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1948-07-03 第2回国会 衆議院 電気委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月三日(土曜日)     午後五時一分開議  出席委員    委員長 前田栄之助君    理事 村上  勇君 理事 櫻内 義雄君       加藤隆太郎君    夏堀源三郎君       根本龍太郎君    水田三喜男君       石野 久男君    上林與一郎君       境  一雄君    成瀬喜五郎君       栗田 秀雄君    川越  博君       坪井 亀藏君    秋田 大助君       岡部 得三君  出席政府委員         商工事務官   玉置 敬三君         専門調査員   落合 高次君         専門調査員   大石 主計君 七月三日委員内藤友明君辞任につき、その補欠と して坪井亀藏君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の開議に付した事件  電力行政に関する件   請願  一 熱海市に電力割当増加請願山崎道子君    紹介)(第二一号)  二 湯河原町に電力割当増加請願松谷天光    光君紹介)(第二四号)  三 家庭用電力及び燃料確保請願山口靜江    君紹介)(第一二〇号)  四 奥尻村に水力発電施設設置助成請願(冨    永格五郎紹介)(第一四四号)  五 生鮮食料品輸送用氷製造電力及び冷凍電    力増配請願冨永格五郎紹介)(第一    四六号)  六 電力増強等に関する請願山花秀雄君紹    介)(第二三二号)  七 山形縣電力割当増加請願海野三朗君    紹介)(第四二六号)  八 秦野町外四箇町の電氣事業経営還元請願    (中曽根康弘君外四名紹介)(第四九九    号)  九 高知懸内大口電力電氣料金引下請願(林    讓治君外四名紹介)(第六三〇号) 一〇 農業用水用電力確保に関する請願角田幸    吉君紹介)(第六八〇号) 一一 絹人絹織物業者電力割当増加請願(川    合彰武紹介)(第七〇〇号) 一二 電力復興に関する請願山本幸一紹介)    (第七〇二号) 一三 配電事業縣営に関する請願山下春江君紹    介)(第七五八号) 一四 静岡市における電氣事業市営復元に関す    る請願岡野繁藏紹介)(第九六一号) 一五 配電事業縣営に関する請願淺利三朗君外    七名紹介)(第九九八号) 一六 南那珂郡の電氣事業公営復元に関する請    願(川越博君外一名紹介)(第一〇二八    号) 一七 本島、廣島及び與島三村の電化に関する請    願(福田繁芳紹介)(第一〇九二号) 一八 大牧発電所返還請願金子益太郎君紹    介)(第一二五九号) 一九 九州地方電力増強対策に関する請願田中    松月紹介)(第一二八二号) 二〇 日本軽金属株式会社に対する電氣需給調整    規則適用解除請願櫻内義雄紹介)    (第一四五五号) 二一 電氣料金適正價格決定に関する請願(的    場金右衞門紹介)(第一六六五号) 二二 配電業務町村移管請願的場金右衞    門君紹介)(第六六六号) 二三 電力使用超過料金徴収並びに電氣ガス税創    設反対の請願前田榮之助君紹介)(第一    七二一号) 二四 電氣事業編成に関する請願前田榮之助    君紹介)(第一七二四号) 二五 超重点産業復興のための電力開発並びに鉄    道電化促進に関する請願石野久男君紹    介)(第一七六四号)   陳情書  一 九州電力事情緩和対策に関する陳情書(第    七号)  二 電力増強に関する陳情書(第四二号)  三 東北地方電源開発促進に関する陳情書(    第七一号)  四 電力危機打開促進に関する陳情書(第七五    号)  五 農繁期電力特配に関する陳情書(第七六号    )  六 電力危機突破対策に関する陳情書(第八六    号)  七 中小自家発電事業開発助成に関する陳情書    (第一一〇号)  八 只見川水系水力発電開発に関する陳情書(    第一一四号)  九 適正配電に関する陳情書(第一一八号) 一〇 電氣供給事業還元に関する陳情書(第一    二三号) 一一 電力制限緩和に関する陳情書(第一二七号    ) 一二 産業用電力確保陳情書(第二四八号) 一三 電氣配給事業縣営移管陳情書(第二六    九号) 一四 只見川水系水力発電開発促進陳情書(第    二九〇号) 一五 配電合理化に関する陳情書(第三二九号    ) 一六 発電水利使用料の引上に関する陳情書(第    三五四号) 一七 電氣配給事業都市移管陳情書(第四    五五号) 一八 電力統制方式に関する陳情書(第四五六号    ) 一九 電氣事業細分化反対陳情書(第五三五    号) 二〇 電氣事業編成計画に関する陳情書(第五    六二号) 二一 電氣配給事業の懸有縣営に関する陳情書(    第五七九号) 二二 電氣配給事業を都道府縣移管陳情書(    第六九五号) 二三 同(第七二六号) 二四 灌漑排水用電力確保等に関する陳情書(    第七三八号) 二五 電氣事業編成に関する陳情書(第七七六    号) 二六 電氣事業細分化反対陳情書(第八一一    号) 二七 電氣配給事業縣営移管陳情書(第八    四一号) 二八 灌漑排水用電力料金引上反対の陳情書(第    八四五号) 二九 電氣配給事業縣営移管陳情書(第八    七五号) 三〇 電氣配給事業都市移管陳情書(第八    七六号) 三一 電氣配給事業縣営移管陳情書(第八    八六号)     —————————————
  2. 前田榮之助

    前田委員長 これより会議を開きます。  議事に入る前に委員の異動について、御報告いたします。本日國民協同党内藤友明君が委員を辞任せられ、その補欠として、同じく國民協同党坪井亀藏君が、議長において委員に指名せられました。以上御報告いたします。それでは議事に移ります。まず請願審査をいたします。請願審査方法従前通りといたしまして、その可貧は全部一括して決することにいたしたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めまして、そのように取計らいます。日程第一、第六及び第十は六月九日、日程第二乃至第五、第七及び第八は五月七日、日程第九、第十三、第十四及び第十五は六月三日、日程第十一、第十二、第十六及び第十七は六月二十五日の各委員会審査いたしており、これは後刻他の請願と一括して、その可否を決することといたしまして、日程第一八、大牧発電所返還請願議題といたします、紹介説朗を求めます。
  4. 櫻内義雄

    櫻内委員 紹介議員が見えておりませんので代つて私が説明いたします。小請願趣旨富山縣東礪波内庄川水系利根川筋大牧発電所は、戰時中政府代行機関たる日本発送電株式会社に没収され、その後何らの補償も與えられず現在に至つている。ついては大牧発電所を返還されたいというのでありまして、十分審査いたされまして、何とぞ御賛同あらんことを御願いいたします。
  5. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  6. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。人牧発電所は現に日本発送電株式会社で総合的に運営しておりまして、発電及び送電國家的見地から統制しているのでありまして、大牧発電所を返還することは考えていないのでございますが、譲渡價格の折合わない点については、当事者で折衝の上、円満に解決を図られたいと、このように考えております。
  7. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第一九、九州地方電力増強対策に関する請願議題といたします。紹介説明を求めます。
  8. 栗田英男

    栗田委員 紹介議員田中松月君が御出席になりませんので、私が代つて文書表によつて説明いたします。九州地方電力増強対策に関する請願は、九州電力問題を解決することは日本再建の第一の課題であり、前提である。ついては西日本送電幹線建設と周波数の統一上椎葉貯水池式発電所開発並び築上その他火力発電所建設等を実現されたいというのであります。
  9. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  10. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。九州地方電力増強につきましては、色々な対策を講じているのでございますか、まず西日本送電幹線建設につきましては、昭和壁十五年度完成目標といたしまして、廣島、徳山間は昭和二十二年六月着工いたし、引続き伊丹、姫路間を着工すべく準備を進めでいるのでございます。なお、この送電計画附帯工事として北九州五〇、六〇サイクル両地域間の速絡を強化する必要上、嘉穂木佐木送電線も着工せられ、併せて戸畑発電所三号機を六〇サイクルに改造工事中であり、これら一聯の工事によつて北九州電力を強化しつつ、サイクル統一に必要な態勢を作つているのでございます。上椎葉貯水池式発電所開発につきましては、第一期工事といたしまして四万キロワットを開発すべく、昭知二十三年着工、昭和二十七年末発電所完成、二十八年末堰堤完成予定のもとに鋭意関係方面の了解を得べく努力している次第でございます。最後に、築上火力その他火力発電所建設につきましては、その必要を認めているのでございますが、本年度資材特に鉄鋼割当量関係から、計画に入れていないのでありますが、明年度から着工すべく準備中でございます。さよう御了承を願います。     —————————————
  11. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二〇、日本軽金属株式会融に対する電氣需給調整規則適用解除請願議題といたします。紹介説明を求めます。
  12. 櫻内義雄

    櫻内委員 本請願要旨は、日本軽金属株式会社は、アルミニウム製造のため自家用発電所として波木井及び富士川第一交流発電所と、富士川第二直流発電所を所有していたところ、先般告示された電氣需給調整規則により、前述の直流第二発電所発生電力は、日本発送電会社に供出を命ぜられ、木工場は新たに割当制電力をもつて操業しなければならないことになり、会社の存立が危ぶまれるに至つたのであります。ついては前述いたしました直流第二発電所を該規則適用から解除されたいというのであります。何とぞ十分審査せられ、御採択あらんことを御願いいたします。
  13. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  14. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。日本軽金属富士川系統に四発電所があり、これらの中佐野川発電所自家用発電所として建設せられたものであるのでございますが、波木井富士川第一及び第二の三発電所は、電氣事業法による電氣事業用発電所としての許可を受けて建設せられたものなのでございます。  この三つの発電所の中富士川第二発電所については、その直流発電所たる特殊性に鑑み、これを同社の専用にさせておるのでございますが波木井及び富士川第一発電所については、その発生電力の大部分を日本発送電株式会社供給しておる実情に鑑みまして、同社電氣需給調整規則に基く電氣事業者として指定し、両発電所日本発送電株式会社所有の各発電所と総合的に運轉を行わしめておるような状態でございます。同社はただいまアルミニウム増産計画により、電力増加使用を要することとなつておりますが、経済安定本部決定増産計画達成のために補給を要する電力は、豊水期において、約七、五〇〇キロワット渇水期において約三、〇〇〇キロワットであり、両発電所発生電力の一部を供給すれば足りるものであります。現下の逼迫した電力事情下において、両発電所のごとき大容量発電所発生電力を、日本軽金属一社のみに自由に使用せしめることは、電力需給調整上に少なからぬ影響を與えるとともに、一般電力系統より窮屈な電力供給を受けておる一般需用家との均衡上からも適当でないと思われるのであります。なお電氣事業の再編成につきましては、目下商工省委員会を設置し審査中でありますから、本件につきましても今後研究を進めていくことといたしたいと思つている次第でございます。     —————————————
  15. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二一、電氣料金適正價格決定に関する請願議題といたします。紹介説明を求めます。
  16. 川越博

    川越委員 紹介議員が御出席になりませんので私が代つて御説明いたします。本請願要旨電氣従業員の給料の大幅引上げにより、現在電氣料金値上げが予想されるのでありますが、こうなりますと窮迫している庶民生活に大なる影響を與えるに鑑みまして、電氣料金を米の公定價格均衡するよう決定されたいというのであります。
  17. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  18. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。電氣料金は去る六月二十三日附を以て一率に單位引上げが行われたのでございますが、これは人件費火力用石炭費修繕等の高騰に伴うやむをえざる措置でありまして、この程度の値上げをもつてしても、過去の赤字補填及び配当等は見込まれていないので、單に自立運営最小限度の経費が織りこまれただけでございます。米價との均衡價格の比較は困難であるのでございますが、電氣事業実情から離れて、他の物價との均衡のみから料金決定することは、現状において不可能であるのでございます。さよう御了承を願います。     —————————————
  19. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二二、配電業務町村移管請願議題といたします。紹介説明を求めます。
  20. 加藤隆太郎

    加藤(隆)委員 紹介議員が見えませんので私より代つて御説明いたします。本請願要旨配電会社経済力集中排除法により解散いたしますので、発送電業務政府において、またその他の業務府縣で管理するとのことでありますが、その他の業務希望町村移管されたいというのであります。何とぞ十分御審議の上、御採択くだされんことをお願いいたします。
  21. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  22. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。電氣事業の再編成に関する基本方針及びその具体策につきましては、現在電氣事業民主化委員会において調査検討しておりますので、その結論等をまつて措置したいと考えておる次第でございます。さよう御了承を願つておきます。
  23. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二三、電力使用超過料金徴収並びに電氣ガス税創設反対請願議題といたします。  電力使用超過料金徴収並びに電氣ガス秘創設反対請願は、不肖私が紹介有でありますので、この席から説明いたします。本請願要旨は、現行の超過料金制度は、割当量が不当で戰時中の厖大なる契約をそのまま持続して、しかも定額需要者及び協定需要者超過料金適用されぬ等妥当性を欠き、害が多いのであります。ついては、電力使用超過料金徴收を解消するとともに、生産用基礎資材であり、かつ比活必要物資である電氣ガスに対する課税は、大衆搾取の悪税であるから、これの創設を中止されたいのであります。  本請願に対する政府所見を質します。
  24. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。超過加算料金は、電力需要を抑制して、供給均衡せしめるために設けられたものでありますので、他により適当な方法がない限り、その撤廃は現在のところ困難であるのでございます。次に電氣ガス税徴収については、商工省といたしましては、必ずしも賛意を表し難いのでございますが、地方財政現状に鑑みますと、やむを得ない面もあると考えておるのでございます。さよう御了承を願います。     —————————————
  25. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二四電氣事業編成に関する請願議題といたします。  本請願不肖紹介でありますので、この席から説明いたします。全國電力協議会は、本年五月二十一日及び二十二日の結成大会において、一、電氣事業需要者を搾取し、また誤まつた官僚統制を受けるような形態であつてはならない。二、本事業は、公共事業であるから、念速民主化させねばならない等を決議したのでありますから、本原則に基いた電氣事業の再編成の確立に協力されたいというのであります。  本請願に対する政府所見を質します。
  26. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。電氣事業の再編成につきましては、すでに電氣事業民主化委員会におきまして調査検討しておりますから、その結論等をまつて措置した、と考えておる次第であります。さよう御了承を願います。     —————————————
  27. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。日程第二五、超重点産業復興のための電力開先並びに鉄道電化促進に関する請願議題といたします。
  28. 石野久男

    石野委員 本請願要旨は、わが國経済復興の基盤は、まず第一に動力源確保及び輸送力増強に置かねばならないのであります。しかして石炭及び石油資源に乏しいわが國におきましては、水力をもつて基幹動力きなす必要があり、さらに國鉄電化こそは石炭の節約と輸送力増強をもたらし、経済を再建する上の最大の急務なのであります。つきましては本年中に水力発電を約百万キロ開発するとともに、鉄道六千キロの電化工事に着手されたいというのであります。
  29. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  30. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。わが國のエネルギー源現状からみまして、石炭に代えて水力電氣をもつて経済復興の原動力とすべきことは、まつたくその通りであると考えまして、電力復興五ヵ年計画におきましても、電力経済復興のネックにならないよう計画檢討中であります。なお、電源開発については、右の計画に織りこみ、関係方面折衝努力中であります。さよう御了承を願います。     —————————————
  31. 前田榮之助

    前田委員長 以上をもちまして、請願全部の紹介説明及び政府所見陳述は終了いたしました、それでは請願全部すなわち日程第一より第二十五までを一括議題とし、その可否を決します。
  32. 櫻内義雄

    櫻内委員 日程第一乃至第七、第九乃至第十二、第十七、第十九、第二十一、第二十三及び第二十五の各請願はいずれもその趣旨が至当と認められますから、採択の上内閣に送付すべきものと議決せられんことを望みます。なおその他の各請願は種々問題がありますから、その可否決定はこれを延期せられんことを望みます。
  33. 前田榮之助

    前田委員長 ただいまの櫻内委員の御意見に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なし認めます。よつて日程第一乃至第七、第九乃至第十二、第十七、第十九、第二十第二十三及び第二十五の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものとし、その他の各請願はいろいろ問題がありますから、その可否決定はこれを延期することに決しました。  この際ただいま採択いたしました請願報告書について、お諮りいたします。これは従前通り委員長において作成の上議長に提出するに御異議はありませんか。     〔「異議なしと呼ぶ者あり」〕
  35. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めます。それでは後刻委員長より文書をもつて議長に提出いたします。     —————————————
  36. 前田榮之助

    前田委員長 次に陳情書審査いたします。この際陳情書審査に関してお諮りいたします。今会期に本委員会に送付せられました陳情書は、本日の日程通り三十一件であります。この日程全部、すなわち日程第一より第三十一まで一括議題とし、陳情文書表について、それぞれ政府所見を質しました後、陳情書全部について、本委員会の態度を決することといたしたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めます。それでは日程第一より第三十一までを一括議題とし、陳情文書表について、各陳情書に対する政府所見を質、します。
  38. 玉置敬三

    玉置政府委員 それでは文書表につきまして、御説明いたします。日程第一につきましては、受理当時は渇水のはなはだしい時期であつたのでございますが、現在は降雨量も相当増してきましたし、火力発電施設につきましても、九州山口地区火力緊急整備補修促進協議会も設置せられ、修理は相当進捗している状況でありますので、電力事情は当時に比べ大分緩和されているはずでございます。なお、発電施設拡充については目下計画案を策定中であり、事情の許す限りこれが拡充を図る予定でございますが、施設設備につきましては、前年に引続き九州火力緊急整備補修を実施する予定でございます。次に中國方面よりの送電につきましては、必要に應じ電力事情設備容量の許す範囲内で増強する考えでございます。  日程第二につきましては、千葉の印幡手賀沼國営干拓事業を中心に、土地改良等農林関係の諸計画があるのでございますが、現在の電力供給力をもつてしては、これらの需要を充足することは困難でありまして、これを解決するには新たに送電網を確立し、徹底的電力増強を図る必要があるのでございます。当局におきましてはその緊急性を認めまして、農林省、國営事業縣営事業その他関係方面の諮事業を統合して、昭和二十三年及び將來の需要を見通しまして、これに対する供給計画を立てるべく、目下関係官聴電力会社研究中でございまして、さしずめ二十三年度計画を至急決定いたしまして、電力増強を図りたいと思つている才第でございます。  日程第三の東北地方電源開発につきましては、現在次のように二十三年度計画として考えております。すなわち、工事中の発電所といたしましては、宮下を二十三年度発電予定は一〇、五〇〇キロワット、二十四年度に七、八〇〇キロワツド、先達は二十三年度完成予定で五、一〇〇キロワット、新花山も二十三年度完成予定で八七〇キロワット、第二に工事中止地点の再開といたしましては、夏瀬これは一九、〇〇〇キロワットで二十五年度完成予定でございます。第三といたしまりて新規地点のものといたしましては、沼沢沼、四三、六〇〇キロワット二十四年度に、法量六、〇〇〇キロワット二十五年度に、岩淵二七、九〇〇キロワット、二十六年度は、田子倉一一四、〇〇〇キロワツト、二十八年度各々完成予定でございます。なお、この他に十和田湖、猪苗代湖の利用増加及び北上川、只見川筋開発も考え、現在調査を進めておる次第でございます。  日程第四の電力危機打開促進に関する件につきましては、電力事業民主化の問題でございますので、目下研究中でございます。近く委員会を設けて早急に結論を出したいと考えておる次第でございます。火力発電用石炭確保につきましては、鋭意努力しており、本年度第四四半期七十万トンのものを、百二十二万一千トンに増加し、必要電力量確保に努めているのでございます、また家庭用燃料につきましては、総合燃料対策に基いて、薪炭の確保に努力しておるのでございますが、なお今後とも努力したいと思つております。電力の配分に当つて事業関係者及び消費者意見を尊重いたしまして、民主的に割当しており、割当後の運用につきましては、電力自制会等自主的活動にも期待しておるのでございます。休電日における賃金の全、額支拂につきましては財政及び金融事情に鑑みまして、困難であるのでございます。日程第五につきましては、今般割当基準に関する告示を改正いたしまして、農繁期商工局長の指定した期間中は、灌漑、排水、脱穀、調製等に対して、電力増配をなすこととしたのでございます。なお鑑用防止のための監視は、今後さらに強化し、不正行為の一掃を期しておるのでございますが、この点につきましては特に民間の理解と協力に期待しておるのでございます。  日程第六につきましては、政府は昨年十一月の閣議決定に基きまして、電力危機突破のため各般の措置を講じ、特に火力発電用炭については、特別の増加割当行つたのであります。しかして來年度においては三百七十万トンの石炭が、電氣事業用として割当られるこどとなつでさいるのでございますが、特に東海地区に対しては、第一、四半期における石炭割当量を一万三千トンとしておるので、よほどの渇水がない限り支障を生することはないものと思われるのでございます。  日程第七につきましては、中小自家用水力開発者に対する発電機及び水車の無價貸與や、建設資金の國庫補給等は、國家財政関係上、現在のところ、要望に添い得ない状態でございます。しかし建設資材につきましては、その計画、設計を適当と認め、認可いたしましたものに対しましてはし当該発生電力の使用目的に應じまして、これを監督する主管廳で、所要のものを割当るようになつているのでございます。  次に日程第八の只見川水系の発電水力開発計画は、昭和二十二年度総合開発調査地点の一つといたしまして、日本発送電株式会社に委託し測量設計を行い、すでにその大部分を終了し目下総合開発協議会において最も有効なる開発方針を検討中であるのでございます。また電力五箇年計画にも奥只見、田子倉の両地点は、二十三年度準備工事着手地点として予定されているのでございます。  次に日程第九の陳情書につきましては、過般の電力危機に除しては、閣議決定に基いて発電事業を優先的に取扱い、所要の資材資金を投入して諸般の施策を強力に実行レ、その効果も相当にあがつたのでありますが、今後ともさらに強力に実行するつもりでございます。すなわち便乗負荷の整理につきましては、おおむね所期の効果をあげ、資材割当も重点的に確保されているのでございます。また晝夜交互配電につきましては、「晝は工場へ、夜は家庭へ」の標語のもとに、電力交互使用を奨励し、家庭の一戸一燈主義の実行につきましても、その周知宣傳を図つたのでございますが、今後ともこの趣旨に基いて、強力に施策を推進していきたいと思つているのでございます。なお本年度の配炭も増加割当予定しておりますので、昨年度のごとき緊急停電は避けられることど思われますが、電力は全産業、全家庭において消費せられるものでありまして、國民全体の協力がなくしては、その消費規正も復興も困難でありますので、國民としても大いに協力せられたいのであります。  日程第一〇につきましては、公納金は配電事業を統合した際、一定の潮間を限つてやむを得ず認めたものでありまして、これが改訂は、國の財政上及び会社経理に関し困難であるのでございます、また電氣供給事業を市営に還元するかどうかは、電氣事業の企業形態をどう再編成するかの根本方針にかかつているので、この点については現在民主化委員会において目下検討中で、その結論等を参考にして決定いたしたいと考えておるのでございます。久に日程弟一一につきましては、従來脱穀、調整用電力は、農事用電力として契約電力五〇キロワツト未満の需用者に対しては、契約一キロワットに対し五〇キロワット時を基準とした割当電力量を供給するごととなつていたのでありますが、三月十八日付の総理廳、商工省告示第一号により、脱穀調整用として四月以降商工局長の指定する期間に限り、契約一キロワットに対し一四〇キロワット時を基準とした電力量を供給することとしたのでございます。なお困難を生ずる場合は、個々の実情に即應して遺憾のなきよう措置を講じたいと思つております。次に日程第一二の電力割当は、産業につきましては、個別業種毎にその重要度及び需用量に感じまして、また一般國民生活用には公平に電力の配分を行つているのでありますから、富山縣のみが不当に割当が少いと云うことは考えもれないのでございます。また産業の重要度と國民生活の安定の見地から、公平かつ優先的に配分することが必要でありますので、特に一地方のみを取り上げることは妥当でないと考えている次第でございます。なお、電力の需給を合理化するため、非生産部閥の電力使用の抑制及び便乗負荷の整理は、つとに努力してきたのでありますが、今後もこれが徹底に努めたいと思つております。  日程一三につきましては、配電事業を公営に移管するかどうかは、電氣事業を全般的にどう再編成するかの根本方針にかかつているのでありますが、この点に関しましては、現に電氣事業民主化委員会におきまして、調査審議することとなつておりますので、その結論等を考慮して、適当な措置をいたしたいと考えておる次第でございます。  次に日程第一四の只見川水系の発電水力開発計画は、昭和二十二年度総合開発調査地点の一つとして、日本発送電株式会社に委託し、測量設計を行い、すでにその大部分を終了いたしまして、目下総合開発協議会において、最も有効なる開発方針を検討中でございます。また電力五箇年計画にも只見川、田子倉の両地点は、二十三年度準備工事着手地点として予定されているような状態であります。  次に日程第一五は、九州地方電力事情を緩和するため、火力発電用炭増配、本州中央部からの塗電導の措置を講じているのでございますが、当地区は炭鉱関係電力需用が相当多く、石炭増産のため必要な電力は、どうしてもこれを賄わなければならないためと、水力発電の僅少なるため等の特殊事情によつて、他の需用部門がある程度圧縮せられることについては同情を禁じ得ないのであります。これがため炭鉱地帯の各種便乗負荷の整理、要確保の需用の再検討、炭鉱工場等一般電力消費者への適正配電と併せて、電力使用の合理化は最も必要なことであると信ずるのでありまして、当局としても積極的に努力しているのでありますが、当局の努力のみをもつてしては、現下の情勢ではきわめて効果が少いと考えられますので、各位の御援助をも大いに期待しているのでございます。  次に日程一六につきましては、現在電氣事業の収支は著しい赤字でありまして、從つて水利使用料の引上げは、企業経営に相当な負担となるのでありますが、地方財政現状にも鑑み、昭和二十二年度下半期には、常時一理論馬力九円以内、特殊一理論馬力四円五十銭以内の料金引上げを認め、また今回の電力料金値上げと関連し、これが引上げについて考慮でございます。  次に日程第一七につきましては、電力事業の再編成に関する基本方針及びその具体策につきましては、現に電氣事業民主化委員会において調査検討しているので、その結論等を考慮して措置したいと考えております。  日程第一八につきましては、日程第一七と同趣旨でありますので、前の答弁をもつて、これに代えます。  日程第一九乃至日程第二三までは同趣旨のものでございますので、日程第一七の答弁をもつて代えさせて頂きまして、次に日程第二四の灌漑排水用電力供給につきましては、從來とも優先的取扱をしてきたのでございますが、受電々力一キロワット当り一箇月の使用電力量として、九〇キロワットを割当てることといたしまして、また所轄商工局長の指定する期間は、受電電力一キロワヅト当り二〇〇キロワット時を割当でることとしておるのでございます。節減の場合も他の産業と比較して特別の優先取扱いをしているのでございます。礎つて今後は灌漑排水に支障を與えるような場合はないと思うのでございますが、その場合は所轄商工局に連絡せられたいと思うのでございます。なお、灌漑排水用電力料金は、現布他の電力料金に比しまして三割引の特別料金制を実施しており、さらにこれ以上の軽減または免除は料金政策及び会社の收支状況からみて、非常に困難であると考えておるのでございます。  次に日程第二五乃至第二七は、雷氣事業の再編成に関する問題でござい検して前の答弁をもつて代えさぜていただきます。  日程第二八につきましては、灌漑排水用電力料金は現在他の電力料金に比し三割引の特別料金制を実施しており、さらにこれ以上の軽減または免除は、料金政策及び会社の収支状況から見て困難と考えられるのでございます。なお、灌漑排水用電力は第一種需用甲類の(イ)として優先取扱をし、その確保を図つており、現在緊急遮断等の措置は講じていないのでありますが、電圧降下、停電等が生ずるのは、他の需用家が割当以上に電力を消費するためと考えられますので、特に一般需用家の自粛を要望いたしますが、当局といたしましても、変圧器、メーター、リミツター等の取付等の手段を講じまして、電力確保に努力したいと考えております。  次に日程二九乃至第三一は、各々電氣事業の再編成に関する問題でございまして、その基本方針及び具体策につきましては、現十作電氣事業民主化委員会におきまして調査検討しておりますので、その結論等をまつて措置したいど考えておる次第でございます。さよう御了承を願います。
  39. 前田榮之助

    前田委員長 それではこれより引続き陳情書全部、すなわち日程第一より第二二までを一括議題とし、これに対する本委員会の態度を決します。
  40. 櫻内義雄

    櫻内委員 各陳情書中には種々問題のあるのもありますが、これらはすべて國民の備わらぬ声でありますから、各陳情書は全部これを本委員会において了承することと議決せられんことを望みます。
  41. 前田榮之助

    前田委員長 ただいまの櫻内君の動議に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めます。よつて日程第一より第三一までの陳情書は全部これを了承するに決しました。     —————————————
  43. 前田榮之助

    前田委員長 次に移ります。電力行政に関する國政調査の件を議題といたします。本委員会におきましては、去る一月三十一日議長の承認を得て、本件について國政に関する調査を行つてきたのでありますが、各委員の熱心な御努力によりまして、この調査は一應達成することができたと信ずる次第でございます。その調査の結果といたしましては、各委員とお打合せの上、印刷物としてただいま諸君のお手許に配付いたしました通りであります。これにつきまして、各委員の御意見を承りたいと思います。別に御意見がないよりでありますから、本印刷物の通り御承認を頂いたものと決定、いたしました。  次に本調査報告書について、お諮りいたします。これは委員長において、ただいまの印刷物の趣旨によりまして、適宜作成の上議長に提出することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めます。それでは文書をもつて、後刻委員長より議長に提出することにいたします。
  45. 前田榮之助

    前田委員長 この際電力局長にお尋ねいたしますが、中國、四國、九州渇水がはなはだしく、田植も三〇%乃至四〇%程度よりできない状態であるのであります。この際電力不足に対する対策として、火力石炭を十分に手配する必要があると思うが、この点、今どのように当局は考えているか。御説明を願います。
  46. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。九州、中國、四囲地区における渇水対策としては、昭和二十三年度電力石炭三百大十五万トン計画に塞ぎまして、極力同地区の貯炭に努力いたしまして、渇水による供給力の不足を補充しているような状態でございます。過般農事用については優先確保するよう指示をして、いるのでございます。さまう御了承を願います。
  47. 秋田大助

    ○秋田委員 十二月から電熱使用禁止となるというようなことを聞いておるのでございますが、ガス用石炭について、十分な措置が講ぜられているかどうか。この点について……。
  48. 玉置敬三

    玉置政府委員 お答えいたします。ガスは熱源として電熱と関連するところがきわめて密接でありまして、綜合燃料対策としても検討せられているのでありますが、安本においては渇水期におけるガス用炭と、電氣事業用炭とを調整し、増配を考えているように了解しているのでございます。
  49. 前田榮之助

    前田委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十六分散会