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1948-06-25 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十五日(金曜日)     午後四時三十七分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君    理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君    理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君    理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君    理事 中野 四郎君       石田 博英君    尾崎 末吉君       高橋 英吉君    平澤 長吉君       明禮輝三郎君    渡邊 良夫君       足立 梅市君    佐竹 新市君       山中日露史君    橋本 金一君       野本 品吉君    本田 英作君       宇都宮則綱君    徳田 球一君  委員外出席者         栗栖大藏大臣         に対する大藏省         職員組合排斥         問題について出         頭した証人   青宿 武雄君         吉田茂君の所得         に関する問題に         ついて出頭した         証人      沼田 敏雄君 六月二十五日委員安田幹太君辞任につき、その補 欠として宇都宮則綱君が議長の指名で委員に選任 された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  栗栖大藏大臣に対する大藏省職員組合排斥  問題に関する件  吉田茂君の所得に関する問題     —————————————
  2. 武藤運十郎

    武藤委員長 これより会議を開きます。  本日出頭を求めました梅林襄君から電報及び書面をもつて本日出頭いたしかねる旨の届出がございます。次回喚出し期日は追つて定めたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではさよう決定いたします。  それでは証人に一應伺います、本日お見えの証人青宿武雄さん、沼田俊雄さんの御両名ですね。青宿さんにつきましては前大藏大臣栗栖氏の在任当時における栗栖藏相職員組合との関係を主として、都合によれば大藏省内における人事、あるいはもしあるとすれば派閥関係というようなものをも伺いたいと思います。沼田俊雄氏につきましては、民主自由党総裁吉田茂君の所得資産関係につきましておわかりになる限りを伺うことになると思います。右の事項につきまして証言を求めるのでありますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げておきます。  昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて、默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております、右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立の上お手もとに差上げておる宣誓書を朗読の上署名捺印願います。     〔証人青宿武雄君各証人を代表して宣誓〕     〔各証人宣誓書署名捺印
  4. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは青宿さんから先に伺いますから沼田さんはもうしばらくお待ちください。  青宿さんは今大藏省にお勤めになつておりますか。
  5. 青宿武雄

    青宿證人 そうです。
  6. 武藤運十郎

    武藤委員長 現職はどういう仕事ですか。
  7. 青宿武雄

  8. 武藤運十郎

    武藤委員長 今は職員組合長をしておるわけではないですか。
  9. 青宿武雄

    青宿證人 一箇月ほど前にやめました。
  10. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつからいつまで大藏省職員組合長をしておられましたか。
  11. 青宿武雄

    青宿證人 二十二年五月七日から二十三年五月九日まで満一箇年であります。
  12. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが職員組合長をしておられる期間における大藏大臣栗栖さんのときから今の大藏大臣までですね。
  13. 青宿武雄

    青宿證人 その前に矢野庄太郎大臣が僅かの間ございました。
  14. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年の暮かと思うのですが、何か大藏省職員組合栗栖藏相との間で栗栖藏相排斥のような問題が起つたことがありますか。
  15. 青宿武雄

    青宿證人 ございます。
  16. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはいつどういう理由で起つてどういうぐあいで納まつたか、その顛末をお話し願いたい。
  17. 青宿武雄

    青宿證人 理由は、直接的には片山内閣瓦解の原因となりました例の〇・八箇月問題、あれが日にちは忘れましたが、何月何日に支拂いますという確約をいたしておきながら実行しない。この公約違反に対するいわゆる背信行為と申しますか、それが一つ。第二が國鉄あるいは全逓等他の官公廳には相当支拂つておるにもかかわらず、わが大藏省には支拂をせぬ。このようなことは給與の統一をはかるべき國庫大臣がその責任十分盡さない。その点まつたく無能である。このような二つの点、これが非常にわれわれに対する被害も與え、かつ大臣としてとうていこれ以上仰ぐことはできないということで、職員職場大会決議されまして、これを当時の栗栖大臣に手交いたしたわけであります。さらに同様の趣旨に基いて全大藏といたしまして、全大藏と申しますと、傘下組合、全財、税関あるいは大藏三現廳というような約十万の組合員があるのでありますが、全大藏代表者会議におきまして、同様の決議がなされまして、これは要請書というような形式で組閣本部芦田さんのところへ持つてまいつたわけであります。芦田さんがおりませんので、組閣参謀の竹田さんのところへ十分その趣旨を申し上げて帰つた。このような状態であります。結果は、はたしてわれわれの運動が効を奏したかどうかはわかりませんが、そのようになつたようであります。
  18. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときに何かポスターのようなものを貼つたり、あるいはガリ版刷つて書面を配つたりなさつたという話ですが、そのうちにいろいろ具体的な栗栖氏の間違つた行為を並べておつたというようなことはないのですか。
  19. 青宿武雄

    青宿證人 当時の決議文なりあるいは要請書といつたものは相当ガリ版刷つて組合員に配布したように覚えておりますが、具体的にどうというようなことは現在記憶ございません。
  20. 武藤運十郎

    武藤委員長 ここに速記録がございませんから文字通りには申し上げられませんが、栗栖藏相情実によつて不当な融資の協力をしたとか、あるいは税金の滯納について手心を加えたとか、そういう問題についてあなたの方で具体的に何か書いたものを配つたり、ポスターを貼つたりしたようなことはないのですか。なぜこういうことを私があなたに伺うかというと、今年の三月号の中央公論に「政治と金」という題目のもとに、九鬼千丸という人が一つの文章を書いているのですが、そのうちにただいま私が申し上げましたような栗栖藏相に関することが大分具体的に書いてある。どこからこういう記事の材料を得たかという質問をしますと、当時大藏省職員組合で爭議をしておつて栗栖藏相排斥運動をしておつた。その際にポスターや、刷つた紙などで見たような記憶があるという趣旨のことを言つた。そこであなたに聽くのですが、そういうことはないのですか。
  21. 青宿武雄

    青宿證人 ただいま御質問のような具体的な問題は記憶がないのであります。ただ当時の要請書にもございますように、先ほど直接的にはと自分は申し上げたのでありますが、その他終戰処理費支拂復金融資の問題、そういつた問題で相当放漫なる財政支出をなしております。それによつてインフレを助長しまして、一方われわれの生活補給金については関せずで、あるいは運賃値上などの大衆課税という方面で賄わんとしている、これは要するに栗栖さんの資本家的財政政策であつて、われわれ組合としては非常に不満であるというようなことが文書になつているはずであります。
  22. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは省内におつて大体よくわかつていると思いますが、終戰後はどちらかと言えば一般官僚はやや凋落の形であるかと思うのですが、大藏官僚というのは金融緊急措置令その他いろいろな金融方面に対する措置、それからただいまお話復金の設置、終戰処理費、なかんずく土木費等についての実権を握つているので、金融業者土建業者とも密接な関係があるわけであつて、その方面に対する圧力と言いますか、支配力と言いますか、そういうものは相当拡大されているという説をなすものがあるのですが、そういう傾向になつているのですか。
  23. 青宿武雄

    青宿證人 その点は非常に抽象的でありますけれども、そういう事実は決して否めないだろうと思います。
  24. 武藤運十郎

    武藤委員長 今あなたのお話復金金融、あるいは終戰処理費支出などで放漫な財政政策をとつておりながらわれわれの方は構わぬというようなことはどの会社にどういう放漫な貸出をしたとか、どの土建業者にどういう支拂をしたとか、査定をしたとかいうような具体的な話ではなく、一般的な方針がそういうことは不都合である。そういう趣旨ですか。
  25. 青宿武雄

    青宿證人 そうです。
  26. 武藤運十郎

    武藤委員長 では具体的には知らないわけですね。
  27. 青宿武雄

    青宿證人 ただ当時われわれとしても相当そういう方面、これは大藏省官紀粛正官廳民主化という点から徹底的に洗い立てておきたいという意欲はあつたのでありますけれども、遺憾ながらうわさ程度しかつかめなかつた。そのうわさも具体的にはつきりしたものはつかめなかつた。最近もこの委員会で問題になつたように昭和電工の問題、復金融資に関するうわさは、組合の間に相当流布されておつたわけであります。  さらに終戰処理費の問題ですが、これはまた土建業者との関係はもちろんあるだろうと思うのですが、そういう具体的な事実をつかみ得なかつた。ただこういうことは申し上げることができるかと思う。というのは事務的な方面はその方の担当ではないのでよくわからないのですが、現在何万という工事件数がある。その工事件数に対して実際の檢査をする件数はきわめて少い。檢査をしてみると相当の削除ができる。このパーセンテージは事務的に今わかりませんが、相当削減ができる。從つて現在大藏省管理局がやつておるのですが、この職員は、危險手当もなくて、非常に熱心にかつ相当の危險を冐して相当檢査をしておりますけれども、力及ばずという点であります。これをほんとうに政府がやる氣があるならば、人員を拡充し、そういう方面機構を拡充強化いたしまして、全部にわたつて檢査をすることになつたならば、相当の財源が浮くのじやなかろうか。そういうことは一般的にわれわれとしても言えると思うのです。終戰処理費支拂に対しての放漫なる支出というのは大体以上のようなことであります。
  28. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはうわさであるかも知れないが、前の大藏次官池田氏でありまして、いわゆる池田人事というわけで、大藏省首悩部が固められておつたということがあるのですか。
  29. 青宿武雄

    青宿證人 そういううわさは聽いております。
  30. 武藤運十郎

    武藤委員長 たとえば前尾主税局長國税第一課長をしておつて池田氏との特別な関係から非常な拔擢つたというようなことを聞いておりますか。
  31. 青宿武雄

    青宿證人 それは池田さんがもともと税金の畑で、そのいう点からおそらくよく人を知つておるという意味ではなかろうかと思つておりますが、特に拔擢という点はどういうところにあるか、ただ池田閥というようなうわさ相当つたわけであります。
  32. 武藤運十郎

    武藤委員長 その後前尾氏が大阪造幣局長に左遷されたというようなことで、多少ここの委員会で問題になつたのですが、それは栗栖氏の意図に基くものではないかというような疑いがもたれている。池田栗栖前尾関係をあなたは知つてつたら言つてもらいたい。
  33. 青宿武雄

    青宿證人 遺憾ながら栗栖さんとの関係は聞いておりません。
  34. 武藤運十郎

    武藤委員長 六月十五日附の「日本」という新聞を見ますと「池田次官税務畑の古い官僚で、典型的な親分肌の男、いわゆるボス型である、彼が主税局長から次官に就任したとき弟分の前尾國税第一課長主税局長に昇格させた、この人事前尾氏の年齡、経歴、池田氏との関係からいえば無理のない話だが、その力量を知る者にはやや意外の感を與えたものである、」こういうふうな批評みたいなものを出しております。そうすると前尾氏が大阪造幣局長に行かれたのも、あるいはその方が適任であるということで行つたのかもしれないし、あるいはまた栗栖さんとの特別な関係行つたのかもしれないということの眞相をつかみたいのですが、わかりませんか。
  35. 青宿武雄

    青宿證人 特に轉任の問題は徴税の問題だろうと思います。從つて私どもの聞いておる範囲では、栗栖さんの方で、あるいは造幣局長が適任という点はどうかと思います。
  36. 武藤運十郎

    武藤委員長 どうかとはどういう意味ですか。
  37. 青宿武雄

    青宿證人 その点は要するに主税局長より造幣局長の方が適任ということではなかろうかと思います。主税局長としては、要するに徴税危機が唱えられており、千三百億の税金をとらなくちやいけないというようなときに、人事変更が必要だつたのではなかろうかと思います。
  38. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから管理局長長沼氏がこの委員会に出て、ある証言をしておるのですが、やはりこの新聞によると、「もう一人の困つた存在管理局長長沼弘毅氏である、昭和四年組の変り種で、終戰処理費を所管し、舞台裏の祕密を握るウス氣味の惡い存在だが、大藏官僚の本流をはずれているためか、これ以上出世の見込は殆どない、省内派閥爭いなど何処吹く風と軽くあしらつて云々」といつておる。この人は省内において栗栖氏なり池田氏とどういう関係ですか、どんな程度ですか。
  39. 青宿武雄

    青宿證人 その関係についてはわかりませんが、おそらく派が合わないという点があるのじやなかろうかと思います。
  40. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か諸君お尋ねになることがありましたらどうぞ。
  41. 高橋英吉

    高橋(英)委員 前尾局長轉任は別のような説があるのですが、竹中組帶納税金の差押えをしたということに端を発して、その責任をとられたといい、栗栖さんの逆鱗にふれて左遷されたという説がありますが、そういうふうなことを省内でお聞きになつたことがありますか。
  42. 青宿武雄

    青宿證人 われわれの関知する情報では、かようなことは聞いておりません。ただ要するに税金をとるためにはやはり椅子の変更が必要であつた。それだけであります。
  43. 高橋英吉

    高橋(英)委員 ちよつと栗栖さんに対する中傷と言いますか、非難する投書なんかがたくさん組合の方へ來たような事実はありませんか。栗栖さんが権力を濫用するとか、情実によつて土建業者に特別の融通をするとか、融資関係について大藏大臣の地位を悪用するとか、そういうふうなことについて、いわゆる醜聞ですね、栗栖氏をめぐる醜聞について投書などがたくさんあつたような事実はありませんか。
  44. 青宿武雄

    青宿證人 別にそういうものはございませんでした。
  45. 高橋英吉

    高橋(英)委員 投書をごらんになつたことはございませんか。
  46. 青宿武雄

    青宿證人 別にそういうことは…。
  47. 高橋英吉

    高橋(英)委員 大分組合に保存されているということはありませんか。
  48. 青宿武雄

    青宿證人 栗栖さんに関して、相当投書箱もあるのですが、別にそういうふうなことはございません。
  49. 小松勇次

    小松委員 ただいま証人栗栖大藏大臣終戰処理費支出に対して放漫であつたというお話でありましたが、この処理費支出に対して放漫であつたということを、ただうわさ話に聞いたというだけでなくして、事実こういう点が放漫であつたということを、はつきりと知り得ている点をいま一度お話を願いたいと思います。
  50. 青宿武雄

    青宿證人 その点は先ほど申し上げたごとく、われわれとしてはつきりしたものをつかみ得なかつたという状況であります。
  51. 小松勇次

    小松委員 なおお尋ねいたしまするが、この終戰処理費支出方法は、どういう径路をもつて支出いたしておるのですか。
  52. 青宿武雄

    青宿證人 その点も先ほど申し上げた程度で、担当係ではございませんのではつきりしたことはわからないのですが、ただ地方の縣知事なり、土建業者最初契約がされて、それが復興院——現在は建設院、かようなものを通じて最後には大藏省に來る。それでよろしいということになつて工事を始めてまあその金額にもよるそうでありますが、大体三箇月ならば三箇月、三箇月以内に精算を出さない場合にはそのままになつてしまう。精算が出て三箇月間に檢査をする。大藏省から官吏が行つて檢査をする。それができない場合にはそのまま済まされてしまう。金はもちろん大藏省から出るのではないかと思うのですが、そういう場合に徹底的に檢査をすることができ得ないような現在の状況になつておる。それを全部にわたつて檢査をなし得たならば、相当削減できるのじやないか、このような点を見ております。
  53. 小松勇次

    小松委員 なおお尋ねいたしますが、この檢査に放漫な出支とあなたがおつしやることは、どういう意味から仰せられるのかしれないが、この工事契約は縣を通じて契約をなさるでありましよう。そうして私の知り得ている範囲ではできたものに対してはこれを縣が檢査をし、また当時の復興院がこれを檢査し、現在においては大藏省においても檢査をいたしております。さような機関を通じて十分に出來高を檢査いたして、そうして精算ができたものに対して支出しておるのであつて、どこに放漫な支出があるのかということに私は疑いをもつのであります。この点いかがでございますか。
  54. 青宿武雄

    青宿證人 おそらく手続としてはそうだろうと思いますが、やはり檢査といつて書類檢査もありましようし、実態檢査は徹底的に現在の機構ではやれないのです。それを徹底的にやれば相当削減できるのではないかと思います。
  55. 小松勇次

    小松委員 現在実態檢査はしておらないのですか。
  56. 青宿武雄

    青宿證人 全部にわたつてはやり得ない状況になつております。
  57. 小松勇次

    小松委員 やつておるのでしよう。地方出先機関が全部やつておるのでしよう。全國にわたつて一つ残らずやつておるはずです。小さな工事に対してもやつております。そうして復興院査定大藏省査定とが非常な食違いを生じておつて、非常に業者が悩んでいるという事実も各地にある。事実全國にわたつて私はやつていると思う。さほどまでに嚴重に檢査手続をとつているものに対して、放漫なる支出方法というものはどこにあるのかと、私は疑いをもつのであります。
  58. 青宿武雄

    青宿證人 私の知る範囲では、あるいはあとで調べて間違いがあるかもしれませんが、今承知している限りでは、全部の檢査はなし得ない、ほんの一部分であると考えております。
  59. 小松勇次

    小松委員 それはよくお調べになつたらわかると思います。全部やつております。
  60. 青宿武雄

    青宿證人 やつておれば問題はないわけです。
  61. 徳田球一

    徳田委員 証人にお尋ね申し上げます。第一の点は、終戰処理費に対する監査をするのは大藏省のどこでありますか。
  62. 青宿武雄

    青宿證人 管理局です。
  63. 徳田球一

    徳田委員 その管理局監査はやはり地方出張所があつて、その出張所監査することになつているのですか。本省だけですか。それとも方々で財務局に出張所があつて、その出張所が終始監査をしておるということになつておりますか。
  64. 青宿武雄

    青宿證人 現在各地方出先機関があります。また檢査機関もあり、それから大藏省と大体三箇所で檢査するのではないかと思います。
  65. 徳田球一

    徳田委員 どこにその出張所がありますか。
  66. 青宿武雄

    青宿證人 その点は、詳細にわたつてはここで責任ある発言はできません。よくわかつていないのです。
  67. 徳田球一

    徳田委員 管理局で今監査をやつているのは、何課で何という人ですか。
  68. 青宿武雄

    青宿證人 それは管理局の各課がそれぞれの分野においてやつておると思いますが、その点も必要があるならば別の人にお願いいたしたいと思います。
  69. 徳田球一

    徳田委員 そうすると管理局全般ではやつておるわけですか。何かすべての課で……。
  70. 青宿武雄

    青宿證人 そうです。
  71. 徳田球一

    徳田委員 それでは復金融資に関しては、どこがこれを管理しておるのですか。
  72. 青宿武雄

    青宿證人 それは銀行局ではなかろうかと思います。
  73. 徳田球一

    徳田委員 あなた方は銀行局監査しているということを聞いておりますか。
  74. 青宿武雄

    青宿證人 それは当然監査しておるだろうと思います。
  75. 徳田球一

    徳田委員 事実はちつとも監査してないことを銀行局長がここで明言しました。
  76. 青宿武雄

    青宿證人 そうですか。それではそれが事実でしよう。
  77. 徳田球一

    徳田委員 そうでしようね。もつとものことだと思います。そこでお尋ね申し上げますが、大藏省職員組合に、闘爭期間中出したポスター並びに情報及びその他の闘爭日記、これらのものは今でも保存されておりましようか。
  78. 青宿武雄

    青宿證人 それは大体あると思います。
  79. 徳田球一

    徳田委員 そうすると現在の委員長もしくは副委員長を喚んでこの書類を提出させることは可能ですかどうですか。
  80. 青宿武雄

    青宿證人 この書類と申しますと、どの書類ですか。
  81. 徳田球一

    徳田委員 その当時の闘爭経過に関する書類を提出せしめることができましようか。
  82. 青宿武雄

    青宿證人 それはできると思います。
  83. 徳田球一

    徳田委員 それではよろしゆうございます。
  84. 橋本金一

    橋本委員 ちよつとお尋ねしますが、最初工事請負うときに、請負に対する見積仕樣書を出しますね。それによつて請負を命ずる、それから支拂い大藏省がする、この請負樣書による檢査は、地方出張所がやりまして、非常に嚴格であるが、あなたが放漫だと言われるのは、仕樣書にもたれて、大藏省がそれに相当するか否やの檢査をするのが放漫だと言われるのか、どちらですか。
  85. 青宿武雄

    青宿證人 今具体的な機構についてよく承知しておりませんけれども、先ほど私の申し上げたのは、その点先ほどの委員の方とはちよつと私の考え違つてつたと思います。実際にやり得ない、それを全部やつておるはずだということですけれども、現在の機構では全部にわたつて徹底的に現場調査はなし得ない、從つてそれを徹底的にやる得るならば相当削減ができるのではないか、そういう点を申し上げた。それをあえて当時の大臣が積極的にやろうとしないという点、これが放漫なりと、きわめて抽象的ですが、そういうことを申し上げたのです。
  86. 橋本金一

    橋本委員 私のお尋ねしておるのは仕樣書にもたれて——その工事に対しては大藏省所管と違うところの現在の建設院嚴密調査をして、それによつて支拂い大藏省がすべきであるが、建設院調査が疎漏であるかどうか、放漫であるかどうかということを、現場に出張して調査する余力がない、地方出張所調査が不当であるがために、これを十分に檢査をしたならばまだある程度削減することができるが、その人手がない。つまり現場調査支拂いに対する調査と、この二つ所管事務違つておるはずであります。どちらを指して仰せになつておるのか、これをお聽きしたいのであります。現場工事に対する、あるいは請負事業に対するものは地方出張所嚴密にやつており、その調査にもたれて大藏省支拂いの請求をすべきものであるが、その支拂いが大藏省として手が届かないために、地方出張所調査したものを放漫だと見るのか、それを一々大藏省から出張する人手がないために、組織が悪いために放漫とみなされるのか、この二つの限界をはつきりしてあなたのお考えを伺いたいと思う。
  87. 青宿武雄

    青宿證人 私としては後段の方だろうと思います。
  88. 橋本金一

    橋本委員 さよういたしますと、地方現場調査をいたします檢察廳の出張所がどういうようになつておるかということは、大藏省としては十分知ることができ得ない。同時にそれによつて事実の現場を、大藏省調査せずしてやるから、そこに放漫ではないかという一つの臆測と考えてよろしゆうございますか。またそういう機構に人を殖やし、その組織を改めたならば、万全を期していけるという一つの希望と考えてよろしうございますか。
  89. 青宿武雄

    青宿證人 両方だと思います。
  90. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかに質問ございませんか。
  91. 徳田球一

    徳田委員 ごめんどうですけれども、今大藏省職員組合であなた方が闘爭なさつてから現在までの幹部を勧めて、最も高い地位におられる人は何ですか。あなたは委員長を送られましたね。現在は副委員長も送つておられますか。
  92. 青宿武雄

    青宿證人 副委員長は前からずつと続けております。
  93. 徳田球一

    徳田委員 その方の名前は何とおつしやいますか。
  94. 青宿武雄

    青宿證人 私ずつと前からやつてつて、現在も副委員長の方です。それは二人ともそうなんですが……。
  95. 徳田球一

    徳田委員 二人とも聽きたいです。何人でもよい。五人でも……。
  96. 青宿武雄

    青宿證人 最もそのうち長いのは島川康助。
  97. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから徳田君、さつきの書類なんかを持つてきてもらいますか。
  98. 徳田球一

    徳田委員 これは理事会でよいでしよう。
  99. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。     —————————————
  100. 武藤運十郎

    武藤委員長 沼田俊雄さんですね。
  101. 沼田俊雄

    沼田證人 そうです。
  102. 武藤運十郎

    武藤委員長 杉並区役所の税務課長を勧めておられますか。
  103. 沼田俊雄

    沼田證人 そうです。
  104. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつからいつまでですか。
  105. 沼田俊雄

    沼田證人 昨年の九月六日から現在であります。
  106. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの管内に民主自由党総裁の吉田茂氏が住つておりますね。
  107. 沼田俊雄

    沼田證人 住つております。
  108. 武藤運十郎

    武藤委員長 都民税と区民税とかいうのは、あなたのところできめるのですか。
  109. 沼田俊雄

    沼田證人 区民税に関する限り区長の権限です。
  110. 武藤運十郎

    武藤委員長 昭和二十三年六月十八日衆議院予算委員会の公聽会において、風早という口述人が、区役所における責任ある調査によれば、民主自由党総裁吉田茂氏が所得なし、すなわち年收三万円以下で、都民税、区民税がわずかに百二十円になつているという旨の陳述をしているというのでありますが、あなたはこの吉田茂氏の資産、所得税金等について知つている限りを述べてください。
  111. 沼田俊雄

    沼田證人 吉田茂さんは住所は大磯でございます。大磯町の西大磯でありますか、はつきりしませんが、從つて所得に関する申告は御本人の住所である大磯の税務署に申告するのであります。從つて杉並区の一税務課長はそれに関する限りでないということになります。都民税、区民税に関しては御報告申し上げます。昨年の規定による調査によりまして、西田町一丁目——はつきりしませんが、近衛文隆の実地調査行つたのでございます。その際にやはり同じ家屋内に上野福松、吉田茂、これが一緒にいることを確かめましたので、とりあえず賃貸價格の課税に対する分は近衛文隆に一本で課税したのでございます。御案内の通り都民税は均等割に対する課税と家屋賃貸價格に対する課税と、所得に対する課税の三本建になつているのでございます。從いまして、前に申し上げましたように、家屋賃貸價格の分は近衛文隆一人に課税しました関係上、上野福松、吉田茂に対してはいわゆる均等割の分として百二十円をおのおの課税したのでございます。その後一月の十四日近衛文隆氏の妹さんが見えられまして、封鎖で受取つてくれんかという御相談があつたのであります。その席上で係員の者が、お宅に吉田さんがおりますねという話が出まして、どの程度にお宅の方をお使いになつているのですかというように話が進んで、その結果、部屋を八ツ使つていることが大体わかりましたので、それでは家屋賃貸價格に対する課税は当然分割して課税しなければならないじやないかということを係員が察知しましたので、四月二十五日に実地調査に参りました。その結果家屋賃貸價格に対する課税は近衛文隆氏のみで、当然分割するのが至当であるということを認定いたしましたので、続いていわゆる家屋賃貸價格に対する分といたしまして、五千四十円の追徴令書を発行いたしました。それはすでに收納になつておるということでございます。問題は所得税に対する課税がないという点だろうと思うのですが、前に申しました通り所得に関する限りは、大磯の税務署の方へ御申告になつておる。これは所得税法によつて住所地に申告することになつておりますから、当然杉並の方は所得に関する課税の対象がないのでございます。大体以上の経過でございます。
  112. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 さつき聽いた区民税はどうですか。区民税はないのですか。
  113. 沼田俊雄

    沼田證人 今金額の合計で申し上げましたが、都民税が四千四百二十円、区民税が七百四十円、合計五千六十円になります。
  114. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そうすると吉田氏に得所がないということは、あなたのところで認定されたことはありませんですね。一文も所得がないということは……。
  115. 沼田俊雄

    沼田證人 そういうことはありません。
  116. 足立梅市

    ○足立委員 百二十円というのは都民税ですか。
  117. 沼田俊雄

    沼田證人 都民税、区民税の合計でございます。
  118. 足立梅市

    ○足立委員 百二十円を課ける基礎は……。
  119. 沼田俊雄

    沼田證人 都税の方は都税條例、区民税の方は区民條例でやります。
  120. 足立梅市

    ○足立委員 それはたれでも百二十円ですか。
  121. 沼田俊雄

    沼田證人 東京都内に関する限り都民税の方はいわゆる均頭割の九十円ということになります。区民税の方は各区によつて違います。杉並区は三十円であります。
  122. 足立梅市

    ○足立委員 頭割ですか。
  123. 沼田俊雄

    沼田證人 そうです。
  124. 石田一松

    石田(一)委員 今の五千百六十円、あとから追徴されたものはもう納められてありますか。
  125. 沼田俊雄

    沼田證人 納められてあります。
  126. 中野四郎

    ○中野(四)委員 梶川君がお聽きになる点があれば別ですが、証人を求めた原因が吉田氏の所得が事実上少いということと、都民税あるいは区民税という点について風早君の陳述を根拠にされたものと思いますから、もし質問がなければ、証人を一旦お帰しになつて、しかる後にこの問題についてお話を進めたいと思いますから、どうかお諮りを願いたいと思います。
  127. 武藤運十郎

    武藤委員長 質問ございませんか——それでは済みました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十五分散会