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武藤委員長 この
委員会へあなたに出てもらいまして詳しく
お話を伺う目的は、戰爭中國民の膏血を搾
つてつくりました各種の莫大な数量に上る
兵器を、なぜ無償に等しいような契約で
兵器処理委員会に拂下げられたか。また
兵器処理委員会が何故に財閥五社のみによ
つて構成されたか。そうして五社以外の他社が排斥されたか。この五社を選定して
処理委員会をつくらしたものはだれであるかということについて、その後における
処理委員会の業績からみて、非常な疑問があるわけです。これを解明することがこの
委員会の目的です。そこであなたにくどく聽いておるのですけれども、速記録を一應読んでみますと、青木
証人は、「構成メンバーにつきましてはその当時の製鉄業者、あるいは金属工業に関する有力なる会社の名簿を出せという
バラード大佐からの命令があ
つたわけであります。それを持参して
提出したわけでございます。これにつきまして
バラード大佐の方からこういう会社はどうだということで五つの会社の御
相談があ
つたわけでございます。それから
委員会を構成することにな
つたわけでございます。」こういうふうに述べておる。すなわちそのあとの方で、
バラード大佐の指示はわれわれは單なるサゼツシヨン、または勧告ではないのであ
つて命令と
考えておる。これに從わざるを得ない。從
つたのであると、こういうふうに述べてあるわけであります。そこで私どもははたして
日本政府の意思を積極的に発動する余地のない形において、当時
兵器処理委員会というものが構成されたかどうかということを明らかにしたいわけなのです。青木さんなら青木さんの
証言のようになれば、これで私どもは
日本政府の
責任とは別な方向で問題を
調査しなければならぬ。しかしそれが当時
日本政府において、
政府を代表して
関係しておられた青木さんなりあなたなりの
証言が、当時の
責任を回避する
意味において、何でもかでも
バラード大佐の命令だということになるならば、これまた別の角度で
お話を伺わなければならぬ。そういうわけでいろいろこまかく聽いておるわけなのです。五社を選定して
処理委員会をつくらせることについて、もつと具体的に青木
局長からあなたに御
相談がありませんでしたか。