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1948-10-08 第2回国会 衆議院 電気委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月八日(金曜日)     午後二時二十三分開議  出席委員    委員長 前田榮之助君    理事 村上  勇君 理事 金子益太郎君    理事 櫻内 義雄君       加藤隆太郎君    平島 良一君       水田三喜男君    石野 久男君       上林與市郎君    成瀬喜五郎君       八百板 正君    栗田 英男君       川越  博君    秋田 大助君       岡部 得三君  委員外出席者         総理廳事務官  田中  茂君         総理廳事務官  吉岡 俊男君         総理廳事務官  三浦 忠雄君        商 工 技 官 三ツ井新次郎君         商工事務官   森  誓夫君         商 工 技 官 岡崎 三吉君         農林事務官   松島  淳君         專  門  員 大石 主計君     ————————————— 本日の会議に付した事件  電氣事業の再編成及び電力拡充に関する調査の  件     —————————————     〔筆記〕
  2. 前田榮之助

    前田委員長 これより会議を開きます。  本委員会先般電氣事業の再編成及び電力拡充に関する閉会中の審査の一方法といたしまして、富山岐阜新潟の各方面発電所等実施調査のため、議長承認を得まして、七月七日より十二日に至る六日間委員派遣いたしましたが、前回の委員会でこの実地調査報告を大体お打合せを願つておきましたので、これより櫻内委員からその報告を聽取いたしたいと思います。
  3. 櫻内義雄

    櫻内委員 それでは私から、先般電氣事業の再編成及び電力拡充に関する調査のため電力施設実地調査を行いました報告をいたします。派遣委員前田委員長村上勇君、加藤隆太郎君、八百板正君、成瀬喜五郎君、川越博君、上林與市郎君、内藤友明君と私櫻内の九名でございました。派遣期間は七月七日より十二日に至る六日間でありまして、新潟信濃川水系富山縣岐阜縣飛彈川水系及び丸山電発所建設予定地等実地調査をしてまいつたのであります。その調査いたしました事項は印刷いたしまして皆樣の御手もとに配付いたしました通りでございます。何か御質問がありましたらお答えいたします。——それでは簡單でございますが、以上御報告いたします。
  4. 前田榮之助

    前田委員長 これをもつて委員派遣報告は終りました。     —————————————
  5. 前田榮之助

    前田委員長 それでは次に電氣事業の再編成及び電力拡充に関する調査に関する件を議題といたします。  本委員会は、去る七月五日電氣事業の再編成に関する件及び電力拡充に関する件について閉会調査行つてまいつたのでありますが、この調査の結果について報告を聽取することにいたしたいと思います。先に電氣事業の再編成に関する小委員会の方からいたします。  私が電氣事業の再編成に関する小委員会の小委員長でありますから、この席から小委員会調査結論簡單に御報告いたします。  去る七月五日議長より閉会中の審査承認を得、次いで委員派遣承認を得まして、同月七日より十二日までの六日間、新潟富山岐阜各縣の発送電状況及び各方面より意見を聽取する等いたしました結果、本小委員会といたしましては、次のような結論を得たのでございます。  すなわち再編成に関する日発案配電案、電産案並びに公営案を檢討いたしまして、最後電氣事業民主化委員会結論調査いたしました結果、本小委員会としては、復興途上にある、わが國の現状に徴し、経済界に急激な変動を及ぼすような企業形態の変革はしばらく留保して、現状においてその運営を民主化し、不利不便と感ぜられる諸点の改善をはかり、時機を見て理相案を立案し、これが実現を期するという趣旨を諒とし、政府善処方を要望するとともに、本院においても今後最善の方法の調査研究を続ける必要があるものと認めた次第であります。以上御報告いたします。  それでは次に電力拡充に関する小委員会報告を願います。
  6. 櫻内義雄

    櫻内委員 それでは電力拡充に関する小委員会調査結論簡單に御報告いたします。  去る七月五日議長より閉会中の審査承認を得まして、同月七日より十二日までの六日間、岐阜縣丸山貯水池式発電所及び新潟富山各縣の発電所調査いたしました結果、本小委員会といたしましては、結論として、電力復興計画は、五年ないし十年の期間区切つて一應の方針を立てることが必要であるが、現実の問題といたしましては、工事中止中のもの、及び工事期間の短かい有利な貯水池式発電所開発を個別的に審議して、工事を確実に進めていくことが肝要であるとの結論に達したのであります。  本調査結論に副つて政府の急速な実施方を要望するとともに、本院においても政府の具体的な措置を嚴に監視督励することが必要であると認めた次第であります。  以上御報告いたします。
  7. 前田榮之助

    前田委員長 これにて両小委員会報告は終りました。つきましては本委員会調査報告を、ただいまの両小委員長報告通り決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めます。それでは後刻委員長より文書をもつて議長に提出することにいたします。     —————————————
  9. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。電力拡充に関連して、福井地方震災による被害復旧状況アイオン台風による被害状況並びに復旧状況及び総合然料対策等について政府説明を求めます。
  10. 三ツ井新次郎

    三ツ井商工技官 最初に北陸震災被害状況及び復旧状況について御説明いたします。  六月二十八日北陸震災によりまして、電力施設は甚大な被害を受けたのでありますがこれが復旧方針といたしましては、治安維持その他の観点よりして、何よりもまず震災地の点燈を第一とし、これと並行して電源應急復旧を目指し、現状においてこれはすでに一段落をつげまして、電力施設全般にわたる本格的復旧を続行中でありまして、その一部はすでに完成を見たものもありますが、なお各方面の協力を得まして、一般震災被害復旧と関聯し、今後大いに努力すべきものも残されているのであります。  次に九月末現在の復旧状況を見まするに、まず日本発送電関係といたしまして、水力発電所被害はきわめて軽微でありましたので、現在全部復旧いたしております。すなわち市荒川発電所は水槽に亀烈を生じ、漏水のため停たいたしましたが、七月十七日復旧し、西勝原第一及び第二発電所はそれぞれ水圧鉄管及び放水路に事故を生じましたが、いずれも八月中に復旧いたしました、松岡変電所は各送電線素通し作業によりまして、百五十キロヴオルト、七〇キロヴオルトとも送電を継続しつつ鋭意復旧を進め、主要変圧器は十一月初旬復旧する予定であります。建物復旧等を含め現在復旧工程は三〇%であります。送電線被害は比較的軽微でありまして、應急復旧により送電支障はありませんが、まだ鉄塔五基を修理中であります。  次に北陸配電関係といたしましては、第一に水力発電所関係でありますが、北陸関係水力発電所は老朽なものが多いのでありまして、電源地から相当離れた位置にあるにもかかわらず、被害を受けた数が比較的多いのであります。その被害を受けたものは十五箇地点であり、その停電出力は、最大一万一千六百九十八キロワットであります。現在はそのうち六箇地点四千六百二十キロワットが復旧いたしまして、残りも年内には完成する予定であります。  第二に変電所関係といたしましては、被害直後から丙害変電所應急復旧に努め、六月二十九日には粟津、大聖寺において七万ヴオルト受電を開始いたしまして、金津も七月十五日に七万ヴオルト受電を開始いたしました。各変電所においてもとりあえず需用に應ずるための應急復旧完成し、配電支障なきようにし、轉倒変圧器復旧、建物修理等本格的復旧工事を準備中であります。丸岡金津、砂子坂、觀音町、花堂、本莊、三國の各変電所は本年中に、また牧ノ島、橋南、文珠、東福井春江は明年三月中に、福井は明年八月に復旧を完了する予定であります。  第三に送電線関係といたしましては、被害組電線應急復旧によつて支障なからしめておりますが、本格的復旧工は、稻の刈取りを待つて着手いたします。本年末にはほぼ完成する予定で、現在復旧率は約三〇%であります。なお通信線関係はほぼ復旧を終りました。  第四に配電関係といたしましては、仮設備による應急点燈を急ぎ、七月三日には福井要地等の点燈に成功し、五日には各地の点燈をほぼ終了し、九月末現在では七万八千燈設備完了、未点燈部落はございません。本格的復旧工事需用復旧につれまして逐次実施しております。現在の復旧率福井方面七〇%、春江方置六〇%、丸岡方面五十五%、三國方面六〇%であります。  次に資材資金状況報告いたします。電力施設震災復旧については、政府においても資材資金割当斡旋その他極力努力をなしてきた次第でありまして、その概要を述べますと、まず資金関係といたしましては、北陸配電復旧費総計三億円、うち應急復旧費二千五百万円と計上されましたが、これに対し、とりあえず第二四半期に一億六千万円の復金融資を行いました。さらに第三・四半期に約一億の融資予定しており、第四・四半期におきまして残額四千万円程度を割り当てる予定であります。日本発送電復旧費は七千八百万円で、第二及び第三・四半期一般経費中に計上されております。  次に資材関係といたしましては、災害当時は、緊急必要な資材に対しましては、第二・四半期の配当から先渡しの形が割り当てし、一方経済安定本部に対する復旧用資材解配申請をしましたが、現在までに所要量の九〇%を充足する特配を受け、現在資材の面では復旧工事支障を與えているようなことはありません。  次にアイオン台風による電力関係被害状況説明いたします。  九月十六日関東方面から東北方面襲つたアイオン台風は、豪雨を伴いまして、電力施設に及ぼした風水害は、昨年六月十五日のカザリン台風による被害と比べますと、優るとも劣らぬほど甚大なものでありました。以下九月末日現在において判明している被害並びに復旧状況と、その復旧対策について概略を報告いたします。但し東北地方は未だ交通、通信連絡が十分回復しておりませんため、詳細不明の地方もありまして、今後さらに本報告に追加しなければならない被害もありことと思われます。  まず被害状況といたしまして概況を述べますと、被害をこうむつた事業者日発東北及関東支店及び関東配電東北配電のみでありまして、被害工作物は、水力発電所配電線とにおきまして特に甚大で、送電線及び変電所にも相当被害を見ております。地方的に見ますと、水力所発所は主として神奈川県(早川系)、関東北部利根川系)、福島縣阿武隈川系)、岩手縣北上川系閉伊川系)に被害多く、配分線千葉縣下を第一として、岩手縣宮城縣神二川県の順序であります。送電線及び変電所岩手縣下において最も甚大であります。  次に水力発電所について述べますと、豪歴による洪水は、台風当日多数の発電所運轉停止出力制限を引起しましたが、減水に伴い多くは数日後には機能を回復しております。しかし堰堤増失、水路、護岸等決壞発電所内浸水土砂流入堆積等によつて復旧工事を行わねばならません。被害発電所は総数百二十箇所、設備出力で六十七万キロワットに及び、九月二十四日現在停止または出力低下のために減退している発電力は、設備出力で二十六万キロワットであります。これらの運轉再開は、復旧工事が順調に進めば、大部分年内に應急発電できる見込みでありますが、特に被害の大きかつた日本佐久(六万六千キロワット)、藏本(三千百キロワット)、根利川(千四百三十キロワット)、腹帶(一万七百キロワット)、東北配電鈴久名(二千キロワット)、黄金山(三千百キロワット)、池月(二千七百キロワット)等は今冬渇水期には間に合わないことが應念され、また今冬應急発電可能としても、出力制限を受け、または復旧工事完成は來年に持ち越されざるを得ないものが相当ある見込みであります。  次に送電線は、日発東北支店の北上一、二号線(六十六キロヴオルト南北連絡重要幹線木桂H桂)五基倒壞と、東北配電岩手縣下送電線の支用物二百三十本流出倒壞被害中顯著なものでありまして、これらは電線流出を伴いまして、また流出に至らないまでも、断線箇所相当数に上りましたが、おおむね九月中には應急復旧して、一應組電可能になりました。  次に変電所としましては、日発変電所被害がありませんでしたが、配電会社変電所は、所内浸水社宅流出変圧器燒損等相当被害があり、特に岩手縣一ノ関及遠野変電所被害が大であります。しかし應急復旧または送配電系統の一時変更等によりまして、配電には大体支障がありません。  次に配電線としましては、水害のみならず、風により被害相当ありまして、電桂の折損、倒壞増失総計八千二百本以上に達し、カザリン台風のときよりもひどいのであります。そのうち関東配電千葉縣下が五千八百本、東北配電岩手縣下は一千四百本と報告されておりますが、東北配電区域被害は、今後調査によつて増加するものを予想されます。桂上変圧器は現在判明しているだけでも一千三百台流失または燒失または燒損しております。  次に復旧工事費について述べますと、日本発送電三億三百三十六万九千円、関東配電は一億七百二十三万八千円、東北配電は二億七百二十六万三千円、合計六億千七百八十七万円でありまして、昨年九月のカザリン台風における日本発送電一億七千万円、関東配電八千二十万円、東北配電七千二百五十万円、合計三億千八百二十万円に比べて、物價の値上りを考慮しますれば、今回の被害は優るとも劣らざるものであることがわかります。  設備別復旧費を見ますれば、水力設備五億二百七十八万七千円、送電設備千六百五十七万一千円、変電設備千九百八万千円、配電設備七千九百四十三万一千円、合計六億一千七百八十七万円で、八〇%以上が水力でありますが、このうち佐久発電所復旧費一億二千万円が特に高額でありまして、腹帶池月鈴久名金井等の各発電所がこれに次いでおります。  次に復旧資材について説明いたします。まず主要資材についてカザリン台風と比較して示しますと、セメントにおきましては、カザリンの一万八千二百六十トンに対しまして九千八百二十九トン、鋼材は三百六十六トンに対し三百七十八トン、木材は一般用材におきまして、四万六百三十二石に対し、二万五千八百石、電柱におきまして、一万七千石に対し一万一千七十石、電線は二百三十九トンに対し、百七トン九、絶縁油は二百十七キロリツトルに対し、九十五キロリツトル六、これら資材所要期は本年度第三、第四、四半期からさらに一部は明年度にわたりますが、緊急手配を要するものとしましては、流失のため補充を要するタービン油絶縁油等油類電柱電線及び鉄線の補填、油送用ガソリン等でありまして、これと同時に復旧に從事する労務者の物資、すなわち作業衣、地下足袋、ゴム長、石鹸、自轉車等及び食料の給與がきわめて肝要であります。電力局資材について経済安定本部に対し特配申請中でありますが、とりあえず復旧に必要な資材は第三、四半期のわくの中から先渡し実施中であります。以上御説明いたしました。
  11. 前田榮之助

    前田委員長 ただいまの御説明について何か御質疑はありませんか。——ないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  12. 前田榮之助

    前田委員長 櫻内君、農林省説明員が見えましたので、御質問を願います。
  13. 櫻内義雄

    櫻内委員 農林省のお方にお尋ねいたします。実は先日委員派遣のとき行きました丸山発電所開発工事用地のことでありますが、水力発電所建設、なかんずくダム式発電所建設につきましては、巨大なコンクリート堰堤築造のため、大量の砂、砂利を要するのでありますが、輸送事情等に鑑みまして、現場附近において砂利採取場を確保し得るか否かが工事の成否を決するかぎでありまして、もしこれが得られないならば、いかに他の條件の揃つた優秀な地点でありましても、着工に多大の困難が伴い、開発は不可能となるのであります。木曽川筋丸山水力発電地点は、出力十万六千キロワツトのほか、上流三浦貯水池の利用並びに下流兼山今渡各所電所にも多大な好影響を及ぼす中部地方最大最優秀水力発電地点で、昭和十八年十月これが建設工事に着手し、仮設備工事の大半及び一部本工事を施行したのでありますが、戰爭の犠牲となつて、昭和十九年五月中止のやむなきになり、今日に至つておる所であります。最近経済安定本部電力復興五箇年計画において、一キロワツト二万五千円内外の工事費で足りるという特殊事情を考慮した結果、昭和二十三年度着工予定中、最優秀開発地点として計画せられているようであります。本発電所計画に要する用地は、工事用地侵水用地等すべてを含めて約百七十八町歩でありまして、そのうち一部侵水地狹谷地方を残し、工事に重要な百十町歩はすべて円満解決したのでありますが、その一部に問題が起きたわけであります。その問題の場所は、岐阜縣可兒錦津字錦織地内約十三町歩土地で、昭和十八、十九両年度にわたり日本発送電会社買收し、農地管理令により潰廃の許可を受けて、まさに採取に着手せんとした直前、工事中止命令により一部工事中止したのであります。その後農地解放に関する法律の公布があり、日本発送電会社はこれを確保するために、昭和二十二年九月八日自作農創設特別措置法五條第五号にいう「近く」土地使用目的を変更するを相当とする土地に該当するものとして、買收除外を出願陳情したのでありますが、地元農地委員会はこれを無視し、昭和二十二年十一月二日同法によつて買收する手続をしたのであります。日発は十一月八日にこれに対しまして、異議申立てをするとともに、日発岐阜支社長をしてしばしば委員長を訪問せしめ、その除外方を懇請したのでありますが、委員長は「土地はあくまで買收するが、砂が必要ならば賣りましよう」。と称し取合わず、遂に十一月二十四日異議申立を却下したのであります。その理由は、不在地主土地であること、法人の所有土地であること、除外決定を受けておらぬ土地であること、この三点であります。御承知のように電力開発に要します日時というものは、一年、二年でできるものではありません。このような特殊なものに対しても、自作農創設特別措置法五條の「近く」の適用は受けないものでしようか。私はこの近くは大体一年と聞いておりますが、農林当局の御見解を承りたい。  次に前にも述べましたように、除外決定を受けておらぬことを理由とするのほか、一面この土地買收にあたつて、あたかも軍の暴圧があつたがごとく宣傳し、軍に対する國民呪詛的感情を利用しておるが、これが虚妄であることは、他の関係町村等の事例を十分御調査されれば、軍の暴圧等の全然なかつたことが明らかになるのであります。ただ本採取場用地は、丸山ダム建設に不可欠なる理由により、一部利権屋の砂利会社設立等、多年にわたる策動等があつたので、買收に際してこれら不純分子除外するため相当手間取つたことが、今また形をかへて再燃しているようにも見受けられるのであります。日発はこのような不当な決定に服することはできぬので、十二月十三日岐阜縣農地委員会に提訴したのでありますが、縣農地委員会もまた、地元委員会の弁明する前に述べた三点と、軍の暴圧による買收、砂は加茂郡太田町附近愛知縣庄内附近にあるから輸送すれば足る。この立論にあたり前提たる砂及び砂利所要数量百五万トンを、單に五万トンと誤認して裁決理由とし、これを唯一の根拠として、地元委員会処置を適法と認めて十二月二十六日訴願を却下したのであります。これは根本的に事実の認定を誤つた不法な処置と思うが、この点当局はどう考えておるか。  なお日発側でも問題の最終的決定を阻止するため、岐阜地方裁判所に対して、昭和二十三年二月二十四日不法裁決取消請求訴訟を提起したのであります。また現在これらの土地供出税等が減免されているとの事も聞いたのでありますが、この点についても農林当局の責任ある御答弁を願つておきます。
  14. 松島淳

    松島農林事務官 お答えいたします。ただいまお述べになりました自作農創設特別措置法五條第五号の近くという字句の解釈でありますが、農林省は大体一年までと指導しております。しかしこれは必ずしも固定したものでなく、特別なものが例外としてあり得るわけであります。末端においては往々固定されたものと誤解しておる向きもあります。この問題もあるいはその一つの例と考えることができます、しかしこの丸山所電所の問題は、買收計画を立てます当時には、大体昭和二十六年度より着工予定なつていたようでありまして地元農地委員会としては、嚴格に「近く」を一年と解釈しなくても、昭和二十六年では相当期間があり、その時期でもなかつたから、「近く」とは認められないとして買收計画を立てたようであります。この点につきましては目下訴訟なつておりますので、十分審議せられるとともに、解決見込みも十分あるものと思つております。  次は砂の問題でありますが、ただいま問題になつております土地は、土地そのものが必要なのではなく、砂さえとればよいのでありますから、その砂をとつた後、どの程度復旧するかの問題について、当事者の間に了解が不十分であるようでありまして、この点両者了解ができれば、問題の解決は容易ではないかと思われます。  次は食糧供出関係農地改革との問題でありますが、食糧供出しているいないの問題と、農地改革とは別個の問題でありまして、関連づけるべきではないという指導をいたしております。  所得税が減免されている、いないの問題も、農地改革とは別個の問題でありまして、從來から農地改革は、現況農地であるという点からのみ判断して取扱つてきております。なお所得税の減免されている所は、供出も軽減されておるということが考えられるのであります。  次に買收の当時あたかも戰時中で軍の威力によつて強制的に買收されたという問題は、直接農地買收とは関係がないのでありまして、また関係づけるべきではないと考えます。從來からさように指導もいたしておりますが、農民にとつては無理からぬこととも思われますが、往々感情的になる場合もありますことは事実で、この問題もあるいは感情的な面があるかと思かれます。  次に裁決書に記載された砂の数字間違つているという点でありますが、何しろ農地改革は二箇年で完了しなければならないことになつておりますので、その問惡意ではないのでありますが、多少の無理もありまして、数字間違つて書かれるということもあつたのではないかと思われます。この点裁決書の檢討が足らなかつたものと思われますが、この数字のもとの数字間違つていなかつたようでありますし、いずれ訴訟においても審議されることではありまた間違つていたものは当然訂正せしむべきであると思います。  最後に問題の土地から砂を採取するものとして、その採取間農地として利用不可能となり、いつになつたら再び農地復旧するか、その間関係者双方に釈然としない点が見受けられるようでありますが、これは地元農民としても何年後に、また如何なる程度農地復旧するかという点がもう少し明瞭になり、農民にこれに対する安全感とでもいうべきものを與えれば、問題解決はさして困難とは思われないものと考えます。  いずれにしても地元縣当局でも、これが解決について目下調停斡旋に乘り出しているようでありますから、今しばらく時間を置いていただきたいのであります。
  15. 前田榮之助

    前田委員長 これにて電氣委員会の議事は全部終了いたしました。  この際委員長より一言御挨拶を申し上げます。未曽有の長期にわたりました第二回國会開会中に引続き、開会中もまたこれが審査を継続せられ、電氣事業のためきわめて熱心かつ愼重に協議を重ねまして、本日ここにめでたく所期の目的を達成し得ましたことについて、委員各位とともに衷心よりお喜びいたしますると同時に、各位の御努力に対しましては、委員長といたしまして厚く御礼申し上げる次第でございます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十七分散会