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1948-06-23 第2回国会 衆議院 農林委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十三日(水曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 井上良次君    理事 岩本 信行君 理事 森 幸太郎君    理事 佐竹 新市君 理事 永井勝次郎君    理事 鈴木 強平君 理事 寺島隆太郎君    理事 萩原 壽雄君    小川原政信君      小野瀬忠兵衞君    佐々木秀世君       重富  卓君    田口助太郎君       網島 頼三君    野原 正勝君       松野 頼岩君    八木 一郎君       渡邊 良夫君    河合 義一君       清澤 俊英君    黒田 寿男君       田中織之進君    成瀬喜五郎君       野上 健次君    溝淵松太郎君       関根 久藏君   的場金右衞門君       松澤 一君    森山 武彦君  出席政府委員         農林政務次官  大島 義晴君         農林事務官   山添 利作君  委員外出席者         専門調査員   片山 徳次君         専門調査員   岩隈  博君     ————————————— 本日に会議に付した事件  農業改良助長法案内閣提出)(第一〇五号)     —————————————
  2. 井上良次

    井上委員長 これよう会議を開きます。  本日は先日に引続いて、農業改良助長法案並びに食料確保臨時措置法案の両案を議題とし、質疑にはいります。森山さん。
  3. 森山武彦

    森山委員 この農業改良助長法案の第一條に、「公共の福祉に増進することを目的とする。」とありますが、非常な廣範囲にわたつたおりまして、第二項の蚕糸業に関する試驗研究及び普及事業を除くほかはほとんど含まれているように考えられるのであります。特に「農民農業に関する諸問題につき有益、適切」云々というわけでありまして、非常に漠然としておるのでありますが、この点について具体的にこれを指示することはできないものでありまするか。
  4. 山添利作

    山添政府委員 新しいエキステンシヨンの仕事特徴といたしましては、農業に関する自然科学的な技術だけでなしに、新しく農民生活改善ということのために普及事業を行うことが特徴をなしておるのでありまするが、この重点を置きまするところは、当面栄養の改善であるとか、衛生というような方面に力を注いでいきたい、こういう考えであります。しかしこの範囲を必ずしも法律上明確にすることは技術的にもできないのでありまして、観念的に言いましても、これはやれるならばいろんな方面にわたつていいと思います。しかし実際問題としてそうはいきませんので、やはり衣食住というような点に重きを置く。なかんずく栄養なしい衛生というような点に力を注ぎたい、こういう考えであります。
  5. 森山武彦

    森山委員 次に「試驗研究機関」というふうになつておりますが、その中で養蚕のことは省かれているのですけけども、飼畜に何するようなことは、この試驗研究機関の中に別にはいつてないのでありますか。
  6. 山添利作

    山添政府委員 はいつております。
  7. 森山武彦

    森山委員 それから第二條の四項に、都道府縣以外の試驗研究機関に対しては、補助金の二割を配分することになつているが、都道府縣試驗研究期間以外というものは、大体においてどういうものでございますか。
  8. 山添利作

    山添政府委員 大学でありますとか、あるいは民間試驗場——民間試驗場と申しますのは、昨日話が出ました大原の研究場のようなものであります。
  9. 森山武彦

    森山委員 それからさしあたり七十五の試驗場に交付するということになつておりますが、七十五というのは大体どういう見当なのですか。
  10. 山添利作

    山添政府委員 都道府縣の数が四十六あるわけであります。あと三十くらいあるわけであります。この数を勘定いたしまするのに、大学等は一個と勘定するのであります。たえとば東京大学の理学部にも委託研究をする、あるいは農学部にも補助金を出す、こういうような場合に一個と見る。大体この程度範囲で抑えて、同時にまたこれ以上殖やすことになりますと、あまりに分散をして、かえつて全体的の能率を阻害する。こういう関点でありまして、達観の数字であります。
  11. 森山武彦

    森山委員 次に交付金の使用でありますが、これにつきまして建物とか云々と限定されて、ほかのものに流用してはならぬという規定になつているようでありますが、そうしますと、ここにたとえば試驗場をつくるといたしますれば、さしあたりすぐそういうような建物とか施設が要るわけでありますが、こういう金は結局既存試驗場とかいうものに交付するものであつて、新しいのは認るない、こういう意味でありますか。
  12. 山添利作

    山添政府委員 資金の使途は、もつぱら土地であるとか、建物であるとかいう施設には使わないことになつているわけでありまして、その意味は、既存研究所に限る、こういう意味ではございません、しかしながらこの資金を使いますについては、やはり全体の試驗を総合的に行うための方法を勘案して使う、適当な研究項目を選んで、それに補助金なり委託金を交付する、こういうのでありまして、もし試驗場を特別につくるために必要だということがございますれば、かつそのために補助金が必要だということであれば、この法律によらずして、別途の措置を講ずるということに相なるわけでございます。現実の問題といたしましては、試驗研究機関の数もある程度整理統合いたしまして、内容を充実をはかり、研究活溌化をはかりたいということで研究をされておりますが、もつとわかりやすく申せば、たとえば地震である試驗場がつぶれてしまつた、それを復旧しなければならぬというときには、別途にこの法律によらず資金を交付することになるわけであります。
  13. 井上良次

  14. 的場金右衞門

    的場委員 ちよつと二、三お尋ねしたいのであります。この施設從來指導農場との関係はどういうふうになつているのでありますか。指導農場をこの法律によつてやはり存続し、それを強化していくということにはならぬのですか。
  15. 山添利作

    山添政府委員 指導農場とは関係がないのであります。指導農場はもとより農民自身の希望に基き、また農民自身費用においてやつていくということがありますれば、もとより差支えないのでありますが、事実問題として、費用の点からそういうことは不可能だと考えているわけでありまして、指導農場はむしろ試驗研究という点よりも、サービスというようなところに重点をおいて活用をはかつていきたい、こういう考えをもつております。もちろんこの仕事のうちの一つとして、実地研究といたしましてデモンストレーシヨン、新しい品種をおいてみる、そういうとき指導農場がこの仕事を引受けるということはございますけれども、この法律そのものの対象として、特に指導農場考えているということはないのであります。
  16. 的場金右衞門

    的場委員 そうすると指導農場は別途に何か助成でもして、あるいは育てていくという考えはないのですか。
  17. 山添利作

    山添政府委員 指導農場は、從來意味における指導機関としての施設としては、これを廃止いたしたのでありまして、國からはこの四月限りをもちまして助成金を打切りました。
  18. 的場金右衞門

    的場委員 そのことはわかつているのですが、その打切られたそれが、ただ地方だけの経費では維持困難を感ずると思うのですが、農林省として、この法律でなくても、何か助成の途が考えられないのか。たとえば指導農場に働いている職員を、この法律で取扱つている指導員技術指導者というようなものに兼任をさせるとか、あるいは試驗研究を委託するとか、何か方法を講じて——もつとも指導農場のうちには非常によいのもあり、悪いのもありますが、非常に効果をあげている優秀なものもある。そういうものは何かくふうして、農林省として持続できるようにひつぱつていけるような手助けをする方法考えられていないのか、こういうことをお願いし、かつお尋ねするわけであります。
  19. 山添利作

    山添政府委員 指導農場補助金を打切りました経緯につきましては、十分御承知の通りであります。新しい技術普及施設といたしましては、この法律による施設に集中していきたいという考えでありまして、その他の方途に國で助成をするという考えはないのであります。
  20. 的場金右衞門

    的場委員 どうも満足できないのですけれども、その次のお尋ねをします。試驗研究機関の数は七十五を越えてはならないというような規定になつておりますが、この七十五というのはいかなる規準によつて出てきたのでありますか、それを一つ。それから七十五という勘定のしかたが、一縣に一つ研究機関というものを認めて、そ研究機関のある支所なり分場なりといつたような意味において、すベてのものをくつつけていけば、五つあつても、六つあつても、それは一つと勘定され得るのでありますが、さようなことは差支えないのであるか。その二つをお尋ねいたします。
  21. 山添利作

    山添政府委員 七十五というのは、別に具体的にあれこれと勘定してきめた七十五ではございません。大体この範囲が適当であるという、いわば見込に属する数字であります。それから分場といたしましても、これは一個と勘定するわけでありまして、ただいまおあげになりました例の場合は一個であります。
  22. 的場金右衞門

    的場委員 この指導者というか専門指導員というのと、もう一つ普及指導員ですか、その二つにわかれておるのでありますが、これはどういう見解でおわけになるのですか。なにか資格によつてわけられるようなことも聞いておりますが、これを二つにわけなければならない理由、それからこれが所属するのは縣廳に所属して、知事の支配を受けるようでありますが、これを町村に所属せしめて、町村指揮監督を受けるような仕組にすることと比較して、私は、縣廳が支配するのでは、ほんとう農民指導者にはなり得ないと思う。農村の中にあつて農村協同組合長なり町村長なり、農民たちの中にあつて農村の人になりきつて指導するのでなければ、縣廳役人さま、官吏さまでは、農村指導の実際は効果的にできないと思うのでありますが、これを縣廳に所属せしめられる理由をお尋ねいたします。
  23. 山添利作

    山添政府委員 この法律の中に使つております言葉は、専門指導員と十四條に出ておるわけであります。これを普及指導員と言つたりしておるのですが、法律上の言葉としては専門指導員となつております。それからこの人たち府縣の吏員になるわけでありますが、しかし眞に農村のために、また農民諸君の仲間となつて指導いたしますためには、いわゆる從來役人かたぎでいかぬことはもちろんであります。そのための考慮といたしまして、縣の役人であり、また縣知事の任命のもとにあるけれども、実際の任命権農業改良委員会にあるわけであります。農家百戸ないし三百戸で一人の委員を出す。そのことは法律に書いてございませんが、その市町村議会においてそういう代表を選任する。その人たちが、数箇町村地区ごと農業改良委員会を構成する。その委員会において、これこれの人という実際の選考をする権限をもつておるわけであります。またその地区における普及事業やり方等についても、調査をし、建議をするというか、意見を出す。こういうことでその委員会とこの専門指導員とは協力して仕事をしていく。從つてその本質においては、お並ベなつたようなことになつておるわけであります。
  24. 的場金右衞門

    的場委員 指導員資格の問題についてお尋ね申しておきたいのであります。今これを見せていただきまして感ずることは、高等あるいは大学の教育を受けた者でなければならないとか、あるいは何年間何々に従事した者でなければならないというような規定が設けられて、試驗の制度によつて採用されるようでありますが、現在まで農村にあつて指導に従事して、その指導効果の非常にあがる技術員と、学問はあるけれども農村にあつて指導をするが、農民たちがついてこない、指導効果がない者とは、ここに規定されておりますような定規にはめて考えてみると、逆な場合がありますが、それを自己の学歴ありいはその從事のした経驗年数というようなもので、窮屈に規定されますことは、優秀なる、從來もうすでに試驗済みの農村指導にとつては非常に効果ある、農民たちを慈父のごとく慕う指導者たちが、一部除除けられる結果になるのではないか。これを農村の現状から考えて非常に心配しておるのでありますが、その点特別の任用のことも一應書いてあるようでありますけれども、あまりにどうも学歴とか、何々に從事した年数というものが窮屈に考えられることは、逆な効果があると思いますので、農林省としてはこれをどんなに取扱いになる御意思であるか、それをお聽かせ願いたいと思います。
  25. 山添利作

    山添政府委員 これはやはり從來程度技術者では、満足ができないのでありまして、だんだん学問の方も、また人格、性質あるいは氣分、健康というような方面でも、眞に農民と携えて技術向上のために盡し得るような人にいたしたいという考えをもつておるのであります。学歴はないけれども、非常に腕のある人、かつ農民に信望のあるような人がありますれば、これは当然適格者認むベきでありまして、特にこれは初年度の試驗をする場合等におきましては、そういう人たちが正式の専門指導員、すなわち普及技術者になれるような途を考慮いたしておるのであります。その事柄につきましては、実はいろいろ地方試驗状況等意見がございます。それらのことにつきましては、参考資料として配付してございますものについて、もう少し先になつてから全体の会議を開いて、さらに補足すベき規定があるならば補足するということをいたしまして、今お述べになつたような場合を取入れるというつもりでおるわけであります。
  26. 的場金右衞門

    的場委員 もう一つお尋ねしたいのは、篤農家といいますか、精米家といいますが、それらのもつ特殊な技術をいかなる方法によつて採用され、普及されんとするのでありますか。ただ試驗場なり学校なりで研究発見したことよりも、むしろ多年の経驗による篤農家たちが発明し、創意をしたことで、國家に貢献し得ることが多数あると思いますが、さような隠れた篤農家技術世間にわかつていない方法等が取上げられて、それが全國の農民たちの採用するところとなるならば、その効果は非常に偉大なものがあると思うのでありますが、それを何らかの方法によつて取上げて、普及させる方法考慮されておりますか。その点をお伺いしたい。
  27. 山添利作

    山添政府委員 ただいまお述べになつ事柄は、たいへん必要なことだと考えております。それには二つの面があるわけでありまして、一つ篤農家技術を明らかにして世間に普及する。從つてある人が非常におもしろい栽培法等をやつておれば、試驗場等もさつそくそれをやつてみて、その結果を実証し、そうして公のものとしてこれを普及する。こういうことに努めなければならぬわけであります。從來とかくそういう点については、やや——いわゆる官僚技術というような名前で呼ばれて、門戸が狭いというような非難も受けておるわけでありますが、今後は試驗場の運営といたしましても、基礎的研究を一層充実するとともに、農畜一体にした、ほんとう農業の経営ないしは農作物の栽培等にアツプライできるものを研究をし、これを普及する必要がある、そういう点にも十分着目をしていきたいと思つております。もう一つの面は、そういう篤農家自身に働いてもらうという面でありまして、これはそれぞれの地区ないしは府縣等において、この仕事十分協力をしてもらうようなことにいたしたいと考えておるわけであります。そういうことのためにこの普及事業の中には、いろいろ会合を催すとか、あるいは実地にやつてみるとか、いろいろな施設というか仕事があるのであります。そういうものの中に篤農家の人にも十分協力をし、また指導をしてもらうという進め方をしなければ、実際の効能をあげることが十分でないと考えておりますので、御意見のような運用方法をとつていきたいと考えておるわけであります。
  28. 的場金右衞門

    的場委員 もう一つのことは、やはりそれと類似のことでありますが、どうも地方へ行きますと、農村人たちが非常に純で、まじめでありますので、人の言ういい加減なことも信用しやすいので、さような面を利用して肥料とか、農機具とか、農藥とかいつたようなものも、あまり効果のないインチキな品物が宣傳されて、それが非常に効果のあるもののように宣傳をいたしますと、その宣傳に乗せられて効果のない藥済を買つたり、あまり優秀でない農機具を高價で買つたり、効果のない肥料を買つたりする場合が多いのであります。これを防止するために、この法律によつて規定される指導員たちが、これを防止するでありましようけれども、そういうものを試驗研究と言いますが、さような機関で一應調査をし、試驗をして、そうして農民たちが安心して買つたり、仕事をしたりするようなことがなされなければ、その弊害が非常に多いと思うのであります。今日肥料の不足のときに、殊に肥料のごときは効果があるかないか、非常にうまい宣傳をしてまわる人たちが多数あるようでありますが、それらのものをいち早くこの機関に取上げて、これは効果があるとかないとか、農民たちにもつと効果のあるような宣傳と言いますか、指導徹底するような方途を講ぜなければならぬと考えるのでありますが、その点は何か考慮をされておられるのでありますか、從來といえどもこの点は考慮されてあるはずでありますが、こういう営利を目的とする業者たち宣傳には、指導の方まで及ばずして、農民たちが迷惑を受ける場合が多いのでありますから、この点に今までよりもさらに力を入れて、さような悪質な宣傳に迷わされぬような指導方法を、何かお考えになつておりますか、その点をお伺いしたい。
  29. 山添利作

    山添政府委員 肥料につきましては、その取締りの基磯法である肥料取締法のありますことは御存じの通りでありますが、それにしてもずいぶんいかがわしいものが横行する。そこで一昨年及び昨年におきまして、臨時肥料相談所というものを設けまして、といつても人を置いたのではなくして、こういうような試驗場でありますとか、あるいはこういう抜術者等を委嘱して、相談應ずるということをいたしたのでありまして、一昨年から昨年にかけての地方農事試驗場に対する注文は、結局肥料分析依頼が一番多かつたのであります。この機関の人が、肥料等相談應ずることはもちろんでありますけれども、根本問題として、これはやはり肥料増産ということができないと、また増産ができますれば自然こういう問題は解消いたすのでありまして、化学肥料も今日だんだん増産できておりますので、かつてのごとき弊害は薄れておると考えております。しかしながらさらに從來肥料以外に、間接肥料と申しておりますが、いろいろな刺激作用等をもつて、藥のような役目で非常にきくというようなものがいろいろ宣傳されるのでありまして、もとよりそういう分野で今後発展すベきものも相当あろうと思います。研究は必要でありますが、確かでないものがあまり宣傳されるということは、まことに好ましくないのであります。これらに対しましては、農林省といたしまして、それぞれ適切な処置をとつておりまするが、今後ともにそういう点には十分留意していきたい。そうしてこの設置いたしまする抜術者の中には、ある程度土壌ないし肥料に関する專門抜術者を配置いたしたいという考えをもつておるのであります。未端の抜術者において片ずかぬ問題は、そこに持つてきて解決する。こういうことを考えておるわけであります。農業につきましては、先般御可決を願いました農藥取締法というものの励行、並びにこういう抜術者協力によりまして、その目的を達し得ると考えております。農具に関しまして、特に鍛造農具で、これは戰爭が済みましてからずいぶん悪いのが出ましたので、農具に関する鑑定は、今まで附近の農事試驗場に人を置いてやつておるわけでありますが、とかく戰爭中その点をなおさりにいたしておりましたので、人の点から見ましても、経費から見ましても、十分なる成果をあげておりません。この方面にはさらに充実を期することを考えていかなければならぬと考えております。
  30. 的場金右衞門

    的場委員 もう一つお尋ねしたいのであります。從來町村なり、市町村なり、あるいは農業会なり、あるいはその他の農業團体なりに設置されてありました指導者の数と、現在これによつて設置されんとする抜術者の数とを比較すると、非常に少な過ぎて指導徹底しないように思うのでありますが、今日のような状態では、市町村なりにおける各種農業團体なりは、指導者も常置しかねる経済状態のように伺いますが、そうすると、今この法律によつて規定される指導者たちが、もつぱら農村指導をするということになるのですが、それにはどんなに質がよくても、数の点においてとうてい足りないので、指導が不徹底終つて、今おつしやつたような事柄等もほとんどできかねる。こういう結果になるのではないかと思います。從來政府の方から農業團体に対して抜術員設置補助が交付されておる。今度はその設置補助も交付されないということになると、設置ができない。その代りにこれによつて指導するというけれども、それは人がきわめて足りない。こういうことで指導はますます不徹底に終るのではないかということが心配されるわけでありますが、從來各種團体、あるいは市町村役場等設置されておりました抜術員の数と、今度設置せんとする指導者の数とはどういう比率になつておりますか、その比率の点と、その少い抜術員でいかにして指導徹底せしめようとするのであるかということ、もう一つ從來抜術員のうちで、優秀なものはこの方へ大部分吸収し得る見込みがあるかどうかということの、三つをお聽きいたしたいのであります。
  31. 山添利作

    山添政府委員 從來市町村並びに農業会等へ置かれました抜術者の総数は、これは蚕糸を含めました約四万人ぐらいに達するのであります。非常に多くの数であります。今回のは六千五百名でありまして、これを逐次いい人を養成するに從つて拡充していきたい。しまいには一町村少くとも一人くらいまではいきたいと考えておりますが、当面それだけの優秀な人が得られないと思います。そういうふうに数は非常に少いのでありますが、それではこの抜術指導に関する事柄は、この施設によつて設置される專門抜術者專門指導者一点ばかりと申しますと、私はそうは考えておらぬのでありまして、やはり協同組合等におきましても、從來ほど大勢の人は置くことはもとより不可能でありますけれども、ある程度抜術者設置をされるということを期待をいたしているわけであります。もつともこの協同組合等設置されます抜術者は、抜術專門でなくて、そのほかいろいろな事務も処理をすることにはなろうと思いますが、とにかくそういうところに設置される抜術者をも、やはりこの仕事には協力をしてもらうという考えでいるわけであります。この施設によつて設置される人は、協同組合等における抜術者よりも、さらに少くともある事項については高い知識をもつというようなことで、十分なる指導効果をあげるようにいふしていきないという考え方をもつているのであります。そこで全体として見ますと、農村にあつて農村抜術発展向上のために努力をする抜術者の数は、しかく減ると見込んでおらないのであります。それから優秀なる抜術者は、全部こちらの方に吸収できるかというお話でございまするが、今申したようなわけでありまして、相当程度こちらの方に吸収はできるのでありますが、抜術員全体としては今のような比例でありまして、こちらの方で設置しまする抜術員は、ある程度質のよろしい、程度の高いというところをねらつている、こういうことを御了承願いたいのであります。
  32. 的場金右衞門

    的場委員 指導区域の問題でお尋ねしたいのであります。從來指導者指導区域というものが町村ということで考えられますので、狭い区域戸数の少い、耕地の狭いといつたような小さな町村では、一人の抜術員指導ができます。ところが非常に廣い市町村戸数も多く、耕地も多いというようなところは、市町村という行政区域一つであるために、指導区域一つであるということは、大きな市町村指導が不徹底に終ることになりまして、その大きな市町村こそ、指導徹底をいたしまして増産をはからなければならないので、小さいところで一割増産をした数と、大きな町村で一割増産をした数とは、五倍も十倍もその数において違いがある、こういうことを考えますときに、あまりに行政区域にとらわれて、耕地の面積なり、あるいは指導を受ける戸数なり、さようなものについて区域考えなければ、指導効果があがらないと考えているのでありますが、この点は何が御考慮になつているのでありますか、これをお伺いいたします。
  33. 山添利作

    山添政府委員 何からいたしましても、六千五百名のうち二級官並びに三級官は、一本立ちの人は五千人であります。現在の町村何からしますと、二箇町村に一人ということになる。そこでこの区域でございますけれども、区域は一町村区域という意味ではございません。大体五箇町村から十箇町村くらいの、立地條件をひとしくする、農業事情の共通な地域をもつて地区を構成するわけでありますが、そこに数名のそれぞれ特色もあり腕もある抜術者設置し、それらの人が一箇村なり二箇村なりの担任区域をもちますと同時に、また一つのグループとしての活動をしよう、こういう考え方になつているわけであります。その抜術者人たちをいかに配置をするかということは、都道府縣委員会で、今仰をになつたような事柄を頭に入れてきめることになつているわけであります。
  34. 的場金右衞門

    的場委員 この区域に問題は非常に大事な問題でありまして、数箇町村を受持つということは効果のないものである。私どもはいかなる小さな町村でも、一人の人がその町村を受持つ、大きなものは二人、三人が区域をわけてその町村を受持つ。その場合に、小さいから三箇村を受持つということでは効果はありません。その指導者も、まじめな熱心な人はようございますが、ちよつとずるい人間になりますと、あつちへ行つたりこつちへ行つたりして、どうも責任がないようになりますから、責任をもつて指導するというならば、やはり行政区域考えなければならぬので、それを考えるが、同時に大きなところはたつた一人や二人ではとうていだめではないか。こう考えて今質問したのであります。今のような考えであれば、私どもはこの仕事はあまり効果がないと考えるのであります。一村に一人もないようではとうていだめであるから、ことしそれが方法がつかなければ、もう少し農林省としてもこの点はお考え直しをお願いしなければ、効果がなかろうと考えます。
  35. 山添利作

    山添政府委員 これは將來の問題として、優秀な人が養成できるに從つて、少くとも一町村一人くらいまで拡張したいということは、先ほど申した通りであります。そういう考えをもつておるが、当面これをもつて発足する。かように御承知を願いたい。
  36. 野上健次

    ○野上委員 本法に基いて農地改良委員会というものが構成されるという趣旨の説明を受けたのでありますが、本法には何らその委員の選挙に関する規定も、また委員会目的権限等に関する規定の一箇條も挿入してないのでありますが、これは別途にそういうものが用意されておるのか、その点を一点伺つておきます。
  37. 山添利作

    山添政府委員 当面の措置として、府縣が行います復旧事業は、農林省と協定した方法によつて行うというのが助成の條件になつております。農林省としては一つの基準を示しまして、今の委員会のことは府縣の條例をもつて定める。こういう考え方をいたしております。
  38. 野上健次

    ○野上委員 なおその際府縣の條例によつて委員会規定が定められるということになれば、一應各府縣の自治性に基いて決定されることでありましようが、それの規範とか何らかの基準、あるいはそれに類したものが用意されておるか。あるいはそうして示達、指令、そういうたものがなされておるかどうか、これを伺います。
  39. 山添利作

    山添政府委員 正式の指令はまだ出しておりません。出す予定のものは草案として参考資料の中にはいつております。
  40. 野上健次

    ○野上委員 從來わが國の農業抜術の改良等において、主として品種の改良であるとか、耕作方法の改良であるとか、そうした問題が取上げられてきたのでありますが、今日私は農業経営の面からするところの経営抜術の改良、経営樣式の改良、たとえば農業労働に対するところの組織的な研究、そうしたものがきわめて乏しいように思うのでありますが、そうした当面の研究を今後取入れていくという用意、あるいは計画があるかどうかを一点伺つておきたい。
  41. 山添利作

    山添政府委員 農業経営と申しままれば、これは多方面にわたるのであります。今お述ベになりました農作業を合理化していく、あるいは優秀な機械を入れていくというような意味合の研究としては、昨年來農業機械化委員会というものを農林省設置いたしまして、その構成主体は主として民間の方でありますが、いろいろな分科会を設けて研究をいたしておりますと同時に、北海道そのほかの農事試驗場に、特別の項目を示して委託試驗をいたしております。この仕事は現在経費が少いのでありまして、十分活動できませんが、これはもとより殖やしてまいりたいと思つております。また農林省農事試驗場は、岩手縣の三本木に特別の試驗場をもつております。これは今仰せになりましたような、東北の畑作を主体にして、畜力、機械力、そのほか総合的に研究していこうという考えでやつておるわけであります。
  42. 森山武彦

    森山委員 從來こうしたような補助金とか、交付金については、表向きは非常にりつぱな看板を掲げてやつておるけれども、実際は交付金をもらうのが目的で、実績をあげるのは第二にしておるというようなものが、ないでもなかつたように思うのであります。この交付金の交付については、よほど巌重なる監査が必要だと思いますが、この研究などでも、木くずから飼料をつくるものがあるようでありますが、よほど自信があつて、そういうような飼料になる研究が行われでおるらしいのでありますが、よほどの自信がなければそういうものに交付しても効果がないのではないかと思います。まつたく自信のないものに、ただいたずらに研究費をやるのはいかぬじやないか。ところが、最近私は聞いたのでありますが、しばらくの間実際に行つて見ましたところの、あの理化学研究所の尾形博士の発明された感光素であります。あれが発賣禁止されたそうであります。そこでそうしたようなものには発賣禁止も必要であるかもしれませんが、十分なる研究の結果そういうふうになつたのであろうと思いますが、それが一万には非常に効果があると称しております。また私が実驗したところでは相当効果がありました。現在植物を二つにわけて試驗をしたしております。そこでただ一概に、効果がないと言つてそれを禁止するということよりも、少しでも増産できるものならば、そういうものに補助金を交付して、さらに研究させていつたらどうかと思いますが、そういうことについて、しかも個人の経費をかけて相当なる施設をしておるようであります。私もその施設を見ましたが、その結果私のところの農民組合においては、昨年來試驗をやつてみたのでありますが、これは非常な効果があるようであります。また岡山縣あたりでは、農民組合において盛んに試驗した結果よろしいというので、もつぱらこれを採用しておつたのであります。特にさつまいもに非常に効果があるというので、これも試驗をしてみたところが、農林省はどういう御見解か知りませんが、実際において効果があるのであります、また鶏にも試驗してみました。これも効果があるのであります。しかしながら効果がないというので、発賣禁止になつたそうでありますが、かようなものを、ただ一概に効果がないというのでなくて、こういう方法効果があるならば、補助金を交付して、さらに研究させることが実際において必要じやないかと思います。先ほど申しました、十分効果があがる目標のあるものならば出してもいいと思いますけれども、疑問のあるようなものに交付する、そういうものは実際において從來世の中にもあつたのであります。またこれはこの法律には関係ありませんけれども、ほかの方面におきましても、やはり厚生省の資金なんかは、私の知つている範囲におきましても、資金をもらうのが目的でありまして、事業は目的じやない。しかし表向きは事業を行つている、その税金を逃れるのと、それから補助金をもらうのが目的でやつているものがあります。ですから、そこの見定めをよほど研究していただきたいと思います。これは希望であります。
  43. 的場金右衞門

    的場委員 さつきもう一つお尋ねするところでありましたけれども、農業経営の指導についていかなる方法でおやりになるのか、その点をお伺いしたいと思います。  從來わが國の農業があまりに複雑多岐にわたつておりますので、一々の要素がりつぱにできても、総合的にその農業経営全体がうまく組合わされて、それによつて一々がよくいつても、総合的にうまくいかないために、経済的には非常に行詰まるような結果を來しますので、この点をどういうふうにして、総合的な農業経営の指導を行われるつもりなのか、これは畑作地帯とか、水田地帯とか、あるいは畑作並びに水田の半々とか、寒地農業とか、暖地農業とか、單作地農業とかいつたようなふうに、いろいろな形態において行われている農業経営を、その地方々々で適当に研究指導しなければ、ただ一々の事項を研究し、指導するだけでは、日本の農業の発達にならぬと考えるのでありますか、この点についてはいかなる考慮が拂われているのでありますか。特に從來捨てられておつた畑作地帯における農業経営をどういうふうにするか。單作地帯で米がたくさんとれるけれども、百姓は貧乏しているようなところに、もう少し経済的に潤いのある経営をせしめるためには、いかなる経営方式をとればよろしいかというようなことが檢討され、指導されなければならぬと思うのであります。今ここに資料はもらつております委託試驗研究というようなものの中にも、総合的な農業経営の研究指導という問題について、何も書いてないようでありますから、この点をお伺いする次第であります。
  44. 山添利作

    山添政府委員 的場委員のお述べになりましたことは、一番重要であると同時に、またむずかしい点であります。むずかしいといいますのは、経営そのものを全体的に把握することが、すでに非常にむずかしいのであります。人によつていろいろ考え方があると思います。いずれにしましても、それぞれの地域の條件ないしは自然的條件、並びに経済的條件に即してやらなければいけないことになつているその試驗研究等につきましても、内地を大体学問的にわけると、およそ十一くらいの地区にわけるのが適当だそうであります。そういう地区にわけまして、その地区ごとに、その地区の重要項目は一体何であるかというようなことに着目して、試驗項目を選択して、そして組織的にやつていくという考え方をいたしているのであります。一体單作地帯にどの程度の畜産がはいり得るか。あるいはどうしてもいかなければ、というよりも、むしろ一体どういう種類の農村工業を起した方がいいか。これは一つ一つ研究と同時に、いろいろな視察をも必要とするのでありまして、そういうことにつきましては、この普及事業といたしましては、中央の農林省農業改良局ができ、府縣にまたこの仕事の所管する特別の機関——当面経済課における一係でも設けるというようなことでやつていくのでありまするが、それらのものが中心になり、廣く各方面意見を聽き、また必要と思うところの試驗項目を指示して、研究を進めるというようなことで、お話のような点を、絶えず頭の底において事を進めていきたい。こういう考えでおるわけであります。
  45. 的場金右衞門

    的場委員 はつきりしませんようですが、私どもは、ただ一つの米なら米を増産するというだけでは、米は増産するけれども百姓は助からないのであります。増産をしたから百姓がすぐ潤うかというと、そうでもない。ほかにその一つ一つの要素はりつぱにできても、総合的にひの農業経営全体がうまく組合わされて、一方でむだになるものは一方では利用をされるというように、うまく組合わされるところに、農業経営の妙味を発揮して、そこでその農業経営というものが成り立つので、成り立たない農業をどんなに改良したつてだめなのですから、根本は農家の経済の向上するような農業経営の研究指導というものを、今おつしやるような十一地区から十一地区でようございますから、その地区ごとに相当の研究機関を設けて研究し、指導をしてもらわなければならぬのではないか、かように考えるのであります。けれども今のお話では、その点がどもに不徹底のようでありますが、もう少しこの農業経営の研究指農というものに力を入れてもらうような御意思はないのでありますか。これは今年ということでなければ、その今後の問題でもお伺いできれば結構だと思います。
  46. 山添利作

    山添政府委員 元來一つ技術を取り入れると言いましても、その経済的効果いかんということが問題でありまして、お話のように、米はできたけれども、経営全体としてマイナスになるというのでは、話にならぬわけであります。すべての研究がそういう経済的効果徳いうことを頭におき、基礎としても誠ていなければならぬということは、たえず考えているのであります。ただその経営自体を——ある地区におけるどういうものがモデルの経営であるかということをつかみ出すことは、非常に困難な仕事であるということを申し上げているのであります。しかしそういう点に着目しなければ特にいけないという考え方は、われわれももつておりますと同時に、その現われの一つとしては、農業改良局をつくりまして、その中の一つの部としては、もつぱら経済的の観点から農業経営等を取扱つていく、経済研究課というようなものも設けるのでありまして、また今はございませんが、將來は地区ごと一つ地区的な取扱いをするような、試驗場と学校というものが結びついて、地区的に取りまとめをするような組織もだんだん発達してくると思うのであります。それらのものは何を中心とするかと言うと、今おつしやつたような、特に経営というような点に着目してすべての研究なり指導をする、そういう方向に導きたいという考えをもつているのであります。お話になりましたことは、われわれもことごとく同感であり、注感をいたしております。ただ経営試驗場という形においては今まで日本ではなかつたのであります。またある地区のこれがモデル経営だということも、なかなかつかみにくいのであります。養蚕をやつて、それが福島縣で羊と結びつくとか、そういう個々の事柄というものがたえず全体の経営が繋がつて行く、こういう方式でやつてまいりたいという考えでおります。
  47. 的場金右衞門

    的場委員 私の考えも、こういう地方ではこういう形の経営がよいのだという、見本的なモデル的になもを言う意味ではないのでありまして、農業を経営していくうちに、この地方ではいかなるくふうをすることによつて妙味があるのか、どういうところに改善をしなければならないことがあるのか、いかなる部分にロスがあるのかということが、経営全体を通じて考えられなければならないので、ただ試驗研究というものが——稻をつくるのはこうすればよくできる。甘藷をつくるのはこうすれば増産になるという研究だけではなしに、何十かある農業要素ことごとくに檢討加えて、常に研究というものがなされなければ、増産はできても、前申し上げましたように百姓は困り、貧乏をする農業経営しかできないのでありますから、この点にもう少し注意を拂い、もつとくふうされて、研究指導をなされるようにお願いしたいという私の氣持から申し上げるのであります。この点は今後御考慮願いたいと思います。質問を打切ります。
  48. 井上良次

    井上委員長 大体以上で本農業改良助長法案に対する質疑は終りました。大体この程度にいたしておきたいと思いますが、最後に委員長から特に政府に質問をいたしておきたい問題は、すでに各委員から指摘されましたが、本改良助長法を遂行するために、全体としての予算的措置が必要であるのに、われわれに配付された資料による予算関係は、從來計上されております試驗関係のものが單に集計されておりまして、本予算の施行に必要なる予算的措置が行われていないのであります。そうすると別途に何か補正予算というようなものをつくるつもりでありますか。また來年はどうするとか、將來の技術員の配置、指導の計画運営についての明確な指示がございません。將來一体政府技術員をどの程度に配置することによつて、日本の農業及び農民の経済的生活の向上をはかられようとするか。それらの一つの計画による見透しを立てて、それについてはこれだけの経費と予算が必要であるという、一つの見透しをこの際明確にしてもらいたいと思います。
  49. 山添利作

    山添政府委員 現在の予算といたしましては、普及事業に関する予算が五億九百くらい計上してあるわけであります。これは六千五百名の技術員設置することを中心とする予算であります。これは將來だんだん殖やしてまいりたい。そうして一町村一人という程度までは拡充をしてまいりたいという考えをもつております。なおそのほかにいろいろな事項についての専門技術者も、相当数設置したいという計画をもつております。將來増員される者及び専門技術者設置を要する計費は、次年度以降計上要求をしてまいるのであります。これはどれだけの人が得られるかということと、財政上の見地と両方をにらみ合せて、なるべく早い機会に完備するように努力していきたいという考えをもつております。  それから試驗研究に要する費用は、今年としては、とりあえず今までやつておつた既定予算を参考資料としてそこに掲げたのみでありまして、この法律の施行に伴い、新しく改良総局等ができ、人を揃いますときにおいては、過去の業績、現にやつておる事柄を檢討いたしますと同時に、將來の方向をも察して、新しく試驗事業を整備するものは整備し、着手すべき項目は取上げるということにして、別途経費を要求いたしたいと考えております。その一部は時期的に申しまして、多分予備金を要求することになろうと思います。本格的な試驗研究費については、明年度からになるという予定であります。
  50. 井上良次

    井上委員長 そうしますと、結局よい人が得られるか、得られぬかという見透しがつかなければ、技術員及びその普及事業に対する計画というものは立たぬことになりますか。
  51. 山添利作

    山添政府委員 一町村一人という程度までこぎつけますのに、三年計画にするか、五年計画にするか、こういうような点が問題かと思います。
  52. 井上良次

    井上委員長 わかりました。それでは農業改良助長法案の質疑はこの程度で終了いたいと思います。明日午前十時から討議をいたしたいと思いますからさよう各党においてお諮りを願いたいと思います。  なお討議が終りましたならば、食糧確保臨時措置法案、これの質疑を継続することにいたしますから、御用意願いたいと思います。  本日はこの程度で散会いたします。     午前十一時四十三分散会