が專門でいらつしやるのでありまして、日本の國の食糧という問題を非常に深く買つてつた時代からの意味であつて、つまり日本の國の中における一番大切な点は、農業の点における労働に対する感謝の日であつたはずだと思う。單に抽象的に米に感謝するというのじやないと私は考えておるのであります。むしろそういう意味からやはり「勤労」という言葉があることの方が正しく理解されるのじやないかと考えております。「勤労」という文字があるから勤労階級であるというふうにお考えになるのは、むしろ私は思い過しでいらしやるのではないかと思う。一体勤労しないで文化生活というものがあり得るかということになつて來る。今佐藤委員からお話もありましたように、勤労自体にわれわれの價値を認めなければいけないと考えておるのであります。ぜひともこの点についてはむしろ「勤労」という文字を、階級的な意味ではなくて、勤労價値自体における認識を得させるという意味においても入れたい。それで先ほどお話のありましたように、メーデー自体がはいつていないという意味から言つても、メーデーはどちらかといえばああいう形の出方をしておりますが、これはむしろ農民における勤労というような意味と解されても、なお一應理解はできるし、あつた方が正しいというふうに考えております。
  10. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 この「勤労」という字を入れるか入れないかという問題は、先ほど佐藤君が指摘せられたように、この理論鬪爭はすでにもう何回となく繰返されたのであります。私はあえてこのことを再び繰返そうとは思いませんが、今佐藤君並びに玉井君のお言葉の中にもあるようにメーデーがなくなつたという言葉がありましたが、そういう見地から見てもこの勤労ということの中に、労働階級というものが含まれておることは疑いもないことと思います。從つてそういう意味において一階級を代表するというものを國家祝祭日の中にあえて挿入する必要はないと考えます。これに対してあえて深くこれ以上私は理論鬪爭を続けようとは思いませんが、この勤労という言葉には佐藤君も大して拘泥しないというお話でございますから、この際議事を円滑に進めるという意味から、「勤労」という字を削つて満場一致賛成した方がいいじやないかと思います。
  11. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 佐々木君から今話が出ましたが、佐々木君はこの前の会におられたはずでありまして、新穀感謝祭というものがありますが、感謝するというのは自然に感謝する点もあるけれども農民が米をつくることに感謝する。それから労働というけれども遊んでおる人でもどんな人でも労働する。われわれも労働するという意味で、当時の参議院との合同会議では、遊んでいる人に対して、ほんとう労働生産である。つまり農民生産である、農民が粒々辛苦して新穀をつくるのだという意味で、米に感謝するのではなく、働くものに感謝しようという意味で、働く者の生産が米である、労働者生産であるという意味で、勤労感謝を入れたい。参議院の場合は労働感謝の日であるというような声も盛んにありましたけれども、そういうようなことになると、いろいろな誤解を招く点があるという理由で、実は「勤労感謝の日」ということになりまして、これは決して労働階級農民階級ばかりを言うのではなく、働の人のために感謝するという意味で、これをとりたいということに、大体前の委員会できまつたわけであります。私たちは別にこれをどこまでも固執するわけではありませんが、とにかくこの点は鈴木理事がおられたならば、おそらくあのときの議論がわかつてもらえるだろうと思うのであります。おられないので非常に残念でありますが、これは決してそれほど強い階級的のことを出したのではないといいうことだけはお含みおき願いたいと思います。
  12. 山名義芳

    山名委員 私はやはり「感謝の日」にしたい。というのは、鈴木委員も言われたように、大体十一月二十三日がどうして新穀祭であつたかということの根本原則から申しますと、これは物に感謝するというのが建前でありまして、大体今日までの日本人の一番欠けておることは、物に対する感謝の念が少い。そういう意味精神面一般勤労という感謝ではなしに、この日である限りは、少くとも物に対する愛とか感謝ということが建前でありますから、その本則に則つて感謝の日」とし「勤労」という字を削除したい、こういう趣旨で鈴木委員に全面的に賛成いたします。
  13. 馬場秀夫

    馬場委員 私は原案賛成するものであります。私先ほどちよつと席をはずしましたので、その間論議されたかと思うのでありますが、すでに十一月二十三日を前に祝祭日で体驗した方々の頭で判断すれば、これは新嘗祭、新穀に対するお祭りの日、こういうことはすぐ印象づけられるのであります。しかしこれから先、若く育つてくる、新しく日本を背負つて立つ人のために、先の先を見て、今考案されておるこの祝日に対しまして、ただ「感謝の日」というだけではわからない。この日を特に選んだということは、それだけで一應今の頭からいえば新穀感謝し、農民感謝し、また農民勤労意欲を向上させていくというような國民的な運動によつて、この日が選ばれておるということになりますが、これは日本の今後を見ましても、ただ農民の分野だけに感謝をするというばかりでなく、國民勤労結集によつて國家再建が成り立つということになりますれば、やはりこの日を新穀感謝と同時に、一般勤労者に対しての感謝の意を含めた方が、より明確であり、より意義が廣義に解される、こういう意味でこれに私は賛成すると同時に、先ほど佐藤委員からも発言がありましたが、この日がここにまとまつたことは、最近における二回の衆参両院文化委員合同打合会において一應成案を得た結果でありまして、そのときに各党の方々が集まつて、ここまで話合いがついたのであります。從つて御列席の各委員から御説明をいただくならば、よりうなずいていただける点があるじやないか、かように実は私考えておつたのであります。  それからもう一つ國民祝日ないし國民の日という名称のことが出ておりましたが、これは衆参文化委員委員長專門調査員に一任するということになつておりまして、その打合せの結果が発表されておらない。從つてそれがどういう打合せなつたということを聽いてからにしたい、かように考えております。
  14. 玉井祐吉

    玉井委員 今の「勤労」という字自体が非常に階級的にお感じになる点は、あるいはごもつともかもしれないのでありますが、同時に私は、いつもこう考えているのです。資本主義時代であろうと、社会主義時代であろうと、共産主義時代であろうと、勤労自体價値というものは変りないと思う。これは決して勤労階級というような意味でなくして、勤労すること自体に対する價値であつて、実際工場なんかにおいても、働く者と働かない者と、どつちがいいかということになれば、それは働く者の方がいいにきまつている。ですからそういう意味において、勤労感謝する、勤労を貴ぶという氣持は、これは現在の日本の情勢からいつても、ほんとうに働かなくては再建ができないという意味で、「勤労感謝の日」というように、ぜひとも「勤労」という文字を残しておいていただきたい、こう思います。これは自由党の方であろうと、決して働かない方がいいとはお考えにならないと思いますから。
  15. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 私といたしましては、なるほど勤労を貴ぶということについては、異議ありません。しかしながらわれわれの概念といたしまして、殊に労働問題のやかましい今日におきましては、勤労ということは、労働者あるいは勤労階級意味することは、一般の通念であります。でありますから、説明しなければわからないような字句は、とつた方がよろしい。それから馬場委員は、これは六月十五日における両院文化委員会における案だからと言われますが、これは打合会でありまして、最後決定は今日にあるのでありますから、あえてこれを固執する必要はないと思います。でありますから、われわれといたしましては、どこまでもこの「勤労」という字を削除せられることを望みます。
  16. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 実は今鈴木委員から言われましたから、もう一遍注意しておきますが、「感謝の日」というのは、あまりに抽象的で、何に感謝するのかわからないというような意見が出たのです。ところがわれわれ衆議院制は、「感謝の日」ということにきまつたわけですから、いろいろ主張したのですけれども、いろいろな話をしていると、結局これは、農民にしろ、労働者にしろ、働いた者の生産感謝すべきであつて、ただ自然のままのものを感謝するだけではない、人の働いたものに対して感謝しようという意味が非常に強いというわけで、いろいろな紆余曲折があつて、「勤労感謝の日」にきまつたわけでありまして、ただ「感謝の日」では、何に感謝するかわからぬということになつたわけであります。そういう点で、鈴木理事がおられたら、そういう誤解はないと思うのでありますが、ここにせつかく原案がありますから、この原案をできるだけ納得していただくことが、議事の進行上いいのではないかと思うのであります。
  17. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 いろいろな理論鬪爭は盡きていると思います。ですからこの上は、まことに遺憾ではありますけれども採決の方法によつてきめられんことを望みます。
  18. 高橋長治

    高橋(長)委員 本問題につきましては、皆さん方のたいへん御熱心な御意見の発表がございましたが、元來われわれ文化委員会の過去を考えますと、他の委員会違つて、すべての議案が笑つて和やかなうちに解決されておるという特色をもつておりました本委員会において、たまたまこの祭日の一項のために、お互い採決とか、あるいはまた表決によつて、相爭つてきめるということは避けたいと私は思うのであります。つい最近、観光小委員長をきめる場合の前例もあります通り、これは理事会にお任せして、平和裡に笑つて解決したいと思つておりますが、いかがでありましよう。
  19. 小川半次

    小川委員長 鈴木君もこの間の打合会最後までお聽きになつていたらわかるのですが、大体私も衆議院の方でそういう意見があつたものですから、單に感謝の日というようにもつていこうと思つて、できるだけ意見を出しましたが、勤労感謝の日にしようという方が強いのです。そこで憲法第二十七條に「すべて國民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と、勤労ということを新しい憲法で特にうたつてありますし、そういう面から見ても、「勤労」という文字を入れたところで、階級的な色彩を表わしておるものでないと、これは委員長自身考えですが、そう思つて最後に私も打合会の案に賛成したのです。私自身勤労」という文字を入れるには及ばないという考えをもつておりましたが、憲法などと照らし合わせて、別に階級的な色彩もつほどのものでもないし、差支えないものだろうと、最後に私も賛成したのです。いかがでしよう。
  20. 高橋長治

    高橋(長)委員 とにかく動議を出したのですから、それを決していただきたい。
  21. 小川半次

    小川委員長 五分間休憩し、理事の方に集まつていただいてきめたいと思いますが……。
  22. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 事態を收拾する上から、理事が集まつて相談することは結構だと思います。しかしそれに対してわれわれは何らの決定権を與えるものでないことをお含み願いたい。
  23. 川越博

    川越委員 佐々木委員賛成なんですから、早速動議採決した方がいい。
  24. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 私の附帶條件なしに、理事会で全面的に決定することには反対です。
  25. 小川半次

    小川委員長 しかし決をとつて少数意見を留保するのは困る。決をとつたら多数の方に欣然として應じなければならない。
  26. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 しかし、もともと衆議院案は「勤労」という字がはいらない「感謝の日」ということで満場一致賛成したのです。しかも十一月二十三日という日の起源新穀祭につながつておることは御承知通りであります。しかるに今のお話を伺いますと勤労ということのみ強調され、もとの祝祭日を設けようとした十一月二十三日の起源に対しては、何ら重要視されていないようになつておると思うのであります。そこで佐藤君も「勤労」という文字にさほど固執するものでないとおつしやつておられますし、また從來の衆議院文化委員会のいきさつから考えて、これにさほど拘泥すべきものではないと思います。また「勤労」という文字があつても差支えないことは、私ももとより認めます。お説はごもつともであると思います。しかし、なくて済むことであり、しかもないことによつて満場一致で解決するなら、なくて済ました方がいいと思います。
  27. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 佐々木君はこの祝祭日の問題について、常に横車を押すのを原則としておりますが、それは遺憾であります。私も佐々木君が「勤労感謝の日」について反対される意味はわかりますが、佐々木君はこの前の衆参両院の打合会におきましては、この案に同調されて、一旦賛成されたのであります。その人がわざわざこの委員会において幾たびかむし返されたのでは、いくら委員会をやつても盡きないと思います。「勤労感謝の日」というのは、先ほど委員長が言われましたように、私は決してこれを固執しないが、これはすでにこの前の打合会においてきまりましても、「感謝の日」と衆議院案が大体きまつたようなわけでありますけれども、これは三十分、四十分とかかつていろいろと議論して、結局あの当時の大勢が、「勤労感謝の日」と入れる方がいいということにきまつたので、衆議院の方の人も賛成してこの原案にまとまつたのであります。そういう経緯がありますので、これをもう一度むし返すということは遺憾であります。私は「勤労」という言葉を別段固執するわけではありませんが、今までの経過から考えますと、いまさらそういうことで決をとるやり方は、非常に不賛成であるという意見を申し上げておきます。
  28. 原田憲

    原田委員 動議を提出したいと思いますが、その前に、私は意見を述べます。佐々木君の言つた通り、「感謝の日」というのは、六月十二日の衆議院案でありまして、われわれは「感謝の日」でいいということになつてつた。たまたま六月十五日の衆議院との合同打合会において、私はそのとき中座しましたが「勤労感謝の日」ということが初めて浮び上つてきた。今佐藤さん、あるいは馬場さん、玉井さんなどからいろいろ意見が出ておりますけれども、私はかえつてそれが狹義の意味であると思う。馬場さんは、それは廣義であると言われるが、私は反対だと思う。これはただ勤労ということでなしに、あらゆる森羅万象に感謝する意味だ、それでいいと思う。それで今ここで採決されて、その採決が多数であつた場合には、少数の者は欣然これに同調する、こういうことで採決されることを望みます。
  29. 竹尾弌

    竹尾委員 大分議論が盛んなようですが、私は少し怠けてあまり委員会に出席しませんで、前に論議されたかと思われるようなことを、再びこの席上で申し上げるのははなはだ申訳ございませんが、少しく私の意見を述べさせていただきたいと思います。  今玉井委員あたりもお述べになりましたが、十一月二十三日は、とにかく農民感謝する日であつた。しかも馬場委員は、將來のこともお考えにならなくてはいかぬということでございましたが、われわれの祭る、あるいは祝うという観念の中には、やはり民族の傳統を重んずるという要素が非常に多いのでありまして、その意味からいたしましても、われわれが農民感謝をするということで、勤労という意味を、農民に働きに抽象化することも間違いではないので、やはりただ單に「感謝の日」では私もどうかと思つているのです。そこで話は前にもどるかもしれませんが、新穀に対して感謝をもつて——われわれは自分が百姓をやつている関係上、非常に労働に対する感謝の念には燃えております。新穀に対する感謝という意味で、労働一般を抽象化されまして、新穀感謝の日というぐあいにしていただきたいと私は思うのでございます。これは論議されたかと思いますけれども、ひとつ私の案を申し上げます。
  30. 原田憲

    原田委員 今竹尾さんからの御意見が出ましたけれども、これはすでに何回となく意見が出ましたので、私は先ほど動議を提出したのですが、多数によつて少数はつくということで採決されんことを望みます。
  31. 高橋長治

    高橋(長)委員 文化委員会の本旨に鑑みて、平和裡にこれがきまるならば、私の動議を撤回しても差支えないと思います。それがかえつて委員会に今までと逆行するような行き方では、撤回することはどうかと思うのですが、どうせ採決できまることならば、代表者同士で話をつけた方がりつぱであり、お互いに氣持がいい。同時に國の祝祭日をきめるのに、多数少数を爭つてきめるのは、ほかの問題と違つて國の祝祭日決定のために惜しむので、そこで私は申し上げるのです。
  32. 森山武彦

    ○森山委員 あとから遅れて、はなはだ失礼でありますが、この前衆参両院協議会に出す前に各党の態度を決定して臨んだのであつて、しかもあそこの衆議院の態度は実に堂々たるもので、われわれは衆議院文化委員会は、さすがに、りつぱだと思つてつたのでありますけれども、今日またこれを飜してどうかなると、はなはだ遺憾でありますから、ぜひあのままやつていただきたい。
  33. 小川半次

    小川委員長 それでは高橋委員からもせつかくの動議が出ておりますし、円満に事を運びたいと思いますので、一應各党の代表者、すなわち理事の方にお集まりを願うことにしたいと思うのですが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 小川半次

    小川委員長 それでは五分間休憩いたします。     午前十一時四十五分休憩      ————◇—————     午前十一時五十七分開議
  35. 小川半次

    小川委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。  各党代表の理事で円満裡に事を進めたいといろいろ諮りましたが、各党には党の立場があるので、結局その立場を固執されまして、円満な結論を見出すことができなかつたので、先ほど原田委員から動議のありましたように、表決でもつてこれを定める。但し敗れた方も多数の意見に欣然同調するということにして、あとに何らの濁りも残さないということにこの委員会を運びたいと思います。(拍手)     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 小川半次

    小川委員長 それではさようにいたします。  原案通り六月十五日案の「第九、勤労感謝の日」ということに御賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  37. 小川半次

    小川委員長 起立多数。よつて原案通り決定されました。
  38. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 國民祝日の問題でありますが、これは委員長に一任してありますが……(「してない」と呼ぶ者あり)佐々木君からしてないというような、ああいう無理なことを言いますので、これも表決をとつて、はつきり委員長に任すかどうかということを、もう一遍確かめてもらいたいと思います。
  39. 馬場秀夫

    馬場委員 実は先ほど委員長にお尋ねしておつたのですが、この前の合同打合会のときに、両院文化委員長と專門調査委員にこのことを一任するということになつてつた從つて私たちはここで委員長からどんな打合せの結果が出たかということを聽いて、しかる後でいいのじやないか。こう思うのであります。
  40. 小川半次

    小川委員長 それでは委員長から御報告いたします「國民の日」とするか、「國民祝日」とするかについて、私と参議院委員長及び專門調査員にお任せするということであつたので、その後参議院委員長打合せをしたのでありますが、大体衆議院の方は祝日とした方がよいという意見が多数だつたので、私は祝日をあくまでも主張しておりますし、参議院委員長は「國民の日」としてくれと申出をしております。しかし私は最後まで「國民祝日」としてがんばることに、今なお、意思は何ら変つておりません。しかし今日は最後の案を定めたので、衆議院意見を一致いたしまして、衆議院の案としてもつていきたいと思うのであります。それでは「國民祝日」とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 小川半次

    小川委員長 ではさように決しました。
  42. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 私はこの際動議を提出いたします。先刻委員長からのお話がありました通り國家の誕生日を祝う國始節のなくなつたことは、お互い國民としてはなはだ遺憾にたえないところでありまするが、われわれはできますならば、どうしてもこれを置きたいことに異存はなかろうと存じます。この紀元節並びに國民祝日につきましては、前委員長福田君の時代から愼重審議をいたしたいのでありますが、福田君のお話によりますると、その筋との交渉も、われわれの交渉とは違つて、たやすいかのごときことを今日でも申しておられるのでありまするから、これは一應福田君をここへ呼びまして、福田君から直接にそのいきさつを聽くのも、決してむだではなかろうと存ずるので、この委員会に福田君の出席を求めてその経過を聽くことの動議を提出いたします。
  43. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 今鈴木委員から、前の福田委員長を呼べという動議がありましたが、先ほど原田委員からその経過を聽きましたけれども、すでに鈴木委員もそれから小川委員長も一緒にバンズ氏に会つて話を聽いた経過もあります。いまさらわれわれが前のことを繰返して福田前委員長に聽いたところが、彼は今どういう位置にあるかというて、われわれと同じ議員であり、別段われわれと変つた資格はない。われわれの議論いたしました点は、大体鈴木委員も御承知だろうと思う。そういうむだなことをするより、私どもそういうことをしないで、このままで進んだ方がいいと思います。
  44. 馬場秀夫

    馬場委員 ただいまのに関連して、鈴木委員は、この前の打合会の途中から來られたので、経過を知らないようでございますが、実はここにあります六月十五日案の第十と十一の中に、國始節保留と書いてあります。從つてこれは保留されているので、全然意識なしに削つているわけではない。國始の日というか、名前は別といたしまして、平和確立後、日本の歴史の檢討においてその日をつくることには、一應この前賛成して保留することになつているのであります。
  45. 小川半次

    小川委員長 鈴木さんにお諮りしたいのですが、いずれ、公聽会を開かなかつたら、一應有職者に方に出席していただいて、いろいろ御意見を徴する日を設けたいと思います。そのときにオブザーバーという形で福田さんにも御出席を願おうと思つておりますが、そういうことにでもしたらどうですか。
  46. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 それで結構です。
  47. 小川半次

    小川委員長 そこでお諮りしたいのですが、これを法文化しなければならないのです。それを一應起草委員を設けてやつてはどうかという御意見もあつたのですが、これを今日正式に取上げたいと思います。
  48. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 法案起草に関しては委員長並びに專門調査委員に一任することにいたしたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 小川半次

    小川委員長 佐々木君の発言に御異議ありませんか。     〔(異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 小川半次

    小川委員長 それから第十の平和の日、これは法文には載せないことになつておりますから、御了承を願いたいと思います。
  51. 竹尾弌

    竹尾委員 今委員長お話では公聽会か、あるいは学識経験者に諮るということですが、なるべく私の希望といたしましては、正式の公聽会を開いていただきたいと思います。
  52. 小川半次

    小川委員長 承つておきます。
  53. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 本日はこの程度で散会されんことをお願いいたします。
  54. 小川半次

    小川委員長 佐藤君の動議によつて本日はこれにて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 小川半次

    小川委員長 それでは本日はこれにて散会したします、     午後零時十一分散会