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1948-03-23 第2回国会 衆議院 農林委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月二十三日(火曜日)     午前十一時三十三分開議  出席委員    委員長代理 理事 大島 義晴君    理事 鈴木 強平君 理事 寺島隆太郎君    理事 森 幸太郎君 理事 萩原 壽雄君    理事 北  二郎君       佐竹 新市君    永井勝次郎君       成瀬喜五郎君    野上 健次君       細野三千雄君    水野 實郎君       小林 運美君    佐々木秀世君       寺本  齋君    中垣 國男君       堀川 恭平君    八木 一郎君       大石 倫治君    小川原政信君       佐瀬 昌三君    重富  卓君       田口助太郎君    野原 正勝君       梁井 淳二君    山村新治郎君  出席政府委員         農林事務官   山添 利作君  委員外出席者         総理廳技官   八束 陽一君         農 林 技 官 鎌谷 榮次君         商工事務官   大野 數雄君     ————————————— 本日の会議に付した事件  化学肥料生産配給状況並びに農業所得税に関す  る説明聽取。     —————————————
  2. 大島義晴

    大島(義)委員長代理 それではこれから会議を開くことにいたします。  昨日肥料生産状況について商工省の方から一應の御説明があつたのでありますが、その際にそれらを一括した資料の要求が委員諸君から出ております経済安定本部の方から速やかにその資料を提出していただきたいと思います森幸太郎君。
  3. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 肥料生産責任当局商工省がお見えになつておりませんので、少し質問をあとへ延ばさなければならぬと思つたのでありますが、一應農林当局がお見えになつておるようでありますので、肥料状況について承りたいと思うのであります。きのうの商工省説明によりますと、硫酸アンモニヤについては一月に五万六千八百トン、二月には五万一千百トン、三月の推定が七万トン、四月から七月までの生産が三十四万五千トンを生産しなければならぬという御報告であつたのであります。二十三年度の春肥割当が少くとも九十六万九千トンは生産しなければならない。そのほかに輸出向けの六万七千トンもある。その他補給をみて百五万六千トンの生産を七月までに予定しなければならぬ、こういうことであつたのであります。ここで農林当局にお尋ねいたしたいことは、御承知通り春肥は七月までが生産計画になつておるのであります。ところが農家肥料を使いますのは、その種類によつて使用時期が違つてくることは御承知通りであります。たとえば石灰窒素にいたしますと、元肥でありますから遅くとも四月一杯に農家の手に渡らなければ、春肥として効果を認めることはでき得ない。また硫酸アンモニヤにいたしましても、七月一杯の生産春肥計画にいれておられて、そけが工場を出て輸送の方に廻るというこの時期を加算しますと、春肥としての肥料が現われてこないのであります。少くともわれわれから考えますならば、農家肥料を要求するのは、石灰窒素においては遅くとも五月一杯に農家の手に渡る、そして硫酸アンモニヤにいたしますれば、六月一杯に生産打切つて穗肥に間に合うように農家の手に渡るということでなければ、春肥としては効果は現われてこないのであります。今日肥料公団の手もとによつて考えてみましても、前政府は稻作に対して五貫五百匁、あるいは過燐酸石灰二貫匁、その他各種作物に対してそれぞれの肥料割当が各巳縣にいたされてあります。二十三年度の春肥割当はその後作付反別が調査の結果幾らか減じたために、当初の計画とは違つておるかもしれませんけれども、大体百六万七千トン余が窒素肥料として割当がしてあります。これを安全率考えまして、私の申しましたように硫酸アンモニヤについては六月で打切る。石灰窒素においては遅くとも五月一杯に打切つて、これを公団の手を通じて農家の手に渡すというこの考え方と、二十二年度の秋肥料ずれ、こういうものをみまして二十三年度の春の肥料とみるのでありますが、この考え方から数字を現わしてみますと、約九万トンばかりの窒素肥料不足するように考えるのであります硫安においては当初の割当が六十六万一千三百七十トンになつております。ところが今申しましたような供給考えてみますと、つまり七月を六月に繰上げ、石灰窒素を五月に打切り、工場在庫品、前年度秋肥ずれを合せまして六十五万九千トン余りしかないのであります。そうすると硫安において千七百五十九トンという不足を生じてまいります石灰窒素においても、こういう計算でいきますと四万六千七百トンの不足を生じてきます。また硫安について輸入の目途をつけて考えてみましても、約四万トンの不足をきたしてくるのであります。これはいろいろ事情もありましようが、予定通り生産が行われるものとしてこの不足を來たすのであります。さいわい電力事情もよくなつたようでありますが、いずれにしましても、私はこの数字を確保することについては相当努力しなければできないのではないかと考えるのでありますが、そうしてなおかつここに約九万トンの春肥不足してまいります。その場合に政府はわれわれに一割増産を要求している。あるいは報奬肥料として肥料配給する。あるいは明らかに一反歩に対して五貫五百匁ということを公約しておるのであります。もしこの肥料政府公約を裏切るようなことがあつた場合にどうするつもりであるか。農林省としては、うちの方は生産しておらぬ。商工省責任をもつて生産されておるのであるから、私の方は約束いたしたのであるけれども、商工省の方で生産してくれなかつたから、お約束通り肥料は出せないでは農業者承知しない。商工省農林省農業者は知らぬのでありますから、政府があれだけかね大鼓叩いて報奬肥料、あるいは生産用肥料はこれだけのものを與えますということを天下に公約いたしましたものが、万一にもこれができなかつた場合に、政府として、殊に農林当局としてどういう責任をおもちになるか。また私がこういう心配をすることは決してない。必ずや約束通り肥料配給いたしますという確信をおもちになつておられるか。私はどう考えても九万トンばかり不足いたしておる。これについてどういうお考えをおもちになつておるか、まず第一それを承りたいと思うのであります
  4. 山添利作

    山添政府委員 肥料生産事情につきまして、昨日商工当局から詳しくお聽取りになつたと思うのでありますが、この問題は、二月ごろまず配給について直接責任をもつております農林省から問題を提出して、緊急増産をはかるということを要望いたしました。安定本部商工省農林省協議の上で、現在の状況において最大限の生産をあげるということによつて昨日説明をいたしましたような生産計画を立て、それにこれを実現するのに必要なる各般の施策を実施することにいたしておるわけであります。その一月から七月までの需給バランスをとつてますと、これは昨日お話があつたようでありますが、窒素質肥料について四万七千トンの次期への繰越しができる、しかしただいま農業に詳しい森委員から御指摘になりましたように、七月一ぱいの生産を見込んで需要供給に対する引当てにするということは、これは穗肥に間に合わない点があるのじやないかという御指摘であります。実は昨日までは一月から七月までの生産春肥に充てるという考えであつたのでありますが、本年におきましては、御指摘になりましたような考えをとり入れて、一層精密に考えて、ともかく穗肥に間に合うように公約肥料配給してまいりたいという考えをもつて計画を立てております。そういう見地から政府として昨日お示しいたしました需給計画のほかに、農林省といたしまして、実際間に合うようにするのにはどうすればようかという計算を立てておるわけでありまして、その計算といたしましては、もとよりこういう窮屈な事情でございまするので、森委員の言われますような、十分ゆとりのある計画を立てるということはできません。しかしながら東北地帶は早く肥料が要る。九州方面は八月にはいつてからでも、中旬過ぎても穗肥に間に合う、こういうような事情を勘案いたしまして、石灰窒素につきましては全体的に六月の末まで、それから硫安につきましては、口北地方は六月の末までの生産を見込む、関西九州におきましては七月中旬までの生産を見込む、こういうふうにしてバランスをとつてますと、水田等の米に要します肥料は大体六十五万トン見当ございますが、ともかく硫安石灰窒素で賄いますものの需要が七十八万三千トンに対して二万四千トンくらい、そういう調子では、そこまでの限度においては赤字になるという見込みを立てておるわけであります。そこでそういうような工場生産の限界をつけてみるとそういうことになるのであるが、これを実際に各地域にあてはまるように配給をするのにはどうするか、これは各限月別配給計画も立てておるのでありますが、ともかく北陸地方には早く送る、それから関西九州方面には若干七月以降にわたるものがある。しかしそれは穗肥に間に合う限度に送り届けたい、こういう考え方をもつて計画を進めておるのでありまして、その意味におきましては五貫五百の公約はこれを確実に果すという考えをもつておるのであります。大体この限月別計画といたしましては、御承知のように二十万トン余の昨年の秋からの繰越しもございます。そういうようなものも繰入れまして、大体三月までにただいま━━これは推測も混つておりまするけれども、三十万トン近いものはもうすでに配給されつつあるという推測をいたしております。今まで報告がまいつておりますのは約二十二万トンくらいでありますけれども、事実三十万トン近いものはもう來ておるのではなかろうか、さらに四、五月の間において七万トン余を配給する。六、七月に十五万トン余を配給する、その比率で申しますと一——三月までの間に六〇%、四、五月の間に一三%、六、七月に二七%、合わせて一〇〇%であります。しかし先ほど申しましたような東北地帶には早く送り、西の方は若干ずれが出るであろうということも予想をいたしておるのでありまして、この七月の荷渡しということにつきましては、東北地方はそれらの月に隆の、関西地方ではこれが八月に延びるものもある。しかしいずれにしても穗肥に間に合うように配給をいたしたい、こういう考えでおるわけであります。このためにはもとよりこの生産計画によつて計画されたものがそのままに増産されることが要件でありますと同時に、これは余裕をもつて配給するのでございませんから、できたものを右から左にすぐ配給する樣な配給計画の方の手順輸送手順、また末端における肥料受取方の指導というようなことについても万の注意を要するのでありまして、そういうことを本來二月、ずつと前からわれわれはこのことについて責任ある者として心配をして計画を立てておるのでありまして、ただいま申しますような状況で、これはともかく間に合うように配給ができるということで着々進めておるのでありますから、御了承を願いたいと思います
  5. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 農林当局から伺うと、そういう御返事しか得られないと思うのでありますが、これはつまり政府の企図されておる生産計画予定通り進行することを一つ條件として、さように計画を立てられて、その計画が進捗するのだろうと思いますが、ここへは商工省の方は來ておられぬから困るのですが、どうも商工省生産計画予定通り私はいかぬのではないかということを心配するのであります。それは過去の歴史を見ても、いつでも実績と計画とははずれておるのであります。それで商工省を責めますと、安定本部の方から電力をまわしてくれぬとか、資料をまわししてくれぬとか言つて責任のなすり合いになつてしまつて、帰するところがないのであります。それはあなたの方で勝手に内部でやられるのだからいいでしようけれども、農業者としては、どこが生産しておるか、どこが配給しておるか知らぬのですから、ただこの約束をいちずに信用して、増産に一生懸命になりたいという気持でおるのでありますから、私は商工省の方が見えられましたら、生産計画に対する確信のあるところを一遍承りたいと思いますが、農林省としてはただ商工省にこれだけ生産してくれ、これだけ要るからということを頼んで、そうして商工省はそれだけやつてくれるものと信じて、農業者約束されたものであるから、それが片一方ずれてきたからいたし方がない、どうも思うようにはまいりませんでは、農業者は信用しないのであります。どうかひとつ当面の責任者である農林省といたしましては、ぜひとも商工省なり安定本部と協同せられまして、一旦約束せられました肥料は、必ずや有効に、時期を失しないように、配給することに確信をもつて進んでいただきたいことをお願いする次第であります。  それから次にお尋ねいたしたいことは、これは先般局長にお伺いしたいと思つたのですが、不正肥料生産であります。これは新聞等にも出ておりますので、農林省としては相当の手続をされて、その会社に対しては告発をされておるように聞いているのでありますが、化学肥料というものの性質について農業者まつたく無智なんであります。どんな肥料配給せられましても、これが硫安だ、これが石灰窒素だと言われれば、そうかというので、無條件に受容れるのは御承知通りであります。ところが、たまたま昨年の秋肥のように、信越工場武生工場から配給されました過燐酸石灰窒素が非常に含有成分不足いたしておりまして、これは数字政府はおもちになつておると思いますが、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、この六府縣に対しまして二千四百十五トンの石灰窒素配給せられたのであります。たまたま農林省の発見によりまして、これが嚴密なる檢査をせられ、これが使用を禁止されて、調べられたところが、一六%の含有量保有許容量に対して、はなはだしきは四%、少しよいものでも八%しか窒素分を含んでおらないという不正肥料が発見せられたのであります。それに対しましてただちに公団はその使用を禁止して、その成分補給に努めるということをやられたのでありますが、ようようこのごろ硝酸アンモニアによつて補給されております。去年の秋に秋肥として麦に使用する肥料であつたのでありますが、不正肥料であるから使用を一時中止された。そうしてその補給がこの三月まだ農家の手に渡つておりません。硝酸アンモニアにおいてその窒素分補給せられたのであります。それであるから、麦は元肥なしに栽培、まきつけせられたようなことになつておるのであります。これはとり返しのつかないことでありますから、いまさらこれを繰返しましても愚痴なことになりますが、一体政府といたしましては、化学肥料に対する成分保証について、あまりに無関心であると私は思いますが、今日では各製造工場において保有成分責任をもたして、保証票をつけて販賣せられてあるのであります。これは昔から肥料取締規則によつてやられておると思いますが、はたして私は製造業者をそこまで信用してようか、一体米檢査なんということさえ自治檢査は許されないのでしよう。この科学的に檢査せられなければならぬものを、その製造業者に、工業者檢査を自治的にやらして安心しておつたということは、あまりに工業者を信用し過ぎたのじやないかと思うのであります。十六%含まなければならぬものを、四%のものを配給して、平然と一六%の保証票をつけて配給するのは不正であり、まつたく詐欺行為であります。それが農林省檢査官によつて発見されたということは、私は言語道断な横着なやり方だと思います農業者のこういう科学知識のないことをよよいことにして、こういう不正肥料を昨年発見されましたが、あるいは過去においてもやつてつたかもしれません。実に農業者の立場から考えてみますと、氣の毒に思う、これは今後どういうふうに農林省としてお考えになるか。各府縣肥料檢査官というものが一、二名ありますけれども、この戰爭のために機械が毀れてしまうやら、農事試驗場もなくなるやら、もう実にむちやくちやな状態になつているのであります、たまたま農業試驗場において、説備を持つているものは農業試驗場でやりますけれども、農業試驗場では土壤分析を主としてやつております。殊に肥料檢査官というものは昔から一つの権威をもつており、政府代行機関として縣におりまして、それが有機肥料なり、化学肥料成分を、万一の場合をおそれて保証しておつたのでありますが、今その係員さえほとんどおるやらおらぬやらということになつているのであります。今後政府はどういうふうにこの肥料取締りをやらんと考へておられるか。私はこの恐ろしい事実を見まして、ほかの工場に対しましても、まだまだこういう不正肥料が公然と配給されてあるのではないかということを心配するのであります政府はこの化学肥料に対する成分保証に対して、依然としてこの製造工場保証票をもつて満足されるのか、あるいは今後はやはり一應公団においてこれをやるか、あるいは農林省の手において各府縣農業試驗場に委託するとか、あるいは独立した檢査官をもたれて、その府縣配給する化学肥料は、一應その府縣の査を受けなければ、その地方に配分してはいけないということにされるつもりか。はなはだしきに至つては、ある工場石灰窒素はかますにはいつている。かますにはいつて鼠がかじつているので、石灰窒素には有毒成分はないのだと言つて百姓は笑つているが、そういうようなものを賣りつけることは、工業道徳と申しますか、実に言語道断工場やり方だと私は考えるのであります。またその工場に対して、農林省はただちに地方肥料檢査官の名において告発されたということは聞いておりますが、その工場としては、ただ單に重役の一、二名を責任退職させたことによつて糊塗せんとしているのであります。殊にこの石灰窒素に対する補給金は三百十四万九千円農林省から支拂いされることになつております。それも三百十四万九千円の補給金をお拂いになつたそうでありますが、そういう不正業者に対しては、補給金は出すどころじやない、農林省はどういうような考えをもつて、この信越工業武生工場不正販賣肥料に対して処置され、また今後不正肥料に対する取締りに対してのお考えをおもちになつているか。この点まず第一お尋ねいたしたいと思います
  6. 山添利作

    山添政府委員 化学肥料に対してわれわれの通常の感じといたしましては、大体これを信用しているという建前といいますか、そういうつもりでおりましたが、この間の武生工場のような今までにない未曽有事件が出來いたしたことにつきましては、非常に遺憾に感じているのであります。この取締りにつきましては、なるほど戰爭中各地方肥料分析等施設が破壞せられております。そこで制度の再組織いたしますために、ここで肥料分析等は担任するという考え方もちまして、各府縣ごと施設を復旧するというのではなく、ブロツクごとに個々の施設を整えまして、その取締りを万全を期するということをいたしているのであります。これは昨年來そういうことになつております。現在ではおおむねその機能を発揮しております。私も技術的なことは詳しくわからないのでありますけれども、硫安の方は合成のものでありますから、別にそういう特別の変つたことはできない思いますが、石灰窒素の方はときにああいうようなものも、もし工場に惡意があるとすれば、あり得るわけでありまして、これにつきましては、随時拔取檢査をいたし、これを分析してみて注意を拂うということが必要であると思つております武生工場事件につきましては、実に今までなかつたような大きな事件でありまして、ひとり工場側の惡いことというのみならず、これは農民諸君に非常に迷惑をかけたことになり、そこで農林省といたしましては、そういう粗惡な肥料につきましては、これを五%という成分量に査定し、含有成分のましなものでも八%ということで処理したのでありますが、その責任等につきましては、これは会社当局といたしては自発的に責任をとられたのであります。しかし何といたしましても、一番責任のあるのはそういう行為の事実上責任のある人であります。それにつきましては目下檢察廳等で取調べをいたしておりますので、その行為に対する責任を問われることと考えております。なおここで申し上げておきたいことは、補給金農林省協議の上で支拂つたということでありますが、これはこういうふうに私ども考えておるのであります。なるほど会社当局もちろんですが、なかんづく私はその行為について事実上責任のある人が一番責任を負うべきであると思います。しかし同時にそういうことに対する責任というものは、刑事的な責任を問われると、肥料取締法によるのですが、これはきわめて昔の法律でありまして、会社に二千円の罰金をかける、そうして事実そういうことをやつた人が責任を問われるのではなくして、会社会社として罰金になる、こういう古い法律であります。これはそういう精神でなくて、あくまでもやはり、その事実について直接責任ある人がそれに相当するところの制裁を受ける、こういうことになるべき筋合のものでありまたかように処置されることと思つております会社当局といたしましても決して責任がないわけではございません。それについてはすでに責任をとられたわけであります。ただここで考えなければならないことは、森さんがお言いになりましたことは、そういう責任を追求するという意味からして、補給金等の支拂いもしない方が当然じやないか、こういうお考えの点でありますが、これは肥料生産を最も急務といたしております現在におきましては、やはりこういう出來事の間違つてつた点は、十分糾すべきは糾す、また、それを改めて増産するということについては、またこれを増産してもらわなければならぬわけでありまして、その意味におきましては、会社をつぶすということが本意ではございません。補給金といいましても、もちろん十六%に対する補給金を拂うわけではないので、これは五%に対する、補給金を支出するということにいたしまして、今後は生産の増強ということに全力を上ゲてもらう、こういう行き方をとつております会社当局もこの点に留意いたしまして、今後は今までの罪科は生産をあげるということによつて償いたいと申しておるわけであります。私の方といたしましても、刑事的な問題は問題として処理をされ、増産の点はまた十分努力をしてもらう、こういう方向でもつて物事を処理いたしておるのでありまして、それらの事情等は御存じのことでありますので、詳しくは申し上げませんけれども、そういう考え方をもつて処置いたしておるような次第であります
  7. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 工場に対しての考え方、これは商工省としての責任がありますから、肥料部長から承りたいと思いますが、今後化学肥料に対する監督と申しますか、これはどういうふうに指示されますか。今お話のように役人の肥料檢査官というものはあるやらないやら、またその設備もほとんどないといつてもいいような情勢にあろのであります。それで私の考えるのに、肥料工場の数というものはわずかなものでありまして、そう何百とないのであります。それでこの肥料工場所在地商工省なり農林省なりの権威ある檢査官を常設されまして、そして絶えずその肥料工場生産する肥料に対して嚴密なる檢査を行う、こういうことによつてこのような弊害が除去されるのではないかと私は思うのであります。各府縣肥料檢査官があるから、各府縣責任をもつて檢査するということにしても、もし各府縣肥料檢査官が見なかつたり見たり、見損いをしたとかどうとかいうこともあるので、やはり製造工場というものは数がそう何百あるわけではなく、わかつておるのでありますから、その所在地政府檢査機関を設けられまして、絶えずその工場生産品に対する檢査をやられるということにした方が、経費少くして効果的ではないか、こう思うのであります。今の局長の御答弁では、その点がはつきりしていなかつたのであります。それは各府縣の昔の肥料檢査官の制度も必要であります、この頃有機質肥料とか何とかわけのわからぬ肥料農家の方へもつてますが、それをどこで分析してもらつていいか、鑑定してもらつていいか、農業者は迷うのでありますから、各府縣に簡單な檢査施設のあることは必要でありまするが、こういう最も責任のあるべき檢査官を、その製造工場所在地に設置するということは妥当ではないか、かように考えるのでありますが、農林省はどういうお考えでありますか、やはり從前通り府縣肥料檢査官責任をもたせるか、その考えを承りたいと思います
  8. 山添利作

    山添政府委員 この肥料取締りにつきましては、工場側の化学肥料もちろんでありまするが、そのほかにもいろいろ取締りをいたさなければならぬ分野が多いわけでございます。從つて工場に專属的におくというわけにはまいらないと思います。しかしこれをそういう方面にも十分注意をするというようなやり方をすることは、また必要と考えておるのであります。それで現在どういう組織でどういう程度にやつておるかという状況につきましては、肥料課長から御説明をいたします
  9. 鎌谷榮次

    ○鎌谷説明員 ただいま局長がその大要を申し上げたのでありまするが、現在肥料檢査所は北海道とそれから関東、東北と信越を担当地域としまして東京、中部が名古屋、それから関西、中國、四國これを担当地域としまして神戸、九州この五箇所に國の檢査所を置ましてやつております。その方針としましては、先ほど森委員からお話がありましたように、とりあえず公団が扱つております統制肥料は、これは國が責任をもつて配給しておる肥料であるから、國の檢査所は他の肥料、有機質とかいろいろ雜多な肥料がございますが、それよりか重点的にこの公団肥料に主力を注ごう、こういう意氣組みをもつて國の檢査所は全力をあげて、公団配給しております統制肥料に対して、先ほどおつしやいました各製造工場を臨檢しまして、不正のものがないように一生懸命やつておるというような現状であります
  10. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 その檢査はどういう組織にやつておりますか、第一職員もおらないのでありましようし、しよつちゆう臨檢するだけの旅費、手当もありますまい、どうせそういうような地方のものですから、貧弱な経費でやつているのだろうと思いますが、どうも私はそれでは不安心なのであります武生工場がたまたまこういう不良な肥料配給いたしましたことを動機として、今後ぜひ各工場が良心に訴えて、責任ある肥料生産するように商工省農林省としても指導していただきたいと思いますが、人間のやることでありますから、また機械のやる仕事でありますので、万一の場合に、計画通りに十分なよい肥料が必ずできるとも言えないのでありまするから、どうかひとつずれの面におきましても、経費をよけい使わずして、効果の上るような取扱り方法を考慮していただきたいと思います。私は今申しましたように肥料製造工場に特設した方がよいと思いますが、そういうことがいけないとなれば、これは現在の五箇所の檢査所で責任をもつて、その地区からそういうものを出さないようにするということに、督励をしていただきたいことをお願いする次第であります。なおこの工場に対しては、これは商工省の監督だと思いますが、社長である小坂順浩氏が三千円の減俸で、会社自体に俸給を辞退したことによつてけりがついているようであります。また前の商工次官奧田新三氏ですか、今度常務顧問として生産に当られるということを聞いているわけでありますが、この工場に対しては、農林省からそういう手続はされてありますが、商工省としてはこの武生工場に対して、今後どういう処置をせられんと考えておられますか、私もあの工場は一應視察いたしております。軍需工場から轉換された結果でありましようが、工場の設備がずいぶん厖大過ぎて、統制がついておらない工場のように見て來たのであります。ああいう乱雜と言つていいと思いますが、あの工場に対して、商工省は今後どう指導をされる考えをおもちになつておるか、承りたいと思つているのであります。  なおついでに商工省に対して質問をいたしたいのであります電力供給は少かつたのであります。これがこのごろやや緩和されたようでありますが、東京近郊のある工場に寄つて聽きましても、電力はなるほど二十四時間として考えれば供給がある。ところが工場は時間限りの活動をいたしているので、午前八時から午後の五時までという、その稼働の期間に電力供給されるならば、それはまことに生産も能率が上つてよいのである。ところがそういう時分には電力がなくて、工員職工の休んだ時分、夜中にどかどかと電力を送つてもらつても、これは生産に何も役に立たないのである。これはいろいろの関係もあるでありましようが、ほんとうの肥料生産が食糧生産の第一義だというほど重要視している今日におきましては、この電力の送り方においても、もおう少し安本と交渉されるか、あるいは関係方面との了解のもとに、せつかく送つた電力が間に合うようにただちに工場供給されるということが必要だろうと思うのであります。この辺に関して十分の考慮を煩わしたいと思うのでありますが、この点について何か考えをおもちになつておらないかということをお尋ねいたしたい。  それから次に昨日御説明になりました肥料生産状況でありますが、これはいろいろお骨折りになつておりますが、今農林省からは、商工省考えておられる生産予定通りに進めば、五貫五百匁の約束肥料は出せると言い、これが第一の條件になつておりますが、商工省としては、從來年々計画と実績とはみなずれている、合うておらない。だからそんな計画をもつて四月七月の予定をされまして、それによつて農林省には、ええこれだけの生産をしてやると言い、農林省は、ありがたい、それだけ生産してくれるなら五貫五百をやるということを農業者に対して約束されておつて、もし商工省計画されておつただけ生産できなかつたとなると農林省が困る。責任政府が背負わなければならぬ。責任を背負つて増産ができないのでありますから、この際商工省は、この計画が必ず遂行できるという確信をおもちになつているか。昨日御説明になりました四月から七月までの生産を三十四万五千トン窒素肥料について生産する予定だというお話であります。この三十四万五千トンが必ず生産できるという確信をおもちになつておられるか、また輸入肥料なども二十四万九千トンを計画されております。これは貿易の関係で、商工省は知らぬとおつしやるかもしれませんが、必ず來るという予定をもつておられるか。基礎資料をおもちにならぬで配給計画を立てても、おじやんになつてしまうのでありますから、商工省ははつきりした数字農林省の方にお話になつて農林省はこれでは五貫五百匁には足りないとか、あるいは一割減配するとか何とかいうことを、あらかじめ考えられなければ、その場になつていけなかつたでは困ると思うのであります。殊に商工省としては、一月から七月は春肥だけをその間に生産すればよいとお考えになるかもしれませんが、実際硫酸アンモニアは七月では遅過ぎる。輸送機関が惡いから、少くとも六月までにつくつて、それからあとは秋肥料にまわして、去年の秋肥料ずれをこつちにまわすくらいに考えてもらわんと、七月一ぱいにできたものをまわそうとしても、なんぼ関西九州地方でも間に合わぬ。殊に石炭窒素など少くとも五月に打き切らなければ間に合わぬ。こんなものを六月、七月に生産してもらつても、金を先に支拂いするだけで、秋の騨料に間に合わぬのであります。殊に輸送困難の事情は御承知通りであります。先ほども御説明がありましたが、武生工場肥料はようようこのごろ來ました。去年の秋肥料をこの二月ごろもらつても、すでに麦などはまきつけてしまつたあとであります政府が机の上で、これだけ配給するからこれでいい、一割増産しろと言つても、なかなかむりです。去年の肥料を今年使うような覚悟をもつてやらなければならぬ。殊に生産注意していただかなければならぬのは、石炭窒素などかますに入れて配給しておる。言語道断である。なんぼ袋がないかもしれませんが、あまりに無責任である。最後まで肥料工場としては責任をもつだけの誠意がなければならぬと思うのであります。それでありますから、さつき御説明になりました、肥料生産は七月一ぱいの予定ですが、その七月一ぱいでは農業者としては十分ではない。去年の秋のずれをみましも、約九万トンばかりの窒素肥料不足する。これを非常に心配する。農林省もいろいろ心配しておられますが、事実問題として、一割増産などということは農民は相手にしない。これを私は事実問題から考え心配するのでありますが、それでもこの七月までの御計画が、計画通り生産される確信をおもちになつておるか。この三つをお伺いしたい。  なお一つ燐鉱石でありますが、この燐鉱石はあなたの方に関係がなく、貿易廳かどつかの関係かもしれませんが、燐鉱石はあまりいいものが輸入されておらないように聞いております。私は素人ですからわかりませんけれども、この燐鉱石は一体一トンを輸入されて、その一トンの燐鉱石からどれだけの過燐酸石炭か生産されるのが常識でありますか。私は一トンの燐鉱石があれば二トンの過燐酸石炭が生産されるというように聞いておつたのでありますが、一体一トン輸入されるとどれだけの過燐酸ができるか。今日二十二年度に燐鉱石がどれだけ輸入されまして、その輸入されました燐鉱石を、どの工場へどれだけ配給されたか、その配給された結果、その工場からどれだけの過燐酸石炭を生産して肥料公団に渡したか、これをひとつ数字をあげてお知らせを願いたいと思うのであります
  11. 大野數雄

    ○大野説明員 第一番の信越化学の問題につきましては、ただいま農政部長が申されました通り私どもの監督が不十分でありましたことははなはだ遺憾に存じます。ただ從來のごとく肥料の余つているときでしたら、あの工場を一應完全に間違いなく確保するために努力することはできたかと思いますが、今増産の時期でありますので、技術者を派遣して——私どもの技術者だけでは不安心だと思いましたので、日本窒素肥料からも優秀な技術者を派遣して、なぜああいうことが行われたかということについて、主として技術的な面から檢討して、その結果——もちろん農林省の方では品質の立場からお調べになつておりますので、私どもの方ではそれ以外の面から調べたところ、やはり設備が森さんが御覽になつたように旧式で、これで増産するため相当むりな生産を行つたというところに一つの原因があつたようであります。御承知通り、昔の石炭窒素ですと二〇%でしたが最近では一六であります。もし一五、一三というものができた場合には、一六よりも品質は落ちますが、しかし一三でも肥料としては使えます。しかし生のままで出せば農民をだましたことになるから、一三ができるなら、はたしてそのできる裝置があるかどうかということで、二週間にわたつと檢討いたしましたところ、今の技術者の見方では誠意をもつてやれば一三%、一四%、よい原料がはいれば一六%のものもできるという見透しがつきました。そこで増産の上から、品質の惡いものをよいと称して再び出すことのないように、技術上できる見透しがつきましたので、これを動かしたいと思いまして、会社自体の方針はどういうものかというところの案を向うに立てさせて、私どももそれを檢討いたしております。御承知通り信越化学には二つの工場があつて一つは新潟にあつて、これは優秀な工場で、工場主もしつかりしております。そこでそこに三十名の技術者と工員の職長級の者をいれて、古い設備ではあるが、一生懸命やればできるということの見透しがつきましたので、ただいま行わさしております。その後最近までの分析の結果を取寄せて見ますと、誠意をもつてやれば合格するものができておりますので、今のところ、その実績のある期間は続けていきたいと思つております。  次に会社自体の人事の問題でありますが、これはどこまで本社と工場の現場とに責任の範囲があるかということについては、檢察廳でやつていただくよりしかたがないので、その結果をまちたいと思いますが(あくまでも本社に任したものならば、本社が当然その責任を負うべきものであります。なおああいう大事件を本社が知らなかつたということでは済まない、さような会社内部の機構は、私どもとしては從來においてもまた今後においても受解れない。またそういうことを知らなかつたというのでは済まぬので、その機構もかえ、人も入れかえ、技術者もいれかえるということで進んでおりますので、しばらく改悛のあとの実績を私どもよく観察して、万々一再びさようなおそれのあるときには、肥料増産の見地からは多少困ることがあつて生産を止めなければならぬと思つております。今はさような状態ですので御了承いただきたいと存じます。  二番目の深夜電力の問題でありますが、仰せのごとく深夜になつてどかどかと來られても、その工場の能力上つかえる。大体肥料工場の大部分は八時間三交替で二十四時間運轉をしております。特に石炭窒素のごときは、カーバイトをつくつて貯藏しておきますと、カーバイトから石炭窒素にいくときの電力はごくわずかで、トン当り数百キロワツト・アワー、カーバイトをつくるまでがトン当り四千キロワツト・アワーでありますので、できるだけ深夜電力の余つたものでカーバイトをつくらしております電力の貯水池のようなものでありますが、それにまわすようにしております。なお硫安工場におきましても、むしろ今は逆に深夜の方が工場をフルに動かして、晝間はもらつた電力だけで賄つておりますが、今年の第一・四半期におきます電力は、安定本部の方から配当を受けたものが約九億キロワツト・アワーでそのほかに八千五百別にもらうことにしておりますので、約十億キロワツトアワー、そうしますとこれは進駐軍、家庭等を除きまする全産業用の三割で、これを化学肥料だけで食うことになります。かような肥料だけに全産業にふり向ける電力の三割をとつて、なおかつこの上ということになると、これは日本産業全体が麻痺するという、全般を見る人の立場からの意見もありますが、私どもは五貫五百を約束したからには、それに必要な電力政府が五貫五百を破棄するといえば別ですが、そうでない限りは絶対必要であるということで、その電力は今確保いたしました。その以外に深夜に余つたものをもらうことにしておりますが、基本的のものにつきましては一應電力の確保をしております。  それから第一四半期の計画の実施でありますが、これは昨日局長から申し上げましたように、昨年一・四半期の配給は、農林省の御説明もあつたと思いますが、六十七万トンに対して今年は百五万トンですから、倍まではいきませんが、五割以上の相当大巾な今年の割当になつております。詳細は安定本部から御説明があると思いますが、これだけのものはぜひ農村に渡したいと思いまして、多少の危惧もありましたが、当時輸入も相当あるという見込みでありましたので、輸入等の点を鑑みまして、安全ケースを多分にもつておりました。この輸入につきましては農林省からも一應御説明があろうかと思いますが、だんだん輸入の方もうまくと申しまするか、安全ケースを見ておつたものがだんだん詰つてきて、ぜひとも内地の生産だけは計画通り実績をあげていきたいと、こう思いまして先般來安定本部と交渉しました結果、電力、石炭、硫化鉱の輸送、これはこの計画に必要な数量だけは必ず出すということに話がきまりまして、これだけは係官できまつただけでは困るから、閣議で政府として確認してもらつて、その確認した原材料を出さないところがあれば、閣議決定に違反することになるから、どしどじ進めていくという態勢にしまして、多分金曜日ころに閣議決定になろうと思います。しかし決定になりましても、なおそれだけで安心できませんので、私どもあらゆる手を今打つております。第一に電力につきましては、これは政府の方針がきまれば、これに必要な電力考えておりますので、この点量は多いのですけれども、電力のために肥料計画に大きな齟齬を來たすことはないと思つております。異常の渇水が四月にあるということであれば別ですが、平年度の電力であれば……。石炭についても相当大きな量ですが、これも三千五百万トンのベースにいつております関係上、肥料部門に配当されております石炭が落ちるということは、從來の経過から考えてない。問題は硫化鉱、これに見合うだけのものが、輸送とかがうまくいくかどうか、ここに実は多少危惧の念をもつておりますが、先般來鉱山局の係官が、各山々に生産の督励に參り、出荷の方は鉄道の方と連絡をとりまして、約五割増の輸送計画を、一應計画数より殖して、これを山別に、工場別に一昨日きめました。今の私どもの見透しとしましては、異常なる、特別なる大きな問題が起きなかつたならば、この計画は必ず実現していくという見透しでおります。きのう申し上げました数字のうちで、月別等局長は申し上げましたが、私どもはこれを確保する数字で、これより少し電力、石炭等が上まわつてもらつておりますので、五月から七月までの間におきましては三十四万五千トンとみております。その確保が済んだら、一應私どもの計画としては、計画的には三十七万トンばかりを最低つくろう、それだけの原材料を手当して、万々一、二万トンぐらいの齟齬を來しても、この計画を割らないというふうに今思つております。  次に、石灰石のかます積出しがあつたということですが、私どもさようなものを出した工場があつたとすれば、これははなはだけしからぬ次第なんですが、石灰石が輸送中水分を受けて裂けて、マル通で袋がないためにかますに積んで出すということが間々あつたと思いますが、あるいはさようなものであつたか、あるいは工場からかますで出したか、その点はよく存じませんが、もし工場から出すようなことがありましたら、これは私ども、今までは聞かなかつたのですが、十分注意いたします。  最後の燐鉱石の問題でありますが、おつしやる通り、從來クリスマスとかナウルとか、比較的よい品物がはいていたのが、今は二流、三流品が相当はいつております。これは実はざつくばらんに申し上げますと、アメリカから全部今もらつておるのでありまして、向うさんのいろいろな御都合で、必ずしも私どもの希望する、この品物々々というような選択のできない事情であります。從つてこれせ何とか製品にする場合に、從來の過燐酸に比べて肥効が落ちるということは困るから、製造の方法で、この肥効を過燐酸と変らないようにしたい。いいのはクリスマス、フロリダあたりでありますが、いいものと惡いものとまぜて配給しております。從つてどの特定工場におきましても、不良な燐鉱石だけで製造するということは今のところありません。  それから輸入している二十二年度の数量でございますが、これはきようちよつと資料のこまかいのをもつておりません。大体燐鉱石は今のところ在庫が約七十万トンあります。一トンから過燐酸二トンできますから、過燐酸に直しますと百四十万トン分あります。今各工場と、各港の上屋等にあります。現在月々つぶしておりますのが三万五千トンくらいでありますから、今の調子でまいりますと、約二年分近くのものが在庫いたしております。これは至急処理して農村に配給したいと思うのですが、燐鉱石に食わす硫酸があるのです。この硫酸のもとは硫化鉱です。この方が足りないものですから、今燐鉱石が余つておるのです。硫化鉱からできた硫酸を硫安につくらそうか、過燐酸にしようかというのが私どもの生産計画になるのですが、これは農林省の方の御計画によりまして、窒素肥料十に対して、過燐酸石灰は七とか八とかいう割合がありまして、その割合において硫安をつくつておりますから、少し燐鉱石が残つております。過燐酸につきましては今のところ原料を抱えておると思いますが、硫酸を極力増産いたしたいと思います工場別の生産、燐鉱石の数量、これはあとでひとつお届け申し上げたいと思います
  12. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 この際特に、こういうことはありはせんだろうと思うのでありますけれども、希望を申し上げておきたいことは、在庫しておる燐鉱石が相当ある。それについて何か特殊の処置が行われやしないかというようなうわさが立つておるのであります。これはあまりはつきり申し上げられませんが、せつかく輸入されました燐鉱石、しかもあまり優良ではないのでありますから、過燐酸石灰というものの生産の必要性から考えまして、どうかひとの不正な処理が行われないように、商工省と安本とで監督をしていただきたいと思うのであります。  それからもう一つ商工省に私どもの考え方を申し上げて、御意見を伺いたいのでありますが、石灰窒素はA、B、Cの三級に区分されて計價されておるのであります。ところが硫酸アンモニアは、その生産工程がまちまちであるからでもありましようが、はなはだしいのは一万五千円もかかるような生産原價になつておるのであります。そうして少いのになりますと、半分くらいた生産原價でやつている。それをプール計算にして、九千円でしたか、八千円でしたかで公団は買い上げることになつておるのですが、これを石灰窒素のように、A、B、Cの三階級、あるいは四階級に分けてしまつて、この工程樣式でいけばこのくらいでできなければならなぬはずだ、この工場はこういう形式によつて生産するのだから、これくらいで必ずできなければならぬのだという点を押えて、そうしてあなたの工場生産原價はま恒と認める、この工場生産原價これは認めるというふうに、政府が指示して、その範囲で生産させるように指導させたらどうかと思う。今では、うちの工場は一トン当り一万五千円かかります、私の工場は八千円かかります、私の方は四千円でできますというふうに、その原價計算をその工場に自然に任しておる。だから工場として勉強する氣がない。うちの工場はA級だから、どうしても七千円であげなければならぬといつて、一生懸命に能率をあげて、さらに六千五百円にしようとか、六千円にしようとか、いろいろくふうをして能率をあげても、できただけでよいからというので補給金をやるから、どうしても不熱心になる。こういうふうなことを私は心配する。結局プール計算において農業者が高い硫安を買わなければならぬことになる。過燐酸石灰はさいわいに製造工程においてA、B、Cと押えられておる。硫安においても、その形式がまちまちでありますけれども、大体三つか、四つに分けて、君の工場は七千円、君の工場は八千円まで認めてやる、お前の方は、この工場つたら四千円でいくはずだ、こういうふうに指導されるのでなかつたら、農業者は非常に高い肥料を買わなければならぬ。政府補給すればよいじやないかと言つても、それは國民の税金でありますから、私はそういうふうに工場を指導しなければいかぬと思うのですが、商工省はどうお考えになつておりますか。
  13. 大野數雄

    ○大野説明員 第一点の燐鉱石の処理と過燐酸の製造方法との関係でありますが、これは私内容をよく存じませんで、わかりませんが、たとえば燐鉱石が余つておるから、粉末にして出すとか、その他いろいろ処理方法を研究いたしたいと思つておりますが、これは農林省の方の御見解で、これならば過燐酸にはぼ匹敵するだろうという方法が見つかりましたならば採用したい。それはなぜかと申しますと、さつき申し上げました硫酸が不足まするから、硫酸を使わないて、過燐酸石灰にはぼ似たような肥料ができて、これが稻に使えるならば採用したいと思つて研究はいたしておりますが、今実行はいたしておりません。それから第二の價格の問題でありますが、これは物價廳の所管でありますけれども、私どもの方に関係がありますから、考え方を申し上げたいと思います。過燐酸石灰は一本の價格でいつております石灰窒素は御承知通り今の四つのグループ、硫安は個別價格になつております。過燐酸石灰は御承知通り製造方法が簡單でどこの工場でも特に著しい製造法の点、立地條件の差異もないために一本にいつておりますが、硫安につきましては大きくわけますと電解法と石炭法の二つにわかれます。昔十七、八年前私ども肥料をやつておりました当時は、電力は一キロワツトアワー一銭、石炭が十円で、大体電力が一銭以下でなければ硫安はできないということでありました。その比率は大体千倍で、今電力は一キロ三十銭くらいになつておる。石炭は千円くらいになつております。その比率の千倍でいけば三十銭の千倍ですから三百円。そういう比率になるべきものが石炭の方は非常に高くなつて電力の方が非常に安い。昔の電力と石炭との價格の比率のもとにあの硫安工業の立地條件ができておる。そこで今電力を使う硫安一トンの生産費は、大体一番安いのが五千円で、高くて私ども技術的にみれば非常に非能率な工場でも七千円。石炭の方の工場では八千円、高いのでは一万二、三千円。ですから五千円と八千円の工場を比べる場合に、当然五千円の工場の方が優秀だということに一應考えられますが、なお電解法と石炭法との相違は、石炭と電力の今の價格のアンバランスによつて出てくると思います。  次に、今度は石炭法においても、日本の硫安工場は、世界の陳列場のようなもので、たとえばドイツのイーゲー、フアウザー、アメリカの方法、イタリー、フランスと、各國の特許をそのとき思い思いに買つてきたものであります。それである工場にまいりますと、一番最初の炉のところはフイアーグ、その次はイーゲー、その次は日本式を使うというふうに、一系路においてもばらばらなものがある。そういう相違が價格のところへ出てくるのです。と申しますのは、同じ石炭法においても、たとえば宇部窒素のごときは、あの設計が非常に安かつたところの石炭を基礎において設計していつたものだから品物が安い。ところが小名浜の日本窒素の工場は、ドイツから七千カロリーから八千カロリーの石炭がはいることを基礎として設計してつくつた。ところが今はそういう石炭がはいらないものだから非常に能率が惡い。それをいろいろ檢討すると個別的には皆違いがありますが、これをよせて大きくは電解法と石炭法にわけて、同じ電解法の中でも自発の発電所をもつておるものともつていないものの三つにわける。それから石炭法の中でも同じわくで、おのおののグループにわけるのが一つの筋かと思います。この間から私ども檢討して、もうその方向にいくべきではないだろうか、一つ工場別に全部調べて、少しの差異はいいが、グループにはめ込んでみる。物價廳と今その考え方で大体協議しまして、なるべく四月のときにその方法が採用できるかということを、実際具体的に計算しました上できめたいと思います。私はなくべく早い機会にそれをきめて、一本價格にして一番優秀なものが残るということにいたしたいと思います。一方生産の面から申しますと、実は優良でない工場が今あるのですが、これをとりますと、今年の硫安九十万トンの生産計画というものは、一應各工場の能率の大体八割くらいまでを動かして確保できることになつております。大体十月から二月までの渇水期はどこの工場でも能力は半分、四月から七月までの豊水期はどこの工場でもフルに動かすというかつこうになつておりますために、値段は高くても今動かさなければならぬ。そうすればかつかつの引合うところまでやらなければならぬ。そこに生産面から個別價格を採用しなければならぬという事情があります。一方では高いものをいつまでやるのか、おかしいではないかとも考えられますが、できればそういう方法を採用したいと考えておりまして、物價廳ともよく相談をしてきめたいと思います
  14. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 最後に一つ希望を申し上げたいと思います窒素肥料生産に対して非常に心配をしていただくことは結構と思いますが、先ほど申し上げましたように、石灰窒素は五月で打切つてもらわなければ間に合わないのであります硫安でも六月一つぱいと思いますが、七月中旬には打切つてもらわなければ間に合わない。七月一つぱいに硫安石灰窒素の製造をして、今計画されておる窒素肥料を確保したい。いくらできるか知らぬけれども、まず一生懸命やりたいというお考えは結構であると思いますが、今申しましたように、肥料の実際の効果から申しますと、五月に打切つてほしいというのが希望でありますから、その苦しい中からでも、一層安本とも協議されまして、最大の能率をあげて、そうして農林省農業者にうそをつくことのないように、あなたの方に希望いたしたいと思います。それだけ希望して私の質問は終ります
  15. 重富卓

    ○重富委員 ただいまの肥料の問題でありますが、不正肥料を受けた農家に対する救済策はどういうふうにされておるか、またされようとしておるか。また会社が得ましたところの不当利得はどういうふうに処分されたか、またされようとしておるか、この点をお尋ねいたしたいのであります
  16. 山添利作

    山添政府委員 武生工場の問題につきまして不当利得という点につきましては、実は一六%として公団が買つた。それを今度五%に引直した、價格を下げたわけです。從つて農家に対しては五%に対して通常肥料に対する八掛の値段、こういうことにいたしております。事故品として……。
  17. 小川原政信

    ○小川原委員 この会社を行政的にどういう処分をなさるお考えですか、このままにしておきますか。法理的に考えて、刑法上より見れば政府としては当然告発されるでありましようが、行政的に考えてどう処分なさるか、そのことを一應お聽きしておきたい。
  18. 山添利作

    山添政府委員 行政措置といたしましては、肥料取締りの法規に照しまして、ただいま檢察廳の方に問題が移つております。それから会社の当局といたしましては、先ほど申しましたように、自発的にそれぞれ責任をとつておるわけであります。そういうことになります
  19. 小川原政信

    ○小川原委員 その方はさきにお聽きしたのでありますが、それでは相済まぬと思うのであります。行政廳は行政廳としてのいく方針があろうと思います。このままにしておくということはもう社会が許さないと思います。それに対する御処置はおとりなるお考えであるか、とらぬお考えであるか。その点だけをお聽きしておきたいと思います。もうあとのことは聽く必要はありません。
  20. 山添利作

    山添政府委員 このことは法規に照らして刑事上処罰をされるというのであります。その事実行為をやつた人が特に責任を負うべきだと私はもちろん考えております
  21. 北二郎

    ○北委員 私はこの際山添農政局長がお見えになつておりますので、米價のスライド問題について質問したいと思う次第であります、私どもはパリテイ計算に賛成でありますが、しかし基本諸物價が勝手なインチキきわまるものであつては、私は問題でないと思います。実質、実効價格でなければならない。いわゆる他の諸物價、労賃との公平が保たれなければいかぬと思うのであります。すなわちパリティ計算の原理であるところの諸物價との均衡が絶対に必要でなけりばなりません。常に諸物價の改訂と同時にこれは行わなければならないと考えておる次第であります。しかも農民は昨年の收入で本年を経営しなければならないのであります。すでに百パーセントの出荷を終つても、これは自由意思で販賣したのではありません。政府は出荷の時期を強制したのでありますから、諸物價の改訂も常にこれと並行して、諸物價の價格を追加支拂いしなければならない。いわゆるスライドしなければならないと思うのでありますが、この点農林省当局においてどういうお考えであるか、お伺いしたいと思う次第であります
  22. 山添利作

    山添政府委員 北委員のお考えまつたく同感であります。そういう主張もいたしておりまして、また事務的の話合いでそういうようにしようじやないかという考え方で進んでおります
  23. 北二郎

    ○北委員 今度は当然物價の改訂が行われるのでありますが、しようと思つておるでなく、やるのかやらないのか、はつきり聽きたいと思う次第であります
  24. 山添利作

    山添政府委員 これはやる意思でおることは、くだくだしく申し上げるまでもなく当然のことでと考えております
  25. 北二郎

    ○北委員 そうすれば昨年の一石千七百円の米價に対して、すでに政府はそれを強制して取上げたのであるから、今年また物價の改訂とともに、これを政府が支拂うことになるのですか。その辺の見解はどうなりますか。
  26. 山添利作

    山添政府委員 こまかい点はともかくといたしまして、方向といたしまして月割で追加支拂いをする、たとえばこの四月に五割上つたと仮定したします。そうすると半年経つておりますから半年分二五%そういう割合で上げていく。もつともこれはその内容といたしまして、全部追加支拂いということにするか、あるいは市價の値段をすえ置く部分を考えるか、——もつともそれでは足りませんけれども、いろいろ増産に役立つような扱いをしなければならないと思いますが、考え方としてはそういうわけだと思います
  27. 北二郎

    ○北委員 時間もありませんから、最後に、問題は違いますが、今の農村の税制の問題につてて伺いたいのであります。今農村をまわつてますと、非常に苛酷な課税であまして、しかもこつちの村には二千円なら二千円、あつちの村には同しような條件の人が三千円で、非常な開きがあります。このでごぼこを農林省のお認めになつているかどうか。この点をお伺いしたいのであります
  28. 山添利作

    山添政府委員 税の点は非常に大問題でありますので、今時間のありませんとき、いろいろなことお申し方げますより、やはりこれは農林委員会等が中心になられて、大藏当局、それは農林当局をも參加させていただいて、研究並びに措置を進めていく、こういうようにいたしていただきたいというふうに希望いたしております
  29. 北二郎

    ○北委員 しかしそれは希望であつて、今現実に農村が、たとえば愛知縣におきましても、私はこれは現実に聽いた話でありますが、もう苛酷な税金で、農村は土地も放つてしまうというような状態になつているのですが、こんなことをしておけば、農村の生産意欲というものはなくなると思うが、食糧が減産になつても、どうしてもこの税金は農村から取上げなければならぬというお考えですか、その点をお伺いしたい。
  30. 山添利作

    山添政府委員 減産になつても税金を取上げるかというお問いでありますが、これはむろん政府といたしまして、どこまでも税金について負担の公平ということを期すべきであると思うのであります
  31. 北二郎

    ○北委員 それで公平でなく、不公平なのです。それは数字的にちやんとこつちは握つてるのです。
  32. 山添利作

    山添政府委員 私は、そういうことでなければならぬということを申し上げたのでありまして、現実の問題といたしましては、私どもはああいうやり方よりもやはりかえていくべき点が相当あるのじやないかというように、農林省側としては考えております
  33. 北二郎

    ○北委員 もい一つ伺いたいのは、たとえば申告税になつておりますが、農民が税務署に行つて、これは高過ぎると言つた場合、お前らの選んだ議員がきめたのだから、拂うのが当然だというようなことで、強制的にやつているらしいのですが、農林省からそういう指令でも発したのですか。
  34. 山添利作

    山添政府委員 私どもは税金を取立てる役目ではないのであります
  35. 北二郎

    ○北委員 しかし、反当りの收量は一應農林省がきめたのだから……。
  36. 山添利作

    山添政府委員 これはこういうことであります。反当り二石とれるとか、二石何斗とれるとかいうような、農林省側の調査による收量に関する資料が大藏省と違うわけです。そうして、所得をいくらに見るかということについて、大藏省は農林省協議してきめたわけではないのです。そこで問題といたしましては、私はこういう点があると思います。これは私の見解を述べるのでありますが、一つは、これは所得税一般に通ずる問題でありますが、基礎控除の額が低いではないか。しかし、これは法律できまつているからやむを得ませんが、この問題があります。これを自家用消費の分まで税金がかかるじやないかという感じを農民諸君がもたれる。これは結局基礎控除というところに問題があると思います。次は所得の出し方について、ただいまのように二石なら二石というようなものを考え、それに対して今の米價等をかける。それからさらに必要経費を差引く、こういうことになつている。そこで、埼玉縣の例によれば、水田二毛作をやるところでまず四千円、畑の方はいろんな高いものをつくりますから六千円、こういう形をとつている。この場合に、私の考えとしては、経費がいくらかかつたというようなことを引くのに、言いかえてみると、課税の対象になる所得をどれだけに見るかということについては、明確な基準をひとつつくつたらどうか、それには米價の算定方法もパリテイ計算をとつておるのであるから、基準年次の九年ないし十一年を標準として、そうしてその当時における所得の計算方法、言いかえてみると粗收入がいくらで、経費をいくら引く、米にしましてその当時は粗收入の五五%の所得にあたるわけです。そういう客観的なやり方をやつてつたらどうか、そうすればそこにいろいろな爭いがなくなるわけであります。これはざつくばらんに言えば、若干やみ所得ということもありましよう。しかし同時に経費の方もやみで物を買うのだから、そこはパリテイ計算のあのやり方でキヤンセルして、その方式を使つてつたらどうだろうか、そういうようにして考えますと、畑作地帶等にしましても、大分これは大藏省で査定されたものよりは、それぞれ千円かたくらいは安く出る計算になつておりますが、千円がた安いのがよいかどうかということはさらに檢討いたしますけれども、方法として何らかそういう任意的でなくて、ある客観性をもつたような資料を使うということが、今のパリテイ計算をやつておる趣旨からいつてよくはないかという考えを私はもつておる。それからもう一つは、農家の規模別という点について考慮を拂わなければならぬのであります。これは大きい経営と小さい経営では、かなりそこに收益という点についての違いもございます。しかしこれを階級づけする、クラスフアイをするのには、実は確固たる資料もございませんのでよくわらかないのであります。しかしそれらのことは大体基準がきまれば村の中で土地がいいとか惡いとか、あるいは経営の大小というようなことで、ある程度合理的なものをつくるようなやり方は、考え得るのではないかというふうにも思うのでありまして、できるだけ、この頭から租税收入を予定してそれを割当てていく、これは國家計画として、そういうことが一應行われるのはやむを得ぬし、また当然だと思いますけれども、しかしそれで押えてしまうということでなしに、ただいま申すような事柄を練つて、そうして合理的な取扱方、やり方を発見していなかければならぬという考えを私はもつておるのですが、しかしこれは私の考えでありまして、大蔵当局がそういう考えをもつておられるというわけではないのであります。そこでこれにつきましては、役所だけの話は、なかなか実際問題としてこういうことでは進みません。農林委員会等が中心になられて御研究を進めていただきたい、かような希望をもつておるということを申し上げておきます
  37. 北二郎

    ○北委員 もう一回だけ農林省の腹を聽いておきたいと思います。それでよくわかりましたが、どうしても今の税金のかけ方は不公平であると私は思うのであります。その審査の方法を公平にやるために、この審査の期間、税金の取上期間これを延期しなければならぬと私は思うのでありますが、農林省はその点共鳴していただくことができるかどうか、どういう腹であるかということを伺いたいと思います
  38. 山添利作

    山添政府委員 これは政府としての立場がございますので、一々そういうことにどうだというふうに、私は申し上げかねると思いのであります
  39. 大島義晴

    大島(義)委員長代理 今日はこの程度で散会いたします。     午後一時五分散会