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松島農林事務官 お答えいたします。ただいまお述べになりました
自作農創設特別措置法第
五條第五号の近くという字句の解釈でありますが、
農林省は大体一年までと
指導しております。しかしこれは必ずしも固定したものでなく、特別なものが例外としてあり得るわけであります。末端においては往々固定されたものと誤解しておる向きもあります。この問題もあるいはその一つの例と考えることができます、しかしこの
丸山所電所の問題は、
買收計画を立てます当時には、大体
昭和二十六
年度より
着工の
予定に
なつていたようでありまして
地元農地委員会としては、嚴格に「近く」を一年と解釈しなくても、
昭和二十六年では
相当期間があり、その時期でもなかつたから、「近く」とは認められないとして
買收計画を立てたようであります。この点につきましては目下
訴訟に
なつておりますので、十分審議せられるとともに、
解決の
見込みも十分あるものと思
つております。
次は砂の問題でありますが、ただいま問題に
なつております
土地は、
土地そのものが必要なのではなく、砂さえとればよいのでありますから、その砂をとつた後、どの
程度復旧するかの問題について、当事者の間に
了解が不十分であるようでありまして、この点
両者了解ができれば、問題の
解決は容易ではないかと思われます。
次は
食糧の
供出の
関係と
農地改革との問題でありますが、
食糧を
供出しているいないの問題と、
農地改革とは
別個の問題でありまして、関連づけるべきではないという
指導をいたしております。
所得税が減免されている、いないの問題も、
農地改革とは
別個の問題でありまして、
從來から
農地改革は、
現況農地であるという点からのみ判断して取扱
つてきております。なお
所得税の減免されている所は、
供出も軽減されておるということが考えられるのであります。
次に
買收の当時あたかも戰時中で軍の威力によ
つて強制的に
買收されたという問題は、直接
農地買收とは
関係がないのでありまして、また
関係づけるべきではないと考えます。
從來からさように
指導もいたしておりますが、
農民にと
つては無理からぬこととも思われますが、往々感情的になる場合もありますことは事実で、この問題もあるいは感情的な面があるかと思かれます。
次に
裁決書に記載された砂の
数字の
間違つているという点でありますが、何しろ
農地改革は二箇年で完了しなければならないことに
なつておりますので、その
問惡意ではないのでありますが、多少の無理もありまして、
数字の
間違つて書かれるということもあつたのではないかと思われます。この点
裁決書の檢討が足らなかつたものと思われますが、この
数字のもとの
数字は
間違つていなかつたようでありますし、いずれ
訴訟においても審議されることではありまた
間違つていたものは当然訂正せしむべきであると思います。
最後に問題の
土地から砂を
採取するものとして、その
採取の
間農地として利用不可能となり、いつに
なつたら再び
農地に
復旧するか、その間
関係者双方に釈然としない点が見受けられるようでありますが、これは
地元農民としても何年後に、また如何なる
程度に
農地に
復旧するかという点がもう少し明瞭になり、
農民にこれに対する
安全感とでもいうべきものを與えれば、
問題解決はさして困難とは思われないものと考えます。
いずれにしても
地元縣当局でも、これが
解決について目下
調停斡旋に乘り出しているようでありますから、今しばらく時間を置いていただきたいのであります。