○辻
委員 この特別
委員会ができまして、官界、政界、経済界の全般にわたりまして、不当不正の事実があれがこれに
調査のメスを振う、こういう活動を開始いたしました以上、特に
一つお愼しみをいただきたいと存じますのは、
政府におきましてかりそめにも國民の
疑惑を招くような放送をしていただきたくないということ、なぜさようなことを私が申すかと申しますと、昨年の暮の社会党の閣僚懇談会の席上でありましたが、それを傳えましたところの新聞には、
政府は隠退藏
事件を重視して
檢察当局を督励して徹底的に摘発のメスを揮う方針である。
政府としては同
事件の発展により保守党側は大きく動搖するとの見透しである。こういう記事が載
つてお
つたのであります。どういうお見透しをおもちになろうと、それは御随意でありますが、かりそめにもこれを口外されるということは容易ならぬことであると思います。それは新聞が書いたのだからおれの方は知らぬと、また
西尾さんのような逃げ口上があろうかと思いますが、たとえ言葉にははつきりお述べにならなか
つたとしても、有力なる一新聞がかようなことを書いております以上は、言外にそうした思わせ振りの態度を読み取り得られるがごとき言動を見せられた閣僚があ
つたことは、およそ想像されると思います。どうかこの点をよく愼しんでいただきたい。とかく今まで泥試合などというのがありまして、必要以上に、事実以上に政界が腐敗いたしておるような印象を國民に與えたことがあ
つた。腐敗いたしております点は徹底的にやらなければなりませんけれども、お互いにいろいろと放送したり、泥のなすり合いをやるがために、必要以上に、事実以上に政界が腐敗しておるというような印象を少くとも國民に與えてお
つたと思います。特にこの
委員会は人の信用に
関係がありますから、この点愼しまなければならぬと考えておるのであります。その
意味におきまして
政府においては特にこの点を御注意願わなければならなぬと思いますが、総理大臣はどういうふうにお考えにな
つておるか。
それからその閣僚懇談会におきましては、大体どういうような
お話が出て、どういうところから保守政党側に大きな動搖があるというお考えが出てきたのであるか。これは副総理格であります芦田さんも、十二月二十一日でありますか、和歌山において
言つておられます。明春一月末には隠退藏摘発
委員会から驚くべき事実が公表され、その結果政界に大動搖が起るだろう。具体的には言えないが、保守新党
運動にも大きく
影響するだろう。こういうことを言うておられる。まことに符節を合わすがごとくである。隠退藏問題から保守政党側に大動搖が起る。
責任ある方々がかりにもこういうことを言われるのには何らかそこに
根拠がなければならぬ。もしそういう
根拠がありますならば、この
委員会ができたことでありますから、どうかどんどん
資料を出していただきたい。われわれはほんとうに超党派的立場に立ちまして、
委員長が先日挨拶されたように、大義親を滅する覚悟で進んでまいりますから、どうかそういうことの
資料があつ
つたら当
委員会に出していただきたい。この点につきましてとくと首相の態度を伺
つておきたいと存じます。