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1948-06-23 第2回国会 衆議院 通信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十三日(水曜日)     午後二時十四分開議  出席委員    委員長 土井 直作君    理事 重井 鹿治君 理事 長谷川政友君       千賀 康治君    多田  勇君       中野 寅吉君    平井 義一君       宮幡  靖君    森  直次君       伊瀬幸太郎君    海野 三朗君       片島  港君    野上 健次君       村尾 薩男君    園田  直君       松澤  一君    水野 實郎君       林  百郎君  出席國務大臣         逓 信 大 臣 冨吉 榮二君  出席政府委員         逓信事務官   大野 勝三君         逓信事務官   中山 次郎君  委員外出席者         專門調査員   吉田 弘苗君         專門調査員   稻田  穰君     ————————————— 本日の会議に付した事件  逓信職員訓練法案内閣提出)(第八〇号)     —————————————
  2. 土井直作

    土井委員長 これより会議を開きます。  逓信職員訓練法案を議題といたし、質疑を続けます。
  3. 林百郎

    ○林(百)委員 附則の三の無線電信講習所官制の改正に関する問題ですが、これはどういう経緯でこういうことになつたか、またその内容について説明を願いたいと思います。
  4. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 無線電信講習所は、御承知通り逓信職員となるべき無線通信士養成目的とするものではございませんので、廣く船舶無線局あるいはその他の無線電信業務に携る專門の人を養成することを目的としまして、現在東京に中央無線電信講習所、及び地方に無線電信講習所が数箇所置いてございますが、そういうわけでございますので、本來これは一般の需要に應じて、そういう無線通信士養成をやる学校でありますから、逓信省で当然これを逓信大臣所管して運営するという、それほど強い理由がないわけであります。そこでこの際全面的に逓信省組織逓信大臣職務権限等につきまして、再檢討を加えられようとしておりますこの時期におきまして、かような一般のいわば教育目的といたします学校は、これを文部大臣所管に移した方が適当ではないかということになりまして、この附則によりまして、文部大臣の管理にその無線電信講習所施設及び事業ともに移すということにいたした次第でございます。
  5. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つ逓信職員訓練法案で、この設置の大きな理由として、逓信省の中に講習所出身、殊に昔は官練、今は高等講習所といいますか、こういう人たちの閥がある。そうした一つの学閥というか、一つ逓信省内におけるそういう講習所出身者の勢力があつて、それを打破することも、訓練法案設置一つ理由だというようなことを聞いておりますが、その点についての実情をひとつ忌憚なく——そういうことが事実であるのかどうか、また何かそういう弊害があるかどうかというようなことも、御説明願いたいと思います。
  6. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 このたび逓信職員訓練法案國会提出をいたしまして、ただいま御審議を仰いでおりますのは、ただいま仰せになりましたようなことが理由になつておるのではございません。御承知のように、逓信事業は他の一般行政仕事に比べましては、かなり專門的知識技能がなくてはやれない仕事でありますので、すでに明治の初年以來專門的職業訓練は、これを必要と認めまして、それぞれ電信修技校、あるいは郵便電信学校というようなものを設けまして、今日に至るまで、その訓練はずつと続けられておる次第でございます。そういうわけでございますから、もちろん逓信省独自の訓練機関卒業いたしました者が、從業員の中に相当の数を占めますことは、これは事実でありますが、そういう人でなければ実際やれない仕事の部面が、かなり廣いのでございますから、これはまつた事業上の必要に基いて、そういう訓練が行われておるということと照應いたしておる事実でございます。ただ今回この訓練法を出しますゆえんは、先般も御説明申し上げましたように、新憲法実施以來、すべての組織及び所管大臣権限等につきましては、できる限り明確にこの法律の規定をもつてその内容を定める。つまり内容につきましては、言いかえますれば、國会の明確なる御承認のもとに、行政官廳としてその実際の執行に当るという行き方が、最も適切であるということと、それから訓練目的あるいはその指導方針とでも申しますか、そういうものをこの際もう一遍見直しまして、明確にこれを法律内容に規定することが、將來訓練を実行いたします上に、きわめて適切であるといつたような見地から、訓練法案を御提案いたしておるような次第でございます。
  7. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると今の大野総務局長答弁では、別に官練閥とか、あるいは講習所閥がないということですが、そういうもののために、本法案が設定されたのではないとわれわれは解釈いたします。  それから私達心配しますのは、國民逓信事業に対する関心が非常に薄いのでありまして、逓信省で人を募集しましても、非常に人の集まりが惡いわけであります。せめて優秀な人でも集め、あるいは將來まじめに学問をしていくというような人を、逓信省事業の中へ吸收するためには、やはり從來のような講習所というようなものがありまして、仕事をしておりながら勉強もできるというような施設を設けてやつて、これを示すことによつて逓信事業の方へ優秀な青年を迎えることができると思うのであります。ところがこのたびの訓練所法案によりますと、かえつてこうした一般教育などが減りまして、まつたく機械的な技術的な教育しかしないということになると、從來こうした講習所施設があるために、逓信省の方へはいつてきた職員も、はいらないようになるのじやないかということが心配されるわけであります。これは逓信省のあなた方も御存知だと思いますが、たとえば東大の高文の行政科をとつた人たちを募集する場合でも、第一に從來ですと内務省なり大藏省なりへ行つて最後にどこへも行きようのない人が逓信省へいくようなこともなきにしもあらずと思う。それをわれわれは実に残念に思つてつたのであります。そうした高級の高僚の皆さんですら、逓信省はむしろ最後に來るような実情がなきにしもあらずであつたと思うのでありますが、そういう際に逓信職員訓練法案を設けて、逓信從業員教養の途をとざすということは、かえつて將來逓信事業の運行のために好ましくないということを、われわれは考えておるわけなんですが、この点についてどう考えられるか、ひとつ伺いたいのであります。
  8. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 その点私からもお答え申し上げることが適当かと存じます。  林君のいわゆる逓信通信に対する非常に御同情ある御意見に対しましては、敬意を表します。御意見一應ごもつともと存じますが、しかしこれはいろいろな角度から実は考えておるのでございまして、從來逓信省に人を集めるのに、こうした好條件をもつてしたから集まつたのであつて、今後はどうも人が集まらぬじやないかというようなことは、しばしば全逓の從業員組合等からも聽いておるのであります。これは過去においては確かにそのような事実があつたと思います。過去においては、なぜそういうことがあつたかと申しますと、御案内のごとく、逓信省從業員は、きわめて劣惡待遇のもとにおかれておつた。殊に特定局請負制度のもとにおいては、まことにみじめな状態にあつた。中央にありまする貯金局のごときにいたしましても、保險局にいたしましても、必ずしも待遇がよろしくなかつたということは、私は卒直に認めなければならぬと思うのであります。しかしながら最近における実情は、林君すでに御案内のごとく、逓信省從業員が他の省の者より特に劣つているということは言えないのでありまして、部分的に比べますれば、條件等において、多少劣る点もあるかと思いまして、できるだけそれを改革することに努力しておりまするが、要するに過去の実情とは著しく趣きを異にしているという点から考えまして、逓信省に人を得ることに困難を感ずるということは、さまでないのではないかと考えております。  なるほどお示し通り、本年度は高文合格者で、逓信省への希望者がなかつたことは事実でございますが、例年は必ずしもそうではないので、すでに林君御承知のごとく、有能なる次官局長を私が使用いたしておりますから、実に優秀なる諸君逓信省に集まつていて、今日まで通信行政をやつてきたということを、御了解願えるだろうと思う。  それといまひとつは、御承知通り教育制度が根本的に改革されまして、つまり六・三の義務教育制度がとられましたので、この卒業生は相当一般國民としての普通教育を受けてまいりまするので、これらの人々に特殊技能を授けまするならば、りつぱに仕事もやり得るし、またさらに從業しながら勉強したいという者にとりましては、御案内のごとく、夜間の新制高等学校、あるいはパートタイム新制高等学校というような途も開かれておりますので、ことさらに逓信省講習所なり、そういう教育機関をもたなければ人が集まらないということは、別に心配しないでいいのではなかろうかと、私は実は考えておるので、それらの点に対しましては、今後は從來とはよほど面目が変るのではなかろうかと考えている次第でございます。
  9. 林百郎

    ○林(百)委員 高等逓信講習所並び普通逓信講習所と、逓信從業員との関係を少し説明していただきたいと思います。これは一應逓信從業員になつた者をここへ入れて講習して、その講習をしている間は、待遇逓信省職員として待遇しながら、この学科を履ましておつたものかどうか、あるいはこの講習所を出てから、逓信省職員としたものか、われわれ寡聞ではありますが、知つているところによりますと、やはり一應職員になつて、それから講習所へ出して教育をしていたようであります。その間の生活もやはり逓信省の方で、保障していたように思われているんですが、その関係をひとつ説明していただきたい。
  10. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 從來からの身分的な取扱いは、ただいま林委員からお述べになりました通りでございます。すなわち外部から直接逓信講習所入学するという形式をもつて採用する者もございますけれども、そういう者につきましても、それは入学して逓信講習所生徒あるいは学生である間は、逓信職員以外の者ではないのでありまして、入学を許可されたときに、つまり逓信職員として採用され、そうして逓信職員としてその特殊の訓練を受けるために、その訓練機関に、いわば職場というのは適切でないかもしれませんが、職場におかれると同じような形において、そこにおかれておるというぐあいになつておるだけでございます。そういうわけでございますから、もちろんこれは現場で働いております者よりも、從前給料手当というようなものに若干の差等はございましたけれども、とにもかくにもその人たちには給與を與え、また訓練を受けるにあたりましても、一切の施設は國の方で経費を負担するという行き方をとつてきておつた次第でございます。
  11. 林百郎

    ○林(百)委員 今逓信大臣答弁によりますと、逓信省職員であつても、パートタイム新制高等学校の方へ行く途があるということですが、しかし事実上今の経済的事情、あるいは生活事情から考えて、逓信從業員として一日專心に仕事をした後に、また教養を高めるために学校へ行くということは、非常に無理がある。仕事の方を手を拔くか、あるいは学問の方を手を拔くか、どちらかにしないと、両立しないとわれわれは思うのであります。やはり從來のように、生活の保障をある程度見てやりながら、ここで教養を高めるというのが、一番理想的だと思うのだが、その点逓信大臣の言われるように、働きながら勉強するということが安易にできるかどうか。非常に困難ではないか。そのために仕事の方の手が拔けてくるようになるのではないかというように思われるのだが、その点の大臣のお考えをお伺いしたい。
  12. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 十分生活を保障して学校にやれるということは、まことに好ましいことでありまして、私ども許されるならば、そういう方法をとりたいと考えるのでありますが、しかしその場合でも逓信省が、逓信省自体学校をもつて逓信省だけの者を簡拔してやるというやり方が、はたして眞にセクシヨナリズムというか、そういうようなものを排撃して、教育は一本の姿にするというアイデアと、必ずしも一致しないということも言えるのではなかろうかと思うのであります。なるほど從來はそういうふうにしてまいりましたが、しかしこれはそういうことを実際行うのに非常に困難な状態に立至りましたことは、林君よく御存じだろうと思うのでありまするが、逓信省が著しく危殆に瀕しまして、通信料金の大幅の値上げを、皆さんに御審議を願つておるというような通信会計の中におきまして、特に逓信省がみずからの從事員を他の國民と差別して、自分のところで中等教育あるいは高等教育というものを授けて、他の中等学校高等学校卒業してきた者と同等の資格を與えるがごときことをするそれ自体が、理論的に言つて実は新憲法國民平等の建前から言つてよくないことが、次第に強く指摘されるに至つた点を御考慮が願いたいと思う。從つてども理想として、いわゆる勤労大衆無産階級の子弟を教育する。これは國家が当然なさなければならないということを理想としておりまするので、これは逓信省の問題として考えずに、國家全体として、政府全体としての問題として考えるべきであるというように、実は考えておる次第でございます。
  13. 林百郎

    ○林(百)委員 本法案提出された根本的な理由が、実は今までわれわれ委員の間に了解に苦しんでおつた点でありますが、今大臣の回答をお聽きしますと、大体教育の一元化、一般教育というものは、あくまで文部省へ一元化すべきものだという建前と、第二の理由としては、予算の削減、でき得る限りサービスの方面以外のものは、通信会計としてはこれを削除したい。この二つの理由から本法案が出たのであります。むしろ本法案從來講習所の機構を縮小してもやむを得ないというように、われわれは聽きとれるのですが、その点本法案提出の根本的な理由、これを大臣からお聽きしたい。
  14. 土井直作

    土井委員長 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止
  15. 土井直作

    土井委員長 速記をとつてください。
  16. 森直次

    ○森(直)委員 先ほど來大臣はじめ大野政府委員から、いろいろ御説明をお聽きしましたが、この問題に限り、特定局及び從業員方々が一体となつて訓練法に反対をしておられます。特に全逓從業員のごときは、逓信大学までということも言われておるような状態で、私たちといたしましては、どれがどれだかほんとうを申しますと、実際見当がつかないようなところであります。と申しますのは、先ほど申しましたように、訓練内容もまだお示しになつておらない。大臣は理論的には非常に負けたというお言葉でありましたけれども、同じ逓信省職員であつても、これだけ考えが違つておるという点は、実際どの点にあるかということを、ほんとう考えると、われわれにはわからなくなつてしまうのであります。訓練内容でもお示しになれば、またなるほどと得心がいきますが、それもまだお示しになつておりませんので、いまさらその点は申し上げませんけれども一つお尋ねしたいのは、先ほどちよつと御説明になりました委託訓練の点であります。もう少し詳しく御説明をいただきたい。
  17. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 それはまだ私の希望でありまして、委託訓練ということを、必ずしもただちにやり得るというわけではありませんから、さよう御了承願います。
  18. 重井鹿治

    重井委員 総括的な問題は大体わかつておるのでありますが、なお私は小さい問題について、一應聽いて結論を出したいと思います。專修部技術科の在学生措置は、どういうようになるのか聽きたいと思います。
  19. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 これは先般全部繰上げ卒業いたしました。
  20. 重井鹿治

    重井委員 今まで臨時措置によつて訓練を施すという言葉がいろいろ出てまいりましたが、その教科の科目というのは、どういうような科目でありますか。
  21. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 お手もとに御配付してあると思いますが、逓信職員訓練法案資料最後から六、七枚目のところにございますが、新制度による訓練科目案というとをごらんくださいますと、大体こういう科目に重点を置いて、暫定の訓練も行われるという、一つの目安になるものでございます。
  22. 重井鹿治

    重井委員 先ほど繰上卒業証書を渡すということでありましたが、この意味はどういう意味でありますか。
  23. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 高等逓信講習所の場合でございますと、ちようどこの三月に卒業日が到來して、三年の終了課程を終ります者については、所定の卒業証書を渡し、いわゆる正規通り卒業があるわけでございますが、技術科三年と申します組が、実は四月卒業であつたわけでございます。そこでこれをそのままにわけておきますれば、四、五、六と三月さらに教育を施して、しかる後正規卒業ということになるわけでございますが、一應この種の者は三月で打切るという方針をきめましたので、それまでに以後三箇月間に施すべき教育内容を圧縮して、訓練をいたしまして、三月末をもつて三年の課程修了したるものとし、その卒業証書を渡した。こういう意味であります。普通講習所におきましても、同じような状況にありました本年六月に卒業予定の者は、実は四月末に繰上卒業といたしました。一方は三月末、一方は四月末といたしましたのは、いずれも單に繰上卒業というだけでなく、やはり卒業するからには卒業しただけの訓練内容もつけていきたい、こういう希望でその期間を考慮した結果でございます。
  24. 重井鹿治

    重井委員 臨時措置による卒業者は、自分待遇に対してたいへん心配しておると思うのであります。その待遇はどのようになるのでありますか。
  25. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 繰上卒業になりました者も、正規卒業をいたしました者も、すべて待遇は同一になるのでございます。なお高等逓信における一年修了、二年修了、そういうものにつきましては、それぞれその受けました訓練内容にふさわしい待遇考えておりまして、彼此権衡を失しないように考慮いたしております。
  26. 重井鹿治

    重井委員 次に新規入学予定者があると聞いておりますが、この新規入学予定者に対しては、どういう措置をとられますか。
  27. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 御説の通り新規入学予定者として待機中にありました者が、相当数この四月初めにございました。これは新たに生徒を募集いたしますその手続は、実は昨年の暮ごろから準備をし、また入学試驗等行つてまいりましたので、本來こういう問題が起りませんければ、從前通り、それらのものは在來の講習所にはいりまして、在來通り訓練を受けるわけでありますが、先ほど申しましたような事情でこの三月末をもつて、一應全部切替をいたしました関係上、從來通り條件で、この人たちを受入れるわけにはまいりませんので、一應待機という形にしてございますが、これはその後関係筋ともよく折合せを遂げまして、それぞれ現在では逓信講習所にはいりまして、訓練を受けつつあります。
  28. 重井鹿治

    重井委員 それから新規入学予定者養成される者が、普通部業務科から逓信科入学した者と、高等部郵務科ということになつておりますが、この養成科目は、どういうような科目になつておりますか。
  29. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 入学待機中の者で、普通逓信講習所普通部入学する予定の者は、お話の通りすべてこれを電信科生徒として受入れたわけでございます。高等部の方は、郵務科で百五十名余りございますものを受入れましたほかは、すべて一應入学を取消しという措置をとつたのでございます。養成科目は、ただいま資料ちよつとごらんを願うことにいたしました科目と同樣でありまして、たとえば一般通信オペレーターでございますと、和文音響通信術欧文音響通信術、電話機に依る和文通信術電信機に依る欧文通信斜電信用和文タイプライチング電信用欧文タイプライチング電信機械電信法規大意、実習、通信地理電氣通信事業概要事業英語会計大意科外講話、こういうふうになつたわけでございます。
  30. 重井鹿治

    重井委員 もし新しい制度を実施されるといたしましたならば、その新しい制度のもとで生徒を募集する場合の選抜方法その他試驗科目ということは、どのようになつておりますか。
  31. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 それらの点はおおむね在來のやり方と大差なくてよいのではないかと考えております。
  32. 重井鹿治

    重井委員 これまでいろいろ各委員から申しましたように、講習所にはいることは、この逓信に携わる者の青少年諸君の大きな希望であつたわけでございます。それがなくなるということになりますと、前途の目標を失つた者相当あると思うのであります。このような経緯に対して、將來の心構えに対してはどういう考えをもつておられますか。
  33. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 実は從來講習所がなくなるといつたような考え方が、やはり一部にはあるように、私どもには存ぜられるのでありまして、それはまた必要以上に不安を呼ぶ起す原因にもなつているのではないかと考えます。御承知のように、普通講習所の歴史をみましても、明治二十二年に電氣通信技術練習養成所というのができまして、その当時は六箇月で養成を終つております。それからその名前があるいは通信練習生養成所とか、あるいは通信生養成所とか、いろいろ名前変つて現在のような逓信講習所となつております。その間の養成期間も、時々の事情によりまして、六箇月となつたり、九箇月となつたり、またそれが一年となつたり、さらに短縮されたり、また延びたりしたような変遷をたどつてきておりますもので、私は逓信事業が、こういう特殊な技術及び特殊な知識をもつた職員を必要とする限りにおきましては、名前はどう変りましても、実体はやはり存続し、必要であるということを確信いたしておりますし、今度の訓練法によりましても、名前はどうなるかわかりませんが、やはり現在の逓信講習所に代るべき同じような実体を備えたものがなければ、訓練法が実施できない、かように考えている次第であります。
  34. 土井直作

    土井委員長 特に許されて傍聽されておる方で筆記は遠慮してください。筆記をしてはいけません。
  35. 重井鹿治

    重井委員 そうしますと、この逓信講習所に勤めておいでになる職員の方が相当おられると思いますが、職員に対する措置についてお聽きしたいと思います。
  36. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 現在逓信講習所に勤めております職員方々の身分は、御承知のように、逓信講習所官制によつて保障されておるわけでございますが、これが訓練法実施によりますと、附則の二項によつて廃止されることになります。そこでただいま別途に政令をもちまして、現在の講習所職員方々は、すべてこれを本省組織の中に吸收をいたします。つまり全部本省職員切替をする措置をとりつつあるのでございますから、身分的には何らこれによつて変更を生じない。つまり職を離れるというようなおそれはないと御了承願つて差支えないと思います。
  37. 重井鹿治

    重井委員 今度は訓練法に基く講習所となる場合に、現在講習所本部支所というものが相当あると思いますが、本部だけが残つて支所が廃止になるという危險性はないのでありますか。
  38. 大野勝三

    大野(勝)政府委員 その点は新訓練法に基くところの訓練機関を置きます際の具体的の問題として、これから險討しなければならない問題でございますが、ただ私どもといたしましては、事務的にはせつかく努力をして、できたこれらの施設は、でき得る限りむだなく活用するという方向にもつていきたいと考えております。
  39. 重井鹿治

    重井委員 まだいろいろ聽きたいことがあるのでありますが、時間の関係で、本日はこれでやめたいと思いますが、先ほど林委員その他から申されましたように、私どもこうしたいろいろの心配が解けないのでありまして、でき得れば近日中にどの程度訓練内容の協議が進んでおるかという、現在進んでおる程度だけでもお知らせ願えれば結構だと思います。
  40. 土井直作

    土井委員長 逓信職員訓練法案に対する質疑は、本日はこの程度に止めておきます。明後日午後一時から委員会を開きまして、逓信職員訓練法案、郵便法の一部を改正する法律案、電信電話料金法案、郵便法等の一部を改正する法律案を一括議題として上程し、その質疑の継続をしたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時二十四分散会