○成瀬委員 不可抗力によるこの未曽有の
雹害によりまして、大きな損害を受けた
農家各位、また各縣のそれぞれの
地方に対しましては、深甚の御同情を申し上げる次第でありまして、本農林委員会は、全力を盡してこれらの
農家の救済のために働かなくちやならぬ、こう存ずねのであります。しかしこの際にお尋ね申し上げたいのは、昨年の関東
水害においても、私はいち早く栗橋にまいりますと、
災害を受けておらない
茨城縣の方から、たくさんの馬鈴薯その他の救済品がまい
つてお
つたのであります。また二十一年の南海大地震においては、
関係六縣でありますが、これまた一
農家にわら十五貫とか、野菜、馬鈴薯等相当量見舞品として送
つたのでありまして、かかる
災害の場合における各
農家の隣保相助の精神が発揮されて、それらの
災害地方も非常に助か
つておるのであります。かような面から考えてみますと、今回の
雹害に対する
対策として考えることは、國の予算によ
つて、國の予備費から支出いたしまして、それによ
つてこれらの
災害農家を救済するのであるか。またそれは一部であ
つて、縣の方の縣費支弁によ
つてどの程度の救済計画をなされておるのであるか、あるいはさいぜん言つたような、各
農家の同情による見舞金等のことが考えられるのでありまして、こういう点の内容がどの程度に予想されるかということを承りたい。また
雹害も
病害も同じでありますが、昨年成立いたしました
農業災害補償法の適用を受けて、どの程度の緩和、救済ができるものであるかということを詳らかにしていただきたい、かように存ずる次第であります。
それからせつかく
共済金として受けた金額に対しましては、
大藏省は
所得税の免除ということがなされてあるか。いわゆる早場米その他の
奬励金に対してまでも、総合
所得の
関係からいたしまして税金をかけましたならば、せつかく
農家に対する救済金を意味するこれらの
共済金は、まつたく意味をなさないということも考えられますし、また
共済金がただちに
支拂い得るような準備ができているかどうか。もしこの
共済金の
支拂が時期を失するということでありましたならば、何にもならない。そこで営農
関係における
金融面について、
政府も大いに考慮を拂
つていかなければならぬと考えるのであります。
それから
食糧の問題でありますが、
食糧の問題が縣内における何パーセントの
被害農家に及ぶかしれませんが、それらが縣内の操作において、一應の見透しがつけられるものであるかどうか。あるいは特別に食管の方から
出してやらなくてはならぬ性質のものであるかどうかということを、お尋ねしたいのであります。
またこの種の
災害につきましては、
國家においても全体的な立場から大いに救済の金を支
出しなくてはなりませんが、昨年の
災害、旱害等に対して五千万円の救済金を支出するというようなことも聞き及んでおりますが、それらの旱害及び
災害に対する金が、どういう縣にどういうふうに分配されているか。実は昨年徳島縣におきましても、地震のための沈下による塩害によりまして、相当廣範囲の收穫皆無、あるいは多大なる
減收を生じているし、また一部におきましては、旱害による
被害も非常に大きか
つたのでありますが、過般の
政府の資料に基きますならば、香川縣と高知縣のみがこの
農業災害補償法の適用を受けているということだけを考えてみる場合、少くともこういつた面に対しましては、公平を期していかなければならない。同じ
雹害を受けた場合におきましても、縣と縣との運動や、それの力
関係、政治
関係において、不公平が生じてはならないのでありまして、こうした見地からいたしまして、私はこの
機会に昨年におけるそういつた方面の資料を要求するし、また
共済金の内容につきましても聽きたい。かような点についてお尋ね申し上げまして、私の
質問を終る次第であります。