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1948-09-24 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第61号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年九月二十四日(金曜日)     午後二時五分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君    理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君    理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君    理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君       高橋 英吉君    古島 義英君       明禮輝三郎君    渡邊 良夫君       前田 種男君    小野  孝君       椎熊 三郎君    橋本 金一君       田中 健吉君    中村元治郎君       本田 英作君    宇都宮則綱君       徳田 球一君  委員外出席者         石炭國管問題に         ついて出頭した         証人         議     員 長尾 達生君         議     員 西田 隆男君         議     員 淵上房太郎君         議     員 岡部 得三君                 田中 彰次君                 肥田 理吉君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  石炭國管問題     ―――――――――――――
  2. 武藤運十郎

    武藤委員長 これより会議を開きます。  本日御出頭証人長尾達生さん、西田隆男さん、淵上房太郎さん、岡部得三さん、肥田理吉さん、田中彰次さんですね。――石炭國管問題につきまして証言を求めるため御出頭願つた次第であります。  証言を求める前に各証人に一言御注意を申し上げておきます。昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十三年法律第二百二十五号議院における証人の宣言及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして、宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知なつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。お手もとに差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。     〔証人長尾達生君各証人代表して宣誓〕     〔各証人宣誓書署名捺印
  3. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは長尾さん、西田さん、淵上さん、岡部さん、肥田さん、田中さん、こういう順序でお話を伺いますから、恐縮ですが、長尾さん  以外の諸君はもうしばらく別室でお待ちを願いたいと存じます。  それでは伺いますが、あなたは福岡縣選出の現在民自党代議士でありますか。
  4. 長尾達生

    長尾證人 ええ。
  5. 武藤運十郎

    武藤委員長 前にはどこへ所属しておられましたか。
  6. 長尾達生

    長尾證人 民主党です。
  7. 武藤運十郎

    武藤委員長 前には民主党、いつから民自党に変られましたか。
  8. 長尾達生

    長尾證人 本年三月です。
  9. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年いわゆる石炭國管法が上程せられましたが、そのときあなたは賛成のお立場ですか、反対のお立場ですか。
  10. 長尾達生

    長尾證人 反対立場です。
  11. 武藤運十郎

    武藤委員長 最初から反対ですか、途中で反対ですか。
  12. 長尾達生

    長尾證人 委員として昨年七月、山口九州実態調査に参りました。それから一層信念づけたわけであります。反対の。
  13. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者はこぞつてこれに反対したようでありますけれども、業者議員に対する反対に関しての働きかけについて、あなたの知つておられる限りお話を願いたい。
  14. 長尾達生

    長尾證人 私は業者という立場でなくて、鉱工業委員として國管案増産にならない、こういう観点から終始反対してきたわけであります。
  15. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者反対運動をしたことについてあなたの関係している限り、あなたのお知りになつている限り述べていただきたい。
  16. 長尾達生

    長尾證人 余談になるかもわかりませんが、福岡縣の当時民主党縣会議員が約十名上京して、國管案増産にならないからこれに反対してもらいたいという陳情を受けたことがあるわけです。それ以外私も業者でありますが、元来長い間の経験、それからさらにさいぜん申しますように、七月に約三週間にわたりまして山口九州実態調査に行つた。その間どうも國管が実施されても増産にならない、こういう信念をつけておりますときに業者から、やはり同じ業者でありますもので反対するということを聽いたことがあるわけです。
  17. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときに上京して反対陳情をしたおもなる業者はだれですか。
  18. 長尾達生

    長尾證人 武内君、木曽君、原口君だつたと思います。
  19. 武藤運十郎

    武藤委員長 十人ばかりおりましたか。
  20. 長尾達生

    長尾證人 むしろたくさん、この議会に来て室つたのは何十人かおるようでしたが、先生たちがおもになつていたことを記憶しております。
  21. 武藤運十郎

    武藤委員長 主となつてやつたの武内君、原口君、木曽君の諸君ですか。
  22. 長尾達生

    長尾證人 ええ。
  23. 武藤運十郎

    武藤委員長 この諸君はどんな方法反対運動をしておられましたか。
  24. 長尾達生

    長尾證人 その実際は私はあまりよく知りません。まず私は当時民主党なるがゆえに、民主党幹部に私案内して陳情したことは記憶しております。
  25. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回くらいですか。
  26. 長尾達生

    長尾證人 三回くらいだと記憶しております。
  27. 武藤運十郎

    武藤委員長 主として幹部というのはだれですか。
  28. 長尾達生

    長尾證人 当時の幹事長竹田北村、それから芦田総裁も私案内して行つた記憶があります。
  29. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこで面会しましたか。
  30. 長尾達生

    長尾證人 それは民主党控室
  31. 武藤運十郎

    武藤委員長 副議長控室と違いますか。
  32. 長尾達生

    長尾證人 副議長控室では私はそういうことにタツチしたことはありません。
  33. 武藤運十郎

    武藤委員長 民主党は当時これに賛成すべき立場に、党議としてはあつたようでありますけれどもお立場が非常に困つたのではありませんか。
  34. 長尾達生

    長尾證人 むろん民主党としては與党関係で賛成しておつたのですが、さいぜんから言いますように増産にならない。こういう信念で私は陳情にも紹介したわけです。
  35. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者はどこへ泊つておりましたか。
  36. 長尾達生

    長尾證人 私の知つておりますのは龍名館です。
  37. 武藤運十郎

    武藤委員長 さつきお話になつた三君とも龍各館ですね。
  38. 長尾達生

    長尾證人 原口君は知りませんが、武内君、木曽君は龍名館泊つたと思います。
  39. 武藤運十郎

    武藤委員長 相当長期間にわたつて滞在されたようですけれども、そうですか。
  40. 長尾達生

    長尾證人 そういうことはよく記憶しません。
  41. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは龍名館には行かれませんか。
  42. 長尾達生

    長尾證人 龍名館には一、二度行つたことがあります。
  43. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう目的で行かれましたか。
  44. 長尾達生

    長尾證人 それは炭價の改訂と――私も業者ですから、金融関係で行きました。
  45. 武藤運十郎

    武藤委員長 だれとお会いになりましたか。
  46. 長尾達生

    長尾證人 そのときは武内君と二回くらい会つた記憶があります。
  47. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかには。
  48. 長尾達生

    長尾證人 ほかにはその部屋に来たか知りませんが、木曽君とは一回会つております。
  49. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたと同じような行動をとつた代議士諸君のお名前をひとつ記憶のある限りお話しくだざい
  50. 長尾達生

    長尾證人 その範囲はどういうことになりますか。業者ですか。
  51. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者及び議員でありまして、主として議員でよろしいでしよう。
  52. 長尾達生

    長尾證人 議員はよく話し合つたことがありませんのでわかりませんが、岡部君だと思います。
  53. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから…。
  54. 長尾達生

    長尾證人 ほかは私と同一行動をとるなんていうようなことはないと思います。
  55. 武藤運十郎

    武藤委員長 青柳高一さん、生越三郎さん、澁谷雄太郎さん、庄忠人さん、西田隆男さん、深津玉一郎さん、こういう人たちとは大体同じような行動とつておられたんじやないか。
  56. 長尾達生

    長尾證人 私は話し合つたこともありません、同一行動をとつたこともありません。
  57. 武藤運十郎

    武藤委員長 岡部さんだけですね。
  58. 長尾達生

    長尾證人 ええ。
  59. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館でなおほかにお会いになつた議員はありませんか。
  60. 長尾達生

    長尾證人 龍名館では議員としてはありません。
  61. 武藤運十郎

  62. 長尾達生

    長尾證人 全然会つたことはありません。
  63. 武藤運十郎

    武藤委員長 西田隆男君、衞藤速君、植原悦二君などとお会いになりませんか。
  64. 長尾達生

    長尾證人 会つたことはありません。
  65. 武藤運十郎

    武藤委員長 その他の場所で、この國管問題についてお会いになりませんか。
  66. 長尾達生

    長尾證人 会つたことはありません。
  67. 武藤運十郎

    武藤委員長 傳えるところによりますと、議員諸君に幾許かの金が業者から渡されまして――だれかを仲介としたのもあるでしようが、直接、間接に渡されまして、それで反対運動に加わつた、あるいは反対立場をとつたというような説があるのですが、あなたもしくはあなたの関係、知つておる者で、そういう者はございませんか。
  68. 長尾達生

    長尾證人 ありません。
  69. 武藤運十郎

    武藤委員長 全然ありませんか。
  70. 長尾達生

    長尾證人 ええ。
  71. 武藤運十郎

    武藤委員長 当時そういううわさをお聞きになつておりませんか。
  72. 長尾達生

    長尾證人 聞きません。
  73. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館以外で、議員または業者が会合して懇談をするとか、あるいは食事をともにするというようなことはありませんでしたか。
  74. 長尾達生

    長尾證人 ありません。
  75. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたはどういう理由民主党から民事党へ変られましたか。
  76. 長尾達生

    長尾證人 それは國管案というものは増産にならないという信念があつたものですから、一應党議に服さないということになれば、党を離脱しなければならぬということで、脱党したわけであります。しかしながらその後ある國務大臣が西下いたしまして、ぜひ再び入党してくれよということで還つたのでありまするが、今度の組閣に対して私どうも信念的についていけない、こういうことでりだつしたのです。
  77. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたと一緒行動とつて離党した人は……。
  78. 長尾達生

    長尾證人 私と一緒行動をとりましたのは七、八人いたと思います。
  79. 武藤運十郎

    武藤委員長 どなたですか。
  80. 長尾達生

    長尾證人 初め例の同志クラブといいますか、それはずつと前のときのことでありますが、私と一緒行動をとつたのはちよつと記憶しておりませんが、七、八名あります。それは三月のあの当時選挙の直前です。
  81. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館武内さんあるいはその他の業者から数十万円の金が植原さんか淵上さん、あるいはその他の代議士または國務大臣の手に渡つたというようなお話は御存じありませんか。
  82. 長尾達生

    長尾證人 知りません。
  83. 武藤運十郎

    武藤委員長 先ほど炭鉱視察に行かれたと言われましたけれども、いつごろ、どこへ行かれましたか。
  84. 長尾達生

    長尾證人 あれは山口九州、全部で十四、五鉱、鉱工業委員会として國政調査行つたのです。
  85. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは委員会としての正式の派遣ですか。
  86. 長尾達生

    長尾證人 そうです。
  87. 武藤運十郎

    武藤委員長 それ以外に、業者から依頼を受けて視察に行かれたことはありませんか。
  88. 長尾達生

    長尾證人 ありません。
  89. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねになることはございますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。
  91. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは福岡縣選出代議士でありますか
  92. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  93. 武藤運十郎

    武藤委員長 所属はどこですか。
  94. 西田隆男

    西田證人 民主党です。
  95. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年御承知通り石炭國管案というものが上程されまして、その前後に全國の業者が猛烈な反対運動をしましたけれども、あなたはその運動とどういうふうな関連をもちましたか。
  96. 西田隆男

    西田證人 私は業者運動とは関連をもつたことはありません。私は國会議員として、かつまた民主党所属代議士としての立場から、國管問題に眞劍に飛びこみました。
  97. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうしますと、業者がこぞつて反対運動をしたことは御存じでありますか。
  98. 西田隆男

    西田證人 知つております。
  99. 武藤運十郎

    武藤委員長 この業者から國会議員ないし國会議員であるあなたにどういう働きかけがありましたか。
  100. 西田隆男

    西田證人 私は当時日本石炭鉱業会理事をしておりました。理事としてしばしば理事会に出席したことはあります。しかしそのほかの業者との関係は、國会内において業者代表あるいは労働組合代表國管問題について数次の陳情を受け、会談をしたことはあります。
  101. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう人と会いましたか。
  102. 西田隆男

    西田證人 一々名前を覚えませんが、業会代表者としては武内原口木曽その他鉱集会理事をしておられた人あるいはおもな人とは大部分会つております。
  103. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこで主としてお会いになりましたか。
  104. 西田隆男

    西田證人 主として議院内です。議院外で会いましたのは、鉱業会理事会に出席したときくらいのものです。
  105. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館では……。
  106. 西田隆男

    西田證人 龍名館に私は二回参りました。一回は御承知のように私が民主党政調会から頼まれまして、石炭増産臨時措置法案というものをつくりました。その法案をつくつたときに、ちようど日本石炭鉱業会理事会が開かれておるということを聴きましたので、その際私は業者としてでなくて、議員の一人として、業界にその案の是非と業界の眞の意向を聽くために理事会に出席いたしました。その際に業界理事諸君に案の内容を説明して同調を求めたことがあります。その帰り九州から大勢業者龍名館に見えておるというので、九州業者に説明すべく龍名館に参りました。しかし私が参りましたときに業者は外出中でだれもおりませんでしたので、そのまま帰つたことが一回、その次は九月一日と思います。私は武内君に会いました際に、君は九州から出ておる代議士であるにもかかわらず、業界國管反対をしてこれほどの運動をやつておるりに一回も龍名館あいさつにも出てこない、はなはだ不都合だからあいさつに出てこいという勧告を受けました。しかし私はその当時業者反対運動関連して、私に対しておもしろからぬデマが飛んでおりましたために、好んで龍名館に行かなかつたわけでありますが、その際も再三断りましたけれども、武内君は選挙当時私の選挙責任者をしておりました関係もあるし、かつまた私は当時鉱業会理事をしておりました関係上、武内君の言もだしがたく龍名館に参りました。そうして業者の数人の人とその席で会いました。しかしそのときは國管問題に関しての議論はもうありませんてした。なぜならば私は業界意向と全然反対行動とつておりましたために、論議する必要のない時期に到達しておつたので論議はしませんでした。この二回龍名館に参りました。
  107. 武藤運十郎

    武藤委員長 たいぶ夜遅くなつたというのはどつちですか。
  108. 西田隆男

    西田證人 第二回目の方です。
  109. 武藤運十郎

    武藤委員長 そんなに遅くなりましたか。
  110. 西田隆男

    西田證人 遅くなりました。私が参りましたのはすでに六時半過ぎたと思います。
  111. 武藤運十郎

    武藤委員長 もうしかし話はなかつたのではないですか。
  112. 西田隆男

    西田證人 國管問題に対する話はありませんでした。やはり私は長い間業界人間でありますし、長い間会つておりませんので、同じ部屋大勢の人に会つたわけではなくて、各部屋々々でそれぞれ会つたのでありますから、つい時間を過して……。
  113. 武藤運十郎

    武藤委員長 何時ごろまで……。
  114. 西田隆男

    西田證人 龍名館におりましたのはそのときは翌日の朝帰つたと思います。
  115. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときですか、何か花札をやつたというのは……。
  116. 西田隆男

    西田證人 そのときは十一時半も十二時にもなつておりましたろう、ついおそくなりましたので、三、四人集まつて花札で遊びました。
  117. 武藤運十郎

    武藤委員長 大分お酒を飲んだということですが。
  118. 西田隆男

    西田證人 お酒は一升ぐらいだと思います。
  119. 武藤運十郎

    武藤委員長 院内であるいは院外で業者代議士または國務大臣陳情したという話ですが、あなたもその場合立会つたことがございますか。
  120. 西田隆男

    西田證人 私はさつき申しました通り鉱業会理事をしておりました関係上、業者商工大臣あるいは経済閣僚その他に会いました際には、すべて私は立会つております。
  121. 武藤運十郎

    武藤委員長 主としてどういう人に陳情されたようですか。
  122. 西田隆男

    西田證人 商工大臣安本長官苫米地國務大臣、それから西尾官房長官というような経済閣僚のメンバーでございました。そのほかに業者陳情しました際には私は参つておりません。
  123. 武藤運十郎

    武藤委員長 竹田さんとか、北村さんどか、芦田さんとかに会つたことはない。
  124. 西田隆男

    西田證人 竹田さんと北村さんと私とはほとんど一緒院内業者には会つたと思います。戸田さんに会うときには私は参つておりません。
  125. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者龍名館以外で会合したり、懇談したり、あるいは飲食したりしたようなことはございませんか。
  126. 西田隆男

    西田證人 懇談したことはあるかとも考えます。
  127. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろ、どこで……。
  128. 西田隆男

    西田證人 場所と日にちは覚えません。
  129. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときはだれがおりましたですか。
  130. 西田隆男

    西田證人 やはりさつき申し上げた幹部の人々であつたと思います。
  131. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回くらい。
  132. 西田隆男

    西田證人 そういう幹部の人が集まつての会合はそうたびたびしたことはありません。一回か二回かと考えます。
  133. 武藤運十郎

    武藤委員長 八月四日に初波奈という所で会合したことは覚えありませんか。
  134. 西田隆男

    西田證人 八月四日――覚えありません。
  135. 武藤運十郎

    武藤委員長 木内さん、あなた、そのほか……。
  136. 西田隆男

    西田證人 木内君とは行きました。
  137. 武藤運十郎

    武藤委員長 幾人くらいその時に集まりました。
  138. 西田隆男

    西田證人 四人だつたと思います。
  139. 武藤運十郎

    武藤委員長 だれとだれですか。
  140. 西田隆男

    西田證人 木内君と私と椎熊君と川崎君と、この四人だと思います。
  141. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう話をしたのですか。
  142. 西田隆男

    西田證人 別に話はしません。私と木内君は五時半くらいに参りました。川崎君と椎熊君は何かの都合で非常に遅れて來まして、三十分もおるかおらぬうちに帰りました。別にまとまつた話はしないうちに別れました。
  143. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者運動をするについては反対運動資金というものを集めましたか。
  144. 西田隆男

    西田證人 集めたということは聞いております。しかし私は東京にその当時しよつちゆうおりましたので、どういう方法でどうして集めたかは知りません。
  145. 武藤運十郎

    武藤委員長 あとで聞きませんか。
  146. 西田隆男

    西田證人 あとでは聞きました。
  147. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろ……。
  148. 西田隆男

    西田證人 それは昨年の十二月と思います。私が九州に、先の脱党の問題がありました際に、一週間程度の予定で帰りました際、炭鉱でそういうことを耳にしました。
  149. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたと同じような行動とつておつた代議士諸君はだれですか。
  150. 西田隆男

    西田證人 私と同じ行動というと、どういう意味です。
  151. 武藤運十郎

    武藤委員長 反対ですね。
  152. 西田隆男

    西田證人 何の反対です。
  153. 武藤運十郎

    武藤委員長 國管です。
  154. 西田隆男

    西田證人 私は國管反対をした覚えはありません。
  155. 武藤運十郎

    武藤委員長 原案には反対したのですか。
  156. 西田隆男

    西田證人 原案には反対しました。そのために民主党としての修正案をつくつたわけです。
  157. 武藤運十郎

    武藤委員長 石炭國管反対のために、業者から議員に金が出たというような風説があるのですけれども、そういうことはありませんか。
  158. 西田隆男

    西田證人 風評は聞いたことはあります。しかし私は鉱業会理事ではあつても、先ほどから申し上げるように鉱業会自体の動きとは全然反対立場とつておりましたために、そういう事実は知りません。
  159. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは金の授受について関係したことはない……。
  160. 西田隆男

    西田證人 ありません。
  161. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかの人が授受されたことも知らない……。
  162. 西田隆男

    西田證人 知りません。
  163. 武藤運十郎

    武藤委員長 三階の理事長室の上でいろいろ相談があつたそうですけれども、あなたはそこには出はいりしませんか。
  164. 西田隆男

    西田證人 出はいりしません。
  165. 武藤運十郎

    武藤委員長 先ほど伺いますと、あなたは議員として、理事として行動されたようでありますけれども、自動車はどういうふうにいたしましたか。
  166. 西田隆男

    西田證人 自動車は、その当時まだ私は鉱業会理事をしておりました関係上、鉱業会の車をひまのときには使わしてもらいました。
  167. 武藤運十郎

    武藤委員長 調べてみると大分使いなつておる。あなた專属自動車で二十三万九千八百円くらいあるようですけれども……。
  168. 西田隆男

    西田證人 それは私が常時使つたというわけではなくて、私が議会に來ますとき、あるいは帰りますときに使うだけで、そのあと鉱業会用件をしておりますから、必ずしも私の乗つた代金がそんなになつておるとは考えておりません。
  169. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなた專属だと言つておりますけれども、そうではありませんか。
  170. 西田隆男

    西田證人 いや、大体朝來まして、夜帰るときは必ず私が乗つて帰りました。しかしその途中においては私は知りません。國会におりまする間に、ほかの用件をしておつたかもわかりません。またしないで待つてつたかもわかりません。
  171. 武藤運十郎

    武藤委員長 これをすべて鉱業会の方から支拂われたわけですか。
  172. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  173. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうしますと、あなたが自動車をお使いになつたの國会へ來られるときとお帰りになるときと、ほぼそれだけですか。
  174. 西田隆男

    西田證人 そのほか自動車ひまなときには私は電話で呼んで使つたことがあります。
  175. 武藤運十郎

    武藤委員長 國際自動車から出ました明細によりますと、非常にたくさん使つておられるのですけれども……。
  176. 西田隆男

    西田證人 たくさんといいますと回数ですか。
  177. 武藤運十郎

    武藤委員長 回数です。
  178. 西田隆男

    西田證人 それは期間が相当長期ですから、私が鉱業会の車を使いましたのは鉱業会理事をやめますまで相当長期に使つておりますから、回数相当なつておると思います。
  179. 武藤運十郎

    武藤委員長 行先も非常に多いのですね。
  180. 西田隆男

    西田證人 それはさつき申しましたように、私だけが乗つたのではなくて、かりに私の車になつておつても他の人が乗つておりますから、行先については一々記憶がありません。
  181. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたと日本石炭鉱業会との間に金銭貸借がもとありましたか。
  182. 西田隆男

    西田證人 あります。
  183. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつですか。
  184. 西田隆男

    西田證人 二十一年の一二月と思います。事務総長の永田君が鉱業会設立当時で特に炭價あとぎめというような段階でありましたために、鉱業会の経費の入金が非常に遅れまして経理上非常に困つておるという衷情を再三訴えますので、私が金を一時立替えたことがあります。
  185. 武藤運十郎

    武藤委員長 どのくらいですか。
  186. 西田隆男

    西田證人 金額は第一回目は九十万円だつたとおもいます。その次立替えましたのは四十万円か五十万円程度と覚えております。
  187. 武藤運十郎

    武藤委員長 それだけですか、前後二回ですか。
  188. 西田隆男

    西田證人 前後二回と記憶しております。
  189. 武藤運十郎

    武藤委員長 それは返してもらいましたか。
  190. 西田隆男

    西田證人 返してもらいました。
  191. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろですか。
  192. 西田隆男

    西田證人 それは昨年の十一月ぐらいに大体返してもらつたと思います。
  193. 武藤運十郎

    武藤委員長 一度にですか。
  194. 西田隆男

    西田證人 いや数回にわたつて……。
  195. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこでかえしてもらいましたか。
  196. 西田隆男

    西田證人 東京で返してもらいました。
  197. 武藤運十郎

    武藤委員長 貸したのはどこで貸しましたか。
  198. 西田隆男

    西田證人 貸したのは第一回、第二回とも東京です。
  199. 武藤運十郎

    武藤委員長 受取りに行つたのはだれですか。
  200. 西田隆男

    西田證人 受取りに行きましたのは川上という人間を多分受取りにやつたと考えております。
  201. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはどういう人ですか。
  202. 西田隆男

    西田證人 それは北九州石炭事務員です。私のプライベートなことについてたびたび使つております。そういう関係で私が直接出向いて行けなかつた場合は川上をやつております。
  203. 西田隆男

    西田證人 ほかにとりにいつた人はありませんか。
  204. 西田隆男

    西田證人 ほかにはありません。
  205. 武藤運十郎

    武藤委員長 武内さんかたれか受取つておりませんか。
  206. 西田隆男

    西田證人 武内君が金を受取つたというのは、選挙のときにとつておればとつておつたと思います。
  207. 武藤運十郎

    武藤委員長 帳簿によりますと貸借が百万というのもあるようですね。
  208. 西田隆男

    西田證人 それは九州炭鉱の方から封鎖でやつた金じやないかと思います。よくは記憶しておりません。
  209. 武藤運十郎

    武藤委員長 さつきお話の九十万と四十万は現金ですか。
  210. 西田隆男

    西田證人 そうではありません。九十万円が現金で、あと封鎖です。
  211. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは実際に金銭授受があつたのですか。
  212. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  213. 武藤運十郎

    武藤委員長 貸金を返したという名義で、実際においては國管運動の何かに必要な金として鉱業会から出させたというようなものではありませんか。
  214. 西田隆男

    西田證人 そういうものではありません。私は貸しますときは二十一年の十二月でして議員ではありません、鉱業会理事長です。
  215. 武藤運十郎

    武藤委員長 要するにあなたは、國管反対という問題について、業者から金を受取つたこともなければ、業者に頼まれて金を渡してやつたこともないし、あなたから金をだしてやつたこともないわけですね。
  216. 西田隆男

    西田證人 ありません。
  217. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたも議員をしておられて、大分金がばらまかれたという風説が当時も高かつたし、今に至るもさような疑惑が解けてないのですが、一体どういうところからそういう強い疑惑がでているのでしようか。
  218. 西田隆男

    西田證人 それは私存じません。私はさつきから申し上げますように、業界反対立場とつておりましたので、業界の秘密に属する事項と申しますか、そういうことは一切私の耳には入つておりません。だから私は存じません。
  219. 武藤運十郎

    武藤委員長 さつきの川上という人は、あなたの秘書格ではないのですか。
  220. 西田隆男

    西田證人 そうではありません。時折私がものを頼むという程度のものです。
  221. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねがありますか。
  222. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あなたが龍名館に出入りしておられたのはまちがいないのですね。
  223. 西田隆男

    西田證人 間違いありません。
  224. 梶川靜雄

    ○梶川委員 木曽氏なんかが活動して、おつたことについては、あなたは花札事件なんかあつた関係等から見れば相当親しかつた、また業界の中でも親しかつたということがいえるのではないか從つて木曽氏なんかが具体的にどういう方面に動いておつたかということはおわかりだろうと思いますが……。
  225. 西田隆男

    西田證人 木曽君と私との間は親友です。しかしながら國管問題を契機として私と木曽君との仲は、まつたく行來もしないような仲になつております。でありますから、その当時木曽君がやつていることを打明けて話すというような間でなかつたことはおわかりと思いす。
  226. 梶川靜雄

    ○梶川委員 しかし今はどうであろうと、当時は龍名館反対の本部になつておつたというような関係から、そこに出入りされしかも花札を朝方の四時までもやられるというようなことは、そうけんかする仲ではそういう仲にはならないと思います。
  227. 西田隆男

    西田證人 けんかする仲だからならないというものではないと思います。私が龍名館に参りましたのは、さつき申しましたように、二回です。一回はだれにも会わずに帰つております。二回目は依るおそくなつたというだけです。その間に反対立場とつている私に木曽君が、もしそういうことがあつたとすれば、鉱業会でやつていることを私に話すということは、絶対に考えられません。私から聞きもしません。聞いても本人は話すことはないと思います。從つて私は聞いたことがありません。
  228. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あなたが鉱業会に貸出されたところの百四十万円だか三十万円だか、この貸借関係の書類は……。
  229. 西田隆男

    西田證人 それは借用証をとつて渡しておりました。昨年十一月と思いましたが、金を拂つてもらつたから借用証は返しました。これには利子も日歩一銭六厘をつけることになつております。しかし利子はもらつておりません。
  230. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あなたがこれを貸されたときにはどこの銀行を通じて向うへ拂い込まれたのですか。
  231. 西田隆男

    西田證人 私東京で小切手を切りまして、帝國銀行東京支店の小切手を事務総長に渡しました。
  232. 梶川靜雄

    ○梶川委員 帝國銀行東京支店といつて、帝國銀行ならこちらにあるのですが、何町の支店ですか。
  233. 西田隆男

    西田證人 帝國銀行の東京支店です。もとの三井銀行の本店です。それを東京支店というのです。
  234. 梶川靜雄

    ○梶川委員 そこへあなたは九十万円の小切手を切つて渡されたわけですね。
  235. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  236. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あとの四十万円はどこの銀行を通じていつごろ渡されましたか。
  237. 西田隆男

    西田證人 あとはさつき申しましたように、九州炭鉱の方で封鎖を渡しております。だからそれはどこの銀行を経ていつはいつたか知りません。私は東京におりますので、金が足りないというので、炭鉱に融通するようにということを申し出しただけです。
  238. 梶川靜雄

    ○梶川委員 しかしあなたの銀行に対して封鎖で金を貸されるというからには、やはりあなたの銀行の取引関係等々からしてどこということはわかると思うのですが……。
  239. 西田隆男

    西田證人 しかしそれは私の預金しておる銀行は、かりに九州では十七銀その他がありますが、どの銀行で金を出してやつたのかは記憶しておりません。
  240. 梶川靜雄

    ○梶川委員 それは調べて見ればわかりますね。
  241. 西田隆男

    西田證人 それはわかります。
  242. 梶川靜雄

    ○梶川委員 委員長それではこれは報告を至急にしてもらいたい。どこの銀行から……。
  243. 西田隆男

    西田證人 それは鉱業会の方をお調べになればわかるはずです。鉱業会には封鎖は銀行を経なければはいりませんから。
  244. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あなたに聽いたことだけ答えてもらえばいいのです。委員長に要求しておるのだから、委員長の方の返事を待つて証人委員から要求されたことに対して証言すればいい。それでは委員長とつこれは九州の方を証人に調査していただいて、速やかに報告していただきたい。
  245. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは西田さん今要求もあるようですから、先ほど申しました貸借の中、まだ脱けておるものがあるのじやないかと思いますから、詳細にお調べになりまして貸借の日時、金額、封鎖であるか現金であるか、それは小切手で渡したかどうかということも、それから弁済を受けた日時金額等を、私の方でも鉱業会を調べますが、一應あなたの方からも出してもらいたい。三日間くらいの間にできますか。
  246. 西田隆男

    西田證人 三日じやできませんね。炭鉱に手紙を往復する期間だけでも二週間以上かかりますから。
  247. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは今月ぱいにできますか。
  248. 西田隆男

    西田證人 今月というと一週間ですね、それじやできません。炭鉱九州ですから二週間かかります。鉱業会で調べればわかります。鉱業会で調べてわかるだけのことをお答えいたします。
  249. 武藤運十郎

    武藤委員長 鉱業会をお調べになることも結構ですが、あなたの方にも控えか何かありますでしよう。
  250. 西田隆男

    西田證人 貸したときのはありますが、返してもらつたときのことは一々記憶しておりません。
  251. 武藤運十郎

    武藤委員長 來月五日ころならすつかりできますか。
  252. 西田隆男

    西田證人 速達で出しても二週間かかります。
  253. 武藤運十郎

    武藤委員長 じや御説の通り二週間以内に出していただく、それでよろしうございますか。
  254. 西田隆男

    西田證人 承知しました。
  255. 梶川靜雄

    ○梶川委員 それから十二月の二十七日、十二月の末というのは、あなたが九十万円の現金を小切手を切つたときのことを言つておるのですか。
  256. 西田隆男

    西田證人 十二月の末とは申しておりません。十二月だつたということを申しておるのです。
  257. 梶川靜雄

    ○梶川委員 十二月ころですね。
  258. 西田隆男

    西田證人 十二月にはいつてつたととは間違いないと思います。
  259. 梶川靜雄

    ○梶川委員 大晦日というひとつの階段は……。十二月にはいつてから大晦日までの間ということは言えるわけですね。
  260. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  261. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたは田園調布にお住いでございますか。
  262. 西田隆男

    西田證人 そうでございます。
  263. 徳田球一

    ○徳田委員 鉱業会理事をやられたのは何年から何年ですか。
  264. 西田隆男

    西田證人 鉱業会設立の当初から昨年の十二月までです。
  265. 徳田球一

    ○徳田委員 二十二年十二月までですが、そうすると石炭國管の当時はずつと理事であられたですか。
  266. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  267. 徳田球一

    ○徳田委員 ところであなたは龍名館へはその当時たつた二回しか行かれぬというお話ですが、この帳簿を見ますとずいぶん出ておりますね。
  268. 西田隆男

    西田證人 二回しか行つておりません。
  269. 徳田球一

    ○徳田委員 この帳簿を見ますと、九月にはいつてからも九月二十三日に一回、十月八日に一回、九日に一回、十日に一回來ておりますね。
  270. 西田隆男

    西田證人 それは何ですか。
  271. 徳田球一

    ○徳田委員 自動車使つた行先。
  272. 西田隆男

    西田證人 さつきから申しましたように、自動車は私の專用というのではない。私が使わないときはほかの者が使いましようから、ほかの者が使つたのかも知れません。私は二回しか使つておりません。
  273. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたの名前で、あなたの方から請求されておるようですが、あなたは使いきりじやないですね。
  274. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  275. 徳田球一

    ○徳田委員 ほつたらかしですか、たれが使おうとかまわない。
  276. 西田隆男

    西田證人 鉱業会使つた車だからそれを借してもらつたわけで、私が使つたあとはたれが使つたかわかりません。
  277. 徳田球一

    ○徳田委員 毎日使つてある、十月、十一月にも大分ありますが、これはあなたでは全然ないというわけですね。
  278. 西田隆男

    西田證人 そうです。私はその当時龍名館にしばしば顏の出せるような鉱業会との間柄ではありませんでした。
  279. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたはそう言われるが、しかし使つておるところから見ればずいぶん行つておると言わざるを得ない。
  280. 西田隆男

    西田證人 それはさつきから申しますように、私專属に使つておる車じやないので、たれが使つたかもわかりません。
  281. 徳田球一

    ○徳田委員 もう一つお尋ねいたしますが、あなたの修正案なるものはどの点で原案と相違しますか。
  282. 西田隆男

    西田證人 どの点とおつしやいますと、なかなか廣範囲にわたつておりますので、一言にしては申しかねますが、あの條文のうち、少くとも十七、八箇條にわたつて大修正を加えたり、あるいは字句の訂正をしたりしてあると思います。
  283. 徳田球一

    ○徳田委員 重点はどこですか。
  284. 西田隆男

    西田證人 重点と申しますと、ただ私たちが政府当局の説明を聽き、安本長官の説明を聽きまして、鉱業権の棚上ということを言われたので、主としてその点が修正されております。
  285. 徳田球一

    ○徳田委員 今のように修正されたのは主としてあなたの主張でありますね。
  286. 西田隆男

    西田證人 私の主張ではありますが、党議として決定された。すなわち民主党の主張であるが與党三派であの修正案を決定されたから與党三派の意思であります。
  287. 徳田球一

    ○徳田委員 そういたしますと、あの棚上によつて実質上國管は破れておる。実質上國管でなくなつておる。
  288. 西田隆男

    西田證人 それはあなたの御見解であつて、私はさように考えておりません。
  289. 徳田球一

    ○徳田委員 國管というのは、國家が管理するという意味で、國家が管理するならば、これはどうしても経営権を取り上げなければ國家は経営するというわけにいかないじやありませんか。
  290. 西田隆男

    西田證人 これは委員長議論にわたりますが、いいでしようか。
  291. 徳田球一

    ○徳田委員 しかしこれが重点です。実際上反対しておるという証拠を私はあげたいのだ。
  292. 西田隆男

    西田證人 私は反対しておりません。
  293. 徳田球一

    ○徳田委員 実際上反対しておる。理屈上は通つたが、実質的には社会党の出しておる原案は、実際國管ではなくなつている。経営権を棚上げする國管はない。從いましてこの國管をあなたは実質上反対したと見なければならない、どうですか。
  294. 西田隆男

    西田證人 あなたは鉱工業委員会における質疑應答をお読みになつたことがありますか。あれをお読みにならばはつきり解消すると思います。
  295. 徳田球一

    ○徳田委員 私は会議録を見ております。見ておりますが、この会議録を見たことによつて棚上するかせぬか、ここが國管のこつです。結局棚上をしては國管にはならない。
  296. 西田隆男

    西田證人 政府の提案理由の説明には、政府、業者、労働者三位一体という第一の表現が使つてあります。その三位一体ということは必ずしも経営の棚上を意味しておりません。
  297. 徳田球一

    ○徳田委員 棚上しなければ國管になりません。
  298. 西田隆男

    西田證人 そんなことはありません。
  299. 徳田球一

    ○徳田委員 どうして……どうして……。國管反対じやないと西田君は言われるけれども、実質上は國管反対なんだ。その國管を徹底的に内容をつぶしたのはこの改正案だ。だからあなたが反対でなかつたということは通らぬと思いますが、どうですか。
  300. 西田隆男

    西田證人 私は修正案原案を書いただけでこれを採択したのは國会で、一西田國会の大多数が不賛成にもかかわらず、私自身の希望をそのまま國会を通すだけの力はもつておりません。そのこと自体が民主的でありません。
  301. 徳田球一

    ○徳田委員 それはもちろんのことだが、こういう國管を実際上骨抜きにしたことに対して、あなたが実質上の反対をしたことを私たちは考えなければならない。從つてこの疑惑が、すなわち金をばらまかれたとか、なんとかいう疑惑がそこに出ておるじやないか、その疑惑は完全にデマだ、なんら根拠がないもので、自分は賛成したのだから、そういう疑惑が出るべきはずはないと言われますけれども、実質上はこの國管をかくのごとくして骨抜きにしたのだというので、実質上は反対だ、そういう立場からあなたが金を使つたという問題が出てくると思いますが、どうですか。
  302. 西田隆男

    西田證人 よく私が政府原案を骨抜きにしたと言われますが、私は骨抜きにしたとは考えておりません。これに肉をつけ、着物を着せ、お化粧をしたと考えております。
  303. 徳田球一

    ○徳田委員 そんならいいです。
  304. 河井榮藏

    ○河井委員 ちよつと簡單に伺いますが、先ほど梶川委員から尋ねられたことをもう一度明確にしておきたい。二十一年十二月中に帝國銀行から振出された九十万円の小切手で鉱業会に金を貸されたわけですね。
  305. 西田隆男

    西田證人 はい。
  306. 河井榮藏

    ○河井委員 そのときは今おつしやつた日歩一銭六厘の契約でお貸しになつたわけですね。
  307. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  308. 河井榮藏

    ○河井委員 そしてその小切手はたれにお渡しになりましたか。
  309. 西田隆男

    西田證人 事務総長に渡したと記憶しております。
  310. 河井榮藏

    ○河井委員 永田彦太郎氏ですか。
  311. 西田隆男

    西田證人 永田君でなかつたら当時の会計課長だと考えます。どつちかに渡しております。
  312. 河井榮藏

    ○河井委員 貸借契約をなさつたとき事務総長は立会つたですか。そしてその借用の條件や日歩なんかきめられるとき。
  313. 西田隆男

    西田證人 それはそういうふうな非常に窮屈な意味では書いてありません。その当時の銀行利子が一銭六厘で貸借ができておりましたから、先方から貸してくれた借用証書に一銭六厘という金利が書いてありました。
  314. 河井榮藏

    ○河井委員 それはだれとなさつたのですか。
  315. 西田隆男

    西田證人 それはもちろん事務総長と話をして借用証を書いてくれたのは会計課長だつたかもしれません。
  316. 河井榮藏

    ○河井委員 事務総長がそれに関與しているのですね。
  317. 西田隆男

    西田證人 そうです。事務総長から話があつたから……。
  318. 河井榮藏

    ○河井委員 その次の四十万円というのはどういう……。
  319. 西田隆男

    西田證人 これは九州の方で封鎖で一遍に九十万円やつたか、わけて四十万円やつたか、それは取調べをしないと記憶しておりません。
  320. 河井榮藏

    ○河井委員 数額は四十万円か五十万円にしても九州からこちらへ送金したのですね。
  321. 西田隆男

    西田證人 九州からこちらへ送金したのか、あるいは九州鉱業会大分取りましたか、その点は先ほどから申しますように、炭鉱の方を取調べてみないとわかりません。
  322. 河井榮藏

    ○河井委員 振替であつたかどうか。
  323. 西田隆男

    西田證人 それはわかりません。
  324. 河井榮藏

    ○河井委員 実はきのう、永田彦太郎氏は病氣しておられますから私と荊木委員とが臨序尋問したのですが、永田氏はそういうことは知らぬとおつしやつておりますが……。
  325. 西田隆男

    西田證人 知らぬはずはない。
  326. 河井榮藏

    ○河井委員 金を借りたときのことは知らぬといつております。
  327. 西田隆男

    西田證人 それは知らぬことはありません。
  328. 河井榮藏

    ○河井委員 総長なら知らぬはずはないでしようね。
  329. 西田隆男

    西田證人 ありません。おそらく永田君の記憶違いでしよう。
  330. 河井榮藏

    ○河井委員 記憶違いじやないかというので、われわれもずいぶん追究したのですが、知らないという、この点は重要なことですから……。
  331. 西田隆男

    西田證人 そんなことはないはずです。それは銀行をお調べになれば私の振出した小切手を鉱業会の名でとつております。借りておるとかおらぬとかいうことはない。しかも借用証書もやつております。
  332. 河井榮藏

    ○河井委員 それは十二月……。
  333. 西田隆男

    西田證人 日にちははつきり覚えません。帝國銀行東京支店の西田隆男振出の小切手です。これを鉱業会で受入れておるはずです。銀行を調べればわかる。
  334. 河井榮藏

    ○河井委員 そうすると永田氏の言のいかんにかかわらず、貸されたことは間違いないですか。
  335. 西田隆男

    西田證人 ありません。
  336. 荊木一久

    ○荊木委員 その点ですね。永田彦太郎氏が関與といわれますが、金を借りた覚えはないというのじやないが、直接関與したことはないというのです。あなたの記憶はいかがです。
  337. 西田隆男

    西田證人 そういうことはありません。永田君から話が再三あつて、当時鉱業会は非常に苦しくなつて、事務費も拂えなあい。給料も拂えないという話が永田君からあつて、貸したのであります。向うの記憶違いと思います。
  338. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 先ほどからの龍名館で使われた自動車賃のことなのですが、あなたは当初の國管案には反対せられて修正を加えたことによつて賛成をせられた。こういうことは事実なのですね。そういたしますと鉱業会立場としては前後を通じて反対をしておるのであつて、その鉱業会の支出による自動車を利用なさつたということは、どういう考え方からそういうことを言うのですか。
  339. 西田隆男

    西田證人 ただいまの御質問でありますが、鉱業会は終始一貫國管反対というような御見解がありましたが、私はさつきも申しましたように、最初民主党に私の案を出しますときには、鉱業会理事会に出まして、その席で、案を説明いたしまして、理事者の大体の了解を得て私は党に西田案なるものを出したのでありまして、私は最初から鉱業会反対であつたとは考えておりません。また自動車をなぜ反対して乗つたかと言われますが、鉱業会理事としてはただ國管案反対するだけが仕事の全部ではありません。鉱業会理事としてそのほかにいろいろな仕事がありますので、自動車を使つてつた國管反対しておる者が自動車を使うことがいいか悪いかは、その当時考えていなかつたが、そういう意味で使つたのです。
  340. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 現在としては……。
  341. 西田隆男

    西田證人 現在としてもさつき申しましたように、鉱業会理事としてそのほかいろいろな用件がありますので、その用件もしておりましたから、乗つたことが今のような問題が起きて追究されれば万全であつたとは考えておりません。
  342. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 聞くところによると、あなたは昨年の七月ごろ鉱業会理事をやめられて、あなたのあと木曽君が理事になられたということですが……。
  343. 西田隆男

    西田證人 それはさつき申しましたように二十二年の十二月に辞表を出しました。これは業界の意思と國会のとりました意思とが全然反対の結果に終つたために、その責任を感じて私は十二月に辞表を出したのであります。七月ではありません。
  344. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 辞表は十二月であつたのですか。事実問題としては……。
  345. 西田隆男

    西田證人 事実の問題というのはどういうことです。
  346. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 七月にすでにやめられおるというふうにわれわれは聞いておる。
  347. 西田隆男

    西田證人 やめておりません。
  348. 中村元治郎

    ○中村(元)委員 やめておらない。從つて十二月に出された。こういうことですね。
  349. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  350. 椎熊三郎

    椎熊委員 石炭國家管理法案が最初に安本案とか社会党案とかいうものがあつた。あのときあなたは安本案にも社会党案にも反対のようであつたのですが、その通りですか。
  351. 西田隆男

    西田證人 その通りです。
  352. 椎熊三郎

    椎熊委員 そこで安本案並びに社会党案に反対したことが、その当時の民主党として、あなた一人でなく、党をあげて全体が反対しておつたと私は記憶しておりますが。
  353. 西田隆男

    西田證人 その通りです。
  354. 椎熊三郎

    椎熊委員 その通りですね。先ほどからのいろいろの論議の中にどうもその了解ができないために、何かあなた一人がほんとうは國管反対なんだが、骨抜案をつくつて反対であるにもかかわらず賛成側の仮面をかぶつて、実質上の反対をしたというふうな質問があつたことはわが党としても迷惑なので、そのことをあなたに念のためにお伺いしておきたい。そこでその最後案なるものは三派の完全協定の上にできた案だということは、あなたは御承知ですか。
  355. 西田隆男

    西田證人 その通りです。
  356. 梶川靜雄

    ○梶川委員 今のに関連して俗にいう原案を修正された当時は西田私案と呼ばれたものについてちよつとお伺いしたい。あなたの西田私案の根拠は、鉱業会理事者の了解を得られたということは、鉱業会が呑むというふうに結論的に言えるわけなのですか。
  357. 西田隆男

    西田證人 それは正式な理事会にかけまして、理事会で決議したことではございません。私はそのときは理事者としてではなくて、國会議員としてこういう案を出そうと思つておるが、皆さんの御意見があれば承りたいという形で理事会に提出したのでありますから、そのときの出席者はそういうふうにする以外に方法はなかろうということで、格別の御意見もありませんでした。私は業者理事である関係もあり、一應これであれば業者にも協力してもらえるものだという考えで党に出しました。
  358. 梶川靜雄

    ○梶川委員 そうしますと、つまり業者としては國管案には反対なんだが、諸般の情勢上やむを得ないからこの程度の妥協案、この程度で妥協がつくのなら呑んでもいいというような考えのもとにあの案をつくられたのですか。
  359. 西田隆男

    西田證人 そうではありません。その当時はまだ政府案はきまつておりません。ただ安本案であるとか、社会党案であるとかいうものが出ておるだけで、政府案は出ておりませんから、政府案をいいとか悪いとかいう段階ではありません。その前に私は書いたわけですが……。
  360. 梶川靜雄

    ○梶川委員 政府案ではなくして――政府案がいくら出ようが何しようが、結局與党三派で話合がつかなければ通らないわけですから、與党三派で話合をつけるためには全然これを無視するということは、社会党との関係上できない。從つて社会党との関係上まず何か形をつけた國管案を通せば社会党との関係もつくし、また先ほど徳田君から話のあつたように骨抜き案、事実上骨抜きにしておけば業者の方にも立つというような一つの政府との妥協というのでなくして、社会党との妥協案というような意味が織り込まれておるわけですか。
  361. 西田隆男

    西田證人 そういう意味ではありません。私が書きましたのは國家管理案ではなくして、臨時石炭増産対策要綱というものです。石炭の増産に対してはこういうことをやらなければならぬだろうという案であつて、國家管理案でも何でもありません。
  362. 梶川靜雄

    ○梶川委員 そうしますと、結果から言いますれば國家管理案であるとかないとかいうことはにわかに断定しがたいと思います。しかしこれは増産になるかどうかという点に問題がまたかかつてくると思うのです。そこであなたの西田私案なるものは、増産になると思つて案をつくられたのですか。
  363. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  364. 梶川靜雄

    ○梶川委員 業者の方では増産にならない。先ほどの長尾氏にしてもこれは絶対増産にならない。あるいは先般來喚んでおる業者でも國家管理案は、絶対増産にならない。それはこの與党三派の修正案ができてからでも、なおかつそう思つて運動を続けておられたわけですが、あなたはあれが妥協案というのでなくして、増産案としてあのものをつくられた。鉱業会の了承を得たというのも、鉱業会理事者が増産案と認めたわけなのですか。
  365. 西田隆男

    西田證人 私はこういう時代の経済情勢のもとにおいては、ああいう方法をとることによつてのみ石炭の増産は可能であるという信念に基いて書いたのであります。業者が了承したというのはそのときには反対の御意見がなかつたから、私は業者にも賛成してもらえるものだと考えたということを御説明申し上げたので、業者が必ずしもその通り賛成したのだということを理事会で決定したという意味ではありません。
  366. 梶川靜雄

    ○梶川委員 しかし西田私案が出たときには、すでに九州からの業者反対運動というものが展開されつつあつて、すでに東京まで來ておられる人があつたというような情勢で、あなたはそういうような場合にもなおかつあれが業者に呑んでもらえるというふうに思われたのですか。
  367. 西田隆男

    西田證人 私はその後も引続いて業者の了解を求めるために、あるいは労働組合側の了解を深めるためにも、あらゆる努力を拂いました。
  368. 梶川靜雄

    ○梶川委員 努力するとか何とかいうことは、呑んでもらえると思われたかどうかと言うのです。
  369. 西田隆男

    西田證人 呑んでもらえると考えたからあれを私は党に出したのです。私の一方的な考え方です。理事会で決定したものではありません。
  370. 梶川靜雄

    ○梶川委員 もちろん決定権は理事会ではなくして國会にあるのですから、ただわれわれが聽いておるのは西田私案のつくられたときの事実関係を聽いておるので、あなたは呑むという見透しをもつておられたかどうか。
  371. 西田隆男

    西田證人 私は長い間の炭鉱を経営している経験と國際情勢、國内情勢から考えてみて、こうすれば必ず増産になるという確信をもつて書き、業者にもその旨を述べました。業者の方からその案では増産にならぬという反対意見はありませんでしたから、私は業者はこれに協力してくれるものである。
  372. 梶川靜雄

    ○梶川委員 呑んでくれると思われたか。
  373. 西田隆男

    西田證人 協力してくれると考えました。
  374. 梶川靜雄

    ○梶川委員 もう一遍裏返して聽いてみますが、この程度の案なら業者が呑んでくれるということは、諸般の情勢から増産案としてあなたが考えても、あなたの案を通すためにはこの程度までの案でなければいけない。その程度の案であれば業者も呑み、また政府側というか、要するに國会の方においても通るというような見透しのもとに案は立てられたわけですね。
  375. 西田隆男

    西田證人 そういう見透しはありません。國会國会の独自の立場でこの案を検討するのですから、私書きました案が、必ずしも社会党が呑んでくれるとか、あるいは國協党も賛成してくれるとかいうところまで考えた案ではありません。さつき申しました通り、私の長い間の業界の責任と経験からこれを割出して、現在の情勢下においてはかような案をつくらなければ石炭の増産はできないであろうという見地から書いたのです。書きました案自体がそのまま通過しておりません。それは民主党委員会に九十六回かかりまして、多分に民主党内の意見が取入れられて、最終の案ができ上つております。
  376. 梶川靜雄

    ○梶川委員 しかし子供の作文、学生の作文じやないのですから、あなたがこういうものが理想的だと思われても、それを党の案として呑んでもらわなければ通らないし、通らなければ、あなたの増産案も意味をなさないということになれば、子供ではあるまいし、やはりこれは民主党によつて支持してもらえるという一つの前提、さらにまたその次にはこの程度なら社会党の方にも妥協してもらえるというか、要するに了解してもらえるというような見透しは当然もつておられたろうと思いますが。
  377. 西田隆男

    西田證人 私は國会議員としては第一回目の議員であります。しかも当選して日も浅いうちに書いたので、國会議員民主党の中にもそう大勢の知己はもつておりません。しかもあの問題に関連して民主党から二十数名の脱党者を出すというような状態でありましたので、民主党に全面的に受入れてもらえるかどうか見透しはもつておりません。但し國会議員として案をつくりました以上、その案を悪いところは是正して通したいという希望はもつておりました。
  378. 石田一松

    ○石田(一)委員 ちよつとお尋ねしますが、先ほど委員長が金を鉱業会に貸したことがありましたかと聽いたら、九十万円と四十万円が二度に渡してある。それだけかと言つたら、二回きりだとおつしやつたあとから委員長が百万円というのがありますけれどもと言つたら、封鎖であるかもしれぬとおつしやつた。そうすると百万円は封鎖でお忘れになつていたということになりそうですが、証人自身が四十万円も封鎖だとおつしやつている。これは一應御注意のために、間違いが出ないようになるべく記憶を思い起してお答えをしたい。
  379. 西田隆男

    西田證人 訂正しておきます。第一回は二十一年の十二月に九十万円の帝國銀行東京支店の小切手で渡しております。あと二回目のやつは日にちを覚えません。あるいはこちらから九州の方に通知したのですから、日にちは覚えませんが、九州で第二封鎖預金の中から鉱業会に金を貸しております。金額は百万円でありますが、百十万円でありますか、あるいは八十万円でありますか、はつきり記憶しておりません。
  380. 石田一松

    ○石田(一)委員 ちよつとお伺いしますが、先ほど自動車証言の中に、國会への往復に乗るだけであつて、その待つている時間は國会の附近におるのか、それとも街に行つておるのか、どこへ行つているのか自分ではわからない。こうおつしやつたように聽きましたが、そうですか。
  381. 西田隆男

    西田證人 國会に來ますときと、帰りますときは必ず乗りました。それからそのほかの鉱業会理事としての用件のある場合も、電話をかけて使いました。そのほかはだれが乗つたかわからない。かように申し上げたのであります。
  382. 石田一松

    ○石田(一)委員 だれが乗つたかわからないというのは、鉱業会のだれが乗つたかわからないのですか。
  383. 西田隆男

    西田證人 もちろんそうです。
  384. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、鉱業会理事の任務というものは、先ほどあなたが御証言遊ばしたように、國管案反対ばかりではない。ほかに理事としての任務がある。こうおつしやるのですが、だれだかわからない理事鉱業会自動車に乗つて歩くのを、全部國管案運動費として、車馬賃としてここに載せられることに、非常に不合理をかんじますが、その点はいかがですか。
  385. 西田隆男

    西田證人 それは私が経理いたしたのではありませんから、どういう観点から出しておりますか、その点は私にはわかりません。
  386. 石田一松

    ○石田(一)委員 それはあなたにおわかりにならないと思うのですが、あなたはどうお考えになりますか。  それではもう一つお聽きしますが、先ほど理事をおやめになつたのは、昨年の十二月とおつしやいますが、十二月のいつごろですか。
  387. 西田隆男

    西田證人 辞表を出した日ははつきり記憶しませんが、十二月の二十日過ぎだと記憶します。
  388. 石田一松

    ○石田(一)委員 それはもちろん國管案の問題が解決した後ですか。
  389. 西田隆男

    西田證人 そうです。のですが、あな
  390. 石田一松

    ○石田(一)委員 それは、間違いじやありませんか。
  391. 西田隆男

    西田證人 間違いじやありません。
  392. 石田一松

    ○石田(一)委員 これはたいへんおかしい。もう一遍よく思い直してください。
  393. 西田隆男

    西田證人 間違いありません。私が辞意を表明したのは十二月の二十日過ぎでありますから、間違いありません。
  394. 石田一松

    ○石田(一)委員 木曽氏は、西田君が理事を辞任したので、私が代りに理事になつた。こうおつしやつているのですが、國管案が終つてからあなたの代りをやつて國管運動をしたということになるのですが、非常に矛盾してきますね。
  395. 西田隆男

    西田證人 私は木曽君がどう証言をしたか知りません。私の言うことが正しいです。
  396. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたの方が正しくて、木曽君の方が偽証ということになるわけですね。
  397. 西田隆男

    西田證人 偽証であるかどうか私にはわかりませんが、私の言うことは間違いありません。
  398. 石田一松

    ○石田(一)委員 これは先ほどからちよつと出た問題であつて、そのままになつているようですが、昨年の八月築地の初波奈という料理屋で木内君、私、椎熊君、川崎君等が会つた。こうおつしやつたように思いますが、これは間違いありませんか。
  399. 西田隆男

    西田證人 日にちは八月だかはつきり覚えませんが、初波奈という家に行つたことは間違いありません、
  400. 石田一松

    ○石田(一)委員 もちろんこれは椎熊三郎君であり、川崎秀二君である。
  401. 西田隆男

    西田證人 その通りです。
  402. 石田一松

    ○石田(一)委員 これは何の目的もなくいらつしやいましたか。
  403. 西田隆男

    西田證人 それは木内君から招待を受けて私たち行つたので、木内君がどういう目的をもつていたか私は知りません。
  404. 石田一松

    ○石田(一)委員 木内君というのは業者ですか。
  405. 西田隆男

    西田證人 木内君というのは鉱業会の副会長です。
  406. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、副会長から何かさかずきのとりかわしの中で、ひとつうまく頼むぐらいなことはありそうなものだが……。
  407. 西田隆男

    西田證人 私はその当時鉱業会理事ですから、別に國管問題に対して頼もうとか何とかいうことはありません。雑談をしただけで別れたのであります。
  408. 石田一松

    ○石田(一)委員 その雑談というのを聽かしてください。
  409. 西田隆男

    西田證人 雑談は覚えておりません。別に國管案関係のあるものではありません。
  410. 石田一松

    ○石田(一)委員 意味のない会合ですか。
  411. 西田隆男

    西田證人 意味もなく、時間もきわめて短い会合です。
  412. 石田一松

    ○石田(一)委員 それに何万円も使つたのですか。
  413. 西田隆男

    西田證人 金は何万円使つたか私は知りません。
  414. 石田一松

    ○石田(一)委員 鉱業会業者ととにかく料理屋で会つたという届出が出ている。調べたらあつた。それであなたもいらして、全然國管案の石炭の話が出ないで、雑談してぽーつと別れたなんて、何だかきつねにつままれているようだね。
  415. 西田隆男

    西田證人 それはあなたの方でお疑いになるからそういうふうにとれる。すなおに受取るなら、議員だけが会うのに、何か含みがなければ会わぬというのは私には考えられぬと思う。それは別に何でもなかつたのです。
  416. 石田一松

    ○石田(一)委員 相手の人が副会長……。
  417. 西田隆男

    西田證人 木内君は参議院議員で、民主党員なんです。四名ともみな民主党員ばかりです。
  418. 石田一松

    ○石田(一)委員 民主党員でも何十名よそへ行つている人もあるのですから、党員々々といつてあまり油断できない。そうするとその会合には目的はなかつたのですか。
  419. 西田隆男

    西田證人 それは私は招ばれたのですから……。
  420. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたがおつしやるように、あなたは当時理事なんだから……。
  421. 西田隆男

    西田證人 理事であつても、必ずしも副会長が、こういう目的で君を招ぶ、椎熊君、川崎君を招ぶ、こう一々言うとは限りません。
  422. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたは議員であり、兼鉱業会側の理事として……。
  423. 西田隆男

    西田證人 鉱業会側の理事としての國会における活動をしておれば、私はこう憎まれずに済んだのです。鉱業会理事らしい活動をしなかつたので、今憎まれておるのです。
  424. 石田一松

    ○石田(一)委員 もう一遍聽きますが、さきの自動車、あれは街に出ていたかもしれぬということは、街へ出るというのはこれはよく運轉手がやるのですが、國会議員專属なつていて、その專属で雇われているお金だけでは足りなくてやみ稼ぎに街に出て、ほかのお客を乗つけて二三回働くと、千円か二千円になる。そうしてまた議会へ帰つて知らぬ顏をしているのがある。こういうのがのつかつているんじやないですか。
  425. 西田隆男

    西田證人 そうかもしれませんが、私にはわかりません。
  426. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、專属といつても、理事が乗つていたかどうかわからないですね。
  427. 西田隆男

    西田證人 それは私が議会に來まして、何時間か時間がかかる、ほかに出る用がないというときには、おそらく鉱業会に車は帰つてつたろうと思います。その間に鉱業会のだれが乗つたかということは、私にはわかりません。
  428. 辻寛一

    ○辻委員 いわゆる西田私案として傳えられます、あなたのお考えになつた当面の増産策としては、四囲の情勢から考えてこれよりほかないという腹案を鉱業会理事にお示しになつた。これは正式の理事会ではないけれども、その場に居合わした人が積極的に反対はしなかつた。暗に賛成の意を表して、大体納得しておつたと了解するのでありますが、それからそのいわゆる西田私案なるものが民主党内におきましても相当の共鳴を得、それから與党三派の会合によつて大体修正されて、最後案として通つたわけでありますが、最初にあなたが西田私案なるものをお示しになつた当時においては、それほど積極的の反対の意見はなかつたのが、だんだん高まつてまいつたということは、あなたがやはり業者としてお考えになりましても、その当時西田私案として増産策なりとお考えになつたものが、やはり業者から見て増産にならないという方向へ向つてつた、こういうふうにお考えになつておりますか。
  429. 西田隆男

    西田證人 そういうふうに、反対した業者の人だちは解釈したであろうと考えております。
  430. 辻寛一

    ○辻委員 あなたはさようには考えておりませんか。
  431. 西田隆男

    西田證人 さようには考えておりません。
  432. 辻寛一

    ○辻委員 やはり増産策として……。
  433. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  434. 辻寛一

    ○辻委員 最後には鉱業会の方面と正面衝突したというような形ですね。
  435. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  436. 辻寛一

    ○辻委員 先ほど徳田君との質疑應答を承つておりますと、あながちあの案に対して鉱業会が全体に反対したのではないというような意味のことを言われましたが、中にはやはりあの通りました國管案でもつて満足している業者もあるということを意味しているのでありますか。
  437. 西田隆男

    西田證人 満足しておる業者がおるかどうかわかりません。しかしあれならどうにかやれはせぬだらうかというような考え方をもつておられた業者があるいはおるのかもわかりません。それははつきりわかつておるわけではありません。
  438. 辻寛一

    ○辻委員 形の上においては鉱業会としては、あの最後案に対して反対をしておつたという事実はお認めになつておりますね。
  439. 西田隆男

    西田證人 認めております。
  440. 辻寛一

    ○辻委員 内々においてはあの程度でよかろうじやないかというような人もあつたんじやなかろうかということはあなたの御想像でありますか。
  441. 西田隆男

    西田證人 よかつたと思つた人があつたじやなかろうかということは、別に私は個々の人に会つて、意見を聽いたわけではありませんから、そういうことははつきり申し上げられませんが、私あの法案が通りまして、九州に十二月に帰りまして、このままでは、――あの法案に盛つてあるものは、業者と政府と労働者と三位一体の了解のもとにやるという了解を求めるために、商工大臣九州に下つてくるということを聞いておりました。ところが何かのことで九州へお見えにならなかつたので、私東京帰りまして、一月の初めだつたと思いますが、商工省へ参りまして、商工大臣に会うつもりでおりましたところが、いなかつたので、商工次官に会いまして、業者がこの法案に協力をする体制を一日も早く確立しなければならぬじやないかと強力に進言しまして、私業者を連れて商工大臣官邸に行き、商工大臣に会いまして、今までのことを一切水に流して、この法案が実施されたならば、必ず業者も協力してくれということを商工大臣から言わせまして、業者全体心よく協力するということになつた点から考えましても、そういうことが運ばなかつた場合においては、あるいは反対的の態度をとつておるかもしれぬという感じはもつておるが、これは業者だけでなく、労働組合側は社会党の伊藤君に頼みまして、これも商工大臣に呼んでいただいて、協力するということを誓わせました。そして業者労働組合側と一緒商工大臣に呼んでいただきまして、三者立会いの上で本案に協力するということを、その一月の月いつぱいで片づけました。こういうふうなことを私やつておりましたので、その当時業界では非常に猛烈な反対運動をやつておりましたけれども、あの当時の私の信念としては、あの法律が整わない限り、あの時期は切抜けられないという固い信念をもつておりました。
  442. 辻寛一

    ○辻委員 私のお伺いしておるのはあの当時の情勢なのであります。たとえば反対しておりましても、あの案が通りましたからには、万全を期していくというような私たちの立場でありますが、あの当時といたしまして、形の上においては鉱業会が全面的に反対いたしておつたけれども、あなたの先ほどのお話を伺いますと、内々においては全部が全部反対ではながつたというようなことを仰せになつたから、業者の中には、その実においてはまずあの程度ならばというような暗に消極的の賛成といいますか、大体あの案を認めておつたという人々が相当つたのではないかということを実はお尋ねいたしたのであります。
  443. 西田隆男

    西田證人 相当という言葉はどうかと思いますが、最終に國会を通りました案に対しまして、あの程度ならばという考え方をもつた業者がまつたくなかつたとは考えておりません。
  444. 辻寛一

    ○辻委員 それはあなたの御想像でありますか。
  445. 西田隆男

    西田證人 そうです。
  446. 徳田球一

    ○徳田委員 もう一点お伺いします。この自動車賃というのはあなたは鉱業会から拂われたというお話ですが、木曽君の話では、最初は自動車会社は木曽君から受取つておるように言つておりますが。
  447. 西田隆男

    西田證人 それは私は知りません。
  448. 徳田球一

    ○徳田委員 わかりませんか、それはおかしいな。鉱業会から出しておるならむろん鉱業会から拂わなければならぬはずなんだが、ほんとうは木曽君の方から拂つておるということになると、非常におかしいじやないですか。
  449. 西田隆男

    西田證人 私は鉱業会理事として車を拜借しておつたので、鉱業会で拂つておるものと考えておりましたけれども、木曽君の方から拂つておるというお話であれば、これは私は関知しておりませんから、全然わかりません。
  450. 徳田球一

    ○徳田委員 全然関知していない。
  451. 西田隆男

    西田證人 関知しておりません。
  452. 徳田球一

    ○徳田委員 それならそれでよろしゆうございます。
  453. 石田一松

    ○石田(一)委員 私もちよつとお尋ね漏れしたのですが、最近選挙区へお帰りになりましたですか。
  454. 西田隆男

    西田證人 帰りました。
  455. 石田一松

    ○石田(一)委員 こちらへお出掛けになる一番最近業者にお会いになりましたですか。この國管案反対運動をしたというような人たちが訪れてきませんでしたか。
  456. 西田隆男

    西田證人 だれも訪ねてはきません。
  457. 石田一松

    ○石田(一)委員 どなたにもお会いになりませんでしたか。
  458. 西田隆男

    西田證人 いやどなたにもということはありません。鉱業会の今が一、二訪ねてきました。
  459. 石田一松

    ○石田(一)委員 どういう方とお会いになりましたか。
  460. 西田隆男

    西田證人 たいして國管案反対したときのメンバーではありませんが、三崎という人が訪ねてまいりました。これは別の要件です。
  461. 石田一松

    ○石田(一)委員 最近この委員会に喚問されたような証人なんかとお会いになつたことはないですか。
  462. 西田隆男

    西田證人 顏を見たことはありますが、会談をしたことはありません。
  463. 石田一松

    ○石田(一)委員 おれ今度喚ばれたがというような話が出たことはありませんか。
  464. 西田隆男

    西田證人 それは同じ業者でありますから、それくらいの話はあります。
  465. 石田一松

    ○石田(一)委員 それはどこで話がありましたか。
  466. 西田隆男

    西田證人 それは北九州の事務所で会いました。
  467. 石田一松

    ○石田(一)委員 それはどなたですか。
  468. 西田隆男

    西田證人 木曽君と会いました。
  469. 石田一松

    ○石田(一)委員 いつですか。
  470. 西田隆男

    西田證人 日にちははつきり覚えておりません。
  471. 石田一松

    ○石田(一)委員 ほぼ……。
  472. 西田隆男

    西田證人 そうですね。木曽君が檢察廳に喚ばれて來た二、三日後だつたと思います。
  473. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、つい最近じやないですか。
  474. 西田隆男

    西田證人 最近です。
  475. 石田一松

    ○石田(一)委員 十二、三日くらい前ですか。
  476. 西田隆男

    西田證人 いや、その前ですね。木曽さんが一應九州帰りましたからその前です。
  477. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、鉱業会が何かの應接間ですか。
  478. 西田隆男

    西田證人 鉱業会ではありません。北九州です。
  479. 石田一松

    ○石田(一)委員 北九州鉱業会じやないですか。
  480. 西田隆男

    西田證人 いや、そうじやありません。北九州石炭の事務所です。
  481. 石田一松

    ○石田(一)委員 そこの應接間じやないですか。
  482. 西田隆男

    西田證人 應接間です。應接間といえばいえるでしよう。
  483. 石田一松

    ○石田(一)委員 そのときに木曽さんばかりじやないじやないですか。
  484. 西田隆男

    西田證人 木曽さんだけで、ほかの人に会いません。
  485. 石田一松

    ○石田(一)委員 上田清次郎さんという人と会つたじやありませんか。
  486. 西田隆男

    西田證人 上田君は一緒に会つていません。別に会いました。上田君が事務所へ着いた日に会いました。
  487. 石田一松

    ○石田(一)委員 もう一人田籠さんに会いませんでしたか。
  488. 西田隆男

    西田證人 会いません。
  489. 石田一松

    ○石田(一)委員 そうすると、あなたは木曽さんと上田さんとには会いましたか。
  490. 西田隆男

    西田證人 会いました。
  491. 石田一松

    ○石田(一)委員 木曽さんとお会いになつたのは二人きりですか。
  492. 西田隆男

    西田證人 二人きりです。
  493. 石田一松

    ○石田(一)委員 そのときに、また不当財産委員会に喚ばれたというような話がちよつと出ましたか。
  494. 西田隆男

    西田證人 それは不当財産委員会に喚ばれる前です。檢察廳に喚ばれたときのことです。
  495. 石田一松

    ○石田(一)委員 そのときこの委員会の話かなんか出たのじやないですか。
  496. 西田隆男

    西田證人 ありません。木曽さんとは今非常に仲が悪いですよ。
  497. 石田一松

    ○石田(一)委員 それはあなたは全然違つた立場の方ですが、木曽さんなんかのおつしやるのは、滞在日数がその当時の帳簿がなくなつたので、あとから調べるのはとても困難だつたので、その当時滯在しておつた人に会えるだけ会つて、何日滯在したかというとことを尋ねて、会えない人には電話か電報で、どうにもしかたがない人には龍名館の宿帳で滯在日数を調べて出したからほぼ正確だとおつしやつている。それでほかの人が皆会つていないのは不審だが、尋ねてみるとちよいちよい会つた人もある……。
  498. 西田隆男

    西田證人 私は会いました。
  499. 石田一松

    ○石田(一)委員 それは、十二、三日くらい前ですね。
  500. 西田隆男

    西田證人 日にちははつきり覚えませんが、檢察廳に木曽さんが最初出頭しました日がわかると思います。
  501. 石田一松

    ○石田(一)委員 九月の八日、九日、十日、十一日ころじやないですか。
  502. 西田隆男

    西田證人 よく知りませんね。
  503. 石田一松

    ○石田(一)委員 それは私たちもちよつとおかしいと思うのです。それは九月の四日にこの人々に出頭してくれという喚問状が出ている。それが今あなたがおつしやつたように連絡も一週間かかりますから、十日前後というところが皆さんの方へ全部届くころです。その辺でぼつぼつ会つただろうというふうに考えるものですから、これはあなたと関係があるかないかしらぬが、そのときに話が出なかつたと言われれば、それで了承しておきます。
  504. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにございませんか。――そうすると、最後にちよつと伺つておきます。先ほど伺いましたが、日本石炭鉱業会に対する貸金は、全部日本石炭鉱業会の貸金ですか。九州石炭鉱業会の方の貸金ですか。
  505. 西田隆男

    西田證人 日本石炭から相談を受け、九州石炭鉱業会の手を経て送つてきたのもあるかもしれませんが、その関係は私よく存じておりません。
  506. 武藤運十郎

    武藤委員長 それじや一旦九州へお貸しになつて、それからこちらへ來たわけですか。
  507. 西田隆男

    西田證人 それは九州石炭鉱業会がやつているか、あるいは直接日本石炭鉱業会でやつているか、私はよく知りません。それは調べてみればわかると思います。
  508. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると、とにかく受取るのは全部日本石炭鉱業会受取つて、返してもらつたのは九十万円……。
  509. 西田隆男

    西田證人 私が東京に泊まつておりましたときはこちらの鉱業会からもらつております。九州の方からも選挙の際には返してもらつたことがあるかもしれませんけれども、正式にはやはり日本石炭鉱業会から拂つたことになつていると思います。帳簿を見ないとわかりません。
  510. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると、大体三口ですね。
  511. 西田隆男

    西田證人 二口です。
  512. 武藤運十郎

    武藤委員長 九十万円と、四十万円と……。
  513. 西田隆男

    西田證人 それは私の方へ通知がきておつたのが四十万円と記憶しておつたが、実際向うで貸したのは八十万円か百万円かわかりません。私自身がもらつた金もありますし、炭鉱でもらつた金もありますから、合計して十一月の中ごろかと思いますが、そのとき済んだのは借用証を書いてあります。調べてみないとはつきりしたことはわかりません。
  514. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから先ほどの宴会費はもちろん鉱業会で拂つてつたわけですね、初波奈の……。
  515. 西田隆男

    西田證人 そうだろうと思います。私は拂つておりませんから。
  516. 武藤運十郎

    武藤委員長 じや済みました、御苦労さまでした。     ―――――――――――――
  517. 武藤運十郎

    武藤委員長 淵上さんですね、
  518. 淵上房太郎

    淵上證人 はい。
  519. 武藤運十郎

    武藤委員長 伺いますが、あなたは福岡縣選出民自党所属代議士ですか。
  520. 淵上房太郎

    淵上證人 そうです。
  521. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年御承知の石炭國家管理法案が上程される前後に業者が非常に反対運動をしたようでありますけれども、あなたもその反対運動に参加されましたか。
  522. 淵上房太郎

    淵上證人 私は当初から炭鉱の國家管理では、石炭の増産はむずかしいという考えをもつておるのでありまして、今お尋ねの業者と一諸に運動したかというお話ですが、そういうことはありません。私どもの党は党として國家管理は石炭の増産のためによくないという意味で初めから反対の態度をとつておつたものであります。業者とは何ら関係はないです。
  523. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは業者一緒なつ反対したというのではなくて、反対をしておる業者から、なお一層われわれの運動を促進をしてもらいたいという趣旨で、陳情なり依頼なり懇談なりを受けたことはありますか。
  524. 淵上房太郎

    淵上證人 業者代表の方がたびたび院内に來て、われわれの党なり、あるいは鉱工業委員会に來られまして何遍か陳情がありました。それはわれわれも今申しますように初めから反対の意思を表明しておりましたが、業者からは反対理由はその都度聞いておりました。
  525. 武藤運十郎

    武藤委員長 陳情に主として來られた業界の人はだれですか。
  526. 淵上房太郎

    淵上證人 鉱業会代表の方ですか。山川良一さんだとか、武内禮藏さんだとか、あるいは木尊重義さんとか、麻生太賀吉さんとか、大手筋では九州炭鉱それぞれ見えたように記憶しております。
  527. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたにもそういう諸君はお会いしたでしようが、またほかの代議士とか大臣等にも会いまして陳情ないし懇談をしたようでありますけれども、御存じありますか。
  528. 淵上房太郎

    淵上證人 私は知りません。それぞれ各方面に反対陳情はしておつたかと想像しますけれども、私は知りません。
  529. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたはその運動について相当深入りをして指導しておられたのではないですか。
  530. 淵上房太郎

    淵上證人 その業者反対運動についてですか。
  531. 武藤運十郎

    武藤委員長 さようです。
  532. 淵上房太郎

    淵上證人 いええ、そんな関係はありません。私は私の党の立場から炭鉱というものを勉強しておつただけです。私の党には経営者がおりませんので、私はたまたま炭鉱の土地に生れ、そこで育つて、しかも私の郷里でありますので、門前の小僧で、ほかの地区から出られたわれわれの党の同志よりはいくらか石炭には縁故がありますから、そういう立場で研究しておつた
  533. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年の夏國管案が問題になつたころに、あなたと植原悦二郎氏と坂本實氏が龍名館に行かれて武内禮藏さん、そのほかの炭鉱業者から五十万円の金を受取つたという事実はありませんか。
  534. 淵上房太郎

    淵上證人 そういう事実はありません。武内禮蔵さんの部屋に行つたことはありますが、龍名館行つたのは、私の知つている人が二人おりまして、そういう人たち炭鉱の経営の話あるいは私の勉強しておることをいろいろ習いに行つたのでないかと思います。よく行きましたが、今お話植原さん、坂本さんあたりと行つたこともなし……。
  535. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにそういう人たちあるいはそういう場所でなくして、炭鉱業者から金を受取られたことはございませんか。
  536. 淵上房太郎

    淵上證人 全然ありません。
  537. 武藤運十郎

    武藤委員長 他の代議士、その他の政治家からも受取つたことはありませんか。
  538. 淵上房太郎

    淵上證人 何もありません。ただ炭鉱視察に私どもの方の党で班をあげて行つたときに、党の國管対策委員長という名称でしたが、植原氏から視察手当はもらいました。ほかの視察に行かれた人も同様にもらつたものだと思つております。
  539. 武藤運十郎

    武藤委員長 いくらもらいましたか。
  540. 淵上房太郎

    淵上證人 私は五千円です。たしか九州、北海道に行く遠方の人は五千円づつ出たと聽いておりました。私は五千円もらいました。
  541. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときに視察に行かれましたのはあなたのほかに平井義一深津玉一郎、本田英作、苫米地英俊、青木孝義、こういう諸君でありましたか。
  542. 淵上房太郎

    淵上證人 九州行つたのは、私と平島良一君、それから今お話平井義一君、本田英作君が行つておりました。深津玉一郎君は行つておりません。そのほかの方は苫米地君あたりと北海道に行つた組じやないか、北海道にはもう少し行つたはずだと思います。記憶しておりませんが。
  543. 武藤運十郎

    武藤委員長 この五千円というのは旅費ですか。
  544. 淵上房太郎

    淵上證人 ただ、今申したように観察手当――祕書もおりますし、あるいはガリ版を刷つたりタイプを打つたり、いろいろ調査するについて費用が要るというので出してもらつたのであります。
  545. 武藤運十郎

    武藤委員長 幾日くらいの予定でありましたか。
  546. 淵上房太郎

    淵上證人 さあ何日くらいでしたか、十日くらいかかつたのじやないかと思いますが、よく日数は記憶しません。
  547. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは五千円のほかに別に五万円受取つてはおりませんか。
  548. 淵上房太郎

    淵上證人 そういう事実はありません。
  549. 武藤運十郎

    武藤委員長 だれからも受取つておりませんか。
  550. 淵上房太郎

    淵上證人 はい。
  551. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か國管反対の趣旨のパンフレツトをお書きになりましたか。
  552. 淵上房太郎

    淵上證人 パンフレツトは書きました。
  553. 武藤運十郎

    武藤委員長 それを十万円で買つてもらつたことはありますか。
  554. 淵上房太郎

    淵上證人 いや、それはありません。私はただ先ほど申しますように一トンの石炭でも増産しなければならぬときであるから、今國管なんかやるときではないという私の信念を書いたまずいものでありますが、これは自分で出版するのも、なかなか忙しいし、党に属しておつた菊岡という人に原稿をただくれてやつただけで、その後どうしたか知りませんが、代價ですか、その何ものももらつておりません。
  555. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではもし金を受取つておるとすれば、その出版をした方の人が受取つたのであつて、あなたは別に受取つておらぬ、そういうことでありますね。
  556. 淵上房太郎

    淵上證人 そうです。
  557. 武藤運十郎

    武藤委員長 神田の龍名館にはときどきおいでになつたことはないですか。
  558. 淵上房太郎

    淵上證人 先ほど申しましたように参りました。
  559. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回くらい参りましたか。
  560. 淵上房太郎

    淵上證人 さあ何回くらいですか、加茂泰吉という人がおられまして、これは私の隣に数年住つた人であります。現在も近くに住つてつて炭鉱経営をしておる人であります。この人ともう一人は野見山佐一、これは私の幼友達であつて、これも炭鉱の経営者であります。長い期間に加茂などという人は國に帰るたびに、私の家から言傳けを聽いてきたり、私が頼んだりしたので、よく行きました。かつまた先ほど申しますように、炭鉱というものの勉強のためにいろいろ聽きに行つたので、回数は覚えませんが、割合にその両君の部屋には参りました。
  561. 武藤運十郎

    武藤委員長 当時大野幹事長ですか、大野伴睦氏も大分この運動反対をされましたか。
  562. 淵上房太郎

    淵上證人 さあ、大野幹事長が特に反対したということはまだ記憶がありません。党議としては反対の態度をとつておつたので、幹事長でありますから、その幹事長としての行動はしておつたか知れませんが、特に当時の幹事長大野氏が反対の積極的な單独の運動をしたかどうか、そんなことはないと思いますが……。
  563. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館以外で、あるいは龍各館業者と会合して懇談をするとか、飲食をしたというようなことはありませんか。
  564. 淵上房太郎

    淵上證人 龍名館以外ではもちろんありませんが、加茂さんの部屋では何回か一緒に食事をしたことがあります。
  565. 武藤運十郎

    武藤委員長 お酒を飲んだですか。
  566. 淵上房太郎

    淵上證人 酒も飲んだでしよう。
  567. 武藤運十郎

    武藤委員長 この酒はあなたが持つてつたものでしようか。
  568. 淵上房太郎

    淵上證人 いや、加茂さんが一ぱい飲まぬかと言つて出した酒だと思つています。私は持つてつておりません。
  569. 武藤運十郎

    武藤委員長 炭鉱國管反対というようなことで金銭授受したことはありませんか。
  570. 淵上房太郎

    淵上證人 ありません。
  571. 武藤運十郎

    武藤委員長 大分承知の通り金がばらまかれたような風説が強いのでありまして、今に至るも疑惑は解けないのですけれども、そういうことは御存じはありませんか。
  572. 淵上房太郎

    淵上證人 うわさは当時からしきりに聞いておりますが、全然知りません。
  573. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねになることがございますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  574. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは済みました。御苦労さんでした。
  575. 武藤運十郎

    武藤委員長 岡部さんですね。
  576. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  577. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは昨年六月から十二月までの間に、赤坂氷川町の中川旅館にお泊りになりましたか。
  578. 岡部得三

    岡部證人 そうです。泊りました。
  579. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回ぐらい幾日ぐらいお泊りになりましたか。
  580. 岡部得三

    岡部證人 あそこは予約しておりましたから、議会の開会中はほとんどあそこにおりました。
  581. 武藤運十郎

    武藤委員長 ずつとそこにおつたわけですね。
  582. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  583. 武藤運十郎

    武藤委員長 坪川信三君という代議士がやはり一緒に泊りましたか。
  584. 岡部得三

    岡部證人 党務の問題で報告や何かを受けますし、話によつてはちよいちよい泊つたと思います。それから議会帰りに泊られた方もあるかと存じますけれども、それは存じ上げません。
  585. 武藤運十郎

    武藤委員長 石炭國管問題大分反対運動でやかましかつた時代でありますけれども、そのときに業者が結束をして運動をしたようでありますが、あなたはその反対運動陳情を受けましたか。
  586. 岡部得三

    岡部證人 受けました。
  587. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつ、どこで、どういう人から受けましたか。
  588. 岡部得三

    岡部證人 どういう人といつても、私知つている人は、御承知のように選挙区の関係原口という人と、それから武内さんと木曽さんでしたか、おいでになりまして、こうこうだというので承りました。ほかの人はただいまちよつと存じ上げません。
  589. 武藤運十郎

    武藤委員長 坪川信三君に石炭國管に関していくばくかのお金を渡されたことはありますか。
  590. 岡部得三

    岡部證人 ありません。
  591. 武藤運十郎

    武藤委員長 渡そうとしたこともありませんか。
  592. 岡部得三

    岡部證人 ありません。
  593. 武藤運十郎

    武藤委員長 もう一遍考え直してみてください。
  594. 岡部得三

    岡部證人 考え直しても同じだと思いますが。
  595. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回考えてもありませんか。
  596. 岡部得三

    岡部證人 ありません。
  597. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが石炭國管のことについてお金を渡そうとしてお出しになつて相手の方で受取らなかつたということもございませんか。
  598. 岡部得三

    岡部證人 ありません。
  599. 武藤運十郎

    武藤委員長 國管以外について金銭授受をしたことはありませんか。
  600. 岡部得三

    岡部證人 それは党の問題であるかもしれませんが、それ以外にはないと思います。
  601. 武藤運十郎

    武藤委員長 党の金ですか。
  602. 岡部得三

    岡部證人 党の金とは言いませんが、思は当時党務部長をやつておりまして、当時の庶務部長の橘君がおりませんので、その当時庶務部長の代理をやつたことはあります。それ以外にはありません。
  603. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういう場合には金銭を直接扱うことはありますか。
  604. 岡部得三

    岡部證人 それはいかがですか、委員長、党務の問題なんですが、本委員会関係ございますか。
  605. 武藤運十郎

    武藤委員長 やはり伺つておきたいと思いますが。
  606. 岡部得三

    岡部證人 党の問題で事実お互いに党の部長としてやつておりますと、いろいろ交際費も要りますし、そういう問題で友人同志という意味から差上げたことはあるかと思います。
  607. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが庶務部長の代理をしておられたわけですか。
  608. 岡部得三

    岡部證人 庶務部長がおりませんから党務部長が兼ねておつた
  609. 武藤運十郎

    武藤委員長 党務部長兼庶務部長……。
  610. 岡部得三

    岡部證人 いや庶務部長が長く休んでおりまして、党内が困りますのでやつていた時代があります。
  611. 武藤運十郎

    武藤委員長 どのくらいですか。
  612. 岡部得三

    岡部證人 金額もはつきり私覚えません。
  613. 武藤運十郎

    武藤委員長 千円とか二千円とかいう問題ですか、何万円という問題ですか。
  614. 岡部得三

    岡部證人 千円という問題もあつたかもしれませんが、二、三万円くらいのこともあつたろうと思います。
  615. 武藤運十郎

    武藤委員長 何のためにお渡しになつたのですか。
  616. 岡部得三

    岡部證人 それは党の問題になると思いますが、当時民主党は御承知のように芦田総裁の総裁就任後において党内に相当な事情がありましたために、党内とりまとめのためには相当にお互い苦労しております。そういう件においてあつたと思います。そういう費用にほとんど便つたと思います。
  617. 武藤運十郎

    武藤委員長 芦田総裁の問題について……。党内とりまとめの運動費というようなものでございますか。
  618. 岡部得三

    岡部證人 そうです。党内とりまとめ、それからいろいろなものがあつたと思います。
  619. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのために数千円、あるいは数万円お渡しになつたことがあるという御記憶ですね。
  620. 岡部得三

    岡部證人 私はそう思つております。
  621. 武藤運十郎

    武藤委員長 それは坪川君は受取つたですね。お渡しになつて向うは。
  622. 岡部得三

    岡部證人 坪川君でございますか、坪川君にどうだと言つたら、僕の方は今のところいいのだという話であつたと思います。それであなた帰りだからというので頼んだことがあつたかと思います。ほかの人にも拂つてくれ、要る人があつたら……要らない人があつたら持つてきて返してくれ、費用が足りないからということは申し上げたことがあります。
  623. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはいつ頃ですか。
  624. 岡部得三

    岡部證人 六月の中旬過ぎだと思います。
  625. 武藤運十郎

    武藤委員長 自分の方はいいけれども、ほかに要る人があつたらやつてくれ、こういうわけですね。
  626. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  627. 武藤運十郎

    武藤委員長 金を明示しましたか。金は幾らあるということを言いましたか。金は出したのですか。
  628. 岡部得三

    岡部證人 僕は出しました。
  629. 武藤運十郎

    武藤委員長 バラで出したのですか、紙に包んであつたのですか。
  630. 岡部得三

    岡部證人 取つてきたものを紙に包んで……三万円だか五万円だか存じませんが、たしか三万円だつたと思う。出したことがあります。
  631. 武藤運十郎

    武藤委員長 紙に包んだやつを出したのですね。
  632. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  633. 武藤運十郎

    武藤委員長 新聞紙ですか、それはどこから出してきたんですか。
  634. 岡部得三

    岡部證人 私のポケット・マネーから出したのです。
  635. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの銀行……。
  636. 岡部得三

    岡部證人 私の銀行でなく、私のうちからもつてきたものから出した。使いが來まして持つてきてくれたものですから……。
  637. 武藤運十郎

    武藤委員長 党内とりまとめのような場合でもあなたの個人の金を出しますか。
  638. 岡部得三

    岡部證人 それは党から出す分もありますが、御承知のようにいろいろな交際費も要りますし、それにお互苦しいと思いますし、私田舎に余裕がありましたから、友人としてそういうことをしたことは一、二度あるわけなんです。
  639. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかの人に出しましたか。
  640. 岡部得三

    岡部證人 ほかの人にたれということはないけれども、一般に諮つて出したことがあると思います。現金を渡したことはありません。
  641. 武藤運十郎

    武藤委員長 坪川君はあなたがお出しになると、僕の方はいいけれども、誰か入用な人があるかもしれないけれども、そつちに回したらよかろうという話なんでしよう。
  642. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  643. 武藤運十郎

    武藤委員長 当時党内とりまとめのために、ほかにあなたが党務部長ないし庶務部長として金をお出しになつたことがありますか。
  644. 岡部得三

    岡部證人 ほとんど費用の計算書を持つてきてもらつてつたことがあるが、現金はそれ以外にないと思います。あるかもしれませんが、ないと思います。
  645. 武藤運十郎

    武藤委員長 お渡しになるときには計算書を持つてきて、それとつき合わせて幾ら幾ら、こういうふうにお拂いになつたのが例ですか。
  646. 岡部得三

    岡部證人 こうこうで交際費をこういうふうに要つたけれどもという話がありまして、それは党では出しにくいから私が拂つておきましようというのがあつたと思います。それ以外にはないと思います。
  647. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういうふうな拂い方をするのが普通なんであつて、そういうのはいくつかありますか。
  648. 岡部得三

    岡部證人 いくつかあると思います。大分あると思います。
  649. 武藤運十郎

    武藤委員長 覚えているだけひとつ伺いましようか。
  650. 岡部得三

    岡部證人 ちよつとそれは覚えません。当時のことですから……どこでどうしたというようなことを……。
  651. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると坪川君に出した金の出し方は少しその例とは著しく形を異にしておるようですね。坪川君から請求はないのでしよう、これこれこういうわけで……。
  652. 岡部得三

    岡部證人 そうです。いや、請求はないということはない。話はあつたわけなんです。お互党の留守を守つていく上においても相当費用も要るが、お互困るという話もありますし、前々から聞いていたことですし、いやそのうちに僕もうちから少しくらい金を持つてきてくれるからなんとかしようという話は五月くらいからしでいたわけです。
  653. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうなれば一月も前から困るという話をしておつたとすれば、たまたまあなたがお出しになれば、いやどうも済まないと言つて受取るのが順序じやありませんか。
  654. 岡部得三

    岡部證人 ところが本人も、自分もいくらか準備ができておるという話だつたのです。だから今のところ困らないからという話だつた
  655. 武藤運十郎

    武藤委員長 人間や金額は別として、幾人くらいにあなたそういう趣旨の金を出しましたか。
  656. 岡部得三

    岡部證人 いやそれは坪川君が來られたとき初めてです。その話が前々あつたものですから……。
  657. 武藤運十郎

    武藤委員長 坪川君に対して、いや君は要らないかもしれないが、ほかに要る人もあるだろう、これをやつてくれないかというようなことで坪川君にお渡しになつたことはありませんか。
  658. 岡部得三

    岡部證人 いや、先ほど申した通り、党務部長としていろいろ懇談しておりました結果、庶務部長がいないから、庶務部長がおれば話をするのだけれどもという話はしたことがあります。あなたよく知つておるからということで申し上げました。
  659. 武藤運十郎

    武藤委員長 同じように川崎秀二君にもお出しになつたことはありませんか。
  660. 岡部得三

    岡部證人 ありません。
  661. 武藤運十郎

    武藤委員長 全然記憶ありませんか。
  662. 岡部得三

    岡部證人 先ほどの話とそれは関連しておるのじやないかと思いますが、川崎秀二君のところに持つてつたが、川崎君からあくる日ですか、自分の方はもういらぬからということで受取つたことがあります。
  663. 武藤運十郎

    武藤委員長 川崎秀二君が翌々日ごろに……。
  664. 岡部得三

    岡部證人 翌日か翌々日かはよくわかりません。
  665. 武藤運十郎

    武藤委員長 おれは要らぬから返しておく、こういうわけであなたのところに持つてきたのですか。
  666. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  667. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはだれから川崎君に渡したのですか。
  668. 岡部得三

    岡部證人 たしか坪川君から渡されたものと思つております。
  669. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはいくらですか。
  670. 岡部得三

    岡部證人 それは三万円か五万円か覚えません。
  671. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうするとあなたが坪川君に出された金を坪川君が断わつて、おれは要らぬからと言つたから、その金をそのまま受取つてつて、たれかほかにやつたわけですか。
  672. 岡部得三

    岡部證人 川崎君のところへも帰りに寄つて相談してみようと言つて帰られましたから、じやお願いします……。
  673. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうして持つてつたわけですね。
  674. 岡部得三

    岡部證人 坪川君が持つてつてくれたのです。
  675. 武藤運十郎

    武藤委員長 一遍自分は要らないと言つて断わつて、だれか要るかも知れないからという話で――それはどつちがしたのですか。
  676. 岡部得三

    岡部證人 それはだれかほかにもあるだろうし、政調の方も金が要ると思うからどうだろうかと言つたら、じや僕は帰り道だから、持つてつてみようという話でお願いしたわけです。
  677. 武藤運十郎

    武藤委員長 川崎君は当時党の役目は何をしておつたのですか。
  678. 岡部得三

    岡部證人 当時は政調の副会長をしておりました。
  679. 武藤運十郎

    武藤委員長 その方で要るかも知れないから一つ持つてつてみようというわけで持つてつたわけですね。
  680. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  681. 武藤運十郎

    武藤委員長 三万円ではなくて五万円ではありませんか。
  682. 岡部得三

    岡部證人 私も五万円だつたかとも思つておるのです。三万円と思つておりましたけれども……。
  683. 武藤運十郎

    武藤委員長 翌々日あなたのところに持つてきたわけですね。そしてあなたはそのままそうかと言つて受取られたのですか。
  684. 岡部得三

    岡部證人 そうです。
  685. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはやはり國管反対についての盡力というか何というか、そのお金じやないですか。
  686. 岡部得三

    岡部證人 私は、妙なことを言うですが、当時國管反対を全然やつておりません。だからそういう金を國管反対のために持つていくはずはないと思うのです。
  687. 武藤運十郎

    武藤委員長 入交太藏という人を知つておりますか。
  688. 岡部得三

    岡部證人 知つています。
  689. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはどういう人ですか。
  690. 岡部得三

    岡部證人 これは私の方の國の会社の隣りに入交さんの会社がありまして、その関係で昔ちよつと知つておりました。それと弟さんを知つておりました。そして議会に出られまして議会でお会いしたことがあります。
  691. 武藤運十郎

    武藤委員長 一緒に中川旅館にお泊りになつたこともありますか。
  692. 岡部得三

    岡部證人 入交さんがお泊りなつたかどうかはよく存じません。
  693. 武藤運十郎

    武藤委員長 岡部さん、坪川さん、椎熊さん、入交さんなどは同宿しているようですね。同じ部屋泊つたかどうか知りませんが、そういうことはありませんか。
  694. 岡部得三

    岡部證人 椎熊さん、坪川さんたちが同宿したということは知りません。そういう事実はないと思います。議会が遅くなつて一度おいでになつたことがあつたと思います。鎌倉へ帰るのは遠いし宿がないというので、じやぼくは近くだからお泊りくださいと言つて……。
  695. 武藤運十郎

    武藤委員長 石炭國管問題で懇談したことはないのですね。
  696. 岡部得三

    岡部證人 そういうことは全然ありません。
  697. 武藤運十郎

    武藤委員長 橘直治という人を御存じですか。
  698. 岡部得三

    岡部證人 知つています。
  699. 武藤運十郎

    武藤委員長 この方とも石炭國管問題で話をしたわけでないのですか。
  700. 岡部得三

    岡部證人 全然ありません。それは先ほど申し上げた庶務部長なんです。それは党のことを話したかもしれませんが、ほかのことはないと思います。
  701. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこかほかで石炭業者と会合懇談をし、または飲食をしたようなことはありませんか。
  702. 岡部得三

    岡部證人 飲食したことは、一度か二度ぐらいはあるかと思いますが、私の知人の原口君が來まして、私が食事を出したことがあります。
  703. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのほかにはありませんか。
  704. 岡部得三

    岡部證人 そのほかにはありません。
  705. 武藤運十郎

    武藤委員長 岡部丘夫、西尾守、前隈清利、飯田浩平、綾部健太郎、深田兵太郎、幸田悟明、西條春雄、海口守三などという諸君とあるいは同宿しあるいは懇談したことはありませんか。
  706. 岡部得三

    岡部證人 そのうち知らない人は三四人ありますが、ほかの者は、私の方の会社の者だの兄だので、いろいろ会社の用件や何か持つてこられまして、話したことは何度もあると思います。
  707. 武藤運十郎

    武藤委員長 このうち御存じないのはどなたですか。
  708. 岡部得三

    岡部證人 もう一度読んでください。
  709. 武藤運十郎

    武藤委員長 岡部丘夫。
  710. 岡部得三

    岡部證人 知つております。
  711. 武藤運十郎

    武藤委員長 西尾守。
  712. 岡部得三

    岡部證人 知つております。
  713. 武藤運十郎

    武藤委員長 前隈清利。
  714. 岡部得三

    岡部證人 知つております。それは会社の者です。
  715. 武藤運十郎

    武藤委員長 飯田浩平。
  716. 岡部得三

    岡部證人 知つております。
  717. 武藤運十郎

    武藤委員長 綾部健太郎、深田兵太郎。
  718. 岡部得三

    岡部證人 知つています。
  719. 武藤運十郎

    武藤委員長 幸田悟明。
  720. 岡部得三

    岡部證人 知つています。
  721. 武藤運十郎

    武藤委員長 西條春雄。
  722. 岡部得三

    岡部證人 知りません。ほとんど私の國の人でございまして、それは石炭業者でも何でもありません。会社員です。
  723. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは別なことかもしれませんが、中川旅館にお泊りになつておつた後に家を新築してお引越しになりましたか。
  724. 岡部得三

    岡部證人 新築して引越しておりません。古い家を会社から買いまして移りました。
  725. 武藤運十郎

    武藤委員長 何坪ぐらいありますか。
  726. 岡部得三

    岡部證人 敷地が三十二坪だと思います。
  727. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはどのくらいかかりましたか。
  728. 岡部得三

    岡部證人 会社が金を拂つてくれたのですが、修繕したりして大方七、八十万円かかつたのではないかと思います
  729. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねになることがございますか。――それでは済みました。御苦労さまでした。     ―――――――――――――
  730. 武藤運十郎

    武藤委員長 田中彰次さんですね。
  731. 田中彰治

    田中證人 はい。
  732. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたのいつも住つておる所はどちらですか。
  733. 田中彰治

    田中證人 東京を言いますると、板橋区大山町千百二十二番地。
  734. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから福岡では……。
  735. 田中彰治

    田中證人 福岡では福岡縣田川郡曲金村。
  736. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か事業をやつておられますか。
  737. 田中彰治

    田中證人 炭鉱を経営しております。
  738. 武藤運十郎

    武藤委員長 何という名前炭鉱ですか。
  739. 田中彰治

    田中證人 振不動炭抗。
  740. 武藤運十郎

    武藤委員長 株式会社ですか。
  741. 田中彰治

    田中證人 そうです。
  742. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが社長ですか。
  743. 田中彰治

    田中證人 さようです。
  744. 武藤運十郎

    武藤委員長 年産どのくらい出ますか。
  745. 田中彰治

    田中證人 それはまだ経営したばかりでありまして、目下掘進中であります。
  746. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろから始めたのですか。
  747. 田中彰治

    田中證人 去年の十月ごろです。
  748. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほんとうに炭が出始めたのはいつです。
  749. 田中彰治

    田中證人 まだ出さないで目下掘進中で掘つております。今出炭を目的でなく抗道掘進をしております。そのほかにまだ飯塚に炭鉱を持つております。
  750. 武藤運十郎

    武藤委員長 飯塚というのは……。
  751. 田中彰治

    田中證人 飯塚市内に弁分村というのがあります。
  752. 武藤運十郎

    武藤委員長 その飯塚の炭鉱はいつごろから……。
  753. 田中彰治

    田中證人 昭和十八年ごろです。
  754. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは年産どのくらい出ますか。
  755. 田中彰治

    田中證人 約五万トンです。
  756. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたがやつぱり社長ですか。
  757. 田中彰治

    田中證人 さようです。
  758. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年石炭國家管理法案議会に出される前後を通じて、炭鉱業者反対運動をしたようですけれども、あなたも参加しましたか。
  759. 田中彰治

    田中證人 しました。
  760. 武藤運十郎

    武藤委員長 どんな方法、どんな組織でやりましたか。
  761. 田中彰治

    田中證人 われわれは鉱業会の趣旨としましては、議会及び代議士諸君、その他にいろいろな陳情とか何とかいうような運動方法をやりました。しか言われわれは業者の体驗から見て、國管というような大きな問題は、やつぱり社会の輿論に訴えて堂々とやることがいいのじやないかという案を、東京鉱業会の総会及び理事会に出したのですがこれをけられたものですから、われわれは私と肥田君と二人でやることにして、宣傳及び社会の輿論の喚起に努めるような宣傳運動をしたわけです。
  762. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは議会運動をするということはしなかつた、あなたは肥田君と相談をして一般輿論に訴える、そういう運動を始めたわけですね。
  763. 田中彰治

    田中證人 さようです。
  764. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはけられたのではなく、あなたの主張というか、これに諸君が同意してあなたに依頼したのではないですか。
  765. 田中彰治

    田中證人 違います。われわれの運動に対しては、彼らは消極的というか賛成しません。われわれが非常に強硬にそれを主張した。本会議できまらなくて理事会にまわしたものである。だからわれわれがこの國管の問題はそうたやすくやる問題ではない。商工会議所に対しては、もちろんわれわれが國管に対するいろいろなものを書いてやつて賛否をとる必要がある。社会の人は石炭に対してまつたく認識がない。その認識をなさしめて國管が是であるか、否であるか訴えて、社会の輿論にこれをまつべきが当然じやないか。そういう姑息な運動を止めろということを主張した。彼らはそれに対して共鳴しないために、われわれも言つた立場上おれたちがどれだけやれるか知らぬが、やれるだけやつてみようというので、われわれがやることにした。
  766. 武藤運十郎

    武藤委員長 反対運動についてだれかから金を受取つておりませんか。
  767. 田中彰治

    田中證人 受取つております。
  768. 武藤運十郎

    武藤委員長 だれから、どれくらい、いつ……。
  769. 田中彰治

    田中證人 木曽氏から十万円出してもらつております。
  770. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのほかに受取つておりませんか。
  771. 田中彰治

    田中證人 受取つておりません。
  772. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが受取つたのですか。肥田君ですか。
  773. 田中彰治

    田中證人 私と肥田君の二人の前で受取りました。
  774. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう趣旨の金ですか。
  775. 田中彰治

    田中證人 それは理事会がけつたときに、われわれが個人でやろうと言つたところが、木曽氏が僕が任されたことがあるから、ちよつと僕の旅館まで来てくれんか、行く必要はないじやないかとけんかしたが、來てくれというので行つた。ああいうぐあいにけつたが、しかしあなたのやる趣旨もまんざらわれわれが個人で反対しておるわけでない。鉱業会理事会反対した以上は、自分が理事として――実は鉱業会の者としてこれに賛成するわけにいかぬ。この十万円は私個人の金だから一つ足しにしてくれぬかといつて私たちの前に出した。おれは君から車賃や金を出してもらわぬでもそのくらいの金は持つている、受取らぬというと、何か足しにしてくれといつて肥田君ももらつておく方がよかろうというのでもらいました。
  776. 武藤運十郎

    武藤委員長 それ以外はもらつておりませんね。
  777. 田中彰治

    田中證人 もらつておりません。
  778. 武藤運十郎

    武藤委員長 北九州株式会社から昭和二十二年六月十五日炭鉱代表者上京のときに三千五十六円、七月五日五千五百十円、七月九日一万四百六十円、合計一万九千二十六円を受取つておりますか。
  779. 田中彰治

    田中證人 私及び私のおらぬときに子供が代つておりますから四回受取つたことを覚えております。概略三万四千円ほど受取つた記憶をもつております。
  780. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの子供は……。
  781. 田中彰治

    田中證人 私の長男で田中隆博。
  782. 武藤運十郎

    武藤委員長 いくつですか。
  783. 田中彰治

    田中證人 二十七です。
  784. 武藤運十郎

    武藤委員長 新鉱二瀬炭鉱というのはこれですか。
  785. 田中彰治

    田中證人 そうです。
  786. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはどういうのですか。
  787. 田中彰治

    田中證人 これは先ほど申し上げました飯塚の炭鉱です。
  788. 武藤運十郎

    武藤委員長 木曽君以外に受取つたことはありませんか。
  789. 田中彰治

    田中證人 ありません。
  790. 武藤運十郎

    武藤委員長 野見山君からは受取りませんか。
  791. 田中彰治

    田中證人 それは炭鉱國管運動をやり始めましたときに、私の炭鉱も当時運動をやる調査その他でずいぶん忙しかつた関係上、私がそう上京しておれませんから政経懇話会の人にやらした。これもいろいろな事情でできないために、今度千正清夫というのが共鳴してそういう運動をしておりましたから困つたというと、ぼくの方でやるからというので、それでは君の方でやつてくれと引継いで、そのときに野見山君がちようど來て、どういうわけだというので千正君がいろいろ運動方法を聞いたりしまして、ぼくも共鳴したから、國管連盟と解放連盟に五万円づつ寄附しよう、それはしてやつてくれろというわけで、彼らに寄附しましたが、私はそのそばに立会つておりませんから金をやつたことは見ておりません。
  792. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなた受取つたわけではないですか。
  793. 田中彰治

    田中證人 そうであります。
  794. 武藤運十郎

    武藤委員長 その金は使つたわけじやない、受取つた金は木曽君からの十万円ですね。
  795. 田中彰治

    田中證人 それから私が約十万円ばかり出しました。
  796. 武藤運十郎

    武藤委員長 お自分の金を。
  797. 田中彰治

    田中證人 はい。
  798. 武藤運十郎

    武藤委員長 主として何をなさつたのですか。
  799. 田中彰治

    田中證人 立看板、ビラ、ポスターというようなもの。
  800. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういうものに今の二十万円をお使いになつたわけですか。
  801. 田中彰治

    田中證人 さようです。それから車賃、人夫賃なんかに使つております。
  802. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者龍名館に大体泊つてつたようですけれども、あなたは。
  803. 田中彰治

    田中證人 私もそれをやるまでは龍名館にちよいちよい泊つておるが、そういう経緯になりましたから龍名館に泊るのをやめまして、私の自宅、あそこは不便ですから、自動車のぐあいの悪いときは富士ホテルなんかに泊つております。
  804. 武藤運十郎

    武藤委員長 業者は非常に金を集めて猛烈な運動をしたようですけれども、一トンいくらずつ集めたのですか。
  805. 田中彰治

    田中證人 それはちよつと記憶しておりませんが、炭代からいくらか金を引かれたということは聞いておりますが、どのくらい引かれたのかはつきり報告を受けておらぬのであります。
  806. 武藤運十郎

    武藤委員長 集めた金はどういう方面に使つたのですか。
  807. 田中彰治

    田中證人 私は御存じの通り國管反対運動のみでなく、いろいろな会議なんかの意見に対しては炭鉱業者と往々にして意見の相違をきたして激論をやるものですから、そういう運動方法は彼等は私に祕密でやつて知らせないと思いますから、私は深いことは知りません。
  808. 武藤運十郎

    武藤委員長 大分あちこち金をばらまいて、言つてみれば買收饗應というようなことをしたのではないかという風説が強くて、今でもその疑惑が解けない状況ですが、あなたはそういうことは見聞しておりませんか。
  809. 田中彰治

    田中證人 しておりません。われわれはおいどうしたのだと聞くとそんなことはないよというわけで、別にそれ以上聞いておりません。
  810. 武藤運十郎

    武藤委員長 龍名館またはそれ以外の場所業者あるいは政治家と懇談したり飲食したようなことはありませんか。
  811. 田中彰治

    田中證人 それは私の場合ですか。
  812. 武藤運十郎

    武藤委員長 はあ。
  813. 田中彰治

    田中證人 ありません。
  814. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかの諸君がやつてつたことはございますか。
  815. 田中彰治

    田中證人 さあ見たことはありませんが。
  816. 武藤運十郎

    武藤委員長 ビラはどこに頼んで刷りましたか。
  817. 田中彰治

    田中證人 神田の竹中ビルの三階に私の事務所が十年前からございますが、私は東京のことを十分に知らぬものですから、政経懇話会の菊岡という人が、出版とか印刷とかを始終頼んでいる。その人に頼んでやろうということでその人が、その近所及び自分の知つたところで刷つて來てくれたのであります。私が頼むときに十万円か五万円しか渡さなかつたのでありますが、それを彼からメモで書いたものを受取つて、終えたものですから清算しました。
  818. 武藤運十郎

    武藤委員長 肥田君とはどういう関係ですか。
  819. 田中彰治

    田中證人 肥田君とは面識がなかつたが、私が反対したときに頭の禿げた大きな男が反対していた。そこで意氣投合して肥田君か、田中かというわけです。
  820. 武藤運十郎

    武藤委員長 それまでは知らなかつたのですか。
  821. 田中彰治

    田中證人 知らなかつたわけです。
  822. 武藤運十郎

    武藤委員長 なにかお尋ねになることはありますか。
  823. 徳田球一

    ○徳田委員 この立札はどのくらいだつたのですか。
  824. 田中彰治

    田中證人 私のときは約二十万円ばかり使つておりますから六七十本ぐらいだつたじやないかと思います。
  825. 徳田球一

    ○徳田委員 六七十本。それからあのポスターはあれはどれくらい。
  826. 田中彰治

    田中證人 どつちのポスターですか。
  827. 徳田球一

    ○徳田委員 立札と別のポスターが大分つてつたですが。
  828. 田中彰治

    田中證人 あれは立札の木がなかつたものですから、あの立札を急所々々へ建てたのですから、十枚ばかり余りました。それをどうせ貼るのだから議会のとき貼つておけというのであれを貼つたのであります。
  829. 徳田球一

    ○徳田委員 そのほかにも大分ポスターがありましたが、新聞の半分くらいのものです。
  830. 田中彰治

    田中證人 あれは約二千枚くらい刷りました。
  831. 徳田球一

    ○徳田委員 二千枚ですか、少し少いように思いますが……。
  832. 田中彰治

    田中證人 それから平井義一君が五千枚ばかりもつてきて貼つてくれないかというので、約七千枚くらい貼つたじやないかと思います。
  833. 徳田球一

    ○徳田委員 平井さんは五千枚ですか。
  834. 田中彰治

    田中證人 五千枚くらいと思いました。よく勘定しませんが……。
  835. 徳田球一

    ○徳田委員 ビラはどうですか。
  836. 田中彰治

    田中證人 ビラというとどんなものです。
  837. 徳田球一

    ○徳田委員 國管反対に対するいろいろなことを書いたビラを大分まいた。
  838. 田中彰治

    田中證人 あれはやはり四五千枚つくつたと思います。
  839. 徳田球一

    ○徳田委員 たつた四五千枚ですか。
  840. 田中彰治

    田中證人 私の方は八月の二十五六日ごろから始めまして、議会の閉会のときしまつておりますから、あと國管連盟とほかへやつた。私の方はそれだけです。
  841. 徳田球一

    ○徳田委員 國管連盟というのはあなたの方とどういう……。
  842. 田中彰治

    田中證人 國管連盟をやりました千正清夫というのは私の知合ですから、私は肥田君がやるからというのでぼくもやろうということになつた。ところが肥田君は二三日ばかりでいなくなつてしまつたものだから、僕は背負投げをくつたようなことになつて、菊岡君も肥田君に紹介された方でよく知らぬものですから非常にぐあいが悪い。ぼくも慣れぬ政治運動で、政党にも関係しないのだから、こういう運動はぼくに合わぬからちよつと困るというと、それはおれの方でやろうというわけで、君の方で引継いでやつてくれ。それで残つたものもあるから、そういうものをそつちへやつたわけであります。
  843. 徳田球一

    ○徳田委員 國管連盟を主宰しているのはあなた方ですか。
  844. 田中彰治

    田中證人 私のときは國管連盟までいかぬで、個人で菊岡君がやつてくれるというからやつた、そのうちに届けもしてやらなければならぬし、いささか面倒な問題になるというので、それではぐあいが悪い。業者として特別反対したのだから、別に政治関係もなければ何もない。おれにはできぬ……。
  845. 徳田球一

    ○徳田委員 國管連盟というのは肥田君がやつたのですか。
  846. 田中彰治

    田中證人 肥田君じやない、肥田君は二日ばかりやつてどこかへいつてしまつた
  847. 徳田球一

    ○徳田委員 これはたれがやつたのですか。
  848. 田中彰治

    田中證人 千正清夫君と内田行人さんがやつたのです。
  849. 徳田球一

    ○徳田委員 眞木康年君とは関係ないですね。
  850. 田中彰治

    田中證人 眞木康年君とは私は面識ないのです。実は私があるとき事務所にいつたとき、田中さん、実は眞木康年の事務員だがなんだか知りませんが使いが來まして、われわれも國管案に非常に反対運動をやつておるから一つ援助してくれ、共同でやつてくれぬかという申込をしてきましたが、どうしますかと私に相談しましたから、ばか、われわれは思想運動をやるのではなくて、業者としてやるのだ、そういう人と組んだりしてはいかぬと断つて、とうとう会つてくれと言われても会わずにしまつた
  851. 徳田球一

    ○徳田委員 全然関係ないですか。
  852. 田中彰治

    田中證人 関係ありません。面識ありません。
  853. 徳田球一

    ○徳田委員 そうするとこれに人夫費を加えて二十万円ですか。
  854. 田中彰治

    田中證人 約二十万円、私も持つていた金を出しておりますから。菊岡君に渡したのが十五万円、そのほか糊代とかいろいろなものを出しました。二十万円、それから自動車賃はその中に入つておりません。私は自動車を國際から頼んで使つておりましたから、それも最後に四、五万拂つたのではないかと思います。
  855. 徳田球一

    ○徳田委員 このうち十万円は木曽さんが出して、あとの残りをあなたが出しましたか。
  856. 田中彰治

    田中證人 私が出しましたが、肥田君と半々くらいに出すつもりでおりましたが、肥田君がおらぬものですから私が万やむを得ず出したのです。
  857. 徳田球一

    ○徳田委員 ずいぶん被害を受けたのですね。
  858. 田中彰治

    田中證人 まあ私としてはもつと――われわれは國管をやつて見たが出ないということになれば、財産を棒に振つてもやらなければならぬと思つてつたから大した大金とは思つておりません。
  859. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたの方からこの反対について一トン当りいくらというふうに出したはずですが、それは……。
  860. 田中彰治

    田中證人 それはトンについていくらというふうに一二回にわたつて引いたということを会計から聞いております。われわれは自腹さへ切つて反対するのだから、いくら引かれておるのか知らないのです。炭代から引いたことは事実らしいと思いました。
  861. 徳田球一

    ○徳田委員 何回くらい……。
  862. 田中彰治

    田中證人 私は一回か二回ということを聽いておりました。よくわかりません。
  863. 徳田球一

    ○徳田委員 それは懐ろに大いに影響するところですから……。
  864. 田中彰治

    田中證人 影響すると言いましても、國管運動に対しては自分が自腹を切つてやるくらいですから、ただあとでわずかの金を引いたのをいくら引いたか、どうしたかというようなことは、忙しくもあり、始終東京へ行つたり北海道へ炭鉱調査に行つたりしておるものですから、つい詳しいことは聽かないのです。
  865. 徳田球一

    ○徳田委員 年に何万トンですか。
  866. 田中彰治

    田中證人 約五万トンくらいです。
  867. 徳田球一

    ○徳田委員 月にして……。
  868. 田中彰治

    田中證人 四千トンないし四千五百トン。
  869. 徳田球一

    ○徳田委員 そうすると大分大きいものではありませんか。十円とすると四万円。二回出せばずいぶん……。
  870. 田中彰治

    田中證人 しかし國管反対して金を十万円でも十五万円でも出して、肥田君さえ氣を合わせてくれれば、炭鉱を投げて身上を棒に振つてもやるつもりですから、そう大きいとは考えておりません。
  871. 徳田球一

    ○徳田委員 その潔さについては見上げたものですが、何回でどういうふうに出したかは非常に疑問になつておるのです。
  872. 田中彰治

    田中證人 鉱業会というものは一体昔互助会と言いまして、一人を信じてお互いにやり合うということが習慣になつておりますから、何十万円も引けば別ですが、國管問題で東京に來て騒いでおつて、三万や四万鉱業会が引いたからつて、そこまで手が届きませんし、氣にかけておりません。
  873. 徳田球一

    ○徳田委員 相当引かれておるのですな。
  874. 田中彰治

    田中證人 どのくらい引かれておるか知りません。
  875. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたの会社の帳簿を調べて引かれておるところをはつきりしてもらえませんか。
  876. 田中彰治

    田中證人 よろしうございます。
  877. 徳田球一

    ○徳田委員 はつきりした方がいいだろうと思います。今これは非常に疑惑になつております。
  878. 田中彰治

    田中證人 早速九州に照会しまして、いくら引かれたか調べて出します。
  879. 徳田球一

    ○徳田委員 それからこの運動を何月までお続けになりましたか。
  880. 田中彰治

    田中證人 私がやつたのは八月の二十日ごろから、議会が休会になる一週間くらい前までやつてつたと思います。
  881. 徳田球一

    ○徳田委員 何月まで……。
  882. 田中彰治

    田中證人 それはちよつと記憶がないのです。
  883. 徳田球一

    ○徳田委員 十二月まで。
  884. 田中彰治

    田中證人 そんなにやりません。九月からやつておりませんから。九月からは國管連盟、解放連盟に任しまして九州帰りましたから、約十日ばかりです。
  885. 徳田球一

    ○徳田委員 そのほかにちよつとお尋ねしますが、あなたの受取られたいわゆる反対の北九州炭鉱株式会社ですが、それから受取られた金は三万いくら……。
  886. 田中彰治

    田中證人 何でも三、四回にもらつておりますから、三万四、五千円ではないかと思つております。
  887. 徳田球一

    ○徳田委員 そつちの方はどうですか、委員長。先ほど委員長が読まれたのは一万九千円くらいじやないですか。
  888. 武藤運十郎

    武藤委員長 一万九千円ばかりですね。
  889. 徳田球一

    ○徳田委員 そこに非常な違いがありますね。
  890. 田中彰治

    田中證人 三万四、五千円いただいたことは事実です。
  891. 徳田球一

    ○徳田委員 そうすると、鉱業会の出しておるのと大分違うのですがね。その帳面は無茶苦茶だということになる。
  892. 田中彰治

    田中證人 いや、しかしそれも息子のとつたのもありますし、私のとつたのもありますから、私のことが必ず確かであるとは言えません。とにかく二、三回にわたつて私の記憶は三万四、五千円いただいたと記憶しております。
  893. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたの方は結構ですけれども、下給構なのは向う側なのです。大分これは帳面もでたらめにつけてよこした疑いがある。その点が非常に問題になつております。どうですか、委員長。――それはあとに讓りまして、この運動は大体あなたの方では不成功に終つたと見られますか、それとも成功ですか。
  894. 田中彰治

    田中證人 不成功に終つたと思つております。一体私はその炭鉱業界でも途中から行つた業者で、戰争中に炭鉱屋になつたのですから、ちよつと継子扱いにされておるので、私が政党、政派に関係しておらぬ関係上、自分では相当公平な意見を吐いておりますが、鉱業会ではなかなかやんちやな意見を吐くということになつておりますから、そう詳しいことはぼくに言わぬのです。私の方の反対運動はビラを張つたのは不成功に終つたと思つております。
  895. 徳田球一

    ○徳田委員 この反対の趣旨はどこにあつたのですか。
  896. 田中彰治

    田中證人 反対の趣旨は、われわれ業者といたしまして國管を今やつたのでは減産をする。それは資材も何も今まで政府から割当てて、ちやんと政府の切符で来ているのだから、國管になつたからといつてその資材がすぐに殖えてどんどん來るわけじやない。また人も、今まででさえ商工局あたりの役人が多くて、あれで來た、これで來たと言つて炭鉱の者が役人の相手をしなければいかぬ。それだから技術のないものではいけない。相当技術も知つている、炭鉱を牛耳るような人でなければならぬ。その上に役人が殖えることはなおさらぐあいが悪い。労働者諸君にしても、あなたのような共産党の人もおるし、民主党の人も民自党もありますから、どうやら一つに押えられたものを、そういうことによつてがちやがちやになりますから、そういうことにおいてもぐあいが悪い。その他いろいろな点において切替えされると非常に減産するじやないか。こういう考えからわれわれは反対したのです。
  897. 徳田球一

    ○徳田委員 炭鉱に役人などが來るときに、ずいぶんうるさく言つて相当手当をしないとうまくないじやないですか。
  898. 田中彰治

    田中證人 そういうことはぼくはあまりしませんがね。
  899. 徳田球一

    ○徳田委員 一般はどうです。
  900. 田中彰治

    田中證人 それは知りません。
  901. 徳田球一

    ○徳田委員 國管になると手当なんかずいぶん殖えるというところにあるんじやないですか。
  902. 田中彰治

    田中證人 つい役人がたくさん來ますから、放つて置くわけにいきません。図面を出して説明するとか、鉱内を案内するとかいろいろしなければならぬですから、非常にぐあい悪いのです。今でさえも困つている。
  903. 徳田球一

    ○徳田委員 そればかりじやない。もつと金銭上の問題があるじやないか。一般の風潮は。
  904. 田中彰治

    田中證人 それはちよつと知りません。
  905. 徳田球一

    ○徳田委員 それは隠さぬでもいいじやないですか。
  906. 田中彰治

    田中證人 それはちよつと私には申しかねます。
  907. 徳田球一

    ○徳田委員 ところが、私の考えでは、この反対の基礎はそうではなくて、特に中小炭鉱業者が非常に反対なさいましたのは、もつと深い理由があるじやないか。單に減産になるというのではなしに、一箇年十万トン以上の者が大体管理されるために、資材も資金もそこへ集中して、中小企業家の方はそういう資金や資材の面で非常に損をする可能性がある。そういうふうに上にばかり吸い込まれていくと、自分らの方が継子扱いされて非常に困難に陷るのではないか。そういう点から反対されたんじやないですか。
  908. 田中彰治

    田中證人 いや、われわれは減産の点から反対したので、そういう点から反対しておりません。
  909. 徳田球一

    ○徳田委員 私はそういう点から反対するならば、独占資本に対して中小企業家が大いに反対をするので非常に有意義だ。それならば堂々反対しても差支えはありません。
  910. 田中彰治

    田中證人 そういう方もあるかもしれません。私としては先ほど申し上げたよう國管になつたからといつて、資材も來なければ、別にすぐに製造するわけでもないし、水谷さんが盛んにどなつたところで鉱員が言うことをきくわけじやないし、役人は殖えてくるわ、監督は殖えてくるわ、労働者には民主党も、民自党も、共産党も、社会党もある。こういうものが入り乱れて政争することは石炭の一塊を争つているときに望ましくない。機構の変革はいかぬ。もうしばらく相当の石炭が出るまで國管反対だという意味から反対したのです。
  911. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたは非常に不成功だといつて憤慨せられておりますが、この結果に対して金の使い方やその他の報告を受けられましたか。
  912. 田中彰治

    田中證人 私は盲腸手術して行けなくて息子をやつたのですが、何か報告を受けたらしいのです。その受けた結果一回の金を引いたのだろうと思います。
  913. 徳田球一

    ○徳田委員 その報告に対して何か不満があつて炭鉱業者中にいろいろの紛争が起つたようなことはありませんか。
  914. 田中彰治

    田中證人 不満は別にありませんが、私としては何もこんなことに金を使うなら、演説会なり、とにかくその点炭鉱屋が民衆に炭鉱増産がどう、あるいは減産がどうと。炭鉱の事情を知らして、なぜ堂々とやらなかつたのかというような不満は、私は初めからもつていたのですから、そういう点には不満があつたのです。しかしわれわれが反対運動をして旅費をもらつたことは、われわれの炭代から引かれることは当然ですし、また引かれなくてもこつちから出すのですから、そういう金に対しては、わずかな金ですから、どうとも思つていません。
  915. 徳田球一

    ○徳田委員 しかしこの金の使い方に対して不当な使い方をしたとか、何とかいう異議が起つた事実はありませんか。
  916. 田中彰治

    田中證人 知りません。
  917. 徳田球一

    ○徳田委員 そういうところはあるだろうと思いますが、もつとこういうところはあつさり言つたら……。
  918. 田中彰治

    田中證人 あまり私は会議に行つたとこがありませんから、知りません。それは別に何も鉱業会に、われわれが別動隊であれらに反対して、けんかしてやつたのですから……。ごらんくだされば、鉱業会の意氣地なしと鉱業会を攻撃しております。私は別に鉱業会の手先でも何でもない。國管問題は國家の問題だから、そういう問題から離れて、むしろああいう武内のようにごそごそ飛んで歩くことに反対だから、東京で旗じるしを揚げてもつと正々堂々とやるのがいい。
  919. 徳田球一

    ○徳田委員 そこであなたの知つておられるところ、憤慨しておられるところをばさりと言われて、全炭鉱界の……。
  920. 田中彰治

    田中證人 知らないのですよ。私らのようなそういう派に、あつたとしても言いませんよ。あなたが私にお尋ねになるのは見当違いであつて、向うの方にお尋ねになるのがよいでしよう。
  921. 徳田球一

    ○徳田委員 それはなかなか微妙な点がありまして……。
  922. 田中彰治

    田中證人 継子には祕密は打明けませんから、わかりません。
  923. 徳田球一

    ○徳田委員 言わぬですか。
  924. 田中彰治

    田中證人 言わぬから、知らないわけです。
  925. 徳田球一

    ○徳田委員 言いたくないんですね。
  926. 田中彰治

    田中證人 教えてくれないから……。
  927. 徳田球一

    ○徳田委員 実はこのことに関してはちやんと宣誓にもあります通り、知つていることは皆言う。何も附け加えもせぬが、また隠しもせぬという誓約をしておりますから……。
  928. 田中彰治

    田中證人 私は一つの信念をもつておりますから、別に武内をかばうとか、鉱業会もかばいません。むしろ悪いところがあるなら、ここではつきりあばいた方がいいという信念をもつておるのですから、決してあなたに隠したり、うそは言いません。
  929. 石田一松

    ○石田(一)委員 ちよつとお尋ねしますが、今あなたの話を聽いていると、まことにさつぱりしていて気持がいいと思うのです。先達つて木曽さんがおいでになつて、田中という男は非常に熱血兒だ、正しいと信じたことは何でもばりばりやるんで、やかましいくらいだとはつきりおつしやつています。今聽いてもそうかなあと思えるのですが、私はこういうことをこの間から各証人に特に聽いているのですが、証人に出ている連中がこの十日か十二、三日の間にどうかに寄り集まつて相談して、いろいろ証言を申し合わせているんじやないかというほど、ぴつたり合うところはきつちりと合つている。こんなに一言一句までよく合うものだと思うくらい合つている。ところが一たび金の点になると一つもわからないで、ぼんやりしている。それであなたも最近木曽さんとお会いになつていることがあるんじやないか。
  930. 田中彰治

    田中證人 会つておれば、木曽君が一万円金を渡したと報告したのに、私が三万円と申しません。私は三万四、五千円もらつておる。私はもらつたものはもらつたと言います。私はそんなに鉱業会木曽君がえらいと思つておりません。あれはボスですから。ただ鉱業界の先輩で、古いものだから、あれを立てていたわけで、彼をそんなにえらいと思つておりません。
  931. 石田一松

    ○石田(一)委員 あなたと同じような氣つぶで、木曽なんかをえらいと思つておらぬというような業者で今度運動したというような人はいませんか。
  932. 田中彰治

    田中證人 ちよつとおらぬですな。まあ武内木曽とけんかするのは、私か、肥田君ぐらいじやないか。私は肥田君をあまりよく知りませんが……。
  933. 石田一松

    ○石田(一)委員 では会つた事実なんか全然ありませんね。
  934. 田中彰治

    田中證人 ありません。
  935. 石田一松

    ○石田(一)委員 連絡をとられたこともありませんね。
  936. 田中彰治

    田中證人 ありません。
  937. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにありませんか――。先ほど私が一万九千二十六円と申し上げましたのは、あなたの方の報告書に基きまして、五月分送炭に対してトン二円ずつで三千五十六円、六月上中分送炭、これは五円で五千五百十円、六月上中分追加として、トン五円で五千五百十円、六月下旬分送炭、トン十円で四千九百五十円、合計一万九千二十六円――受取られたのは、新興田中としてあつて、滯京日数二十一日で三万一千五百円、旅費が二千百六十円、合計三万三千六百六十円、それからお出しになつたのは今申し上げましたこれだけですね。
  938. 田中彰治

    田中證人 それはよく記憶しません。調べて報告します。
  939. 武藤運十郎

    武藤委員長 できるだけ早く報告してください。  なお田中新庄というのは違いますね。
  940. 田中彰治

    田中證人 田中新庄というのは後藤寺にありまして、私の田中新興とよく間違えて、いろいろな処理に困つておるわけです。
  941. 武藤運十郎

    武藤委員長 それじや済みました。御苦労さまでした。
  942. 武藤運十郎

    武藤委員長 じや、肥田さんに伺いますが、あなたは西部石炭鉱業会大阪部会長という仕事を昨年しておりましたか。
  943. 肥田理吉

    肥田證人 しておりました。
  944. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたもやはり炭鉱を持つておるわけですか。
  945. 肥田理吉

    肥田證人 その当時の事情を一通り申し上げぬといけませんが、大阪部会と申しますのは、西部石炭鉱業会というものが宇部にありましたが、大阪だけは二府十四縣を管轄いたしましたのが部会と申します。その部会の中に無煙炭有煙炭もありまして、四十七かと思いますが、私がその炭鉱の初代の会長に推されて会長をしておりました。
  946. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年炭鉱業者がこぞつて國管反対、いわゆる石炭國家管理反対運動ということをやりましたが、あなたも一緒反対運動に参加されましたか。
  947. 肥田理吉

    肥田證人 私のところにも理事会というものがありまして、役員の中に理事がおります。理事の上に会長と副会長がおります。総会を開きまして、総会の決議の結果、理事会が一致いたしまして、会長がこの運動をすべしということに総会で決定されまして、その実行委員といたしまして、私が東京に参つたのであります。
  948. 武藤運十郎

    武藤委員長 一人だけで來られたですか。
  949. 肥田理吉

    肥田證人 当時たしか理事は全部私についてきたと思います。
  950. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう運動をしておりましたか。
  951. 肥田理吉

    肥田證人 それは本部の方と連繋を保つということです。本部と申しますのは現在はございません。その当時日本石炭鉱業会というのがありましたが、その方と一緒にやることになつておりました。それで私どもはその総会に臨んで、部会としての主張を申し上げまして、それから國管に全部業者反対いたしておりまして、それに同調いたしまして、私どもついて歩いておつたのであります。
  952. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういうところへ行かれましたか。
  953. 肥田理吉

    肥田證人 どこへ行つたということをはつきり覚えておりませんが、当時水谷商工大臣にお目にかかつた記憶がございます。そたから本部で実行委員というものがあつたのですが、私どもは小炭鉱ばかりの集中された炭鉱でございますので、その実行委員の中にはたしかはいつていなかつたと思います。
  954. 武藤運十郎

    武藤委員長 水谷さんにお会いになつたくらいですか。
  955. 肥田理吉

    肥田證人 それだけでございます。
  956. 武藤運十郎

    武藤委員長 政党の幹部や……。
  957. 肥田理吉

    肥田證人 政党の人には私は会いません。
  958. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体その実行委員会と言いますか、そこでどういうふうな運動方針でやろうということにきまつたのですか。
  959. 肥田理吉

    肥田證人 主として陳情書を書きまして、その陳情書を出すとか、それから個々に訪問をいたしておりましたが、たしか自由党の本部にも私は参りました。それから民主党の本部にも参りました。この二箇所だけには私参りました。
  960. 武藤運十郎

    武藤委員長 どなたにお会いになりましたか。
  961. 肥田理吉

    肥田證人 全部ですから、列席の方は私の記憶によりますと、今の大藏大臣その他竹田儀一君等幹部の方がおられたように思います。
  962. 武藤運十郎

    武藤委員長 みんなあなた方の陳情に賛成されたのですね。
  963. 肥田理吉

    肥田證人 賛成ということはございません。当時御承知のように各党には各党の案があつたようです。しかし業者としてこういうことを織り込んでもらいたいということを、私も代表の一員として述べております。
  964. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かほかにあなたは特別の運動をしなければいかぬというような説を述べましたか。
  965. 肥田理吉

    肥田證人 特別の運動というのは、たしか総会の日にちを覚えておりますが、総会の席上で私の信念といたしまして、かような運動は個々に陳情して歩いてもいかないし、現在は大衆政治であるがゆえに、全部大衆に訴えて、現在の國管では炭は出ないということを理解せしめることが一番いいことである。しかるに現在のやり方は姑息である。堂々と大衆に訴えてはどうかということを、私が総代の一人として申し上げたのであります。
  966. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうしたら。
  967. 肥田理吉

    肥田證人 その結果役員はそういうことはいかぬということにたしかなつたように記憶しております。それでその次に理事会にも諮つてみようということであつたように記憶しておりますが、理事会でも、その必要なしということにきまつたように記憶しております。
  968. 武藤運十郎

    武藤委員長 それであなた方の案はだめになつてしまつたわけですね。
  969. 肥田理吉

    肥田證人 そうなんです。
  970. 武藤運十郎

    武藤委員長 しかしやはりビラをはつたり、立看板をやつたですね。
  971. 肥田理吉

    肥田證人 それは私と田中君が費用を出し合つてもやろうじやないかということで、私と田中君と相談してやつたのであります。それをやりました結果、田中君が当時龍名館に泊つておりましたので、それで龍名館に行つて、二人が相談したのが発端でありました。
  972. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういう運動の費用はどこから出ましたか。
  973. 肥田理吉

    肥田證人 そのときの運動費用はたしか当時私と田中君、特に木曽君がちよつと会いたいということで、私と田中君の話に連なつたように記憶しております。そのときに木曽君にお会いしたところが、君らが單独でやることは何だから、車賃にでもこれをしてくれぬかというようなことで、たしか十万円を出されたように記憶しております。
  974. 武藤運十郎

    武藤委員長 それを受取つたわけですね。
  975. 肥田理吉

    肥田證人 受取つて、それは一切田中君に任して、その金には私は触れませんでした。
  976. 武藤運十郎

    武藤委員長 いくらくらい運動費はかかりましたか。
  977. 肥田理吉

    肥田證人 よく知りません。なぜ知らぬかということは、ちようど私の母が亡くなりまして一週忌になりましたので、それが八月二十八日と記憶しておりますが、その方と、それから私の炭鉱は島根縣の松江附近にあるのですが、その方に新坑をやつておりましたので、急を要するということで炭鉱へはいりました。
  978. 武藤運十郎

    武藤委員長 七月十二日に東京の石炭鉱業会本部会長室で大阪部会臨時理事会というものを開きませんでしたか。
  979. 肥田理吉

    肥田證人 開きました。
  980. 武藤運十郎

    武藤委員長 それは何のために。
  981. 肥田理吉

    肥田證人 理事会を開いたのは、このままではいかぬということと、もう一つ、小炭鉱が非常に大手筋の方から圧迫を受けておりまして、融資、資材等は一切大手筋の方に流れて、小炭鉱には來ない、それでこの機会に会長になりますと同時に、小炭鉱育成会というものを起しまして、私の会に所属いたしますところの小炭鉱の開発を中心として理事会を開いたのであります。
  982. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういうことにきまりましたか。
  983. 肥田理吉

    肥田證人 それは全部会長一任ということにきまりました。
  984. 武藤運十郎

    武藤委員長 大阪部会からついてきた人はだれですか。
  985. 肥田理吉

    肥田證人 当時ついてきました理事は、平井喜孝、寺部喜十郎、鳥谷、この名は忘れましたが、理事は全部じやないが、七名か八名くらい來たと思います。
  986. 武藤運十郎

    武藤委員長 その運動資金はどういうふうにして集めたのですか。
  987. 肥田理吉

    肥田證人 それは本部から鉱業会に與えられた費用がございますが、その本部の費用を各理事は一万円くらい持つて上京しております。それ以外に費用はありません。
  988. 武藤運十郎

    武藤委員長 割当というものはないのですか。
  989. 肥田理吉

    肥田證人 ないです。
  990. 武藤運十郎

    武藤委員長 トンあたりいくらとかいうようなものはありませんか。
  991. 肥田理吉

    肥田證人 そういうことは私の方には石炭が少いから――最高で千トンです。熊野地区の松澤炭鉱が千二、三百トン、小さいのになりますと、二、三百トンくらいの炭鉱ですから、トンあたり出す資力がないのです。
  992. 武藤運十郎

    武藤委員長 書類を見ると、第三回臨時理事会決定運動資金千五百円とか、第四回同じくで五千円とかいうものがあるのですが、それは違うのでありますか。
  993. 肥田理吉

    肥田證人 それはあつたかもしれませんが、事務局長がおりまして、事務局長が預つてつて、私はそんなことはよく承知していません。
  994. 武藤運十郎

    武藤委員長 やはり運動費には使つたですね。
  995. 肥田理吉

    肥田證人 そうです。
  996. 武藤運十郎

    武藤委員長 上京されてどこへ泊つておりましたか。
  997. 肥田理吉

    肥田證人 私は宅がございます。
  998. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかの諸君は。
  999. 肥田理吉

    肥田證人 私は当時は下谷の下車坂に家を持つていましたから宅におりました。それから各自知合いの家や旅館におつた人もありましたし、自分の家があつた者は自宅に泊つた人もありますが、詳細のことは記憶しておりません。
  1000. 武藤運十郎

    武藤委員長 ビラを貼つたり何かしたときに眞木康年という人を頼みましたか。
  1001. 肥田理吉

    肥田證人 知りません。会うたこともありませんし、顏も知りません。
  1002. 武藤運十郎

    武藤委員長 従つて頼んだこともない。
  1003. 肥田理吉

    肥田證人 そうです。
  1004. 武藤運十郎

    武藤委員長 大分石炭業者が、この運動のために金を出してばらまいたといいますか、運動費、買收、饗應費というふうに使つたというような説があるのですけれども……。
  1005. 肥田理吉

    肥田證人 それは私どもの貧弱な会にはそういうこともできません。私は会長といたしまして重責におりまする関係上、自分の費用は相当犠牲を拂いました。しかし金を出すところがないのですから使うこともできません。
  1006. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの方はできなかつたかもしれませんが、ほかは九州方面はどうですか。
  1007. 肥田理吉

    肥田證人 知りません。他人のことは聞く必要もなし、大手筋とわれわれ小炭鉱筋は感情的にも対立感情をもつております。
  1008. 武藤運十郎

    武藤委員長 九州方面は……。
  1009. 肥田理吉

    肥田證人 そういうことは当時私は聞く必要もないし、行く筋が違つておりました。國管反対するということは同じでありましたが、小炭鉱育成ということが主眼でありまして、そういう方面で私ども大部分努力いたしておりました。
  1010. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかに何かお聞きになることでございますか。
  1011. 徳田球一

    ○徳田委員 ちよつとお尋ねしますが、松江炭鉱というのはどういう名前の会社です。
  1012. 肥田理吉

    肥田證人 山陰炭鉱株式会社、場所は島根縣八束郡竹谷村字矢田と申します。
  1013. 徳田球一

    ○徳田委員 いくらくらい出ますか。
  1014. 肥田理吉

    肥田證人 現在は月五、六百トンです。
  1015. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたの方で復金から金を借りたことがありますか。
  1016. 肥田理吉

    肥田證人 もちろん、全部の炭鉱が借りております。
  1017. 徳田球一

    ○徳田委員 いくらくらい借りておるか、調べてこの委員会に出す意思はありますか。
  1018. 肥田理吉

    肥田證人 現在私の長男が專務になつておりまして、その事務当局がおりますから、いくらくらいかかつたかはよく憶えておりません。
  1019. 徳田球一

    ○徳田委員 そうはいかない、あなたは社長でしよう。
  1020. 肥田理吉

    肥田證人 社長だからといつてこまかいことは知る必要はない。
  1021. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたが印を押さなければ借りられないでしよう。
  1022. 肥田理吉

    肥田證人 長男が專務としてやつておるので、そんなこまかいことを一々聞いては会長は勤まりません。
  1023. 徳田球一

    ○徳田委員 復金融資計調べて出す意思がありますか。
  1024. 肥田理吉

    肥田證人 必要なら出しましよう。
  1025. 徳田球一

    ○徳田委員 融資は必要ですから出してください。
  1026. 肥田理吉

    肥田證人 わかりました。
  1027. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにございませんか。――それでは済みました。  明日正午定刻より理事会を開きます。本日はこれにて散会いたします。     午後五時十四分散会