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1948-05-19 第2回国会 衆議院 農林委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月十九日(水曜日)     午前十一時十六分開議  出席委員   委員長 井上 良次君    理事 森 幸太郎君 理事 佐竹 新市君    理事 永井勝次郎君 理事 鈴木 強平君    理事 寺島隆太郎君    小川原政信君      小野瀬忠兵衞君    佐々木秀世君       佐瀬 昌三君    重富  卓君       野原 正勝君    松野 頼三君       梁井 淳二君    山村新治郎君       勝間田清一君    河合 義一君       溝淵松太郎君    守田 道輔君       成瀬喜五郎君    野上 健次君       小林 運美君    関根 久藏君       圖司 安正君    坪井 亀藏君      的場金右衞門君    平工 喜市君       山口 武秀君  出席國務大臣         農 林 大 臣 永江 一夫君         國 務 大 臣 野溝  勝君  出席政府委員         総理廳事務官         (地方財政委員         会事務局長)  荻田  保君         農林政務次官  大島 義晴君         農林政務次官  平野善治郎君         農林事務官         (総務局長)  平川  守君         農林事務官         (農政局長)  山添左武郎君  委員外出席者         專門調査員   片山 徳次君         專門調査員   岩隈  博君 三月三十日 委員清澤俊英君及び野溝勝君辞任に  つき、その補欠として前田種男君及び井上良次  君が議長指名委員に選任された。 四月六日 志賀健次郎君、中島茂喜君、叶凸君、  水野實郎君、田中健吉君及び中村元治郎君が委  員を辞任した。 同日、渡邊良夫君、河合義一君、勝間田清一君、  清澤俊英君、大瀧亀代司君、森山武彦君及び菊  池豊君が議長の指令で委員補欠選任された。 五月六日 大島議晴君、細野三千雄君及び堀川恭  平君が委員を辞任した。 同日 神山榮一君が議長指名委員補欠選任  された。 同月十九日 清澤俊英君及び前田種男君が委員を  辞任した。 同日 伊瀬幸太郎君、守田道輔君溝淵岩太郎君  及び田中織之進君が議長指名委員補欠選  任された。 同月六日 委員長野溝勝君の補欠として井上良次  君が議長指名委員長補欠選任された。 同月十九日 理事叶凸君及び大島義晴君の補欠と  して永井勝次郎君及び佐竹新市君が理事補欠  選任された。     ――――――――――――― 四月六日  農業技術指導農場整備拡充に関する願請(今井  耕君紹介)(第三二二号)  愛知縣旱害恒久対策事業費國庫補助請願(  佐藤觀次郎紹介)(第三三四号)  大阪府の旱害恒久対策事業費國庫補助請願(  松原喜之次紹介)(第三三五号)  滋賀縣旱害恒久対策事業費國庫補助請願)  (矢尾喜三郎紹介)(第三五三号)  漆使用制限撤廃請願池谷信一君外六名紹介  )(第三五五号)  滋然縣の土地改良事業費國庫補助に関する請願  外十一件(今井耕紹介)(第三六〇号)  薪炭價格引下に関する請願的場金右衞門君  紹介)(第四〇一号)  隼人町一帶の干拓事業施行請願的場金右衞  門君紹介)(第四〇二号)  畜産農家報奬物資配給請願的場金右衞門  君紹介)(第四一五号) 同月十五日  和歌山縣旱害恒久対策事業費國庫補助請願  (田中織之進君紹介)(第四二四号)  姫路市を生鮮食料品等消費指定地域に編入の請  願(堀川恭平紹介)(第四三七号)  岡山縣における農業土木事業國庫補助請願外  八十三件(多賀安太紹介)(第四五一号)  兵庫縣における土地改点事業並びに農業水利改  良事業費國庫補助増額請願小島徹三紹介 )(第四五七号)  配給大豆粉を味噌に釀造して配給請願山崎  道子君紹介)(第四六二号)  山梨縣農業水利改良並びに土地改良事業に國  庫補助請願天野久紹介)(第四六六号)  鹿兒島縣耕地改良事業費國庫補助請願(的  場金右衞門紹介)(第四六七号)  愛媛縣における農業土木事業費國庫補助請願  (米田吉盛君外二名紹介)(第四七一号)  大分縣における農業土木事業費國庫補助請願  外八十三件(松野一彦君外六名紹介)(第四七  七号)  白岩町の耕地改良事業助成に関する請願卯圖司  安島君紹介)(第四八八号)  蕨岡村の土地改良事業施行に関する請願圖司  安正紹介)(第四九一号)  宮城縣農業水利改良事業費國庫補助に関する  請願竹谷源太郎君外一名紹介)(第四九二号)  新潟縣土地改良事業費國庫補助に関する請願  (渡邊良夫君外一名紹介)(第四九三号)  競馬振興会の元競馬倶楽部資産継承等に関する  請願林大作紹介)(第四九八号)  満洲引揚開拓民入植継続に関する請願吉川  久衞紹介)(第五一〇号)  満洲引揚開拓民優先入植に関する請願吉川  久衞紹介)(第五一一号)  山口縣土地改良事業費國庫補助に関する請願  (今澄勇紹介)(第五一六号) 五月十日  鵠井戸沼干拓に関する請願大島義晴君外四名  晴君外四名紹介)(第五二三号)  農機具生産資金確保に関する請願押川定秋君  外二名紹介)(第五三七号)  吉島村の土地改点事業に関する請願松浦東介  君紹介)(第五四四号)  大里郡各河川の治水工事並びに農業用水改良工  事施行請願)(関根久藏紹介)(第五五〇  号)  那賀川水利事業施行請願成瀬喜五郎紹介  )(第五五二号)  呉市の荒廃林地復旧工事等施行請願前田榮  之助君外一名紹介)(第五五四号)  三條郷の排水工事施行に関する請願(稻村順三  君紹介)(第五五六号)  岡山縣森林治水事業施行請願小枝一雄君  外二名紹介)(第五六三号)  兵庫縣における土地改良事業並びに農業水利改  良事業費國庫補助増額請願田中源三郎君外  八名紹介)(第五六九号)  和歌山縣土地改良事業費國庫補助請願(田  中織之進君紹介)(第五七〇号)  西根村の土地改良事業費國庫補助請願松浦  東介紹介)(第五七一号)  三重縣土地改良事業費國庫補助請願(水谷  昇君外一名紹介)(第五七四号)  金ヶ崎、岩崎間林道開設請願志賀健次郎君  外三名紹介)(第五七六号)  造林事業促進その他に関する請願(  前田正男君外二名紹介)(第五七八号)  岐阜縣土地改良事業及び旱害恒久対策費國庫  補助請願岡村利右衞門君外一名紹介)(第  五八三号)  鮭川村の土地改良事業施行請願圖司安正君  紹介)(第五八五号)  酒田市の農道拡張工事費國庫補助請願圖司  安正紹介)(第五八六号)  東置賜南置賜両郡の土地改良事業助成に関す  る請願大瀧亀代司紹介)(第五九五号)  靜岡縣土地改良事業費國庫補助請願(竹山  祐太郎君外一名紹介)(第五九六号)  逢隈村の造林事業促進請願庄司一郎紹介  )(第五九七号)  亘理、名取両郡の土地改良事業費國庫補助の請  願(庄司一郎紹介)(第五九八号)  東置賜郡四箇村堰普通水利組合水路改修工事國  庫補助請願大瀧亀代司紹介)(第六〇〇  号)  四國四縣の森林事業拡充実施に関する請願(米  田吉盛君外九名紹介)(第六〇二号)  名取郡の土地改良工事施行請願(佐々木更三  君紹介)(第六〇八号)  薪炭價格引下に関する請願)(上林榮吉君  紹介)(第六一四号)  長野縣土地改良並びに災害耕地復旧費國庫補  助の請願小坂善太郎紹介)(第六二〇号) 同月十一日  金丸井堰用水利用に関する請願川野芳滿君紹  介)(第六二五号)  佐賀當農業土木事業費國庫補助請願中村  又一君外二名紹介)(第六三二号)  秋田縣土地改良事業費及び災害復旧事業費等  國庫補助請願細野三千雄紹介)(第六三  五号)  大阪府の旱水害対策土地改良事業費國庫補助の  請願松原喜之次紹介)(第六三六号)  群馬縣農業土木事業費國庫補助請願鈴木  強平君紹介)(第六五〇号)  満洲引揚開拓民優先入植に関する請願吉川  久衞紹介)(第六五五号)  最上郡の土地改良事業費國庫補助請願圖司  安正紹介)(第六五八号)  滋賀縣土地改良事業費國庫補助請願今井  耕君紹介)(第六六八号)  山口縣における耕地災害復旧並びに土地改良事  業促進請願重富卓君外二名紹介)(第六七  七号)  山口縣西部における災害復旧並びに土地改良事  業費國庫補助請願周東英雄紹介)(第六  八六号)  玖珂郡の旱害恒久対策事業施行請願周東英  雄君紹介)(第六八七号)  兵庫縣における土地改良事業並びに農業水利改  良事業費國庫補助増額請願田中源三郎君紹  介)(第六九一号)  西國東干拓事業助成請願金光義邦君外六  名紹介)(第七〇六号)  千葉縣営大利用水改良事業費國庫補助に関する  請願寺島隆太郎紹介)(第七二五号)  大高根開拓團開拓事業に関する請願(海野三  朗君紹介)(第七三三号)  上郷村の土地改良事業費國庫補助請願(金野  定吉君紹介)(第七三五号) 同月十二日  豊川沿岸農業水利事業施保請願八木一郎君  紹介)(第七三八号)  舞鶴港に動植物檢疫所設置請願大石ヨシエ  君紹介)(第七三九号)  稻荷山用水堰改修工事佃國庫補助請願庄司  一郎紹介)(第七四〇号)  北平田村の土地改良事業費國庫補助請願(金  野定吉紹介)(第七四四号)  國営農業水利改良事業費全額國庫負担等請願  (山崎岩男紹介)(第七五一号)  酒田市外十四箇町村の土地改良事業助成請願  (松浦東介紹介)(第七五五号)  成生村の土地改良事業費國庫補助請願松浦  東介紹介)(第七五六号)  周防難沿桐豊前海干拓事業施行請願(梅林時  雄君外六名紹介)(第七七〇号)  平田井堰改修工事費國庫補助請願松原一彦  君紹介)(第七七三号)  開拓事業費確保に関する請願勝間田清一君紹  介)(第七七五号)  栃木縣土地改良事業費國庫補助に関する請願  (矢野政男紹介)(第七七六号)  西置賜郡の土地改良事業助成に関する請願(大  瀧亀代司紹介)(第七七八号)  農村工業助成に関する請願小枝一雄君外一名  紹介)(第七八四号)  同(小島徹三君外一名紹介)(第七八五号)  同(川崎秀二君外一名紹介)(第七八六号)  同(小平久雄君外二名紹介)(第七八九号)  同(關内正一君紹介)(第七九〇号)  同(今井耕紹介)(第七九一号)  同(菊池義郎君外三名紹介)(第七九二号)  同(渡邊良夫紹介)(第七九三号)  同(野上健次君外六名紹介)(第七九四号)  唐木田五郎君外一名紹介)(第七九五号)  同(竹山祐太郎紹介)(第七九六号)  同(中村元治郎君外一名紹介)(第七九七号)  同(寺本齋君外九名紹介)(第七九八号)  同(山崎猛君外二名紹介)(第七九九号)  同(井原誠一君外二名紹介)(第八一二号)  同(口山祐太郎君外二名紹介)(第八一三号)  同(大瀧亀代司紹介)(第八一四号)  同(五坪茂雄君紹介)(第八一五号)  同(坪川信二紹介)(第八一六号)  同(平工喜市君外五名紹介)(第八一七号)  同(野本品吉紹介)(第八一八号)  國営農業水利改良事業費全額國庫負担等請願  (細野三千雄君外一名紹介)(第八二一号)  同(野原正勝君外一名紹介)(第八二二号)  玉島町における農業水利改良事業費國庫補助増  額の請願重井鹿治紹介)(第八二六号)  福岡縣における農業土木事業費全額國庫補助に  関する請願中島茂喜紹介)(第八三五号)  農村工業助成に関する請願)(北二太君外一名  紹介)(第八三八号)  同(高橋英博君外二名紹介)(第八五〇号)  乳業経営助成並びに牛乳公定價格改訂に関す  る請願北二郎紹介)(第八五一号) 同月十四日  木蝋の油糧公團移管反対に関する請願的場金  右衞門紹介)(第八五九号)  樋の内池用水改良事業費國庫補助請願小枝  一雄君外三名紹介)(第八六二号)  田邑村農業土木事業費國庫補助請願小枝  一雄君外三名紹介)(第八六三号)  供出用報奬物資配給に関する請願上林榮吉  君紹介)(八七〇号)  鹿兒島種畜牧場存置請願上林榮吉紹介  )(第八七九号)  供米対策に関する請願上林榮吉紹介)(  第八八〇号)  乳業経営助成並びに牛乳公定價格改訂に関す  る請願田中健吉紹介)(第八八三号)  農村工業助成に関する請願)(堀江實藏紹介  )(第八八八号)  同(森三樹二君外七名紹介)(第八八九号)  同(八百板正君外三名紹介)(第八九〇号)  同(守田道輔君外二名紹介)(第八九一号)  新江揚水施設費國庫補助請願(井  伊誠一君外三名紹介)(第九〇三号)  琴浦町仙附開拓事業費國庫補助請願重井鹿  治君外五名紹介)(第九〇四号)  倉敷耕地張所管内の土地改良事業費國庫補助増  額の請願重井鹿治君外五名紹介)(第九〇六  号)  銅屋川排水設備及び水路改良工事促進請願(  高岡忠弘君外三名紹介)(第九〇七号)  大体縣の土地改良事業費國庫補助請願金光  義邦君外六名紹介)(第九一六号)  農村工業助成に関する請願山崎岩紹介)(  第九二一号)  木炭、椎茸、楮及び三椏の公定價格引上の請願  (川野芳滿紹介)(第九三四号)  驛館川沿岸用水改良事業施行請願金光義  邦君外六名紹介)(第九三八号)  萩野村の土地改良事業費國庫補助請願圖司  安正紹介)(第九四五号)  古口村の土地改良事業費國庫補助請願圖司  安正紹介)(第九四六号)  豊田村の災害復旧費國庫補助増額並びに土地改  良事業施行請願圖司安正紹介)(第九四  七号)  谷地町下釜埋立工事助成請願圖司安正君  紹介)(第九四八号)  北村山郡の土地改良事業費國庫補助請願(圖  司安正紹介)(第九五〇号)  八高堰修築工事費國庫補助請願重井鹿治君  外一名紹介)(第九五三号)  岐阜縣における土地改良事業並びに早害恒久対策費國庫補助の請  願(大野伴睦紹介)(第九五八号)  農村工業助成に関する請願前田榮之助君外二  名紹介)(第九六七号)  旧牧部分林拂下請願川野芳滿紹介)(第  九六八号)  農村工業前成に関する請願梁井淳二君外一名  紹介)(第九七六号)  現行供出制根本改革請願中野四郎紹介)(第九七七号) 同月十八日  生鮮食料品統制民主化に関する請願田中松  月君紹介)(第九八四号)  全國統一耕地図及び耕作台帳作製並びにその  経費國庫負担請願田中松月紹介)(第九  八五号)  九州地方土地改良事業促進に関する請願(田  中松月紹介)(第九八六号)  耕作農道及び林道開拓道路高額國庫補助の請  願(田中松月紹介)(第九八八号)  製炭事業に対する障害除去に関する請願(淺利  三朗君外七名紹介)(第九九二号)  早期米奬励金制度改善に関する請願田中松月  君紹介)(第九九九号)  開拓者援護資金増額に関する請願田中松月君  紹介)(第一〇〇〇号)  昭和二十三年産麦類生産供出割当に関する請願  (田中松月紹介)(第一〇〇一号)  薪炭配給統制規則並びに木炭の規格及び價格に  関する請願田中松月紹介)(一〇〇二号)  物價改訂に伴い米價引上に関する請願田中松  月君紹介)(第一〇〇三号)  九州の造林事業費國庫補助増額請願田中松  月君紹介)(第一〇〇五号)  供出用報奬物資配給に関する請願田中松月君  紹介)(第一〇〇七号)  土澤町に営林署設置請願志賀健次郎紹介  )(第一〇一六号)  廣島縣の森林治水事業拡充に関する請願(藤田  榮君外三名紹介)(第一〇一七号) の審査を本委員会に付託された。 四月八日  食料及び薪炭需給調整に関する陳情書  (第  九七号)  森林整備に関する陳情書  (第一〇三号)  公團式主食配給統制機関設置反対陳情書  (第一一一号)  桐油の統制撤廃に関する陳情書  (第一二一号)  戰災都市の消費者用薪炭製造等に関する陳情書  (第一二四号)  農業技術員指導農場整備拡充に関する陳情書外  三件  (第一二九号)  木炭生産労務者に対し食糧特配に関する陳情書  (第  一四一号)  炭鉱労務者住宅建設用地確保に関する陳情書  (第一四四号)  造林事業助成に関する陳情書  (第一四八号  )  植林用苗木生産促進陳情書  (第  一六二号)  農業調整資材事務所廃止陳情書  (第一七一号)  造林事業促進陳情書  (第一八一号)  森村対策に関する陳情書  (第一八六号  )  開拓事業強化に関する陳情書  (第一  八七号)  造林事業強化の関する陳情書  (  第一八九号)  緊急造林費予算計上に関する陳情書  (第一九〇号) 五月十日  蚕糸業振興に関する陳情書  (第二〇〇号)  森林治水並びに災害防止林造成事業拡充強化に  関する陳情書  (第二〇二号)  民有林官行斫伐事業継続実施陳情書  (第二〇四号)  臨時農業生産調整法案に関する陳情書  (第二一八号)  農機具配給制度國庫補助陳情書  (第二一九号)  食糧増産対策に関する陳情書  (第二二八号)  大浦潟干拓工事施行促進陳情書  (第二三五号)  造林事業促進陳情書  (第二四〇号)  民有林施業案に関する陳情書  (第二四一号)  農機具配給制度國庫補助陳情書  (第  二四七号)  生鮮食料品供出に対する報償制度是正陳情  書(第二五三号)  用排水事業等補助予算拡充に関する陳情書  (第二五五号)  薪炭増産並びに供出促進に関する陳情書  (第二六五号)  既耕地災害復旧並びに土地改良事業促進の陳  情書)(第二六八号)  供出報償用物資確保に関する陳情書  (第二七〇号)  森林行政の確立に関する陳情書  (第  二八九号)  供出割当等に関する陳情書  (第二九二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事補欠選任に関する件  國政調査承認要求に関する件  農林一般行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 井上良次

    井上委員長 それではこれから会議を開きます。  本日会議に付すベき事件農林行政に関する件でありますが、審議にはいります前に一應私御挨拶を申し上げたく存じます。  過ぐる第二國会におきまして不肖私が農林委員長指名をされました。今日本農村には幾多重要な諸問題がございまして、これらの問題の解決を迫られておりますときに、農政につきましてはまつたくの浅学であります私でございますが、委員各位の熱心なる御協力と、また先輩各位の御指導によりまして日本農政の最高の議決機関としての任務を遂行したいと存じます。何分行届かぬ点が多いと思いますが、何とぞ皆さんの御協力をいただきますように、はなはだ簡単でございますけれども一應御挨拶を申し上げておきたいと思います。  この際農林一般行政に関し、農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
  3. 永江一夫

    永江國務大臣 私は就任いたしまして以來、衆議院の農林委員会出席をいたしまして、委員会の席上で皆さんにいろいろお話を申し上げますることは、今回が初めてでございます。從いまして、私はこの機会に、農林関係につきましてそれぞれの権威をおもちになつておる皆さまの前で、私が今大体農林行政の上で考えておりますことを、ごく簡単にお話を申し上げまして、具体的のことについては、いずれ委員会の進行中の御質疑にお答えをしつつ、なお詳細にこれを明らかにしてまいりたいと考えまして、ただいま発言を求めました次第であります。すでに農林行政につきまして今日いろいろの問題が起きておりますが、これらについて私はどういう方法でこれを処理するかという心構えを申し上げてみたいと思ます。しかしその前に、一應農林行政の最も重要な仕事でありまする食糧関係につきまして一言申し上げておきたいと思います。  最近の食糧事情につきましては、私は先般の國会の本会議及び予算委員会において申し上げた通り、昨年の産米三千五十五万石の供出を、農家の御協力によつて百パーセント完遂をいたしました結果、この上にいろいろ食糧配給計画を樹立したのであります。その後連合軍の好意による食糧放出の面におきましては、毎月の放出計画の中に、多少当初予定した数字とは変つた面が出てまいりました。しかしさらに折衝を重ねまして、大体國会で私から申し上げておいたように、本年の米穀年度中においては、二合五勺の基準量はこれを確保していくという見透しの上に今なお立つて御説明申し上げることができることは、私の非常に欣快とするところであります。なお新米穀年度においては、これが増配について、いろいろと具体的な案を考慮中でありますが、それについては皆様も御承知のように、食糧放出のみを当てにする配給計画は妥当ではありませんので、政府としては、この食糧事情の打開の第一條件としては、やはり國内の食糧政策に主力を注いでいるということは、申すまでもないことであります。一應食糧事情は年々歳々明るい見透しの上に立つている——非常に抽象的でありますが、さような考えで、私は今食糧配給についても、できるだけの処置をいたしておるのであります。  さらにこの食糧供出関係のある米価の改訂のことでありますが、これも今閣議で審議中である新物價体係の改正に伴つてパリテイ計算による基礎が変つてまいるのでありますから、当然新しい米價改訂を行いたいと思つております。しかしこの新しい米價改訂は、当然麦、芋にも及んでくるわけでありまして、農林省としては、この米價改訂一般の物價の改訂と同時に行いたいということで、関係方面折衝をしておるのであります。ただ政府部内のただいまの問題として取扱つておる重要な点は、パリテイ計算による新しい米價決定があつた除に、その米價一般消費者に轉化されていくのでありますが、この場合の取扱いということは、さらに物價体係に非常に影響を與えるものでありますから、そういう方法については、いろいろ皆さんの方においても御意見のあることと思いますが、農林省経済安定本部及び大藏省折衝いたしまして、目下この取扱いについて、具体的な結論を急いでおります。いずれにしてもこの米價決定を行いまして、そうして農業生産の上に大きな関係をもつておる問題でありますから、できるだけ適切に、早く一般農家にも、その米價決定及びそれの取扱いについては、具体的方針を明らかにしてまいりたいと思つておるわけであります。  それからさらに食糧増産の点について申し上げてみたいと思います。食糧増産の上では、すでに御承知のように、一割増産運動を目下展開中でありまして、この國民運動として展開している運動の具体的、物質的裏づけのためには、もちろん肥料の裏づけ、あるいは農薬物裏づけ農機具裏づけ等については、しばしば私が本会議委員会で申し上げたような方法を、なお強力に推進いたしております。これとともに、食糧増産の上で不可欠な問題として今緊急に取扱いつつあるところの問題は、農村金融の問題であります。農村金融の点については、先般國会方面からもいろいろ御支援をいただきまして、農業手形方法をとつて一應春肥、農機具等の買入れについて、農業金融の一部面に一つの力を加えていつたのであります。しかしこれは基本的な農村金融に触れておりませんので、本年度の本予算を今審議中でありますが、この政府の本予算ができる際に、併せてやはり農業復興金庫の案を確立してまいりたいと思いまして、その農業復興金庫の内容について、今関係方面折衝を続けておりますから、これまたきわめて近いうちに具体化して、皆さんの御審議を願いたいと思つておるわけであります。  それから次には農業関係の税についてでありますが、本年の農業所得税につきましては、先般も一部に報道されておるように、政府が勤労所得税の軽減を断行するに應じまして、やはり勤労農民の所得である農業所得については特別な考慮を拂い、これが軽減を具体的に考究中であります。しかしこれと並行して起きてまいりました農業事業税について、今政府部内に最後の結論を得ておりませんけれども、農林省の建前においては、農業事業税の中には、供出の対象になるところの主食を除外するというばかりでなくして、さらにその他の事業税についても、できるだけこれをとらないという方針でもつて、大藏当局と折衝中であります。農業関係の各種の税については、いまさら私が申すまでもなく、食糧生産に支障のある税は、農林省としてはできるだけこれをとらないという方針のもとに、関係方面折衝をいたしていきたいと思つております。  その他ただいま私の方で考えておりまする当局の問題といたしましては、農林省の機構の改革であります。これは國会の水産委員会の御要請に應じまして、政府は水産局を水産廳に昇格すると同時に、他の農林省の省内における機構の改正をこの際行いまして、農林省生産者としての面をなお強力に発揮すると同時に、消費の面におけるその職能を完全ならしめるために、機構の改正を考えておるわけであります。これまた來る六月一日までに、その具体的な案を付しまして、この委員会においてもいろいろ御研究を願いたいと思つている次第であります。  なおこれらの問題に関しまして、私どもが本國会に提案をいたしたいと予定いたしております法律案につきまして一應申し上げますと、その箇々の内容はいずれその法律案が提出されました際に詳しく申し上げてみたいと思います。今申しました農林省の設置法、それからこれに関連いたしまする関係法規の整備、食糧確保臨時措置法でありますが、これは昨年も國会におきまして非常に御議論のあつたところでありまして、いろいろ國会側の御意見を吸収いたしまして整備いたしている法律案であります。さらに農業改良助長法を提出するつもりであります。この農業改良助長法は、いろいろ各地方にありまする農業指導助成についての補助金の交付等は法律でこれから明記しなければならなくなります。その趣旨に應じましてこの法律案を提出する次第であります。なおその他農藥取締法、農業災害補償法の一部改正等の法律も、今用意をいたしているわけであります。大体以上非常に抽象的なお話を申し上げて恐縮でありますけれども、初めての委員会でありますので、一應私から以上の点を御説明申し上げまして、随時御質疑にお答えしながら、さらに具体的なものを明らかにいたしたいと思つております。
  4. 井上良次

    井上委員長 これより質疑を許しますが、質疑は通告順によつて許すことにいたします。小林君。
  5. 小林運美

    ○小林委員 ただいま農林大臣から農業一般政策に関しまして大体のお話を伺つたのでありますが、非常に簡單でありまして、われわれといたしましてはつきりしない点がありますので、二、三お尋ねをいたしたいと思います。  最近非常に地方農村におきまして問題となつておる今回政府におきまして考えておりまする農業事業税の問題でございますが、先ほど農林大臣からのお話によりますと、ここに資料が多少ありますが、食糧管理法に規定する主要食糧とか、あるいは臨時物資調整法によりまする供出の対象になつているというようなものを、農業事業税から除外するという農林省の方針のようでございますが、われわれ農業関係の税金の問題につきましては、昭和二十二年度の農業所得税の問題につきましても、すでにいろいろの問題を残しておりまして、農業所得税が非常に不均衡な、しかも相当の巨額を課しまして、しかもその期間が非常に短かかつたということで、非常な混乱を起しているのであります。かような面におきまして、今後農業の所得税をどんなふうにお考えになつておりますか、さらにただいま申し上げました新しく事業税を課すというようなことに関しましては、主要食糧並びに農業生産に從事しておりまする農民が、非常にこの問題を心配いたしているのであります。かような点につきまして、ただいま農林大臣お話では、農林省としてはこういう考えだというようなお話でありますが、これは政府といたしまして今後どういうふうにするか、特にこの委員会におきましては、われわれ農村の代表といたしまして、この問題を究極的に追究いたしまして、はつきりした政府の御見解を承りたいのであります。  次に農林金融の問題でございますが、最近におきまする農家の預金というものが、農林中央金庫の実績を見ましてもどんどん減つてまいつております。これは一般物價の高騰によりまして、農家生産に必要な物資を購入するのに相当の金が要る。随つて農家が営々として貯めた預金をどしどし下げ、すでに中金あたりの預金は相当減つております。こういうようなことから、ただいま農林復興金融金庫といつたものをお考えになつておるそうでありますが、ただ政府は考えておる、急速にやるということを言つておりますけれども、もう農家生産はどしどし始まつております。太陽は用捨なくわれわれの農地を照らしております。このチヤンスを失しますと、われわれは農産物の生産に非常に影響をもつのでありますから、政府がのんびり構えておるようなことでは、われわれの農業生産の間に合わないというようなことになりますので、これは急速に実現化をしていただきたいと思うのでありますが、かような面について、もつと詳細に政府の御見解を承りたいのであります。  金融問題に関して、私は特にもう一つ御尋ねを申し上げたいことは、蚕糸業の金融の問題でございます。昨年來蚕糸業の金融の問題については、政府におかれましても相当いろいろ考慮されたのでありますが、末端におきまして非常な狂いを生じておるのであります。昨年の繭代金のごときも、農家の手にはいつたのは本年になつてからというような状態が方々に起つております。こういうように、政府がいかに金融の問題をお考えになつても、途中でぐずぐずしておつては、われわれ農村にはなんの影響もない、せつかくつくつたものが、現金がはいる頃にはすでに物價がどんどん上つておる。最近やつておる價格政策によりますと、米の問題にいたしましても繭の代金にいたしましても、公定價格でその当時の値段で供出をする。ところがいよいよ自分がその農産物を賣つた金をとる頃には、半年も一年も経つてしまつて、その金の價値がどんどん下つていく、こういうようなことでは、われわれ農村において非常に困るのであります。安心して供出をするというようなことができなくなつてくる。これは供出意欲にも相当影響すると思いますので、こういうような面からいたしましても、特に昨年の繭代金の支拂い等についても非常に不合理があつたのであります。かようなことは農林大臣就任匆々でおわかりないかもしれませんが、これは重大問題といたしまして今地方では問題にしております。  こういうようなことをさらに私は根本にさかのぼつて考えてみたいと思いますが、時間の関係上これを簡單にいたしまして、さらにお尋ねを申し上げてみたいと思うのであります。繭の代金は、御存じのように製糸家に繭を賣りまして、代金がはいつてくるのでありますが、製糸家側といたしましては、今までは政府が保障いたしまして、日本蚕糸業会がこれを買い上げまして金を拂つておつた。ところが昨年は御存じのように、生糸がアメリカにおいてあまり賣れなかつたというような関係から政府が製糸家のつくりました生糸をどんどん買つていくということができなかつた。随つて蚕糸業会がこれを買い受けておつたけれども、その金融がつかなくなつたというようなことからだんだん下にいきまして、結局困つているのは農家であつたという関係になるのであります。かようなことはすでに政府といたしましても十分お考えのことと思いまして、二十三年度の繭の金融、蚕糸業の金融をどんなふうにお考えになつておりますか、この点をはつきりお返事を願いたいと思うのであります。  これに関連いたしまして、最近輸出生糸に関しまする為替をきめるというようなお話があるのでありまして、現在アメリカにおきまして、生糸が一ポンド二ドル五十セント平均にいたしまして賣れておりますが、これを現在の二千六百掛の繭價に換算いたしまして、かりに為替が二百円といたしますと、大体これで通るのでありますが、御存じのように、先ほど農林大臣もおつしやいましたように、今度の物價改訂によりまして、米價あるいは麦、繭というものが、パリティ計算によりまして相当の値上りを來すとわれわれは考えるのでありますが、かりに繭價がほかのパリティの推定からいたしまして、これはほんのかりでありますが、四千掛程度になりますと、為替の関係からまいりますと、為替が三百幾円になるのであります。こういうような目前に為替を上げなければ生糸は賣れていかないということがわかつていながら、二百十円とか二十円とかいうようなことできめるということは、これは非常に不合理があるのではないかと考えるのでありますが、これに対しまする農林省のお考えを承りたいのであります。  それからこの問題に関連いたしまして、すでに農家は繭を生産いたしておりますが、先般農林省におきましては、今後の繭價というものはパリティ計算によつてきめていくのだ。こういうことを言つております。從つてお話の為替の関係はない。どこまでもパリティでいくのであつて、為替のことは考えずにやつていくということを公表しております。農家もこれを信じまして現在繭の生産に挺身をしております。ところがただいまお話申し上げたようなことで、最近為替をきめるというようなことになりますと、これはとんでもないことになりますが、こういうことをどんなふうに考えておられるのか、すでに公約をいたしておりますものをほごにするというようなことでは、とんでもないことでございますので、この辺もはつきりしたお返事を承りたいと思うのであります。  それからもう一つお尋ね申し上げたいのは、先ほど大臣から、今後の農林委員会政府が御提出になります法律その他のお話がございましたが、最近承るところによりますと、農業協同組合法の一部を改正するというようなお話であります。すでに事務的にそういうことを豫想いたしましていろいろの政策をおとりになつておることを私も承知しております。あの十條を改正いたすというようなお話でありますが、先ほどは大臣はそういう話をしなかつた。この問題はどんなふうにお考えになつておるか、はたして農業協同組合の改正の法律案を御提出になるかどうか、もし御提出になれば、どういうような考え方でおやりになるかということを承りたいと思うのであります。  なお二、三お返事によりましては御質問を申し上げたいこともありますが、一應この程度でお返事を承りたいと思います。
  6. 永江一夫

    永江國務大臣 第一にお尋ねになりました農業事業税あるいは農業所得税についてでありますが、先ほど申し上げましたように、事業税につきましても、これは今お手もとに配付してありまする、このプリントで御覽願えばおわかりのことであると思いますが、私どもといたしましては、供出の対象になります主食は除外をしてまいりたい。その他の点については、他の財政の財源とにらみ合わせまして、できるだけ農業事業税というようなものをとらなくてもいける財政的処置ができるならば、これはできるだけ避けたい。こういうことで、先ほど政府部内で話中であるということを申し上げたのはその意味であります。それから農業所得税の軽減の問題については、控除の方法とか課税率の方法について、いろいろ大藏当局と話合いをしておりますが、もし新物價体系にまりまして、米價その他農作物の價価が上りまする場合には、せつかく税率において農業所得の面を軽くしようといたしまする農林省の意図が、具体的にはひの新物價の面におきまする農産物價価が相当上りまして、税自体が軽くならないというような結果になりますることを恐れまして、いろいろ今具体的に考慮をしておる。こういうふうに御了承願つておきたいと思います。  第二の金融のことにつきましては、非常に急にやらねばだめではないかという御注意は、ごもつともなことだと思いまして、先ほど申し上げましたように、緊急に処置いたしますのは、中金を通しまして、地方の末端にこの実際の金融の処置が徹底いたしまするように、私どもは早急にこの手を打つために農業手形を実施したのであります。しかしこれはあくまで暫定的のことでありまして、実際に農業復興金庫の具体的な基本的なものをつくらなければ、農業金融は円滑にもつていけない、こう考えまして、今原始産業に関しまする復興金庫をつくりまする具体的のものを考察中でありますが、何分にもその具体的のものを今皆さんの前で御説明をする時期に至つておりませんが、この委員会は相当連続的にお開きになるようでありますから、きわめて近いうちに、一應私どもの考えておりまする具体的のものをお示しすることができる、こう思つております。なお繭の金融について御注意がありまして、この点はお話のように急速にやらねばならぬと思つております。いろいろ為替の関係についてお話がありましたが、私どもは今まで公にいたしまして方針でやつていきたい、こう思つております。その為替関係のことについては、一應局長からお答えをした方が適切であろうと思いますから、御了承願います。  それから第三の農業協同組合の法規をかえるのかどうかということでありますが、先ほど私はこの点に觸れなかつたのでありますが、実はこれは今回の國会農業協同組合の一部を改正する法案を出すつもりでおります。これは最初に農業協同組合法について國会の御協賛を得ましてできたのでありますが、そのときには協同組合の連合体について、全國的に連合体をつくるというようなことについて何らの制肘を受けない法規ができておつたのでありますが、実は同じ農業関係におきまする漁業協同組合法を國会に提出をいたしたいと思いまして、それぞれ関係方面折衝中に、たまたま漁業協同組合の單位につきましていろいろ話が出てまいりまして、一府縣單位の漁業協同組合、さらにこれを拡張いたしまして、その漁業の特質から、瀬戸内海なら瀬戸内海の沿岸にあります漁業協同組合というものの連合体を、さらに全國的に拡大するというような具体的の話合いの途上におきまして、いろいろ関係方面から意見が出まして、新しく農林省が提出しようとしております漁業協同組合法においては、全國的な單一の漁業協同組合というものの連合体を認め難いことになつております。從つてそのことに関連をいたしまして、農業協同組合においても全國的な單一の連合体というようなものは好ましくないという意見が出てまいりまして、従つてこの面について、今あります農業協同組合法の一部を改正する必要に迫られております。右様の次第で私どもはこの農業協同組合法の一部を改正する法律案を今準備中でありまして、これも提出御審議を願いたい、こう思つております。
  7. 山添左武郎

    ○山添(左)政府委員 繭の價価並びに繭代金の支拂いの問題につきまして私よりお答え申し上げたいと存じます。  繭價の決定につきましては、一昨年の夏秋蚕のころより昨年の春にかけまして、生産費主義で行くか、パリテイ主義で行くかということにつきまして、関係方面といろいろ折衝を重ね、従つてその決定の遷延された事情につきましては、小林委員におきましてもよく御承知のところと存じます。昨年はそうした関係に基きまして、予定されました春繭價価の千百掛というものが新物價体系に基いて新しく計算し直され、それが二千六百掛となつたのでありますが、その決定につきましては、そうした経緯もありまして、基本的の方針が七月にはいつて決定され、正式に官報に告示せられたのは八月の二十三日のことであつたかと存じます。そうした関係をもちました、特殊の事情がありましたので、製糸家におきまして繭代金を用意する点につきましても、若干齟齬を生じたことがあつたのでありますが、本年度におきましては、われわれといたしましては、昨年の例に鑑みまして、そうしたトラブルのないようなと心がけで、関係方面折衝いたしました結果、三月の初旬におきまして、本年度も春繭の價価に誠四てはやはり昨年と同じようなパリテイの方針をもつてきめてまいりたい、そうしてその具体的掛目の決定につきましては、麦等の食糧作物の決定せられる時期、五月の末か、六月にはいるかと思いますが、そのころにきめられるであろうということを申し上げて、繭の増産にいそしんでいただいたのであります。その方針につきましては、ただいまのところ変更はないのであります。一方代金の支拂いにつきましても、昨年までは御承知のように農業團体として農業会がありますし、生糸の買取機関として日本蚕糸協会がありまして、その統制力をもちましてきわめて合理的に処理せられてまいつたのでありますが、日本蚕糸協会も昨年十一月初めに閉鎖機関に指定せられましたし、農業会も目下解体が進行しておるというような事情になりましたので、今年はさらにくふうを凝らす必要があるということで、昨年の末からこれまた関係方面と種々折衝を重ねました結果、繭代金の支拂いにつきましては、根本的にはスタンプ手形の制度を採用する、御承知のように繭は主として輸出生糸の原料となるわけでありますから、貿易手形に準じてスタンプ手形を採用するということになりまして、その取扱いにつきましても業者の総意と金融機関の好意によりまして、今日まで折衝を重ねました結果、貸出しの歩合におきましても、当初は繭が出ま島たときに六割、繭の檢定が済みました際に八割ということを認められることであつたのでありますけれども、折衝の結果、当初におきまして繭價格の七割、繭の檢定が済みました際には八割五分まで認める。しかし額面價格の九五%は日本銀行において再割引をいたし、その割引利率も一銭三厘というきわめて優遇された取扱いを受けることにな誠たのであります。昨年は日本蚕糸協会の補償ということもありましたが、それに代るべき方策として、目下考えられる方法としてはこの方法よりありませんので、この方向に向つて折衝を重ねました結果、ただいまのような結果になりまして、先日の日本銀行の斡旋のもとに、市中銀行の方々にもお集り願いまして、この代金の融通についての御協力をお願いいたしたのでありますが、現在までのところにおきましては、大体蚕糸金融の重要性を認識せられ、しかもなお本年度はアメリカにおきまする生糸の賣れ行きも非常に好調を示しまして、司令部に到達しております報告によりますれば、すでに先週ニユーヨークにおいて五万二千俵を越した賣れ行きが示されておりまして、当初の計画の五万俵をはるかに突破した賣れ行きがすでに実現しておるというように、需要関係も好調を示しておりますので、金融関係もその点に好感を抱かれて、全面的の御協力を得つつあるような次第でありますから、これらの関係が相まつて、本年度は支障なく代金の支拂いを完了いたしてまいりたいと考えておる次第であります。  次に輸出取引において、為替レートと申しますか、プライス・レーシヨー・システムといわれておりますが、ドルと円との関係において一定の比率を定めて、特定の商品に適用しようという企てが、貿易廳を中心として行われておるのであります。それは結局輸出手続が非常に複雑であつて輸出事務を停滞せしめる、それを簡易化する方法として考え出された方式でありまして、お説のように、たとえば生糸関係におきましては、現在のニユーヨークのドリ價格と國内の円價格とを比べてみますと、一ドル二百円なしい二百四十円となるのでありまして、その平均値を求めれば二百二十円見当になるということで、そうした比率をこの取引の上に採用したいということが提案されているのであります。ところで小林委員よりも御指摘のごとく、その方法を今ただちに生糸に取引に採用するということになりますと、少くとも三点ばかりの支障があるということをわれわれは指摘しておるのであります。すなわちお説のように、目下繭價の改訂を目捷に控えておりますし、從つてそれに引続いて生糸の價格も改訂せられることが予想されておりますこの際に、そうして旧價格をもつて為替の関係決定するということが、取引上一つの支障になり得るという点、さらにまたニユー・ヨークの價格におきましては、十四中、二十一中の價格が同一價格をもつて取引されておるという特殊な事情があるのでありますけれども、内地の生産方面においては、細物の方の生産費が高いということで、これを合理的に処理する方法がいかにとられるべきかという問題があります、さらに格差の点につきましても、これは漸次是正さるべきものと思いますけれども、現在のニユー・ヨーク價格と國内價格との間に差がある、それをどう処理していくかというような問題が、合理的に処理せらるべき方法が発見せられておらないのであります。こうした問題を貿易廳の当局に提出し、だんだんと再考を求めてまいつたのでありまするが、貿易廳の方におきましても、当初の考え方としては、このプライス・シーシヨー・システムを早急に実施に移したいという意向をもつておられたようでありますけれども、だんだんと各方面の実情を檢討せられました結果、支障となるべき点も相当あることがわかつてまいりまして、目下のところにおいては、ただちに実施するというような意向もないようでありますし、また蚕糸当局の主張については、十分その通りに行うというような言明もありますので、さしあたり御心配の点はないことと信じておるのであります。
  8. 小林運美

    ○小林委員 さらにお尋ね申し上げたいのですが、先ほど農産物の価格につきまして農林大臣からお話がありましたが、今回の米價改訂にあたりまして、昨年米の値段を決定いたしました際に、この委員会におきましても種々論議をされたのでありますが、今回の米價改訂いたしますと、昨年きめたことから考えまして今回はほかの物價が上つてくる。そういうものを基礎としてパリテイの計算をやりますと、物價改訂のその時期から、やはり昨年供出した米の値段につきましても、当然かえなければいかぬという論議が成り立つのであります。こういう点はすでに政府におきましてもいろいろ御論議になつておると思いますが、先ほど政府でいろいろ心配しておるというようなお話でありますし、予算等の関係もありますので、これは相当の大きな問題でありますが、この点につきまして、もう少し詳細に農林大臣お話を承りたいと思います。  次に再び蚕糸業関係にはいります。昨年來、蚕糸業の発展を期するたるに生糸の價格の安定をはかつていきたい。これは業者も政府もともに考えたことでございますが、いろいろの関係がありまして今もつてこの問題は解決いたしておりません。昨年蚕糸当局におきましては、糸價安定をやるのに特別会計をもつてやるというような考え方をおもちになつたのでありまして、この問題につきまして、関係当局と御折衝になつておることも聽いております。先般われわれは蚕糸業の業者といたしまして、関係筋に参りましてこの問題をお聽きしたのでありますが、関係方面におきましては、政府が保証してやる糸價安定の施設、すなわち特別会計であるとか、あるいはその他政府の保証による糸價安定の方法というものは関係方面にては全然考えておらぬというようなお話でございましたが、先般蚕糸局長がある会合におきまして、私の質問に対しましてそれは関係方面の一部の意見であつて必ずしもそうではない。政府はさらにこういうようなことを、特別会計その他の方法によつてやるのではないかという印象を與えるような御返事があつたのでございますが、農林大臣はこの件に関しましてどういうふうにお考えになりますか。糸價安定をしなければ蚕糸業の発展は期し得られないということはこれは内外を通じての考えであります。それに対しまして、依然として政府は、その筋ではそういうことはだめだということを言つておりますが、まだ一つ覚えのように同じことを繰返しておる。こういうことは業者はもう毎日々々の仕事でありまして、政府がいかにそんなことをお考えになつても、実現できないようなことをやつておつたのでは非常に困るのでありますが、この点に関しまして農林大臣のお考えを承りたいと思うのであります。  それからこれに関係したしまして、昨年來ずつと問題になつております差益金の処分の問題であります。今回の差益金の処理に関しまして、業者間におきまして、この処理をどうしていくかということについていろいろ協議中でございますが、この件に関しましても政府は一体どういうことを考えておられるか。差益金の金額というものは数億円に達するのでありまして、その所有は一應製糸業者の所有になつておりますが、これは製糸業者だけで使うべきものであるか、あるいは養蚕業者等に全面的に放出するというようないろいろの意見がありますが、農林大臣はこの件につきましてどういうお考えをもつておりますか、これを承りたいと思うのであります。  次に第三点といたしまして、この六月二十日ごろパリにおきまして絹業者の世界の大会がございます。それに日本蚕糸業者の代理と申しますか、あるいは現在の占領治下におきまして、日本がそういつた國際大会に代表を送るということを、現在その筋におきましてはつきり認めておりますかどうか知りませんが、今回のパリの絹業者大会にとにかく日本人といたしまして、九名の代表者が参るのでありまして、明後日出発するように聞いております。この中には政府の役人も二、三人はいつておるわけでありますが、その中の民間代表とも称すべき製糸業者の代表が三人はいつております。これらの人は、わが日本蚕糸業の一二三というようないずれも大きい業者の社長が行くことになつております。こういうような人選問題に関しましても、また今回のパリに参ります人たちの経費等も、内容を伺つてみますと、日本の生糸をその費用に充てるということを考えますと、國の費用でこういうことに参加する。これが日本の業者の代表者かどうかということは別問題といたしまして、さような特殊な人たちがはたして日本蚕糸業の代表者であるかどうかということも、私は疑いをもつものであります。しかも最近の蚕糸業の実勢からまいりまして、これらの人々だけで日本蚕糸業を代表するということは、われわれはどうしても考えられない。最近の生糸の需要関係をみますと、一方におきましては、今まで絹のくつ下が蚕糸業の一番大切な需要の方向であつたのでありますが、最近においてナイロン等がありまして非常に変つてまいりましたまた。またナイロンの需要と生糸の需要というものも、今非常にデリケートな形にあります。しかし現在生糸が賣れておるというのは、決してくつ下方面でなくて、御存じのように羽二重とか織物関係の生糸が賣れております。今までの生糸で高級生糸と言つておりましたものは、すべてくつ下用の生糸であつたのでありますが、現在賣れておるのはくつ下用のものでなくて、織物用の生糸であります。今申し上げました三人の代表というのは、大部分がほとんどくつ下用の生糸を生産する工場でございます。こういうような人たちが行つて、はたしてどういう話ができるかということをわれわれは疑がうのであります。さらに今回のパリの会議をわれわれはよく考えてみますと、過去におきましてブレトン・ウッズ協定というような経驗もございます。こういうような國際会議に、われわれはとにかく代表であろうがなかろうが、日本人が業者として参りましたときに、それらの問題が相当深刻に論議されるのではないか。イタリア、支那等の蚕糸業関係者も参ります。今後の日本蚕糸業をいかにするかという初めての國際会議でございますので、こういう会議出席いたします場合に、政府の役人が参りますし、また業者も参りますが、蚕糸業の將來を考え、政府は一体どういう考えでこの会議に臨まれるか、この点をはつきりしていただきたいと思うのであります。われわれは現在の業者の立場からまいりますと、これらの人は決して日本蚕糸業界を代表してないと思うのでありますが、かような点につきまして農林大臣はどうお考えになりますか、承りたいと思うのであります。さらに詳細な点につきましては他の機会においてお伺いいたしたいと思いますが、以上三つの点につきまして御質問を申し上げる次第であります。
  9. 永江一夫

    永江國務大臣 第一の新しい米價について、昨年の千七百円米價との開きができた場合にどういう考えをもつておるか、こういう点でありますが、これは影響がきわめて大きい問題でありまして、私どもは愼重に考えるところでありますが、大体昨年の千七百円の米價と近く決定せられまする米價との開きにつきましては、これを各方面からできるだけ科学的な数字によつて檢討を加えまして、その差額と認められるものは一應調整金として供出された農家に返していくことが一番合理的なことであります。今その具体的な数字をあげまするために、経済安定本部大藏省及び農林省の事務当局がその具体的数字について檢討中でありまして、それがまとまりますれば、いずれ経済閣僚懇談会並びに閣議を経まして、これを正式に決定をして、できるだけ生産者の面におきまして無理のない補整を行い、また一般物價に対して非常に極端な影響のないような数字に決定をいたしたいと、せつかく考究中でありまして、ある程度の案はできておるのでありますが、これはすでに御承知のように、関係方面の意見も聽きましてから閣議決定として発表いたしまするまでは、その数字についてここで今申し上げる時期に至つておりません。右よりの次第御了承を願いたいと思います。  それから繭の値段のことにつきましては、御説のようにこれを安定する必要があると私は思つておる。実は関係方面の担当者が、米國やあるいはフランス等の意向を質しました上で、ある程度の決定はされる、かように御了承願つておきます。  それから第三のフランスにおきまする会議に、農林省で一應決定いたしました代表者の顏ぶれが不適当であろうという御意見のようでありましたが、私どもとしては、今の状態において國際的な会議に出る顏ぶれとしては、相当愼重に決定をしたつもりでありまして、今お話のように、この代表者が日本の絹の輸出その他の將來について、必ずりつぱな功績を残して帰つて來られる、こう思つております。
  10. 小林運美

    ○小林委員 ただいま大臣にお伺いした点少しピントが合つておりませんので、さらにお伺いしたい。  それともう一つは差益金の処分に対してのお答えがなかつたのでありますが、この点をお伺いいたしたいと思う。それと今のパリの絹業代表者に関して、私は代表の選び方の問題につきましても、私の見解を申し上げましたが、大臣はそれでいいとおつしやいますが、私はそうでない、これは見解の相違になるかもしれませんが、もう一つは一体政府蚕糸業の代表を送つてどういうことをお話合いになるか、たとえば詳細に申し上げますれば、今後の生糸の需要をどういうふうに日本蚕糸業者としてはもつていきたいというようなこと、あるいはそういうようなことに関連しまして生糸の格付の問題にも触れると思うのでありますが、そういうような件に関しまして、どういう考えをもつて政府は臨むかという内容をお聽きしておるのであります。
  11. 永江一夫

    永江國務大臣 先ほどお答えが落ちておりましたので恐縮しております。差益金の処分のことはあくまで業者の意向を聽いておりまして、その意向に準じて処分をいたしたいと思つております。それから政府がこの会議はいかなる方針をもつておるかということでありますが、実はこういう國際情勢のもとにおきまして、國際的会議にはできるだけ政府は代表者を送りたいという熱意をもつております。たまたまパリーにおきまする会議についても、非常なる熱意を示して、その熱意が関係方面の了承によりまして達成したのであります。いろいろ会議に加わると思いますけれども、日本がこの会議指導してどういう方針でいくかというような、非常に具体的なものをもつてはいかないで、むしろその趣旨は、終戰後の國際的会議に対しまして、日本が國際的な信用を少しでも高めるようなことを、ごく漠然としておりますが、その趣旨として代表者を加えているわけであります。その会議の内容によつて、いろいろな意見を述べるようなことは第二義的に考えておる。例外はありますけれども、非常に軽く考えておるというつもりで御了承を願いたいと思います。
  12. 井上良次

    井上委員長 この際委員長から申し上げます。農林大臣に対する質疑は各派から相当ございますが、時間の関係がございまして、本日午後は経済閣僚懇談会があつて、特に米價問題を中心の閣議だそうで、農林大臣としてはどうしても出席しなければならぬので、農林大臣に関連します質疑は明日午後続行いたします。午前中はこの委員会は他の委員会が使用するそうでありますから、午後にいたしたいと思います。なお本日午後は野溝國務大臣の出席を求めまして、主として農業課税の問題について、特に今問題になつております農業事業税の問題、この問題について質疑を続けたいと考えますから、さよう御了承を願いたいと思います。  この際一應皆さんにお諮りしておきたいことがございます。食糧、蚕糸、畜産、林業、開拓、土地改良農業課税及び農業金融等の問題に関し、國政調査の承認を議長より得ておきたいと思いますが、國政調査承認の要求書を提出することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 井上良次

    井上委員長 御異議なしと認めます。それでは國政調査承認要求書を議長に提出することにいたします。  これで休憩いたしまして、午後一時半から再開いたします。     午後零時十八分休憩     —————————————     午後二時三分開議
  14. 井上良次

    井上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際理事補欠選挙を行います。
  15. 河合義一

    河合委員 理事永井勝次郎君及び佐竹新市君を推薦いたしたいと思います。御賛成を願います。
  16. 井上良次

    井上委員長 御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 井上良次

    井上委員長 御異議ないものと認めます。それでは永井勝次郎君及び佐竹新市君が理事に当選いたしました。  この際委員長から一應皆さんにお諮りをいたしたいと思います。実は午前中申し上げました通り、ただいま政府におきましては、物價改訂に伴つて米價問題をどうするかということで、経済閣僚懇談会を開いて、おります。つきましては、本委員会として農産物の價格の問題、特に米價の問題について、一應この経済閣僚懇談会に対して意見を申し入れておきたいと思います。なおそれらをめぐりまして物價改訂が行われようとしておりますから、この物價改訂に伴つて新年度の予算が編成されますので、その予算編成に対して、特に農業課税について、農林委員会としても政府に対して申入をしておいた方がどうかと考えますが、皆様どうでございましようか。     〔「賛成「と呼ぶ者あり〕
  18. 井上良次

    井上委員長 それでは一應米價改訂の問題並びに農業課税の問題について暫定懇談をいたしまして、意見がまとまりましたものを政府に申し入れることにいたしたいと思います。暫定懇談にはいります。     —————————————     〔午後二時六分懇談会に入る〕     〔午後二時二十九分懇談会を終る〕     —————————————
  19. 井上良次

    井上委員長 それでは懇談会を終りまして、野溝國務大臣より農業課税に関し発言を求められておりますから、これを許します。
  20. 野溝勝

    野溝國務大臣 ただいま議題になりました農業事業税の問題につきまして、簡單にその趣旨並びに構想を申し上げてみたいと思います。  まず農業事業税の問題に触れる前に、その経緯についてあらまし御了解を得たいと思つております。それは、農業事業税として今日地方財政委員会におきまして檢討されておる税名は、実は昨年ランド・タツクスと申しまして、土地使用税の名のもとに構想されておつたのでございます。すでにこれは土地使用税として、大藏当局において、これを國税として徴收すべく考えられておつたのでございますが、これが地方税として今度新たにとることにしてはどうかということになりまして、土地使用税という名をかえて特に事業税という税名の中に農業事業税としてとることにしようという考え方でございます。そこでこの事業税は從來の営業税の範囲を拡張いたし、從來営業税としてあつたのを今度は事業税としたのでございまして、その事業税の中にはいろいろあります。特に原始産業も含むことになつておるのでございますが、その一つとして農業事業税をとるということになつたのでございます。大体この農業事業税については、いろいろと御意見もありますが、地方財政は中央財政と同様に非常に窮乏しておりますので、この地方財政を確立する上においては、どうしても多くの財源を求めなければ、今日の地方財政の育成と言いましようか、堅持ができない状態になつております。そこでこの際一言申し上げておきたいのでございますが、昨年度地方自治法という法律案が可決になりまして、それに基いて財政の裏づけをしなければならなかつたのでございますが、制度の法案はできたけれども、運営に対する裏づけの法案ができておらなかつたのでございます。かような関係から、今日地方財政を運営するにあたつては、いきおい中央から分與をしてもらうか、あるいは何かの税源を委讓してもらうか、あるいは地方において新しく新税をつくるかということにしなければ、地方の財政の運営ができない関係になつておりますので、かような関係から、ここに農業事業税というものも一つ考えた次第でございます。  なお附け加えて申し上げておきますが、特に地方の財政の状態でございます。地方の財政は状態は、すでに皆さんも御存じのごとく、前年度に比して倍額の予算を必要とする状態になつてきておるのでございます。約二千億内外を必要とする状態になつてきました。と申すのは、二十二年度よりは五百数十億の新経常費を必要とする状態になつたのでございます。その内容は六、三制の教育施設の問題であるとか、あるいは警察制度の改善の問題であるとか、あるいは公共事業等々の問題であるとかいうようなことで、それらの諸費用を必要とするに至りました。特に一番問題なのは、賃金の改訂によりまする人件費の増嵩というような関係から、非常なる変革をここに來さなければならないことになつてまいりましたので、いきおい地方財政の運営にあたりましては、この財源に非常なる頭を痛めておる次第でございます。大体かような考え方から、農業事業税というものも事業税の中の一つとしてこれを対象にしておるわけでございます。以上大体農業事業税に対する考え方を一通り申し上げた次第でございます。
  21. 井上良次

    井上委員長 通告順によつて質疑を許します。的場金右衞門君。
  22. 的場金右衞門

    ○的場委員 今の御説明ではどうもばつとしてよくわかりませんが、農業事業税を賦課することによつて総額どのくらいの税收の見込みになつておるのでありまするか、またそれは農家一戸当り平均どの程度になるのでありますか、その点をお伺いしたい。
  23. 荻田保

    ○荻田政府委員 大体農家と申しますと、新らしく営業税の範囲拡張で五十億くらいの増加を見こんでおります。それから一戸当りいくらになるかというお話でありますが、昨年度所得税の基礎になりました農家所得が大体三万円といたしますると、それの一割で三千円になります。
  24. 的場金右衞門

    ○的場委員 大臣にお尋ねしますが、今農村において一戸平均三千円くらいの新税を負担する能力があると大臣はお見込みになつておるのでありますか、この点をお伺いします。
  25. 野溝勝

    野溝國務大臣 的場さんの御質問の通り、私は農村におきましては、最近所得税の問題以來非常に窮迫しておる事情もよくわかるのでありますが、先ほど申しました通り、何といいましても地方の財政維持ができません関係から、かような事業税をとることにしたのであります。しかし、ただいまお話もありました通り、農村の事業といいましてもいろいろ種類があると思います。たとえば果樹をやつておるような彈力のある部面に対しましては、一應課税することの対象に考えておりますが、特に主食などにつきましては、これは相当考えていかなければならぬのではないかと考えております。
  26. 的場金右衞門

    ○的場委員 野溝大臣は、昨年以來農林委員長も務めた方でありますし、多年農村指導に当られた經驗者でありますから、いまさら農村の実情がおわかりにならないはずはないと私は思うのであります。しかるに農業事業税というような新税を今の農村に賦課しようとなさるその乱暴さには、私どもあきれざるを得ないのであります。現在農村においては、所得税その他の課税で非常に窮乏をいたしております。この前もある篤農家が私どもの所へ参りまして、先生、努力をした罰を受けましたと申しました。努力をした罰というのはどういうのかと聽きますと、前に牛を一頭置いて牛の子を育てたときには五万円で賣つた。ところが税金は一万円足らずで、牛二頭について十万円で賣つたところが、所得税が十万円來たので、二頭養つたためにゼロになつた。これは努力をしたために処罰を受けたと、彼は悲鳴をあげておつたのであります。農村はかような状態で、努力すればするほど処罰が大きくなるから、努力しない方がよろしいという思想に傾きつつある今日、さらにこの上新説を賦課しようとするその乱暴さには、われわれあきれざるを得ないのであります。この際いま一應考え直されまして、農村に対するいじめ方をもう少し緩めてくださるような意思はないのか、この点をお伺いいたします。
  27. 野溝勝

    野溝國務大臣 的場さんの御趣旨につきましては、重々ごもつともでございまして、現下農村の置かれている経済の姿というものはよく私もわかつているのでございますが、先ほど來申しました通り、何と言いましても地方の財政を維持していく上におきましては、あらゆる地方自治大衆に対して應分の課税をしてもらうよりは仕方がないという事情にあるのでございます。特にこの際申し上げておきますが、農村の窮迫せる事情については今お話の通りでございますが、その農村の人々の中にも、比較的彈力のある人とない人については考えていくということを私先ほど申し上げたのでございます。なお今日まで所得税はかかつておりましても、営業税を納めておらないという農民以外の方々にも今回は課税をすることにいたしたのでございます。むしろ農民以外の方々からも相当反撃もあるのでございますが、現下地方の財政の苦境を訴えまして御了解を得ておるのでございますから、さよう御了承願いたいと思います。
  28. 的場金右衞門

    ○的場委員 最後に一言申し上げておきたいのであります。私ども農に従事する者は、ことごとくこの新税に対しては全國の農民たちが反対であることは明らかであります。全國の農民たちが反対どころか、むしろ反感を買うような悪税を創設なさることは、國家百年のために非常に悲しむベき結果を招來すると思いますから、さらに御調査御研究の上——かような悪税を賦課しないように、もう一遍考え直してもらいたいことを申し上げて私の質問を終ります。
  29. 小林運美

    ○小林委員 私は午前中この問題に関しまして農林大臣に所見を伺つたのですが、その所管の野溝大臣に改めてお伺いしたいのであります。先ほど的場委員の御質問に対しまして、大臣は農業事業税の中に主要食糧のごときものは課税の対象にしないというようなお話でありましたが、私はもちろんこの農業事業税全体に対して反対をするものでありますが、さらにこれを内面的に考えて見ますと、一つの主要食糧というものをはずす、こういうような御意見のようでありますが、さような面から考えますと、主要食糧と同じような立場にあります、供出政府が強要しております薪炭であるとか、あるいは繭であるとか、蔬菜、そういうようなものもやはり食糧と同じように政府供出を命令する、こういうものから税金を取上げるということは非常におかしいではないか、しかも供出の対象となりますものは、公定價格等もほかの物價と比較いたしまして全面的に低い関係にもありますので、こういうことをやりますと供出を阻害する。供出すればそれがはつきりわかつて税金の対象になつてくる、從つて農家の経営が困難なために、一部の農家供出をやめてやみに流すというような結果に陷るのであります。そういうような関係で繭とか、あるいはその他のものに対しての野溝大臣のお考えを伺いたいと思います。
  30. 野溝勝

    野溝國務大臣 ただいま小林さんの御質問ですが、いろいろ的場さんの質問とも関連しておるような点もありますので、そういう点は省略いたしまして、繭に対する課税は一体どうなるのか。主食が供出の対象という考え方ならば、薪も薪炭供出の対象ではないか。それらにかけることは理解できないという御趣意のように拜聽いたしました。もちろん供出するものに対して課税をするようなことよりは、さらに一歩を進めまして、農業事業税に対して課税することも、われわれとしては現下の農村事情から見て相当考えなければならぬ問題であると思うのであります。しかしその点につきましては、先ほど地方財政の事情をお話申し上げたように、御了承が願えるかと思うのでありますが、繭に対しましても輸出関係、あるいは國内繊維の解決の問題等々の関係から重要な問題でありますが、何と言いましても生産の基磯と言いましようか、先に立つものは私は主食が至上命令であると思うのであります。よつてこの主食を考えたのは、この食糧解決の見透しができた場合においては、これは公平にしなければならぬのでありますが、目下のてころ何といつて食糧問題は未解決の関係にありますので、一割増産を強いておるような関係もありますが、いろいろの関係から主食の問題を先に解決することが、日本現下のインフレを克服する上にも絶対必要なことではないかというように考えておる次第であります。決して養蚕を軽く見るという考えをもつておらないのであります。なおこの際一言申し添えておきますが、決して主食を省くからといつても、養糸、養蚕の方に多くかかるというようなことは毛頭考えてないのであります。主食を省く場合は、よそにその負担を多くしてもらうという考えは毛頭もつておりません。
  31. 小林運美

    ○小林委員 どうもお話を聽いておると、主食の方はとらないけれども繭はとるというふうにとれるのですが、そんなことはとんでもない話であります。先般G・H・Qのナチユラル・リソースの專門の人の見解として新聞にも出ておりますように、一般日本農業政策というものが、ただ食糧々々の言つて、この狭い土地から食糧ばかりあくせくしてとつていく。こういうことでなく、もう少し日本農業政策というものを廣く考える必要があるということを言つております。從つて同じ一反歩の土地からい麦や米をむりしてとるより、その同じ一反歩のところから、ほかの農作物をつくつて、この農作物を輸出なりその他に向けて、その見返りで食糧を輸入すれば、数倍の収穫が上るものがある。これはその例に養蚕をとつて説明をしておりましたけれども、現在の日本の輸出の現状を見ますと、綿花を輸入し、あるいは羊毛を輸入して、これに加工して外國へ出す。これはほとんど現金の収入になつて、見返物資をとるものは何かというと、日本の労働力以外にない。ところが蚕糸業のごとく、養蚕をして繭をとれば、これはほんとうに日本の土地からできたものか、そつくりそのままドル資金に変ります。こういうことから考えて、同じ一反歩のところから数倍の収穫が得られる。こういうようなものを度外視して、食糧が大切だからといつて、ただ食糧だけをかわいがる。食糧は必要でしようけれども、そのやり方いかんにあると思う。こういう点を政府当局は大いに考えてもらいたいと思う。從つて今繭をとつて生糸あるいは絹織物にして外國へ出す。その見返りとしてわれわれは食糧を何百万トンといつてもらつておる。これは養蚕をやる人がそれだけの食糧を働いているということになる。こういうものを食糧より後回しにするというようなことは、これは野溝國務大臣は農政通である。しかも蚕糸業に相当理解をもつておると私は考えておる。にもかかわらずこういうことをお考えになつておるのは、どうも私は腑におちない。先ほど附加えてお話がありましたのは、食糧の代りに、余計とることはしない。そうでなくその逆に、食糧はとるけれども繭はとらないというくらいに考えてもらいたいと私は思うのであります。この辺の見解をひとつはつきりしていただきたいと思うのであります。もちろんこれは野溝さんは十分御存じであろうと思うけれども、自分の立場上そんなことを言つてはどうもおかしい。この点をはつきりいたしていただきたいと思います。
  32. 野溝勝

    野溝國務大臣 ごもつともでございますが、小林さんも御承知の通り、日本は今三千五十五万石、これに一割増産、それにこの食糧供出確保を條件として輸出食糧が得られるということになつておることは、小林委員も御了承のことと思うのでございます。よつてこの三千百万石内外の供出を條件としておる以上は、これが至上命題となつておる以上は、あくまでもこれを完遂させなければならぬのでございまして、これの完遂が成り立たないと、輸入を得るということがなかなか容易でない事情にあるのでございます。そこで、しからばこの三千何百万石という供出裏づけとなるべきところの價格の問題、あるいは資材の問題等が、御承知のごとく裏づけされておらない状態のもとにおきましては、農村はこの供出に対しまして非常なる決意をもたなければできない事情にありますので、貿易関係から見まするならば、ただいまの小林さんの論理は成り立つのでございますが、以上の事情をも御推察くださるならば、主食がいかに必要か、かつまたそれが優先的に解決しなければならぬ問題かということを御了承できると思うのでございます。お話がありました通り、決して私は蚕糸の重要性を無視するものでもなければ、その他農業の諸問題に対しまして、それを軽く見るという考えは毛頭ないのでございます。この主食の問題が安定性を得た後におきまして、一應再檢討しなければなうぬのではないか。かように考えておるのでありますから、さよう御了承願いたいと思います。
  33. 松野頼三

    松野委員 ただいま野溝大臣から、農業事業税設定の御説明を拜聽いたしまして、私ははなはだ意外に思つておるのであります。ある委員会野溝大臣は、農業事業税にあまり賛成でないというふうに懇談をいたしたように私は聞いておるのであります。何しろ大臣の現下の思想からいつても、それはあまりみずから進んでやりたくないということはわかると思うのでありますが、本日は皆さんの御了解を得まして、もう少しこまかい点を伺いたい。それはこの五十億の農業事業税の基礎をもう少し詳しく御説明を願いたい。それで大体昨年の國家財政は二千百億、本年は大体三千七百億、追加予算を入れますと大体昨年の二倍に國家財政が膨脹いたします。農業者から考えますと、昨年は一反あたり農業所得税は三千五百円あるいは四千円徴收されましたから、そり通りの計算でいきますと、來年は倍額、一反あたり八千円の負担になるでありましようが、その上にさらに農業事業税として五十億徴收の予定でございますが、この五十億の農業事業税の割当は、先ほどもたびたび質問が出ましたが、はたして主食の畑作をどの程度に見積られるか、あるいはどの業者はどの程度の基礎か、あるいは蚕糸業者はどの程度の割合か。一應五十億の基礎を御説明願いたい。
  34. 荻田保

    ○荻田政府委員 御承知の通り、前年度の実績によつて課税いたします。從いまして二十三年度に起す事業税は、二十三年度の收益というものをつかまえる。二十二年度の收益は結局所得税において出ております事業所得、これと大体同じものがつかまれておる。從つて二十三年度においてどれだけ税がとれるかということは、二十二年度の所得税の決定がどれだけかということが基礎になつておる。一應現在出ております大藏省の調査を基礎にいたしまして、事業税の收入見積り額を調べたのでございます。今蚕糸業とかあるいは水産業とか、こまかい資料を持合せておりませんが、大体事業所得の中の八割五分くらいが農業所得であつて、そのうち主食の分が六割、そういう計算によりまして総額の五十億という数字を出したような次第であります。
  35. 平工喜市

    ○平工委員 この問題は非常にやかましい問題になると思いますが、全國の農村ですでにこの事業税ができるというので、前から非常に熱をあげてこれに反対しようとしておるのでありますから、ただいま短時間に御説明を願つただけではわかりませんので、万一どうしてもよんどころなくこの事業税を創設しなければならぬというのだつたら、一遍ゆつくり、この委員会だけでなしに、協議会に移しまして、腹を割つて十分話分つていくことが必要だと思つております。ただいまも同僚議員から述べられたことく、もう農村の担税力は著しく衰えておる矢先でございますから、何としてもこれには反対せねばならぬ立場から、私ども発言しておりますから、これ以上單なる質問だけでなくして、相当長時間を惜しまず懇談をする機会をつくつていただきたいと思います。
  36. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 農業事業税のことについてお伺いしたいのです。これはおもに寒地農業をやつております北海道、東北方面の農家に対しての事業税の考え方であります。昨年の米價をきめるときにあたりましても私質問したのでありますが、常にこの寒地農業に携つておる人たちが、比較的氣候のいいところの内地の農業家との比較が、あまりにも均等にされておりまして、その実体から見ますならば、まことに氣の毒な状態になつておるのでございます。御承知のごとく、内地の方では反当り六俵ないし七俵というような食糧を確保できるのでありますが、北海道のような所は三俵ないし四俵、殊に四年に一回の凶作に必ず見舞われておるような統計があるのであります。その場合において、從來のように、北海道の農家が一人当り十町とか十五町とかつくつていたときならいざしらず、今日のように農地というものが限定せられてしまいまして、しかもその收穫においてははなはだしく量が少い、殊にその努力においては内地農家の数倍を要しなくちやならぬというような実情にあるのであります。この農業事業税をかけるにあたりましても、政府におかれましては、寒地農業に対してしからばどういう割当をしようとなさつておるのか、反別にこれを割当てるものか。あるいは收穫高によつて賦課をするものであるかどうか。そういう点に対してお伺いしたいと思うのであります。
  37. 荻田保

    ○荻田政府委員 事業税の賦課方法は、先ほど申し上げましたように、前年度の所得というものを標準にいたしまして、それの百分の十——これは本税と附加税にわかれますが、一應百分の十というものを標準課税として課税するわけであります。その純益は総收入からそれに要しまする経費を差引いたもの、結局所得税の事業所得の算定方法と同じになるわけであります。ただ、このような税はすべて地方團体の税でございますから、地方が自分の條例によつて具体的な細目的な賦課方法をきめまして、それによつて課税いたしますから、今ただちにこれを一律に、われわれの方から申し上げるわけにはいかないと思います。その事業の所得の算定にあたりましては、それぞれの團体によりまして適切と思われる算定方法がとられるわけであります。從つて、ただいまお述べになりましたように、全國一律の基準を示すのではないから、寒地におきましては、それに相應した方法、その地方によつて、実情に適した方法がとられると思いますから、そういう御心配はないと思います。
  38. 野原正勝

    野原委員 この農業事業税というのは、農業が相当利益があるということを前提として、これは課税なさるのだろうと思いますが、政府では一体現在農業が利益が上つておるというふうにお考えでございましようか。実は私どもが農村へ参りましても、もう肥料も買う銭もないというような状態である。これに対して、やみ会社が何かにでも課税するような氣分でもしおやりになるのだつたら、これはおやめになつた方がいい。根本問題として、今日まじめな農民が利益が上つておるというふうな認定のもとにこれをなすものであるとすれば、その辺の事情を一應お伺いしたい。
  39. 野溝勝

    野溝國務大臣 大体先ほども一通り御質問があつたのでございますが、決して農民が豊かだとも思つておりませんし、農民の困ることも重々承知しておるのでございますが、何といいましても地方の財源が枯渇しておりまして、それになかなか財源の穴がないので、そこで、特に私は、この農業事業税というものも実は全幅的に廃止したいという考えで努力をしてみたのですが、そのうち、まあ果樹をやるとかいう商業性のあるようなもの、わさび畑というような商業性のあるようなものに対してまでも、これを廃止するということになりますと、他にも影響が大きくなつてきまして、財源がより一層とれないことになりますので、かような彈力性と商業性のあるようなものに対しましてわずかに課税することにして、あとはなるべくやめようというわけでございますから、この心持を御了承願いたい。かように思つておる次第でございます。
  40. 野原正勝

    野原委員 心持は一應わかりましたが、この中で、農業、林業、畜産業、水産業というふうな原始産業に対してやるということに対しては、私どもどうもいかなる理窟をもつてしても、未だ納得ができぬのであります。特に、林業でございますが、林業というやつは、山に樹木を植えてこれを成長させる、そのことに対しての意味でございましようか。それともまたもつとこれを狹義の林業と解釈しまして、木材業を営むものというふうなことの御解釈であるか。ほんとうの原始産業とすれば、政府の原案によりますと、苗木を山に植えて育てるような意味の林業に課税するという考えでありましようか。
  41. 荻田保

    ○荻田政府委員 林業は広い意味における林業でございまして、山に木を植えて育てるというのももちろんあります。それから、たとえば薪炭というようなことも林業の中にはいります。
  42. 野原正勝

    野原委員 そうだといたしますと、はなはだこれは惡法だとわれわれは思います。今日実は私どもが憂えておるところは、山がどしどし伐られておる。それに対してほとんど植える者がないのであります。この状態にしておきますと、日本の山林というものは、あと三十年ないし四十年しかもたない。これは昨年の水害の状況など見ると、私どもはまことに慄然とするのであります。実は私はかねてから、日本の再建というものはまず山林の復興を第一にしなければならぬ。國をあげて山に木を植える、これが日本の再建の最も根本的な問題で、と主張してまいつたのであります。ところがこの林業に対しまして農業事業税を課するというふうなことは、もつてのほかであるばかりでなく、実はわれわれは、税制の改正によりまして、林業の所得、山を伐つた場合の所得というものは、一般の所得税法で考えたのでは非常に不合理である。これはむしろ、たとえば五十年にただ一回の收入が得られるというような森林收入にありましては、少くとも收穫をみたときの全收入を、何十年かかりましても、伐期までの年数でもつてつて、その分に対して課税の標準を考えるというふうなことをわれわれは主張しておつたのでありますが、現在ある程度林業課税に対しましては、そういう点も考慮されておりますけれども、実は半年や一年でもつて收入を見るような産業と違いまして、植えてから早くて二十年、あるいは五十年、百年というふうな、長期の努力によつて初めて收入を見るというふうな、こうした産業は、これを利益なりと考えたのではとても成り立たない。根本からこれ誤つておる。こういうような單純な、今日の國家財政、地方財政が苦しからこういう事業税を課すのだということでもつて、いやしくも國家百年の大計を過つてはならない。今日日本の産業が、崩壞の危機に瀕し、國土そのものがまさに荒廃してしまうというような現状におきましては、われわれは林業に対しましては、できるだけ國家財政の援助をしまして、苗木をつくり、あるいは造林の補助をやる。そういうふうにいたしまして、大いに木を植えさせたい。かように考えておるときに、どこも利益のないものに対して税金をとり、事業税を課するごときは、天下の惡法であります。おそらくこういう惡税は世界にその例を見ないのでありますが、今日こういう惡税を課すということは、絶対に私どもは承知できないのであります。私どもは税金とかそういう方面のことはまあ素人でございますが、こういつた問題に対しまして、地方財政あるいは國家財政というものに対しては、別の角確から檢討してみる必要があると思います。これは一々具体的に申し上げておる時間もないようでございますが、一例を申し上げれば、政府がこういつたような惡税を考える前に、まず野溝國務相にお願いしたいことは、國家財政あるいは地方財政を切り詰めて、できるだけ農民や、そうした人たちの負担にならないように、行政面を改善するといつたようなことを、なぜお考えにならないか。最近新聞なんかで幼みますと、何か官公吏を二割五分の天引でもつて整理をするというふうなお考えもあるようでありますが、最近そういうことを言つておる反面におきまして、ますます地方の官公廳等は、雜多な統制上のいろいろな事務に追われまして、ますます人員の増加を來しておる。地方の農村に行きましても、役場などはいすが足りない、場所が狹くなつたというほど人が多い。何をしておるかと聽きますと、その村のほんとうの農業なり、その村の産業のためにやつておるのではなくて、何か知らぬけれども、いろいろな朝改暮変する法令に追いまわされて、かんじんの村のことなど考えておるひまがないというような実情であります。こういつた方面は改善して、少くとも今日の半分くらいの人員でもつていろいろな仕事をする。私どもは十分できると思うのであります。昔は役場には村長と助役と收入役、あとは役場の書記が二名ないし三名おれば、もうそれで十分に模範村ということでやつておつたのを、われわれ子供の時分からよく承知しておる。最近も実に大勢の人たちが、一生懸命にねじり鉢巻で仕事をしておりますけれども、それでもつてさつぱり村の実績があがつておらぬ。こういうところもひとつ檢討されまして、特に野溝さんは農村に対しましては権威者であり、また農民の味方である方でありますから、ひとつ農村の人たちの負担にならないようなことを考えてもらいたい。ただ地方財政が苦しいから、こういう惡税をつくるのだから承認しろと言つても、私どもは絶対にできないということを申し上げておきます。
  43. 野溝勝

    野溝國務大臣 御趣旨の点はよくわかりました。そかしこの点だけはひとつ委員の方々に御了承願つておきたいと思うのです。初期の計画といたしましては、起案といたしましては、大体七十何億、約八十億の農業事業税を得ようという立案があつたのです。それをとにかく主食関係だけをやめるということにして、当初二十億ぐらいを予定いたしまして、要するに歳入を切下げることにしたのであります。ですからさような点については、私は委員の方々も御了解くださるのではないかと思つております。  なおお話に、森林方面にかけることは非常に遺憾だとして、林野行政を非常に強調されましたが、もちろん今日治山治水の問題は、即刻措置を講じなければならぬ重要な政策の一つでございまして、かような施策を実行する上におきましても、わずかにいたしましてもこれを課税の対象にするということは、まことに遺憾であるという御意思でございます。私どもも、できることならば、こうした一割くらいの税を課して、わずかのことをしてかえつて感情を害したり、あるいは施策の上に支障を來すようなことがあつたんでは遺憾でございますが、税のにらみ合わせの関係から、一應一割だけの税をかけることにしたのでございます。特に野原さんに申し上げておきますが、地方財政の税目を見てくださればわかると思うのでございますが、大割課税のようなものはずいぶんたくさんほかにもあるのでございます。まことに私どもはこうした大衆課税的なものに対しても遺憾でございます。できることならば大衆課税でないところの、余裕のある人に課税したいという意味で、傭人税、あるいは木材取引税、あるいは鉱産税、不動産取得税等々、比較的余裕のあると見ている方面にも相当の課税をすることにしたのでございますから、さような点において御了承を願いたいと思います。なお、ただ單に財源がないから、財源を求むるというだけじやなくて、もつと自治体の整理をする必要がありはせぬかとの御趣旨でございます。もちろん私どもは、地方財政を確立する一つの方針といたしまして、これを根本的に改革するには、何と言いましても、今日の税制改革をほんとうに根本的にやるにあらざれば、完全なる中央と地方との税制の調整、確立ということはできません。しかし今日すぐ間に合いませんので、一應中央、地方の税制、財政の調整と、それから中央からの委讓、あるいは分與、あるいは地方における独立新税、あるいは税率の変改、同時に社会政策的な見解を織りこみ、なおかつ行政の機構の簡素化を骨子といたしまして、方針を立てたのでございます。その最後の行政機構の改組のうち、出先機関あるいはその他中央と地方とにおける事務の錯綜、ないしは複雜な機構に対しましては、この際ぜひとも改革ないしは廃止をしてもらうように、閣議にも強く要求をしておるのでございまして、竹次行政の簡素化ということに対しましても、最善の努力を拂つておるのでございますから、さよう御了承を願いたいと思います。
  44. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 ちよつとお尋ねいたします。農業事業税がいいか惡いか、もはや問題ではないのであります。われわれはこの税に対しては根本的な反対意見をもつております。ただ先ほどの説明の中に一つ誤解をされると思いますから、内容を伺つておきたいと思うのであります。事業税課税の根拠が前年度の農業收入を基礎として考えておるという説明でありましたが、その所得に対して百分の十を課することによつて五十億円の税が得られる。但し当分の間米穀、大麦、裸麦等主要食糧管理法によつて政府が買い入れるものに対しては、当分の間課税しないということになつておるのでありますが、こうしてもなおかつ五十億円あるのですか。これを引けば今野溝さんのお話になつた二十億円になるのか、この点をはつきりと質しておきたいと思います。
  45. 荻田保

    ○荻田政府委員 主要食糧を除きまして五十億でございます。大体大藏省の二十二年度の所得の見込額では、いわゆる事業に属するもの、それから現在の営業税の対象になつておるものを引きまして、百五十億くらいの所得である。從いましてそれのうち大体主食の分が半分だと五十億くらいになるわけでございます。今大臣のおつしやいました二十億は、一番初にこのような大藏省の資料のできない前に、二十億くらいの見積りの数字があつたわけでございます。
  46. 野溝勝

    野溝國務大臣 今、森さんのおつしやつたことはごもつともでありまして、これは数字は非常に複雜なので、具体的な数字はまだ完全にできません。所得においては最初二十億、また最近においては五十億くらいになるのではないかとも考えられるのであります。所得の関係で算定はまだ完全なものはできませんので、ここではつきり二十億、五十億と言うことはできませんが、きようかあすになれば具体的のことがわかると思います。
  47. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 その所得の算定ですが、それは供出したものとか、その他公定價格に見積つての算定ですか。それともある程度やみを見積つての算定ですか。
  48. 荻田保

    ○荻田政府委員 これは大藏省の方の見積りの問題ですが、御承知の通り実際にはいつた額を見ております。いわゆるやみというものもあればはいつておることになつております。
  49. 井上良次

    井上委員長 委員長からちよつと質問をしたいのですが、大体この税につきましては、非常に割切れぬものがあるというので国会としてもきわめて愼重に取扱つておるわけでありますが、第一にこの税は、かつて都市の商業者を対象にした営業税の変形として、このわくを拡大して、今まで営業税の賦課されていない他の産業及び他の事業形態にこれを賦課しようということで、名前を変えたということが一つではないか。その関係から特に農業の事業に対して賦課しようということになつたのではないかと思うが、この点どうか。もしそういう考え方で從來の営業税のわくを拡げるということで考える場合、農業というものを一体都市の商工業のように、営業のような事業形態と政府はこれをみなしておるのかどうか。それからこの税が單に農業だけを対象としていない、他の事業あるいは営業にも適用しておる。たとえて言うと医師、弁護士等が從來営業税がかかつていないものを、今度は事業税をかけるのだ、ところが医師、弁護士と農業と同じように見るというのはどういう理由によるのか、それから今政府農業に対して食糧増産であるとか、あるいはまた國家再建に必要なるいろいろな重要な任務を要請しておる。その任務が完全に今日遂行されていない状態にある。それはいわゆる惡性インフレと資材、資金のもろもろの関係がら、いろいろの点で行詰りを生じておる。そこへもつてつて事前割当なり、食糧一割増産なりの要求がかけられる。それさえなかなか下部組織においては非常に困難な実情にある。その上に農業資金は、非常に逼迫をしており、政府としてはこの際新しく農業賃金に対しての特別の手当を加えなければならぬものとして、暫定的には農業手形により、あるいは將來は農業金融金庫でもつくつてやろう、こういうように農業方面における金融の逼迫を政府みずから自覚して、それに対する処置を講じようとしておる。そこへもつてつて農業事業税をかけるというのはどういう理由によるのか、どういうところでそういうことを考えておるのか、今國務大臣の説明を聽いておると、たとえば主要食糧供出分についてはこれはまあ考えてよい。しかし果実あるいはその他蔬菜、砂糖、わさびという特殊の産物についてはそうはいかぬ、こういうお考えらしいのですが、もしそういう考え方でこれらの農産物が特別な利潤を得ておるということなら、それは所得税でもつて徴收したらよいのであつて、別にこれに対して新税を設ける理由には何にもならぬ、所得税は地方で附加税ができますし、十分附加税の率を変更したらよいのであつて、なにも新税をこの際ここに設定する理由はない。一番大きな理由としては地方の財源が非常に枯渇しておる。特に六・三制、自治警察、公共事業費等の諸事業の財源の関係から、経費が余計かかるからという地方側のきわめて熱烈な要求にこたえてこの新税を設定しようとしておるのですが、もしそういうような公共事業費なり人件費がかさまるというなら、特にそのうちの六・三制、自治警察費、治山治水事業費、道路改修、港湾改修等の地方負担の部分というものについては、特殊の債券をこの際発行する、特殊の金融機関をつくつてやるという手を打ちますならば、そこで五十億や百億の金は簡單に節約できるのではないか、そういう途を開かずに、ただ徴税だけにこれを求めるという理由は一体どこにあるかこの点について一應政府の所見を伺つておきたい。
  50. 野溝勝

    野溝國務大臣 お答えいたします。  最初の、今困つておるのに農業事業税をかけるのは何事かという御質問のように思います。一体農業が事業なのかあるいは勤労所得なのかという点については、実際問題として相当意見があります。しかしこの農業事業税としてとるまでに至る経過については、先ほど申しました通り、最初はランド・タックス、すなわち土地使用税としてとろうという意図があつたのでございます。これが土地使用税ということになりますと、われわれは地租を納めておる。そこでなお土地使用税ということになると、農地改革をやつておる途上において、まだ農地改革の完了もできないうちに、自分のものになるかならぬかわからないうちに、これに課税するということも論理が合わぬじやないかというような意見が相当出まして、そこで農業事業税ということに大体考えがなつてきたのでございます。これに対しましてもさらに、一体農業事業と言つても、これは勤労所得であるか、あるいは事業であるかということについて、相当意見もあつたのでございます。その結果といたしまして、先ほど來申しました通り、主食だけは特に除いたらどうか、あとの果樹その他に対しては、全部供出ということでもなければ、かつまた彈力もあるのであるから、これに対しては事業として認めることも必ずしも間違つておらぬという見解において、事業としたのであります。なおこの際申し上げておきますが、かような意味において主食をやるということは、特に事業とすることに対しては相当私も意見がありますので、特にこの主食を省くことにしたいということにしたのでございます。  それから医師と同じように見るのかというお話でございますが、特に医師その他弁護士等との違いを発見するためにも、私は主食の点は別にした方がいいのじやないかという考えをもつておりますから、さよう御了承願いたいと思います。  それから金融を必要とするときに課税をするのは何事か。まつたくその通りでございまして、今日農村の金融機関はほどんど廃絶になりまして、肥料の購入資金にも事を欠いておる事情でありまして、この点は十分承知しておるのでございますが、この農業事業税と言いましても、果樹その他彈力のあるものを対象としておるのでございますので、農業のすべてを農業事業税の対象とする意図ではないのでありますから、さよう御了承願いたいと思います。但し、この彈力のあると見られております商業性をもつておる果樹とか、あるいはわさびをやつておるというような方々は、金融が一般勤労農民よりは比較的融通性があり、ある程度有利にあると考えております。  それから起債の関係委員長から御質疑がありましたが、起債の関係につきましては、もちろんわれわれは起債もしなければならぬと思いまして、別に法案を出す用意をもつておるのでありますが、本質からするならば、今日インフレの過渡期にありまして、いたずらに生産裏づけのないときに金融を起すことは非常に危險があると思います。しかし現実生産をあげ得ることのできない條件の一つとして、金融という問題が当面の大きな課題になつておるのでございますので、この金融上の問題につきましては、從來の金融施策の考え方とは角度をかえまして、簡易にそうして利率を低く、あるものによつては國家がそれを見るという程度までの大衆性と言いましようか、社会、性、公共性をもつた金融機関をつくりたいと別個に考えておるのであります。これは大藏当局との間にインフレ対策の見解でまだ意見の一致を見ずしておりますが、これらの点についても、われわれはこれらの裏ずけとしてこの金融立法をこの議会に提案したい、かように思つておる次第でございます。
  51. 井上良次

    井上委員長 いま一つ今の答弁で聽いておきたいのですが、今國務大臣のお話では、果樹とかわさびというのは多少投機的な営業的な部分があるから、この面に課けるのだというお話ですが、單にそれだけの範囲に属するものならば、私が最前言つた通り、新税を説定せずに、所得税を賦課したらいいじやないか、新税を何故に設定する必要があるか。
  52. 野溝勝

    野溝國務大臣 お答えいたします。御もつともの御意見ではございますが、所得税は國税でございまして、どうもこれも閣議においても大藏大臣に強く要望しておるのでございますが、なかなか應じないですね。ですからできるだけは私の方でも、こうしたものは委員長の仰せになりました通りとりたくはないと思いまして、最善の努力はしておりますが、この程度はひとつお認めを願わなければなるまい、こういうわけで計上したわけです。  なおこの際に、せつかく農林委員の方々の強い御意見でございますから、大藏当局えも、この農林委員の方々の悲壯な決意を示されて質疑應答をされんことを、特に委員会にお願いしておきたいと思います。
  53. 井上良次

    井上委員長 もう一度伺いますが、そうすると主要食糧及びそれに関連する農産物には課けない。ただ特別な農産物に課ける。そうすると、果樹とかわさび等の特別な農産物で五十億の收入があると政府は見ておりますか。
  54. 野溝勝

    野溝國務大臣 どうも先ほど來局長の方からも申しました通り、私は一例をあげたのでございまして、原始産業もありますから、さよう御了承願いたいと思います。
  55. 野原正勝

    野原委員 どうも大臣のお話を聽いていると、はたしてこれが國務大臣なのやら、あるいはまた農林委員長なのやらわからぬようで、私どもはなはだまごつきますが、國務大臣になつたものと私は信じておりますから、御質問申し上げますが、先ほどから大臣のお話によりますと、適用範囲が非常に狹いようなふうにばかり御説明なされている。あたかも適用範囲を非常に狹いのだというふうに一應の印象を與えて油断をさせておいて、あとでがつちりとるというふうな楠木流でやられたのでは、農村は非常に困るのであります。もう少しこの問題はゆつくり伺いたい。たとえば林業なら林業に対してはどうだというふうな、はつきりした政府の具体的な資料とか、いろいろな点をもつと詳しく聽きたいと思います。ですからきようは概念論を伺つたところで仕方がない。ただ概念論から伺うと、これは天下の惡法であつて、われわれはとうてい容認できないという点だけはわかりましたが、なお念には念を入れる意味で、詳しく当局の御説明を伺いたいと思います。
  56. 井上良次

    井上委員長 実は本日大藏省関係出席を求めましたが、ちようど会議をやつておりまして出られないそうでございますから、いずれ本問題につきましては、新予算の編成にもなる関係上、農林委員会としても十分檢討を加えたいと存じます。いずれ大藏当局の出頭を要求いたしまして、十分檢討を加えることにいたしたいと考えます。なおこの際委員長から申し上げておきますが、お手もとに委員会の運営についての大体の日程をお配りしてあるのはずでございますが、委員長としましては先般理事会の御協議をいただきました結果、大体農林委員会に提案されるものは早く審議を終了いたしまして、そして任務をできるだけ早く果す。それから本会議委員に各委員の人々が活動願うように取計らうつもりで、今週來週大体続けて農林委員会を開くつもりでございますから、さようひとつ御協力を願いたいと思います。なお、明日は本日午前中の農林政行一般に関する質疑を続行いたすことにいたしますから、ぜひ定刻までに御出席を願いたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十二分散会