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沼田證人
吉田茂さんは住所は大磯でございます。大磯町の西大磯でありますか、はつきりしませんが、
從つて所得に関する申告は御本人の住所である大磯の税務署に申告するのであります。
從つて杉並区の一税務
課長はそれに関する限りでないということになります。都民税、区民税に関しては御報告申し上げます。昨年の規定による
調査によりまして、西田町一丁目
——はつきりしませんが、近衛文隆の実地
調査を
行つたのでございます。その際にやはり同じ家屋内に上野福松、
吉田茂、これが一緒にいることを確かめましたので、とりあえず賃貸價格の課税に対する分は近衛文隆に一本で課税したのでございます。御案内の通り都民税は均等割に対する課税と家屋賃貸價格に対する課税と、
所得に対する課税の三本建にな
つているのでございます。從いまして、前に申し上げましたように、家屋賃貸價格の分は近衛文隆一人に課税しました
関係上、上野福松、
吉田茂に対してはいわゆる均等割の分として百二十円をおのおの課税したのでございます。その後一月の十四日近衛文隆氏の妹さんが見えられまして、封鎖で受取
つてくれんかという御相談があ
つたのであります。その席上で係員の者が、お宅に吉田さんがおりますねという話が出まして、どの
程度にお宅の方をお使いにな
つているのですかというように話が進んで、その結果、部屋を八ツ使
つていることが大体わかりましたので、それでは家屋賃貸價格に対する課税は当然分割して課税しなければならないじやないかということを係員が察知しましたので、四月二十五日に実地
調査に参りました。その結果家屋賃貸價格に対する課税は近衛文隆氏のみで、当然分割するのが至当であるということを認定いたしましたので、続いていわゆる家屋賃貸價格に対する分といたしまして、五千四十円の追徴令書を発行いたしました。それはすでに收納にな
つておるということでございます。問題は
所得税に対する課税がないという点だろうと思うのですが、前に申しました通り
所得に関する限りは、大磯の税務署の方へ御申告にな
つておる。これは
所得税法によ
つて住所地に申告することにな
つておりますから、当然杉並の方は
所得に関する課税の対象がないのでございます。大体以上の経過でございます。