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1948-01-31 第2回国会 衆議院 電気委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月三十一日(土曜日)     午前十一時三十八分開議  出席委員    委員長 前田榮之助君    理事 櫻内 義雄君 理事 村上  勇君       境  一郎君    成瀬喜五郎君       本藤 恒松君    八百板 正君       小平 久雄君    根本龍太郎君       大内 一郎君    加藤隆太郎君       夏堀源三郎君    秋田 大助君       川越  博君    堀江 實藏君  委員外出席者        商 工 技 官 三ツ井新次郎君         專門調査員   落合 高次君         專門調査員   大石 主計君     ————————————— 本日の会議に付した事件  國政調査承認要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件     —————————————
  2. 前田榮之助

    前田委員長 それでは本日の電氣委員会を開会いたします。  國政調査承認要求に関する件を議題といたします。現在及び將來のわが國の電力事情重大性に鑑みまして、國政調査をする必要があると思います。從つて調査する事項電力行政に関する事項でございます。調査目的は、電氣関係法規の立案並びに改正等目的とするのであります。調査の方法といたしましては、小委員会の設置、電力施設実地調査関係方面より意見の聽取、報告及び記録の要求等を求める考えであります。調査期間は本会期中にいたしたいと思います。右の件について御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田榮之助

    前田委員長 御異議はないようでございますから、さように決定いたします。それではただちに書面をもつて國政調査承認要求書議長に提出いたしたいと思います。     —————————————
  4. 前田榮之助

    前田委員長 それでは次に移ります。委員派遣承認申請に関する件を議題と思たします。派遣目的電力施設実地調査であります。派遣の地名は兵庫県尼ケ崎市の火力発電所実地調査をいたしたいと思うのであります。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 秋田大助

    秋田委員 從來委員派遣ということはいろいろ問題を起しましたが、なるべく節約をしようという趣旨からでもあろうと思います。火力発電所水力発電所については、この委員会として、すでに調査見学をした所があると思います。特に尼崎火力発電所は、これから調査見学しなければならないという積極的な理由がどこにあるか、委員会としてもそういうことを承知しておりませんから、今後各党に帰つて質問に対する答弁の準備を一應得たいと思いますが、その点について……。
  6. 前田榮之助

    前田委員長 大体できるだけ廣く実地調査委員会といたしましてはやつていただきたいと考えておるわけでございますが、御承知のように本会議が継続されておる間は、事実上地方へ出かけることは困難でありまして、從つて東京附近のたとえば鶴見の発電所、あるいは相模川のダム等、正式な委員会の決議によらなくても行かれる所は、便宜会議の都合を見計らつて実地調査をやつていただく手続等をとりたいと思つておるわけでございます。尼崎は遠方でございまして、そういうことが困難なことと、なおこの尼崎発電所戰災状況が非常に被害を受けておる。その修復状況について、当事者は非常な努力を拂つておるやに承つておるのでございます。これらの点等もわれわれ委員会といたしましては、現地によつてよく実際の状況を視察することは、電力増強の上に非常な効果をもたらすものだとかように考えておるわけで、昨年の水害によつて被害を受けた佐久発電所、あるいはその他の発電所を、われわれが視察した後における作業状況が非常に好轉いたしておる事実に徴しても、尼崎発電所等の視察は、將來電力状況その他の報告調査の上においても必要だと、かように実は考えておるわけでございます。
  7. 秋田大助

    秋田委員 くどいようですが、もう一辺お尋ねいたします。尼崎発電所修復修理については、官民努力されておそらくその修復完成に邁進されておることと思いますが、それはわれわれが調査しなければ——なおその速度が遅いとか現状の状態では不満足のものがある等、それが電力事情相当の影響をもたらしておるから、どうしてもわれわれの調査によつて促進をしたいというような、積極的な事由を付せられるだけの具体的な事情がそこに伏在するかどうか、その点お話を承りたいと思います。一般的にそういうものであるというならば、現在は満足すべき状態資材等も行つておるし、努力して行けばなおよろしいという程度ならば、そういう所はどこにもある、すでに火力発電所水力にいつてもそういうふうに見学しておるし、修復を促進すべしという見地から調査しており、また促進したいんでから、われわれとしては一々個々について全部を実地見学することは必要ない。大体のことがわかつておれば、それによつて当局を督励していけば、われわれの目題は達するのであるから、その点特に尼崎発電所修復に関して、われわれが行かなければならぬという誠意をもつて同僚議員を納得せしめるだけの理由があるかどうか。その点行政整理が叫ばれる今日でありますから、やはり自身その範を示すという嚴正な立場で、たとえわれわれのわずかな費用の調査旅行であつても、そういう氣持で処していきたいと思います。
  8. 前田榮之助

    前田委員長 別に必ず行つたらこれこれのことがあるのだ、行かなければいけないんだと、電氣委員会としては、これが確実な條件だということはお説のようにないと思います。現地の方からの要求というものも、別に正式な要求があつたのではありませんが、しかし今まで行つた所は、九州專門調査員派遣し、あるいは猪苗代湖あるいは佐久発電所、その他の所へ行つたその後の経過によつても、行つた箇所はそこの電氣産業労働者諸君、あるいはそこに從業しておる関係会社経営者意見等によつても、非常に好結果を來しておるということだけは確かにいへるのです。從つてこれは本会議があるときは非常に困難だというので、実は二月十日ごろから自然休会にはいるのではないかというように推察されるから、その機会を実は利用したらと、かように考えて今から手続をとるの必要があると考えておるわけです。
  9. 秋田大助

    秋田委員 当局の方にお尋ねいたしますが、あれは何万キロの発電所でございますか。
  10. 三ツ井新次郎

    三ツ井説明員 尼崎は第一と第二と両方ございまして、両方とも戰前認可出力は三十万キロ程度でございます。現在は第一発電所の方は賠償に指定されておりまして、第二発電所は指定されておらぬのです。第二発電所戰災被害が非常に甚大でありまして、発電所主要部分はほとんど使用できないような状況にまで破壞されておるのであります。それで今までの修理計画といたしましては、第一発電所賠償に指定されましたけれども、第一発電所、第二発電所とも修理をやつておるわけであります。第一発電所の方は、現在すでに一台は完全に運轉をいたしております。第二発電所の方も最近に一台だけ運轉を開始いたしました。それで將來におきましては、両方発電所とも認可出力は三十万キロでございましたが、これを三十万キロ乃至二十五万キロ程度発電をすべく計画を立てて、資材その他のものを注ぎこんで修理中でございます。從つて、現在はその第一期工事というものは済みまして、さらに第二期工事にはいろうとしておるような状況でございます
  11. 秋田大助

    秋田委員 電氣委員会としては代表的な発電設備について、また地域的に代表的なものを、一應実地調査するということは必要であろうと思います。特に尼崎は、関西の大工業地帶中心地帶における発電設備火力発電設備、その出力も、日本において代表的のものであると見られる。しかもここに問題となる賠償関係をもつておる。その修理状況に関連をして委員会としてこれを調査研究するということは、相当の意義があると、私は了承いたしました。
  12. 成瀬喜五郎

    成瀬委員 大体この調査のことにつきましては、尼崎のみならず、その他富山縣各地における代表的な施設調査するところの必要があると思います。そういう観点に立ちまして、私は委員長の発言に対しましては、賛成の意を表するのでありまするが、秋田君の言われるところの趣旨なるものは、往々にいたしまして、大名行列的な事が、非難されるという点を考え、あるいは國家財政関係から考えての愼重な意見でありまして、その点に関する限り私は同感であります。ただ尼崎のみならず、各地に、今後予算の許す範囲内におきまして大いにやりたいという考え方は、一にもつてこの委員会委員同僚諸君が、相ともにこの重要なる電氣事業の、それら実態をよく研究し、そうして、企業形態根本的解決であるとか、電氣事業法根本的改正電氣産業によるところの、重要なる法案審議に対しての資材を得るためであるというふうにも考えられるのでありまして、要するに自己の一つの内容を滿たすためにかようなことをやる必要があるし、かつまた今まで福島縣その他この東京附近の各都市におきまして、潮田その他各所に参りましたが、その都度それらに関係するところの人を、いかに激励したかということは、相当効果があつたと考えておるわけであります。ただいまも秋田君が言われましたように、関西におけるかつて戰前は産業の中心である、あの尼崎発電所を見るということは、これはまた、昨年の秋の異常渇水期における電気危機の最中におきまして、近畿各縣の知事代表者國会に参られていろいろと切なる陳情のあつたということをば考えまして、かつそういうような情勢の要請にこたえるためにも、いかにも國会電氣委員会が熱心であるということを、それらの人々に対しましても、反映なさしめることでありまして、たいへん有意義なことであると、かように考えております。以上のような立場におきまして、ぜひこの尼崎のみならずその他の方面におきましても、委員長及び委員会におきまして、必要と認めた場合は、派遣方將來は唱道していきたい、斯ような意味におきまして賛成をされたいと思います
  13. 本藤恒松

    ○本藤委員 調査ということでちよつと申し上げます。やはり調査してみたいという点は民間から発電許可申請が、商工省にどのくらい日本全國から出ておるか、なおまたこれにどういうふうに取扱いをされておるか。これに対する方針によつては、各農村においても農村電化として最近の電力情勢からいつて発電所を起そうという希望が、相当所によつては多くなつてきておるのであります。今まで申請されておつて、なおこれに対しもし國民に指導するにいいというような点は、やはりこれも委員として調査して、そうして許可をなるべくならば早くさせるとか、それを具体的にどうするかということを、今後研究してみたいと思いますが、現在のところどう取扱いされておるか。一つのそういう問題あつたとしたら、具体的にちよつとお話願いたいと存じます。
  14. 三ツ井新次郎

    三ツ井説明員 ただいまの御質問でございますが、現在御承知のように、大きな水力発電につきましては、電力管理法によつて日発が建設するということになつておりまして、大きな地点におきましては、すでに戰時中、あるいはその以前から計画された地点がたくさんございまして、終戰と同時に工事をストツプいたしましたものが方々にたくさんございます。それらの点は今のお話の部類にはいらないものと考えますがそういう工事中止地点というものはたくさんあります。特に大きな地点といたしまして例を申し上げますれば、天龍川筋あたりでは、平岡という非常に大きな水力発電所ダムの基礎は完全にできており、また隊道もできておりますが、これをやろうとすると、たとえばセメントが六、七万トン要るというので大きな計画中止になつて居るものがございます。また、富山縣岐阜縣の境の庄川の上流におきましても、成出という地点がございまして、これも二、三万キロの発電所でありますが、ほとんどダムであつて発電所にはできていなくて、発電できないストツプの状態になつておる地点がございます。かりに開発をやるとすれば、こういうものに手をつけるのが一番手取り早いのであります。今民間におきまして積極的に大きな水力計画をもちこんで、それが止まつておるというようなものは、非常に少いのでありますが、たとえば一、二の例を申し上げますと、九州方面におきましては、自家用計画といたしまして、相当今までにはあまりなかつたようなものが、日本窒素の系統でもつて、球磨川の所に一つ計画が出ております。これは自家用でありますために、電氣事情としては、直接関係がないのでありますが、そういうのが申請があつて水利権許可になつておるのでありますけれども、発電所施設はまだいろいろの関係するところがありまして、許可にしておらぬという地点があります。なおその他河水統制地点といたしまして、各府縣各地水路計画をもつております。これは公共事業として行われるものであつて、これらの地点の例を申上げますと、宮崎縣の石河内の発電所、これもダムは大体でき上つておるが、前に申しました日発終戰後工事中止によつて中止となつております。また同じく九州におきまして、大分縣における縣営でやはり大野川の所に——これは新しい計画でございますが、そういう計画があるというふうに、大体民間のものは割合少いのでありますけれども、公共事業として、縣営として計画しておるものが相当あります。それから小水力お話がありましたが、これは現在民間におきまして、いろいろこの小水力の利用ということについて研究しておりますけれども、これは現在の事情といたしましては、電氣事業におきましては、百キロ程度の小さな水力発電所は、経済的になかなか運轉をやつていくことがむずかしいので、むしろその発電所を止めた方がいいというような考えが多いのでありまして、電氣事業者としては、その理由は主として人件費がかさんでくる、労働時間の関係から三交替制をする、しかも相当の人を置かなければならぬということで、わずかな小さな発電所においても、人員整備は大きな発電所と同じようにして運轉をするということになりまして、経済的に成り立たんというのでむしろ閉鎖したい希望をもつておる地点もあるのであります。一方民間におきまして、農村その他におきまして小水力を利用するという計画は、これはまだ現在のところは調査研究の時期であると私ども考えるのであります。はたしてこれが経済的にうまくいくかどうかということについては、相当疑問があると思いますが、現在土木工事の非常に簡單で、水力が利用できる、しかもそこに設置する機械類は非常に簡單なもので、自動的に運転できるというようなものがあれば、それは將來性が非常にあると思います。現在民間におきまして、そういう点の研究をやつております。それにつきましては、私ども非常に現在関心を拂つておるような状況であります。大体現在の民間における計画は以上であります。
  15. 前田榮之助

    前田委員長 それでは派遣氏名及び派遣期間でございますが、これはいかが取計らいましようか。
  16. 成瀬喜五郎

    成瀬委員 派遣委員の数及び氏名並びに期間は、委員長に一任したいと思うのですが、お諮り願いたいと思います。
  17. 前田榮之助

    前田委員長 委員長一任ということですが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 前田榮之助

    前田委員長 それではさように決定いたします。それによつて議長に早速手続を行うことにいたします。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時五分散会