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1948-04-02 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月二日(金曜日)     午後四時五十二分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 梶川 靜雄君 理事 荊木 一久君    理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君    理事 田中 角榮君 理事 中野 四郎君       足立 梅市君    池谷 信一君       山中日露史君    明禮輝三郎君       村上  勇君    伊藤 恭一君       矢野 政男君    田中 健吉君       徳田 球一君  委員外出席者         議     長 松岡 駒吉君 三月二十九日委員加藤勘十君辞任につき、その補 欠として土井直作君が議長の指名で委員選任さ れた。 三月二十九日委員長加藤勘十君の補欠として武藤 運十郎君が委員長に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  一、委員長互選に関する件  一、小委員選任に関する件  一、委員派遣承認申請に関する件  一、証人出頭要求に関する件     —————————————
  2. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 これより代議を開きます。  委員長が欠けておりますので、各理事の御推挙によりまして、私が暫時委員長の職務を行います。  先日委員長加藤勘十君が辞任されましたにつきましては、これより委員長互選を行いたいと存じます。
  3. 荊木一久

    荊木委員 私から動議を提出いたします。投票の手数を省略して、委員長武藤運十郎君を推薦いたしたいと思います。お諮り願います。
  4. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 荊木君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 梶川靜雄

    梶川委員長代理 御育議なきものと認めます。よつと武藤君が委員長に当選せられました。委員長武藤運十郎君に席を讓ります。     〔武藤運十郎委員長席に着く〕
  6. 武藤運十郎

    武藤委員長 一言就任の御挨拶を申し上げたいと存じます。  このたび、はからずも不肖私が皆様の方推薦によりまして委員長の重職を汚すことになりました。まことに光栄の至りではありますが、顧みてその責任の重大なることを痛感する次第であります。思うにこの委員会の目的は、終戰以來行われました隠退藏物資その他の重要物資に関する不当なる取引調査し、これに関係した軍人、官僚政治家等社会的、政治的責任を追究し、もつて官界、政界、財界の淨化をはかるにあると考えます。われわれの社会から惡と不正を排除することの必要は、あえて今日に限つたこどてはありません。しかしながら、敗戰を契機として御主革命の途上にあるわが国におきましては、過去の誤れる軍國主義官僚主義にまつわるがんを剔抉し、この際社会から徹底的に惡と不正を排除することは、この歴史的な御主革命を遂行するために、必要欠くべからざる意義を有するものであります。われわれがこの重大な仕事を忠実に実明しようとする場合、われわれは、あるいは強力を抵抗に遭い、あるいは大きな誘惑を受けるかもしれません。また、われわれは、場合によりましては、自己の党に属する同僚に責任を追究しなければならない立場におかれるかも知れません。かように考えまするとき、このことは決して安易な仕事ではありません。しかしながらわれわれは、いかなる抵抗をも、いかなる誘惑をも、断固これを排撃して進まなければなりません。またわれわれはいかなる情実をも勇敢にこれを断ち切らなければなりません。われわれは選ばれた檢察官であり、光栄ある民主革命の担い手であります。私はかような信念と自覚に立つてこの起党派的な委員会の運用に当りたいと思うのであります。もしわれわれがみじめにこの仕事を失敗いたしますならば、日本人はみずからの病氣を治す能力のないものという燒印を押されるでありましよう。反対に、さいわいにしてわれわれがこの仕事に成功いたしますならば、われわれはただに日本の民主化に寄與し得るのみならず、外に向つて日本人民主的能力を示し、國際的信用を高めることができるのであります。  申すまでもなく私は微力であります。皆様の御鞭撻と御指導とを切にお願いして就任の御挨拶にかえる次第であります。(拍手)     —————————————
  7. 武藤運十郎

    武藤委員長 この際お諮りいたします。さきに本委員会から要求いたしました復金融資状況の資料が提出されましたので、これを基礎としながら復金融資状況調査をするため小委員会を設置したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議がなければさよう決します。  つきましては、小委員の数は七名とし、私から指名して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議がなければ    田中 角榮君  足立 梅市君    小松 勇次君  石田 一松君    田中 健吉君  中野 四郎君    徳田 球一君 を復興金融金庫融資状況調査小委員に指名いたします。     —————————————
  10. 武藤運十郎

    武藤委員長 次に、さきに決議して委員を派遣することにしました群馬縣におけるコーヒーの不正放出事件調査のために、さらに追加して委員を派遣いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議がなければさよう決定いたしまして、所要の手続をとることにいたします。  なお派遣委員は、理事会申合せにより、平澤長吉君及び荊木一久君の二名とし、その期間は四月五日より五日間とすることにいたしてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議がなければさよう決定いたします。     —————————————
  13. 武藤運十郎

    武藤委員長 次に、いわゆる世耕情報に絡む不当財産取引の問題として調査を進めてまいりました辻嘉六氏をめぐる政治資金の問題につきましては、先般同君から書証が提出されたのでありますが、これに基いてさらに審査を進めますため、同君証言の中にあります関係者証人として本委員会出頭を求めることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議なければさよう決します。  なお、出頭を求めます証人は、通信及び交通の都合もありますので、これを二回にわかち、第一回は五日とし、第二回はいかがいたしましようか。
  15. 明禮輝三郎

    明禮委員 人数が相当多いのでありますが、この問題は一氣に片づける方法が、われわれ委員としても一連都合がよろしいのでありますから、適当な日をお考え願つて、二回にしないで、できるだけ一日に御喚問願いたいと思います。また委員の方もその方がよいかと思います。一日日を選びまして、十時からやつていただく。日時は五日を少しお延ばし願つても、一日に片づけるという方があるいはよくはないかと思いますから、そういうふうにお諮り願いたいと思います。
  16. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいまの辻氏の事件でございますが、この事件はわれわれが先般來ずつと研究いたしまして、すでに檢察廳の手においても十分調査が済んでおるのでありまして、これから当委員会といたしまして喚問をし、証言を求めることも、檢察当局で調べた範囲より出ることはないと思うのであります。しかもこの証人として喚問されまする人たちの中には、現に國会議員として衆参両議院の中に席を占めておる人が多数あるのであります。しかも委員会といたしましては、この内容はほとんど熟知しておるのでありまして、人格その他の事情を考えまするときに、なるべく速やかに結末をつけることが、証人として喚問される議員の方々にもよいことではないか、当委員会としても十分その趣旨をくんでやらなければいけないのではないか、こういうふうに考える次第であります。その意味におきまして、多少、時間的な無理があるとは思いますが、五日といいましても、三日、四日という二日の休日が中にある現在でございますし、ここのところ一週間なり、十日間なりの間をおきまして、しかも相当長い間國会の威信にかかわるような情報世間に流布されておる重大事件結末をつける証人喚問でありますために、時間的余裕をおいて、しかも一日にこれを解決し、世間につまらない情報が流布されないように十分にお考えになつていただきたい。その意味におきましては、十日過ぎくらいに、委員方々にも招電を発して呼ばれておいて、しかも朝早くから一日の間に全証人証言を終るようにぜひお考えをいただきたいとお願いいたす次第であります。
  17. 荊木一久

    荊木委員 私もそれにこだわるわけではありませんけれども、本日も衆議院議長がこの委員会に出かけてきて、何とかこの委員会の促進を希望するというような話も聽いておりますが、國際的な関係もあるのだから、一遍で済めば結構ですけれども、やつぱりこの委員会としては、日がなくても、一應五日にまず手をつけて、喚問すべき者をどの程度喚問できるかしれませんけれども、一應手をつけて、第二回は少し向うへいきましても、それは委員長が決定して、きわめて最近の機会にまず委員会を開いて進行するということにしなけれじ、まずいのではないか。それにはやはり五日に、五人でも十人でも可能な範囲でもつて一應呼び出されて、第二回は少し向うへいつてもと実は私は考えております。お諮りを願います。
  18. 梶川靜雄

    梶川委員 私も荊木委員の御意見に賛成なのですが、今まで非常に延びております関係上、速やかにこれは解決した方が関係者にとつてもよいと思いますので、この際委員長の御提案通りに、五日にまず第一回をやられ、第二回に、それに呼び得ない人たちに出てもらう。またそれで間に合わなければ第三回に分けても出てもらうというふうにいたしまして、速やかに終結せしめることが望ましいと思うのであります。一日に全部の関係者と申しましても、御承知のごとく四十名余りもある人たちを、この席において全部完結せしめることは、事実上不可能だと思いますので、これをわけて、なるべく國会関係の方から始めていただいて、現在開会中でありますので、至急にそういう方から始めてもらうとか、あるいは通信関係で早く出られるところは早く出てもらうというふうにして、五日と、それから次は七日なり、また二日おいて九日なりというふうに、早く終結せしめるようにお願いいたす次第であります。
  19. 武藤運十郎

    武藤委員長 ちよつと速記を中止します。     〔速記中止
  20. 武藤運十郎

    武藤委員長 速記を始めてください。  それでは喚び出す期日は來る五、六、七の三日といたします。右期日に喚ぶ人につきましては、一應現住所等を調べる必要もありますので、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 武藤運十郎

    武藤委員長 御異議がなければさように手続をすることにいたします。  この際本委員会の運営に関しまして、議長から発言を求められております。しばらく速記を止めます。     〔速記中止
  22. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは速記を始めて……。  御承知通り各地から情報がたくさん集まつておりますが、これを長く放任するわけにはまいりませんので適当に処理をいたしたいと思いますが、いかがいたしましようか。
  23. 中野四郎

    中野(四)委員 一体情報委員会へ寄せられる人の氣持というものは、安定本部在庫品課ではまつたく頼りにならぬという氣持において、少くとも不当財産委員会に上申をしたならば、この問題をてきぱきと取扱つてくれるものという國民的な一つの信頼のもとに送られたものと思います。私の知る範囲においては、情報は昨年の七、八月を通じて今日まで相当委員会に來ていると思う。先日前加藤委員長にも申し上げたのでありますが、一体この委員会情報をいつまでも保持しているということはけしからんのであります。そういう状態におれば、情報を渡したが何らの実績は上らぬ。この委員会を信任して今まで投書をしてよこしたものが、この委員会を信用しないという過程にまで追い込まれる現在であると思います。特に私の承知する範囲においては、古い情報を未だにもつておられると思う。現に横浜の文壽堂の一件なんかも、明らかに隠退藏物資と認められたものである。これは神奈川縣渉外課の一属官である者が、わざわざ職を賭して昨年の十月加藤委員長のもとに情報を提供している。しかるに何らの処置をとられぬ。一月に檢察当局の発動によつてトラツク七十台というような紙を摘発されたという醜態を演じている。從つてこの委員会情報が寄せられたとするならば、事務局の嘱託というものがおられるのだから、相当てきぱきとこれを裁いて、適当に安定本部にまわすものならまわす、あるいは委員を派遣して調査をするならするという段階にいかないと、將來委員会を信用するという過程がなくなつてくるのではないかという心配がありますから、どうか情報をあまり古く委員会でもたないようにして、速やかに処理することを前提として、それぞれ各委員に嘱託されるなり、適当なる方法を講じてもらいたい。私はまずこの処理にあたつて希望を申し上げたいと思います。
  24. 徳田球一

    徳田委員 委員が一々やるということになるとたいへんでありますから、どうしても事務局の方で調べまして、大体の原案をこしらえて、これを委員会に提出して、この処理をするようにはからつてもらいたいと思うのであります。一々委員が分担することになりましても、なかなかの問題でありまして、とうていこれはできがたいものだと思うのであります。でありますからどうしても事務局がこれを早く処理せられるように事務局員の中の一人なり二人なりを特にその係に命ぜられんことを希望する次第であります。
  25. 武藤運十郎

    武藤委員長 今まで事務局の機構も整備されなかつたので、遅れておつた点もあると思いますが、至急事務の方でこれを整理してもらいまして、理事会にかけて適当に決定をする、こういう方法いかがでありましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 武藤運十郎

    武藤委員長 それではさよう決定いたします。  なお先般理事会で申し合わせました当委員会芦田総理大臣鈴木法務総裁及び栗栖安定本部長官に來てもらつてその発言を求めるということでありましたが、一時までに出るということになつてつたのが時間が延びましたので、一應役所に引上げておるそうであります。もしどうしてもというならば、出て來られると思うのでありますが、いかがにいたしましようか。
  27. 明禮輝三郎

    明禮委員 実は私ども片山首相の時分にも御協力を願わなければならない御本体であるから、ここへ出てもらつて、いろいろと御懇談申し上げ、遺憾の点も言うておるのであります。本日は芦田首相が出られるというので私ども期待しておるわけでありますがゐ議長から大体の話はありましたから、一部の了解はつくと思いますが、この委員会いかに重大かということを実は芦田首相承知ないのじやないかと思われる。殊にいろいろな協力の問題についても、芦田首相みずからがこの委員会に臨まれた上、この委員会がどういうふうにいくかということをあらかじめ知つておいてもらわなければならぬ。この室に來られたことない芦田首相、あるいは鈴木法務総裁は前に見えられましたけれども、ぜひ呼んでいただきたい。もし本日時間が惡ければ五日の委員会の最初に呼ぶとか、とにかく芦田首本と一應懇談しておかなければならぬと思います。  それから先ほどの兵器処理についての委員の方は、重複しておやりくださるならそれは非常に結構です。私どもはとやかく申しませんが、重複しないということになるならば、至急にこの仕事を担任をして、しかもその責任というか、成績が上るか上らぬかということは、今議長も二箇月もかけておるということを言われたのでありますから、この点を含んで委員の御選定をお願いするのであります。重複しておやりくださるというならば結構でありますが、この点を特に私申し上げておきます。
  28. 中野四郎

    中野(四)委員 証人として政府側出席を求めるのは五日の日でなくて結構でありますから、北村大藏大臣水谷商工大臣、この両君にも出てもらいたいと思う。大藏大臣は御承知の通り摘発した物資が金、銀あるいは白金、ダイヤモンド等の貴金属に属するものは、リストに載つておらぬものを連合軍において徴発するという例がありますが、それであつて実際上の摘発がならないので、先日此処で栗栖大藏大臣約束したときには、少くともこれに対してはお礼を出すという意思を述べておつたのでありますが、新しい北村大藏大臣はそれに対してどういう見解をもつか、事実栗栖大藏大臣一つもそれを実行しておらぬという過程において、大藏大臣出席を求めたい。商工大臣水谷君は先日來山形縣農業会に、世耕事件のいわゆる軍服拂下げの問題について、優先的にこれを差送るといつて約束をしながら、未だ山形縣農業会に一着も軍服を送つておらぬという。約束を無視した点については詰問しなければならぬし、さらに摘発した品物が商工省に退藏されておるという事実を指摘してわれわれが質したのに対して、十二分に考えて速やかに処理すると言いながら、未だ実行しておらぬ点について糾明する必要がある。私は北村大藏大臣水谷商工大臣出席を、五日でなくて結構ですから、向う都合を見てお願いいたします。
  29. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは芦田鈴木栗栖の各大臣のほかに北村水谷大臣を呼ぶことにいたします。  なお五日と申しましても、なるべくならば中曽根軍服事件に入る前にやつた方がいいと思います。そうすると五日の一時にやるか、あるいは午前中にやるかしなければならないと思いますが……。
  30. 梶川靜雄

    梶川委員 この際総理大臣協力要請という点について、五日定刻から始められまして劈頭に所信を述べてもらうことにして、残余の大臣等は翌日の劈頭なら劈頭というふうにもつていつたらどうかと思いますので、この際提案いたします。
  31. 武藤運十郎

    武藤委員長 それでは五日の劈頭芦田國務大臣発言を求め、鈴木栗栖その他諸君の発言は追つて日をきめたいと思います。  なお先ほど明禮君から御発言がありました兵器処理委員会委員と他の委員会委員と重複する場合はいかがいたしますか——それでは適当にお話合いを願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十五分散会