○和田
政府委員 それではこの一月から七月にかけての春肥の
生産見透しにつきまして御
説明申し上げたいと存じます。
春肥の供給につきましては、昨年の秋、稻反当り平均窒素肥料五貫五百匁、燐酸肥料二貫目の配給を確保するという
政府の公約がある次第でございます。これを確保いたしますためにこの一月から七月までにどの程度の物をつくる必要があるかということと申し上げをすと、まず國内向けの量といたしまして窒素肥料九十六万九千トン、それから輸出が六万七千トン余り、それに量目の欠けました場合の補填等も計算いたしますと、窒素肥料は百五万六千トン余りの需要があることに相なります。これは二十二年の春肥の実績に比べますと、二十二
年度は國内消費六十六万七千トン、輸出が三千トンでございまして、合計六十七万トンでございますから、相当大幅の需要増に相
なつております。それから燐酸肥料の方は國内消費といたしまして三十九万トン、輸出用といたしまして七万五千トン、これに量目の不足いたしましたものを補填するものを加えまして、合計四十七万六千トン余りのものが必要に相なるのでございます。これに対しまして供給の面を申し上げますと、窒素肥料におきましては、昨年からの繰越が二十二万一千五百トンと
推定せられておりますし、輸入肥料といたしまして二十四万九千トン余りのものが予想せられております結果、
生産を必要といたしますものは硫安におきまして五十二万二千九百トン、石灰窒素におきまして硫安換算十一万トンを必要とするのでございます。それから燐酸肥料につきましては、繰越が四万六千トンでございますので、
生産といたしまして五十一万六千トンというものが計画せられております。ただいま申し上げました需要と供給との差額はこれは次期への繰越ということに相なる次第でございます。ところですでに三月も下旬に相
なつておりますが、一月から三月までの
生産実績、あるいは予想を申し上げますと硫安におきましては一月に五万六千八百トン、二月におきまして五万一千百トンの
生産を收めております。なお三月は大体七万トン
生産せられるものというぐあいに
推定をいたしております。この総量十七万七千九百トンを、先ほど申し上げました五十二万二千九百トンから
差引きますと、四月ないし七月におきまして三十四万五千トンの硫安を
生産する必要が出てまいります。石灰窒素におきましては一月の実績八千九百トン、二月九千百トン、三月の予想といたしまして一万五千トンでございますから、先ほど流安換算で石灰窒素十一万トンつくる必要があると申しましたが、これを石灰窒素そのものにいたしますと、十三万七千六百トンと相なりますから、これから一、三の数字を
差引きますと、四月、七月におきまして、石灰窒素十万五千トンを確保する必要があるのでございます。また過燐酸石灰におきましては、一月の実績七万六千トン、二月八万トン、三月の予想が七万二千トンでございますから、四月、七月の間におきまして二十八万八千トンの
生産をしなければ相ならないということになるのでございます。御
承知の
通り一月から三月にかけましては
生産があまり振
つておりませんが、これは御
承知の
通り電氣が非常に規制をせられました結果、こういう数字に相
なつているのでございます。從いまして今後の四月からの豊水期を目がけましてただいま申し上げました
生産目標を確保すべく努力をいたしているのでございます。これに必要な原料といたしまして、一番問題に相なりますのは電力と硫化鉱であろうと思うのでございます。しかしてこれらの必要な資材につきましては、安定本部その他
関係筋とこれが確保について協議をいたしておりまして、これはごく最近の機会に
決定をしたいと
考えておるのでございますが四月ないし七月の間におきまして、電力として十一億八千九百キロワツトアワーのものが大体確保される見込みでございます。また硫化鉱におきましては、月々十二万二千トンばかりのものを各工場に送り込まなければならないのでございますが、これに対しまして現在のところ硫化鉱の
生産の計画といたしましては、四月ないし七月の間におきまして四十二万一千トンばかりのものが
考えられておるのであります。これではもちろん不足でございますので、ただいま山元にございます貯鉱の中から六万四千トンのものをこの期間に拂い出しまして、これによ
つて硫化鉱の確保をはか
つてまいりたいと
考えております。これらの所要原料が確保いたされ、かつ輸送も確実に行われますれば、これらの計画の数字を
生産することは可能であると
考えておりますし、私どもといたしましては、是が非でもこれらのものを確保いたしまして、所期の
生産量を確保したいと
考えております。なおそういう原材料の確保に万全の努力を拂いますとともに、この非常に窮屈な
生産あるいは輸送の
状況のもとにおきましては、工場内部のいろいろな技術の改善でございますとか、あるいは設備の補修というようなところに力を入れまして、各工場の原單位の引下げを極力はか
つていかなければならないと
考えまして、これにつきましても今後強力な手を打
つてまいりたい、かような計画のもとに
仕事をしておる次第でございます。