運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-06-28 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十八日(月曜日)     午後三時四十七分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君    理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君    理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君    理事 石田 一松君 理事 中野 四郎君       尾崎 末吉君    高橋 英吉君       明禮輝三郎君    渡邊 良夫君       足立 梅市君    佐竹 新市君       山中日露史君    椎熊 三郎君       橋本 金一君    中村元治郎君       宇都宮則綱君  委員外出席者         竹中工務店、清         水組その他をめ         ぐる政党献金問         題について出頭         した証人。   地崎宇三郎君         政治資金をめぐ         る問題について         出頭した証人。 三井久次郎君                 花房 敏雄君     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  資料提出要求に関する件  竹中工務店清水組その他をめぐる政党献金問  題  政治資金をめぐる問題     —————————————
  2. 武藤運十郎

    武藤委員長 これより会議を開きます。  証人調べをいたします前に本日及び一昨日の理事会において決定いたしました事項を御報告申し上げて皆さんにお諮りいたしたいと存じます。  第一先般辻嘉六氏をめぐる政治資金問題につきまして、当委員会淺岡信夫氏を証人として喚問をいたしたのでありますが、その際淺岡氏が在外胞引揚促進運動資金として辻嘉六氏より金三十万を受取られた意味証言がありましたが、これに対して在外同胞帰還促進國協議会委員長海上浩氏より、本年五月一日附をもつて上申書が当委員長提出をせられました。その内容は今般淺岡信夫氏が衆議院不当財産取引調査委員会において辻嘉六氏より相当金額在外同胞帰還促進運動資金として受取りたる由証言せられたる件に関しては、当在外同胞帰還促進國協議会は、同氏より全然援助を受けたる事実なく、よつてつたく関知せず。かくのごときは本全協と混同せられるおそれあるにつき、貴委員会において何らかの方法を用いて記録に留められんことをお願い申し上げますという趣旨でありまして、この趣きを同協議会の指定する二十数箇の地方引揚團体に問い合せられたき旨の申し出がありましたので、これを了承いたしまして問合せをいたしましたところ、全國約二十の引揚團体より当委員会にあてまして、当縣連盟は参議院議員淺岡信夫氏より帰還促進運動費用は全然受けておりませんというような趣旨の回答がまいつております。ここに御報告を申し上げます。  第二に佐世保市を中心とする隠退藏物資不当処理事件につきまして、來る七月二日午後一時、大藏省國有財産局長船山氏、三井造船重役三枝貞藏氏S・S・K重役高田透氏の三名を当委員会出頭を求めて証人として喚問をいたします。なお同件につきまして來る七月三日午後一時、佐世保檢察廳吉永檢事及び佐藤檢事、S・S・K所長松本長藏氏、同資材課長井上正清氏の四名を当委員会出頭を求め、証人として喚問します。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではさよう決定いたします。  第三、西村榮一氏に対する告発問題及び大野伴睦丹羽彪吉両氏に対する告訴問題理事会においてこれを討議いたしましたが、いまだ結論に達しません。  第四、北村徳太郎氏に対し、同氏がS・S・Kより受けられたる報酬その他諸手当の報告書面によつて來る二日までに提出を求めることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではさよう決定いたします。  第五、佐世保、舞鶴、横須賀その他全國にわたる艦艇解撤問題につきましては、本委員会においてこれを取上げ、その調査兵器処理小委員会へ併託することにいたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではさよう決定いたします。  吉田茂氏に関する問題について大磯税務署長を当委員会証人として出頭を求めることとし、その期日は明二十九日午後一時の理事会において決定をいたしたいと思います。御異議ございませんか。
  6. 中野四郎

    中野(四)委員 それは税務署の署長をここへ喚んでわざわざ公務の忙しいときに証人として調べなくとも、その目的は吉田茂氏の所得額が明確になればよろしいのですから、書類をまず提出せしめることにきめたらいかがですか。直接のいわゆる証人としての根拠があれば別ですけれども、所得額を調べる程度のものなら、書類提出を命ずるのが賢明な策だと思うのですが、いかがでしよう。
  7. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは明日の理事会で協議いたします。なお申すまでもなく当委員会閉会中もこれを続行することといたしたいと存じます。その閉会中における委員会開会議事等は明二十九日午後一時の理事会において協議したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではさよう決定いたします。  それでは証人にお伺いいたします。本日御出頭証人地崎宇三郎さん、花房敏雄さん、三井久次郎さん、お三名ですね。地崎宇三郎さんに対しましては先般御証言を求めました通り土建業者よりの政治献金問題をめぐつて再び御証言を求めることにいたす次第であります。花房敏雄三井久次郎、御両名に対しましては大野伴睦氏をめぐる政治資金問題についてお話を伺うことにいたします。証言を求める前に各証人に一言申し上げます。  昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。お手許に差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。     〔証人地崎宇三郎君各証人を代表して宣誓〕     〔各証人宣誓書署名捺印
  9. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは地崎さんから先にお話を伺いますから、他の御両名は御迷惑ながらしばらく別室でお待ちを願います。  地崎さんにお伺いしたいことは大体おわかりであろうと思いますが、先般御証言の際に一、二の友人から二百万円を昨年総選挙の際に受取られたということでありましたが、その一、二の友人のお名前がどなたであるか御証言がなかつたのでありますけれども、重ねてこの点についてお伺いをしたいわけです。あなたはこれを拒絶せられまして疏明せられる意味において去る六月五日附をもつて委員長あて疏明書提出せられました。当委員会においてこれを檢討いたしましたが、御提出のものは疏明と認めることはできないということになりましたので、あらためてこの点について御証言を求める次第であります。  第二点は飯田清太氏を代表とする土建業者より百五十万を受取られ、なお一、二の友人より二百万円を受取られ、合計三百五十万円のうち、金百万円はこれを民主党に正式に入金届出をせられておりますけれども、残余の二百五十万円については、ただ漠然と日本進歩党解散及び民主党結成に関する機密費として約七十万円、総選挙に関する機密費約百八十万円、こういうふうに書面をもつて提出になつておりますけれども、当委員会におきましては、なおこの内訳を詳細にお伺いしたいという点にあるのであります。右申し上げました二点についてあらためて御証言を得たいと存じます。
  10. 地崎宇三郎

    地崎証人 今委員長お話には二百万円の金を一、二の友人からというお話がございましたが、私は自分の金をも含む一、二の友人からと申し上げたはずであります。  なお私からかえつてお伺いしたいのでありますが、私が五日に疏明書提出いたしましたが、私の信じますところによりますと、その疏明書恥辱に関する事項という民事訴訟法二百八十條の條項に適合するものでと信じておるのでありますが、いかなる理由でそれが疏明にならないのでありましようか、後学のためにお聽かせを願いたいと思います。
  11. 武藤運十郎

    武藤委員長 この点はお氣の毒ですが、ここで御説明を申し上げません。ただ疏明を認めがたいということを申し上げます。
  12. 地崎宇三郎

    地崎証人 私の信じますところによりますと恥辱に関する事項というのは法律的にはあるいは何か動物的な本能に基く犯罪等を指すのであるかもしれませんが、私どもの考えております、特に私の育つた環境、生まれ等から考えますと、男が一旦約束した人の名前を言わないということは、それを破ることが最も私は恥辱である、かよう信じておるのでありまして、しかも古い昔には「お笑いくだされたく」という言葉すらあつたのでありまして、私はそれこそ一番高等な道徳だと考えておるのであります。当委員会におきましてそれをお認めならぬということでありますと、私はこの問題につきましては何か法の裁きをもつて爭うという言葉は申し上げませんが、自分の意思を通したい、さように考えておるのであります。しかし今一つ私がこれを拒む理由として疏明書には書きませんが、十日附に提出いたしました疏明書の中に同じような理由提出しておるのは、かような問題等で実は三月二十五、六日檢察廳におきまして、伊尾檢事より、五月二十九日にやはり檢察廳において櫻井檢事より本日やはり檢察廳におきまして河井檢事よりこれと同じ種類の問題取調べを受けておるのでありまして、さような問題と同一の問題をこの席上で不正確な記憶によつて申し上げる、また先ほどの一、二の友人から若干の金をもらつたこと等も、その使途その他については党の解散費用にも一部使い、あるいは選挙の機密的な事項にも一部使つたので、その届出その他につきまして、私が当時幹事長をしておりました関係上、自分に責任ありという意味取調べを受けておるのであろうと思います。從つてここで不正確な記憶でそれを申し上げることは、自分自体偽証になる憂があるという意味証言を拒否したのであります。  第二の三百五十万円の内容は、十日付書類をもつて提出いたしました通り、百万円は党の帳簿を経由してありますから、それらは党の帳簿をお調べ願いたいと思います。私はその後パージを受けておりまして党に出入もいたしませんし、それらの記憶等は全部喪失しております。二百五十万円につきましては先ほど委員長読み上げられました通り、大体七十万円と百八十万円とに区別して御報告を申し上げた。これも正確な記憶一つもないのでありまして、小さい金の累計でそれだけになつたのではなくて、大体七分三分という程度使つたのではないかという考え方からそのくらいの金額を申し上げたのであります。從つてこまかい数字を集めてそういうぐあいになつているのでは決してありません。その金の使途も、当時の民主党結成にはたくさんの人がおりまして、進歩党九十幾名の人が百四十五名の代議士の数をもつて民主党がスタートを切つたのでありまして、その間それだけの陣揃いをいたしますのに多少の機密費がかかつたことは御想像に任せるのでありますが、しかしこれも、私はその当時氣違いのようになつてやりましたので、今になつてそれをどこにどういうぐあいにという御追及を受けましても、受取等一つもございませんので、さつぱり記憶がございません。そのまま選挙に突入いたしまして、委員長である犬養氏が追放になり、閣僚諸公が遊説に出かけられて、私が單騎留守守つたのであります。その後犬養氏、楢橋氏、石黒氏その他の先輩追放になりましたので、私が独断で骨を折つたのであります。從つてそれらの金のうち、党の帳簿を通じて送金をいたしたものは記録がございますからわかりますが、一人の候補者をきめるについても、その候補者自体がおいでになることはないので、大体その後援者及び先輩各位がたくさん出入をする。またその候補者を決定いたしますについても、私自体がその縣の先輩を訪ねる等、一人の候補者をきめるのに五人も十人もの人に会つて、ようやく候補者を決定するというような事情で、選挙の情報を提供する人たち、それらの人のほとんどといつては申訳ありませんが、お名前記憶する程度の人ではありません。さような人にたくさんお会いした結果、ほとんど無計算にポケットから支出をいたしておつた、さようなわけで記憶がないと申し上げては、実に自分の恥を告白するようで恐縮でありますが、神明に誓つて私は記憶にないということを申し上げるのであります。当委員会におきましても、その当時の事情等を御了察願いまして、私のこの証言でお許しを願えれば結構だと思うのであります。
  13. 武藤運十郎

    武藤委員長 許す、許さぬというようなわけではないのでありまして、もう少し詳しく事実をお伺いしたいというところにあるのです。この政治資金の糾明の問題につきましては、ひとりあなただけではない、他の諸君からもお話を承り、かつその場合にはいずれも五十万円、百万円という金額については、もちろん詳細にその使途を伺つているわけです。ただいまお話を伺いますと、二百五十万円の問題につきましては小さい金の集積ではないというようなお説もあつたようでありますけれども、さればといつて一口に七十万円、もう一口百八十万円とお出しになつたのではないようでありますから、御記憶のある限りでどのくらいどういう方面へということを伺いたい次第なのです。もちろん人間ですから記憶のなくなることもありますけれども、全部喪失するということもないのじやないかと思われるのでありまして、御記憶のあるところを繰返しお願いするようですが、伺いたいと思います。
  14. 地崎宇三郎

    地崎証人 先ほどから申し上げておりますように、帳簿に記入すべきものはできるだけ帳簿に記入させたのでありまして、それ以外の金は初めから記帳をいたしたのでございませんし、しかも不正確な記憶をもつて言うことは、私自体偽証になるおそれがあると同時に、それを言われて出された人の名誉にも関することだから、証言するわけにまいりませんと申し上げるほかない。
  15. 武藤運十郎

    武藤委員長 諸君聽きの通りであります。何かお尋ねになることがありますか。
  16. 中野四郎

    中野(四)委員 地崎君にちよつと伺いたい。この前の証言証人はなかなか悟つた答弁で、鐘が鳴るか鐘木が鳴るか、そこのかね合いがわからぬということでしたが、いわゆるこの問題を解決する段階として、そのようなことではなかなかおさまらぬ、從つて個人であるか党であるかということを明確にしなければならぬと思う。これは飯田清太から個人としてもらわれたという見解であるのか、党としてもらわれたかとう場合に、あなたの答弁にあつたのだが、今申し上げたような個人であるというならば、これを証拠づける何か裏づけがなければならぬと思う。たとえば飯田君から金をもらう際に、個人だとか、いやこれは党だ、党とも個人ともわからぬのだというようなその線なら線に、裏づける何ものかがなくてはならぬ、これを証拠づける何かがあるかどうかということをひとつ聽いておきたいのと、もう一つは党の解散、当時あなたは党務部長をしておられたから、いわゆる進歩党解散民主党立党費用は、政党費用として届出る必要があるかというその可否について、いやしくも党務部長である限り御存じのはずである。してみれば、この解散立党費用政党費用と考えたか、あるいは何でもない金であると考えられたか、その線が明確にならなければならぬ。この二つをはつきりお答えを願いたい。有利不利という問題でなく、この事態を解決するにあらずんば、日本政令をつくつた意味がなくなる、西尾君の例もあるが、ポツダム宣言受諾に基く政令をつくつてみても、事実上今地崎君の言われる言葉西尾君の言うような言葉によつてすべてのものが運営されるとすれば、政令意味は全然蹂躪されるおそれがあります。私はあなたの疏明書からもよく窺い知ることもできるし、先日來の態度をみておつても、男一匹堂々としておる。言わぬと言つたら断じて言わぬ、この点も了解できる、私も地崎君に負けざる天の邪鬼というか、ひねくれた根性をもつておる、言わぬと言つたら断じて言わぬ方には地崎君と兄たり難く弟たり難しくらいに思つておる、しかしながらその信念はどこから出てくるかと言えば、いわゆる社会正義観に律せられて出てくるものであつて、その社会正義観なくして、しかも言わぬと言つたら言わぬということは、はなはだしき曲解、間違いであると考えておる。こういう見地に立たれて、將来の日本民主化という大事な問題と、世界の輿論にこたえなければならないというこの大事なときにあたつて、一個人のあなたの考え方が、あくまでも社会正義観から立脚して出られたものとすれば、私はまずこの政令というものの精神を活かす必要があると思う。私も少々の罰則は問題ではない。これにしてよりよき結果を見るならば、少しや、そつとの犠牲は、あなたも私も恐れるものではないということは同感だと思つております。こういう見地に立つて、今申し上げた個人としてもらわれてたか、党としてもらわれたか。もし個人であるか、党であるか、わからぬというならば、その間を裏づける何物か——個人として裏づける何物かないしは党として裏づける何物かがある。いわゆる証拠づけるものがなければならぬということが第一点。先ほど申し上げました第二点は、党解散立党費用政党費用として使われておるか、あるいはいかなる見解に立つて届出をしないでいいということになるか。この可否について、当時の党務部長としての地崎君の賢明なる御答弁を願いたいと思います。
  17. 地崎宇三郎

    地崎証人 ただいまの第一点の質問に対しまして、私は本日も檢察廳におきまして、党であるか、個人であるかという追究を受けたのであります。私がこの委員会で申し上げたように、政党献金というものは、党とも個人ともつかない性質の金があるのだという私の見解を、るる檢察廳でも申し上げておつたのであります。その裏づけ証拠があるかというお話でありますが、証拠というのにはあまりにも薄弱であるかもしれませんが、飯田清太氏が檢察廳提出し、この委員会において私にお示しになりました受取が、地崎宇三郎という個人名刺で、衆議院議員とも、党務部長とも、何ら肩書のない名刺を出しております。しかしそれだからといつて、私は地崎として勝手に使つていいとか私的にという考え方はもつておらない。証拠はその金の使い方についても、またもらつた内容についても、また五月の選挙対策委員会の後刻の報告会におきまして、党の領袖によく事情を話してあります。さようなわけでありますから、そのような金が私一人とか、そういう見解はもつておりません。しかし党ともつかず、個人ともつかない金は政党のある限りあるものだという考え方を私はもつております。  それから第二の民主党結成進歩党解散に関する費用として使つたのは党費ではないか。從つてお前は政治家としてそのくらいのことはわからぬかというお話のようでありますが、それは御説の通りであります。私は民主党結成に正式に使いました。京橋公会堂借入費及びその当時のポスター費、それらの諸費用、その晩の披露、それは当然民主党費用として、正式の党の帳簿から出しております。ただ機密費と申しまして、多少飲み食いという言葉は変ですが、さようなものに使つたものは出すべきではないということから、私は記載しなかつたのであります。
  18. 中野四郎

    中野(四)委員 これでたいへん明白になつてきたと思う。たとえば公性の強いいわゆる献金軍用金であるということがまず第一にはつきりしてきたと思います。從つて先ほど申し上げた政令立法趣旨が十二分に御理解願えれば、この金というものはかなりデリケートな線からだんだんと明白な線に載つてきたのであります。從つて委員会の判定もつきやすい結論になつてきたと私は思います。それから今おつしやつた党解散あるいは立党費用は大体政党費用だと言われますれば、御見解通り、私もそう思つております。從つて問題になつてくるのは、あなたの一、二の友人から私の金として百五十万なり、二百万なりを包含したものを御利用になつたということを先日言つておる。本日の委員会においてその一、二の友人名前を言えというが、あなたが言わないといえばそれまでです。それからいわゆる疏明書の中には幽明界を異にして今さら地獄、極樂で聽くわけにいかぬという名文も書いてある。あるいはその通りであるかもしれない。しかしながら私の考えるところによれば、そういう場合溷濁した金の使途というものについては、結局あなたの今まで使われた費用と、入手した金の額面を総て相殺して、これがはたして公けのものに使われたか。あるいはこの政令違反行為であるかというような面に私は逢着すると思うのであります。そこでいま一点地崎君に伺つておきたいことは、私がたとえば先日この問題について、一松國務大臣あるいは幣原喜重郎氏ないしは田中萬逸君、芦田均君、もう一人は齋藤隆夫君、この五君の方に実は大体党務報告を兼ねて了解を得たということを言つておられます。先日は委員会が大分混乱しておつてお互いにすつきりした氣持で話し合うことができなかつたのでありますが、当時の田中萬逸君は五月二十日かに副議長なつたものであつて、副議長は当時は井上知治君ではなかつたかと思うのであります。そういう観点に立つと田中君が副議長室でこの線に沿うて了解を得られたというのは少し解せない点がありますが、あなたに非常な錯覚があつたのではないかと思う。ないしは錯覚がないとすれば、その間の事情を明確にして、このことに使われた費用に対する報告をこの五人の党の最高幹部了解を得たかどうかという点を明らかにしておきたい。私の話はこれで終りますが、お互いに話を重複させないで、卒直に話をしたいと思います。
  19. 地崎宇三郎

    地崎証人 選挙対策のあとの報告会は副議長室でやつたことに違いありませんが、田中さんが副議長にならぬ前であること。それからその席上で百五十万円土建からもらつたということは私は念を押して報告をしております。使い方も私の独断ではありますが、かようかくかくに使いました。そうして私は自分名前で百万円臨時名義にしておきましたということも報告しておきました。
  20. 中野四郎

    中野(四)委員 了承いたしました。
  21. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。     —————————————
  22. 武藤運十郎

    武藤委員長 花房敏雄さんですか。
  23. 花房敏雄

    花房証人 はい。
  24. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたと大野伴睦さんとの関係はどうですか。
  25. 花房敏雄

    花房証人 関係と言いましたら友人関係であります。
  26. 武藤運十郎

    武藤委員長 どのくらい長いつきあいをしておりますか。
  27. 花房敏雄

    花房証人 昭和六、七年と思いますから、かれこれ十七、八年になりますか。
  28. 武藤運十郎

  29. 花房敏雄

    花房証人 私は政治には全然関係をもつておりませんから、政治関係でございません。
  30. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういうおつきあいですか。
  31. 花房敏雄

    花房証人 昭和六年か七年頃、たしか岡田さんの紹介で、知つたと思いますが、以來私も酒が好きですし、あの人も酒が好きですから、互いによく飲合いしたという程度つきあいであります。別に仕事のことには全然関係をもつておりません。ただ親しくしておりました。
  32. 武藤運十郎

    武藤委員長 事業や政治のことには関係ないけれども、普通の飲み友達というようなわけですか。
  33. 花房敏雄

    花房証人 さようでございます。
  34. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは日本繊維貿易株式会社の社長をしておるのですか。
  35. 花房敏雄

    花房証人 さようでございます。
  36. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはよほど大きい事業ですか。
  37. 花房敏雄

    花房証人 大きいと言えば大きうございます。大体が商工省の指定取扱人でございますから、金額は相当の取扱いになります。
  38. 武藤運十郎

    武藤委員長 大野伴睦さんにときどき政治資金と言いますか、そういうようなものを寄附したり、あるいは用立てたりなさつたことがあるのですか。
  39. 花房敏雄

    花房証人 別に政治資金として御用立てたことはございません。あの人は貧乏しておるから、たまに小遺がなくなつたと言つて見えましたが……
  40. 武藤運十郎

    武藤委員長 政治資金ということではないけれども、小遺がなくなつたからというような話があつて、あなたからそのときどきに出してあげたことはあるのですか。
  41. 花房敏雄

    花房証人 五千円とか一万円、金高は忘れましたが、まとまつた金は二回あつたことを記憶しております。
  42. 武藤運十郎

    武藤委員長 五千円とか、一万円とかいう小口もときどきあるのですか。
  43. 花房敏雄

    花房証人 小口というのもおかしいが、たまに私のところへ見えまして、それもたびたびというのじやございません。一回か二回かあつたことを記憶しております。
  44. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは別に貸したわけじやないですか。
  45. 花房敏雄

    花房証人 はい貸したといえば……ちよつと貸さんかという話ですが、くれとはおつしやいません。貸せということです。
  46. 武藤運十郎

    武藤委員長 まああなたの方でも強いて返してもらおうとも思わないわけですね。
  47. 花房敏雄

    花房証人 貸せというのですから返すときには返すと思いますから、たいして当てにならぬとは思つておりますけれども、くれということはありませんです。
  48. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつも貸してくれで……。
  49. 花房敏雄

    花房証人 いつもというほどはありませんですね。かれこれ二回くらいありましたか……。
  50. 武藤運十郎

    武藤委員長 それは五千円と一万円……。
  51. 花房敏雄

    花房証人 それははつきり記憶しませんが、たしか五千円が一ぺんあつたように思いますが、あとは一万円だつたか、大分これは古いことであります最近ではない。それは七、八年も前の話であります。
  52. 武藤運十郎

    武藤委員長 最近大口二口というのはいくらといくらですか。
  53. 花房敏雄

    花房証人 それは地所を買うときに貸せと言われて、一昨年の十二月中旬過ぎと思います。そのときには二十万円で地所を買う。追立てくつて困るから家を建てようと思うが貸せぬかという話でありました。そのときになつたら権利書を持つてくるがというような話でありましたが、それつきりそれはいただいておりません。
  54. 武藤運十郎

    武藤委員長 地所を買うのは郷里に……。
  55. 花房敏雄

    花房証人 いいえ、品川のこつちの五反田ですか、そのときは二十万円でした。
  56. 武藤運十郎

    武藤委員長 貸したわけですね。
  57. 花房敏雄

    花房証人 そうです。
  58. 武藤運十郎

    武藤委員長 借用証書を入れましたか。
  59. 花房敏雄

    花房証人 入れるという話でありましたが、そんなものはいいと言つてもらつておりません。
  60. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは利息とか、返済期とか、担保とかいうものは……。
  61. 花房敏雄

    花房証人 それはその地所を買つたら担保にするという話がありました。私も他に担保をもらわぬでも、金ができたら返してくれということで、証書も何もとつておりません。
  62. 武藤運十郎

    武藤委員長 利息は。
  63. 花房敏雄

    花房証人 利息も別に定めておりません。
  64. 武藤運十郎

    武藤委員長 返済方法は。
  65. 花房敏雄

    花房証人 返済はべつに……そのときには地所を買うからということでありましたから、いつ返すということもお互い話し合わなかつたように記憶しております。
  66. 武藤運十郎

    武藤委員長 返せば返してもいいし、返さなければ返さんでもいいという氣持で出されたのですね。
  67. 花房敏雄

    花房証人 私もそう考えております。ただいまの氣持はそうであります。
  68. 武藤運十郎

    武藤委員長 從つて特に催促もなさらないのですか。
  69. 花房敏雄

    花房証人 催促したことはありません。
  70. 武藤運十郎

    武藤委員長 先方から言訳みたいなことを言いませんか。
  71. 花房敏雄

    花房証人 たまに会つたときには、済まんなという話はお互い人間同志ですからすると思うが、それは当座でありまして、このごろは全然そういう話も出ません。
  72. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か政治方面にお使いになるような話はなかつたですか。
  73. 花房敏雄

    花房証人 私は政治ということはあまりすきでありませんから、政治であれば出しません。
  74. 武藤運十郎

    武藤委員長 それからもう一口ありますか。
  75. 花房敏雄

    花房証人 はい、それはその翌年二月の末だつたと思いますが、これも買つた地所、それを見返りにするから金を貸せという話でありました。そのときにはやはりそんな書類は要りませんからといつて、たしか十五万円と思います。御用立ていたしました。
  76. 武藤運十郎

    武藤委員長 これも先ほどお話のような趣旨の金ですか。
  77. 花房敏雄

    花房証人 はい。それは何か小遺に困るからということで、前の地所を買つた権利書を担保にするから、ということでございました。これはすぐ返すというような話でありましたが、今だに返しておりません。
  78. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは大分選挙に近いときの金ですけれども、やはり選挙というわけではなかつたのですか。
  79. 花房敏雄

    花房証人 選挙ということはありません。その金を融通しましたのは二月であります。
  80. 武藤運十郎

    武藤委員長 大野さんが民自党の幹事長をしておられて、政治家であることは御存じですね。
  81. 花房敏雄

    花房証人 はい。知つております。
  82. 武藤運十郎

    武藤委員長 この金はさきの二十万円と同じように特に返せばよし、返さなければ返さぬでもいいというような趣旨でございますか。
  83. 花房敏雄

    花房証人 その氣持でおります。
  84. 武藤運十郎

    武藤委員長 大野さんが田舎に家を建てられたというような話を聞きませんか。
  85. 花房敏雄

    花房証人 五反田に家を建てるということは、多分地所を買われまして……、田舎に家を建てるということは聽きません。
  86. 武藤運十郎

    武藤委員長 他にお尋ねの方はございませんか——では済みました。御苦労さんでした。     —————————————
  87. 武藤運十郎

    武藤委員長 三井久次郎さん、お待たせいたしました。まずあなたと大野伴睦さんとのおつきあい関係についてお話を伺いたいと思います。
  88. 三井久次郎

    ○三井証人 三十年ほどになるのではないかと思つて、ゆうべ汽車の中で考えてくると、その以前からお心安くなつた次第であります。
  89. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう関係ですか。
  90. 三井久次郎

    ○三井証人 それは第一回に立候補なさつたときでありまして、あの方は男の中の男、義侠に富んだというような氣慨を見まして、ちようど自分と適合しておりますので、そのときから相ともに手をつないで今日までやつてきたのであります。
  91. 武藤運十郎

    武藤委員長 同じ郷里なんですか。
  92. 三井久次郎

    ○三井証人 そうであります。ほんの二里ばかり距てております。
  93. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういう関係で懇意になつたのですか。それからずつとつき合つているのでありますか。
  94. 三井久次郎

    ○三井証人 そうでございます。
  95. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのつきあつているというのは何か政治関係でつきあつているのですか。
  96. 三井久次郎

    ○三井証人 政治関係やら、ほかのことは別段何もありません。あの人の演説がおもしろかつたというようなことが若いときでありますから動機だと思います。政治上のことといつても衆議院とか、そういう方面のことは私にはわかりません。
  97. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは事業の方をやつておられて大野さんは政治の方で……。あなたが大野さんにほれて援助しているという形ですか。
  98. 三井久次郎

    ○三井証人 そうであります。
  99. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは土建事業をやつておられるのですか。
  100. 三井久次郎

    ○三井証人 そうであります。
  101. 武藤運十郎

    武藤委員長 ずつと前からですか。
  102. 三井久次郎

    ○三井証人 親讓りであります。
  103. 武藤運十郎

    武藤委員長 大野さんにときどきお金を用立てたことはありましたか。
  104. 三井久次郎

    ○三井証人 ありました。
  105. 武藤運十郎

    武藤委員長 どの程度に、どのくらいですか。
  106. 三井久次郎

    ○三井証人 御案内の通りの方でありますから、おい一万円持つてこい、二万円借してくれんか。よしおれのところは今ないから明日までに賄つておくぞというような貸方で、ずつと前から貸しております。貸したやらやつたやら覚えがないような有様であります。
  107. 武藤運十郎

    武藤委員長 何回、どのくらいということは、長い間ですけれども……。
  108. 三井久次郎

    ○三井証人 ここ三、四年間までは十二、三万になつて、それからあとまたちよこちよこと貸しているので二十七、八万円から三十万円くらいだと記憶しております。
  109. 武藤運十郎

    武藤委員長 そんな程度ですね。それは貸したというわけですか。寄附したわけですか。
  110. 三井久次郎

    ○三井証人 私のおらぬときは家内からも借りていくので、まあ返してまいる時期があれば、また返すかなあと思つたり、どちらかわかりません。
  111. 武藤運十郎

    武藤委員長 大分長いのですからずつと古い分で返されたものもあるのですか。全然返したことはないのですか。
  112. 三井久次郎

    ○三井証人 こちらへまいりますと先生の処で泊めてもらつたり、また自動車を拝借したり、そういうような事柄で、幾分かこちらも支拂う分がありますので、それと棒引ではないかと思つております。
  113. 武藤運十郎

    武藤委員長 とにかく金として返してもらつたことはありませんか。
  114. 三井久次郎

    ○三井証人 ありません。
  115. 武藤運十郎

    武藤委員長 寄附したようなものですね。
  116. 三井久次郎

    ○三井証人 そういうようなものです。私は大政翼賛会の当時、あの人のために選挙違反で五十九日未決に縛られたのであります。まつたく私の言うことがまともに当りまして、正直なやつだと言つてお賞めに與つたような正直者でありまして、先生とはまつたく氣性が合うのか、私は今でもほれております。
  117. 武藤運十郎

    武藤委員長 その場合にはもちろん借用書もとらぬし、利息とか、返済期などもきめない。ただ出してあげたわけなんですか。
  118. 三井久次郎

    ○三井証人 そうです。
  119. 武藤運十郎

    武藤委員長 主として大野さんは何にお使いになつてつたのですか。
  120. 三井久次郎

    ○三井証人 料理屋の支拂が多かつたように思います。
  121. 武藤運十郎

    武藤委員長 選挙の場合にも多少会つたのですか。
  122. 三井久次郎

    ○三井証人 この一、二年前まではちよつともおいでになりません。選挙の当時、自分も縣会議員に立候補いたしましたときにも一回くらい應援に來てくれればいいと思つておりましたが、一向顔を見せてくれないし、この二年ばかり一回も会つておりませんが、去年の十二月、私が大藏省に用事がありましてまいつたときに一度お日にかかつたくらいで、会つておりません。
  123. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうするとあなたは出し放しというわけでございますか。
  124. 三井久次郎

    ○三井証人 そうであります。
  125. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か事業の関係で大野さんの御厄介になるというか、御盡力を煩わすというようなことで、埋め合せをしておるということはないのですか。
  126. 三井久次郎

    ○三井証人 そういうことはありません。ただ大きく言えば、岐阜縣のためにどうぞして大臣になつてもらいたいというようなことを、このごろでは思つておるだけであります。工事上のことは関係ありません。私は現在も進駐軍関係の工事を施行中でありまして、そういう方面には相談も頼んだこともありません。
  127. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねになることはありませんか。
  128. 中野四郎

    中野(四)委員 ちよつと一点明確にしておきたいのですが、あなたは最初に大野君にお金を貸したのだと言つておられますね。
  129. 三井久次郎

    ○三井証人 貸したか貸さぬか、今のところは……。
  130. 中野四郎

    中野(四)委員 そこのところを聽いておくのですが、これは大切な問題になると思います。いずれは返してくれるのか、返さぬのか知れぬが、とにかく貸したのだという前提はわかるけれども、委員長が、寄附したようなものですかねと言われたときに、はあそうですと言つておられますが、ここのところを明確にしておかないと、後日事が起りやすいと思う。すなわちあなたが貸したと言うならば、いずれ返すということが前提で、ただ返してくれる時期は約束しておらぬとすれば、いつくれるのだかわからない。あるいは死んでしまえばくれないかもしれない。これは友人としてよくある手です。そういう線ならそれでいいのです。ところが委員長が寄附したようなものですねと言つたとき、はあそうですと言われた。こういう莫大なる寄附をしたとすれば、何かそこに裏づけがあるのじやないか。あなたは大野君に頼まぬと言つておるが、私らが客観的に見る場合に少し友人としては深入りしておりはしないか、こういう感じがあるので、あなたが今委員長が言われたように寄附したようなものだという前提に立つておるのか。いやそうでない、貸した。いずれは返してくれるか返してくれぬかわからぬが、とにかく貸したと言われるのか。この二点のはつきりした限界点を承わつておきたい。
  131. 三井久次郎

    ○三井証人 初めは私も金は返してくれるだろうというつもりでありましたが、現在は返していただけるものならそれは返してもらつた方がよいと思いますが、寄附とかなんとかいうことは、先生に向つて失敬にあたりますから、しかしもらわぬつもりで貸したと言つてもよいじやないですか。
  132. 中野四郎

    中野(四)委員 それはあなたのすきな通りに言えばよい。
  133. 三井久次郎

    ○三井証人 どうも私はまつたく正直者でありまして、もらわぬつもりだから……
  134. 中野四郎

    中野(四)委員 あなたは正直でたいへんよろしいのですが、正直なるがゆえに後日文書の上で間違いがないようにしておくことが大切だと思うのであります。これは、あなたと私とここで話合うこと、委員長から質問されてあなたがここで答えること、ことごとく速記をとつております。この委員会の目的は、大野君を罪に落そうとか、西尾君を引つかけようというのが目的じやないのです。少くとも日本民主化を促進して、政党の正しい行き方を求めたいというのがわれわれの目的です。そういう見地から、貸したのか、いや寄附したのかという点がはつきりしませんと、貸したのならばいずれ返してくれと言える。ところが寄附したようなものかと言うと、ああそうですとあなたが言う。そこに將來疑問を醸しやすいから、あなたが寄附したような氣持ならば寄附したでいいし、貸したものなら貸したという明確な線をつくつておくことが必要だ、私はこう考えたから聽いただけで、私はあなたの答えは強要いたしませんからすきなように答えてください。
  135. 三井久次郎

    ○三井証人 まあもらえるものならもらい、くれなければ寄附ということにしておきます。もらえればいただいてもよいが、もらおうと言つて、請求していただくこともいたしません。
  136. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにございませんか。——では済みました。御苦労さまでした。  明日午後一時より理事会を開きます。本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十五分散会