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1948-05-07 第2回国会 衆議院 電気委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月七日(金曜日)     午後一時三十一分開議  出席委員    委員長 前田榮之助君    理事 村上  勇君 理事 金子益太郎君    理事 櫻内 義雄君       大内 一郎君    加藤隆太郎君       小平 久雄君    中野 武雄君       根本龍太郎君    水田三喜男君       石野 久男君    上林與市郎君       境  一雄君    成瀬喜五郎君       栗田 英男君    吉田  安君  出席政府委員         商工政務次官  正木  清君        商 工 技 官 三ツ井新次郎君  委員外出席者         議     員 山口 靜江君         議     員 冨永格五郎君         專門調査員   落合 高次君         專門調査員   大石 主計君 四月六日 本藤恒松君、堀江實藏君、本田英作君  及び東舜英君が委員を辞任した。 同月同日 水田三喜男君、舟崎由之君、三木武夫  君、有田二郎君及び岡部得三君が議長指名で  委員補欠選任された。 同月十三日 委員有田二郎君辞任につき、その補  欠として平島良一君が議長指名委員に選任  された。     ――――――――――――― 二月二十三日  熱海市に電力割当増加請願山崎道子君紹  介)(第二一号)  湯河原町に電力割当増加請願松谷天光光君  紹介)(第二四号) 三月十六日  家庭用電力及び燃料確保請願山口靜江君紹  介)(第一二〇号)  奧尻村水力発電施設設置助成請願冨永格  五郎紹介)(第一四四号)  生鮮食料品輸送用氷製造電力及び冷凍電力増  配の請願冨永格五郎紹介)(第一四六号) 同月二十五日  電力増強等に関する請願山花秀雄紹介)(  第二三二号) 四月十五日  山形縣電力割当増加請願海野三朗君紹  介)(第四二六号)  奏野外四箇町の電氣事業経営還元請願(中  曽根康弘君外四名紹介)(第四九九号) の審査を本委員会に付託された。 三月十三日  九州電力事情緩和対策に関する陳情書  (第七号)  電力増強に関する陳情書  (第四二号)  東北地方電源開発促進に関する陳情書  (第七一号)  電力危機打開促進に関する陳情書  (第七五号)  農繁期電力特配に関する陳情書  (第七六号)  電力危機突破対策に関する陳情書  (第八六号) 四月八日  中小自家発電事業開発助成に関する陳情書  (第一一〇号)  只見川水系水力発電開発に関する陳情書  (第一一四号)  適正配電に関する陳情書  (第一一八号)  電氣供給事業還元に関する陳情書  (第一二三号)  電力制限緩和に関する陳情書  (第一二七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  湯河原町に電力割当増加請願松谷天光光君  紹介)(第二四号)  家庭用電力及び燃料確保請願山口靜江君紹  介)(第一二〇号)  奧尻村水力発電施設電助成請願冨永格五  郎君紹介)(第一四四号)  生鮮食料品輸送力氷製造電力及び冷凍電力増  配の請願冨永格五郎紹介)(第一四六号)  山形縣電力割当増加請願海野三朗君紹  介)(第四二六号)  奏野外四箇町の電氣事業経営還元請願(中  曽根康弘君外四名紹介)(第四九九号)     ―――――――――――――
  2. 前田榮之助

    前田委員長 これより会議を開きます。  会議に開くにあたりまして、委員派遣に関する件、及び委員の異動について御報告いたします。一月三十一日の本委員会におきまして、尼崎発電所委員を派遣することに決定いたし、直ちに議長のもとに承認申請書を提出いたしましたが、議院運営委員会において、委員派遣は保留と決定し、現在に至つております。  次に四月六日民主自由党東舜英君、社会革新党の本藤恒松君、第一議員倶樂部堀江實藏君、日本自由党本田英作君、以上四名の方々委員を辞任せられ、その補欠として民主自由党有田二郎君、同じく民主自由党水田三喜男君、民主党の舟崎由之君、國民協同党三木武夫君及び無所属の岡部得三君の五名の方々が、議長において委員指名せられました。同じく四月十三日民主自由党有田二郎君が委員を辞任せられ、その補欠として民主自由党平島良一君が議長において委員指名せられました。 それでは議事に移ります、請願審査の方法は從前通り紹介議員説明を聽取し、政府所見の質したのち質疑を行うことといたしまして、その可否は後日一括して決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田榮之助

    前田委員長 御異議なしと認めまして、そのように、取扱うことに決します。  なお紹介議員の御都合によりまして日程の順序を変更することがありますから、あらかじめ御了承を願つておきます。     —————————————
  4. 前田榮之助

    前田委員長 日程第二湯河原町に電力割当増加請願議題といたします。文書表、第二四号、紹介議員松谷天光光君。
  5. 成瀬喜五郎

    成瀬委員 湯河原町に電力割当増加請願書請願人高杉芳平以下三名、紹介議員松谷天光光君。紹介議員が欠席でありますので、私が請願要旨説明申し上げまして、皆樣の御審議を煩わしたいと存じます。要旨は、湯河原町はおのおの湯河原温泉において、戰時傷痍者及び職務傷病患者入湯治療を最大の目的として必要な諸施設をなし、多くの実績をあげつつあるものですが、その治療使用する温泉は自噴するものなく、ほとんど電動力をもつて深長六十間ないし二百間の地下より引上げざれば使用できない状態であります。由來本地温泉外傷治療に非常に効能あり、よつて鉄道逓信厚生團等、こぞつてこの地を所轄、傷病者療養更生地として、鋭意その治療養保育、ひいては職業補導に專念、これらの速やかなる快癒に努力しておるところでありますが、十二月一日より施行する電力使用制限に関する商工省令によると、揚湯唯一の手段としての電動力は終日ほとんど停止するところとなり、治療上由々しき支障を招來するはもちろん、患者精神的動搖もはなはだしきものと考えられ、ここに連署をもつて特別なる御考慮により、何ぶんの緩和方を懇願いたす次第でございます。以上に附け加えまして申し上げたいのは、この温泉は以上の趣旨に見るごとく普通の温泉と違いまして、特に骨折等治療上には非常に古來よりききめが多いということを宣傳され、実際その温泉の効能によりまして治癒せるものは、民間におきましても数知れない状態であります。この点等も附け加えまして、ぜひ皆様方の御審議により採択されんことを切にお願いする次第であります。紹介議員より特に請願人の三名の氏名につきまして申し上げたいのは、東京鉄道局新橋管理部湯河原療養所貿理高杉芳平東京逓信局湯河原逓信療養所所長笠原仁三郎財團法人厚生團湯河原整形外科療養所所長濱田三郎、以上三名でございます。
  6. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見をお伺いいたします。三ツ井政府委員
  7. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 お答え申し上げます。御承知のように電力につきましては昨年の暮以來割当制を実施いたしておるのであります。このような温泉等につきましては、業務用ということになつておりまして、告示の定めるところによつて契約電力相当した割当をいたしておるのでなりますが、その量は非常に少いのであります。こういう特別な地域の特別な需用に対しましては、一應告示でもつてこまかい取極めはできませんために、特殊の事情のある場合にはその事情を考慮いたしまして、電力事情の許す範囲内で、各地方商工局長割当量修正をいたすことに相なつておるのであります。湯河原の問題につきましては、当時そういう陳情がやはり私どもの方にもございましたので、地方商工局これを担当いたしておりますのと名古屋の商工局でございますが、その方へも申傳えまして、適当に修正をいたしておると考えるのでございますが、こういうものにつきましては、一段にそういう取扱いをいたしておりますので、その方で別段支障はないものと考えております。
  8. 成瀬喜五郎

    成瀬委員 ただいま政府委員の方より御答弁がありましたことは、本員がその問題に関しまして、昨年秋御紹介御周旋したことがあるのであります。しかしながら当時は町長以上温泉業者全体の陳情であり、その手続をなされておると思料いたしておりますが、今回のこの請願の三名は、そういつた方面関係あると考えられまするが、いかなる事情のもとに特にこういう請願をいたしたかということについては、残念ながら本員は承知いたしておりません。從つてよろしくこの際、政府の方から請願人三名に対しまして、最前の説明趣旨周知方をお願いしたい、かように存じます。
  9. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 承知いたしました。
  10. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見はございませんか。
  11. 栗田英男

    栗田委員 今まで湯河原町の電力の増配に関しては、昨年の電力飢僅のときにも町の代表者である町長以下が上京されまして、電氣委員会陳情し、あるいは請願も出ておつたと私記憶しておりますが、その点御記憶がありましたら、どうなつておるかお伺いいたします。
  12. 前田榮之助

    前田委員長 委員長からお答えいたします。第一回國会の本委員会請願がまいりまして、審議をいたしまして一應採択をいたしております。
  13. 栗田英男

    栗田委員 わかりました。
  14. 前田榮之助

    前田委員長 御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  15. 前田榮之助

  16. 山口靜江

    山口靜江君 請願者東京都千代田区有樂町一ノ三、日本電氣協会内電氣燃料対策婦人協議会代表村上秀子氏の提出いたしましたところの、家庭用電力及び燃料確保請願について御説明申し上げます。  現下の企業におきましても、また各家庭におきましても、切実なる問題といたしまして電力の問題が取上げられ、然々対策が講じられておりますが、本年の冬季実情は、大衆の要望は百パーセント実現いたしておらない現状にございます。ここに電氣燃料対策婦人活議会を中心にいたしまして、各家庭婦人勤労婦人生活協同組合婦人によりまして、電力並びに燃料確保により、いくらかでも安定した生活を実現いたしたいとの切実なる叫びによりまして、家庭用電力及び燃料確保請願が、ここに提出されたのでございます。來るべき冬季には、この請願趣旨を生かされて、十分なる対策を講じられたいと念願いたしておる次第でございます。ここに請願趣旨を御説明申し上げたいと存じます。  電力の欠乏は、今日私ども國民にとりましては、経済生活の破綻を目前に控えておる重大問題となりつつあります。電力にかえるに他の燃料をもつてするといつたことも、まつたく掛声だけであつて配給によつては日々の生活に少しも燃料は確保されず、木炭、薪の滯貨の山を前にいたしまして、空しくそれが立腐れになるのを、手をこまねいて見ていなければならない実情でございます。しかも最近安本案として取上げられております煉炭のごときも、一部この配給はひどい品質のものでありまして。とうてい代用のできるようなものではないのであります。しかし私ども都民は生のものを食べることはできないのであります。やみ價格にあえぎながらも、わずかの燃料を機面いたしまして、生きております。今日ここに集まりました私ども家庭主婦たちの間からは、日々の苦労につき悲痛な叫びがあがり、電氣関係勤労婦人たちは、約束されない材料、苦しい労働條件について訴え、また自分たちの手で持つてくれば、いくらでも安く急速に持つてこられるのに、統制規則にし縛られて、切歯しなければならない。生活協同組合主婦たちは、民主的機関配給集荷権を與えよと、色はゲしく要望するなど、無数の問題や要望が続出したのであります。今日のような電力減配状態では、とうていこの冬を迎えることはできないのでありまして、政府当局勇断善処を切に希望するものであります。各婦人團体労働組合生活協同組合を代表する私たちは、從來のような政府数字の羅列で辻つまを合わせた答弁を願つているのではないのでありまして、ただちに家庭に、その実際のものが、安心のできるだけ届けられることを要望するものでございます。  以下四つの項目にわけまして要請されております。家庭電燈最低必要量を確保してもらいたい電熱器は実際上使用困難につき、薪炭最低必要量を緊急に配給してもらいたい。滯貨燃料都内搬入を認めてもらいたい。燃える加工炭配給してもらいたい。以上でございます。  よろしく各委員におかれましては、御審議の上、御協力賜わりたいとお願い申します。
  17. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見をお伺いいたします。三ツ井政府委員
  18. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 お答えいたします。ただいまの趣旨の御説明に対しまして、所管の電力の方の関係のことを申し上げたいと思うのでありますが、実は今お話によりますと、薪炭加工炭の方の問題が非常に重要に拜聽いたしておるのでありますが、この点については別の係の方から御答弁がなされなければならぬと、考えるのであります。從つて電力の面について御答弁申し上げます。家庭用電燈最低限を確保しろということでございまして、これにつきましては、この冬は遺憾ながら非常に緊急停電が頻発をいたしました。ああいう状態をさらに繰返すということは非常に遺憾なことと考えるのであります。電力割当制度が実施されましたのも、その対策の一つでありますが、割当制度がだんだん軌道に乘るにつれまして、二月ごろからは緊急停電も割合に減つてまいつたのでございます。  そこで來年の対策でございますが、これは今申されましたように、電熱家庭用薪炭との総合対策を、今年こそは強力に実現させなければならぬと考えるのであります。それについて電力の面といたしましては、本年度電力需給から見て、産業用電力相当大幅に殖やさなければならぬということが一方にございますので、電燈につきましては、この冬に割当てたと同じものを、やはり四月以降も割当制度の継続をいたしたのでございます。  すなわち一般家庭用については、月に二十キロワツト時を最低限として確保する。これは六十ワツトと四十ワツトの電球を各一戸毎日五時間つけられるほかに、普通のラジオを六時間使用できるという量でございます。なお同居世帶につきましても、同樣の趣旨によつて、この冬よりも多少殖やしまして、十五キロワツト時というものを最低限として確保することに、告示改正をいたしまして、電燈及びラジオは確保するという建前にいたしたのであります。なおアパート、寄宿舍等につきましても、大体これと同樣の取扱いをした改正をいたしたのであります。これは先ほど申しましたように、一月から三月までの実際の割当と同じようなものでございますが、夏の日照時間の関係から、実質的には從來の多に比べましては、二割程度増加となると考えるのであります。家庭用電燈については、こういうふうにできるだけの最低のものに圧縮をいたしまして、その余りを産業用の方に振向けようという方針でございます。昨年は石炭の手当が十分でございませんでしたが、今年においては石炭割当も昨年よりは非常に増加をいたしまして、昨年は実際電氣事業として使つた石炭の量は、二百二十万トンくらいでございましたが、本年度は現在きまつております量が、三百七十万トンということになつておりますので、多分における貯炭を十分にいたすと同時に、火力補修を十分にいたしまして、昨年のような失態のないように今から計画をいたしておる次第でございます。  なお家庭用燃料につきましては、電力及び薪炭総合対策安定本部において立てたのでございますが、それに即應して電力の方としては、四月から十一月までを電熱を使つてもらうということにいたしました。十二月以降につきましては、まだ告示でははつきりはいたしておりませんが、できるならば電熱はやめてもらいたいという方針でございます。そのために、四月からは一世帶当り、薪炭消費縣都市については四十五キロワツト時の割当をいたしております。また乙地区と申しまして、その消費縣以外生産縣都市に対しては、三十五キロワツト時を割当てることにいたします。もつとも九州だけは、例外として電力配当はいたさないのでございますが、こういうふうにしてこの量は大体從來割当の五割増でございます。この期間における薪炭の入手されたものについては、できるだけこれを食い延ばしていただきたいということを、電力の方としては切望いたしておるのでございます。なお電熱使用に対しては、告示によつて午後五時から八時までは使用をやめていただきたいというふうに告示に出しておるのでございますが、これらについては、自制会その他の方面方々の協力を得て、このために緊急停電が起らぬように努めたい、かように考えておるのでございます。薪炭加工炭その他のことにつきましては、安本における総合燃料対策の方で、鋭意努力をいたしておるということを私から附け加えておきます。
  19. 山口靜江

    山口靜江君 ただいま御説明の承りまして、よくわかりました。何分今後とも御盡力を賜わりたくお願い申し上げます。
  20. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見はありませんか。
  21. 栗田英男

    栗田委員 御承知のように家庭燃料電力の問題とは、きわめて密接なる関係がありまして、昨年も家庭用燃料配給が十分でないために、つい生米は食べられないので、スイツチをひねればすぐ米が炊けるというような状態から、電力危機を招いたというようなことが重大な原因でありまして、本委員会においても、昨年の十月十八日に電力危機突破に対する決議案なるものを採択し、その決議をした重要な項目としては、総合燃料対策の樹立ということが、きわめて重要な問題として取上げられたのであります。そこで政府といたしまして、昨年の十一月十五日に経済安定本部より電力危機突破対策要綱なるものを発表したのでありますが、その内容は、特に今の停電を防止するために、リミツターあるいはメーターを百五十万箇つくるとか、あるいは新規電源を第四四半期中に七十五万キロ開発する、その他第三項としては総合燃料対策を樹立して、家庭電熱器を使わないでも済むように、最少限燃料を確保するというような、大綱を発表しておりますけれども、これがどのように実行されたかという概要を承りたいのであります。
  22. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 ただいまの緊急対策において、どういうふうな実効をあげたかということでございますが、最初に申し上げました電流制限器及びメーター取付につきましては、御承知のように電氣事業におけるいろいろな問題が続出いたしまして、特に生産方面におきましても、また取付けようとする電氣事業の方の努力におきましても遺憾ながら十分ではありませんでした。しかしながら、この問題はこの冬で止まる問題ではございませんので、対策本部としては三月末でもつて一應その危機突破の問題を閉じたのでございますが、現在さらにそれに代るものとして、今十分な努力をやつておるのであります。特一にその生産をあげるにつきましては、製造業者に対する相当の融資というものが必要なのでございます。これについては電氣事業全体の金融の面につきまして、現在折衝をやつておるのでございます。なおメーターにつきましては、メーター生産があがらない大きな理由は、その公定價格が適正でないということでございます。これにつきましても、物價の改訂と同時に、相当の値上げをしていただくように手配が進んでいるのでございまして、一方電氣事業者に対しましても、この專用の取締りという問題と関連いたしまして、メーターリミツター取付については、今後一段と努力しなければならないと考えているのであります。なお今申し上げました数量的なものにつきましては、資料をここへ持つてまいりませんので、詳しいことを申し上げ兼ねて相済まぬと思いますが、別に資料ができておりますので、後ほど適当な機会にまた御報告したいと考えます。  それから電源の問題でございますが電源の拡布につきましては、緊急対策といたしまして主として火力発電所増強に主眼を置いたのでございますが、その方面に対する資材その他金資等配当を十分にいたしまして、火力発電所の復旧、補修に関する限りにおきましては、相当成績をあげたと考えるのであります。特に九州方面における火力補修につきましては、予定以上の成績をあげたと考えているのであります。それからなお総合燃料対策につきましは、本年度におきましてはすでに安本において相当計画を立てると同時に、庫年の暮の渇水期における状況としましては、緊急措置によりまして、私ども承知いたしておりまするところでほ、二月三月等におきましては、東京都等に対する薪炭入荷状況は大体予定のものを配当したと承知いたしているのであります。なお今年度におきましては、さらに努力を続けることになると思います。
  23. 栗田英男

    栗田委員 昨年の十一月の十五日に、安本経済対策要綱を発表いたました。計画と、昨年度末までの火力水力補修がどの程度にできたか、メーターリミツターをどの程度製造、あるいは取付ができたか、実際総合燃料対策として、どの程度都民配給ができたかという明確なる数字等資料の配付を次の機会にお願いして私の質疑は終ります。
  24. 村上勇

    村上(勇)委員 先ほど三ツ井政府委員は、各地区には從來の五割増ぐらいの電力を與える、九州は別だということでありますが、九州はどういうことになりますか。  それから火力発電所主力を注ぐ、こういう安本の御方針に対して、私はこれは暫定的にはやむを得ないことでありますけれども火力発電所地下資源を消耗するものですから、これに主力を注ぐよりは、火力電氣電源開発主力を注ぐことが最も國家のために当を得た処置でないかと思うのであります。特にただいま九州における火力発電所の修復は、予期以上の成績收めたというにも拘らず、他の地区は五割の電力使用を増しておるのに、九州だけはこれが從來通りであるかどうか。そういうことについての矛盾をひとつお聽かせ願いたいと思います。
  25. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 ただいま九州の問題を申し上げたのに、少し言葉が足りなかつたと思うのでありますが、九州以外の地域におきまして五割と言いましたのは、電熱に対する割当でございます。電燈その他につきましては、同じベースでやつているのであります。そこで九州に対してなぜ電熱を認めないかという問題でございますが、これは九州の特別な事情といたしまして、現在電力需給において一番アンバランスを起しておりますのは九州でございます。そのために九州に対しましては、特別に火力設備補修増強をいたしたのでございますが、それでもなお需給のバランスがとれない。と申しますのは九州では御承知のように炭鉱、鉄鉱、肥料といつたようなものの需要が非常に多いのでございまして、一般産業には相当の規正をするという余地が非常に少いために、そういうことになつておるのでありまして、この点については、なお今後火力はもちろんでございますが、できるならば水力開発もしなければならぬ。かように考えるのでございますが、今のところまだ本年度におきましては、そういう余裕が出てこないと思います。  なおそれでは九州電熱を許すかという問題ですが、火力を割いてまで電熱を供給するということは、実際問題として不経済であります。そのために一年中、相当火力がはいつておる九州地区に対しては、当分電熱需要は正式には認められない。かように考えておるのであります。そういう特殊事情から、九州に対してただいま申上げたようなことになつておることを御承知願いたいと思います。  なお火力を直すよりも火力に重点を置くべきだということについては、これは申し上げるまでもないことでありまして、私どもとしてできるだけの努力をやるべきものでございますが、さしむきの需給対策といたしましては、火力は非常に設備が老朽しておる。あるいは使えないというような事情のものを急速に直して、そこへ石炭を入れて需給のバランスをとろうということで、これは一番手取早い方法でございますので、やむを得ずそういう方法をとつておるのでございます。本年度におきましても、九州に対してはなお火力設備を直せば、相当増加ができますために、九州については火力補修も本年も昨年程度の力を入れて直し、石炭をそこに注込もう。こういうふうに考えておるのでございます。
  26. 境一雄

    ○境委員 二、三お聽きしたいと思いますが、電力制限のことについて、北海道の場合ですが、北海道は冬季においても、二十二年度はそんなにひどい制限をする必要がなかつたし、あの計算からいけば、北海道の場合は内地のやるような激しい制限をする必要な認めない数字がでるでしよう。そこでそういう事情にあるところも、東京並に画一的に制限をやることがいいか惡いかという問題、東京並にやるために、北海道では生産の面で非常に阻害を受けておる。ですからこの制限のやり方を、電力行政の上からもう少し変える御意思はないかどうか。  それから次に盜電の問題ですが、大体今まで政府委員方々説明は、いつでも同じようであつたと思いますが、全出力の二割ないし二割五分が盜電されておる。いつでも盜電はこれだけだというだけの説明で、盜電をどうするかという問題についてはまだ触れてきていないと思います。盜電を正確に把握することによつて、会社の收入が増してくることは明らかですし、これを押えて合理的に生産に向けてやれば、それだけ生産面が救えるのです。今日まで盜電が投げられておる。かりに二割五分の商品が奪われた場合、普通の商店だつたら、放つておけないことです。それに対して政府は一つも今日まで手を打つておらない。これを今後どうするかということのお考えを、今立てられておるかどうか。  もう一つは商工省側と物價廳側との、今度の電力料金の倍率について相当な開きがあると思いますが、商工省側で主張されている料金の倍率に対する数字的な根拠、あるいはその他の説明をここでできれば願いたいと思います。この三点を伺いたいと思います。
  27. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 北海道の制限の問題でございますが、大体におきまして北海道と本州とは、電氣的には縁が切れておるのでございますが、渇水期におきましては、北海道において相当石炭をたかなければつじつまが合わないという状況でございますので、全体といたしまして石炭が非常に少いときには、やはり一應は計画といたしまして、全國一樣な制限の方法を考えて、需給のバランスをとることになると思うのであります。ただそういたした場合に、水力が予想以上に出ることになれば、これはその状況に應じて、北海道の制限を地方的に緩和することはやり得るし、やつてちつとも差支えない問題でございます。ところが二十二年度実情はと申しますと、北海道における特別な事情といたしまして、十一月から十二月にかけまして、電力の制限を多少やり損つたと考えるのであります。と申しますのは十一月、十二月に電氣を少し供給し過ぎたのであります。どうしてそういうことになつたかと言いますと、雨龍の水力発電所がありますが、あれをどんどん流せば相当電力はあるのです。これを使い過ぎたのであります。その結果一月、二月において非常に蹉跌を來しまして、このために一月、二月に対しまして特別に石炭の手当をやつてつじつまを合わそうとしたが、なかなか合わなかつたというのが二十二年度実情でございます。從つて北海道といたしましては、十一月、十二月においてある程度電力が産業方面においてよけい使われたという事情があると思うのであります。これが一月、二月において必要以上なアンバランスを起したと考えておるのでございます。こういうことは計画的にやれば、もう少しうまくいつたのではないかと考えておるのであります。  次に盜電防止の問題でございますが、盜電と申しますのは大体において定額需用家において起る問題でございまして、これを是正する方法といたしましては、機械的には先ほど申しました定額需用家を從量化することが第一の問題であると思います。また定額をそのままにおくならば、ある限度以上の電氣を止める、つまりミリツターを使う以外に方法はないと思うのでありまして、この問題は機械的の方法としてはリミツターと積算電力計の二つ以外に方法はあり得ないと思うのであります。あとは電燈会社として頻繁に需用家を見回つて盜電を防止する。また盜電の弊害をできるだけ周知是正してもらうということの努力をしなければならぬと思うのであります。そのいずれもが現在までのところ十分にいつておらぬと考えるのでありますが、現在電氣事業計画といたしまして、電燈に対しましては三年ないし五年の計画をもつて、五燈以上、あるいはさらに進んでは三燈以上の電燈の需用家に対してメーター化しようという方針を一應立てて、いろいろ研究をいたしておるのでございます。これができれば、あとは一燈、二燈あるいは三燈というようなものでございますので、これに対してはどうしても電流制限器ということになると考えるのであります。そういう方法を立てておるのでございますが、何分需用家の数が非常に多いのであります。また電氣事業者の從業員諸君の努力もなかなかこの方面に十分とはいかないために、現在まだうまくいつておらぬのが実情を考えるのであります。  最後に物價廳との関係数字でございますが、これは現在まだ折衝中でございまして、今ここで数字を申し上げることはどうかと思いますので、もう少し進みました上で答弁させていただきたいと考えるのであります。
  28. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見ございませんか——別に御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  29. 前田榮之助

    前田委員長 同程第四、奧尻村水力発電施設設置助成請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。冨永格五郎君。
  30. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 北海道奧尻村水力発電施設設置助成請願でございますが、これは奧尻村長津山久雄、奧尻村議会議長坪谷聖三、奧尻村漁業会長畝本久四郎氏三氏の請願でございます。紹介議員として御説明申し上げたいと思います。  奧尻村は無燈火村でありまして、戰時中軍の使用した小規模の火力発電を利用して、わずかに電燈の恩惠をこうむる百戸以外は、まつたく電化の恩惠に浴していない実情であります。由來電氣は交通機関とともに、地方文化の向上並びに産業振興の先駆となることはあえて贅言を要しないところでありまして、先覺の士が夙に発電計画をなしたこともあつたのでありますが、経済上及び資材難などのために、苦心の計画も中途挫折し、もつて今日に及んでおるのであります。この奧尻村は氣候温暖で、海流もよく漁群の來襲に適し、水陸の産物は非常に豊富であり、なかんづく海産物は最近の事例に徴しましても、その年産額約三億万圓を算え、道南の宝庫をもつて自他ともに許してゐるのでありますが、いかにせん電源のないため、加工施設はまつたくなく、原始的漁業操作に営々としている実情でありまして、経済的損失はまことに莫大なものであると思われるのであります。さらに工業方面の鉄工、木工ともに相当施設要望されているにもにかかわらず、萎微沈滯いたしまして、企業不振の状況にあるのは、かかつて電化施設のないのに基因しているのであります。なお昨年から外地引揚者の集團轉入を北海道廳が勧奬して実現し、多大の効果を收めて、毎年継続的に百人内外の轉入が計画されつつあります。最近政府におかれましては農漁村の電化を急速に促進し、もつてその開発を期し、食糧増産に努力せられておる趣を仄聞し、まことに幸慶とするところであります。今ここに全村一丸となつて水力発電を計画し、これが実現に邁進しようと努力しております実情を御賢察願いまして、何とぞ再建日本の基盤である農漁村の電化促進に、積極的な御支援を賄るとともにこれが経費の助成に格段の御盡力、御高配を仰ぎたいと存ずる次第であります。なお本請願は第一回國会の電氣常任委員会で、政府委員から明年度は測量をするとの御答弁もあつて、村民一同期待とておる次第でございます。本日御臨席の正木政務次官は、北海道の事情には特に精通していられますので特段の御考慮を願いたいと思うのでございます。昨年の本会議でも採択をしておるのでございますが、今年はぜひひとつ測量並びに着工の運びに相なるよう、委員会の特別の御高配を願いたいと存ずる次第であります。
  31. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見を伺います。
  32. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 奧尻村における電力の供給をするという御計画につきましては、一般の農漁村の電力利用促進という問題から考えて、私どもも至極結構なことと考えるのでございます。ただ同地域水力発電ということになりますと、現在のところまだ私どものところでは、詳細な資料を持つておらぬのでございますが、関係の者の意見といたしましては、十キロワツト程度のものならば、地点はある程度あるのではないか、かように言つておるのであります。これらの小水力開発につきましては、開発の助成金を交付するというようなことは、現在のところちよつと考えられないのでございますがその技術指導といつたような点につきましては、政府としてもできるだけのことは御援助しなければならない、かように考えるのでございます。これらの小さな規模の水力地点の開発につきましては、水利権等については各地方廳の所管で、單独でもつてきめられ得る問題でございます。なお電氣を発生するためのいろいろな施設等につきましては、北海道においては札幌商工局関係の部において御相談に應ずる、かように考えるのでございまますが、中央の問題といたしましては、これらのものに助成金を出すというようなことにつきましては、先ほど申しましたように、ちよつと現在の状態としては困難であるというように考えるのでございます。
  33. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 助成金等につきまして困難であるという事情につきましては、了承いたしましたが、なお技術その他の面で何ぶんの御援助をいただきたいのでございます。
  34. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見ありませんか。——御意見ないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  35. 前田榮之助

  36. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 生鮮食料品輸送用氷製造電力及び冷凍電力増配の請願につきまして、函館の製氷冷凍業組合の代表高村善太郎氏から請願されたので紹介議員として御説明を申し上げたいと思います。  全國の節電、もしくは製氷に至当すべき電力皆無のため、一トンの製氷もできず、天然氷が稀有の暖氣に壊滅的打撃を受けましたが、最近でも必要の五割程度の配電状況で、本年度の見透しはまことに暗澹たるものがあるのであります。なお停電頻発のため、目下在庫一万トンになんなんとする冷藏品の温度保持が危機に瀕しております。  製氷事情の簡單に申し上げますと、北海道道南地域における氷の需給状況は、天然氷と人造氷とで賄われておるのでありますが、諮掛高騰等の原因で年々その生産計画を縮減する状況にありますのみならず、本年は稀有の暖氣に見舞われ、量、質ともに多大の低下を見ているのであります。これに対処しまして、人造氷に大馬力をかけ、できるだけ貯藏しておかなければならぬような事情にあるにかかわらず、電力事情は少量の生産も許さない現状であります。こういうような状況では、年内の生鮮食料の輸送計画に大支障を來すことと考えられるのでありまして、しかも五月以降いかに電力事情が好轉しましても、取返しのつかぬような事態にまで立ち至つております。この場合電力を増配して、製氷設置を全幅的に活用しなければならないことに差迫つております。  冷藏事情を簡單に申し上げますと、輸送條件惡化のもとにおいては、奧地生産品の函館中継は絶対必要であります。しかるに現在の送電では在庫品温度保持に汲々たるに止まり、凍結はもちろん奧地中継品の荷受も不可能なような状態で、昨今の氣温にては庫内の温度の上昇をおそれて庫出しもできないような状況であります。函館地区における生産及び中継の総量は、委節により漁獲高により一定はしませんが、豐漁期を除き、常時一万トンないし六千トンの間にありまして、これに要する電力は別表して後で委員長のお手もとに差出すことにいたします。  冷藏、製氷機械の運轉は御承知の通り定電圧二十四時間連絡運轉を必要條件とし、電圧下降並びに間渇送電は絶対に嫌うところであります。最近の電力割当量は所要量の約五〇%でありまして、電述の状況で、今日の場合は冷藏製氷製置の効力発揮はほとんど不可能に近いような実情で、殊に全道の地域割当も均衡を欠いておるものと思われます。國内電力事情窮迫下においてあえて陳情いたしますのは、事いやしくも國内食糧事情に至大の影響を及ぼすことを慮るからであります。道内関係官廳並びに配電会社等に対しましても、陳情につとめておりますが、中央割当に基いて操作するものであるからということで、局地的解決は困難と認められます。よつて議会に請願し、大局的に善処せられんことをお願いする次第であります。  なおやや恒久的対策として、設備の改善の面には、幾多打つべき手があるやに考えられます。たとえばサイクル変更のごとき、北海道に限り此較的安易なる條件下にあるやにも承ります。しかるに配電会社として、はたしてその誠意において、その收支の面において、その能力ありや、巻間疑いを存する者少からざるを遺憾とするものであります。かくては年々歳々同じ苦杯を嘗め、生産復興のごとき望んでも得られないことになると考えられるのでありまして、この点非常に危惧を感ずるものであります。事道内局地の問題たるに止まりませんので、速やかに適当なる方策を講ぜられんことを議会に請題するものでありますが、本委員会では何とぞ御採択くださいまして、善処をお願いするものでございます。
  37. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見を伺います。
  38. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 北海道の地区におきましては、先ほどもちよつと申し上げたのでございますが、十一月以降非常な渇水の状況を呈しましたために、その電力の不足を補填するために、雨量の貯水池を非常に使つた結果、一月以降貯水池の利用が困難となりまして、極力、火力発電の増強をしたのでございますが、なお電力事情を好轉せしむるに至らなかつたような事情がございます。これらの電力の制限におきましては、相当ひどかつたと考えるのでございます。なおこの請願のなされました需用者につきましては、專用の配電線がなかつたようでございまして、そのために一般の制限と一緒となつたために、製氷にも相当の蹉跌を與えたのじやないか、かように考えておるのでございます。一般問題といたしまして、生鮮食料用の製氷電力でございますがこれにつきましては農林省その他からもわれわれの方に非常な強い要望がございましたので、本年度第一四半期からは製氷用電力につきまして特別な考慮を拂いました。これを北海道の例について申しますと、製氷冷凍用の大口の電力につきましては、第一四半期におきましては、割当の申請に対しておよそ八〇%の割当をいたしました。また小口用のものに対しましては、この四月以降は從來の量よりも五割ないし十割に近い割当増加をすることにいたして、所要電力の確保をはかることに告示その他を改正いたしました。なお需用の重要度をきめる区分につきましても、水産用の製氷、冷藏、冷結等の電力につきましては、これを甲類の口といたしまして、電力割当を優遇するような措置を講じたのでありまして、この第一四半期以降は、特に水産用の製氷その他の電力につきましては、問題が少くなると、かように考えているのであります。
  39. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 ただいまの御説明で、割当が非常に増加せられましたことは了承いたしましたが、特別の施設がなければ一般配給量と違つて、水産方面にのみ多く増配することがやはり困難ではないかと考えるのでありますがその点はいかがでございますか。
  40. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 先ほどもちよつと申しましたように、この請願の出ました需用者については、專用の線がなかつたのじやないか、かように考えるのであります。そこで專用線をつくるという問題は、事情によりましては非常に困難な問題でございます。実際は一般の配電線と一緒になつておれば、その配電線をある期間、ある時間止めるということは、一般電力需給のバランスをとるために、やむを得ずやる非常によくない方法でありますが、バランスをとるためにそういうことをやりますと、巻添えを食つて困る。そこでわれわれといたしましては、重要な産業につきましては事情の許す限り、資材の許す限りの限度において、專用の線を重要な工場に対しては、ひくということを要望いたしているのでございますが、何ぶん資材その他の関係で、十分とはいかないと思います。この工線が一体どういう関係になつているかということは、詳らかにしないのでありますが、もしさいわいにして、そう大して資材も要しないで、そういうことができるということであれば、これは地方商工局あるいは配電会社双方へ陳情していただかなければならぬ。かように考えるのでありますが、そういうところの援助によりまして、專用線ができるように努力をしていただくより方法はないと考えております。
  41. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見はありませんか。
  42. 小平久雄

    ○小平委員 ただいまの請願に関連して当局の御意見をお伺いしたいのでありますが、昨年政府割当制をやりましてから、そのいわば成績は実際問題としてどんなふうになつておりますか、前のときで申しますならば、大体割当を超過して使用して電力量はどれくらいになつているか、それらにつきまして、用途別あるいは地域別等についてひとつ承知いたしたいと思うのであります。  それからなお超過使用に関連しまして、その電力料金あるいは罰金等の金額、あるいはその徴收状況等もどうなつているか。さらにはまたただいまお話になりました送電の停止というようなことも、実際問題として全國的にどのくらいあつたのであるか、そういつた割当制に伴ういろいろな実際と申しますか、結果につきまして、この際説明をいただければ幸と思うのであります。  なおいわゆる農電関係につきまして、昨年あたりは農家ですでに用意してありまする変圧器、あるいはモーター等であつても、いわゆる正規のルートによらないものは、工事を進めないというようなことでありましたが、最近また聞くところによりますと、多少取扱いが緩和されたやに聞くのでありますが、今後その辺はどういう御方針でお進みになるのでありますか、これも併せて承りたいと思うのであります。
  43. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 最初の割当実施後の成績でございますが、実はこの割当成績につきましては、非常にわれわれはもちろんでございますが、現在関係方面におきましても、非常に関心をもつておられまして、現地にわざわざ出向いてその成績を調べているようなことでございます。私どもとしましても、今後この電力割当制度というものが相当続けていかなければならぬと、かように考えますので、現在いろいろなデーターを集めまして、調査中でございます。ところがなかなか調べ方自体がむずかしいものでございまして、的確なことをつかみかねているのでございますが、何らかの形でもつて数字でこれを調べ上げ、適当な方法でもつて発表しなければならぬと、かように考えているのでございます。現在までのところ数字的なことは申し上げかねますが、その特別な地域を除きましては、この電力割当制度実施後だんだん軌道に乘りました。二月以降の状況といたしましては、たとえば電燈その他家庭用電力等につきましては、それの以前のものに比べて非常に少なかつたという数字が出ているのであります。ただ今も御指摘のように、超過したものはどれだけあるかということでございますが、これは毎月の統計が実は二月ぐらいまではできているのでございますが、ここに手もとに持つてきておりませんので、この次の機会に超過量及び超過料金、それらの問題につきましては資料を整えて御報告いたしたい。かように考えます。  最後に農事電化関係の変圧器の問題でございますが、これは御承知のように、変圧器が非常に不当に隠匿されたと申しますか、隠れてしまつたという問題がございまして、これは主として関係方面相当きつい要請によりまして、取締りが非常に嚴重でありました。しかしその身元がだんだんわかるものにつきましては、地方商工局は府縣應が中心になりまして、ある程度取付が認められつつあるのでございますが、しかしどうしてもそれには用途が相当はつきりしないと、使えないということは今も変りがないのであります。なおこれらの処分につきましては、そのまま痩かしておくということは意味ないことでございますが、近いうちに適当な処分が考えられるものと、かように考えております。
  44. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見ありませんか。
  45. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 先ほど製氷に関する請願があつたのでありますが、一つ政府の御意見をお尋ねしたいことがあるのであります。それは御承知のように氷というものは医療用に、あるいは冷凍用に、あるいは飲料用に供せられまして、しかもこれは夏も必要なものではありますけれども冬季につくつて貯藏するという向きが相当あるのでありますそうして夏季における需要の活溌なときに補給をする。といたしますと、冬季電力渇水期に際しましても、これは相当考慮をしてやつてよい問題じやないかと考えるのでありますが、この辺の御所見を伺いたいのであります。
  46. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 ただいまの製氷関係の御質問でございますが、この四月一日からの製氷に対する電力割当に対しましては、特殊な考慮を拂つたのであります。それはこの三月十八日に出しました告示の食料品工業の中に製氷(冷凍)という欄を設けたのでありますが、これはこういうふうにきめました。すなわち五十キロワット以上の小口のうちの大きな方、これに対しましては、普通は一キロワット未満については百キロワット、但し括弧して三百五十と書き、さらに五十キロワット未満のものにつきましては、八十が標準でありますが、括弧して三百、こういうふうに書いてあります。この括弧の意味は、商工局長の指定する期間においては、括弧内の数字をとることにいたしたのであります。その意味は御指摘がありましたように、製氷の最盛期、これはどろらかと言いますと、夏の方ではないかと考えておりますが、そういう特別な事情のある場合には、商工局長が指定する期間は括弧の中の数字を使つてよろしいという取扱いができるように、今度初めてやつたのであります。そういう考慮を拂いましたので、特別な事情があれば、これの適用を受け得るのではないか。かように考えておりまして、この前とはかえたのでございます。
  47. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 ただいまの御説明はよくわかるのでありますが、実は私最近にある製氷会社を見学いたしましたときに、冬季相当貯藏庫に仕込むのであります。ところがその冬季には電氣はほとんどしないのだ、こういうことであります。しからば夏季における需要関係はどうかと言えば、非常に逼迫しておつて、おはずかしい話だが、相当なやみ値に流さなければならないというようなことを聞いたので、ただいま御質問申し上げたのであります。それからこれは別の場合でありますが、具体的に申し上げますと、伊東冷凍塩業会社という会社を私は見たことがあります。これは電氣製塩をするのではありますが、御承知のように海水を凍らす、そうしてこの海水のボーメを高めるという方法によつておるのであります。そうしますと、その際にやはり氷ができるのであります。こういうような施設は、氷ができ、また製塩にも役立つ、こういう見地からいたしますと、他の電氣の需給関係の側にも相当必要でありましようけれども、特殊の場合として、考慮が拂えるのではないか。しかるところつい最近でありましたけれども、まだ相当大幅な電氣供給の制限を受けておるという実情を見てまいつたのであります。この点につきましても、この際御意見を伺いたいと思います。
  48. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 ただいまの製氷と製塩との逼迫された事業でございますが、これに対しましては、相当電力を食うということが考えられるのでございます。もちろん渇水期の冬に一番働かなければならないところでございますので、相当の強度の制限を受けてはおるのでありますが、その製氷という意味におきまして、全然止つてはおらぬ、かように考えております。もちろん渇氷期のひどい場合に、そういう方面電力相当制限を受けるのに優先的であるということは免れ得ないかように考えておるのであります。從つてこの電力の受電を認可する場合においては、常時電力は割合に少くて、やはり期間常時電力特殊電力が多いために、そういう取扱いを受けたのだと考えるのでありますが、一番に製塩の問題につきまてては、非常に電力の問題が起つておりますので、これらの電氣に対して製氷と製塩とを兼ねておるものに対して、その電力の質をよくするということについては相当困難だと考えておるのであります。
  49. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見はありませんか。——それでは次に移ります。     —————————————
  50. 前田榮之助

    前田委員長 日程第七、山形縣電力割当増加請願を、議題といたします。文書表第二三二号、紹介議員海野三朗君。紹介議員説明を求めます。
  51. 上林與市郎

    ○上林委員 山形縣電力割当増加議題が鈴木山形市長ほか関係者から出ておるのであります。紹介議員たる海野三朗氏が所要のため地方に出張しておりますので、私代つて紹介を申し上げたいと思います。以下請願要旨を申し上げます。  わが山形縣國家の要求に対しましては、実に忠実にこれを遂行しておるのであります。たとえば昭和廿二年度の供米におきましても、福井縣に次いで完遂をいたしております。これにつきまして、わが山形縣の供米完遂表彰式においては、司令官ナン中佐からは実質的には第一位であると言われておるのであります。しかるに今まで政府ではいろいろな意味におきまして、わが山形縣につきましては均分の恩典を與えておるかどうかについて、相当考うべき点もあるのであります。特に電力量のごときは、その顯著なるものの一つでありまして、たとえば全國の発電量を見ましても、北海道、九州を除きまして、昭和廿三年一月二十八日現在では、五千八百十五万八千キロ、これに対しましてその一・〇六%たる六十一万八千キロの配分であります。敗戰後、樺太、朝鮮、満州、台湾を失つた現在、今後開発して國家の用に立たす上に、東北が一番大事な土地であるというときに、現在のような配電量では、いかんともできない状態にあるのであります。わが山形縣は無盡藏の亞炭、石油のほか地下資源及び林産の開発、中小工業の発展、特に寒冷地において絶対必要とする農村電化の普及をはかつて、農産物の増産を期する対策が緊急なのであります。さきには米沢、神町問、仙台、山形間の鉄道電化の請願とともに請願をしております。これと同時に電力割当増加請願いたしまして、各委員の十分なる御審議を願つて、しかるべき対策をお願いいたしたいと思う次第であります。きわめて簡單でありますが、請願要旨を申し上げまして、各位の御協力をお願いいたしたいと思う次第であります。
  52. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見をお伺いいたします。
  53. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 山形縣電力割当増加に関する請願でございますが、電力割当はその需用の状況に應じまして、先ほど申しました小口また大口の産業用電力につきましては、その生産計画とにらみ合わせた割当量によつて、各縣とも全國同一なベースでもつてつておるのでございます。そういう意味で別段山形縣という特定の縣に対して、特別なベースを適用しておるということはないのでございます。先ごろ農村等に対する電力割当につきましても、これは全國一律であつたのでございますが、昨年の割当の量から申しまして、たとえば脱穀調整等の電力が十分でないという聲が全國から起りました。これは一山形だけでなしに、方々から起つたのでございまして、本年の四月以降の告示にあたりましては、農村用の電力につきましては、その割当の基準を高めたのでございます。これも全國一律のベースでございます。なお山形縣に対しましては、工場の新増設等に対する電力の需用、立地條件といたしましては、電力の面からは非常によいという考えからいたしまして、ほかの地域よりも優先いたしまして、——甲、乙、丙というふうにわけているのでございますが、山形縣に対しては、その甲の部類にはいつているのでございます。そういう意味においては、電力の面から優先的な取扱いをなし得るようなふうになつているのでございます。
  54. 上林與市郎

    ○上林委員 本請願に対する当局の御説明はよく了解いたしましたが、昨年度特にわが山形縣の場合を申し上げますが、供米の場合にあたりまして、供米完遂の期日はすこぶる早く決定されました。しかるに電力並びに電力施設の不備によりまして、非常に農家が苦勞をいたしております。その点に対しまして、今後どういう御方針で臨むおつもりであるか、現在そういう方針があるならば、この機会に炭單でよいのですが、お伺いいたしておきたいと思います。
  55. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 供米の時期が非常に早い、早場米であるために、脱穀告製等の電力が早く必要であるということのようでございますが、先ほど申しました告示による割当の基準と申しますのは、一般的な問題をきめているのでございますので、そういう特別な事情のある場合については、先ほど湯河原町の問題と同じように、その特別な事情地方商工局、山形では仙台の商工局でございますが、ここでもつて適当に処理してもらうよりほかに方法がない、かように考えるのでございますが、ただその場合に、施設が不十分であるために、電氣がこないという問題でございますと、これはあらかじめ相当資材など入れなければならない問題でございますから、これはできるだけ早い機会に、そういう特別に悪い、ほかに比べて非常に惡いという地域に対しては、重点的に手を打つていただかなければならぬ、かように考えますから、それらの葉につきましても、資材その他は商工局の方で一括して配電会社の分も渡しているのでございますから、そこでもつて重点を考えて配給を受けるというふうにしていただかなければならぬ、かように考えております。
  56. 上林與市郎

    ○上林委員 もう一つ簡單に申し上げたいのですが、ただいま私の質問があまりにも簡單なために、多少食い違つている点もあると思うのですが、早場米に供出するためにではなくて、供米の期日は一方的にきめられている。その要求に應じますために、米の調製をする場合に、電力資材並びに電力が足りないために、非常に苦心をしております。それに対します対策につきましてお伺いいたしましたか、これにつきましての現在までの事情は今の御答弁によりました了解いたしました。なお今後の問題といたしましては、ぜひとも政府当局も、二十三年度の供米も間近に迫つてまいりますから、いち早くこれに対しまする具体的方針を確立いたしまして、万遺憾なきを期せられたいことをこの機会要望いたしておく次第でございます。なおこれにつきま具体的な方針が樹立されましたならば次の機会におきまして御発表願いたいと思う次第であります。以上をもつて質問を終ります。
  57. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見ありませんか。——ないようでございますから次に移ります。     —————————————
  58. 前田榮之助

    前田委員長 日程第八、秦野町外四箇町の電氣事業経営還元請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。櫻内義雄君。
  59. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 本請願書は中曽根康弘君外四名の紹介にかかるものでありますが、紹介議員が参りませんので、代つて私より説明申し上げます。神奈川縣の秦野町、群馬縣の伊香保町、山梨縣の谷村町、埼玉縣の春日部町、栃木縣の足尾町は、戰前におきまして町営の電氣事業を、営んでおつたのであります。しかるところ昭和十七年の十一月に、関東配電会社に強制的に統合せられました。町営の電氣は御承知のようにその町その町の財源として有力なものでありまして、これが統合によりまして、町の財政獨立性を失い、非常な打撃を受けたのであります。この際この各町におきまして町営に還元してもらいたいというのがこの請願趣旨であります。何とぞ御審議の上、皆様方の御賛同を得、御採択願いたいと思う次第であります。
  60. 前田榮之助

    前田委員長 本請願に対する政府の御所見をお伺いいたします。
  61. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 電氣事業の経営形態をどうするかという問題に関連すると思うのでございますが、これらの配電統制令によりまして、配電会社に統合されたものを、さらに公営に還元するかどうかという問題は、電氣事業の企業形態を根本的にどうするかということによつてきまるのではないかと考えるのでございまして、この問題に関しましては、目下電氣事業民主化委員会というものを設けて、電氣事業の企業形態に関する方針審議しようとしておるのでございまして、その結果によつて適当に処理いたしたいと考えておる次第であります。
  62. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 この際関連いたしまして、ちよつとお尋ねしたいのでありますが、この町営であるとか、村営であるとかあるいは縣営の、かつて公営であつたもの、これらに対してはたしか公納金があるはずでございますが、この公納金は一定の期間に限られておるようでありますが、その期間がまいりましたときには、延長せらるる御意思があるのかどうか、その辺ちよつとお尋ねしたいと思います。
  63. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 これは法律に代る統制令をもつて期限をはつきりときめておるものでございますから、それの変更がない限りは一應切れるものと私は考えておるのでございますが、なお調査いたしまして、この次にでも答弁いたしたいと思います。
  64. 栗田英男

    栗田委員 電力の民主化委員会というのは、まだ委員会の顏触れもはつきりきまつておらず、円満なる運営がされてないというように聞いているのですが、その後の民主化委員会の運営状況をこの機会にお聽きしたいと思います。
  65. 三ツ井新次郎

    三ツ井政府委員 御指摘のように電氣事業民主化委員会は、現在まだ発足いたしておりません。委員の選定その他について現在手続がとられておる。かように御了承願います。
  66. 前田榮之助

    前田委員長 ほかに御意見ありませんか——御意見ないようであります。日程第一、熱海市に電力割当増加請願と、日程第六、電力増強等に関する請願紹介議員の出席がありません。よつてこれは次の委員会において審査することといたします。  次会は公報をもつて御通知することにいたします。本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時一分散会