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1948-06-08 第2回国会 衆議院 文化委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月八日(火曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 佐藤觀次郎君    理事 鈴木里一郎君 理事 最上 英子君       佐々木盛雄君    竹尾  弌君       山名 義芳君    受田 新吉君       太田 典禮君    馬場 秀夫君       高橋 長治君    並木 芳雄君       成島 憲子君    川越  博君       藤田  榮君  出席政府委員         新聞出版用紙         割当事務局長  成田勝四郎君  委員外出席者         議     員 守田 道輔君         議     員 松澤 兼人君         文部事務官   小林 行雄君         文部事務官   釘本 久春君         商工事務官   堀合 道三君         專門調査員   武藤 智雄君     ――――――――――――― 六月二日 著作権確立に関する請願鈴木里一郎紹介)(  第一二〇四号)  映画技術者免許制度改革に関する請願山口六  郎次紹介)(第一二〇五号) ○同月三日  世界万靈供養の鐘建立に関する請願吉川久衛  君外名紹介)(第一二四九号)  ザべリヨ遺蹟蹟彰費國庫補助請願受田新吉  君外一名紹介)(第一二七五号) の審査を本委員会に付託された。 六月三日  柳井地区観光事業計画助成陳情書  (第四六七  号)  「花まつり」を視察日指定陳情書  (第四八八号)  観光國策確立に関する陳情書  (第五四七号)  「婦人の日」を視察日指定陳情書  (  第五六七号)  「庄内自由新聞」に用紙割当陳情書  (第五七〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請願  一 一宮市に纖維工事復興世界平和大博覽会開    催の請願早稻田柳右エ門紹介)(第九    七号)  二 雜誌「相撲」に持紙割当増加請願佐藤    觀次郎紹介)(第一〇八号)  三 光市に観光施設施行請願守田道輔君紹    介)(第一二三号)  四 日光における國宝建造物修繕費國庫負担の    請願高瀬傳紹介)(第一五六号)  五 「九州朝日新聞」に用紙割当請願(荒木    萬壽夫君紹介)(第一六九号)  六 ローマ字國策に関する請願木下榮君紹    介)(第一八六号)  七 日光における國宝建造物修繕費國庫負担の    請願戸叶里子紹介)(第二二九号)  八 「花まつり祝祭日指定請願山名義    芳君紹介)(第二四一号)  九 「発明祭」を祝祭日指定請願馬場秀    夫君紹介)(第二六三号) 一〇 「民主新聞」に用紙割当請願宇都宮則    綱君紹介)(第二九〇号) 一一 後楽園復旧費國庫補助増額請願多賀安    郎君外六名紹介)(第二九一号) 一二 大善寺中門重要飛術品認定請願(坂    東幸太郎紹介)(第三四三号) 一三 「明治節」を祝祭日指定請願竹尾弌    紹介)(第三六四号) 一四 「こどもの日」を祝祭日指定請願(松    澤兼人紹介)(第四一一号) 一五 官報増刷に関する請願小澤專七郎紹介)    (第四五八号) 一六 「教育節祝祭日指定請願青木孝義    君紹介)(第五〇四号) 一七 竜亀城附属建造物國宝認定請願(福    田繁芳紹介)(第五二五号) 一八 工藝研究所設置請願八並達雄紹介)    (第五三六号) 一九 金刀比羅宮所藏泉重要美術品任定の請    願(福田繁芳紹介)(第五八九号) 二〇 観光関係出版物用紙割当増加請願(高    橋長治紹介)(第五九三号) 二一 「濱松民報」に用紙割当請願川合彰武    君紹介)(第六一一号) 二二 「莊内自由新聞」に用紙割当請願(圖司    安正君紹介)(第六五一号) 二三 出雲大社修繕費國庫負担請願木村小    左衞門紹介)(第六八九号) 二四 「こどもの日」を祝祭日指定請願(最    上英子紹介)(第六九〇号) 二五 長岡市に観光ホテル設置助成請願(神山    榮一君紹介)(第七一四号) 二六 「こどもの日」及び「母の日」を祝祭日に    指定請願山崎道子紹介)(第七二二    号) 二七 「花まつり」を祝祭日指定請願(佐々    木盛雄紹介)(第七四九号) 二八 錦帶橋國宝指定請願田村虎一君紹    介)(第七六〇号) 二九 奈良縣國宝及び重要美術品修理費國庫補    助の請願原田憲紹介)(第七六四号) 三〇 「紀元節」を祝祭日指定請願成島憲    子君外三名紹介)(第八三三号) 三一 「南信時事新聞」に用紙割当請願(今村    忠助君紹介)(第九二二号) 三二 柳井町の観光事業國営請願受田新吉君    紹介)(第九八二号)
  2. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 それでは会議を開きます。  これより請願審査に入りますが、日程第一四「こどもの日」を祝祭日指定請願及び日程二四は同一趣旨でありますから一括議題といたします。紹介議員の御説明を願います。松澤兼人君。
  3. 松澤兼人

    松澤兼人君 「こどもの日」を祝祭日指定していただきたいという請願でございます。同じような趣旨請願が多数出ておりますが、特に御考慮をお願いしたいというわけであります。祝祭日が改正されまして、新らしく別個の観点からこれが考慮されるということになりましてから、從來兒童文化運動の活発な神戸市の方面におきまして、兒童並びに兒童に接しております人々の中に、ぜひ「こどもの日」を設けてほしいという声が、だんだんと起つてまいりまして、神戸兒童文化連盟におきまして、これを正式に取上げることになつたのであります。ぜひ祝祭日の中に「こどもの日」を制定されたいていう請願であります。請願者神戸兒童文化連歴委員長坂本勝君でありますが、神戸市内兒童約二万七千名の者が署名をいたしまして、請願趣旨のことをお願いしておるわけであります。  從來日本子供が家庭的には一應愛せられておりながら、社会的には、まだ十分に尊敬されておらないというような状態にありまして、子供状態社会的に多少の関心をもたれるようになりましたのは、明治以後のことといつてよろしいのであります。それ以後子供社会的地位ということにつきまして、だんだんとその関心が高まりつつあるのでありますが、特に新しい憲法が実施せられるこの機会に、さらに子供社会的な位置というものを明確にするとともに、國民全体が子供社会的地位につきまして常に考え、その幸福を助たる機会をもち、兒童福祉増進に役立たせるために、祝祭日の中に「こどもの日」の制定を希望するわけであります。それでは「こどもの日」をいつにするかということにつきまて、神戸兒童文化連盟において神戸市内学識経驗者約百名にアンケートを発しましたところ、多数が五月五日を希望するという回答であつたのであります。五月五日は端午の節句として男のものと考えられておりますが、男女平等の観念からすれば、これが必ずしも男だけに限るわけでもなく。またこの日が尚武の節句として面白くないという印象を與えておりますが、これを切りかえて五月五日を平和な國家を建設するという意味におきまして新しく子供中心とした平和的な日として考えていくことが適当でないかというふうに考えられるのであります。以上の理由によりまして、五月五日を「こどもの日」として祭祝日の中に制定くださいますよう、神戸市内兒童約二万七千名の署名をもちましてお願いする次第であります。  以上のような請願趣旨でありますので、委員会におかれましては、十分この趣旨を御理解くださいまして、御採択の上、「こどもの日を」祝祭日にさし加えられますようにお願いする次第であります。
  4. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 祝祭日につきましては、本日政府より出席しておりませんから、あらためて政府が出席したときにこの意見を聽取いたしまして、採否を決定いたしたいと思いますから、さようお含み願います。         —————
  5. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第九「発明祭」を祝祭日指定請願馬場秀夫君の御紹介を願います。
  6. 馬場秀夫

    馬場委員 「発明祭」を祝祭日指定してもらいたいという請願は、東京都港区芝三田南寺町十一番地の黒川美雄君ほか二百八十名の署名で出ておるわけです。この趣旨はわが國は文化平和國家としての志向をたどつておるのであるが、いかんせん資材財力が非常に乏しいので、どうしても日本再建発明によつていくのが一番正しく早い、またそのほかに方法がない、こういう見地に立つておるのでありますが、しかも日本生活様式は、過去においての発明の累積でありますから、來るべき祝祭日の決定にあたりましては、これら大小発明者に対し感謝の意を表すると同時に、併せて國民発明に対する関心を高めて日本再建の途を開きたい、かような趣旨請願に及んでおるのでありますが、万一祝祭日に入れられない場合においても、これは文化祭の中で発明祭を取上げて國民的行事としてやつていただきたい、ぜひこの委員会として取上げられんことをお願いしたいというのです。     —————————————
  7. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 次に日程第三〇「紀元節」を祝祭日指定請願成島憲子さんの御紹介を願います。
  8. 成島憲子

    成島委員 島根縣濱田市長牛尾義尊氏外二千九百五十二名からの請願でございます。  紀元節存置の儀につきお願い  平和と文化をめざす新日本祝祭日制定現下緊喫の重要事と存じます。さきに総理廳において廣く世論を調査集計せられ、両院文化委員会において世論並びに各種の資料及び專門的意見により御審議中とのことで深く感謝いたしております。しかるに紀元節熟誠世論の支持があるにもかかわらず、一部に反対の意見が有力であると漏れ承り、まことに遺憾に存じています。そもそもわが國の紀年については、多少の誤差のあることは、早く学者によつて論ぜられておるところでありますが、学問的になお嚴正に研究すべき点があると言われております。民主主義國家の建設を速やかにするために、一切の正邪を明らかにし、大胆率直に改むべきものは改めねばなりませんが、國の大元たる紀年のごときは十分に民主的手続学問的方法により研究討議を盡し、愼重愼重を期すべきであると存じます。かりに紀年に多少の誤差があるといたしましても、神武天皇建國は否定できないことで、新しい歴史においてもこれは筆を起しておられる次第であります。何とぞ歴史の事実と現実の世論國民感情を酌量せられて紀元節はぜひ存置制定せられますような歎願してやみません。  なお紀元節は近時梅花節として親しまれて來ました。古來の節句である桃の節句、しようぶの節句、菊の節句に加えて、この梅の節句が平和と自然を愛好し、四季の風物の移り変りに敏感な國民の性情に合致し、清楚純朴にして平和剛建な氣風を養う上にも、きわめて意義深長なものがあると存じます。かかる点からも紀元節のもつ新しい志向を見ることができると思います。  ここに下名等謹んで紀元節存置を要望懇申し上げます。  昭和二十三年三月十六日    島根縣浜田市長 牛尾 義尊        外二千九百五十二名   衆議院議津松岡駒吉殿  何とぞ御採択を願います。     —————————————
  9. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第八及び日程第二七は同一趣旨でありますから、一括議題といたしたいと思います。紹介議員佐々木盛雄君の御説明を願います。
  10. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 「花まつり」を祝祭日指定請願であります。  聞くところによれば近く國祝日が更新される模様でありますが、われわれ佛教徒はこの際ぜひとも四月八日花まつり祝祭日に設定されますよう念願してやみません。佛教渡來以後千数百年にわたり、宗教としては言うまでもなく、文学に、美術に、教育に、その他種々なる方面に寄與するところの多かつたことは、何人も否定するを得ない事実であります。しかるに佛教釈迦に始まつたのでありますから、佛教の影響と称するものは、ことごとくこれ釈迦その人の感化といつても誤りがないのであります。実に釈迦はわれわれ人類にとつて世界的聖者の一人でありまして、その感化誕生地の印度を越えて廣く洋の東西に及んでおります。從つて釈迦誕生を祝う行事が後世永く傳わつてきたのもけだし偶然ではないと思います。  つきましては、この趣旨を御賢察くださいまして、何とぞ花まつり祝祭日に御指定ありますよう、長野縣佛教会長半田孝海氏を代表者として請願を申し上げる次第であります。何とぞ御審議の上、御採択あらんことをお願い申し上げます。     —————————————
  11. 佐藤觀次郎

  12. 竹尾弌

    竹尾委員 今度祝祭日の改正の議が行われるにあたりまして、明治節祝祭日に改正して、これを存置していただきたいという請願であります。請願者宮地直一氏外九名になつております。十一月三日の明治節は、かつて天長の佳節として祝つてまいりました。この十一月三日を祝うということは、現在においても國民的の感情になつておる。近年錯雜した國内事情、あるいは國際事情があるにもかかわらず、今なおこれが國民的感情として残つておることについては、毫も変りはないと思います。それで明治節制定がいかに全國民の総意であり、輿論であるかということは、いまさら申し上げるまでもないと思いますので、ぜひこの明治節祝祭日として存置していただくよう請願いたしたい、こういうわけであります。     —————————————
  13. 佐藤觀次郎

  14. 守田道輔

    守田道輔君 光市に観光施設施行請願であります。この趣旨を御説明申し上げますと、終戰以來日本の産業の多くが種々な方面から窮屈な制約を受けることは、まことに当然のことで、今さら贅言を要しませんが、この苦しい環境にあつて最も自由に経営されるものは見えない貿易、すなわち観光事業であると信じます。当光市は戰時中の軍都で、終戰後市中心母体であつた光海軍工廠を失い、光より光なき暗黒都市へと轉落の一途をたどり、あまつさえ寄るべなき一万余の引揚者戰災者の憩いの地と変り、市財政市民経済とともに前途暗澹たる状態に立ち到り、実に困憊した消費都市となつたのであります。しかし暗黒のうちに光明を戰災を免れた唯一の財産、國敗れて山河あり。この風光資源開発観光事業に活路を求めようとしているものであります。  当光市はすでに景勝の地として世間に知られ、西部瀬戸内海絶景中心にあつて豊後水道より太平洋の御潮流入する頂点に位し、天然記念物として保護を受けている樹種三百八十余に及ぶ暖帶林の繁茂する一大植物園峨嵋山、その昔毛利公の御國自慢に名高い白砂青松三里の松原(虹の松原)、その緑と江とを近景に眼前に変化多きあたかも庭石のごとく水無瀬島、尾島、牛島、祝島その他大小島嶼配置よく点在して、右手に笠戸島、左手に上の関を睥睨し、さらに遠く伊予、佐田岬、姫島、國東半島等望遠される、大きなスケールは、関西随一の称があります。市内室積港は最も景勝地にして、峨嵋山象鼻岬をもつて囲む絶景、自然の港御手洗湾内にあり、鏡のごとき湾内は、大小船舶繋留発着最も便利で、鯨潮吹き、魚族の産院とも稱せられる祝島、たれもがあこがれる味覚の王、たい、ふぐの漁場、周防灘近海探勝にも一入趣味を深くし、西部瀬戸内海観光基地として眞に比なき無上の地であると確信いたします。  かつては毎日新聞及び中國新聞により日本新八景として、また中國名勝地として紙上に紹介せられ、昭和十五年には、峨嵋山帶室積公園は縣下唯一の山口縣立公園となり、その惠まれた自然の美のゆたかさは國立公園の名の下に観光施設の充実と相まつて一層その價値を倍加し、國際観光地として必ず外客の満足せらるる地であることを信じまして、速やかにその施設整備を痛感いたしますが、実に困憊せる市財政と現平民経済情況下にあつては、これを成し遂げることを得ませんので、國際親善の促進、文化の向上、外貨獲得見地から、周防灘帶国部瀬戸内海國立公園指定せらるるとともに、これが中心地にして最も絶景の地であり、附近探勝に最も有利な光市に、國として別記施設を加工せられ、現下最も有意義の本事業を助長促進せられんことをここに請願いたします。  光市長山本雷造光商工会議所会頭加島敏郎の名でございます。別記というのはこちらにありますから、どうかごらんくださいまして、ぜひとも本委員会に御採択をお願いする次第であります。     —————————————
  15. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程二六「こどもの日」及び「母の日」を祝祭日指定請願——山崎道子君がおりませんので、馬場秀夫君にお願いいたします。
  16. 馬場秀夫

    馬場委員 「こどもの日」並びに「母の日」を祝祭日指定していただきたいという請願でありますが、これは日本社会事業協会会長の名で、請願が出ております。「こどもの日」を祝祭日指定していただきたいという請願は、すでに日程十四のところで説明されておりますので、残りの「母の日」について御説明申し上げまするが、ぜひ母の毎年五月の第二日曜日を「母の日」として、國民全部が母に感謝をささげるとともに、母たるものがさらに母性愛の徹底に努めること、こういう日にこの日を指定して、祝祭日として國民全部の祝う日にしていただきたい。これが提案の趣旨であります。どうぞよろしく。     —————————————
  17. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一六、「教育節」を祝祭日指定請願——青木孝義君がおりませんから、佐々木盛雄君にお願いいたします。
  18. 佐々木盛雄

    佐々木(盛)委員 請願理由をきわめて簡單に要約して御説明申し上げます。  日本再建青少年教育に負うところはきわめて大なることは、いまさら申すまでもありません。從いまして青少年を指導し、彼らが喜んで修養し、学業に励み、祖國再建を誓うような教育節をつくることが緊要であろうと考えます。つきましては、三月は幼稚園より大学に至るまで卒業式終業式の行われる月でもありまするので、この三月中に新しく教育節祝祭日指定されたいというのであります。  何とぞ御審議の上御採択あらんことをお願いいたします。     —————————————
  19. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第四、日光における國宝建造物修繕費國庫負担請願——高瀬傳君がおりませんから、馬場秀夫君にお願いいたします。
  20. 馬場秀夫

    馬場委員 日光は大自然の美に惠まれ、非常に古い由緒をもつ五十有余の國宝建造物によつて構成されておりまする文化香い高い、人工の美を兼ね備えた一大観光地であることは、皆さん御承知通りであります。ところがその中核をなしておりまする東照宮、二荒山神社、あるいは輪王寺等は、久しい間修理を加えたことがなくて、荒廃に任されておりますので、ぜひこれを國家の力で國費をもつて修理されて、所期の目的を達するようにしていただきたい。これが請願趣旨であります。どうぞよろしく。
  21. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 なお日程第七の、日光における國宝建造物修繕費國庫負邸請願戸叶里子君から出ておりますが、これも留守でありますから、馬場秀夫君にお願いします。
  22. 馬場秀夫

    馬場委員 ただいま申し上げました趣旨と同一の趣旨ですから、省略さしていただきます。
  23. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 それでは日程第六、ローマ字國策に関する請願——木下榮君が、おりませんから、川越博君にお願いします。
  24. 川越博

    川越委員 本請願提出者は、東京都杉並区天沼一丁目二百十番地佐伯功介氏であります。その要旨は民主的の新日本文化を打立てるためには文字言葉改革が一番必要であります。これを最も自然に、かつ効果的にするには、まず小学校中学校教育の半分をローマ字によつて行い、その熟したローマ字日本語一般に普及する意味をもちまして、小学校ローマ字教育國策の一部として遂行されたいというのであります。何とぞ本請願を御採択あらんことを希望いたします。
  25. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 以上三件に対する政府の御意見を伺います。
  26. 小林行雄

    小林説明員 初めに御説明のありました日光國宝建造物修繕費につきましてお答え申し上げます。この請願日光國宝建造物修理について全額國庫負担で支出してもらいたいという御趣旨でありますが、御承知のような二社一寺の厖大な建造物でありますので、これを全額國庫負担をもつてただちに修理をするということは現在のところ不可能であります。また國庫負担でなく國庫補助修理をするということも、現在の予算額ではちよつと困難であるというふうに考えられます。ただ御指摘になりました通り、本件は観光の立場からも、きわめて重大な建造物でありますので、文部省としても全然これを放置しておるわけではないのでありまして、先般も專門の技術官が詳細にこの破損状況、それから修理に要するいろいろな資材関係等を調査いたしたのであります。私どもといたしましては、できるだけ近い機会に、これの修理に要する予算を獲得して、國宝建造物修理ということを実施いたしたいと思つております。
  27. 釘本久春

    釘本説明員 ローマ字教育に関します請願につきまして、ただいま文部省といたしまして考えておりますこと、また実施いたしておりますことをお答え申し上げたいと思います。  本請願にうたわれました内容のうち、重点となりますことは大体三点になるように存じます。第一に、新日本文化を建設いたしますためには、私ども文字言葉を、ぜひともやさしく、また能率的な文字であり言葉であるように改革する必要があるというふうにうたつてあるのでございますが、この点につきましては、本委員会にも再三御説明申し上げ、また御協力を得ております通り文部省におきましても、國語改革の仕事を重要な文化政策一つとして取上げておりまして、その一環といたしましてローマ字教育を行いますことも、つとに力を入れているところでございます。昭和二十二年以來、ローマ字教育小学校中学校において授けるように取計らいまして、國民一般ローマ字の読み書きが行えるようにしようという方策をとりましたのは、その具体例でございます。  次に第二点といたしまして、それならば小、中学校教育の半分をローマ字によつて行うようにしたらどうかという御意見でございますが、この点につきましては、小学校中学校で授けます教育の半ばを、ローマ字によつてのみ行うというところまでは、私どもは現在考えておりません。と申しますのは、申すまでもなく、小國民たち將來社会生活において一應の一人前の人間として活動できるような力を授けますのが、教育一つの眼目だといたしますならば、ただいま、ローマ字によつて日本社会生活一般的に行われており、また学問文化の修得につきましてもローマ字によつてのみ行い得るというような習慣、状態がまだ日本社会にできておりません以上は、その半分をローマ字のみによるなどといかことはまだ尚早と存じます。それには、学問的にも、また國民國民憤習の上からも、いろいろ檢討すべき点もございますし、前提といたしまして、國民全体の意思によつてそういうことが決定されるようでなければ、ただ理論的にローマ字の効果が考えられるというだけで、そのように取計らいますことは尚早だと存ずるからであります。  第三点として、ローマ字で書かれる日本語を、一般に通用する教育形式として定めたらどうかというふうな御意見でございますが、これも、前段に申し上げましたような理由で、ただいまただちにローマ字で書くという形式を、一般國民の公的な形式にいたすというふうなことは、定めようといたしましても、一行政官廳などでそういう政策をとるべき時期ではないと考えております。要するに、國字問題は、これをなるべくやさしくする、國民全体の國語であるというようにいたしますように、何かと力を盡すべきでありますけれどもローマ字の表記を一般の習憤とするというふうなことは、これは、十分な学問的また社会的な究研を積みまして、その上で國民何体の意見によつて決定される時期が來るまでは、政府などで一方的に定めるべきことではない。かように考えまして、その基礎的な研究をまず十分にいたしますために、先ごろ本委員会では御採択になりました國語研究事を設置する件ということも、文部省において大いに努力いたしまして、本年から出発することになりましたが、その國語研究所などで十分研究を積んだ上で、國民の全体の意思に訴えて決定すべきだ、かように考えておる次第であります。
  28. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕
  29. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 速記を始めてください。  次に日程第一二、大善寺中門重要美術品認定請願文書表第三四三号、紹介議員に坂東幸太郎君になつておりますが、代つて成島憲子さんにお願いいたします。
  30. 成島憲子

    成島委員 簡單に御説明申し上げます。  本請願の要旨は、大善寺は八王寺市の北方に位し、天正十三年開創以來、実に三百七十年の星霜を経た名刹であり、現存の建物中、中門は経築樣式は鎌倉風のもので、宝歴四年名工とうたわれた木匠小町越前守の設建施行にかかるもので、左右に配される仁王像、又は扁額、梵鐘も由緒あるものである。ついては大善寺中門重要美術品として認定されたいという請願であります。何とぞ御審議の上、御採択を希望いたします。
  31. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一七、丸龜城附属建造物國宝認定請願、文書表第五二五号、——紹介議員福田繁若君に代つて橋長治君に御説明を願います。
  32. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 それでは紹介議員に代りまして、私から簡單に御説明申上げます。  本請願の要旨は、丸龜城天守閣は昭和十八年に國宝認定されたが、その際追手門その他の建造物國宝價値十分と認定され、その後認可を得る機会を換していたが、最近大藏省よりこれが本市に拂下げになることと決定したので、速やかに追手門、西の丸御殿表門、長屋等を國宝指定されたいというのであります。  右の内容につきましては申し上げた通りであります。どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。簡單ながら紹介議員に代りまして、御説明申し上げる次第であります。
  33. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 以上二件につきまして政府説明を願います。
  34. 小林行雄

    小林説明員 この大善寺を重要美術品指定する件について御回答申し上げます。  この請願につきましては、第一回の國会にも同樣の御趣旨請願がございまして、その請願趣旨に基きまして、文部省は專門の美術員を派遣いたしまして、この價値判定をしていただくことにいたしたのであります。その調査報告によりますと、この大善寺におきまして問題となるものは、中門と一つには梵鐘でありますが、この大善寺の中門は鎌倉風のものでなく、江戸末期のものであるという一應の報告になつております。從いまして、特に取上げて問題にすべきものではない、重要美術品認定の候補にはならないではないかという報告が参つております。また梵鐘でありますが、この方も銘は相当古いものでありますが、地方の鑄物史の資料としては、その意味で價値があるけれども、製作技術が必ずしも優秀ではない。從つて歴史上あるいは美術上重要な價値があるものとは認められないということでございますので、文部省といたしましては、現在この大善寺の中門を重要美術品認定の候補として推挙するということにはいたしておりません。さよう御了承を願います。  それから二番目の丸龜城附属建物を國宝指定する件でありますが、この附属建物につきましては、戰時中すでに調査をいたして、十分國宝價値があるという報告が出ております。ただ当時陸軍の用地でありました関係上、これを指定するに至らなかつたのでありますが、大藏省の方から丸龜市の方へ移管が確定したということでありますので、早速にその手続をいたしたいと思つております。移管が決定になつたということだけで、まだ確定ということにはいつておりませんので、その点を十分確かめました上で手続をいたしたいと思つております。     —————————————
  35. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一八、工藝研究所設置請願、文書表第五三六号、八並達雄君の紹介になつておりますが、おられませんから、高橋長治君にお願いいたします。
  36. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 紹介議員に代りまして私から簡單に御説明申し上げます。御承知通りに今後の日本の発展は輸出貿易の振興にまつところが大であることは申し上げるまでもないことであります。それには多分に智的要素を含む高級品がどしどしと生産されなければなりません。かかる見地から最も有力なる工藝品の向上をはかりまするために、また徹底的な調査資料を提供する調査機関と、徹底的考案研究を主眼とする研究機関とを兼ね備えた工藝研究所を設置することがきわめて緊要であるということでございますので、どうかよろしく御採択あらんことをお願いいたします。
  37. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一九、金刀比羅宮所藏品を重要美術品認定請願福田繁芳紹介になつておりますが、おられませんから高橋長治君にお願いいたします。
  38. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 これも紹介議員に代りまして御説明申し上げます。  現在戰災を免れました宝物類の價値が重要視いたされまして、政府におきましても積極的にこれが重要美術品認定をする由でありますまが、香川縣の金比羅所藏品は、その保存管理につき十分なる注意と嚴重な監督をしてまいつたのでありますが、それにつきましては、その特長あるものを廣く内外に紹介いたしまする美技参考品といたしまして、散撤その他の危險からこれを防ぎまして、保存の万善を期するためには本宮の所藏品を重要美術品にぜひとも認定していただきたいという趣旨でございます。どうかよろしくお願いいたします。
  39. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 なお日程二三、出雲大社修繕費國庫負担請願木村小左衞門君に代つて橋長治君にお願いいたします
  40. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 これも紹介議員に代りまして簡單に御説明申し上げます。  本請願の要旨は、出雲大社はわが國最古の神社でありまして、その規模の廣大さの無双でありますることは、私がここに申し上げるまでもないのでございますが、皇室の崇敬と國民の信仰厚く、福の神、農祖神、縁結びの神並びに医藥の神といたしまして、参拜者は年々二百万以上を算えるといれわております。今や屋根その他の腐朽がはなはだしく、当社の経済をもつていたしましては、とうてい修繕し得ない状態にあります。なお島根半島の國立公園指定に伴いまして、当大社もこれに編入いたされまするならば、國宝的な建築物の保存並びに観光の点よりも、速やかにこの修理を必要とするのであります。ついては、当大社に対しましても、國費をもつて速やかに修理をしていただきたい、こういう趣旨でございます。どうぞよろしく御採択をお願いいたします。
  41. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 以上三件につきまして、政府当局の説明をお願いいたします。
  42. 小林行雄

    小林説明員 工藝研究所設置請願でありますが、昔からのわが國のすぐれた傳統の文化美術というものを根本的に研究する。それから最近諸外國でいろいろな考案について調査を行いそうして日本の工藝美術品の総合的な考案上の発展をはかるということは、御請願趣旨通り、きわめて重要なことであります。單に学問上のみならず、わが國の輸出貿易を振興するという意味においても、このことは非常に重大なことであると思われますので、文部省といたしましても、この点について具体策を研究いたしております。ただこれにつきましては單に文部省はかりではなく、その他にもいろいろ産業上関係する官廳等もございますので、それらとも十分連絡をとり、あるいは現在の上野の美術学校の工藝技術講習所というようなものを拡張する方法等も現在研究をいたしておるのであります。いずれにいたしましても、できるだけ早い機会にこれについては実現をはかりたいと考えております。  それから第二番目の香川縣の金力比羅神宮のいろいろの宝物の重要美術品認定の件でありますが、この件については先年一應一部の調査をいたしたこともございます。その結果によりますと、文書あるいは絵画につきましては、相当認定をしてもよいのではないかと思われるものがあるのでありますが、まだ完全な調査は終つておりません。なお工藝品についても県在いろいろな方面と比較研究をいたしておりますので、再調査ができました結果、若干のものが認定し得るのではないかと考えております。  それから出雲大利の復旧工事の件でありますが、出雲大社は、仰せの通り、わが國の神社建築上きわめて重要な建物であります。戰時中いろいろ修理を怠りました関係上、非常に傷んでおりますので、これの修理を早急に行わなければならぬのでありますが、今年度の予算をもつてしては、いかんともすることができないのでありまして、文部省といたしましてはこれも最近の機会予算を獲得して修理を実施したい。こういうように考えておる次第であります。     —————————————
  43. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一一、後樂園復疑費國庫補助増額の請願多賀安太郎君の紹介でありますが、二つて川越博君より御紹介を願います。
  44. 川越博

    川越委員 本請願提出者は、岡山縣知事の西岡廣吉氏外二名でありまして、その要旨は、わが國三公園の一つである岡山縣後樂園は再三の水害とまた戰災に遭つておりますので、岡山縣においてはこれが復旧に努力をいたしておりますけれども、少くとも二百三十万円の経費を要する次第であります。ついてはその三分の一を國庫から何とぞ補助をされたいというのであります。
  45. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 政府説明を求めます。
  46. 小林行雄

    小林説明員 後樂園は、ただいま御請願の御説明の中にもございましたように、先年、昭和九年の大風水害で非常に傷んだのでありますが、その際は政府と地元民徳一緒になりましてこれの復旧をはかつて、完成いたしたのであります。ところがまことに残念なことには、今次の戰爭の結果、非常に傷みまして、ほとんど壞減に近い程度にまで損害を被つたのであります。ただ地元民の非常な熱意があります点と、それから專門的に調査いたしました結果、大部分は復旧が可能であるということでございましたので、昨年度におきましても政府から多少の補助をいたしてこの復旧に着手いたしたのであります。本年度におきましては非常に多額の國庫補助をしてもらいたいという御請願のようでございますが、現在の文部省予算といたしましては、必ずしもその御希望に副い得る額は出し得ないと考えます。ただ昨年度に比較しまして予算の許す範囲内で相当増額をいたしまして補助をして、この修理を実施いたしたい、こういうように考ております。     —————————————
  47. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 用紙割当についてたくさんの請願が出ておりますが、用紙掌当廳法案につきましてはまたあらためて説明していただくことにして、現在の割当状況について簡單に御説明を願います。
  48. 成田勝四郎

    ○成田政府委員 それでは新聞、出版用紙の割当の現状及び將來の見透しについて簡單に御説明申し上げます。  まず新聞用紙に割当の現状について申し上げますと、現在の用紙の割当を受けておる新聞は総数は二百四十五であります。そしてそれに対する割当量は月平均一千六百二十万ポンドであります。この二百四十五社のうち、日刊新聞は百四十八、それに対する割当用紙の数量は一千五百七十万ポンドでありまして、これを日刊の部数に直しますと千八百六十八万部であります。つまり毎日千八百六十八万部の日刊新聞が出ておるということであります。それから非日刊新聞は九十七社でありまして、それに対すめ割当は月平均五十万ポンドということになつております。  次に新規の割当を申請しておる分について申し上げますと、現在割当を受けておりますが、なお割当を殖やしてもらいたいという増配の申請をいたしてきておるものが百七十ございます。それかに今まで紙をもらつておりませんが、新しく割当を受けたいという新規申請をいたしておるものが七百社ございます。つまり七百だけ新規申請の割当を受けてないものがたまつておるわけであります。  それで今店の見透しについて申し上げますと、御承知通り紙が非常に不足なものでありますから、申請に対し十分な割当ができませんので、現在割当を受けておる新聞社の中でも、部数にしまして一万以下、二万以下、あるいは三万以下というような、ごく割当量が少いものなどは、経営上非常に困難を感じておる状態でありまして、その見地からも、ぜひ割当量を殖やしてもらいたいという申請がしきりに來ておるのであります。それからまた最近の、地方を中心としまする行政組織などの関係から地方にもいろいろと新聞の新しい計画がありまして、ぜひ割当を受けたいというような申請もあるのでありますが、何分にも用紙の事情が思うように参りませんので、増配の申請並びに新規の申請に対する新たな割当というものは、もう昨年の初め以來一つも行われておらないという、はなはだ残念な状態になつております。なお大分前からうわさに出ておりますが、日刋新聞が一週間に一回四ページを出すという話があるのであります。なかなか実現を見ないのでありますけれども、これも新聞割当の方に供給される紙の量が十分でありませんので、実現を見ないという実情であります。用紙の生産の総量は統計をごらんになりますと、この春以來若干殖えておるわけでありますけれども、これは昨年度におきまして大分紙の配当の不足を告げておりました、ほかの部分、たとえば教科書でありますとか、ノート用紙でありますとかいう方に大分充当されておりますので、從いまして紙の全体の生産が殖えておるということが、必ずしも新聞の方へまわつてくる紙が殖えておるということにならないわけなのであります。  次に出版書籍、雜誌関係の割当の現状を申し上げますと、出版の方に割り当てられまする紙は、一期三箇月大体七百万ポンドであります。これを雜誌と書籍に分けて割当てているわけでありますが、雜誌の方は現在割当をしている数は大体一千八百種であります。このほかに新たに割当を申請しているもの、これが約一千種ある。書籍の方は初版と重版というふうに分けるのでありますが、初版の申請は一期に約四千種ぐらいであります。これは毎月審査して紙を出しているわけであります。重版の方は一期に約三千五百種類ございます。この雜誌関係の割当も、雜誌なでは昨年以來新規に対する割当は一つも行つていないようなありさまでありまして、これは先ほど申し上げましたように、用紙の生産がもう少し目立つて殖えてまいりませんと、なかなか新規の雜誌に紙を割り当てる、あるいは從來の雜誌の申請者の満足す焼るような十分な紙を割り当てるという状況までに行かない実情であります。大体以上であります。
  49. 馬場秀夫

    馬場委員 ちよつとお尋ねしたいと思います。これは成田局長の前任者のときでありますので、あるいは引継がないかもしれないのですが、すでに本委員会において用紙割当の申請の請願を三つ取上げまして、日本観光新聞、國会新聞、東洋新聞、これを委員会採択しているのです。そのときに事務局の方では、委員会採択してもらえるならば、この用紙割当については何とかいたしたいというような意向の表示があつたのであります。さようなわけで委員会は当時の用紙の生産事情その他を勘案いたしまして、相当無理であるということを知りながらも採択した。それで私実は、採択したならば実行し得るかどうかということを念を押したのであります。しからばその用紙はどこからもつてこられるかというところまで、実はかなりいやな言葉を使つて申し上げたのであります。その後今お聽きすると、昨年以來、しかも昨年の初め以來、一切新規割当が行われておらないということでありますので、今後委員会でいろいろ請願がありますが、かかる民間のいろいろな希望をいかようにしてわれわれが達成し得るように努力するかということには、非常に躊躇せざるを得ない。從いまして、もう少しくこの燃える國民の声を何がしか入れるというような努力をされるものを示していただかないと、われわれは非常に遺憾の意を表せざるを得ないのであります。從いまして、前当局がまわし得るという腹を示したのはインチキであつたのかどうかを、もう少しはつきり聽いておいて、爾後に処したいと思います。
  50. 成田勝四郎

    ○成田政府委員 ただいま馬場委員の御質問がございました。私の前任者が正確にそのようなお答えを申し上げたかどうかは、記録を調べてまいりませんでしたが、もし右のような言葉を使つて申し上げたとすれば、おそらくその意味は、委員会の御決議を十分尊重して、その御趣旨通りに努力いたしますという意味で、御返事申したのではないかと思うのであります。そうして事実私の前任者もその線に沿うて大いに努力したのだろうと思うのでありますけれども、何分用紙事情がその後一向好轉しませんため、不本意ながら実現を見なかつたのではないか、こういうふうに考えるのであります。  なお本委員会において採択されました請願と、それから割当の実現との関係について御注意がございましたけれども、これは私どもも実は当惑しているところであります。本委員会におきましては、請願が出てきたものについてのみ御審査になりまして、そして十分價値ありと認めて御採択になるわけでありますけれども、しかしそれは私どもの方に何千と出てきておりますほかの申請と比較した上のことではありません。この用紙割当事業というのは、たくさんの申請者の中から、最も優先的に割り当てるべきものに対して割り当てているわけであります。その全部を御檢討になつた上ではない、ただ客観的にこれもよいのだという趣旨の御決議でありますので、私どもの方といたしましては、ほかの全部のものと比較してきめなければならないという事情をもつておりますことを、ここに御了解願いたいのであります。
  51. 馬場秀夫

    馬場委員 ただいまの成田局長の御説明について一言お尋ねですか、あるいは考えを申し述べておきたいのでありますが、ここで請願を取上げる際におきましても、決して簡單に取上げておらぬという一事を御記憶願いたい。何千種か新規申請があつたのを、その中から出版は割当事務局では審査するというお話ですが、昨年來一つも新規割当を採用しておらないのに、選んでいるということは、ちよつと意味が徹底しないのです。從來割り当てておつたものにそのまま割り当てているというならば、わかりますけれども、われわれが本委員会に採用いたしましたのは、新規割当申請に対しての請願をとつたのであります。從いましてそのときに事務当局から聞きました今出ている請願の三新聞については十分考慮する。今たんさん出ています。その中でもこの三つは採択していただいて十分そのわくにはいり得るというような表示があつたために採択したのであつて、われわれも決して比較檢討せずしい、いたずらに出て來たものを全部ここに採択しているようなことをやつておらぬということを御了解願つておきたい。
  52. 成田勝四郎

    ○成田政府委員 ただいまの言葉が少い足りなかつたと思いますが、新規申請の場合は、私どもの現在やつていることというよりも、その新規申請に割り当てる場合にたくさんの中から——新聞にいたしますれば数百ある中から全部を比較して選ぶ、こういうことを申し上げたのでありますから、これは訂正いたします。もちろん委員会でも御採択になりました請願につきましては、私どもとしては、これを十分尊重して、特に愼重に考慮する方針でありますことを申し上げます。
  53. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 そのほかに質疑ございませんか。  それでは日程第二〇の観光関係出版物用紙割当増加請願、高橋長治君の御説明を願います。
  54. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 私が紹介議員になつております。  申し上げるまでもなく戰後平和日本再建のために、経済的にも文化的にもその大きな一翼を担うものとして、観光立國の声が全國にみなぎり、各地ともその活発な活動に入り、観光何係諸團体、諸施設は逐日増加の一途をたどりつつありますことは、すでに御高承の通りであります。第一回新國会におきましても、観光事業に関する事項は、両院文化委員会の所管事項として取上げられ、観光委員会の設置を見、幾多の観光事業関係諸案件の審議決定が行われましたことは、われわれこの事業に関係する者として、大いに感銘を深くし、一層の重責を覚えるものがあります。  さて、この観光立國の成果を遺憾なくあげるためには、対内外宣傳が不可欠であることは論をまたぬのでありますが、特に対外宣傳につきましては、今にしてこれが完璧を期さなければ、立後れとなり、將來に禍根を残すものと信するのであります。しかるにこの観光宣傳に必要欠くべからざる出版物の用紙につきましては、一般出版界用紙のわく内において処理されているため、新聞出版用紙割当委員会審査においては、観光宣傳用紙は、ともすると第二義的に扱われておりこの割当はきめわて僅少であります。從つて現在では、進駐軍將兵に対する案内記、日本文化紹介その他の宣傳用名刷物も、要求を満たす程度に発行することができず、特に昨年の貿易再開以來、來朝するバイヤーに対する宣傳斡旋についても、これに必要な用紙に関し貿易廳方面で種々御奔走願つたのでありますが、遂にわずかB六、三十二ページのパンフレツト七千部相当量の割当を得られたのみで満足な宣傳ができぬ実情にあります。さらに近い將來に來朝を予想される観光客に対する下準備として最も肝要なアメリカ本土向けパンフレツト、ポスターその他の宣傳物も、用紙入手難のため、目下のところほとんど作成は絶望に関い状態にあるのでありまして、これではわれわれとしてせつかくの意欲を座折せしめらるるのみならず、実際活動面においてもまた、観光立國の実を十分に発揮し得ない憾みがあるのであります。  もちろん右のような観光宣傳面の用紙入手難の原因の一つは、全國的な洋紙生産量低下にあると存じますが、いま一つさらに大きな原因は、観光宣傳が重要國策として口には云々されながら、実際問題としてはほとんど何らの具体策がとられておらず、從つて宣傳用紙に対しても、正当な割当が考慮されていないことにあると信じます。  ここにおきまして観光関係出版物の用紙は一般出版界用紙とは、別箇のわくを設けられ、妥当なる割当配給をはかられたく、特に御高配をお願い申し上げる次第であります。  かくしてこの繼日増加しつつある連合國関係シヴイリアンの來朝に対し、われわれの活動を活発に展開して外貨獲得の実をあげ、日本再建に遺憾なき努力を期して國家の期待に副わなければならぬものと確信しているのでございまして、どうか右の理由を十分御理解のもとに、この請願趣旨を実現していただきたくここにお願したような次第でありまして、何とぞ各位の御採択あらんことをお願いしたいと思うのであります。
  55. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日断第二一「浜松民報」に用紙割当請願川合彰武君の紹介でありますが、馬場秀夫君に代つて説明を願います。
  56. 馬場秀夫

    馬場委員 紹介議員がおりませんので代つて説明申し上げます。  「浜松民報」に用紙を割り当ててもらいたい。これは戰時中に言論統制のわくにはいり、浜松民報は靜岡新聞に吸收された。ところが、終戰後地方民の要望で浜松民報を復活したのでありますが、今日まで全然用紙の割当がない。でありますから、ぜひ用紙を割り当ててもらいたい、というのであります。
  57. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第二、雜誌「相撲」に用紙割当増加請願佐藤觀次郎紹介になつておりますから、ちよつと説明いたします。  この請願は大日本相撲協会の藤島秀光君になつておりますが、私が紹介議員でありますから、ごく簡單に御説明申し上げます。  財團法人大日本相撲協会発行にかかる雜誌「相撲」と、昭和十一年の五月創刊以來連月刊行いたしておりましたが、昭和二十年の三月の戰災のため、一時休刊のやむなきに至りました。昭和二十二年一月から、ようやく復刊いたしたのでありますが、何分用紙割当僅少のため、まことに遺憾ながら多くの読者の要望に應ずることができないのであります。近來各界スポーツの勃興しないものはありませんが、ただ相撲だけは低調であるかのように考えられております。けれども、現在大相撲は春場所、夏場所、なおその以外に各地にありまして、全國の各地を巡回しておりますので、その観衆は一年を通じて約五百万人以上に達しております。これらの人たちの中には、一回相撲を見て非常に関心をもつ人もたくさんございますが、特に郷土出身の大小力士については、できるだけ多くを知ろうとする傾向がきわめて濃厚であります。しかもこれらについて解説報道を根本とする專門雜誌でありますから、ぜひとも本請願を御採択願いたいと思います。長い歴史と傳統をもつておりまして、國民の生活に密接な関係がある相撲について、できるだけ御理解を願いまして、毎月最低三万部の用紙割当をいただきますよう、謹しんで御請願申し上げる次第であります、以上であります。  日程第二二、「莊内自由新聞」に用紙割当請願。図司安正君になつておりますが、馬場秀夫君にお願いいたします。
  58. 馬場秀夫

    馬場委員 紹介議員に代りまして私から御説明申し上げます。  本請願の要旨は、山形縣莊内地方は地元日刊新聞がないため、地元民が新聞によるニユースを接受するには長い時間を要し、その不便がはなはだしい。また当地方は縣内他地方と政治、経済、風組等において異なるところ多く、地元民の生活に即應するニユースを充実した有力なる日刊新聞を要求する声がきわめて強い、ついては昭和二十一年に発刊した「莊内自由新聞」に速かに用紙を割り当てられたいというのであります。
  59. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第五、「九州朝日新聞」に用紙割当請願。荒木萬壽夫君の紹介になつておりますが、高橋長治君に代つて説明願います。
  60. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 本請願の要旨は、大牟田、荒日の両市は重要産業都市であるとともに各種の特殊條件を有するにかかわらず、未だ一の日刊新聞もなく、週刊紙として「九州朝日」があるだけで日刊新聞発行の要切なるものがある、ついては「九州朝日」に日刊紙としての用紙を割り当てられたいというのであります。
  61. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第一〇、主「民新聞」に用紙割当請願宇都宮則綱君の紹介でありますが、最上英子さんに代つて説明願います。
  62. 最上英子

    ○最上委員 紹介議員がいらつしやいませんので、私が代りまして御説明申し上げます。  本請願の要旨は、「民主新聞」は、大分縣において國民大衆の民主化をはかることを目的として、目下着々とその効果を收めつつあるが、創刊以來用紙の割当がなく、その発刊に困難している。ついては本新聞に用紙を割り当てられたいというのであります。何とぞ御採択を願います。
  63. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程三一「南信時事新聞」に用紙割当請願。今村忠助君の紹介になつておりますが、代つて山名義芳君に御紹介を願います。
  64. 山名義芳

    山名委員 紹介議員の今村君に代つて簡單に御説明申し上げます。  本請願の要旨は、日本將來の対外貿易上きわめて重要な地区である長野縣飯田市、上下伊藤の一市二郡の面積は四千百二十平方キコ、人口四十三万人で、面積において富山、石川両縣に匹敵し、人口また鳥取縣一縣に近いにもかかわらず、正規の日刊新聞がないことは、言論時代の今日、こわめて不合理である。ついては昭和二十二年四月発刊の南信時事新聞に正規の日刊新聞としての用紙を割り当てられたいというのであります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  65. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員長代理 以上の用紙割当につきましての政府の御説明を願います。
  66. 成田勝四郎

    ○成田政府委員 御説明申し上げます。観光関係の出版物及び雜誌「相撲」について用紙の割当量を殖やしてもらいたいという請願の御趣旨を拜聽いたします。観光関係につきましては、このことがわが國の外貨獲得上まことに重要な事業一つになつており、また文化見地から申しましてもまことに大切な事業であることは、割当委員会におきましても、事務局におきましても十分承知いたしているのでありまして、從いまして、実際の割当の実施につきましても、愼重にその点を考慮して、できるだけのことをしているつもりであります。ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、全体の用紙量が限られておりますので、その限られている紙を、あらゆる部門の出版物に割り当てなければなりませんので、そのような関係から十分に割り当てるわけにまいりませんことを、はなはだ遺憾に存じているのであります。また観光事業関係の刊行物のために特別のわくをつくつたらどうかというお話でありましたけれども、これは、わくをつくれば確かにそれだけ確保されるのでありますけれども、わくをつくることは、実は商工省なり、経済安定本部なりの意見を聽かないと、その方でやることでありますから、私どもから十分にお答えはできないのであります。私どもの方からそういう希望を出すかどうかという点になりますと、何分各部門々々におきまして、用紙の割当量についてはやはりいろいろな御注文があるわけなのでありまして、観光事業関係だけに一つのわくをつくることは、早急には実現困難じやないかと考えております。  次に、雜誌「相撲」の件でありますけれども、これにつきましても、現在千五百部の割当になつているわけであります。委員会におきましても「相撲」及びその他のスポーツのための雜誌が、はなはだ有用なものであることは、十分認識しているのでありますけれども、これにつきましても、やはり全体の用紙量の不足のために、現在のところ十分なる割当を行いかねる事情にありますことを残念に存じておるわけであります。  次に新聞関係について申し上げますが、浜松民報、民主新聞九州朝日新聞莊内自由新聞南信時事新聞等につきまして新規割当増配の御注文、これは私どもも確かに書類をいただきまして、それぞれ研究済みの申請であります。ただ先ほど申し上げましたように、用紙の総量が不足の結果、新規の申請に対する割当を行いかねるような状態にありますので、これらの新聞の重要性は十分認めておるのでありますけれども、今ただちにこれを実現することができないという状態にあることを御説明申し上げます。
  67. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 委員諸君から御質疑はございませんか。
  68. 高橋長治

    ○高橋(長)委員 観光事業に関する用紙割当につきまして、新しく観光事業特別のわくをつくつてくれというこの意見は、何人が聽きましてももつともだと思うのであります。またただいま当局の御説明といたしましても、わが國の今日の用紙の生産の面から考えますれば、早急にそういうわくができかねるという御意見も、私はもつともだと思います。なお非常に味のある、すぐにはできないというような、まことにやわらかい、当りのいい御答弁をいただいたのでありますが、先ほどその前隔に観光事業のわが國の現状、將來を考えて、観光事業というものが重要であるということについては、御賛成のようでありますが、新しくわくをつくることについて、これは当然とお考えになるかどうか。その点をひとつお聽きしておきたいと思います。
  69. 成田勝四郎

    ○成田政府委員 新しくわくをつくることにつきまして、先ほど私の御説明が足りなかつたかもしれませんが、他のいろいろな部門との比較という点を考えますと、やはり観光事業だけに一つのわくをつくるということは無理があるものと私は考えております。     —————————————
  70. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 日程第十八の、工藝研究所設置請願につきまして、商工当局から説明のためにわざわざ出席されておりますから、この際簡單にお説明願いたいと思います。
  71. 堀合道三

    ○堀合説明員 工藝研究所の設置の請願につきまして、当局の考えております点を申し上げたいと思います。  昨年八月民間貿易の再開がありましてから、美術工藝品の輸出につきまして、当局としましてはいろいろ努力をいたしてまいつたのでありますが、昨年の九月以來、今年の三月までの間におきまする美術工藝品の契約出來高は約三千五百万円であります。これをドル價格にいたしますと約十万ドルに上つております。このうちおもなものといたしましては陶磁器、水晶、象牙、めのう、漆器及び七宝などであります。この美術工藝指導研究機関としましては、すでに國立の工藝指導所がございまして、本所が東京にあります。仙台及び大阪にその支所が設けられております。また今年度の予算におきまして、新しく九州に支所を設置すべく計画をいたしております。そのほか陶磁器試驗所、繊維工業試驗所等が設立されておりまして、美術工藝品の品質の向上、技術の改善ということにつきまして研究調査並びに業者の指導をいたしておる次第であります。貿易廳といたしましては、今申し上げましたようないろいろな美術工藝品に関しますところの調査研究機関と密接に連絡をいたしまするとともに、貿易廳の実務を担当しております日本貿易館及び繊維貿易公團、鉱工品貿易公團等に設けられております美術工藝室、これらと緊密に連絡をいたしまして、そうしてその海外における美術工藝品の嗜好の調査、あるいは海外に流行しておりますところの意匠、流行のあちらの生活樣式なり、あるいは日常環境に適しましたところの有用なる美術工藝品をつくるというようなことのために調査研究し、また業者に対しまして、そのために必要なるところのいろいろの指導をいたしております。また輸出工藝品の展示会、展覽会などを随時開催しまして、この方面の業者の啓発指導に努力いたしておる次第であります。  以上のような次第でありまして、ただいまさしあたりまして請願趣旨にあります工藝研究所のようなものを設けるということは、趣旨ははなはだ結構でありますけれども予算その他の事情からいたしまして、早急にそういう研究機関を設けるということは困難であると考えますので、既設の機関を十分に活用いたしまして、請願趣旨に十分にこたえることができるように努力いたしたいと考えておる次第であります。
  72. 佐藤觀次郎

    佐藤委員長代理 殘余の日程は延期いたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十七分散会