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1948-05-22 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十二日(土曜日)     午後三時一分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 鍛冶 良作君 理事 辻  寛一君    理事 梶川 靜雄君 理事 河井 榮藏君    理事 荊木 一久君 理事 小松 勇次君    理事 石田 一松君       石田 博英君    尾崎 末吉君       高橋 英吉君    平澤 長吉君       古島 義英君    明禮輝三郎君       足立 梅市君    佐竹 新市君       山中日露史君    宇都宮則綱君       大森 玉木君    矢野 政男君       野本 品吉君    田中 健吉君       本田 英作君    徳田 球一君   竹中工務店及び清水組に関する融資問題につ   いて出頭した証人     竹中 錬一君 (竹中工務店社長)     由良 基夫君 (竹中工務店経理部長)     清水 康雄君 (清水組社長)     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  竹中工務店及び清水組に関する融資問題     —————————————
  2. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではこれより会議を開きます。証人の喚問をいたします。本日御出頭証人は、竹中錬一さん、由良基夫さん、清水康雄さんです。その前おいでを願いまして一度宣誓をしてもらつたのでありますけれども、日が変りましたからあらためてもう一度やつていただきます。なお偽証罪その他についての問題につきましては、この前申し上げた通りであります。     〔証人竹中錬一君各証人を代表して宣誓〕     〔各証人宣誓書署名捺印
  3. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは竹中さん、由良さん、清水さんの順序で伺いますから、竹中さん以外はしばらく別室でお待ちを願いたいと思います。  本日竹中藤右衞門氏は御病氣おいでになれないのですか。
  4. 竹中錬一

    竹中証人 そうです、一月からヂユーリング氏疱疹状皮膚炎というむずかして病氣にかかりまして、東京衞生病院に入院いたしておりましたが、去る四月十日に退院して参りました。その後自宅で靜養いたしておりまして、去る五月八日には本委員会出頭いたしましたが、本日たまたま二、三日前からの寒さのためでしようか。少し微熱がありますので、出られないということであります。こういう状態であります。
  5. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か診断書によりますと、三日くらい靜養すればよろしいようになつておりますが。
  6. 竹中錬一

    竹中証人 微熱でございますから、二、三日靜養すれば熱もとれて、先日のように杖にすがつて出られるのではないか、こう申しておるわけであります。
  7. 武藤運十郎

    武藤委員長 御一緒伺つた方がいいと思つたのでありますけれども、そういう御事情ならばやむを得ませんから、藤右衞門氏は近い機会にもう一度おいでを願うことにいたしまして、本日はあなただけから伺うことにしますが、これから伺いますことにつきましては、あなた御自身関係なさつたことはもちろん、藤右衞門氏からお聽きになつておる事柄につきましても、一應お話を願いたいと思います。
  8. 竹中錬一

    竹中証人 承知いたしました。
  9. 武藤運十郎

    武藤委員長 竹中組というのは株式会社ですか。
  10. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  11. 武藤運十郎

    武藤委員長 会長竹中藤右衞門氏で、社長があなたということになつておりますか。
  12. 竹中錬一

    竹中証人 そうではありません。昭和二十年の十一月工業会会長に就任いたしましたときに辞任いたしまして、ただいまでは相談役になつております。
  13. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは。
  14. 竹中錬一

    竹中証人 私は社長です。
  15. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではついでですから株式会社竹中組の重役を言つてください。
  16. 竹中錬一

    竹中証人 十五名おります。專務驚尾九郎常務佐藤正樹長戸義勇青柳直世、この三人が常務です。それから平取締役といたしましては牧嶋新一郎澁谷孝治片岡洋治、淺尾安一、瀧邦一篠原政次郎神谷新一監査役といいたしまして竹中泰弘長井宇次郎由良基夫、以上であります。
  17. 武藤運十郎

    武藤委員長 これらの諸君は何か同族関係ですか。
  18. 竹中錬一

    竹中証人 監査役竹中泰弘だけが同族で、あとはかつての職員であります。
  19. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこで伺いますが、昨年十二月初めにおきまして、約五千万円の税金の滯納がありました結果、あなたの方の東京都に対して有しておる債権について、北税務署の嘱託によりまして麹町税務署差押えをした。そういうことがございましたか。
  20. 竹中錬一

    竹中証人 ございました。
  21. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこであなたの方では、この差押えに非常に困られた結果、いろいろ奔走をして解除になつたようでありますけれども、その間の事情を述べてください。
  22. 竹中錬一

    竹中証人 その間の事情経理部長由良が一番よく知つております。ただ私として知つておることは、東京都に対してもつておるわれわれの権利が担保として本來差押えることのできないものであるということを承知しておるだけであります。從つて部下に命じてぜひ解除を受けるようにということを申していたわけであります。
  23. 武藤運十郎

    武藤委員長 東京都から受取る受取分は何ですか。
  24. 竹中錬一

    竹中証人 主として工事支拂金であります。
  25. 武藤運十郎

  26. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  27. 武藤運十郎

    武藤委員長 これが差押えができないものであるという御趣旨ですか。
  28. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  29. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはどういうわけですか。
  30. 竹中錬一

    竹中証人 その意味はこれが差押えられますと下請支拂いができない。從つて進駐軍関係工事が遅れる。しかも年末に政府から支拂われる金は、そういつた工事進捗をはかるために緊急措置としてなされるのであつて、そういうものが押えられてしまうと工事も遅れる。從つてアメリカ占領政策にも影響が及ぶ。大体今申し上げましたように、政府としては進駐軍関係工事進捗をはかるために出す金でありますから、それが押えられて下請の手に渡らないということは政府趣旨にも反することゆえ、そういうものは押えられるはずのものではない、私はこう解釈しておるわけであります。
  31. 武藤運十郎

    武藤委員長 法律上当然差押えができないという趣旨ではないのですね。
  32. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。法律差押えられないという趣旨ではなくて、たまたまその工事金が緊急の措置によるものであるゆえに私はそういうふうに考えていたわけであります。
  33. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこでそういう趣旨政府当局者に、たとえば栗栖藏相とか前尾主税局長とか、大阪財務局長とかあるいは北税務署長とか、そういう係りの官憲にあなたの方からただいまお話になつたような趣旨を話して、解除方を要求したことがありますか。
  34. 竹中錬一

    竹中証人 私自身はございません。ただ経理部長由良北税務署長にあるいは申し上げたかもわかりません。
  35. 武藤運十郎

    武藤委員長 東京方面に参りまして大藏省関係にしたことは聽いておりませんか。
  36. 竹中錬一

    竹中証人 私はございません。
  37. 武藤運十郎

    武藤委員長 由良氏なりあるはいあなたの会社のたれか行つたことを聽いておりませんか。
  38. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。ただ今の御質問は差押えのことについてでありますか。
  39. 武藤運十郎

    武藤委員長 差押え解除方についてであります。
  40. 竹中錬一

    竹中証人 それは絶対にありません。
  41. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると解除になりましたのはどういうことからなつたのですか。
  42. 竹中錬一

    竹中証人 それは私は北税務署長裁量によつて解除されたものと解釈しております。
  43. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのころ差押えがあつてから当時の栗栖大藏大臣大阪に行かれたようでありますが、そのときにあなたなりあなたの会社関係の者なりが同大臣に会われたようなことはありませんか。
  44. 竹中錬一

    竹中証人 だれも会つておりません。
  45. 武藤運十郎

    武藤委員長 その後会つたという話も聽きませんか。
  46. 竹中錬一

    竹中証人 聽いておりません。
  47. 武藤運十郎

    武藤委員長 行つたことは知りませんか。
  48. 竹中錬一

    竹中証人 行つたこととは……。
  49. 武藤運十郎

    武藤委員長 栗栖大臣が行かれこと。
  50. 竹中錬一

    竹中証人 行かれたことも私は存じません。
  51. 武藤運十郎

    武藤委員長 解除をするときに、今北税務署長裁量で解いたんだろうと思うというお話でありましたけれども、あなたの方の会社から幾分か税金内入金拂つて残余についてはどうするというような話ができたので解除したわけではないですか。
  52. 竹中錬一

    竹中証人 私はそのように聽いております。
  53. 武藤運十郎

    武藤委員長 どのように聽いておりますか、もう少し具体的に申しますと……。
  54. 竹中錬一

    竹中証人 具体的に申し上げますと、年末にその半額を拂うからという理由で解除を受けたというふうに聽いております。このことは由良にお聽き願えば一番はつきりわかります。
  55. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうするといくら拂つてあとどうするというようなこまかい條件については、あなたは御存じがないのですか。
  56. 竹中錬一

    竹中証人 私はこまかい條件は知りません。ただ私が今覚えておりますことは、その半分を年末に拂う、あとの半分を一月になつてからお拂いするんだ、こういう約束をしたように覚えております。
  57. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはその当時あなたのところへそういう相談なり報告なりあつてお聽きになつたのですか。
  58. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。経理部長由良から相談があつたので覚えておるわけであります。
  59. 武藤運十郎

    武藤委員長 半額お拂いになつた金はどういうところからもつてきた金ですか。
  60. 竹中錬一

    竹中証人 年末の工事支拂政府からの取上げ並びに民間工事の取上げからそれを調達したわけであります。
  61. 武藤運十郎

    武藤委員長 翌年の一月に拂つた残余半額についても同じですか。
  62. 竹中錬一

    竹中証人 同じです。しかしその場合は大部分民間工事取上金でありました。
  63. 武藤運十郎

    武藤委員長 あらためて伺いますけれども、あなたは毎日出社しておられるのですか。
  64. 竹中錬一

    竹中証人 私は毎日大阪に出ておりますが、月の半分は東京に出ております。
  65. 武藤運十郎

    武藤委員長 月の半分は大阪におつて、月の半分は東京におる。大体こういうわけですね。
  66. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。しかしただいま十二支店がございますから、その支店の方へも出張いたしますので、一年間で申せば、大阪で店に顔を出すのは約三箇月くらいだと思つております。
  67. 武藤運十郎

    武藤委員長 大阪におられる場合は、大概本社に顔を出されるのですか。
  68. 竹中錬一

    竹中証人 出ております。
  69. 武藤運十郎

    武藤委員長 おられるときはもちろんですけれども、おられないときでも大体会社経理経営等はあなたが総括的にやつておられるわけですね。
  70. 竹中錬一

    竹中証人 はあ、見ております。ただ大阪專務の鷲尾、東京常務佐藤にある程度任しておるわけです。
  71. 武藤運十郎

    武藤委員長 こういう税金その他一切の大口の支拂いなどは、これは大阪でしますか、東京でしますか。
  72. 竹中錬一

    竹中証人 大阪でいたします。
  73. 武藤運十郎

    武藤委員長 東京ですることもあるのですか。東京関係のものは……。
  74. 竹中錬一

    竹中証人 税務関係ですか。
  75. 武藤運十郎

    武藤委員長 税務関係あるいはそのほかの支拂いでも、大きいものですね。
  76. 竹中錬一

    竹中証人 それは東京支店の管轄に属する支拂は、大小にかかわらずすべて東京でいたしております。ただ税金だけは一括まとめて大阪拂つております。
  77. 武藤運十郎

    武藤委員長 別の問題ですが、今日本建設工業会というのはあるのですか。
  78. 竹中錬一

    竹中証人 閉鎖になりました。
  79. 武藤運十郎

    武藤委員長 その前は、これは戰時建設團と言つたものですか。
  80. 竹中錬一

    竹中証人 それとは私違うと思います。
  81. 武藤運十郎

    武藤委員長 また違うのですか。
  82. 竹中錬一

    竹中証人 はあ。
  83. 武藤運十郎

    武藤委員長 戰時建設團というものもあつたのですか。
  84. 竹中錬一

    竹中証人 ございました。
  85. 武藤運十郎

    武藤委員長 土建業者の方……。
  86. 竹中錬一

    竹中証人 それはしかし終戰とともに解散なつたはずであります。
  87. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると、建設工業会というのはいつごろからあつたのですか。
  88. 竹中錬一

    竹中証人 これは先ほど申し上げましたように、昭和二十年の九月ごろから計画され、多分十一月ごろにできて、父が就任したと思つております。
  89. 武藤運十郎

    武藤委員長 会長に……。
  90. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  91. 武藤運十郎

    武藤委員長 このほかに何か大きいこの土建業者でつくつておる会がありますか。
  92. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。從つて今度の閉鎖になつたわけです。
  93. 武藤運十郎

    武藤委員長 この建設工業会というのは、どういう目的のものですか。
  94. 竹中錬一

    竹中証人 建前業者親睦機関になつておりました。
  95. 武藤運十郎

    武藤委員長 実際は……。
  96. 竹中錬一

    竹中証人 実際が業者親睦機関であつて建前日本の再建をはかるために、業者が一致團結しなければならないというようになつておりました。
  97. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かやはり規約のようなものでもあるのですか。
  98. 竹中錬一

    竹中証人 ございます。
  99. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはお手もとにありますか。
  100. 竹中錬一

    竹中証人 今私は持つておりません。
  101. 武藤運十郎

    武藤委員長 家に帰ればありますか。
  102. 竹中錬一

    竹中証人 多分あると思います。
  103. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはひとつありましたらあとで御提出願いたい。
  104. 竹中錬一

    竹中証人 承知いたしました。
  105. 武藤運十郎

    武藤委員長 それからこの会員は土建業者でありましようけれども、幾人くらいですか。
  106. 竹中錬一

    竹中証人 今よく記憶しておりません。
  107. 武藤運十郎

    武藤委員長 名簿がありますか。
  108. 竹中錬一

    竹中証人 ございます。
  109. 武藤運十郎

    武藤委員長 この名簿一緒に御提出願いたいと思います。
  110. 竹中錬一

    竹中証人 承知いたしました。
  111. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体幾人くらいあるのですか。
  112. 竹中錬一

    竹中証人 私はこれは閉鎖当時だつたと思いますが、約二千名くらいと記憶しております。
  113. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうしますと、大きい土建業者だけでなくて、相当中くらいのものもはいつておるのですね。
  114. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。全部の業者を含めた團体でありまして、当時土建業者は一万以上あると言われておつて、そのうちの二千名だけがそれにはいつておるのだ、こういうふうに聞いておりました。
  115. 武藤運十郎

    武藤委員長 藤右衞門さんというのはあなたの実父ですか。
  116. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  117. 武藤運十郎

    武藤委員長 藤右衞門さんが会長になつて役員というのはどういう役員があつたのですか。
  118. 竹中錬一

    竹中証人 これは私は全然今覚えておりません。殊にその当時私は大阪におりましたために、工業会のことについてあまり関心をもつておりませんでしたので、工業会のことについてはよく存じません。
  119. 武藤運十郎

    武藤委員長 名簿があればそれはわりますか。
  120. 竹中錬一

    竹中証人 それはすぐおわかりになると思います。
  121. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは名簿に印がついておればよろしうございますが、なかつたらすぐ印をつけて出してください。
  122. 竹中錬一

    竹中証人 はい、承知しました。
  123. 武藤運十郎

    武藤委員長 この建設工業会というのは、ただ業者親睦團体で、一年に何回か寄つて親睦を重ねるという以外に、事業関係でいろいろ土建業者の便宜をはかる会合というわけですか。
  124. 竹中錬一

    竹中証人 そういう点において相当寄與したと思つております。いわゆる業者の利益を代表した面において相当寄與したと思つております。
  125. 武藤運十郎

    武藤委員長 鉄道工業会というのを御存じですか。
  126. 竹中錬一

    竹中証人 名前はよく存じております。
  127. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは全然建設工業会とは別個なものですね。
  128. 竹中錬一

    竹中証人 鉄道工業会自身も……私その辺のことはよく存じません。
  129. 武藤運十郎

  130. 竹中錬一

    竹中証人 私はメンバーのような氣がいたします。鉄道工業会というのは、たしかに一つ会社組織になつておりますので、工業会メンバーのように今思つております。
  131. 武藤運十郎

    武藤委員長 菅原通済という人を御存じですか。
  132. 竹中錬一

    竹中証人 私は名前だけ知つておりまして、会つたことはございません。
  133. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か有数な土建業者相談をして金を集めて、これを政治家なり政党なりに献金をしたというようなことがこの数年の間にありますか。
  134. 竹中錬一

    竹中証人 聞いております。
  135. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういうことです。
  136. 竹中錬一

    竹中証人 有志の者が集まつて、それは昨年の総選挙のときに政党を支援する意味で何分の寄附を願いたいということは聞いたことがあります。
  137. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう方面からそうそう話がもつてこられたのですか。
  138. 竹中錬一

    竹中証人 私は直接それを聞いておりませんが、ただ有志が集まつてそういう金を集めておるということを聞いたわけであります。
  139. 武藤運十郎

    武藤委員長 どの業者がどのくらい出したということは……。
  140. 竹中錬一

    竹中証人 それは私存じません。聞いておりません。
  141. 武藤運十郎

    武藤委員長 お聞きになつたのはだれから聞かれたのですか。集めておつた当時お聞きになつたのですか。
  142. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。集めておる当時そういつた業者会合で聽いたわけなのです。
  143. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの方も出されたのでしよう。
  144. 竹中錬一

    竹中証人 出しました。
  145. 武藤運十郎

    武藤委員長 いくら出しましたか。
  146. 竹中錬一

    竹中証人 四十万円出しました。
  147. 武藤運十郎

    武藤委員長 一口ですね。
  148. 竹中錬一

    竹中証人 一口です。
  149. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの会社で、金を集めて政党献金したということを一番よく知つているのはだれですか。
  150. 竹中錬一

    竹中証人 やはり私が一番よく知つております。
  151. 武藤運十郎

    武藤委員長 由良氏はどうですか。
  152. 竹中錬一

    竹中証人 知りません。ただ由良氏はあとになつてから知つたと思います。
  153. 武藤運十郎

    武藤委員長 金を集めるのには大体建設工業会頭株の方が出されたのじやないのですか。
  154. 竹中錬一

    竹中証人 建設工業会頭株というよりも、おもなる業者が負担をしたということのように了解しております。
  155. 武藤運十郎

    武藤委員長 当時あなたのお父さんが工業会会長でありますが、工業会と別だとしても、この集めた産婆役と言いますか、奔走したのは主としてだれですか。
  156. 竹中錬一

    竹中証人 それは私存じません。
  157. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたのところへはだれが参りましたか。
  158. 竹中錬一

    竹中証人 飯田清太氏だつたと思います。
  159. 武藤運十郎

    武藤委員長 住所はどこですか。
  160. 竹中錬一

    竹中証人 私存じません。
  161. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはどういう人ですか。
  162. 竹中錬一

    竹中証人 私今よく覚えておりません。だからこれは間違つておるかも知れませんが、その当時たしか鉄道工業会專務であつたかと思います。
  163. 武藤運十郎

    武藤委員長 はつきりはわからないけれども、鉄道工業会專務つたと思うと言うのですね。もう一度伺いますが、その飯田清太氏からどういう話があつたのですか。具体的に話してみてください。昨年の総選挙に際して……。
  164. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。三党の……。私は今そのときの言葉はよく記憶いたしておりませんが、ただ私がそういう寄附に應じた氣持は、各政党の健全な発展のために、應分の寄附を頼まれ、その頼みに應じてつきあいで出したわけです。そのときの話は今記憶しておりません。
  165. 武藤運十郎

    武藤委員長 いや、そのときの話を一言も違わずに述べてもらうという趣旨ではないのであつて、あなたが抽象的に政党を支持するということで出したということはその通りかもしれませんけれども、いずれ金を出すには、あなたの方などは大きいから、四十万円くらいに金はたいした金ではないかはしれませんが、とにかく今度総選挙が行われる、日本における大政党はどれとどれだとか、それについてはその政党を支援する、その選挙資金にどのくらいの支援をする、大体このくらいの見当であつて、それを各大きいところへ割当てて寄附してもらうといくらいくら見当になるというようなことは、金を集める方でも考えるけれども、金を出される方にも一應話があるのが僕も普通だと思う。世の中の寄附なり何なりの場合には——事業の場合でもそうですし、そういうことを全然あなたの方でも——まだ一年しか経たないのですから、まるで忘れられることもないと思うのです。ですから知つておられる限りはひとつ述べてもらつて、それ以上は忘れたと、こう言うなら仕方がないのですけれども、抽象的に話に應じて支接のつもりで拂つたというだけでは、少し物足りないお答えではないかと思うのです。殊にあんたの方は…。
  166. 竹中錬一

    竹中証人 しかしわれわれの場合にはつきあい上出す、たとえば学校の寄附などもありますし、その当時いろいろの寄附もあつて、その中の一つのように考えておりましたので、私自身は今おつしやつたように深くは考えておりません。
  167. 武藤運十郎

    武藤委員長 飯田清太という人とあんたとは兼ねて知合ですか。
  168. 竹中錬一

    竹中証人 いいえ、そうじやありません。
  169. 武藤運十郎

    武藤委員長 全然初めての人ですか。
  170. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  171. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういうふれ込みで御社へ行かれたのですか。
  172. 竹中錬一

    竹中証人 要するに一人の世話人として、自分がその世話役をするのだ、こういうことで……。
  173. 武藤運十郎

    武藤委員長 その世話役というのは何ですか。
  174. 竹中錬一

    竹中証人 先ほど申し上げましたように、業者有志が集まつて金をまとめる、その集り世話人として飯田清太氏が使いに來られた、こういうことなんであります。
  175. 武藤運十郎

    武藤委員長 初対面だけれども、すぐその場で四十万円あなたが出したわけですか。
  176. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  177. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは会社経理から出したのですか。
  178. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  179. 武藤運十郎

    武藤委員長 帳簿に載つておりますね。
  180. 竹中錬一

    竹中証人 載つております。
  181. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体何か話があつていけば、大概四十万円、五十万円の寄附はすぐその場で、そう詳しい話をしないでするのですか。
  182. 竹中錬一

    竹中証人 ただ実際に渡す金は、いろいろ業者集りで、そういう金をつくるのだということは聞いておりました。
  183. 武藤運十郎

    武藤委員長 前もつてそういう金をつくるのだという話は聞いておつたわけですね。
  184. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  185. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはいつごろお聞きになつたのですか。選挙は四月から五月ごろにかけてですけれども……。
  186. 竹中錬一

    竹中証人 今私それを記憶しておりません。
  187. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこの集りで……。
  188. 竹中錬一

    竹中証人 それも私今よく覚えておりません。
  189. 武藤運十郎

    武藤委員長 さつきちよつと三党のというお話があつたのは何ですか。
  190. 竹中錬一

    竹中証人 自由党に進歩党、社会党であります。
  191. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこへ献金をする、政治資金を出す……。
  192. 竹中錬一

    竹中証人 そうです、その場合業者申合せといたしましては、一党一派あるいは個人に出せばいろいろ因果関係もできるから、それよりもわれわれの金がきれいに済むように、個人でなく各党に寄附するのだ、こういう申合せになつていたわけです。
  193. 武藤運十郎

    武藤委員長 その申合せはだれとだれとしたのですか。
  194. 竹中錬一

    竹中証人 それは私今覚えておりません。
  195. 武藤運十郎

    武藤委員長 幾人くらい。
  196. 竹中錬一

    竹中証人 ただ先ほど申し上げましように、私自身が大部分大阪におりますので、たまに東京へ來てはこういうふうに話が進んでいるというふうに聞いておりますので、具体的に何人の人によつて計られたかということは、今よう覚えません。
  197. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこであなたのところは四十万円ですか。他の業者がどのくらい出したか、名簿か奉加帳みたいなものがありましたか。
  198. 竹中錬一

    竹中証人 いえ、そういうものは私は聞いておりません。
  199. 武藤運十郎

    武藤委員長 ただ飯田氏が來て話をして、あなたの方はこういう割合で…
  200. 竹中錬一

    竹中証人 四十万円見当だと……
  201. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは初めから四十万円と申しましたか。もつと多かつたんですか。
  202. 竹中錬一

    竹中証人 初めから四十万円……。
  203. 武藤運十郎

    武藤委員長 四十万円という話があつて、それをそつくりそのまま小切手でお出しになつたんですか。
  204. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。小切手です。
  205. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにどれくらい集まつたか聽いておりませんか。
  206. 竹中錬一

    竹中証人 私聽いておりません。
  207. 武藤運十郎

    武藤委員長 あとどのくらい出したかということは……。
  208. 竹中錬一

    竹中証人 それも聽いておりません。
  209. 武藤運十郎

    武藤委員長 たれがどの党へいくらつてつてたれに渡したということは……。
  210. 竹中錬一

    竹中証人 それも聽いてありません。だから私はこの四十万円の金がどういう内訳になつておるのかということを一度飯田氏に聽きたいと思つております。
  211. 武藤運十郎

    武藤委員長 普通はもす令しよく知つているものですけれどもね。
  212. 竹中錬一

    竹中証人 ただあの当時はいろいろ寄附で責められておりましたので、あまり深く……
  213. 武藤運十郎

    武藤委員長 その後飯田氏にお会いになつたことないんですか。
  214. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。
  215. 武藤運十郎

    武藤委員長 この人は大阪におるか、東京におるか、わかりませんか。
  216. 竹中錬一

    竹中証人 多分東京だろうと思います。
  217. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは飯田氏からその後報告もないんですね。いくら集つてどういうふうにやつたということは。
  218. 竹中錬一

    竹中証人 それは私の方の東京にいる常務のところまでは、あるいは報告が來ているかもしれません。
  219. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではお手数でもお帰りになりましたら、社の常務なり、專務の方なりにお聽きになつて、わかる限りのことを書面で出してください。
  220. 竹中錬一

    竹中証人 はい。
  221. 武藤運十郎

    武藤委員長 そしていずれも藤右衞門氏にもおいでを願わなければならないと思いますから、その際にお持ちいただいても結構です。
  222. 竹中錬一

    竹中証人 はい、承知しました。
  223. 武藤運十郎

    武藤委員長 この四十万円だけですか、政党献金というふうなものは。
  224. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  225. 武藤運十郎

    武藤委員長 個人的に政治家献金というか、金を出していることはございますか。
  226. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。
  227. 武藤運十郎

    武藤委員長 たとえば芦田さんとか、西尾さんとか、そういう政治家に金を出している例はありませんか。
  228. 竹中錬一

    竹中証人 全然ございません。
  229. 武藤運十郎

    武藤委員長 では別の問題を伺いますが、産業金融研究会というのがありますか。
  230. 竹中錬一

    竹中証人 私は存じません。
  231. 武藤運十郎

    武藤委員長 栗栖後援会というのは御存じありませんか。
  232. 竹中錬一

    竹中証人 存じません。
  233. 武藤運十郎

    武藤委員長 これが産業金融研究会の趣意書、申込書、規約ですけれども、ごらんになつたことはございませんか。
  234. 竹中錬一

    竹中証人 見たことはございません。
  235. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か土建業者あるいは財界の有力者が集つて親睦の会みたいなもの、研究会のようなもので、そのほかにつくつておるのはありませんか。
  236. 竹中錬一

    竹中証人 工業会のほかにですか。
  237. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうです。主として栗栖さんを應援するというような趣旨で……。
  238. 竹中錬一

    竹中証人 それは全然聞いておりません。
  239. 武藤運十郎

    武藤委員長 藤田榮という代議士を御存じですか。
  240. 竹中錬一

    竹中証人 知りません。
  241. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはあなたの社の人も知りませんかな。
  242. 竹中錬一

    竹中証人 たれも知らないと思います。
  243. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か藤田榮という代議士が使いになつて、あなたの方から百万円の金が西尾氏に届けられているということを言つている者があるんですけれども、そういう事実も從つてないわけですか。
  244. 竹中錬一

    竹中証人 はい、ございません。
  245. 武藤運十郎

    武藤委員長 西尾末廣氏を御存じですか。
  246. 竹中錬一

    竹中証人 私は会つたことはございません。
  247. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたのお父さんは……。
  248. 竹中錬一

    竹中証人 父は勅選議員で出ておりましたので、あるいは存じ上げているかもしれません。
  249. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたの会社と西尾氏と、あるいは西尾氏の親戚と、何か関係があることはないですか。
  250. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。
  251. 武藤運十郎

    武藤委員長 芦田氏や栗栖氏についてはいかがですか。
  252. 竹中錬一

    竹中証人 芦田さんにつきましては大阪の正午会で、一二回講演を聽いたことがございます。
  253. 武藤運十郎

    武藤委員長 それは一般聽衆としてお聽きになつたという程度ですね。
  254. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  255. 武藤運十郎

    武藤委員長 栗栖さんは……。
  256. 竹中錬一

    竹中証人 一度お会しいたことがございます。
  257. 武藤運十郎

    武藤委員長 どういう機会に……。
  258. 竹中錬一

    竹中証人 それは政府支拂いを促進してもらいたいということで、お目にかかつたことが一度ございます。
  259. 武藤運十郎

    武藤委員長 それはどこで、いつごろ、だれとですか。
  260. 竹中錬一

    竹中証人 それは父の紹介によつて、多分官邸だつたと思います。
  261. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろですか。
  262. 竹中錬一

    竹中証人 それは十二月に差押えをわれわれが受けたあとでお訪ねしたんですから、十二月の上旬だつたと思います。
  263. 武藤運十郎

    武藤委員長 記録によると差押えは十日のようですね。
  264. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  265. 武藤運十郎

    武藤委員長 十日に差押えがあつて、二十四日に解除になつているようですが、その間ですね。
  266. 竹中錬一

    竹中証人 そうですね。十一日ごろでしよう。
  267. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなた一人だけですか。
  268. 竹中錬一

    竹中証人 いえ、父の紹介でありましたから、父がおりました。
  269. 武藤運十郎

    武藤委員長 お父さんと一緒に行かれて……。
  270. 竹中錬一

    竹中証人 はい、父の紹介で会いました。
  271. 武藤運十郎

    武藤委員長 そして工事金政府支拂の促進をしてもらいたいという陳情をいたしたわけですね。
  272. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  273. 武藤運十郎

    武藤委員長 その際に差押えを受けている話もなすつたんですね。
  274. 竹中錬一

    竹中証人 いえ、私はまだそのときは差押えられたということを知つておりませんでした。要するにその会つた動機は、政府支拂いさえ促進していただけば、税は立派に拂えるのだからというので、金臣にお目にかかつたわけです。
  275. 武藤運十郎

    武藤委員長 なるほど、そしてその話をなすつたわけですね。
  276. 竹中錬一

    竹中証人 そのときは先ほど申し上げましたように、まだ現実には差押えを受けておりませんでしたから、ただ政府支拂いを促進してもらいたいということだけを申し上げたように記憶しております。
  277. 武藤運十郎

    武藤委員長 栗栖さんから、何かあなたの方が自由党かどこかに献金をしておるそうではないかというような詰煙をうけた事実はございますか。
  278. 竹中錬一

    竹中証人 ございません。
  279. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたが覚えでおる限りは四十万円だけですか。政治家または政党献金したのは……。
  280. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。それ以外にはございません。
  281. 武藤運十郎

    武藤委員長 その献金というのはまつたくの寄附ですね。
  282. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。私達は寄附と心得ております。
  283. 武藤運十郎

    武藤委員長 寄附以外に何かの取引関係その他で金銭の授受が芦田、西尾、栗栖、こういう諸君とあつたことはありませんか。
  284. 竹中錬一

    竹中証人 絶対にございません。
  285. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお聽きになることがございますか。
  286. 田中健吉

    ○田中(健)委員 竹中さんの方から各政党に対して四十万円出ておるということは、ただいまの証人の証言によつてわかつたのであります。ただその金が、四十万円出されるまでの経路については証人は全然知らない、関知しない、こういうふうにおつしやいますけれども、われわれの知つており限りでは、多分御存じではなかろうかと考えまするので、私の知つておることを証人に申し上げまして、証人の御記憶を喚起する参考にいたしたいと思います。     〔委員長退席、河井委員長代理着席〕  私の知つておることはやはり昨年の証人のおつしやる当時、築地の某所に竹中氏が御主催になりまして、有志土建業者が集まつて、何のために呼ばれたか、よくわからないけれども、竹中さんが口を開いて、実はこういうわけで各党に献金しなければならないので出してもらいたい。会議の内容は詳細わかりません。そこで集つた一同の諸君は納得をして金が集められて、それが各党に献金されておる。そこで西尾さんの分については昨年の選挙の始まる前に五十万円、それから選挙が終つて社会党が第一党になつたのでありますけれども、そこでいろいろ組閣のことその他のこともありますので、いま五十万円というので合計本万円出ている。私の知つていることはあるいは眞相と違うかもしれませんが、私はそういうふうに承知しておるのであります。この間直接の金銭上の授受には藤田榮代議士が関係がないだろうとは思いますけれども、これは私は藤田氏からも一部聽いておることでございます。ところが証人は藤田氏は全然御記憶がないとおつしやいます。それから証人の父である藤右衞門氏も御存じであろうかどうかわからないというようにお聽きいたしましたが、こういうふうになつてきますと、証人は知らなくても、証人の使つている者かたれかがその会合の模様、金を出すまでに至つた詳細な事情知つたものがなければならない。たれも知つている者がなくて、あなたから四十万円の金が出るということはとうていあり得ないことである。しかも会社の金が出ているということでありますと、当然に会社の帳簿に載せなければならないし、決算に出る。ですから一般的に会社をあずかつているものとして——われわれも会社をあずかつているんだが、殊に竹中さんは大きな会社でありますから、四十万円は大したことじやなかろうかとも思いますけれども、それにいたしましても、その金の経路くらいは御存じでなければならないはずじやないかと思いますので、もう少しその間の経緯について御記憶を呼び起されまして、この委員会に御証言してくださるならば、この問題を糾明して眞相をはつきりするに非常に都合がいいのではないかと思いますので、重ねてこれらの点についてお尋ねいたしたいのであります。
  287. 竹中錬一

    竹中証人 まことにごもつてもなことと存じます。ただ私自身築地に集まつたことも知りませんし、今そういうふうに御注意を受けると、いかにも私の処置が杜撰であつた。こう申し上げるよりただいま委員長に申し上げた以外のことを私は存じません。だから世間一般の常識から言つて島、五十万円もの金を無雜作に出したということは非常に杜撰であつた。こう申し上げるよりほかはございません。
  288. 田中健吉

    ○田中(健)委員 ただいまの私の尋ねたことに対しまして、先ほど委員長の質問に対してお答えしたことと同様である。それ以外のことはないとおつしやられればいたし方がありませんが、それではもう一度今度の献金問題とは直接関係がないにいたしましても、お飼いいたしたいことは、土建界においては、そういう献金を皆がまとまつて、あるいは竹中さん個人で戰爭中あるいは惻後においてもただ一回だけでなく、しばしば行われたものであるかどうか。この点についても証人のお言葉を聽いておりますと、一回だけでその前にも後にもないというふうに聽き取れますが、その点を伺いたい。
  289. 竹中錬一

    竹中証人 この事実は間違いございません。私は偽証罪ということをよく承知しておりますから、うそは申し上げません。
  290. 田中健吉

    ○田中(健)委員 二十万円ずつ二回金が出ておるのですか。
  291. 竹中錬一

    竹中証人 四十万円が一回です。
  292. 田中健吉

    ○田中(健)委員 昨年の池月ごろでございますか。
  293. 竹中錬一

    竹中証人 私のその日附を今記憶しておりません。もう御必要であれば委員長の方までお禎しいたします。     〔河川委員長中理退席、委員長着席〕
  294. 田中健吉

    ○田中(健)委員 それから飯田という方は、鉄道工業会常務ではないかとあなたはおつしやられるのですが、そうすると鉄道工業会の方でも何か一緒献金するといつたようなお話がそのときになかつたのですか。
  295. 竹中錬一

    竹中証人 鉄道工業会のことについては私聞いておりません。
  296. 田中健吉

    ○田中(健)委員 飯田さんの方からお話がなかつたのですが、どうせ献金するなら一緒にやりましようということではなかつたんですか。
  297. 竹中錬一

    竹中証人 そういうことではなくて、大体こういう割振で出すんだ、こういうふうにお聞きしているだけなんです。
  298. 田中健吉

    ○田中(健)委員 そこでその割振の問題について、私らは寄附の申込みがあるとまず第一番に順序の問題と思う。まず竹中さんに話をする、竹中さん、あなたが先だ、こういう話で出る。そこで割振の問題のときにだれがいくらいくらといつた割振の問題が必ず先になつて、それではおれが一番先に伴をつこうとなる。今度の場合はそういうことはなかつたんですか。割振の問題はどういうことになつておりますか。
  299. 竹中錬一

    竹中証人 それはいつも私どもは大林さん、清水さんと同じだというので、今度の場合も清水さんと大林さんと同じだというふうに聞いたわけです。
  300. 田中健吉

    ○田中(健)委員 そうすると大林さん、清水さん、竹中さんも四十万円なんですね。
  301. 竹中錬一

    竹中証人 さようでございます。
  302. 田中健吉

    ○田中(健)委員 その他の方々は……。
  303. 竹中錬一

    竹中証人 それは聞いておりません。
  304. 田中健吉

    ○田中(健)委員 それからそのことは去年の選挙の前というふうに私は承知しておりますが、あなたがおつしやるのには、まあ日にちははつきりしないということですが、去年の選挙の前であることは事実ですか。
  305. 竹中錬一

    竹中証人 もちろん総選挙前です。
  306. 田中健吉

    ○田中(健)委員 そうすると総選挙後においてさらに各党に対して——各党というよりも社会党に対して、西尾氏などに五十万円献金しているということは……。
  307. 竹中錬一

    竹中証人 それは私全然存じません。
  308. 田中健吉

    ○田中(健)委員 そうすると清水竹中さん等から百二十万円出ている、そのほかからも出ているでしようが、竹中さんが御存じないといたしますればそれでよいのですが、その金がどのところにどれだけ行つたという決算報告はあるのですか。
  309. 竹中錬一

    竹中証人 私自身主として大阪におりましたので、あるいは私の留守をあずかつているものがそういう報告だけを受けたかもしれませんが、私はそれを聞いておりません。
  310. 田中健吉

    ○田中(健)委員 その金が会社から支出される場合には寄附金といつたような科目がありますか。
  311. 竹中錬一

    竹中証人 ございます。
  312. 田中健吉

    ○田中(健)委員 各社ともそういうふうになつているのですか。
  313. 竹中錬一

    竹中証人 それは私存じませんが、私の場合には寄附金で処理いたしております。ただ寄附金というのは御承知のように各会社の利益率によつてその年度の寄附金の総額というものがきめられている。その範囲内であれば寄附金で処理ができるわけです。
  314. 田中健吉

    ○田中(健)委員 それは株主総会できめるのか、重役会議できめるのですか。
  315. 竹中錬一

    竹中証人 そうではなく、税務署の認定する利益率によつてその年々の寄附金のわくがきめられるわけです。その限度内であれば寄附金で処理してよい。しかしそれを出た場合は一般経理では認めず、課税の対象にする、こういうふうに言われているわけです。
  316. 田中健吉

    ○田中(健)委員 去年この寄附が行われる当時にはまだ総司令部との許可の関係はなかつたのですか。
  317. 竹中錬一

    竹中証人 それはなかつたと思います。ただ私の場合には一應勘定項目では寄附金として四十万円出しましたが、あと税務署の方で確かにわくを出ているから利益処分と認めない。從つて課税の対象にするということで税金は拂いました。
  318. 田中健吉

    ○田中(健)委員 あなたの会社は指定機関ではないんですか。
  319. 竹中錬一

    竹中証人 指定会社でありますが、そのときには指定になつていなかつたと思います。
  320. 田中健吉

    ○田中(健)委員 私の質問は終りました。どうも御苦労さまでした。
  321. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 今の話と関連してですが、寄附金を出すというので集つて飯田さんが大体の話をきめたと言われましたね、そのときの集りにあなたは出られましたか。
  322. 竹中錬一

    竹中証人 私は一度も出ておりません。
  323. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 だれが出たのです。
  324. 竹中錬一

    竹中証人 それは多分留守を與つておられる常務が出ております。
  325. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 東京に勤めておる常務ですか。
  326. 竹中錬一

    竹中証人 そうです佐藤正樹と申します。
  327. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その佐藤さんからあなたがそのことをお聞きになつたのはいつどこででございます。
  328. 竹中錬一

    竹中証人 それは日にちは覚えておりませんが、東京支店で聞いております。
  329. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたが東京おいでのときに。
  330. 竹中錬一

    竹中証人 そうです、東京に出てきたときに聞いております。
  331. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 どのように聞いたかそのことを今一遍聞かせてもらいたい。
  332. 竹中錬一

    竹中証人 要するに先ほど申し上げました通り有志の者だけが集つて政党寄附をするのだ、そして大体割振はこういうふうになつておるのだという程度を聞いたわけであります。
  333. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その有志とは大体どんな者ですか。
  334. 竹中錬一

    竹中証人 私の知つておるのは清水、大林さんだけであります。
  335. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 ほかは知らない。
  336. 竹中錬一

    竹中証人 はあ、大体私たちが寄附をする場合にはいつも大林さん、清水さんとのつり合でもつて出す慣例になつておりますので、清水さんの方で四十万円お出しになると聞けば、それにならうわけであります。
  337. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それはその点として。先ほどのお話では昨年十二月十一日ころに差押えられたということを知らずに栗栖さんに会つた、こういうお話でしたな。そのときに差押えられたことは知らなかつたが、差押えられるという話があつたの会つた。こういうお話
  338. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  339. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それはいつごろからどこでそういう話があなたの耳にはいつたのですか。
  340. 竹中錬一

    竹中証人 その差押えられるということでございますが、それは私が大阪の本店におりますから、部下の者が税務署の人々と交渉の間に差押えられるだろうということを聞いたわけであります。
  341. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その場合差押えられることだろうという話が出たのはよほど前であつたと思いますが、いつごろです。
  342. 竹中錬一

    竹中証人 いよいよ差押えられるのだということを聞いたのは十一月の中ごろだつたと思います。それは経理部長由良が一番よく承知しております。
  343. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこでその事実を知つてあなたは栗栖さんに会われた。
  344. 竹中錬一

    竹中証人 そうです、要するに政府支拂の促進をしていただかないと結局差押えられるというはめに陷りますので、私はお目にかかつて促進方をお願いしたわけであります。
  345. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そうしてみれば、差押えしてもらつては困るという話は当然出ますね。
  346. 竹中錬一

    竹中証人 しかしそのときは私は申し上げませんでした。ただその当時はとにかく支拂いを促進してもらいたいということだけを申し上げました。
  347. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 しかし差押えられるという話であるから、あなたの方から拂つてもらわぬと差押えられるという話があるべきはずではないか。
  348. 竹中錬一

    竹中証人 しかしそのときは現実に差押えられるかどうかということが確定しておりませんでしたから、ただ政府支拂いを促進してもらいたい。こう申し上げたのであります。
  349. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 さらにくどいようですが、そのとき栗栖さんはどう言いました。
  350. 竹中錬一

    竹中証人 それはどう言つたか、意味は要するに精算書がまわれば自然支拂いも促進するのだ、こういうようにおつしやつたように思います。
  351. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのとき係の者に話してやるとか、呼んで話したという事実はありませんか。
  352. 竹中錬一

    竹中証人 ございませんでした。ただこのとき実際の支拂いの衝に当つておるのは長沼管理局長であるから、書類を管理局長のもとまでまわさなくちやいけないのだということをお聞きいたしました。
  353. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 具体的にどうこうということはなかつたのですね。
  354. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  355. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのほかお聞きしたいのは、あなたのところに興銀に勤めておつた人で店の重役、重役でない、部長がおられましよう。
  356. 竹中錬一

    竹中証人 おりません。
  357. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 興銀にかつてつた人が。
  358. 竹中錬一

    竹中証人 おりません。
  359. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 興銀でなくてもどこかそういう金融界におつた人がおられますか。
  360. 竹中錬一

    竹中証人 私の会社にはおりません。
  361. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 前の主税局長が、あなたのところにそういう人がおるということを言つたのですよ。
  362. 竹中錬一

    竹中証人 だれのことですか、それは事実おりませんから。
  363. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それほど偉い人でなくても。
  364. 竹中錬一

    竹中証人 私の方はどつちかと言いますと、子飼いの社員が多い。二十五年勤続の者が百二十名ほどおりますが、そういう会社で、自然他からはいつてきた者はほとんどおりません。
  365. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 常務としては何という方と何という方ですか。
  366. 竹中錬一

    竹中証人 先ほど申し上げましたように常務としては、佐藤正樹、名古屋におります、長戸義勇と、大阪におります青柳貞世、三名でございます。
  367. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その青柳という方は、やはりあなたの店で育つた方ですか。
  368. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。早稻田大学を出まして爾來ずつと店におります。
  369. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 青柳さんは西尾さんとたいへん懇意だということを聞きますが、あなたは御承知ですか。
  370. 竹中錬一

    竹中証人 おそらく青柳は顔を見たこともないと思います。
  371. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それじや佐藤さんですか。
  372. 竹中錬一

    竹中証人 いや佐藤も存じ上げておらないはずです。大体私が知らないのですから、部下の者も知る機会がないと思います。
  373. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 これは私は確かな人から聞いておるのですが、竹中という店はずいぶん堅い店であつたが、常務に西尾という者と非常に仲のいい者が一人おつたばかりに、今ではずいぶん政治活動をするようになつて惜しいものだということを言つたのですが。
  374. 竹中錬一

    竹中証人 私のところの重役は、およそそういう世事には疎い方で、政治家と交渉のある者は一人もおりません。
  375. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 うそを言われてはあなたのごめいわくですね。
  376. 竹中錬一

    竹中証人 実はここへまいるだけでも非常なめいわくを感じておるわけです。
  377. 石田博英

    石田(博)委員 あなたの会社の法決代表者はあなたですか、お父さんですか。
  378. 竹中錬一

    竹中証人 私です。
  379. 石田博英

    石田(博)委員 それから先ほど戰時建設團日本建設工業会との間に関係がないとおつしやいましたが……。
  380. 竹中錬一

    竹中証人 関係してないと思うと申し上げました。
  381. 石田博英

    石田(博)委員 それで戰時建設團の当時の理事会々長は竹中松右衞門氏ですか。
  382. 竹中錬一

    竹中証人 いや清水揚之助さんだと思いました。
  383. 石田博英

    石田(博)委員 いや清水揚之助氏は軍建の会長だと思いました。軍建協力会ですか、海軍施設協会、これらにみんなはいつておられましたですね。
  384. 竹中錬一

    竹中証人 私たちみんなはいつておりました。
  385. 石田博英

    石田(博)委員 それは認意團体ですね、別に法的基礎をもつている團体じやありませんですね。
  386. 竹中錬一

    竹中証人 その点私よく存じません。私は戰爭中は満州竹中工務店社長をいたしておりまして、主として満州におりましたので、建設團のことについてはよく存じません。
  387. 石田博英

    石田(博)委員 それではあなたが社長に就任されたのはいつでございますか。
  388. 竹中錬一

    竹中証人 終戰直後でありました。
  389. 石田博英

    石田(博)委員 終戰直後の竹中工務店の行為の一切の法的代表者になるわけですね。
  390. 竹中錬一

    竹中証人 終戰後は私が代表しておまりす。
  391. 石田博英

    石田(博)委員 あなたは先般初めて大藏大臣栗栖さんにお目にかかつたのかもしれませんが、御尊父は相当前から御懇意であつたようなことはお聞きしませんか。
  392. 竹中錬一

    竹中証人 勅選議員で貴族院に出ておつた時分に顔見りであつたということは聞いております。その程度であります。
  393. 石田博英

    石田(博)委員 前尾主税局長の前回の証言によりますと、かなり御懇意のように承知しておる旨の証言がありましたが、これは主観の相違で懇意でないと言えばどうにも仕方がありません。次にお伺いしたいのは、あなたは御尊父と御一緒に栗栖さんにお会いになりました時には、ほかの業者おいでになりませんでしたか。
  394. 竹中錬一

    竹中証人 おられませんでした。
  395. 石田博英

    石田(博)委員 その時は全部あなたの会社に対する政府の債務支拂を早くやつてくれ、こういうことであつて、全般の問題ではないわけですね。
  396. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  397. 石田博英

    石田(博)委員 その後にあなたの御尊父が、全部の占領軍関係工事を請負つておる人々の代表として、清水組の代表者と御一緒に栗栖さんにお会いになつたということはお聞きになりませんか。
  398. 竹中錬一

    竹中証人 清水さんと御一緒つたかどうかは聞いておりませんが、あの当時土建業者は約百億近い金を立て替えておりましたので、その通上げを促進するために父が業界を代表してしばしば折衝したということは聞いております。
  399. 石田博英

    石田(博)委員 その終戰処理費で政府支拂が遅延しておるという問題は、関係工事を請負つておる業者全般の問題でありますね。
  400. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  401. 石田博英

    石田(博)委員 進駐軍の工事を請負う場合に、何か終戰直後任意團体ができませんでしたか。何と言いますか、匿名請負のようなものが……。
  402. 竹中錬一

    竹中証人 聞いておりません。
  403. 石田博英

    石田(博)委員 その請負契約というものは政府支拂の期限がついておるわけですね。たとえば工事完成後いついつまでに支拂うというような…。
  404. 竹中錬一

    竹中証人 大体われわれの慣例で言えば出來高拂い、できただけ拂う、これが建前になつております。
  405. 石田博英

    石田(博)委員 しかしできたからと言つて毎日々々出來高で拂つておるわけじやないでしよう。
  406. 竹中錬一

    竹中証人 だから毎月ごどにわれわれは出來高を出して、それの八分金とか九分金とかをいただいております。
  407. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると毎月の出來高だけが政府に対する債権として残るわけですか。
  408. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  409. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると十二月ごろはおたくに対してどれくらいありましたか。
  410. 竹中錬一

    竹中証人 約三億ぐらいじやなかつたかと思いますが、それは経理部長が承知しております。
  411. 石田博英

    石田(博)委員 そうするとおたくのお父さんは日本建設工業会会長をしておられる。業界の代表的な立場に立つて交渉しておられる。そうして政府支拂が遅延しておるという問題は各業者全般の問題です。特にあなたのところだけでなく全般の問題として解決しなければならね。
  412. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  413. 石田博英

    石田(博)委員 それを特にあなたのところだけ別においでになるということは、竹中を特に早くやつてもらいたいという御希望があつたようで……。
  414. 竹中錬一

    竹中証人 おつしや通りでありましたので、父はただ紹介をするというだけで何ら口添えをいたしませんでした。要するに公私の別を明らかにしなければいけないという建前で、工業会会長に就任した時にも店の社長をやめましたし、またそういう場合にも父は何にも申しておりません。
  415. 石田博英

    石田(博)委員 今竹中藤右衞門氏は竹中会長でありますか。
  416. 竹中錬一

    竹中証人 そうではありません。
  417. 石田博英

    石田(博)委員 全然引いておりますか。
  418. 竹中錬一

    竹中証人 ただ相談役として名前だけ残しております。しかし実務には何係しておりません。
  419. 石田博英

    石田(博)委員 まあ公私の別を明らかにしてお話をされないとしましても、現実に竹中組の前社長であつて社長と親子関係にある。いくらお話にならなくても大体以心傳心でわかるものでございますがね。一應問題自身が公の性質をもつているものであつて、それを公の立場でも交渉し、あなたの会社の立場でも交渉されたということは事実、結局交渉されたということになるかもしれませんが……。
  420. 竹中錬一

    竹中証人 そういうふうに見るのだとおつしやれば、これは何とも御返答の申し上げようもございません。ただ父はちようど本年七十三才になりますが、おそらくそういう点では非常に潔癖でして、先ほどどなたか申されたように、竹中は堅い店だと言われてきたのも、そういう父の人格が反映していたのでありまして、從つてそういう場合においても自分が紹介するのはまずいじやないか、そういうふうに私自身注意を與えられたのでありますが、私自身としては適当な紹介者もないものですから、ただ便宜上紹介さえしてくれればあとは自分が話をするからというので、そのときもただ紹介に止まつただけなのであります。
  421. 石田博英

    石田(博)委員 政府支拂が遅れている原因、これはいろいろ金融上の問題もありますけれども、あなた方の眼からごらんになりましてどういうところに原因があるようにお考えになりますか。
  422. 竹中錬一

    竹中証人 結局査定に非常に時間がかかるという一言に過ぎると思います。
  423. 石田博英

    石田(博)委員 査定が終了して書類が大藏省の方に出てくれば拂われるのですか。
  424. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。書類が管理局長のお手許にまわれば、もう非常に早く支拂いを受けていたと思います。
  425. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると査定が遅れるということを大藏大臣のところにお頼みに行かれるというのは筋が違いはしませんか。
  426. 竹中錬一

    竹中証人 それはわれわれとしては書類はもうまわつておると思つておるものですから、そこで止まつておると今まで了解していたわけです。
  427. 石田博英

    石田(博)委員 大藏大臣のところら行けば大藏大臣が管理局長へ話をして、書類さえきておればすぐ支拂えるのですから、支拂われないのは査定が済んでいないというわけですね。
  428. 竹中錬一

    竹中証人 その支拂いまでの大体の順序を申し上げますと、まず現場で査定を行つて、その次に都道府縣で査定を行う。最後に建設院で査定をする。それでわれわれは支拂いを受ける。こう心得ていたわけです。ところがその後大藏省の財務局でも査定をやるということになつて、大藏省の査定が非常に遅れるということで、その栗栖さんのところに参りましたときにも、もちろん支拂い促進方という言葉の中にはその査定も一應建設院で済んでいるのだから、再びそれを大藏省でやる必要もないのじやないかというようなことを申し上げたわけです。
  429. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると栗栖さんにあなたがお会いになつて期待されたのはどういうことですか。
  430. 竹中錬一

    竹中証人 それは査定を進捗させていただくことと同時に、そういつた書類の査定が終つたときには、支拂いを早くしてもらいたいということなのであります。
  431. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると主として事務的のことですね。
  432. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。非常に事務的のことです。
  433. 石田博英

    石田(博)委員 査定を促進してもらうということと、たとえば建設院で査定して大藏省で査定するという二重の手間を省いてもらいたいということは、何もあなたのところだけに限つたことじやありませんね。
  434. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  435. 石田博英

    石田(博)委員 そうするとあなたがわざわざおいでになる問題じやない。
  436. 竹中錬一

    竹中証人 私たちとしては滯納々々で責められまして、どうしても支拂わなければならない。それには政府支拂いを促進してもらわなければならない。こういうことを申し上げたわけです。
  437. 石田博英

    石田(博)委員 それを特に大藏大臣のところまで行かれるのはあなた自身というよりも、竹中藤右衞門氏の御見解として交渉に当られるべきものですね。もし会社の問題であるとすれば、それは單に事務的の問題になるのであつて、建設院で済んでおるか、財産局が済んでおるかということは事務的にすぐわかると思います。
  438. 竹中錬一

    竹中証人 ですからそのときには私たちとしては、ただこの税金支拂うためには政府支拂いを促進してもらいたいということだけを申し上げたのです。今そういうふうにおつしやると私のしたことが非常に潜越だというか……。
  439. 石田博英

    石田(博)委員 そうではありませんが、あなたの目的を達成するためならば、むしろ事務的な点をお衝きになつた方が適当ではないか。それをいきなり大藏大臣のところにおいでになつたのは、大藏大臣に何を期待されたか。
  440. 竹中錬一

    竹中証人 それは結局支拂いを促進してもらいたいという……。
  441. 石田博英

    石田(博)委員 それは一般的な問題ですね。
  442. 竹中錬一

    竹中証人 それは結局私の方の精算書もまわつているのだから、その支拂いを促進してもらわないと税金は納められないということを申し上げたわけです。
  443. 石田博英

    石田(博)委員 精算書がまわれば、今までの慣例としては、すぐ拂われたでしよう。まわつておればすぐ拂われる慣例だから、あらためて大藏大臣にお会いになる必要はない。
  444. 竹中錬一

    竹中証人 しかし行つたら、われわれとしては一應滯納で責められておりましたから、多少でもそういうことを申し上げれば……。
  445. 石田博英

    石田(博)委員 政治的の考慮を拂つてもらえるという期待ですね。それから次にお伺いしたいことは……。
  446. 竹中錬一

    竹中証人 ちよつと待つてください。今政治的に考慮させるだろうというお話がありましたが、しかし私自身そのとき会つた心境は決してそういうことではありません。やはり事務的に促進してもらう方法があるのじやないかというのでお伺いしたわけです。
  447. 石田博英

    石田(博)委員 人の心の中を、しかも過ぎ去つたときの人の心の中を遠眼鏡でながめるわけにはいきません。ただ私どもとしますと、事務的に解釈される問題ならば、わざわざ大藏大臣業者の問題について事務的に取計らうわけにもいかぬでしようから、事務的な問題なら事務的なところに行かれるのが適当な問題だろう、私どもこう思います。しかし、どうこれをお考えになつたかということは別問題です。  それから、日本建設工業会というのは、業者親睦團体だとおつしやいましたが、あなたが四十万円政党献金として出されるときには、その斡旋をした人は日本建設工業会というものを基礎において、その会員を対象として、その会員の中の、あなたたらあなたのところにもつてきたというようにはお感じになりませんか。
  448. 竹中錬一

    竹中証人 私はそのようには感じておりません。
  449. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 年末の差押えですね、これによつて少し御迷惑になつたのでしようね。
  450. 竹中錬一

    竹中証人 非常に迷惑でありましう。
  451. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それでは当時の栗栖藏相があなたの方の差押え関係を聞いて非常に興奮せられて、長沼局理局長を叱責されたというようなことが証言の上に現われているのですが、なぜ栗栖前藏相がそれほど興奮されたか、原因はおわかりになりませんか。
  452. 竹中錬一

    竹中証人 わかりません。
  453. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 非常にお困りになつたのですから、これをあなたの方の店員といいますか、社員に任さずに、上級幹部の方でも相当これの対策は講ぜられたことは間違いないでしようね。
  454. 竹中錬一

    竹中証人 しかし、ほとんど私自身でそれを考えておりました。
  455. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 あなた自身で考えて、ほかの者は一つも考えていないというのですか。
  456. 竹中錬一

    竹中証人 私たちの会社は、どちらかといえば非常に個人色が強くて、殊に今申し上げましたように、役員はすべて職員の上級の者が役員になつております。從つてそういう重要な問題のときに、ほとんど私一人が考える。だから一般の株式会社の場合とその点は大分違つているように思います。
  457. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それなら少しも御相談にならなかつたわけですね。そうしてほかの幹部もその点については何も斡旋も奔走もしなかつたというのですか。
  458. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。重役はいたしませんでした。ただ経理部長が直接北税務署長と交渉いたしておりました。
  459. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 栗栖さんが興奮せられたというのはどういうわけかわかりませんか。
  460. 竹中錬一

    竹中証人 わかりません。
  461. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 これはあなた個人の方の政府支拂金の滯納については重大関係があるから、むろん大藏大臣にただいま言われたように政治的にしろ事務的にしろ交渉される必要があつたのでしようが、この五千万円の差押えもあなたの言われるように、いろいろ從來の証言に徴しますと、年末に際して請負業者なんかも非常に困つておるという状態だから、その五千万円の差押えについては、この政府支拂促進運動をせられるよりも、より熱心な目前の焦眉の急として迫つておる問題ですから、運動せられるはずですが、そういうことを少しもせられなかつたのですか、この莫とした支拂促進運動よりも、差押えを受けて下請支拂いするに困る、この冬を越されなかつた竹中は速産するということが、從來の証言に表われておる。それほど重大なことに対して、なぜ栗栖大臣に会われたあなたが、自分一人が考えておられて、この重大問題に対して栗栖さんにも言わないで、一社員をして一税務署長のごときを相手に任しておられたのか。
  462. 竹中錬一

    竹中証人 その点私の言葉が足りませんが、現場は現場で促進運動をするし、また都に対しては都に対してやりますし、建設院に対しては建設院に、それぞれみんな專任交渉していたわけです。
  463. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 解除の理由ですが、解除の理由は先ほどあまり詳しいことは御存じないような御証言だつたが、差押えをしたにもかかわらず、急遽一週間足らずで解除したという事実、これに対しては全額ではなしに半額つたということに対しては、もつと何かほかに理由があるのですか。
  464. 竹中錬一

    竹中証人 いいえ、それは先ほど申し上げたように、年末に半分納めて、なお一月に残余を拂うのだというので解除を受けたのだ、こういうふうに係りの方から聽いております。
  465. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 その点半額支拂いということは、最初差押えしない前からそのくらいの交渉はあつたわけでしよう。
  466. 竹中錬一

    竹中証人 いいえ、私たちはそういう半額のものでさえ年末に拂えるとは思わなかつたのです。
  467. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 なぜ。
  468. 竹中錬一

    竹中証人 それはどういうふうに政府支拂いが受けられるか、われわれの請求しておるものが全袋拂われるものか、その中の何%を拂つていただけるか、見透しがつかないものですから……。
  469. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それならば半額支拂い得るという状態になつたから……。
  470. 竹中錬一

    竹中証人 それは結局経理部長が一番よく知つておると思います。要するに経理部長から、二千五百万円だけは年末に拂えるようになるらしい、こういうことを聽いたわけです。
  471. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それはいつごろ聽かれたのですか。
  472. 竹中錬一

    竹中証人 日附は覚えておりません。
  473. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 およそ差押えられてから解除になるまでのとき、差押えの前日くらいか、翌日くらいか、もしくはその中間くらいか。
  474. 竹中錬一

    竹中証人 私は確とは覚えておりませんが、二十日前後だろうと思います。
  475. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それでいつどの税務署へどういうふうな交渉をせられたかというような詳しいことの報告はないのですか。
  476. 竹中錬一

    竹中証人 これは私ただ口頭でときどき経理部長から聽いただけです。
  477. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 その経過をどういうふうに聽いておりますか。
  478. 竹中錬一

    竹中証人 その経過は私はよく…。
  479. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 よほど重大問題だから記憶がないはずはないし、殊にこの問題は新聞、雜誌にも掲げられて、あなたの方の店としても非常に信用を害されて迷惑をされておると思つている。だから名誉毀損なり何なり、法的手段をとられる方法でいろいろ名誉回復の方法があるのですから、それをとられることも可能であつたし、またそういうことから関連していろいろ実情を調べられるはずですから、どういうふうに交渉して、どういうふうな経過によつて解除になつたかというようなことは、責任者のあなたが社員から詳細聽取せられていないはずはないと思うのですが、いかがですか。
  480. 竹中錬一

    竹中証人 だからそれは先ほどから申し上げているように、経理部長からは聽いているわけなんです。
  481. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 だから私が質問したように、どこの税務署の署長の所へだれがいつ行つたとか、そのほかの陳情の方の経過、そういうものを詳しく伺いたい。
  482. 竹中錬一

    竹中証人 いかにも御不審の点はもつともですけれども、私自身はたえず大阪東京を往復している。その合い間に経理部長を呼んでは、経過はどうなつているか……。
  483. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 いや、あなたの御証言によつて不審かどうかがわかるのです。その不審の点を明らかにするために……。
  484. 竹中錬一

    竹中証人 いや、その経過を社長たる私がなぜ詳しく知らないか……。
  485. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 知らないのですか。
  486. 竹中錬一

    竹中証人 私は詳しく知らないのでございます。
  487. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 どの署長へだれが行つて、何遍交渉して、その返事がどうであつて……。
  488. 竹中錬一

    竹中証人 そういつた事務的なことは私あまり詳しく知りません。
  489. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 事務的じやない。その解けになるかどうかは竹中興廃の重大問題でしよう。事務的な問題じやない。今の点は重要な点なんです。ですからひとつその点を記憶を呼び起して……。
  490. 竹中錬一

    竹中証人 そのことは経理部長が詳しく存じておりますから、どうぞ経理部長からお聽きください。
  491. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 経理部長からはまた聽きますが、あなたから直接にわれわれは聽きたい。それは一つは、あなたの証言の信憑力にも関係する。もうわかりきつたことまでうそを言う人だつたら、全体としてうそを言う人だと私は信ずる。それからこの人は正直だということは聽いておつてわかる。だからわかりきつたことでもわれわれの得心のいくように……。
  492. 竹中錬一

    竹中証人 それではもう少し細かく割つて質問していただきます。そうすれば細かく御説明いたします。
  493. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それならばこう言いましよう。北区の税務署長の所へだれが何回交渉に行つて、その交渉の結果の報告がその都度……。
  494. 竹中錬一

    竹中証人 しかし経理部長由良というのは、北税務署へはほとんど毎日のように行つておりました。あなたがおつしやる通り非常に重大なことでありますから、ほとんど毎日行つておりました。
  495. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 その毎日行くほど重大なことですから、毎日報告を受けて、刻々情勢の変化、ないしは署長がこう言つた、翌日はこう言つた、その次の日はこう言つたというふうに御告されて、あなたも、一喜一憂というか、そういうふうな氣持になられたに違いないと思うのですが……。
  496. 竹中錬一

    竹中証人 私どもの組織もそうしなければいけないと思いますが、事実はそのように報告は受けておらないのでございます。また私がそういうふうに一喜一憂しますと、とてもそれはからだがもちません。(笑声)
  497. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 これは委員諸君も非常に不眞面目だと思うけれども、今の言葉のごときはもつてのほかだと思う。人間の一人の命も大切だけれども、身はもてないかも知れないが、しかしそれでは竹中工務店という大きな店の責任を負われることはできない。それは一個のあなたの問題でなくして、全社員の問題であり、日本土建界の問題であり、日本産業界の問題であるのだから、その竹中工務店が破綻するかしないか、その興廃に関することについて、どのくらいの病氣つたか、どのくらいの病症だつたかわからないけれども、毎日その重大なことの報告を受け得られないほどの私は無責任の方とは思わない。今のお言葉のごときは言葉の綾としてはおもしろいかもしれないが、はなはだこの委員会に侮辱し、自分自身を偽わつておると言わざるを得ない。証言はもつとはつきり言つていただきたい。たとえば私は具体的にこういうお問いをしたい。差押え解除になりそうな曙光を認め得るようになつたのは、交渉し出して、経理部長が毎日々々北税務署に日参して、何日目くらいにこれは妥協がつきそうだという見透しがつくようになりましたか。たとえば差押え解除の前の日か前々日か、そのまた前の日か、およそどのくらいの日にこれは解除になるかというので、ほつとした氣持になつたか。竹中の破減が救われたという感じがしたのはいつごろですか。
  498. 竹中錬一

    竹中証人 私は解除になつてからほつとした。
  499. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 これ以上は追及しても何ですが、もう一点聽きたいと思います。証人が藏相官邸へ行つたときには、藏相以外にはだれとも会わなかつたということですが、お父さんでも行かれたときに、長沼局長をその席に呼んだというようなことを御存じないですか。
  500. 竹中錬一

    竹中証人 私は聽いておりません。
  501. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 大体あなたのところが日本の政治界を毒しておるということは、新聞雜誌に盛んに書立てられておるのですが、そのことに対して何か釈明でもせられるとか何とかいうことで、この問題について日本の政界の淨化のためとか、あなたの方の名誉のためとかいうことで、具体的の関係をお調べになつたりお聽きになつことはありませんか。
  502. 竹中錬一

    竹中証人 ありません。
  503. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 ないとすればはなはだ日本人として私どもは遺憾だと思う。たくさんの雜誌に皆あなたの方の名前が出ておる。それに対してその眞相を自分が知らなければ、知ろうという努力をしてもらうことが、日本再建のために、あなた方財界の指財者のとるべき態度だと思うのだが、おとりになつていないとすれば……。
  504. 竹中錬一

    竹中証人 いかにもごもつともで、從つて私はこの席で質問することを許されるならば、一体何を理由にしてかようなことを皆さんがお聽きになるのか、とくとそれをお聽きしたいと思つております。その論拠を明かにしていただきたいと思います。單に新聞とか雜誌にあるきわめて無責任なるものをとらえて、こういう席へわれわれを呼び出すんだということならば、私は抗議を申込みたいと思つております。
  505. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 私は新聞社の関係じやないから、私からこういうことを言うのは筋違いかもしれませんけれども、しかし日本の現在おかれておる情勢、それから新聞紙のもつておる公的使命からいつて、あなたの申されたことは新聞社に対して非常な侮辱だと思う。新聞雜誌の印事を單なるということは……。
  506. 武藤運十郎

    武藤委員長 議論はごもつともですが……。
  507. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 では一言だけ……。要するに新聞雜誌は無根のことはそう報道しない。また報道した場合は名誉毀損で罰せられることになつておる。新聞雜誌の記事は社会的に及ばす影響が甚大なんだから、この新聞記事を單なる新聞記事とか何とか言われることは、私ははなはだとるべからざる態度だと思う。そんならそういうふうな氣持でうつちやらかして、この眞相をあなたの方で積極的にお調べになつていないということになるのですね。
  508. 竹中錬一

    竹中証人 私は新聞社に対しては何も発言しておりませんが……。
  509. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 新聞社じやない、事実を調べたか調べないかということなんだ。
  510. 竹中錬一

    竹中証人 調べようがありません。
  511. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 内輪の者からいろいろな事情を聽かなかつたかということなんだ。
  512. 竹中錬一

    竹中証人 内輪の者からも聽きませんでした。
  513. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 たとえば差押え解除の問題のごときも、新聞雜誌に出ておるのは、実際のいきさつはどうかということです。
  514. 竹中錬一

    竹中証人 だからこの問題の眞相は、私たちを知つておる人たちは、そんなことは事実無根である。
  515. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 知らぬ者が大分あるから……。もうよろしうございます。
  516. 辻寛一

    ○辻委員 栗栖さんに政府支拂の陳情をなさつたときには、すでにもう差押えはされておつたのでありますか。あなたは御存じなかつたと今言われましたが、それならばその陳情においでになる直前におきましては、いよいよ差押えの時機が切迫した。雲行が危しくなつたということを直感して陳情なさつたものか。
  517. 竹中錬一

    竹中証人 はい、私は直感はしておりました。
  518. 辻寛一

    ○辻委員 いよいよ差押えの時機が迫つたと直感して栗栖さんに会われた。そうすると栗栖さんに陳情せられたときは、政府支拂の促進によつてカバーすることがとうていできんという時機に切迫しておつたということは事実でありますか。
  519. 竹中錬一

    竹中証人 はい。
  520. 辻寛一

    ○辻委員 そうすればともかく一應の差押えはやむを得ぬということは、栗栖さんにお会いになつたときには覚悟されておつたわけですね。
  521. 竹中錬一

    竹中証人 差押えを免れるということですか。
  522. 辻寛一

    ○辻委員 そうです。
  523. 竹中錬一

    竹中証人 まだしかしそこまでは考えておりません。
  524. 辻寛一

    ○辻委員 それでは少しでも早くその政府支拂をしてもらつて差押え解除してもらう。こういう考えだつたのですか。差押えということは当然覚悟されておるわけでありますか。その場合に先ほどからのお話を伺いますと、差押えという問題については、全然触れなかつたというようなあなたのお話つたから、ただ政府支拂いの促進ということだけをお話になつたというような御所見でありますが、どうもわれわれの考えるのは、そうした直前に迫つておるわけでありますから、当然この差押えという問題につきまして、やはり栗栖さんに何らかのお話があつたように察し得られますが、先ほどの御証言通り、全然差押えの問題についてはお触れになつておりませんでしたか、重ねてしかと承つておきたい。
  525. 竹中錬一

    竹中証人 触れておりません。
  526. 辻寛一

    ○辻委員 毎日々々北税務署にだれがいつたのですか。
  527. 竹中錬一

    竹中証人 こんどここに出てまいります由良経理部長が行きました。
  528. 辻寛一

    ○辻委員 相手方は……。
  529. 竹中錬一

    竹中証人 吉國税務署長です。
  530. 辻寛一

    ○辻委員 大概毎日税務署長だけ、財務局長なんかに会つておらないのですか。
  531. 竹中錬一

    竹中証人 由良は財務局を存じ上げておりません。
  532. 辻寛一

    ○辻委員 署長だけとしか話しておらないのですか。
  533. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  534. 武藤運十郎

    武藤委員長 さつき私聽き落しましたけれども、小切手の預金名義はあなたですか、会社ですか。
  535. 竹中錬一

    竹中証人 会社です。
  536. 武藤運十郎

    武藤委員長 会社で、代表はあなたになつているのですか。
  537. 竹中錬一

    竹中証人 そうです。
  538. 武藤運十郎

    武藤委員長 銀行はどこですか。四十万円の小切手は……
  539. 竹中錬一

    竹中証人 それはどこの銀行でしたか、三菱だつたかと思いますが、今記憶しておりません。
  540. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはお調べになつてわかりますね。
  541. 竹中錬一

    竹中証人 わかります。
  542. 武藤運十郎

    武藤委員長 お調べになりまして、名簿内訳などと一緒にお届けを願いたいと思います。それから佐藤正樹さんは東京の店でよろしうございますか。
  543. 竹中錬一

    竹中証人 よろしうございます。
  544. 武藤運十郎

    武藤委員長 住所はおわかりですか。
  545. 竹中錬一

    竹中証人 鵠沼におります。
  546. 武藤運十郎

    武藤委員長 東京の店でも届きますね。
  547. 竹中錬一

    竹中証人 届きます。
  548. 武藤運十郎

    武藤委員長 ちよつと店の住所を伺つておきましよう。
  549. 竹中錬一

    竹中証人 大手町六丁目一番地です。
  550. 武藤運十郎

    武藤委員長 青柳さんは大阪の店でよろしゆうございますね。
  551. 竹中錬一

    竹中証人 よろしゆうございます。
  552. 武藤運十郎

    武藤委員長 名前は何と言いますか。
  553. 竹中錬一

    竹中証人 貞世と言います。
  554. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつと意見があるのですが、どうも証人の方に聽いておるときに、きのう來た証人とか、前の証人の言つた言葉を引用して、前の何証人はこうこういうことを言つておるがどうかというようなお言葉が、事実聽いておると速記録と違つた意味にとれるような委員の発言がある。前の証人がこう言つたというようなことを引用して質問する場合には、ぜひ嚴正に速記録を手に持つて誤りのないように、前証人の意思がそのまま出頭証人に傳えられるようにしないと、取調べられる方で大変困つたことになるのではないか。われわれが聽いていて、これでは不公正だという感じがいたしましたから、ぜひ今後はそういうふうにやつてもらいたいと思います。
  555. 武藤運十郎

    武藤委員長 御意見として承つておきます。     —————————————
  556. 武藤運十郎

    武藤委員長 由良基夫さんですね。
  557. 由良基夫

    由良証人 はい。
  558. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなたは竹中工務店経理部長であつて、かつ取締役でありますか。
  559. 由良基夫

    由良証人 監査役であります。
  560. 武藤運十郎

    武藤委員長 監査役であつて経理部長をしておられるのですね。
  561. 由良基夫

    由良証人 はい。
  562. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろから経理部長をしておられますか。
  563. 由良基夫

    由良証人 昭和二十一年八月からです。
  564. 武藤運十郎

    武藤委員長 監査役も同樣でありますか。
  565. 由良基夫

    由良証人 監査役になつたのは二十一年二月だつたと思います。
  566. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年十二月中に約五千万円の滯納税金竹中工務店にできまして、それについて東京の麹町税務署から、東京都に対する債権の差押えを受けた事実がございますね。
  567. 由良基夫

    由良証人 ございます。
  568. 武藤運十郎

    武藤委員長 それが十二月の二十四日に解除になつたようですが、差押えから解除に至るまでの経緯を簡單に述べてください。
  569. 由良基夫

    由良証人 これは昨年の四月ごろに決定いたしました税金で、たしか四月の十五日が期限であつたと思いますが、当時われわれのいたしております政府工事支拂がありませんので、立替が非常に多く、從つてその税金を拂うことができませんでした。その後税務署から早く納めよという督促を受けました。いかにも政府支拂いというものがいろいろ関係の方々の御努力御盡力もあつたようでありますが、思うようにまいりませんで、やはり支拂いが遅れておりました。そういう関係でどうしても拂えないということで延ばしておりましたが、だんだん滯納ということが非常に世間でもやかましくなつて、どうしても拂うことができなければ差押えをしなければいけないという、ついに私の方でも支拂いの見透しがつきませんので、これは東京都のわれわれの工事の取下金を差押えるということになつて、十二月の初旬に差押えられたのであります。その当時われわれとしては、滯納税金に該当するだけの都の工事の取下金を押えていただくつもりでおりましたが、いろいろ手続の関係上それでは困るということで、差押えのときには東京都から引受けている全体の工事について差押えをされたのであります。そういたしまして年末に迫りましてから、政府がこの際臨時措置によつて支拂いをしようということが明かになりましたので、われわれはその取下金を全部差押えられては営業資金に困りますので、そのうちの一部は営業資金にまわし、他の部分はこれを税金に充てるというふうにわれわれの方で考えておりましたところが、東京の方では、どうもそうでないらしい、差押えられた以上は税金を完納するまでは全部それを税として取上げるので、それに満たない場合には竹中が営業資金に困ろうが、それはしかたのないことであるというような意向を東京の店から、たしか電話で通知がありました。ちようど私も月末に東京に行く用事がありましたので、ただちに東京に参りまして麹町税務署に伺い、都から取下を受けるものを全部差押えられては年末の工事支拂金に差支える。工事支拂金の中には労務者の賃金もはいつておる。かつ前月の十一月には臨時措置の金があるにはありましたが、それはほんの僅かでありまして、それがために前月の工事費の支拂いの保留分も含んでおります。この年末を控えて前月の保留分と、それから今月税金に全部納めてしまえば、支拂いができない。それまで下請者が立替える能力はとてもないということは、われわれの方で明かでありましたので、こういうことがもし実現すれば、われわれは下請に対して信用を失うばかりでなしに、その使つている労務者の生活問題にも関係する、大きく申せば一種の社会問題を起しはせぬか、むろんわれわれの会社の信用というものは地に落ちてしまう、非常な重大問題であると思いましたので、東京へ参りますとただちに麹町税務署へ伺いまして、その事情を申し上げたのでありますが、何分にも麹町税務署の方は大阪北税務署から差押えの委託を受けているのであるから、われわのの方では委託を受けた通りに実行するよりほかに事務上扱いようがない、事情はよくわかるが、手続上そういうことはとうていできないことだ、これはひとの北税務署差押え解除するならば、われわれの方はその通知を受ければ解除するばかりだ、しかしわれわれ委託を受けている税務署としては、そういうことはできないのだというお話を伺いましたので、また大阪へ引返しまして、北税務署へ参りまして、前申し上げましたような東京における事情をるる御説明申し上げました。その代りにわれわれは誓つて、この取上げをしましたときに十二月には二千五百万円、残額は一月中にお拂いしますという誓約書を入れますからとお願いしましたところが、われわれの願いが容れられまして、差押え解除という書面を、これは郵送するのだそうでありますが、何分にも年末押迫つておるのでありますから、それを私の方に頂戴しまして、社員がただちに東京に参りまして、その翌日の二十四日に解除されたのであります。
  570. 武藤運十郎

    武藤委員長 持つてつた社員はだれですか。
  571. 由良基夫

    由良証人 それは経理部の有田という、私の下に使つている者であります。
  572. 武藤運十郎

    武藤委員長 一人で行きましたか。
  573. 由良基夫

    由良証人 一人で参りました。
  574. 武藤運十郎

    武藤委員長 それからその差押え解除の間に栗栖前大藏大臣大阪に行まれたようですけれども、何か同大臣に会つて解除してもらいたいというような話をしたことはないのですか。
  575. 由良基夫

    由良証人 栗栖大藏大臣にはお目にかかつたことはありません。從つてお話したこともございません。
  576. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなただけではなしに、社の者だれもありませんか。
  577. 由良基夫

    由良証人 それはないと思います。
  578. 武藤運十郎

    武藤委員長 年末と年始に拂つた金はどういう金ですか。
  579. 由良基夫

    由良証人 年末に拂いました金は、大体都から取下げる金の中で八百万円は納税しようということにそのときに計算をしておりました金であります。それをさらに二百万円下請支拂いをそれだけ押えて一千万円にしました。それからあとは借入金一千五百万円、合計二千五百万円を納めました。
  580. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから年の初めの分は。
  581. 由良基夫

    由良証人 それは東京支店から千万円送つてまいりました。あとは京阪神の支店事業資金を集めまして、納税いたしました。
  582. 武藤運十郎

    武藤委員長 別の問題ですけれども、日本建設工業会というのがございましたね。
  583. 由良基夫

    由良証人 あります。
  584. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは閉鎖機関に指定されましたか。
  585. 由良基夫

    由良証人 はい。
  586. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは土建業者が集まつてつくつている会ですか。
  587. 由良基夫

    由良証人 そうでございます。
  588. 武藤運十郎

    武藤委員長 何をすることを目的としておるのですか。
  589. 由良基夫

    由良証人 私も規約の詳しいことはわかりませんが、これまで聞いておるところでは、土建業者の向上進歩をはかるための会でないかと思つております。
  590. 武藤運十郎

    武藤委員長 昨年の総選挙の前に、鉄道工業会專務飯田清太という人が奔走して、自由党、進歩党、社会党の三党に政治献金をしようじやないかということで、あなた方も四十万円寄附をされたそうですが、その通りですか。
  591. 由良基夫

    由良証人 そういうことは私は記憶にございません。寄附金も非常にいろいろと数が多うございますから、そういうようなものは今のところ私の記憶にはございません。
  592. 武藤運十郎

    武藤委員長 先ほど竹中錬一氏の話によると、四十万円寄附をして、会社の金で帳簿にも載つているという話だたけれども……。
  593. 由良基夫

    由良証人 寄附金であれば、私は始終大阪におるものですから、東京の方でそういうものを扱つたかもわかりませんが、それは調べればわかることだと思います。
  594. 武藤運十郎

    武藤委員長 寄附金というものは非常に多いのですか。
  595. 由良基夫

    由良証人 いろいろとあります。
  596. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体年にどれくらいあるのですか。
  597. 由良基夫

    由良証人 はつきりした数字は記憶がございません。
  598. 武藤運十郎

    武藤委員長 ごく大ざつぱなところで……。
  599. 由良基夫

    由良証人 一年間に五六十万円はあるんじやないかと思います。これはときよつて違いますけれども、昨年度なんかから考えてみますと、五六十万円ぐらいじやないかと思います。
  600. 武藤運十郎

    武藤委員長 たとえば学校の寄附とか、いろいろなものですね。
  601. 由良基夫

    由良証人 そうです。業界の團体とか、そういつたものです。
  602. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体あなたの会社くらいになると、寄附というのも予算を立てておくのじやないですか。
  603. 由良基夫

    由良証人 立てておりません。
  604. 武藤運十郎

    武藤委員長 そのときばつたりですか。
  605. 由良基夫

    由良証人 はい。
  606. 武藤運十郎

    武藤委員長 普通は五、六十万円。
  607. 由良基夫

    由良証人 一年間に大体そんなものじやないかと思います。
  608. 武藤運十郎

    武藤委員長 それじやこの寄附のことは御存じないのですね。
  609. 由良基夫

    由良証人 私は知りません。
  610. 武藤運十郎

    武藤委員長 話にも聞いておりませんか。
  611. 由良基夫

    由良証人 寄附のようなものは東京として扱つておるものですから、私の方では特にどの寄附だということを注意しておりません。
  612. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかに何か政治家なり政党なりの寄附ということはやはり知りませんか。
  613. 由良基夫

    由良証人 それは私の知つているところではありません。
  614. 武藤運十郎

    武藤委員長 今度の別の問題で、産業金融研究会というものを御存じありませんか。
  615. 由良基夫

    由良証人 知りません。
  616. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か栗栖氏を中心として財界の人が会をつくつているというのだが、あなたの方は入つておりませんか。
  617. 由良基夫

    由良証人 私の方は入つておりません。
  618. 武藤運十郎

    武藤委員長 西尾末廣という政治家を知つておりますか。
  619. 由良基夫

    由良証人 名前は伺つております。
  620. 武藤運十郎

    武藤委員長 この人の所へ藤田榮という代護士を通じてあなたの方から五十万円ずつ二回で百万円献金をしておるというようなことを言う者があるのですけれども、そういう事実がありますか。
  621. 由良基夫

    由良証人 そういう事実はまつたくありません。
  622. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねがございますか。
  623. 辻寛一

    ○辻委員 北野税務署へはこの差押えの問題について絶えずおいでになつたようなお話でございますが、これは差押えをされる直前でありまするか、もちろん差押えから解除まではしばしばおいでになつたでしようが、その直前に相当おいでになつたのですか。
  624. 由良基夫

    由良証人 差押えの直前にしばしばと言うほどではありませんが、行つております。
  625. 辻寛一

    ○辻委員 差押えをされてはたいへんなことになるというわけで、差押えをせぬようにとしう懇願でありましたか。
  626. 由良基夫

    由良証人 そういうことではありません。われわれは政府支拂が遅れておるためにどうしても拂うことができないのだ。できればわれわれが政府に対して持つておる債権━━税金というものは政府に対して納めなければならぬものであるから、これとの相殺ができませんかとお願いいたしました。しかしそれもできないということであつた。そういうようなことで伺つたことはあります。
  627. 辻寛一

    ○辻委員 差押えをされてからほとんどお百度を踏まれたというようなわけでありますか。ただ行つて頭を下げたつて始まらぬ話でありまして、そこには何らか解除される條件をその都度御提示になつたものだろうと思いますが。
  628. 由良基夫

    由良証人 差押えをされてからお百度を踏んだことはありません。それはわれわれは差押えられていても、都から取下げる金で一部は事業資金にまわし、一部は税金に納めることができるものだというふうに解釈しておつたのです。ところがそれが実際はそうじやないのだ。事務上そういうことはできないのだと聞いてわれわれは非常に驚いたわけなのです。それでは支店として営業ができない。またいろいろ労務者に問題とか信用とかいうことにも関係するのですから、それでは私は東京へ行つてお願いしたようなわけであります。
  629. 辻寛一

    ○辻委員 そうすると差押えをされてから当分支拂いの見込みは立たなかつたわけですか。
  630. 由良基夫

    由良証人 差押えされる以前においては、政府の臨時措置というものが出ませんために、それ以前の状況から見ましても、とうていこれは政府支拂いが遅れる、これはだめだということは言つておりました。
  631. 辻寛一

    ○辻委員 それだから年末になにがしかを入れるから差押えを待つてくれというようなところまではお話を進めるわけにはいかなかつたわけですか。
  632. 由良基夫

    由良証人 それは全然予想が立ちませんから、できないわけです。
  633. 辻寛一

    ○辻委員 そうすると年末にお入れになつたのは結局二千五百万円で、このうち一千万円は都の方から下つた金、要するに年末の特別支拂の分でしようが、これだけは臨時措置をとつてくれるということがきまつて、初めてそれだけわかつたわけなのですから、別に千五百万円は借入をされて入れておられるわけですね。そうすると少くともそうした都の方の臨時の支拂いがなくとも借入金の千五百万円程度は、最初から当然年末に入れることができたわけですね。そうすればその程度についてのお話合は——差押えは重大なる問題でありまして、あなたの方の浮沈に関するほどの問題であつたらしいから、年末に入れるからというお話合が差押えの前並びに差押えられてからも絶えず繰返されたのではないかと思いますが、いかがでありましようか。
  634. 由良基夫

    由良証人 いや、それはありません。
  635. 辻寛一

    ○辻委員 そういう支拂い條件については全然お話合はなかつたのですか。
  636. 由良基夫

    由良証人 ありません。
  637. 辻寛一

    ○辻委員 ただ政府支拂いが遅れておるから、その方の貸しとひとつ相殺ができぬか、こういうことの折衝を繰返しておられたに過ぎなかつたわけでありますか。
  638. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  639. 辻寛一

    ○辻委員 それではとても北野税務署だけではらちがあかぬ、これはやはり事務的の問題ではないから、どうしてもしかるべき方面へその件を進言して、その采配を仰がなければならぬ、こういう意味合において社長が大藏大臣に会うことになつたわけでありますか。
  640. 由良基夫

    由良証人 私はそういうことを頼んだことはありません。
  641. 辻寛一

    ○辻委員 社長が栗栖さんに会うということは、あなたとは全然お話合いがなかつたわけですか。
  642. 由良基夫

    由良証人 いつ上京していつお会いになつたかということは私記憶にありません。
  643. 辻寛一

    ○辻委員 税務署との折衝の状況は、きわめて重大な問題ですから、絶えずでないにしても、ときどき御報告になつておると思いますが。
  644. 由良基夫

    由良証人 それは報告しております。
  645. 辻寛一

    ○辻委員 社長が栗栖さんに会つて帰られてから、社長が栗栖さんに会われたときはまだ差押えをされていなかつたが、先ほどのお話によりば、近く差押えは免れまい、大分差押えの雲行きも怪しくなつた、こう言つておられたのですが、帰つてみると差押えをされておつた。これは一大事であるというので、そのときにあなたと何かお話合いが当然あつたであろうと思いますが、どんなふうなお話がございましたか。
  646. 由良基夫

    由良証人 それはちよつと記憶がありませんが、しかし差押えられて一大事だということよりも、われわれが一大事だと思つたのは、その差押えられたものは全部都の取下金で充当するまでは全部税の方へ流れてしまうのだということで、その一部を事業資金にできるというふうにわれわれ解釈しておつたが、それは事務上できないということを聽いてわれわれは一大事だと思つたのです。
  647. 辻寛一

    ○辻委員 あなたが東京税務署おいでになりましてそのことをお聽きになつたのはいつですか。
  648. 由良基夫

    由良証人 十二月の下旬、十八、九日ごろだと思います。
  649. 辻寛一

    ○辻委員 政府支拂の臨時措置があるということをはつきりお聽きになつたのはいつごろですか。
  650. 由良基夫

    由良証人 私は工事の取下げということに直接関係しておりませんけれども、大体中旬ころにそういう話が出たのではないかと思いますが、私の方に傳わつてきたのは、結局臨時措置があるが、しかしこれは全部押えられるのだということを、東京から電話がかかつてきたときに聽いたものですから、これはたいへんだ……。
  651. 辻寛一

    ○辻委員 東京税務署でそれを聽かれましてそれじやたいへんだというわけで十八、九日ごろあなたが上京されて、それから引返されまして、北野税務署との次の交渉によつてこういうことにきまつたのですか。
  652. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  653. 辻寛一

    ○辻委員 それから先ほどの献金の問題でありますが、あなたの方は大体一年を通じて五十万円から六十万円程度の寄附金というようなお話でありますが、先ほどの政党に出されました献金は、割当は四十万円ですね、これはあなたの方の一年の寄附金の総額を約九割を占めておるわれでありますが、経理部長としてこれだけのお金で出ておるということは、お氣づきになりませんでしたか。
  654. 由良基夫

    由良証人 それは氣がつきませんでした。
  655. 辻寛一

    ○辻委員 これはもちろんあなたも判を押されるわけでしようね。これは社長がお出しになつたそうですが、何百万円とあれば、寄附もずいぶんあるから、四十万円ぐらいわからないということになりますけれども総額が年を通じて五、六十万円。しかるに一口で四十万円ほどの寄附金が出ておるのですから、どうも経理部長として御存じがないとは思えない。実際に御存じなかつたわけでありますか。
  656. 由良基夫

    由良証人 それは寄附の口数が多いので……、それから私の方で一々判をついておりません。東京東京拂つておりますから、一應東京の方を調べます。
  657. 辻寛一

    ○辻委員 これは東京支店の方で……。
  658. 由良基夫

    由良証人 そうです。東京の方で出ておるわけです。本店の方はそれに與つておりません。
  659. 辻寛一

    ○辻委員 ただ総元締だけですね。
  660. 由良基夫

    由良証人 そうですね。われわれの方は各支店を統轄しておるものでありますから、東京で出したものは東京支店が出しておるわけであります。
  661. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほどのお話で、政府の立替がずいぶん多くなつて、それで税金が納められなくて関係の方にいろいろ御奔走を願つたが、遂に思うように行かなかつたというお話がありましたが、その関係の方々の御奔走の内容を伺いたい。
  662. 由良基夫

    由良証人 それはちよつと言葉が誤解を招きやすとい思いますが、非常にこの政府支拂が遅れるということで、これは私大阪にいて東京の状況を聞いた話ですが、実はその清算事務にたずさわつている人の手が足りないのだ、それで非常に書類がたまつておる、それではひとつわれわれの方からもお手傳いをいたしましようというようなことで、清水組がどこかり八階を借りて、そこで共同清算事務をやつたことがあります。そういうようなことを指したわけであります。
  663. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そういう事務的のことよりか、もつと政治的の折衝が相当あつたと思いますが、その点はお氣づきにならなかつたのですか。
  664. 由良基夫

    由良証人 そういうことは私は知りません。
  665. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこで、そのかいなく、いよいよ差押えということになつたのだが、いよいよ差押えがありそうだという話をいつごろからお聞きになりましたか。
  666. 由良基夫

    由良証人 ありそうだということは聞いておりませんが、しかしどうしても拂えなければ押えなければならぬということは、前から聞いておりました。はつきり記憶いたしませんが、一月ぐらい前から話があつたわけです。
  667. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 もつとずつて前じやないですか、去年の夏ごろじやないですか、もう押えるぞ押えるぞという話があつたのは……。
  668. 由良基夫

    由良証人 そんなことはありません。そのころにはまだ相殺してくださいということをお願いしておつた時期だと思います。
  669. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 八月にすでに北税務署から麹町税務署へ、差押えの委託があつたということは、お聞きになりませんでしたか。
  670. 由良基夫

    由良証人 それは何かそういう書類があつて、郵便物の手違いでできなかつたということを聞いております。
  671. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それはいつごろお聞きになりましたか。
  672. 由良基夫

    由良証人 いつごろ聞いたか、ちよつと記憶がございません。
  673. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのときに、まあ郵便でなくなつたからよかつたが、もし着いても、そんなことをやつてもらつては困りますと言いそうなものだが、そういうことは言われなかつたのですか。
  674. 由良基夫

    由良証人 私の立場としてどうしても拂えなければ押えられるということは、やむをえないのではないかと、そういうふうに感じておりました。
  675. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほどのお話では、麹町税務署へ十八日ごろ行つて、それから帰つて、二十日ごろになるが、二十四日にお帰になつたならば、どんなに早くても二十三日に……。
  676. 由良基夫

    由良証人 私は、たしか二十一日が日曜でしたので、二十二日の月曜日の夜立ちまして、二十三日朝大阪へ着きました。その日にただちに北税務署へ伺いまして、そうして、実は東京でこういうことで非常に困つているのだ、麹町の方へお話したところが、それは手続上どうもできないのだ、まあ北から指図があれば麹町はその指図に從つてやるわけだから、北の方へ行つてお願いしてごらんなさいということであつたから伺つたのですが、とにかくわれわれの方としては、取下金の全部を押えられるということになるとたいへんだから、この際ぜひ解除していただきたい、その代りにわれわれは誓約いたしますからということで、その日に解除の手続をしていただいたのです。その書類を社員が持つて東京へ参つたのです。
  677. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 はなはだ重大なことだが、われわれもそういう場面に出会つておりますが、一日でそういううまい話ができましたか。
  678. 由良基夫

    由良証人 できました。うまい話かどうか知りませんが、われわれにとつては眞劍な問題ですから。
  679. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこであなたの店員にその書類を渡すということはどういうことから……。
  680. 由良基夫

    由良証人 これは年末差迫つて、役所の方から通知をしていただいておつたのでは遅れる。私の方から使いを立ててもよろしいからいただきたいということで、差押解除の書類を——中は見ませんけれども、嚴封された解除の書類を頂載して、それをわれわれの社員が東京へもつてつたわけです。
  681. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それはまず第一番に、郵便じや遅くなるというなら、たれかひとつ持つてつてくださいと言うのが、私はほんとうだと思う。私のところへ頂載すれば私の方で持つていきますということは、ちよつと想像できぬことですが、どういう関係でそういうことが起つたのでしよう。
  682. 由良基夫

    由良証人 これは、それを私の方で持つてつて、早い麹町税務署を出して解除していただいて、年末事業資金を何とかしなければ、もう現に年末も押し詰まつておりますし、一日の猶予も許さなかつたわけです。
  683. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたの方の差迫つた事情はわかりますが、どうかひとつ郵便で送らずに、あなたの方からだれかに持たしてやつてくださいと言うのが原則だと思う。それは私が頂載していきます、私の方で持つていきます……。そういうことは不思議にたえない。
  684. 由良基夫

    由良証人 私は当時、これを早く持つていかなければいけないということで、それを頂載して帰るという以外には、別に考えは何も出なかつたわけです。
  685. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこで、何とおつしやいましたか、使いに行つた人は……。
  686. 由良基夫

    由良証人 有田といいます。私の下に使つている者です。
  687. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 有田は麹町税務署へ何と言つてつていきましたか。
  688. 由良基夫

    由良証人 それはわかりません。使いにやつたのですから……。
  689. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 税務署の者だと言つたのではないですか。
  690. 由良基夫

    由良証人 おそらく東京支店へ参りまして、東京支店の者がたれかついて一緒に行つたのではないかと思います。
  691. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それから、今聽かれたが、この寄附金は東京の洗で出せば、出したときはわからぬかしらんが、結局は、同じ店なんだから、あなたの方へ経理がまわつてくるのではありませんか。
  692. 由良基夫

    由良証人 書類として一括した一覽表が毎月まわつてまいりますが、われわれの方で目についたものは、一應わからないものは質問するというようになつておりますけれども、しかしそのときには、格別氣がつかなかつたわけです。
  693. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 四十万円の寄附金は、ただ寄附金と書してあるだけですか、どこそこへと書いてあるでしようね。
  694. 由良基夫

    由良証人 それは宛名が書いてあるはずだと思いますが……。
  695. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 覚えはなかつたと言われるが、さようにはわれわれは考えない。
  696. 由良基夫

    由良証人 その点どういうふうに支出されたかということは、私記憶がございませんので、調べてみてもよろしゆうございます。
  697. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 あなたのところに会計か何かの係りの人で、前に塩行におられた方がおられるのではありませんか。
  698. 由良基夫

    由良証人 そういう人はどういう地位にある人か知りませんが、私の知つている範囲ではありません。
  699. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 常務か何かで、西尾氏と非常に懇意な人があるという話ですが、それはだれですか。
  700. 由良基夫

    由良証人 それも知りません。
  701. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 全然知らないのですか。
  702. 由良基夫

    由良証人 全然知りません。
  703. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 知らぬと言われればしかたがないでしよう。
  704. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 きわめて簡單に御質問いたします。  先ほどお述べになつた中で、差押えを受けてからいろいろ心配をしてくれた人たち——解除のために奔走してくれた人たちの中で、清水組の八階かに共同事務所があるというのは、それはあなた方の同業者の方々が使つておる事務所ですか。
  705. 由良基夫

    由良証人 いいえ、そのときに臨時にその部屋が空いていたので借りたそうです。これは東京の伏ですから、聞いた話ですか、空いているものだからそこへ行つて、各組から應援者を出して、皆が協力して清算の促進をはかつたということを聞いております。
  706. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 各組から出したのですね。
  707. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  708. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 特にその方面に何か優れた経驗をもつような人にお頼みになつたのですか。
  709. 由良基夫

    由良証人 どういう種類の人が出たか私は知りませんが、とにかくそういうことで、お互いに協力して清算の促進をはかつたということを聞いております。
  710. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 私もきわめて簡單に御質問いたします。  そうすると、北税務署長に会われたのは、差押えの後何回ですか。
  711. 由良基夫

    由良証人 さあ、何回と言つたらよいか……。
  712. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 何回ぐらいですか。
  713. 由良基夫

    由良証人 回数もはつきり記憶しておりませんが、そう頻繁ではありません。一、二回ではないかと思います。
  714. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 一回か二回というのでは、頻繁ではないから覚えているはずですが、一回ですか、二回ですか。
  715. 由良基夫

    由良証人 頻繁には会つていませぬ。
  716. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 これは重要問題だから……。一回は東京へ帰られてからですね。
  717. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  718. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 その前に会われたか、会われないか、会われたとすれば何回ぐらいですか。
  719. 由良基夫

    由良証人 差押えをされてからですね。
  720. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 ええ。
  721. 由良基夫

    由良証人 一回か二回園つたか、会わないかくらいです。別に何も交渉はありませんでしたから。
  722. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そうですか。麹町の方はどうでしよう、あなたは何回ぐらい……。
  723. 由良基夫

    由良証人 麹町の方は十九日ごろ行つためですから、二回ぐらいお目にかかつております。
  724. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 ほかの人は……。あなたの社員で、麹町の税務署長に会わけた人があるかないか囲あるとすれば、何回ぐらい会われているか。
  725. 由良基夫

    由良証人 それは東京支店の人が行つたのですが、その人は私が行つて会つたときは一緒に行つたのですが、それ以外にもそれ前に一回会つていると思いますから、二度会つているわけですが、前に会つたときは、署長にお目にかかつたのでなく、鋼町税務署の庶務課長にでも園つたのではないかと思います。
  726. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 大体麹町署の方では何らの処分権限はなかつた差押え解除に対して考慮をする権限は麹町税務署にはないということになつてつたのですね。
  727. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  728. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それはたつた一回でわかることです。権限問題だから……。
  729. 由良基夫

    由良証人 それがわれわれそこまで詳しく知らないものですから、お願いすれば何とかなると思つて東京へ來た、これは何としても、われわれが希望しているように、全部差押えられては困る、一部は事業資金にやつてもらいたいということでした。
  730. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それはわかつているけれども、権限がないことは向うが最初に言つたのだから、権限問題ははつきりしているわけです。だから、一発のもとにそれは退却されなければならぬことだと思うのです。一蹴されたのだから、何回も行かなくてもいいじやないですか。
  731. 由良基夫

    由良証人 最初行つたときは署長にお目にかかれなかつたので、庶務課長にお目にかかつたのですが、二度目に行つたときに庶務課長に会つた
  732. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 権限がないとはつきりしたのはいつですか。
  733. 由良基夫

    由良証人 権限がないと言われたのは、最初だつたと思います。
  734. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 政府支拂の見透しがついたのは中旬ごろだと言われましたね。
  735. 由良基夫

    由良証人 私の方で聽いたのは、大阪で聽きました。
  736. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そうすると、北税務署長に最初陳情されたのは、すぐに解除することはどうもぐあいが惡いという返事だつたでしよう。
  737. 由良基夫

    由良証人 北の税務署ですか……。麹町じやないですか。
  738. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 北の税務署には一回も行つておらないのですか。
  739. 由良基夫

    由良証人 私は行つておりませんが、私の方の店の者が行つたと思つております。
  740. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 非常に重大な問題だから、重役が行くか、あなたが行くかするのが当然で、あなたの下の一社員が行つたのはどうかと思われますし、またこの点は速記録に明らかでありますように、税務署長、あなたの社長、それから今のあなたともまちまちで、皆うそを言われているようにしか考えられないのですが、そんならあなたが署長に会われたのは、一回だということになるのですか。先ほどは二回会われたように聽いたのですが……。
  741. 由良基夫

    由良証人 その前に会つたときには——差押えをされてから最初に会つたときには、そんな陳情というような問題でなかつたのです。
  742. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 会われたといつて、ただ何で会われたかを聽いているのじやないので、差押え解除問題について会つたのは何回くらいかと聽いているのですから、そういうことを言われると困る。まあそれはいたし方がありませんが、あなたの部下なり、たれかが陳情に行つたときに、署長はどういうふうにしたのですか。すぐに解除してやると返事したのか、解除しないという返事をしたのか。
  743. 由良基夫

    由良証人 それはどういう返事であつた——私はそのとき十九日に東京へ行つておりまして、会つておりませんから、わかりません。
  744. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 委員長、少し警告を発してもらいたい。あまりに事実を述べておらないように思います。  とにかく北の税務署長が、陳情に対して解除するという返事があつたのなら、東京あたりでも陳情されるはずはないですから、むろんすぐに解除するという返事がなかつたことは間違いないでしようね。それもわからないですか。
  745. 由良基夫

    由良証人 私は東京へ行つてつたのですが、すぐ解除するなどという返事はむろんなかつたと思います。
  746. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それが急に解除されることになつたのは、今の政府支拂の問題ですか、どういうわけで……。
  747. 由良基夫

    由良証人 それは私が東京から帰つてお願いしまして解除になつたのです。
  748. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そうすると、結局解除になつたのは、あなたが二十三日に税務署長に会われて誠実に吐露されて税得をして、効を奏して解除になつたという御証言になるわけですね。
  749. 由良基夫

    由良証人 私はそういうふうにお願いしたのです。
  750. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そうすると差押え当時の陳情と二十三日の陳情では、單に期日が迫つてきたのであなたの説得力と社員の方の説得力とが違つたという程度で、別段新しい條件ができて、さきには解かないが今度は解こうということになつたのとは違うわけですね。
  751. 由良基夫

    由良証人 條件というのは結局誓約書を入れたというのが條件で、ほかにはございません。
  752. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 誓約書はいつでも入れられるのでしよう。初めに誓約書を入れられぬということを言つたのではないのでしよう。
  753. 由良基夫

    由良証人 最初はそういうことはありませんでした。
  754. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そういう話があつたら誓約書を入れられるつもりであつたのでしよう。
  755. 由良基夫

    由良証人 誓約書を入れますから、その代りにぜひ願いを容れていただきたいとお願いしたのです。
  756. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それはそうでしよう。誓約書の問題が最初から出たならば誓約書を入れられる御誠意はあつたのでしようね。北の税務署長に言わせると、あなたを日本一の善良な信用のおける人で、あなたの言葉を信じていろいろとした言われておる。それも速記録に明らかになつておる。それであなたが信用するに足る人かどうかということを押問答をした事実があるのです。きようの御証言をみると、あなたのような御証言をする人が代表的な善良なる人であるとすれば、日本人は何等國民であろうかと言いたくなるほどわれわれ悲観せざるを得ないのですが、とにかく署長はそう言つたのです。工事金の取下げがあつたときにその半額を入れろという話があつたときには、それに対しては誓約書を出されるだけの誠意はあつたわけでしよう。
  757. 由良基夫

    由良証人 それは要求されれば、むろん取下げがあつた場合にはということであればそれはあつたかもしれません。
  758. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 とにかくこれは何回か陳情がされておるにもかかわらず解除できなかつた。しかも突然二十三日に解除になつた。ところが栗栖藏相は二十一、二十二日に大阪に行かれた。その間に何か連絡があつて解除がなされたものであるという疑惧を抱いておる。だからその陳情の條件その他についと最初と後と変つたかどうかを確かめておる次第ですが、それならば大藏大臣が二十一、二日に行つて口をきかれたから解除になつたというような新しい事実もないのですね。
  759. 由良基夫

    由良証人 ございません。
  760. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 ほかにまた新しい事実もないのですね。当初とそう違つたような事実もないのですね。
  761. 由良基夫

    由良証人 変りありません。
  762. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 変りないのはあなたの説得力で解除になつたというふうに御陳述になるわけですね。
  763. 由良基夫

    由良証人 私みずからそういうことを言うのはおかしいですが……。
  764. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 結局あなたの頼まれた力でそうなつたということですね。
  765. 由良基夫

    由良証人 そうです。
  766. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 いずれあとから整理はしますが、いま一應委員会の権威のためにお確め願いたい。先ほど社長は毎日々々北の税務署長に陳情に行かして報告を受けておつたというようなことをはつきり申しております。それは速記録を見られたらわかるので、その内容を詳しく私が言つた場合、そういう事務的なことは一々覚えていないというふうな答弁にすぎなかつたのですが、毎日行かしたということは言われておる。こういう点も非常な食違いになつておりまするが、それらの点について今御訂正になる氣持があるかないか、もし記憶違いなら今のうちに御訂正願つておいた方がいいと思いますがいかがですか。それだけ委員長より確かめていただけばあとはよろしゆうございます。
  767. 武藤運十郎

    武藤委員長 今お述べになつたことはは間違いないですね。
  768. 由良基夫

    由良証人 間違いありません。
  769. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほど栗栖さんにあなたは会わぬと言われたが、栗栖さんは二十一、二十二日に大阪に行つてつたことは御存じですか。
  770. 由良基夫

    由良証人 新聞で知つておるのです。
  771. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 たれかあなたの方の関係者で会わなかつたのですか、あるいは前社長くらいが挨拶に行きそうなものですが、それはどうですか。
  772. 由良基夫

    由良証人 それは私全然知りません。
  773. 辻寛一

    ○辻委員 差押え解除は一日を爭うばかりでない、時間を爭うというような意味で、郵便では間に合わぬからわざわざ使者まで立てられた。それもお認めになつてつたわけです。そうすれば先ほど言われましたように、東京税務署へ來られたのは十八日か十九日です。十九日にいたしましてもそのことがわかりますれば、これはやはり北税務署に行かなければならぬということで、急遽引返して折衝をされるのがほんとうだろうと思う。またそのためにわざわざ東京へ出てこられた。しかもそれもただいま高橋君から申しましたように、政府支拂いが臨時措置で行われるということを中間に知られたならば、これは直接あなたが北税務署と御折衝あるのが至当で、わざわざ東京まで來なくてもわかるはずだと私は思う。おいでになつたにしましても、これはやはり北税務署でなければらちが明かぬということになれば、すぐとつて返さなければならぬはずだと私は思うのであります。日曜が中にあつたかどうか存じませんけれども、二十三日に初めて北税務署に行かれて、そこで一氣可成に解決できたというその日数の開きは、一体のつびきならぬこの事態の場合においてあなたはどういうことをしておられたわけですか。その間に北税務署において最後に一氣可成に解決できるというような工作が何か行われたのではないかということが想像される余地を残しておるわけでありますが、その間のあなたの東京におけるいろいろな御活動のほどを承ることができたらいいと思います。
  774. 由良基夫

    由良証人 それについて私の先ほどの言葉がちよつと言い足りなかつたかもしれませんが、麹町税務署へ行きましていろいろお話申し上げましたが、手続上解除はできないんだ、この上は北税務署から差押解除の指令をもらうか、さもなければこの際政府支拂のわくをもう少し拡げてもらつて、もう一遍支拂を増額していただくようなことをお願いしたらどうか。実はあのときに政府支拂が大体三千五、六百万円あるということを聽きましたが、それでは税金を満たすに足りません。ですから税金を満たしてなおかつ余分に出ればこれは解除になつて、その方は君の方の資金にはいるのだから、この際政府取下げをもう少しわくを拡げてもらつたらどうか。そのわくを拡げてもらうか、北税務署解除をもらうか、その二つしか途がありませんと言われたのです。当時の清算も年度末で終つておりまして、自分ではまつたくむりだと思つたのですけれども、一應税務署の方でそう言われるものですから、管理局へ参りましてお願いしてみたのですが、むろん年末で事務も終つておる、さらにその上に追加することは事務上とうてい困難だということで一蹴されて帰つてまいつたのであります。その返事をやはり署長の方へしなければいけないというので、二十一日が日曜だつたので、月曜日まで待つて麹町署長のところに行つて、実は伺つたけれどもこういうことで一蹴されましたと申し上げた。そうしたら、それじや北へ行つて解除してもらうよりほかに途がありませんと言われましたので、その晩私は大阪へ行つたのです。
  775. 辻寛一

    ○辻委員 そうしますと二十三日に北の税務署おいでになつてスムースに話ができたというその新しい條件というものは、結局政府支拂のわくを拡げてもらうという最後の頼みもどうにも都合がつかぬから、あなたの方にお願いするよりしようがない。こういう一つの新しい條件と申しまするか、そうした空氣ができて、それによつて北税務署長を納得せしめた。こういうことに相なるわけですか。
  776. 由良基夫

    由良証人 そういうことはそのときに言いませんでした。これは私の方ではとうていだめだと思つてつたのですけれども、せつかく麹町の方でそうおつしやつていただくのだから、一應私の方で話をしておかなければ相すまぬと思つてつたわけですから、われわれがそれをやつて、そしてだめだつたという結果を報告したのですから、大阪ではそういうことに対しては何にも触れなかつた
  777. 辻寛一

    ○辻委員 それにいたしましても、そこに日数にちよつと開きがあります。とにかく焦眉の急なのでありますから、政府のわくがとうていだめだろうということはあなた御存じでも、せつかく麹町税務署でそう言つてくれるから一應当つてみるという程度のことで、ただ差押え解除よりほかにないということは頭にたえずあつたわけなのですから、これはひとつすぐ北税務署と御折衝あるのが普通だと思うのですが、その間に相当の日数の開きがあるというのは、その間において何らかの工作が行われた。こういうふうに察し得られる。まあ偶然かは存じませんが、その二十一日、二十二日に栗栖さんが大阪に行つておるので、こういういろいろな……またそれが噂のもとになつておるわけでありますから、そういうことが重なり合いまして二十三日に一氣に話ができた。どうもこういうふうに解釈されるわけであります。その間のせつぱ詰つた間にとられた方法としましては、いかにも納得のできがたい悠長なやり方のようにわれわれには考えられるのです。
  778. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 管理局でいかないと言われたのは、政府支拂いのわくの拡大ですね。それが結局できなかつたのですか。
  779. 由良基夫

    由良証人 それはとても私むずかしいと思つたのですけれども、せつかくの話だから一應行つてということで伺つたのです。
  780. 武藤運十郎

    武藤委員長 ほかにございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  781. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。     —————————————
  782. 武藤運十郎

    武藤委員長 たいへんお待せいたしました。清水康雄さんですか。
  783. 清水康雄

    清水証人 はい。そうです。
  784. 武藤運十郎

    武藤委員長 伺いまけけれども、昨年の総選挙の際に、何か土建業者の主だつた者が相談をして、政党献金をしたような事実があるそうでありますけれども、あなたの方は幾らしましたか。
  785. 清水康雄

    清水証人 昨年、たしか四十万円と記憶しております。
  786. 武藤運十郎

    武藤委員長 いつごろですか。
  787. 清水康雄

    清水証人 選挙の前でございます。
  788. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かあなたのところとか、大林組とか、あるいは竹中組とか、幾人か集まつてそういう相談をしたのですか。
  789. 清水康雄

    清水証人 どうもだいぶ経ちますので、はつきり記憶しておりませんが、あの当時各方面から選挙につきましてわれわれの方にいろいろお話がありまして、一々それに應ずることもできませんし、そういうような話がいろいろのときに出まして、それではまとめて各党へ献金したらどうだろう、その方が、はなはだへんな言い方でありますが、われわれの負担としても少く済むという点で寄り寄り話をしたことがございます。
  790. 武藤運十郎

    武藤委員長 その話は主として東京でしたのですか。
  791. 清水康雄

    清水証人 東京でいたしました。
  792. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体集まつた諸君は。
  793. 清水康雄

    清水証人 よくいろいろな会合で集まるものですから、その席に集まつた方々の名前を今はつきり憶えておりません。またこういう重大なことでありますから、あまりはつきりしてない方々の名前を申し上げるのはいかがかと思います。
  794. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体そういう前提で、あるいは間違つておるかもしれない、思い出すままをというようなことで伺いましよう。
  795. 清水康雄

    清水証人 私と竹中藤右衞門氏……。
  796. 武藤運十郎

    武藤委員長 大林組は。
  797. 清水康雄

    清水証人 大林さんの方は東京の本田常務が出られたと思いますが、これもあまりはつきりいたしません。あとはあまりはつきりいたしません。
  798. 武藤運十郎

    武藤委員長 特にこの問題を相談するために集まつたという会合はないのですか。それとも何かついでがあつて、そのときに話が出たというのですか。
  799. 清水康雄

    清水証人 初めはついでのときに寄り寄り出たと思いますが、それについて相談のために集まつたことがあります。
  800. 武藤運十郎

    武藤委員長 どこに集まりましたか。ちようど一年前ですから、記憶はそう古くないと思いますが……。
  801. 清水康雄

    清水証人 われわれの業界では非常に会合が多いので、あまりはつきり記憶ははつきりいたしません。どつか、木挽町の竹葉あたりではなかつたかと思いますが、あまりはつきりいたしません。
  802. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体あなた方の集まる所はきまつているのではありませんか。
  803. 清水康雄

    清水証人 大体会合の場所はきまつております。
  804. 武藤運十郎

    武藤委員長 このときには木挽町の竹葉であつたかと思う?
  805. 清水康雄

    清水証人 たぶんそうじやないかと思います。これもあまりはつきりいたしません。
  806. 武藤運十郎

    武藤委員長 集まつたメンバーはいま伺つた竹中さん、大林さんも來たかもしれないというお話でしたけれども、大幾人くらい集まりましたか。名前は覚えておらくても……。
  807. 清水康雄

    清水証人 七、八人じやないでしようか。
  808. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではほんとうの頭株だけですね。
  809. 清水康雄

    清水証人 そうでございます。
  810. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこであちこちから大分いろいろなことを言つてこられるのでという話でありましたけれども、それはどういう意味ですか。各党から献金をせいという話をしてくるのですか、あるいは個人的に甲、乙、丙という者がやつてくれというふうに……。
  811. 清水康雄

    清水証人 個人的に知つておる方々がいろいろ應援を求めてこられる、そういう点でございます。結局あのころはわれわれの経営者といたしまして、非常に赤旗の大あらしの中にありまして、できれば大政党の中庸の政党が手をつないで今後の日本を建てていただきたい、そういう意味がありました。
  812. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうすると、政治家選挙資金でも心配してもらいたいということを、あちらこちらから言つてこられるが、一々それに應じておるとその煩にもたえないし、金額も從つてかさむというようなわけであるから、一括して献金をして、党の方から適当に割振つてもらえば一番ぐあいがいいからというような趣旨ですか。
  813. 清水康雄

    清水証人 はあ、それをつまり明らかに公にやりたいという氣持が非常に多かつたのです。
  814. 武藤運十郎

    武藤委員長 そこでこの金を集めることに奔走をした人があるのではないですが……。
  815. 清水康雄

    清水証人 実際に集める人はありました。
  816. 武藤運十郎

    武藤委員長 だれですか。
  817. 清水康雄

    清水証人 これは鉄道工業の飯田專務であります。
  818. 武藤運十郎

    武藤委員長 鉄道工業会專務飯田清太という人ですか。
  819. 清水康雄

  820. 武藤運十郎

    武藤委員長 鉄道工業会というのは、当時会長はだれですか。
  821. 清水康雄

  822. 武藤運十郎

    武藤委員長 この飯田清太という人がたいへん奔走をして、金を集めることにしたのですね。ほかの組がいくら出したかということは御存じありませんか。
  823. 清水康雄

    清水証人 よく存じません。
  824. 武藤運十郎

    武藤委員長 大体どのくらい仕める目標で、どのくらい集まつたのですか。
  825. 清水康雄

    清水証人 大体三百万余集まつたのぢやないかと存じます。
  826. 武藤運十郎

    武藤委員長 目標はどのくらい…。
  827. 清水康雄

    清水証人 目標は三百四、五十万集めようかというようなことだつたと思います。
  828. 武藤運十郎

    武藤委員長 七、八人の組で三百四、五十万くらい集めよう……。
  829. 清水康雄

    清水証人 その組に会つて相談をしたわけであります。
  830. 武藤運十郎

    武藤委員長 もつと多いのは多いのですか。数は……。
  831. 清水康雄

    清水証人 数は殖えております。
  832. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは飯田氏に聽けば一番よくわかるのですね。
  833. 清水康雄

    清水証人 はあ、飯田氏が一番よくわかります。
  834. 武藤運十郎

    武藤委員長 三百四、五十万円集める目標で始めて、三百万円くらい集まつたと思うという御趣旨ですね。
  835. 清水康雄

    清水証人 そうです。
  836. 武藤運十郎

    武藤委員長 この金はどの政党献金するということであつたのですか。
  837. 清水康雄

    清水証人 大体自由党と民主党と社会党。
  838. 武藤運十郎

    武藤委員長 この三大政党献金するというわけですね。
  839. 清水康雄

    清水証人 そうです。
  840. 武藤運十郎

    武藤委員長 いや、実際は?
  841. 清水康雄

    清水証人 実際もおそらくそうであろうと思いますが、あとはよく存じません。飯田君に頼みまして、あとは私どもあまり関與しておりません。
  842. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではどの政党に幾ら持つてつてつたかこれもわからない……。
  843. 清水康雄

    清水証人 私、はつきり記憶しておりません。
  844. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か報告らしいものがあるんじやないですか。公然と明かにやるという趣旨であるから。
  845. 清水康雄

    清水証人 大体その内訳は自由党に百五十万円くらい、民主党に百五十万円くらい、社会党に五十万円くらいというのが初めのおよその目標でありまして、その結果はよく存じていない。
  846. 武藤運十郎

    武藤委員長 社会党がえらく少いのはどういうわけですか。
  847. 清水康雄

    清水証人 それはやはり経営者でありますから、いくらか遠慮をいたしまして……、まことに申訳ありません。実際明らかにいたそうという趣意が非常に強かつた点が、かえつていろいろ世間の疑惑を招いたものだと思います。
  848. 武藤運十郎

    武藤委員長 これは明らかに公にという趣旨であつた由ですがこれを献金しておいて、何かまた工事のことなり、あるいは金融関係なりについて各党から便宜を得ようというようなことではなかつたのですか。
  849. 清水康雄

    清水証人 毛頭ございません。
  850. 武藤運十郎

    武藤委員長 産業金融研究会というのを御存じありませんか。
  851. 清水康雄

    清水証人 存じません。
  852. 武藤運十郎

    武藤委員長 産業金融研究会というので、設立発起人、工藤昭四郎、小池厚之助、貞永敬甫、柴垣一志、住田正一、難波経一、二宮善基、堀田庄三、水野成夫なんというのが発起人で、顧問で栗栖赳夫、ちよつとこれをごらんになつてください。こういうものをごらんになつたことがありますか。     〔証人に文書を渡す〕
  853. 清水康雄

    清水証人 いや、私は存じません。
  854. 武藤運十郎

    武藤委員長 一名栗栖後援会と言われておるものです。
  855. 清水康雄

    清水証人 存じません。
  856. 武藤運十郎

    武藤委員長 何か業者が集まつて栗栖さんの後援をするという趣旨で毎月会費を出しておるというような会合はないですか。
  857. 清水康雄

    清水証人 さあ、存じません。したことはないと思います。
  858. 武藤運十郎

    武藤委員長 はいつていない。先ほど政治家から寄附とか應援というようなお話がありましたが、ほかに政治家なり政党なりに、ここ数年間のうちにあなたの方から寄附をしたものはありませんか。
  859. 清水康雄

    清水証人 はあ、記憶はございません。
  860. 武藤運十郎

    武藤委員長 何かお尋ねございますか。
  861. 大森玉木

    ○大森委員 さつき民主党とおつしやいましたが、民主党はそのときできていないのですから、もう一遍その点を……。
  862. 武藤運十郎

    武藤委員長 民主党と仰せられたのは進歩党の誤りですか。
  863. 清水康雄

    清水証人 進歩党の……、当時にそういう話があつたのですが、私は月日をよく存じませんから、あるいは間違いかもしれません。
  864. 大森玉木

    ○大森委員 それでよろしい。
  865. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 栗栖大藏大臣の官邸で長沼管理局長と証人竹中藤右衞門さんですか、錬一さんですか、大臣と四人で御会見になつたことはありませんか。
  866. 清水康雄

    清水証人 たぶんあつたと思います。
  867. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そのときの模樣ですね。どういう必要で会見されたか、それからまた話の内容、それをお述べ願いたいと思います。
  868. 清水康雄

    清水証人 ただいまもそうでありますが、当時は一層金融が逼迫しておりまして、特に進駐軍関係工事の代金が遅れまして、業者が非常に困窮に陷つておりましたために進駐軍工事の人夫の出方も少くなつてまいつた。そういうような非常に切迫した状態になりましたので、われわれ業者といたしまして何とか進駐軍工業の下げ金をしていただきたいという趣旨で、時の大藏大臣にお願いした。このまま続きますならば、私どもは工事を止めてしもうかもしれないということまで実は極言した。私どもが銀行へ参りまして金融を頼みますが、銀行は政府の尻拭いをするのはいやだ、君らみずから政府から金をとつてこいというお話さえありました。それをとらなければ仕事が止る、止めてもいいではないか、止めればわれわれは沖繩に送られる、こう申しますと、沖繩に送られるくらいを恐れて何で仕事ができるというような非常に銀行方面な強硬であります。從つて私どももその由を大藏大臣に申し上げて、何とかこの危局を切り抜けていただきたい、そうしませんとあるいは土建界から破綻を來して全産業に及ぶかも知れない、さいわいにした土建界だけで止まりましても進駐軍工事は一時全部止つてしまいます。それでも政府はよろしいですか、ということまで実はお願いをしたような次第であります。こういうような点で私ども極力進駐軍の工事を完遂いたしたいために陳情いたした次第であります。
  869. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 栗栖大藏大臣は長沼局理局長を呼ばれて、あなたが言われたようなりつぱな日本再建の道を説かれて何かしろと言つたのですか、あなたが栗栖藏相に言われたのはわかつているが、栗栖藏相はあなたの口移しで長沼局長に同様のことを言われましたか。
  870. 清水康雄

    清水証人 どういうふうなことを言われましたかはつきりわかりませんが、土建業者は今言う通り非常に困窮しているから、できるだけ早く拂いのできるようにしろということをおつしやつたように思いますが、はつきり私ども存じません。
  871. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それで長沼局理局長は何か非常に不愉快な、というように感じて、翌日ですか数日後ですか、あなた方と長沼局理局長の室で会見せられたときにそういうような氣持を漏らされたことはありませんか。
  872. 清水康雄

    清水証人 どういう……。
  873. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 長沼局理局長が前藏相官邸であなた方業者の眼の前に呼びつけられて、便宜を特にはかられるようにと言われて、それに対して非常に役人として不愉快な感情をもつたというようなことを直接長沼局長からお聽きになつたか、とにかく管理局長は怒つていなかつたですか、藏相のところに呼ばれたことで……。
  874. 清水康雄

    清水証人 そう怒つておいでにならないと思います。ただわれわれが大臣に懇請しましたのは二度か三度あると思います。毎月の金に詰りますから、われわれとしては債権者ですから債務の取立をやるのをうつちやつておけません。そうしますと恐らくこれはどうか存じませんが、また大臣から局長に、土建界はどうしたという催促があると思います。そういうような点が、土建界何うるさいことを言うかというようなことを、あるいは局長がお感じになつたかしれません。そのところは私どもよくわかりませんか、私どもとしては必死にお願いをしておる次第であります。
  875. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 長沼局理局長が藏相官邸において先ほど申しましたように、あなた方と会見した。またあなた方と竹中さんと局長室で会見した、そのときに局長が、大臣に呼ばれるのは何とも思わないけれども、君らがそばにおつて、自分が大臣からああいうことを言われては、君らが僕に命令しておるようにとれて自分は非常におもしろくない、不愉快だ、ああいうことをしてもらつては困る、用事があるならば直接役所に來てもらつたらいいじやないか、というようなことを局長から言われた事実はありませんか。
  876. 清水康雄

    清水証人 直接どこへ、大藏省へですか。
  877. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 大藏省へ來て直接話したらいいのであつて、ああいう所へ呼びつけられて、あなた方の眼の前で藏相から言われるのは自分としては心外だ、不愉快だ、ああいうことを言うてくれては困るというような話をあなたは局長から聽かれたことはありませんか。
  878. 清水康雄

    清水証人 はつきり記憶しておりませんが、ただ私どもとして考えてみますのに、やはり私どもは直接大臣に始終お願い申し上げてありますので、そういう点であるいは不愉快に思つておられたかもしれません。
  879. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 いや、直接あなたにそういうことを言われたことはありませんか。ざつくばらんに言えば局長があなた方に対してちよつと機嫌の惡いことを言つてあなた方を怒つたことはありませんか。
  880. 清水康雄

    清水証人 あまり機嫌のよくないときはございましよう。とにかく非常に御無理を言つて、何とか拂つてくださいということをしきりにお願いしたのですから。
  881. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 大藏大臣の官邸の会合において、あなたのおる所で呼びつけられた、特に命令されたということに対する不滿の意思表示をせられたことがあるかないか、局長ははつきり言つているが、重大なことだからお忘れはないと思う。
  882. 清水康雄

    清水証人 私どもが直接大藏大臣にお願いすることに対して不滿を感ぜられていたようです。
  883. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そういうようなことを直接あなたにお漏らしになりましたか。
  884. 清水康雄

    清水証人 そういうようなことはあるいはおつしつたかもしれません。両方で話をしておりましたので私ははつきり感じなかつた
  885. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そのときまた肝腎なことがあつたが、それもお忘れになつているかもしれぬので念のためにお尋ねする。大臣官邸に行つたのは自分らの意思だけで行つたのではなく、大臣の方から電話がかかつて、言つてみれば口をきいてやろうかといういわゆる御用聞的電話がかかつたから、大臣の言葉を無下に退けるのもどうかというので行つたのであるから、氣を惡くしてくれるなと御回答をせられた事実はありませんか。
  886. 清水康雄

    清水証人 そういうことはございません。
  887. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それを否認されるくらいだからこの点もなお否認されると思いますが、その際局長は、大臣が親切にしてくれるほどなら相当献金もしただろうなと言つたところが、あなた方はむろん献金はした、献金はしたが額のことは言えませんという返事をされた事実はないのですか。
  888. 清水康雄

    清水証人 どういう……。
  889. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 私は言葉が下手なのか何度も聽き返されるのですが、一番あなたの痛いところだから、あなたは愼重に問い返されるのはごもつともと思うが、さほど重要でないようなことはすぐわかつたのに、私はさつきより熱を上げて声を出しているのですが、要するに大臣がそういうふうに親切にあなた方に言われる以上は、あなた方もその大臣の厚情に感激して、むろん献金をしただろうなというように局長が質問したところが、あなた方の曰く、むろん献金しましたと答えられたそうなのです。ところが局長は、そんならどのくらいしたのかとまた質問したところが、それは額は言われませんという問答があつたと私は聞いておるのでありますが、そういう事実がありましたか、どうですか。
  890. 清水康雄

    清水証人 そういう事実は毛頭ございません。
  891. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 もとよりそういうことに対する明快な証言があるとは予期しなかつたのですが、非常に清水さんはインテリで良心的だと聞いておつたのに、はなはだ遺憾であります。  いも一つお聽きしたい。これは中央公論にも出ておりますが、栗栖さんから清水さんが呼ばれまして、自由党に献金したのは不都合だというふうに小言を言われたところが、あなたの方で、自由党に対して出したのは涙金で、大口は芦田と西尾とに差し上げておるというような返事をせられたことが載つておりますが、そういう事実がありましたか。
  892. 清水康雄

    清水証人 御想像の通りで、毛頭ありません。
  893. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 今どういう資格になつておるか、この間まで中央資格審査委員会事務局長太田剛氏に対して、今言つたような、この記事に出ておつたような問答をせられたことはありませんか。類似のことについて……。
  894. 清水康雄

    清水証人 太田剛氏とは……。
  895. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 太田局長を御存じありませんか。
  896. 清水康雄

    清水証人 存じません。
  897. 辻寛一

    ○辻(寛)委員 先ほどの政治献金の三党への分配でございますが、これは最初におもだつた方々がお集まりになつたときにそういう話が出たので、おそらく結果もそうなつておるだろうと御想像になつておる程度ですね。しかと先ほどお話になつたような額が、それぞれの政党に行つておるということをお確かめになつたわけじやございませんね。
  898. 清水康雄

    清水証人 私はつきり確かめておりません。
  899. 辻寛一

    ○辻(寛)委員 これは飯田さんという方が、お金の方も集めて、またそれぞれの政党へもお渡しになつたので、飯田さんが万事おのみこみになつておるわけですか。
  900. 清水康雄

    清水証人 飯田君がよく知つております。
  901. 辻寛一

    ○辻(寛)委員 お互いに個々にいろいろ政治献金を頼まれるのは困るから、正々堂々と、公然と出した方がよいじやないかというような御趣旨でお集まりになつて、そこでお話合いの最初にも、こんな割でどうかというようなお話になつていた以上は、やはりあの結果はどうなつたかということは、始終あなた方はお寄りになるのですから、そういう席上でお話が出て、一体どれくらい集まつて、どんなことになつたか、お確かめになつておるだろうと思いますが、そんなことは全然なかつたのですか。ただもう飯田さんにすつかりお任せになつてつたのですか。
  902. 清水康雄

    清水証人 はい。飯田君に全部任せておりまして、最後の結果はよく聽いておりません。
  903. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほど高橋さんからお話がございましたが、大臣にあなた方がお会いになつたときには、大臣は官邸だつたろうと思いますが、長沼局長を呼ばれたその後において、あなた方が、竹中さんかたれか二人か三人であろうと思いますが、大藏省へ行つて長沼局長に会われたことはありますか。
  904. 清水康雄

    清水証人 それはあると思います。
  905. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのときに、君らひどいじやないか、大臣の前に直接行つて君らが話をすることは本末顛倒じやないか、私は大臣に呼ばれたが、君らに呼びつけられたような感じがする。こういう詰問があつたと聞いておりますが、それはあつたのですか。
  906. 清水康雄

    清水証人 ちよつと訂正いたします。今記憶違いいたしておりました。大臣にお目にかかつて、次に大藏省へ参つたときには、私は用があつて行くはずでしたが参れませんで、うちの專務が参つたことをちよつと訂正いたします。
  907. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それは專務だけですか。私の言うのは、同業の人々が……。
  908. 清水康雄

    清水証人 私の代りに專務を出したわけです。
  909. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それでは專務に、そういう話があつたとお聞きになりましたか。
  910. 清水康雄

    清水証人 いいえ、聞いておりません。
  911. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それでは專務が一遍行つたきりで、あなたは長沼さんのところへ行きませんか。
  912. 清水康雄

    清水証人 竹中さんと皆さんと御一緒というお話でしたので、そのときには私お約束をしておつたが、用ができていけないので、專務を代りに出しました。そういう意味です。
  913. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それではその後にあなたが直接会われたことがありましようか。
  914. 清水康雄

    清水証人 その後にもお目にかかつております。
  915. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 その際に、そういう話は長沼局長からお聞きになりませんか。
  916. 清水康雄

    清水証人 どういう話ですか。
  917. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 大臣の前に俺を呼び出すとは何事だ……。
  918. 清水康雄

    清水証人 大臣の前に俺を突き出すとは何事だというような話はありませんが、お前は大臣のところへ直接お願いに行つては困るというようなことはありました。
  919. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのときにあなたは何と弁明なさいました。長沼局長にそう言われたら……。
  920. 清水康雄

    清水証人 私どもは先ほども申し上げましたように必死でありますから、大臣のところへ直接お願いに出たので、その要旨を申し上げたのです。
  921. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それなら何も弁明にならぬじやありませんか。直接大臣のところへ行くとは何事だと言われて、私は一生懸命だから行きましたと弁明すれば、それじやなぜ俺のところへ來ないのだと、こう言われるにきまつています。
  922. 清水康雄

    清水証人 それは、私どもとして局長にお願いするよりか、直接大臣にお願いする方が業者のためになると思つたのです。それまでは局長以下の方々と始終交渉しておつたのですが、なかなからちがあかないので、われわれ業者は揃つて大臣までお願いに出たわけです。私どもは局長のお考えに便々としておられない、もつと必死でありますから……。そこで私どもとしては一番のベストの方法を盡すよりほか方法がないというので、大臣に直接お願いしたのです。それまでは局長あるいは建設院、復興院というところへ常に伺つておりました。
  923. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 長沼局長があなたの方にそう言われた。そのときに何と弁明なさいましたかというのです。それだけのことを聽いておるのです。
  924. 清水康雄

    清水証人 弁明でありますか。
  925. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 局長が、大藏大臣に直接会つたのはどういうわけだと言われ、それに対してあなたがどういう弁明をなさつたかというのです。
  926. 清水康雄

    清水証人 はつきり記憶しておりません。どういう弁明をしましたか。お氣を惡くしておるのは前からわかつておりましたが、そういうことを考えておられないような業界の情勢でありました。
  927. 辻寛一

    ○辻委員 政治献金の御相談をなさる最初の会合には菅原さんはおいでになつておりましたか。
  928. 清水康雄

    清水証人 それもはつきり存じません。
  929. 辻寛一

    ○辻委員 菅原さんは鉄道工業株式会社社長ですが、そこの專務飯田さんが万事とりしきつておやりになつたのですが、そこの社長の菅原さんでありますから、当然これが出られたか出られないか御承知だろうと思う。菅原さんの代りに飯田さんが專務として出られたとか、それとも菅原さんも一緒は出られたとか、七、八人の会合でありますし、献金についても個々の專務の方が相当重要な役目を全部お任せして、あなた方が御存じではなほどに任せきつている菅原さんですから、出られるか出られぬかということくらいは御承知あるはずだと思う。御記憶にないと言えばしようがないが……。
  930. 清水康雄

    清水証人 菅原さんの性質で出るときにはすぐ出ますけれども、出ないときには呼んでもなかなか出られないのです。前に相談をしたときに、先生にそういう献金について反対をしておりましたから……。それではたして六、七人集まつたときに先生が出席をしたかどうか、よく記憶しておりません。
  931. 辻寛一

    ○辻委員 まして反対をされている人ならば、あなた方と反対の立場で、かえつてよくおわかりになつているように思うのですが飯田さんはもちろん出ておられたでございましようね。
  932. 清水康雄

    清水証人 飯田君はあとでそういう扱いをさせるのに頼んだのですから、そのときには参加しておらなかつたでしよう。
  933. 辻寛一

    ○辻委員 それでは当時は日本建設工業会の有力なメンバーの方々で、会長竹中さんで、あなたは副会長で…。
  934. 清水康雄

    清水証人 私副会長でありません、
  935. 辻寛一

    ○辻委員 副会長でなくても、重要な方々がお集まりになつておきめになつたことを飯田さんに——お集めになつて分配されたその結果についても、当然なおさらお聽きになつていると思うのですが……。
  936. 清水康雄

    清水証人 それは大体集まつたということは聽いております。はつきりした数字は知りません。業者に頼んでもそこのところへ出さない方もあるかもわかりませんし……。
  937. 辻寛一

    ○辻委員 分配の額は先ほどはつきりわかつておらぬというお話ですが、最初はそういう打合せであつたけれども、そういうふうに届いているだろうという……。
  938. 清水康雄

    清水証人 そういうことであります。
  939. 辻寛一

    ○辻委員 その点をお確かめになつておらない。
  940. 清水康雄

    清水証人 はつきり存じません。
  941. 辻寛一

    ○辻委員 委託をして万事やらしてみた。飯田さんについてその点の御報告をあなた方は受けておられないわけですね。
  942. 清水康雄

    清水証人 大体集まつているということだけ聞いておりましたから、私どもも想像して大体その数字がいつているものと思つておりました。別に受取を見せてもらつたわけでもなし、はつきりその数字を知らないわけでございます。
  943. 辻寛一

    ○辻委員 この委員会飯田さんをひとつお呼びになつていただく機会がありますれば、飯田さんからお聽きすればよろしいのですが……。
  944. 武藤運十郎

    武藤委員長 あります。
  945. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 今の土建業者政治家との関係を盛んに最近の新聞雜誌で傳えられているということ、いろいろな報道が載せられていることは御承知でしようね。
  946. 清水康雄

    清水証人 はあ。
  947. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 分配先の問題などは飯田氏を呼んでもすぐわかることですから、お聽きする必要もないと思うのですか、重大な問題でこういう新聞雜誌で公にされて喧傳されておつて、お店などに対しても相当信用問題にもなるようなことがここに現われているのですからそれに対して一体あのときの金はどういうふうになつたかということを調べられないはずはないと思うのですが、調べられずにはつきりしたことを知らなかつたというあなたの証言をやはりそのまま維持されますか。これはあなたの全体の証言の信憑力についてお聽きするのです。事実は飯田さんを呼んだらわかりますから、あえてあなたから聽こうとは思いませんけれども、あなたの全体の証言の信憑力について私はお伺いしたいと思うのです。ああいうふうに新聞雜誌でもつぱらうわさになつているにもかかわらず、金の行先をその後もお確かめにならなかつたのですか。
  948. 清水康雄

    清水証人 知らないと申しません。大体その数字になつておるということを知つております。はつきりは知らない。
  949. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 確められているかいないかということです。この重大問題が起つて、極端に言えば、この委員会にあなたが証人として呼ばれたときにでも、あれはどうなつたのだろうとかということを聽かれるはずです。それを聽かれないという馬鹿げたことはないと思う。
  950. 清水康雄

    清水証人 大体予定通りだという報告を受けております。
  951. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 受けたのでしよう。信憑性の問題ですから、まあそれでよろしゆうございます。
  952. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつとお伺いしますが、過去の政治的あるいは政党と、こうした政府と直接取引のある業者間において、政治献金等がなされていた慣例のあることは私も認めます。しかし少くとも新憲法下の民主政治と言われておる國会の政党に、直接政府の予算から支拂いを受ける仕事をしていらつしやる業者が、その國会の政党に明朗に正しくこれを献金すればいいというようなことで、三百五十万というような大金を献金することは、今の清水組あるいは竹中組というような土建業者の幹部たちが、これは当然なことと現在でも思つていらつしやるか。正しいと思つていらつしやるか。少くともあなたたちは、その献金をすることによつて損害はこうむらないはずです。何かがその結果において現われるということは常識で想像ができる。そうなりますと、この献金について今でもたいへんあなたは良心的に平然とこれをやつた、当然だというふうに証言をなさつておると私は信じておるのですが、はたして現在でもあなた方土建業者の幹部たちは、これを当然のことと思つていらつしやるかどうか、その心境をちよつとお聽きしたい。
  953. 清水康雄

    清水証人 われわれとしてはやむを得ずやつたことであります。
  954. 石田一松

    石田(一)委員 これはちよつとおかしいと思いますが、やむを得ずとおつしやいますと。何か政党側から強制力がいくらかでも働いていたとか、もしその献金をしなければどうも困るというふうにも、聞えますが、もしそうだとすれば、そのやむを得なくされた原因なりまたそういう事実があれば、それをひとつここで申し述べられませんか。
  955. 清水康雄

    清水証人 どうも言葉がへたでありますが、先ほど申し上げたように、前から知つている方々から頼まれるとか、あるいは得意先関係等いろいろありまして、お断わりできなくなる場合が多い。そういうことでは困るので、まとめてやれば経済的にいくという意味で……。一文も出さないことが一番よいのでありますが、まあやむを得ず出した、そういう意味で申し上げたのです。
  956. 石田一松

    石田(一)委員 今もやむを得ずお出しになつたと言われる。そのお出しになつた行為は、この民主政治の呼ばれている新憲法下における問題としては、現在の業者の幹部の人たちはこれを当然のようにお考えになつているか、それともこういうことはなすべきじやないと思いながらやむを得ずおやりになつているのか、そこのところをちよつとはつきりおつしやつていただきます。
  957. 清水康雄

    清水証人 ちよつと私頭が惡くてわからないのでございますが……。
  958. 石田一松

    石田(一)委員 簡單でよいのです。要するにそういう政治献金をなさつたことが現在のあなたの心境として正しいか正しくないか。そういうことだけです。
  959. 清水康雄

    清水証人 正しいと思います。別に他意はありません。
  960. 石田一松

    石田(一)委員 御存じ通りその政党から大臣も出ておる。そうした政治の仕事をしていながら、その政党にこうした献金をなさるということ、人に頼まれたということで三百五十万円ばかりお出しになるということを、もし現在でも正しいと信じていらつしやるあなたの心境が絶対に間違いないとするならば、私はまことに失礼な言葉でございますが、証人の政治に関する知識の貧弱さ、民主政治の理解の足らなさを思う。業者の幹部がそういうことを考えておるとするならば、われわれは今後相当警戒の眼を向けなければならない。これを正しいと事実お考えでございますか。
  961. 清水康雄

    清水証人 はなはだ失礼ですけれども、正しいか正しくないか、その限界がよくわからないのです。政党献金することが是か非かという問題でございますか。
  962. 石田一松

    石田(一)委員 献金することが是か防かではないのであります。要するに政府から直接支拂いを受けるいわゆる土建事業などをやつていらつしやる方が、その政府を動かすことのできる政党に、ただ選挙運動資金として、また先ほど共産党の赤旗の問題が出たようですが、そういう意味献金をなさることが、はたしてこれは法律的に云々するのじやありませんが、政治道徳あるいは民主政治というものの理解の上において正しいとお考えになるのか。それとも正しくないとお考えになるのか。
  963. 清水康雄

    清水証人 どうもわかりをせん。
  964. 石田一松

    石田(一)委員 ではお答えは要りませんが、一つだけ私は申し上げておきます。いわゆる土建業者の方たちが政党に対してこうした献金をなされ、しかも政党がこれによつて選挙運動をして数を獲得する。このことによつて結局政党というもののお台所、財政は土建屋のふところと結びついておる、であるからあらゆる部面において不明朗な政治がなされるとの批判が國民からなされておるのであります。私たちはその点について、もしもこの業者のあなた方が、これに対して先ほどおつしやつた見解の相違かしらぬが、正しいとお考えになつておるようならば、これは考え方をかえてもらわなければならぬ。また政党資金法の問題などから考えても、これはあなたたち土建業者の幹部の方たちの、今後の考え方をもう少し改めてもらわなければならぬ。これが最も重要な問題である。こういうふうに考える。これはお答えは要りません。
  965. 清水康雄

    清水証人 今のことでだんだんわかりましたが、正しいと申しましたのはその当時やつたことはその当時として考えれば正しいと思いました。また今考えればやはりああいうことはしなかつた方がよかつた。こう思つております。
  966. 石田一松

    石田(一)委員 それでは先ほど正しいとおつしやつたのはうそで、結局その当時正しかつたことは今になつて正しくなくなつた。やらなければよかつたと考えになることは、結局、今の判断では正しくないことをなすつた。こういうことをお認めになるのでございますね。
  967. 清水康雄

    清水証人 その正しいというのがどこを言うのか。その基準がちよつとわからないのです。政治理論の上で考えられるのか、あるいは良心的に惡いかどうか。
  968. 石田一松

    石田(一)委員 もちろん良心的にです。要するに政治道徳という点から考えては私はお尋ねしておるのであります。これは普通一般の良心よりもつと峻嚴に律せられるべきだと思います。
  969. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 先ほど言われた日本建設工業、このほかに何か土建業の方々の全國的の会はございませんですか。
  970. 清水康雄

    清水証人 全国的の会合はそれ一つでございます。
  971. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 竹中さんはいつまでこの会長をやつていましたか。去年から会長でなくなつたのですか。
  972. 清水康雄

    清水証人 そうです。あれは閉鎖機関になりましたからそれでおやめになつた
  973. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 関か菅原さんが会長になつている土建業の会があるように……
  974. 清水康雄

    清水証人 それは最近できまして、土木懇談会という名前をかえて、何かほかの名前でできました。
  975. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 土木協力会ですか。
  976. 清水康雄

    清水証人 初め土木懇話会と言つておりました。前に土木工業協会というのを菅原君のお父さんがやつておられた。それが戰爭中に解散しておりました。菅原君としてはまたもとのものを起したい考えがあつたのでしよう。またもとの名前に帰つたと思います。土木の方が中心でありまして、私は建築屋ですからあまり知らないが、土木工業協会じやありませんか。
  977. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこでお聽きしたいのですが、菅原さんが今年になつて会長をやめさせられたそうですか、その事実は御存じですか。
  978. 清水康雄

    清水証人 会長をやめさせられた事実はありません。
  979. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 今でも会長ですか。
  980. 清水康雄

    清水証人 土木工業協会というのはつい最近できたばかりでございます。まだ会長はきまつていないのじやありませんか。
  981. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 これはあなたはあまり関係がないから聽く必要はないが、私が聞いておるところでは、その協会で問題が起つて、再選するか、再選しないかでもめた。その結果ほかの人にお鉢がまわつてやめた。そういうことは御承知ございませんか。
  982. 清水康雄

    清水証人 それは別の会で、今申しました竹中氏が会長をやつてつたの閉鎖機関になりまして、今度全國の新しい團体ができた、その問題だろうと思います。それはまだ会長ができない前に、菅原君と戸田利兵衞君とどつちを会長にするかという問題が出ていた。そのことでございましよう。それは結局今安藤組の社長の安藤清太郎君が会長になつております。
  983. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それは名前は何というのですか。
  984. 清水康雄

    清水証人 全國建設業協会です。
  985. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そこでずいぶん会長をきめるのに問題があつたようですが、その内容を御承知ならば承りたい。
  986. 清水康雄

    清水証人 菅原君が全國の会長になろうとされておりましたが、あまりに政治的色彩が強いので、とかくわれわれ業者が政治的にいろいろ色目で見られておる際に、政治色の強い人が会長になるのはおもしろくないというのが私どもの意向であつて、私どもとしては戸田君になつてもらいたかつたのであります。
  987. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それでけつこうです。
  988. 辻寛一

    ○辻委員 業者からの政治献金につきまして、先ほどの石田君のような御意見もありましたが、そこでお伺いしたい。先ほどお話になりました菅原さんがその政治献金について御反対をなさつた、その御意見は一体どういうところにあつたようにお聞きになつておりますか。
  989. 清水康雄

    清水証人 それははつきりしませんが、菅原君としては各党へ出すということに反対していたのではないでしようか。
  990. 辻寛一

    ○辻委員 今鍛冶君からの御質問にもお答えになりましたように、菅原君は政治的な色彩が強い、これは業者の間でお認めになつていることだと思いますが……。そうするとあなたはその場合にお漏らしになつた菅原君に反対の理由は、各党へそう総花式に出してみたつて仕方がない、それぞれの政党に出せばいいじやないかという意味で、そうしたことをわざわざ寄り集つてやらないでもいいじやないか、こんなふうに私承知してよろしいでしようか。
  991. 清水康雄

    清水証人 菅原さんの考え方はよくはわかりません。
  992. 辻寛一

    ○辻委員 いや、あなたがお受けになつた感じ、何で菅原君が反対するだろうか、今仰せになつたように、政治的色彩が強いから……。
  993. 清水康雄

    清水証人 菅原さんがああいうふうに政治的色彩が強くなつたのは最近ではないでしようか。以前は大したことはないように思つております。私はよく知りませんが……。
  994. 辻寛一

    ○辻委員 ただ漫然と反対をされた、ただいまのような石田君の御意見とか何とかいうような確固たる根拠のもとに、そういうことはおもしろくないというので、反対をされたのか、それともただ何となくそんなことはやらないでもいいじやないかという程度だつたんですか。
  995. 清水康雄

    清水証人 あの先生のことですから、そんなことはよせという程度だつたと思います。あつさり片ずける人ですから。
  996. 辻寛一

    ○辻委員 その御反対になつておる急先鋒の受原さんが社長をしておられる鉄道工業会社の專務飯田さんに特に万般の仕事を煩わしたというのは、一体ならば社長がそういうことはきらいだから御遠慮なさるのがほんとうだと思います。まさか手不足でもないと思いますが、どういうような関係でありますか。
  997. 清水康雄

    清水証人 実際言うと手不足なんです。実は土建の方で大分政治的にわれわれの仲間でいろいろな接触面の多かつたのは、先日亡くなりました西松組の社長の林米七君がいろいろ各党の方と御懇意を願つていたと思います。その方が亡くなりまして、私初め竹中、大林みな政治方面は疎い連中ばかりで存じ上げている方もありません。さいわいに飯田君が各党の方々を知つているものですから、それでは飯田を借りるからと言つて飯田君を借りたんです。ほかに手駒はないのであります。
  998. 辻寛一

    ○辻委員 菅原さんが最近政治的色彩が強くなつたということは、どういうところからあなたは御観察になつておりますか。それはどういうことを意味するんですか。
  999. 清水康雄

    清水証人 政治的と言うとへんに聞えますが、菅原君としては私ただ外から見ているだけでありますけれども、民主党はどうの、自由党はどうのということは先生はないんじやないかと思います。芦田氏をただ一途に担うと言うんです。政治的色彩と言うと語弊があつたかもしれません。ただ芦田さんを担うということだけだつたと思うんです。
  1000. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 重大質問をいたします。今まで言われた政治献金は表向きのことで、実際は菅原氏が中心になつて、菅原氏の芦田さんに対する関係から、一千万円だけ進歩党といいますか、民主党といいますか、その党に献金されていると、傳えられておりますが、そういう事実はありませんか。
  1001. 清水康雄

    清水証人 それは存じません。
  1002. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 いや、出されているのは各党が届出をしているところの表面的な形式的な金だけであつて、実際はもつと大きな金が動いているということを聞いておりますが……。
  1003. 清水康雄

    清水証人 さあ、それは存じません。
  1004. 武藤運十郎

    武藤委員長 ちよつと補足して伺つておきますが、今菅原氏が反対したというのは、ただよした方がいいというだけの理由ですか、何かもつとあつたんじやありませんか。
  1005. 清水康雄

    清水証人 いや、よした方がいいというだけだつたと思います。
  1006. 武藤運十郎

    武藤委員長 鉄道工業株式会社からは出なかつたんですか、菅原通済氏からは、反対だつたから出なかつたんですか、この寄附は……。
  1007. 清水康雄

    清水証人 出なかつたと思います。
  1008. 武藤運十郎

    武藤委員長 あなた方が金を集められるときの趣旨は、今伺うと三大党へ一括して寄附した方がいいというんですから、これは個人でなくて党へ寄附しようという趣旨であつたことは間違いないですね。
  1009. 清水康雄

    清水証人 はい、そうです。
  1010. 武藤運十郎

    武藤委員長 そうしますとさつきあなたが言われる縁故をたどつたり、仕事の関係なりで援助を求めてくる政治家があるので、それに一々出していると煩わしい話だし額も上るから、合わせて党へ寄附するということでありますけれども、その党へ寄附しましても党の候補者という者は非常に多いと思う。あなたの縁故を尋ねて來る人と比べたら、比較にならぬくらい多いと思うんですが、そうするとその党から必ずしも縁故をたどつて來た人に行くとは限らないんではないですかな。そうするとあなた方の縁故をたどつて來る政治家に対する問題は解決しないんじやないかと思う。
  1011. 清水康雄

    清水証人 それはこつちでまとめて出すから、そちらの方は御免をこうむると言つて、はつきりお断われしてしまつたんです。
  1012. 武藤運十郎

    武藤委員長 それで断わり切れたんですね。
  1013. 清水康雄

    清水証人 大体全部断わりました。
  1014. 武藤運十郎

    武藤委員長 それから今最後に芦田氏を菅原氏が一遂に担ぎたいというお考えだという御説ですけれども、何か具体的に芦田氏を担ぐについて、菅原氏が活動していることについてお知りになつていることはないですか。
  1015. 清水康雄

    清水証人 全然知りません。
  1016. 武藤運十郎

    武藤委員長 そういう形勢、そういう樣子なんですか。
  1017. 清水康雄

    清水証人 芦田氏だけを担ぐということ、それはまあ大体外から見てそう感ずる次第です。
  1018. 武藤運十郎

    武藤委員長 それからあなたの代りに中村局長のところへ專務が行つたということですが、それは何という專務ですか。
  1019. 清水康雄

    清水証人 小笹徳藏と申します。
  1020. 武藤運十郎

    武藤委員長 これはどこにおられますか。
  1021. 清水康雄

    清水証人 東京本社です。
  1022. 武藤運十郎

    武藤委員長 清水組本社。それじや済みました。御苦労さまでした。     —————————————
  1023. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは本日不出頭の藤田榮君、竹中藤右衞門君は來る五月二十六日午後一時に再び御出頭を求めて喚問いたします。なお新たに飯田清太君を同日同時刻に喚問いたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  1024. 武藤運十郎

    武藤委員長 ではさよう決定いたします。  本日はこれに散会いたします。     午後七時七分散会