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1948-05-29 第2回国会 衆議院 農林委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十九日(土曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 井上 良次君    理事 岩本 信行君 理事 森 幸太郎君    理事 佐竹 新市君 理事 永井勝次郎君    理事 鈴木 強平君       小川原政信君   小野瀬忠兵衞君       佐々木秀世君    重富  卓君       田口助太郎君    綱島 正興君       野原 正勝君    松野 頼三君       八木 一郎君    渡邊 良夫君       勝間田清一君    河合 義一君       清澤 俊英君    黒田 寿男君       成瀬喜五郎君    野上 健次君       溝淵松太郎君   青木清左ヱ門君       菊池  豐君    小林 運美君       関根 久藏君    寺本  齋君       中垣 國男君    坪井 亀藏君      的場金右衞門君    松澤  一君       大瀧亀代司君    森山 武彦君  出席政府委員         物價廳次長   野田 信夫君         農林政務次官  大島 義晴君         農林事務官   山添 利作君         林野局長官   三浦 辰男君  委員外出席者         議     員 林  大作君         議     員 川合 彰武君         專門調査員   岩隈  博君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  米價問題に関する件 請願  競馬振興会の元競馬倶樂部資産継承等に関する 請願林大作紹介)(第四九八号) 追加  濱松市競馬場設置に関する請願川合彰武君  紹介)(第一一八号)     陳情書  一 水源涵養林確保に関する陳情書   (第一三号)  二 造林計画樹立促進に関する陳情書   (第四四号)  三 造林事業拡充強化に関する陳情書   (第七九号)  四 森林整備に関する陳情書   (第一〇三号)  五 造林事業の助成に関する陳情書   (第一   四八号)  六 植林用苗木生産促進陳情書   (第一六二号)  七 造林事業促進陳情書   (第一八   一号)  八 森林対策に関する陳情書   (第一   八六号)  九 造林事業強化に関する陳情書   (第一八九号)  一〇 緊急造林費予算計上に関する陳情書   (第一九〇号)  一一 早場米の奬励金制度改正に関する陳情書   (第一〇号)  一二 米麦の搗精度に関する陳情書   (第三四号)  一三 主食完全配給に関する陳情書   (第五五号)  一四 公團式主食配給統制機関設置反対陳情   書外百三十四件   (第八〇号)  一五 食料及び薪炭需給調整に関する陳情書   (第九七号)  一六 公團式主食配給統制機関設置反対陳情   書   (第一一一号)  一七 農地改革農業に対し國庫補助増額陳情   増額陳情書   (第六号)  一八 農地改革事業経費全額國庫負担に関する   陳情書   (第五九号   )  一九 農地制度改正に関する陳情書   (第六四号)  二〇 炭鉱労務者住宅建設用地確保に関する陳   情書   (第一四四号)  二一 薪炭配給統制規則改正に関する陳情書   (第五号)  二二 燃料危機突破策に関する陳情書   (第四五号)  二三 戰災都市消費者用薪炭製造等に関する   陳情書   (第一二四号)  二四 木炭生産労勤者に対し食糧特配に関する   陳情書   (第一四一号)  二五 集團開拓地における地元増反緩和に関す   る陳情書   (第一二号)  二六 開拓事業強化に関する陳情書   (第一八七号)  二七 農業技術員指導農場整備拡充に関する陳   情書   (第二二号   )  二八 農業技術員指導農場整備拡充に関する陳   情書外三件   (第一   九号)  二九 報奬肥料制度の是正に関する陳情書   (第二号)  三〇 農業災害補償法に関する陳情書   (第八九号   )  三一 家畜衞生施設強化に関する陳情書   (第一四号)     ―――――――――――――
  2. 井上良次

    井上委員長 会議を開きます。  これより請願の審査にはいります。紹介議員説明を求めます。競馬振興会の元競馬倶樂部資産継承等に関する請願文書表第四九八号林大作紹介。林君。
  3. 林大作

    林大作君 それではちよつと紹介議員として御説明申し上げます。社團法人競馬振興会の元競馬倶樂部資産を承継したい件について請願が出ております。これは皆さん承知のことと思いますが、もともとこの競馬をやつておりましたのは、戰爭前におきましては競馬倶楽部というものがあつて、それが全國に十一の國営競馬場を、つまり競馬倶樂部の名前において運営をしておつたのであります。この競馬運営と申しますのは、御承知通り一つには馬をもつて走らすという仕事と、それから馬場を合理的に経営していくという仕事と、それから馬券を賣つてもうけるという仕事三つにわかれるのであります。この三つにわかれたうちで、今申し上げるこの第二の馬場経営と第三の馬券の発賣というものだけにつきましては、実は昭和十一年の改正でもつて日本競馬会というのができたのであります。そうしてこの日本競馬会に無償でもつて、今申し上げた競馬倶樂部財産を引渡したのでございます。そこでやむを得ず、残りましたこの馬をもつてつてそれを走らすという面だけを━━各競馬場に所属しておりましたところの競馬倶樂部があつたのでありまするが、この競馬倶樂部が全國一つのものをつくりまして、帝國競馬協会というものができたのであります。すなわち戰爭の直前におきましては、今申し上げる馬場経営と、馬券の発賣事業を、日本競馬会でやりまして、そして馬をもつて馬を走らすという方を帝國競馬協会でもつてつてつたのであります。ところがこの帝國競馬協会というものが、今度の敗戰の結果アンチ・カルテルの法律に反くというおそれを指摘されまして、解散を命ぜられることに相なつたのであります。そこで両方ともこの團体解散を勇れることに相なりましたものですから、前に申し上げました、馬をもつて走らすという方の團体は、終戰後競馬再開とともに、社團法人競馬振興会というものに変つたのであります。ところが馬場経営及び馬券の賣渡しの方は、解散を命ぜられました帝國競争馬協会そのままになつておるわけであります。そこで問題は、閣議あたりですでに競馬國営になるというような議論をしておられたことがあるのでありますが、はたして競馬國営になるといたしますならば、一体馬場経営とか、馬券の発賣とか、馬をもつて出すとかいう、これらのことが全部國の管理によつて、國の所有として、國の役人によつてこれが実行されるということは、お互いに想像いたしましても、できないということはよくわかるわけであります。そこでなるほど馬券を賣つて、そうして國家收入を増していくという面では、確かにこれは経営の面は國営にすることが必要でございますが、それを準備いたしますところの馬を養うとか、調教をするとか、馬場経営するとか、こういうような基礎的な準備になる面は、どういてもこれは何と申しますか民主化した形における民営にしておくことが必要であろう、こういうふうに考えるのであります。大体馬がなければ競馬にならないのでありまして、馬主がよい馬を養うためにも、相当多額の金が要ることも皆さん承知通りであります。そこでどうかこうか競馬を將來やつていくためには、まず第一にこの馬場経営をどうするかということと、それから馬主に対して、馬主とそれから國家收入目的とします馬券との関係をどうするかという問題が起るのであります。それでわれわれがお願いしたことは、できることならば、この馬場経営は各競馬場十一ございますのを、おのおの私立会社から何かにお下げ渡しになりまして、つまり拂下げていただきまして、そしてこれは先ほど申し上げました競馬振興会との関連において、りつぱな馬を養うと同時に、りつぱな馬場経営させていく、こういうふうに各十一の私設会社でもつくたらどうであろうか、かように考えのであります。それからもう一つは、この馬券から出ますところの利益の一部分をもつて馬主團体に相当な交付金をいただかなければならないと思うのであります。すなわち元來この日本競馬競馬倶樂部当時にさかのぼりますと、先ほど來申し上げますように、馬場設置から馬の飼養から全部この競馬倶樂部の会員によつてスタートをされたものでありますから、敗戰後また元の形に実質上ある程度もとして、この馬を出すための奬励費並びに馬場経営を、元の團体に適当な價格で拂下げるような方向にもつていかれることをお願いしてやまない次第であります。以上をもつて私の説明を終ります。
  4. 井上良次

    井上委員長 これに対する政府意見を求めます。
  5. 大島義晴

    大島政府委員 競馬法改正に対しましては、ただいま議会に提案すべく政府でも準備中でありまして、御趣意の点はよくわかりますが、いずれそれらの詳細につきましては、競馬法提案の際に御審議を願うことにいたしたいと思います。
  6. 坪井亀藏

    坪井委員 ちよつと一言……。
  7. 井上良次

  8. 坪井亀藏

    坪井委員 ただいま競馬法改正する案があるから、いずれまたそのときにという話でありますが、これについて私は大いに意見をもつておるのであります。もちろん競馬法改正しようとうことについては、委員会に少くともその構想を示されて、そうして十二分に檢討いたしたいかように考えているわけでありますが、ただいまの意見によりますと、いわゆる競馬をひとつやろう、競馬がうまく経営されていければよいではないか。そうすれば國でやるより民間に、あるいは営利会社に委讓した方がよい、こういうことはもつてのほかだと思う。なぜならば、競争眞随目的たるものは産馬奬励ということが最も大きな目的である。馬の質のよいものの数を殖やす、そうしてこれを奨励していくいわゆる産馬奨励ということが第一目的であつて、私が申し上げるまどもなく、わが國における家畜を取入れた農業経営というような点からみましても、食糧増産に寄與することは最もこの家畜の力が大きい。その家畜といつてもやはり牛馬が一番必要でありまして、このうちこの馬の増産をやらなければならぬ。馬は戰爭中においてはほとんどその数が減りまして、現在は著しく減つている。これを何としても殖やすといい方においては、やはりこの、何といいますか、趣味というかあるいは娯樂というか、かにかくその方向の線に沿つて競馬というものが一面において地方的な興味ある娯楽というようなものを兼ねまして、一頭の馬でもよけい飼育していく、これを普及していく、その線に沿つて競馬を運用すべきであつて利害得失営利会社と間違えて、もうかるからやる、もうからぬからやらぬ、政府でやつてみて、もうからぬから民間に委讓していく、もうけさして、もうけた費用馬事奬励にもつていくというように企業的に経営していくということは、もつてのほかだと思う。今後競馬奬励については、どうしても産馬奬励有畜農業の普及という点を主眼にしていくべきである。結局おのずからそこに國営にいたしましても、府縣営にいたしましても、あるいはまた馬事團体経営にいたしましても、維持経営のできぬところは当然廃止になることはやむ得ない現象だと思う。現在の馬券の発賣を見ましても、少くとも七百万あるは八百万の賣上げがないと一競馬場経営は成立ちません。しかるにややもすると北海道、東北地方においては、馬は相当ありましても、どうも馬券が割合に賣れない。いわゆる金融面から見ましても、今の金融状態から見てどうも馬券が賣れない。そこに競馬経営したくてもおのずから経営が成立たないというような現象が起りつつあるのでありまして、経局私は、産馬奬励という点から見れば、多少赤字や損はあつても、そうした馬のたくさんあるところこそ、もつと競馬を慫慂して、そしてこれは國家事業あるいは府縣営事業の、いわゆる公共性をもつた組織によつて産馬奬励をすべきだと考えておりますので、営利会社的に一つの企業的に、また利潤追求に競輪をやることについては、絶対反対をいたしたいという意見を申し上げます。
  9. 井上良次

    井上委員長 林君、御意見はありませんか。
  10. 林大作

    林大作君 今の御意見を聽いてみますと、いかにも私が申し上げたのが営利追求であるようにお考えのようでありまするが、決してそういう意味ではございません。今の反対議論の方は——馬場経営というようなこまかいことまで一体國営でやるのかやらないのかということをまずきめる必要があるのでありますが、私どもの意見では、馬場経営というようなこまかいことまで、いわゆる官吏にこれをやらして、そしてきれいにこれを管理していくということは、ほとんど不可能であると思うがゆえに、これを適当に、各競馬ごと私設会社にするというようなことが一つ方法ではあるまいか、こういうことを申し上げるのであります。  それからもう一つ、馬の奬励という面につきましては、私が御説明申し上げましたように、いわゆるまず馬主にある程度の交付金をやつて、そしていい馬を養わすということが、いわゆる全体的に見て、國家的にりつぱな馬をつくり出すことになるのでありまして、そのために今までに比例したようなある程度の交付金をいただけるように御処置を願いたい。こういう二つのことを申し上げておるのでありまして、趣旨といたしましては、今御反対の話がありましたが、全然私の説明と一致するものであると私は確信するのであります。
  11. 井上良次

    井上委員長 ただいまの日程は、これを採択の上、内閣に送付すべきものといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議あり異議あり」と呼ぶ者あり〕
  12. 井上良次

    井上委員長 多数賛成をされておりますので、これを内閣に送付することにいたしたいと思います。     —————————————
  13. 井上良次

    井上委員長 次に請願日程を追加いたしたいと思います。昨日延期をいたしました浜松市に競馬場設置請願文書表第一一八号、川合彰武紹介川合君。
  14. 川合彰武

    川合彰武君 競馬法の一部改正並び浜松市に競馬場設置請願書でありまして、請願人浜松市の議会議長木全大教氏以下であります。請願趣旨とするところは、昨年競馬法改正に伴いまして、靜岡におきましては縣下に二箇所の競馬場設置されることになつたわけであります。そのうち一箇所は從來から三島にあつたわけでありますが、そこであとの一箇所の競馬場設置問題に関しまして、実は靜岡市浜松市とが爭奪戰を演じたわけであります。これは地方政治といたしましていろいろの問題を惹起したわけでありますが、逐に軍配は靜岡にあがりまして、靜岡競馬場が説置されることになつたのであります。ところがいろいろな競馬立地條件から見まして、浜松の方が有利なのであります。そのために依然として浜松市におきましては熾烈なる要求があつたわけでありますが、ここに農林委員をしておられる坪井君もよく御存じの通りに、浜松市の競馬場候補地となつておるところは三方原と申しまして、旧飛行場のあつた所であります。從つて競馬場敷地という点におきましては、まずきわめて容易に得られるという点であります。次には御承知通りに、三方原酸性土壤土地でありまして、この土地は現在五千町歩開拓が行われております。五千町歩開拓と申しますと、日本の内地におきましては相当大規模な開拓なのであります。ところがこの土地酸性土壤で、今麦をつくつておりますが、收穫量はごく少い。そこに六百有余の開拓者がはいつておるというようなことからいたしまして、まず肥料観点におきまして、非常に困つておるのであります。從つて競馬場設置せられますならば、その馬糞を肥料の面に使われたいというのであります。それに伴いまして、同時に耕地拡充が起る。さらにまた作付運営合理化が行われると同時に、先ほど坪井君が言われた通りに、靜岡縣のこの地方はなかなか有畜農業というものが盛んであります。從いまして有畜農業奬励に寄與するところも多大であります。そういうようにいたしまして、浜松の方が靜岡に比較いたしまして競馬場立地條件は有利であるにかかわらず、靜岡に許可されたということは、幾多の政治上の問題があつたようであります。  そこで私はこの請願理由を申し述べまする過程におきまして、もしでき得るならば、特に農林省から説明を煩わしたい点があるのであります。と申しますのは、そういうような靜岡浜松市の爭奪戰があつた。そこで農林省靜岡市にこれを許可した。しかるに許可して今日に及ぶも、何ら靜岡市におけるところの競馬場は、敷地の選定さえも行つておらぬような状態であります。と申しますのは、靜岡市競馬場候補地が、一つ靜岡縣縣営総合グランど場を候補地とし、一つは現在耕作されておる農地候補地にされておるわけであります。今日におきまして、体育の奬励が盛んに行われなければならぬときに、縣営総合グランドをつぶして競馬場をつくることがいかぬということは、火を見るよりも明らかであります。また農地改良あるいは耕地拡充というような観点からして、耕地をつぶしてまでも競馬場設置するというようなことに対しては、われわれは異論があるわけであります。そういうような立地條件がすこぶる不利であるにかかわらず、あえて靜岡に許可し、そして今日に至るもこれが何ら工事さえ行われていないということは、はたし当を得たことであるかどうかという点であります。そそこで依然として浜松市民は、ぜひとも浜松市に競馬場設置したい。それには現在靜岡市に、競馬場設置するために三百数十万円の運動費がばらまかれておるということを聞いております。そのために現在靜岡市ではいろいろな事件が惑起しそうな形勢にあるわけであります。そういうような観点からいたしまして、私は靜岡市競馬を取消して、そして浜松にくれというようなことを申しません。実は靜岡市の方から、三百数十万円の今までの運動費の穴埋めをするならば、浜松に讓りたいというような希望があるわけであります。われわれとしては、三百数十万円のこの赤字を引受けてまでも、浜松市にこれを誘致したいという考え方はありません。從つてこの問題の解決は、農林当局並びに靜岡縣知事、さらに旧馬匹連合会でありますか、そういう人たちが当然これを処理しなければならぬ地方の大きな問題であろとういうふうに考えております。よつてこれに対して、この機会農林当局から、これらの問題に関する答弁をしていただけるならば非常に結構と思いますし、もし答井がなくこのままやるならば、ひいて再びあるいは不当財産調査委員会のようなところにもち出すような事態の発生もあるということを一應申し上げておきます。それはそれといたしまして、われわれとしてはそういうような観点からいたしまして、ぜひとも地方競馬法の一部を改正して、そうして靜岡縣特殊性に鑑み、縣下に三箇所の競馬場設置を許可せられるように法的の措置を講ぜられたい。しかし求ぜひとも浜松市民の熱烈なる要てに應じていただきたい。これが請願理由であります。  以上申し述べましたこによりまして請願の事情はおわかりと思いますので、ぜひとも御賛成の上、御採択あらんことを特に切望する次第であります。
  15. 井上良次

    井上委員長 政府意見を求めます。
  16. 大島義晴

    大島政府委員 競馬場に関しましては、最近戰災都市に特別に許せとか、あるいは縣内三箇所に許せというような陳情が頻々と參つているのであります。しかし先ほども申し上げた通り競馬法はゐこの議会に提案いたしまして御協賛を得たく、目下成案作成中でありますので、いずれ成案を得た上において委員会に提案いたしまして、その際に詳細に御説明を申し上げたいと思うのであります。なおただい競馬場設置運動に関して、三百数十万円の金がばらまかれた。これはことによれば不当財産取引委員会に提案するというような御説明でありましたが、農林省といたしましては全然関知せぬことでありまして、そういう運動費が使われて左右せられるものとは考えておりません。從つてそれは御意見通り、あるいは適当な御措置を講ぜられるのも一つ方法だと考えておりますので、いずれ成案を得た上で御相談を申し上げたいと思つております。
  17. 坪井亀藏

    坪井委員 ただいま川合彰武代議士から請願理由説明がありましたが、御承知通り、この競馬場誘致に関しては、一番の当初には、私が第一声をあげたのであります。御承知通り昨年の五月五日ごろと思いますが、当時畜産局長遠藤三郎氏から私の所へ手紙が參りまして、一度私も静岡縣人であるからお目にかかりたいということであつた。私も代議士として二回の当選をしたので、いろいろかねまして、とにかく農林行政については関心をもつということから、畜産行政を何とかいたしたいというので、局長にお目にかかりましたときに、どうだろう、今度はいよいよ競馬戰災都市にはできるだろう。静岡縣には二箇所できるが、どうだろう。ひとつ浜松市につくりたいが、どういう意向であろうかということで、お目にかかつてお話をしてみますと、結構だ、帰つて知事とよく相談の上で申請をしてくれというような話がありまして、知事にもその後その点について車中で話したこともあるし、あるいはまた、浜松市が誘致するというならば、市長が乘り氣にならなければいかぬ。なお地元関係の町村が、畜産増産ということから見て、いわゆる産馬奨励は市だけではいかぬ。最も地方の馬の飼育者の熱がなければいかんということで、私もそれらの点を力説をいたしましたところが、よろしいひとつやろうじやないか、また市長もいわく、いや遠藤君とはよく会つて必やすいから、僕も上京するからこれをひとつものにしようじやないかというような話から始めまして、とにかく再三再四この競馬については手を染めてかかつておる矢先、静岡がこれを聴いて、いやこれは浜松にとられてしまうのだ、何とかしてこの機会浜松の方はオミツトして静岡誘致しなければならぬ。さいわいに静岡の郊外にグランドがある、そのグランド附近につくれば耕地は相当つぶれる、既耕地がつぶれてもよいから、これをやれば相当市の財源にもなるだろうからという見地から、静岡誘致策を講じました。どうも何だか知事もその方に傾いたかどうかはよくわかりませんが、とにかく地元の熱が高いというので、静岡静岡ということで、静岡の方へさつきも言われたように来配が上つて静岡にやろうということにきまつた。浜松の方といたしましては、その後市会においても問題化いたしまして、市をあげてこの誘致に専念しようついては浜松の條件というものは、御承知通り一三〇部隊ですか、とにかく部隊があつたあと三方原はその後廣漠たるまつたくの未開墾地であります。食糧増産には何ら影響はない。また今までの施設を利用すれば経農はわずかな費用で用が足りるというようなのにもかかわらず、静岡につくりますと相当多額費用がかかる。しかも食糧増産見地から、耕地を相当つぶさねばならぬというような見地から見て、これはどこまでもただ一方的に偏するのでなくて、結局産馬奨励、著産の奨励という見地から見ましても、どこまでもやらなければならぬというところから、市もあるいは近郊農村もこれに賛成いたしまして、どこまでも西遠地帶にこの競馬場誘致しようというのでやつてきたのでありますが、その後さつき言われたように遅々としてこれが進まない現状になつておることはまことに遺憾であります。
  18. 井上良次

    井上委員長 坪井君、簡單に願います。
  19. 坪井亀藏

    坪井委員 これは今後競馬法が出るようでありますが、政府としてはよろしく十二分に善処されまして、この農林委員会調査員を派遣して、実際にこの立地條件がどつちにいつたらいいか、眞に食糧増産産馬奨励見地から、とにかくこの競馬場をつくることについては私は何もひいきの引倒れで近いところへつくれとは申しません。大きな食糧増産という見地から見ましても、あるいは自給肥料見地から見ましても、あるいは家畜増産見地から見ましても、何から見ても、私は浜松競馬場設置することが当然の当然だというのにもかかわらず、これを曲げられてきたということはまことに遺憾千万だと考えておりますので、ただいまの請願趣旨についてはただちに採択いたしまして、そうしてこれを政府に送付願い、なおまた委員会としては、どこまでもひとつ調査員を派遣して、実地に静岡浜松の現状を檢分して、その上でこの実現方について善処を要望いたします。  以上私はまだまだ申し上げたいことは二、三時間しやべりたいのでありますが、この程度にいたしまして、簡單に私の希望を附してこの請願には賛成するものであります。どうかよろしく愼重審議の上で御採択をお願いいたします。
  20. 井上良次

    井上委員長 本件は非常に議論のある問題でございますから、いま少し愼重に審議いたしたいと思います。
  21. 坪井亀藏

    坪井委員 調査員派遣の件を諮つていただきたい。
  22. 井上良次

    井上委員長 それは別に相談いたします。  次に日程の第一から第十までの陳情書の審査にはいりたいと思います。  第一、水源涵養林確保に関する陳情書(九州各縣議会正副議長会幹事福岡縣議会議長稲員稔)  第二、造林計画樹立促進に関する陳情書(三重縣森林組合連合会長井上秀作)  第三、造林事業拡充強化に関する陳情書(長野縣林業会長井出一太郎外九名)  第五、造林事業の行成に関する陳情書(鹿兒島市山下町鹿兒島縣林業会長岩崎與八郎)  第六、植林用苗木生産促進陳情書(東京都千代田区丸の内東京都議会議長石原永明外九名)  第七、造林事業促進陳情書(委都宮市江野町栃木縣林業会長福田七右衛門外一名)第八、森林対策に関する陳情書(大阪市東区大手前大阪府森林組合連合会長中井啓吉)  第九、造林事業強化に関する陳情書(滋賀縣大津市湖南町滋賀縣森林組合連合会長佐野眞次郎)  第一〇、緊急造林費予算計上に関する陳情書(北海道林業会長林常夫外一名)  以上十件を議題に供しまして野原君、代表して説明を願います。
  23. 野原正勝

    ○野原委員 今回の陳情はただいま委員長から申されました十件でありますが、この内容を調査いたしますと、まずこれを四つにわけることができると思う。第一は林野の整備に関する問題であります。第二は森林経営の計画化、合理化に関する問題、第三が造林対策に関する問題、第四が治山治水、保安林の強化等の問題、大きくわけますと四つの問題にわかれてくるのでありますが、これは四つにしてまた同時に一つの問題であります。一括してこれらの陳情書に対する考え方を申し上げてみたいと思います。  一体こういう陳情が大量に出てまいつたことはどこに起因するか、これ畢竟するにわが國の森林政策が十分に確立していないことを現わすものでありまして、この点はなはだ遺憾でありますが、特に戰時中の長い間の過伐濫伐の結果、昨年東北及び関東を襲いました再度の大水害をこうむりまして、これが戰時中における過伐、濫伐の結果であり、またわれわれが山林の資源を單に略奪するのみで、森林の補植造成に関してはほとんど放任しておつたというところに、國民太多数の人々の関心が高まりつつあるのでありまして、こういつたような請願となつて現われたと思うのであります。  第一の林野整備の問題についてでありまするが、この十件の陳情は符節を合せたことく森林の整備に関してのいろいろな陳情を國会にやつておるのであります。その大きな問題としましては、御承知通り森林経営が非常に不安である。つまり最近開拓問題によつて森林の解放がいろいろと論議されており、また強要されておりますが、ややもすると開拓の美名に隠れて、山林をわがものにしようとするような、いろいろなこうした主張も伺われるし、あるいはまたせつかく造林をしたが、未だ伐期に到達しない幼林が無惨にも伐採されるというようないろいろなことに関連いたしまして、いわゆる開拓の行き過ぎということが造林者のいろいろな不安となつて現われておる。そういう開拓に関する問題や、あるいはまた巷間傳えられるような第三次農地解放の問題に関連して、山林も近く解放されるだろう、あるいはまた五町歩を限度として細分化されるのではないかといつたような、さまざまなわが國森林政策上の不安がいまだ山林所有者の脳裡からぬぐい去られない。そういういろいろと林野整備に対する不安から造林が行われてないというふうな問題になつているわけであります。なおこまかな問題としましては、たとえば造林をするための苗闡の敷地が農耕地になつておる。從つてそういつた農耕地が苗木を養成しようと思つても、なかなか思うようには確保できないというような具体的な問題も含んでおりますが、こうした問題は、要するに一言にして言えば林野整備の問題なのでありまして、今後の日本の國土をして林野あるいは耕地、放牧地、採草地といつたような、いろいろな土地利用区分が確立いたしまして、いわゆる國土計画的な見地からこうした土地の廃置分合、あるいは適正な管理が行われるという点をお考えにならなければ、森林の復興という問題は十分目的を達するわけにいかないということが第一であります。今日の林野解放の現状は、たとえば農耕地の開墾にしますと、その地方々々の農地委員会が一方的に山林の解放を主張する。それに対して林業の所有者がなんら関知することができないというようなぐあいでありますので、はなはだ残念でございまするが、その林野の整備に関しましては、十分に林業者の意見が尊重されるという形でなければならぬし、同時にまた解放されるという土地は、それが的確に農耕地として利用し得るものでなければならない。ややもすれば農耕に適さないような非常な急傾斜地であるとか、農耕不適地さえもが農耕地として解放される場合に、弁乘的に解放を見るというがごときことがありますると非常な問題なのであります。こうしたことは少くも林野整備の根本問題をきめて、そうして林業政策は確立するというこでなければならぬと私ども考えるものであります。こうしたことに関しましては特に林野整備に関する特別の委員会というふうなものを設けて、そうして林野整備の特別な措置を講ずるような立法的な措置も講ずる必要があろうと思うのであります。  次は森林経営の計画化、合理化の問題でありまするが、たとえば三重縣の森林組合から出した造林計画樹立促進に関する陳情、この施業案の編成に対しまして補助金の増額等を訴えてまいつたわけでありまするが、御承知通り、わが國の國土三千六百万町歩のうち森林の占める面積が約二千五百万町歩でありまして、今日の森林資源蓄積から申しまして、今日わが國が年々伐採しておる用材あるいは薪炭原料というふうなものの現状をもつてまいりますと、用材林においては今後三十年程度は続くようでありまするが、薪炭林のごときは今後十五年足らずでなくなつてしまうということが盛んに言われておるのであります。こういうような植えてから五十年、百年経たなければ十分な用材として利用できないという特殊な國家の源泉的な産業であり、あらゆる産業の基盤であるところの林業が、今そうした危險な状態におかれておるような現状なのでありまして、この際伐採は伐採として、最小限度必要なものはあくまでもこれを伐採利用するということは必要でありますので、これもわれわれとしては当然必要なだけの木伐を伐採することは必要でありますけれども、同時にまたこれに対する造林も行わなければならぬ。それは的確な計画化と合理化によつて行わなければいけないのでありまして、そのためには國有林はもちろんのこと、民有林、公有林、すべてがこうした施業案の編成によりまして、森林の施業が計画的に行われるというこがどうしても必要なのであります。
  24. 井上良次

    井上委員長 簡單に願います。
  25. 野原正勝

    ○野原委員 こうした森林施業の合理化、計画化というふうなものに対しましては、今日いわゆる森林法というものがあつて、森林の施業に対しましては一定の計画性をもつて行われるという建前になつておりますけれども、事実において最近はそうしたことが行われていないということは、今後日本再建の上からも、基本的なこうした施業案の再編成というふうなものによつて、わが國の森林の荒廃を救う、これが計画化、合理化に努力することが当然必要でありますので、こうした各地方の森林組合から施業案編成に対する補助が欲しいという要望に対しましては、できるならば全額補助をもつてこうした施業の合理化をはかつてまいりたい、その必要があろうと思うのであります。  次は造林対策でありますが、各地方から出てまいりましたものは、すべてこうした造林の問題についてその必要性を強調しておるのであります。陳情書の内容を見ますと、今月いかに造林をしたくても、造林費が非常にかさまつてなかなか造林ができない。從つて高率の補助を欲しいということが一致した陳情のようであります。今日造林の実態を見ると、一町歩の植裁をするのに苗木等を含めて最小限度一万円以上を要する現状でありまして、これではなかなか思うような造林ができないことはあたりまえであります。しかも今日苗木が非常に不足しておりまして、とうてい滿足に全体の伐採した跡地を植えようとすれば、苗木は非常に足りない現状でありますが、その足りないはずの苗木が今日あべこべに多少余るような奇現象を呈しておるということも、結局こうした造林の予算が非常によけいかかるということと、同時にせつかく造林してもいつ何時また伐採を余儀なくされ、あるいは解放されるかもしれないという造林者としての不安、いわゆる林野整備上の不安の問題もございますので、全体から見ると造林意欲は非常に低下をしておるのであります。國をあげて山に木を植えるということでなければとうてい日本の再建はできるものでないのでありまして、このことは一農林省林野局の責任というふうな問題でないのでありまして、國民全体の責任において山に木を植えるというふうな一つの民族運動と申しますか、興國運動としてこういつたものが展開されねばならぬと私ども期待をかけておる。そのためには少くとも政府において苗木の需給に対してはあくまでも十分な苗木をつくつてできるならば造林者に無償で交付してやるということが必要であります。なお造林者に対して少くも半額程度の造林の補助を出してやることが必要であると思うのであります。こうした造林対策に関しましては、各陳情書の内容は、それぞれ地方ではあくまでも造林をしたい、けれどもなかなか容易でないという苦衷を訴えております。この國土の崩壊の危機を目的にして、心ある者は山に木を植えなかつたならば、日本の國は亡びてしまうのだという非常に眞劍な氣持で、この造林の運動を起しておるように見受けるのでありまして、こうした陳情がたくさん出たということは、はなはだ心強い次第なのであります。政府におきましては、こうした陳情の趣意を体しまして、造林に対してはあらゆる方策を講じていただきたい。昨年政府が発表しました造林五箇年計画……。
  26. 井上良次

    井上委員長 簡單に願います。
  27. 野原正勝

    ○野原委員 簡單にやります。造林五箇年計画はたいへん結構な案だつたのでありますが、その実施におきましては、なかなか予算などの関係で思うようにまいらぬように伺つております。最近当面した問題が多いために、ややもすると國家百年の大計を忘れる。これでははなはだ残念なのでありまして、当面のいろいろな忙しい問題はもちろんございますけれども、こうした國家百年の大計を考えるところに、政府の重要性があるのでありますから、こうした造林五箇年計画のごときものは、あくまでもこれが最大限度の予算に対しての考慮を拂つて、実現に努めるということが必要であろうと思います。  第四にはいわゆる治山治水の問題、治山林、水源涵養林等の問題なのでありますが、これはもう申すまでもないのでありまして、すでに國家が國土崩壊の危機に直面しておるということは、何人も昨年の水害によつて体験しておるところでありますので、これに対しましては、今後國家見地からこれが強化に努力するということが必要であろうと思います。  こうしたいろいろな問題を総合して考えるときにおいては、結局わが國の林業政策は大きく画期的な角度から、新たに大きな構想をもつて林野の整備を行い、あるいはまた森林、経営合理化をはから、あるいはまた國をあげて山に木を植えるという造林運動を推進する。あるいはまた治山治水のためのいろいろな問題を処理する、あるいはまた森林開発のための林道網の整備強化を行うというような、各般の林業政策を確立する必要があろうと思うのであります。いろいろと陳情の要旨はこまかく載つておりますので、この内容を申し上げておりますと、まだまだ数時間を要するようでありますが、時間の関係もありますので、簡單に以上を申し上げて私の報告を終ります。
  28. 井上良次

    井上委員長 政府の簡單な意見を求めます。三浦林野局長官
  29. 三浦辰男

    ○三浦政府委員 ただいま御紹介になりましたこの各般の山林問題に及んだすべての問題は、政府の方におきましてもまことに同感であります。それの実現につきましては、かねてからきわめて努力しておるつもりでございますが、その結果はまだ遺憾ながら、まことに納得のできない程度でありまして、この点は國民に対しても申訳ないような氣がしておるような次第でございます。早速やらなければならぬ治山治水の問題から、造木の問題から、あるいは森林経営合理化の促進の問題、さらに進んでは國土計画の一環としての林野の整備の問題、こういつた全面的な問題にわたつて、当局といたしましてはいろいろと目下案を練りつつある次第でございます。どうぞひとつそれで御了承願います。
  30. 井上良次

    井上委員長 日程第一一、一二、一七、一八、二〇、二二、二七、二八、三一を議題に供します、日程  第一一 早場米の奨励金制度改正に関する陳情書(九州各縣議会正副議長会幹事福岡縣議会議長稻員稔)  第一二 米麦の搗精度に関する陳情書(廣島縣消費者代表廣島市東白島町大横田義雄外八名)  第一七 農地改革事業に対し國庫補助増額陳情書(九州各縣議会正副議長会幹事福岡縣議会議長稻員稔)  第一八 農地改革事業経費全額國庫負担に関する陳情書(第二十一回東北北海道各市議会議長会長石巻市議会議長本間儀兵衞)  第二〇 炭鉱労務者住宅建設用地確保に関する陳情書(東京都千代田区三年町石炭増産協力会長伊藤卯四郎)  第二二 燃料危機突破対策に関する陳情書(千葉縣経済復興会議長古莊四郎彦)  第二七 農業技術員指導農場整備拡充に関する陳情書(兵庫縣城崎郡豊岡町城崎郡第一農業技術指導農場新居太郎外七百十名)  第二八 農業技術員指導農場整備拡充に関する陳情書外三件(島根縣邇摩郡久利村久利農業技術指導農場長山廣信外二百四十八名)  第三一 家畜衞生施設強化に関する陳情書(九州各縣議会正副議長会幹事福岡縣議会議長稻員稔)  以上の陳情書はいずれもきわめて妥当なものと考えますので、時間の関係から一々説明を承ることを省略して、採択いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 井上良次

    井上委員長 それでは採択いたすことに決しました。  なおさいぜん野原さんの説明をされました日程第一から第十の各案も、いずれも採択いたしたいと思いますが、異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 井上良次

    井上委員長 御異議ないようでありますから採択に決します。     —————————————
  33. 井上良次

    井上委員長 残余の日程はこれを延期いたしまして、これから米價問題に関する会議を開きたいと思いますが、最初に農林省の農政局長に緊急質問をしたいという申出がありますから、これを許します。森幸太郎君。
  34. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 農政局長がおいでになりますので、一言お尋ねいたしたいと思いますことは、昨年われわれは種苗法の制定をいたしたのでありますが、この種苗法を制定いたして、これが執行上の過程がどの程度にあるのであるか。またその檢査設備に対して、どういう手を打つておられるのであるかということをまず伺いたいのであります。  次に種苗法によつて取締る種子並びに苗木については政府がこれを定めることになつておるのでありますが、その中に甘藷の苗がはいつておれば結構でありますが、それがはいつておらぬと思うのであります。今日東京都で賣られておる甘藷苗を見ますのに、実に間引きした捨てるような苗が、六十銭あるいは七十銭というような非常に高い價格で賣りつけられております。そうしてあの苗を見ますと、われわれ素人が見ても、とてもいもが四つ五つなるような苗ではないのであります。ようやく一つか二つなるくらいの苗だと思います。われわれ専門家についていろいろ研究の結果を聴いてみましても、苗によつてさつまいもの豊凶に非常な影響を及ぼすものであるようでありますが、今都内の方々で賣られておるようなさつまいもの苗、ああいうものは一つの罪惡ではないかと考えるのであります。ああいうものをただちに種苗法の中に政府が指定されまして、技術上巖格なる取締りをやられる必要があろうと私は痛感するのであります。この点について政府当局はどういうお考えをおもちになつておるか、所見を承りたいのであります。
  35. 山添利作

    ○山添政府委員 種苗法の施行につきましては、当然人員の増加を要するのであります。予算はとれておりますけれども、必要の人員を増加するということが政府の方針として一應昨年來きめられておりますので、その点は政府の方は了解を得たのでありますが、さらに関係方面からこない点がありまして、非常に遅れておりますことは申訳ないのであります。現在國の林業試驗場におきましてその事務を取扱つておるわけであります。  次に甘藷の苗でありますが、これは非常に御指摘のような点があるわけであります。しかし現在までのわれわれの考え方といたしましては、さつまいもの苗は大体農家において自給するのが通常の状態であるということと、それからこれの取扱いは農業会があたつておる。そうして農業会の方で一定の計画に基いて出荷をしておる。こういう事情のために、檢査を要しないものという取扱いをいたしておるわけであります。しかし一面から見ますと、都市等にもつてまいりますものにつきまして、そこに信用できないようなものが出てくる。しかも農業会の解散等に伴いまして、そういう事情は殖えてくるのではないかと思いますので、そういうことにつきましてはさらに再考を加えたいと思つております。しかし本年差当りどうという手当はいたしておりません。
  36. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 政府の方針を伺いましたが、せつかく種苗法をつくりながら、それがいろいろな関係から実施が遅れているということは、まことにわれわれ法をつくつた上から申しましても遺憾に思うのであります。技術者は相当に全國に配置されてあるのでありますから、一時の便法によつてでも相当の技術者を動員しまして、せつかくつくつた種苗法を完全に生かすように努力をしていただきたいと思います。さらにさつまいもの苗のごときは、むしろああいうふうなものを都会の人に賣ることは罪惡であります。私は農業会にこれが委任されてあるからとは言いながら、一日も早く惡いことは是正するように適当なる取締なり方法を設けられまして、ああいうふうな苗を一日も早く植えつけさせないような親切があつてしかるべきだと考えるのであります。政府におきましては時期切迫しているのでありますから、今年一割増産を叫んでいるときに、あんなさつまいもの苗を植えては一割増産が期待はずれになつて、栽培者は失望落膽すると思いますから、一割増産を叫ぶ政府としてはどうか善処されんことを切に希望する次第であります。  なお附け加えて申しておきたいことは、今回出されんとする農藥取締法に天敵を保護をするように加えられているのであります。今回お示しになつた要綱では、天敵の種類が現われていないようですが、天敵に対する種類を明示されたいことを要求いたします。
  37. 井上良次

    井上委員長 それではこれから米價問題に関する会議を開きたいと思いますが、各党画からそれぞれ代議士会があり、役員会があるそうでありますし、なお農林大臣及び物價廳の政府委員の出席を求めておりますが、これら政府委員も午後一時でなければ手があかぬという話でありますから、午後一時まで休憩をいたしまして、午後一時に米價問題について会議を開きますから、御出席を願います。それでは午前中はこれで休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後一時五十四分開議
  38. 井上良次

    井上委員長 午前に引続いて会議を開きます。  米價問題に関する質疑を続行したいと思いますが、農林大臣及び総理大臣に出席を求めましたが、両大臣とも司令部の方と目下米價問題について折衝を重ねているそうでありまして、昨日本委員会に農林大臣から報告されましたよりまだ一歩も話は進んでいないそうでありますから、話が進み次第本委員会に発言を求めて報告するという政府側の意見でございましたので、政府側の意見意見といたしまして、農林委員会としてもこの事態に対処する方針を御協議願わなければなりませんので、特にこの問題について委員会を開くこにいたしました。今物價廳の野田信夫次長が見えておりますし、主要食糧課長も見えておりますから、米價問題に関する物價廳としての考え方なり、また御意見もあろうと思いますから、これに関して質疑を続けたいと思います。
  39. 小林運美

    ○小林(運)委員 まず今回の米價のパリテイ計算で一應考えておられる大体の考え方、内容等、たとえばパリテイ計算のウエートのとり方を今度どんなふうにしたか、今後はどういうふうにしていくか、そういうふうな点について説明を聴取したいと思います。
  40. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 パリテイ計算の品目もウエートもこの前と同じ形式をとつております。その後これを修正するに足りるような資料がありません。新しく調査資料ができますまではそれによる以外に方法はないので、それを踏襲していくというふうに考えております。
  41. 小林運美

    ○小林(運)委員 そうすると去年とまつたく同じ方法でやるのですか。
  42. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 同じです。
  43. 小林運美

    ○小林(運)委員 そうすると去年とまつたく同じ方法でやるのですか。
  44. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 同じです。
  45. 小林運美

    ○小林(運)委員 ウエートも品目も同じですか。
  46. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 ウエートも品目も変りません。
  47. 永井勝次郎

    ○永井委員 第一にお尋ねいたしたいのは、昨年の米價決定の際におけるパリテイ計算に基くと、大体六二・五五という倍数であつたということでありますが、これに対して値上率が一一六・四二、今度は賃金物價改訂によつてそういうふうになつたというのでありますが、その内容は前回のパリテイ計算の基礎と、今回の改訂による結果との計算の基礎、その内容、実情を詳しく御説明を承りたいと思います。
  48. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 品目は御承知通り非常に未端物資が多いものですから、今末端物資の方は確実にきまつておらないものが相当あるのです。今やつておりますのは作業が進み次第二部の方に通報しまして、それで大体きまつたものをとつておりますが、それ以外のものは大体の見当でやつておるようなわけで、まだほんとうに全部きまつた品目ではやつておらぬのです。大体の見込みはついておりますので、その見込みでやつております。これが確定的のものでないことをよく御了承願います。
  49. 永井勝次郎

    ○永井委員 そうすると米價の値上はまだ確定的なものでないのであるか。確定的とするならば、パリテイ計算というこまかい計算の上に立つて基礎が算定されておるのか。その改訂の倍率もそういう計算の基礎に基かなければ、非常に不確定なものである。そうするとパリテイ計算が去年は動かすことのできない、今の段階においてこれは最善の方法だという非常にこまかい計算から出ておるのに、その値上を不確定な、あるものは見込み、あるいはまだ計算ができていない、そうして米價の値上を大体見込んでいくということは、米價が非常にいい加減になつてくるのではないかと思います。それで今度の米價値上に対する基礎的な各品目別の倍数がこまかく計算できるのかできないのか。大要でいいのでありますが、こういうものは大体据置きだ。こういうものはこのくらいの倍数になつておる。こういうものは見込みで計算しておるというような概略のことでもこの場合に伺いたいと思いますが、そういうことはまだ資料がなくてできないのでありますか。
  50. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 お答えいたします。末端物資が非常に多いので、ただいま申した通りほとんど大部分は見込みで今やつておるわけであります。それでなければ片一方の作業が進みませんので、大体今度の調整金その他何らか数字をはじかなければならぬという必要上、確定しておらぬものを全部見込みでやつてパリテイをはじいておるわけであります。それは今までに調整金問題その他を向うと折衝するための概略的な数字その他を得ます必要上、見込みでやらざるを得ないために見込みでやつておるようなわけであります。それで六月十五日に発足することに大体きまつておりますが、基礎資材についてはそれまでに確実にわかると思います。ただ末端物資につきましてはそれを見込みにして二次製品、三次製品とやつていきますので、ほんとうにきまるのはまだ少し先になると思います。現在のところはそういうわけで見込みでやつておる。こういうわけであります。この見込の状況でよろしければ、申し上げてもよいと思います。
  51. 永井勝次郎

    ○永井委員 それでよろしゆうございます。
  52. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 肥料は先ほど申し上げました通りすえ置きということでございます。そのほか、たとえば菜種油は一・八九、米糠一・五〇……。
  53. 永井勝次郎

    ○永井委員 私のお伺いいたしたいことは、昨年の米價を決定する場合に、パリテイ計算で、七十二品目をとつてきめたのでありますが、このようにインフレーシヨンの高進しておる過程の、ある時期の一つの物價というものを押えて、それを一つの固定した状態で價格をきめるということが非常な間違いである。現実に即した價格というものは、そういう計算からは出てこないはずである。こういうことでわれわれが論議していたのであります。でありますから、その基礎に立つて、これはしかし今の段階では一番正しい方法だという主張でこれがきまつた。今米價を改訂しようとするについても、実際は非常にわからない、末端まで行けばいろいろ價格が動いてくるので、大体の見込でやる。こういうことなので、私はその見込にしてももう少し正確な数字的基礎で改訂が行われるのでなければ、米價の実態をつかむことはできないだろう、またさらに進んで、二十三年度生産の農産物價をきめる場合に、非常に動いておるときの一時期の價格というものをとつて、それをパリテイ計算の基礎にしてもつていくということになれば、時間的のずれもありましようし、いろいろな價格がまだきまつていない。要するにただいま申すように、見込によつてパリテイ計算のウエイトが置かれていくということになれば、米價そのものも狂つてくる。だから正確に固定した物價でないものを、ある時期をつかまえてやるということがパリテイ計算の最も欠陷ではないか、こういうことを明確にしたいために私は伺つておるのであります。でありますから、米價改訂は六月十五日から出発するというのに、その基礎になつておる数字が不明確な見込である。これでは明確な米價というものは出てこないということは、これだけでも明確であると私は思うのであります。でありますが今の改訂の問題はそれとしても、次の二十三年度産米というものの價格を、今からいろいろ準備しなければならぬでありましようが、その新米價もやはり七十二品目は固定した状態で、そしてその價格というものは、どういう状態においてこれを把握してパリテイ計算の基礎にするのか、これを伺いたいと思います。
  54. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 今見込でやつておりますと申し上げましたのは、今までの價格調整金の計算その他に使いますかりの米價を、それでなければほかに資料がございませんので、それでやつておつたということを申し上げただけであります。そうしてそのうちに全部確実なものがそういますれば、それによつてほんとうの米價が決定するということにいたすつもりでおるのであります。それからこの秋の新穀につきましては、そのうちに新しい数字が、農家の調査その他が目下集まりつつありますから、そういうものに基いて、そのウエイトその他の新しく考え直してやるわけであります。
  55. 永井勝次郎

    ○永井委員 新米價を考え直すのですか。
  56. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 パリテイ計算はパリテイ計算でやりますが、ウエイトその他はその後の農家の家計状況の変移がわかりますれば、それを考慮して、新たにまたウエイトをつけ直すというふうにやります。しかし今のところでは、どういうふうにウエイトを動かしたらいいか、確実な資料がないものですから、それで、それまでは從來のウエイトでやることにいたすほかない、こういうことになつております。
  57. 松澤一

    ○松澤(一)委員 一体新米價は、今のお話を聽くと、新米穀年度までの政府の手持米を物價体系の改訂から値上げをするという趣旨でかえるのか。農民の米を値上げするということでなくて、政府のもつている米を、ただ消費者に渡すということで値上げをするのか。從つて新米穀年度における米價は別に計算するのか。これが一つ。もう一つは、それを伺えば私の目的は達すると思うが、ほかの食糧は別ですが、新米價は新しい賃金体系や物價体系によつて政府の手持米だけを賣ることによる米價をきめるのか、それとも眞に農民の生産した米の値段をきめるのか、そこを一つ
  58. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 今までの政府の手持米だけでどうするとかいうようなことは、まだ政府の方針もきまつておりませんし、物價廳としましても、それだけをはじいているのではない。大体月割計算で調整金を計算しようというので、農林省と打合わせまして、その拂いもどしの金額を計算したわけであります。その際の計算の方法は、今度の新しい主食の値上りが大体八割限度ならば、物價廳の方としても、現在の三千七百ベースの家計に非常な負担なしに済む限度であろうという考えから、計算は一應農林省の方と打合わせまして、八割だけの範囲でここ当分、秋までもたしてもらいたい、そうでないと、三千七百円にすぐひびが入つてくるおそれがある、その点はひとつ十分に御考慮願いたいというので、その限度でやつております。しかしそれは新麦及び馬鈴薯の値段とプールいたしまして、そのプールした値段が八割以内に納まるように、價格をきめようというふうに、考えておるのであります。
  59. 松澤一

    ○松澤(一)委員 話が矛盾しているじやありませんか。賃金ベースを割らないような米價で抑えよう……。米價に限つては、今農民が賣りたくも米なんかありません。その他の主要食糧に対してはまた別だというならばよいが、賃金ベースを割らないようにというならば、それでは農民の生産物の対する價格のきめ方ではないと思う。もうとうに千八百円ベースが崩れているにかかわらず、千八百円ベースを割つてはいけないというのがあなた方の考えで、到頭こういう米價をきめたために混乱を起してしまつた。その精神を聽いているので、ほんとうの農産物に対する價格をきめるのか、賃金改訂に際してそれにあてはまるような價格をきめられるのか、それをはつきりした方がよい。今言わず語らずのうちにあつた、千八百円ベースを割らないようにきめられるというならば、われわれは何をかいわんやで、あなたから聽く必要はない。
  60. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 ただいま私の申し上げようが惡かつたと存じますが、生産者に対する再生産の確保という点から、われわれも調整金の支拂いということを考えておつたのであります。その調整金は、供出米に対して六月から始まつて以後月割計算で支拂おう、ただし消費者に対する價格をその八割限度内に收めてもらいたい。しかし月割計算で拂いもどす方はこれは消費者價格でありません。いわば生産者價格の割もどしと言いますか、拂いもどしと言いますか、さようなわけになりますから、この物價が改訂された機会に、これから先の物價の上る分につきまして調整金を出したらどうかというのがわれわれの原案であるのであります。つまり今八割と申しましたのは、消費者價格を八割限度にしておく、こう言つたのであります。あと生産者に対しては月割計算で支拂つたらどうか、拂いもどしと言いますか、割もどしと言いますか、そういうふうに考えております。
  61. 松澤一

    ○松澤(一)委員 拂いもどしをするかせぬかということは別問題でよろしいのであります。拂いもとしてやろうというのがあなたたちのお考えであると思う。一体食糧の値段や米價をきめるのに、賃金ベースに追つくようにきめるのが、そこを聽いているのであります。上つたものを返すか返さぬか、何割返すか、それとも二重價格でお考えになつているのか。消費者價格は千八百円を割らぬ程度の米價、ただし生産者はまた別の價格できめてやるというならば別ですが、そこがはつきりしない。
  62. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 生産者に対しては、生産者の消費材その他が値上りします関係上、月割計算で……。
  63. 松澤一

    ○松澤(一)委員 それはわかつています。そんなことは別問題でよい。
  64. 井上良次

    井上委員長 私語を禁じます。
  65. 松澤一

    ○松澤(一)委員 委員長、私の方で一括して言つてしまいましよう。新しい米價をきめるのに、物價廳はこの農林委員会等の意見を聽くような審議機関をつくつてやるような考え方はないか、これが一つ政府一方で勝手に値段をきめるという考えをもつからこういうことになるのだ。  もう一つは、その基礎となるべきものは、農民の必需物資、いわゆる農民の購入する物品その他と坑衡のとれるような價格がきめられねばならぬ。あるいは二十二年度産米の平均販賣價格等の基礎の上に立つて、新しい食糧價格をきめるような基礎をつくるようにするかどうかということを、今言うこの農林委員会等の審議機関を設けて相談していくという、いわゆる民主主義的な價格の是正をする考え方があるかどうか。それでない限り、あなたたちが勝手にきめる限り、消費者のいわゆる賃金ベース等にあてはまる價格をきめるから、いつでも米價あるいは食糧の價格というものが、途中でこういう問題を起す。これは今繰続すことではない。新しい米價をきめるときに、昨年問題になつた問題であるので、いつまでも同じことを繰返して、あなたたちが失敗して、そうして問題を起すよりも、將來のいろいろの見込やその他を十分入れて、半年や三月で米價の改訂のできぬような價格がとりきめられねばならぬ。現にあなたたちは米價を改めねばならぬという時期に來て、米價を上げてみても、その金が農民に還からぬという状態に行くことを、あなたたちは政府の役人として、今日の日本の事情から見て、当然責任を感ぜねばならぬ。安く買つておいて、高くなつた際には、政府はブローカーじやなし、当然返さねばならぬのにかかわらず、それを返すことすらも考えず、重大な問題が起きておるということを考えるときに、あなたたちの責任は重大だということをここらで考えねば、いつ考えるときがあるか。從つて今後の米價をきめるのに、ウエートあるいはパリテイなんということは別の基礎の問題だから、それ以上にわれわれ農林委員会と將來の米價をきめる審議機関とをつくる意思があるかどうか。
  66. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 新米價を賃金ベースで支拂うという考えはないのであります。御承知通りパリテイ計算で米價の方はきまつておりまして、それは消費物資の値上りを含んだものできまる組織になつておるので、このパリテイ計算の方式そのものが問題になるのならば別でありますが、また今のお話はパリテイ計算の方法そのものの再檢討という御趣旨のようにも考えられるのであります。もしそうであれば、それは別にパリテイ計算というもをがどうしても惡い、これはこう改むべきものだということが民主的にきまるのならば、もちろん政府はそれに從うのが当然だと思います。今のところは新パリテイ計算でやるということになつておりますので、現在はそれではじいているというだけのことであります。從いましてそういうようなことについて、こちらとの間に委員会でも設け、あるいは審議機関でも設けて……
  67. 松澤一

    ○松澤(一)委員 パリテイ計算だつて君らがわれわれに押しつけたんじやないか……。
  68. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 いや、押しつけたか押しつけないかは別としまして。
  69. 井上良次

    井上委員長 発言を求めてやつてください。
  70. 野田信夫

    ○野田(信)政府委員 だから今後は相談できめる方がよければ相談できめても一向差支えないと思う。
  71. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私は議事進行について発言をしたいのですが、この米價の問題については、二回にわたつて懇談会において、農林大臣から政府としての考え方をわれわれは承つておるのであります。ところがそれが農林省、安本その他の話合いできめた政府通りに、各方面との折衝においてうまくいかないという中間的に経過をわれわれ聞いておる状態でございまするので、政府の案がはたしてその筋の了解が得られるかどうかということがわからない現在の段階において、こまかく末梢的なと申しますか、技術的な問題についてパリテイのウエイトをどうするかというようなことを論議しても始まらないと思う。そこで政府側とのそういう技術的な問題についての質問應答は一時中止されまして、この米價の問題に対して、われわれ國会といたしまして、農林委員会として、どういう方針で政府に対しても当るべきである、また当然その筋にも当らなければならない問題であろうと考えまするので、農林委員会米價問題に対する方針をどうもつていくかということに対する、われわれ委員相互間の意見をまとめるという方向にこの会議をもつてつていただいたらどうか、かように考えますので、委員長の方でそのようにお諮い願いたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  72. 井上良次

    井上委員長 それでは米價問題に関するこまかい質疑はこれを後日に讓りまして、一應当面しております米價の改訂をめぐつて農林委員会としての方針をきめるために、一應委員会はこの程度で散会することといたします。     午後二時三十一分散会      ————◇—————