○中野(四)委員 そこで
ちよつと当時の竹中藤右衞門氏の
証言を参考までに申し上げますと、
日本建設工業会の会長であ
つた竹中藤右衞門氏は
自由党の村上勇君、
民主党の逢澤寛君、あるいは
社会党の
深井斌君、これは
藤田榮氏の代理だと言うておりますが、これらの人々から頼まれまして、ぜひとも党に相当な援助をしてもらいたいという希望があ
つたというのです。その節竹中藤右衞門君の側近の者が、土建業界から
政党に援助することはやめたらいいという言葉を使
つたそうです。そのとき竹中藤右衞門君がこう
言つておられる。今回のことは一党に偏してやるのではなく
個人に偏してやるのでもない。
政党を援助することがどこが惡いか。そのようなことは外國にもある。やはり政治あるいは
政党に理解をも
つていることが必要ではないかとまで
言つて斡旋をせられたわけだ、こう言うておる。それから
飯田清太君はさらに次のことを
証言に言うておられる。つまり
委員長の
地崎にや
つたのではないかという質問に対して、
地崎から党へ届けてもらうという
趣旨でや
つたのであ
つて、決して
地崎個人にや
つたのではない。もう
一つは
地崎個人にお渡しにな
つたのではありませんねという質問に対して、もとより私は
地崎個人に金を渡すわけはないのでありますから、これはあくまでも竹中の意思を体して党に援助したものである、ういうことを明確にしておるのであります。あなたの今の御
証言とこの飯田、竹中両君の
証言とはたいへん食い違
つてくるようでありますが、この点は將來法律上の問題が起
つても、あなたは毫もそれに間違いはないとここで断言をされるのでありましようね。元來竹中あるいは飯田君の
証言を卒直に私の方で受入れれば、これは当然
党費であ
つて、ポツダム宣言の受諾に伴う政令三二八号によ
つて届出でなければならないものだということが明確になるものでありますが、あなたが
個人でもら
つたという場面になりますれば、これはおのずから別です。ところが先ほどあなたの
証言の中に非常におもしろい言葉がある。鐘が鳴るか、撞木が鳴るかという
お話があ
つた。どこともわからないというような不鮮明な
証言をされることは、將來大きな禍根を残しはせぬかという心配を私はするのです。
從つて個人であるとか、党であるとかいうことを、この際明確にする必要はないと思うが、いかがですか。