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1948-06-11 第2回国会 衆議院 通信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十一日(金曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員    委員長 土井 直作君    理事 白井 佐吉君       千賀 康治君    多田  勇君       平井 義一君    宮幡  靖君       森  直次君    海野 三朗君       片島  港君    野上 健次君       村尾 薩男君    田島 房邦君       萩原 壽雄君    中野 寅吉君       林  百郎君  出席國務大臣         逓 信 大 臣 冨吉 榮二君  出席政府委員         法 制 長 官 佐藤 達夫君         逓信政務次官  五坪 茂雄君         逓信事務官   大野 勝三君         逓信事務官   浦島喜久衞君         逓信事務官   小笠原光壽君         逓信事務官   中山 次郎君         逓信事務官   横田 信夫君  委員外出席者         專門專調員   吉田 弘苗君 六月九日委員長谷川俊一君及び飯村泉君辞任につ き、その補欠として園田直君及び押川定秋君が議 長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公述人選定に関する件  電信電話料金法案内閣提出)(第八四号)  郵便法等の一部を改正する法律案内閣提出)  (第八五号)     —————————————
  2. 土井直作

    土井委員長 会議を開きます。  質疑にはいります前に、すでに新聞紙上等において各位御承知であろうと思いまするが、小為替証書用紙窃盜問題がありましたので、その件について五坪政務次官から報告をしたいということでありますから、報告を許します。
  3. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 まことに申しわけがないのでありますが、また新聞紙上に出ておりましたように不祥事件が起きたのであります。それは小為替証書用紙盜難事件であります。すなわち読賣新聞紙上に掲載せられました小為替証書用紙窃盜事件につきまして、現在まで判明いたしております概要を御説明申し上げたいと存じます。  これは五月二十六日に東京貯金支局に、千住高砂郵便局から小為替証書用紙千九百枚の拂出請求が參りましたので、貯金支局では二十九日これをつくりました。しかし技工手すきであつたために、千九百枚というのを四千枚つくりまして、これを紙包として小郵袋に納入いたしておいたのであります。しかし当日は、ちようど土曜日でありましたために、その小郵袋はそのまま貯金支局に保管しておいて、月曜日、すなわち五月三十一日の正午少し以前に簡易保險局内郵便局に引渡しまして、午後一時半の上り号自動車逓送便によりまして赤坂、麻布、芝局を経由して、東京中央郵便局に差立てられたのであります。中央郵便局におきましては、到着の際に運轉手の持参いたしました送証と現物との箇数が符合いたしませんので、一々調査いたしました結果、総数において一箇不足のことが判明いたしたのであります。そこで途中局とも打合せいたしました結果、これは最初の計数の誤認であつたものだろうということにいたしまして、便宜送達証、すなわち送証を訂正して事を済ませたのであります。この間に盜難事故があつたことは、当時遺憾ながら氣がつかなかつたのであります。貯金支局における小為替証書用紙受領通知受取局から参りますのは、発送後およそ一週間内外経過してからのことでありますので、その後数日間この盜難の事実を知ることができなかつたのであります。しかるに犯人はこの小為替証書に精巧極まる日附印、それから金額印主務者の印を使用いたしまして、小為替の最高額である一千円の偽造小為替を作成しまして、六月一日から連日にわたり都内各局及び埼玉縣各局などに出沒いたしまして、中川良一小林和一等金融通帳を提示しまして、巧妙なる詐取に成功したのであります。六月五日小岩駅前局に現われました際に、小為替番号日附印が前後していることを局員に不審を抱かれましたので、そのまま立去つたのでありますが、六月六日小岩六局の局長が小岩駅前局を訪れましてその事実を知つて、すぐに自局に立帰つて調査いたしてみましたところ、自分のところではすでに支拂済のものがありましたので、驚いてただちに事実を東京逓信局報告したのであります。同日逓信局ではただちに全國の郵便局警戒の電報を発しまして手配をしたのでありますが、犯人は早くもその危險を察知いたしましたものか、その後はいずれの局にも現われない。目下監察部におきまして、全力をあげて各方面の捜査に努力いたしておるのでありますが、犯人はまだ逮捕至つておりません。現在までの被害金額は、判明しておりますものだけでも十五、六万円に上つております。犯行の状況から見まして、犯人はどうも逓信部内の事務に精通した者の所為であるように考えられますので、そういう想定のもとに目下調査を進めております。逮捕の一日も速やかならんことを念願しておる次第でありますが、以上のような事情でありまして、こういう事件を惹起したことはまことに申訳ありません。監察部を督励しまして一日も早く犯人を調べ上げるとともに、さらに各局に対して一層警戒を嚴重にするようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
  4. 土井直作

    土井委員長 ただいまの報告に対して御質疑はありませんか。
  5. 野上健次

    野上委員 かかる事件が起きたことは、まことにわれわれといたしましても遺憾に思うところでありますが、こうした事件の発覚が非常に遅れたということは、何としても送達証便宜訂正するという事後処置がなされたところに、こういう犯罪事実を速やかに発見することができなかつたということが生れるのであります。逓信事務國民の信頼のうちに最も嚴正に行われておるとわれわれは深く信じておるわけでありますが、今五坪政務次官説明を聽きますと、そうした不審な点がある。これはあくまでそうした点について十分責任を糾されなければならないと思うのであります。それからいま一つ、私が疑問に思いました点は、千九百枚の請求があつたのに対して、四千枚の小為替証書が作成された、これはどういう事務上の手続によつて四千枚が作成されたのか、その点を一應お伺いしておきたいのであります。
  6. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 御説のごとく、誤認であつたとか、誤記したとかいうようなことで簡單に済ましておいたということが、これが早く発見できなかつた最も大きな原因であつたと思います。これは目下監察部の方で追究しておりますので、そのうちにはつきりしてくるだろうと思います。それから千九百枚要求があつたのに、四千枚送るということは変じやないかというお尋ねであります。これはまことにその通りでございますが、しかしこれは実際を調べてみますと、よけい請求される局に対しては、それをつくつておる技工手すきがあつた場合には、千九百枚要求しても、あるいは三千枚やるとか、四千枚やるということは從來たびたびあつたのであります。また要求してくる、また千九百枚、二千枚とつくるのはめんどうですから、手のすいたときにそれをつくつておいて、つくつたものをそのままその局に送るということは從來からあつたそうであります。どうかその点は御了承願いたいと思います。     —————————————
  7. 土井直作

    土井委員長 電信電話料金法案郵便法等の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を継続することにいたします。
  8. 多田勇

    多田委員 ただいま審議されております郵便法等の一部を改正する法律案内容について、われわれ非常に不思議に思う点がありますので、さいわい法制局から見えられておりますから、この点についてお伺いしたいと思います。第一の点は、第三條に「郵便為替法昭和二十三年法律第 号)」というように、空欄になつております。さらに第四條には「郵便振替貯金法昭和二十三年法律第 号)」というように空欄になつております。この二つ法律はまだ施行になつておりませんし、この法案自体が、未だ衆議院においては予備審査に当委員会に付託されている法案であつて、正式な法案として審議の過程に入つていないのであります。參議院におきましても、委員会は通過いたしましたけれども、本会議においては、未だ可決を見ていない法案でありまして、參議院における成立もないのであります。それにもかかわらず郵便法等の一部を改正する法律案に、この架空法案成立するかどうかわからない、しかも衆議院においては予備審査中の二つ法案を、このまま改正しなければならないという條項が入れられておるということは、非常に不思議に思うのであります。從來こういつた例をわれわれは聞いていないのでありますし、かつまたかような架空法案が、必ず國会を通過するという前提もとに、こういつたものができたのであるかどうか、あるいはまた、この法案をつくる当時において、この二つ法案成立するということを見越して、こういつた建て方をとられたかどうかわからないのでありますけれども、このように未だ成立を見てない法案改正案が出されたということは、一面考えますと、この二つ法案議会において必ず通るものであるという一つ前提もとに出されたものであろうと考えられまして、これは議会審議権無視した行為ではないかと、われわれとしてははなはだ心外にたえないのであります。このような法案が、はたして努力があるものかどうか。あるいはわれわれとして、かりにこれを審議し、これを取扱う場合に、かくのごとき架空なもの、しかもまだ法律として施行されてない空欄を置いたままの法律字句修正等行政当局に一任するというがごとき審議のしかたは、とうていとり得られないところであろうと私ども考えておるのでありますが、当局はどういう理由でこのような法案を出されたのであるか、これは当然両法案とも一應撤回して、新しく提案されるような手続をとるのが当然であるにもかかわらず、こういう理由によつてこのような取扱いをなされたのであるかという点と、これが法律化した場合の法的の効力についてお伺いいたしたいと思うのであります。  第二の点は、本法案附付公布の日から——六月十五日から施行するということになつておりまするが、郵便為替法あるいは郵便振替貯金法二つ施行期日は、公布の日から二十日ほ経過してということになつております。この間の調整をどういうふうな形においてとられるつもりでこの法案を出されたものであるか、この二点についてお伺いいたしたいと思うのであります。
  9. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 ただいまお尋ねの点は、まことにごもつともなことであると傾聽した次第でありますが、これに対して私ども立法技術屋としての所見を申し述べて御説明いたしたいと思います。ただいま二点におわかちになりましたけれども便宜お尋ねの点を三つの点にわけてお答えした方がよかろうと存じます。  第一点は、國会においてまだ審議中の法案に対する改正法案というようなものが考えられるかどうかということが第一点と拜承いたしました。これは國会で御審議を願つておるものの案につきまして、將來時日の経過によつて何らかの訂正を施したいという場合の方法としてはいろいろな方法がございます。法的に可能な方法としては、ただいま御指摘になりましたように、一應撤回して、書き直してお出しする、あるいはまた國会法によれば、修正のお願いをこちらに申し入れて政府修正を加える、これから第三の方法として、ただいまこの案のたどつておりますように御審議中のものも成立前提として、これの一部改正案両方一緒に御審議願う、これはときの便宜と申しますか、國会のお考えにもよることではございますけれども法律的にはこの三つ方法いずれをとつても差支えないものと考えております。ただいまのお話で、國会審議権無視にならないかという御懸念がございましたけれども政府としては一應御提案申し上げておる以上は、極力力を盡くしてその成立努力するという見透しのもとにやつておるわけでございますから、こういうやり方になりますことも御了承願えると思います。またこれが決して國会の御審議の権能を無視しておることでないことは、國会にこれがかかりました以上は、万事國会のお取扱いにお任せしておるわけであります。ただ政府としてはその成立のためにあらゆる努力をして説明申し上げるということでありまして、審議権無視というようなことには絶対にならないものと考えておる次第でございます。  その次の問題が実はなかなかむずかしいお尋ねでありまして、少し言葉を多く費しませんと御了解願えないかと思うのでありますが、要するに、この法律第何号というブランクの書き方をして法案を出しておるのはどういうわけかという点であります。実は法律番号というものは、御承知通り官報政府において制定いたしました法律公布するわけであります。その公布のときに順番を打つていくわけであります。すなわち昭和二十三年度において最初成立したものが公布される場合に、それが昭和二十三年法律第一号、その次に公布されますものが第二号、要するに公布の際の官報に載りました順位によりましての番号でございます。ここは昔から今日に至るまで政府においてその番号をつけさせていただく、かつまた將來その番号つき法律改正したりする場合においては、その番号を引用して國会においてもお取上げいただいておるわけであります。そういう性格のものでございます。そこで今度の具体的な問題でありますが、今までのわれわれの取扱いとしては、実はこの郵便為替法、あるいは郵便貯金法というようなはつきりした正式の題名のついておりますものは、別に括弧をして、昭和何年法律第何号と言う必要はないので、そういう意味括弧書きは昔はつけておりませんでした。ところが最近いろいろな関係方面との折衝等におきまして、先方の係官等の意思もあつて、これでは不完全だ、法律名前があつても、その名前を書いてさらにその下に法律番号もはつきり書くべきだという一つの要請がある。これも考えてみれば法律番号、あるいは何年の法律番号がわかるという点においては親切な方法でありますから、政府としてもこれは一向差支えないことで、かえつてよろしいかも知れないというわけで、これはごく新しいことでそういうことを始めまして、法律名前の下に番号を一々書く、ところがそういうことをやつておりますと、ちようど指摘の今日のような場合に至つてはたと当惑する事態が起るわけであります。そこで括弧書きでまだ成立しておりません、すなわち公布になつておりませんから、番号はないという形のものが御審議の客体にならざるを得ないことに立ち至つたわけであります。しかしこういうふうに番号をブランクにいたしまして御審議を願いました例は、実はもとの旧憲法時代にはそういう先例がございました。その関係においてはわれわれ別に不思議はないと思うのでありますが、但し新しい憲法なつた後においても、こういうことは一体どうであろうかという点に実は非常に疑念をもちまして、こちらの國会事務当局の方方とも念のためにお打合せをしたようなこともございます。これは先ほどから申しますように、便宜政府でお任せ願つたことにして、多年つけておることでもあり、新憲法下においてもこの番号政府でつけさせていただいておるから差支えないのではないかという結論から、このプランクの番号を御審議願つてあと郵便為替法公布の際に附け加えました番号をこれに書き加えまして公布させていただく。何らこれは実体に触れてのことではございませんから、形式の問題としてそういうことはお許し願えるものという前提に立つておるわけであります。そこで郵便為替法はもちろんこれが成立しておりませんことには、今度御提案申し上げました一部改正法律というものは意味をなしません。郵便為替法の方は先に公布されることは明瞭でございますから、ただいま御審議郵便法の一部改正法律案公布されま4ときには、すでにこの郵便為替法法律番号はきまつておるわけでありますから、そのときにこれを形式的に書き入れて公布するという段どりに考えておる次第であります。  それから第三点は、これも非常に深い意味お尋ねでありますが、このもと郵便為替法案公布の日から二十日ということになつております。ところがそれを改正する法律案は六月十五日施行と相なつておるが、その関係はどうなつておるかというお尋ねであります。これは第三條についてかりに郵便為替法の例で申し上げますと、この法律は六月十五日から施行することになりますから、第三條の規定は六月十五日から施行される、それはすなわち郵便為替法の一部をこういうふうに書き改めることが六月一日から施行されるわけであります。そうしますと郵便為替法そのもの実施期日はさらにあとになるかも知れませんけれども、とにかく郵便為替法成立いたしまして、そうして官報にも出るわけであります。その法律の文章の五千円以下とあるのが一万円以下と直る、それは六月十五日から直る、但しその実施効果が発生し、一般にその規定が適用されるのは、台本の方であるところの郵便為替法そのもの施行期日がこなければ施行実施されないという段どりでありまして、一應筋道はついておるものと確信しておる次第であります。不十分かも知れませんが、一應駈答え申し上げます。
  10. 多田勇

    多田委員 ただいま御説明いただいた点は、私も非常にわかりにくくてよくわかりませんが、一番最初審議中の改正案取扱いについて、現在出しておられるような取扱い方法で出すことは少しも法的に差支えないというような御意見でございましたが、どういう根拠で法的に差支えないか、その点をお伺いいたしたいと思います。われわれとしましてはまだ法律になつていないものについて、しかもその法律が、先ほど法制局の方がこの二つ法律將來公布になることは明瞭であるという前提もと考えておられるようでありますが、はたしてこの二つ法律成立するかどうかということは國会においてきめるべき問題であつて政府においてこの二つ法案成立するという一つ前提條件をつけることは、はなはだしく國会を侮辱した行為ではないかとわれわれは考えるのであります。從つて法律になつていないところのものを法律という仮定のもとに、これに対して改正をするということは、われわれとしてはとうてい不可能であつて、まだ法律になつていない架空法案に対して、修正改正審議を進めるということは、われわれの権限以外であろうと考えるのであります。  次に施行期日の問題でありますけれども、ただいまの御説明はこの法案の不備を單につくろうための一つの言訳であろうと考えられますが、はたして今申されたような法的根拠がどこにあるか。この法案によりますと六月十五日からこれを施行するということにはつきり明記されておりますので、この法案施行は六月十五日からということになるわけであります。從つてこの法案成立しまして、法律となつて公布され、六月十五日から施行されるということになれば、六月十五日から郵便為替法あるいは振替貯金法改正されたものについては効力を発生するということは当然だろうと思うのであります。單にこの二つ法律内容が十五日から書き改められるのではなくして、十五日から実際の効果が発生するものであろうとわれわれ考えておりますが、ただいま御説明のように十五日からこの二つ法案内容がこのように書き改められて、そして実際の効力郵便為替法、あるいは振替貯金法施行されたときに効力が発生するというようなお話のはつきりした法的根拠をお示し願いたいと存じます。
  11. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 法的根拠となりますと、割切れた御説明を申し上げますのは多少困難でございますけれども、われわれの考えておりますところは、最初に申し上げたような点からしていずれにせよこの最後のでき上りがわれわれの意図するような形になつて実施されればよろしいのでありまして、その道行きに多少の曲折がございましても、その点はすべて國会にお任せして、國会でお取上げになつて、それをおきめ願いさえすれば、意図した通り実施をはかり得ればいいという結論になるであります。國会審議権というような問題でありますけれども先ほども触れましたように、要するに政府法案を御提案申し上げるのでありまして、これに法律としての力をお與えになるのは國会でありますから、この材料を國会法律として成立さしてくださる。しかしてそれについてのいろいろな御疑問に対してただいまのように私どもはいろいろ御説明申し上げて、なるべく解いていきたいということでありまして、要するに最終のこの効力をお與えくださるのは國会でありますから、審議権云々という問題は全然私はない。またそういう大それた氣持は全然もつておりません。  それから最後の六月十五日云々の問題も、結局先ほどのことを補足して申し上げることになりますが、この場合はたまたまもと台本にあたりますものが成立いたしておりませんために、常識上非常におかしくお考えになると思いますが、かりに郵便為替法というものはすでに成立しておると考えますならば、かような形のこの五千円以下を一万円以下と改める。それだけの改正規定が六月十五日から施行されるということならば一向不思議はないわけであります。この場合たまたまそのもと台本施行されて効力を発生しておらないというだけの問題でありまして、効力は発生しておりませんけれども、その法律としての成立は、この國会が両院で御可決になりますれば、それが動かすべからざる法律になるのでありまして、これを改正の相手方に選んでも一向差支えないのではないか。それから一方は進行中にさようなことをたくらむとは、これはどうだということでありますけれども、これを要するに施行期日をさきに見ております点から申しましても、一應條件附考えたわけであります。それは先ほど政府として思いあがつておるという言葉に触れるかもしれませんが、一應成立さしていただくという前提でこれを出しました。ただ成立が條件的になつておるという違いになるのではないかというふうに考えております。
  12. 多田勇

    多田委員 どうもただいまの御説明だとなかなか結得できませんが、法律國会がきめるのだというようなお話は、これはお伺いしなくてもわかつていることであります。從つて政府はどういうような法案を出しても、その法案に対しては國会がきめるのだからという前提もとに、どのような無責任法案を出しても差支えないのだ。要するにそのきめ方は國会にあるのだからというようなただいまの御意見でございますけれども、このような考え方は私ははなはだ不審に思うのであります。少くとも法律になつていないこのような一つ改正案を出そうという意図は、ただいま再三御説明がございましたように二つ法案が必ず國会を通過して公布されるものである。法律になるものであるという前提もと考えておるだらうと思うのであります。そこで國会に出せば、國会がどのような意見があろうとも、行政府が出した法案については必ず國会は通すべきものであるという一つ考え方もとにこの法案を出されたものであるかどうか、この点についてお伺いいたします。
  13. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私ども態度は決して無責任態度ではございませんで、むしろ責任をもつて国会に御提案申し上げ、かつまた責任をもつてこれを御説明申し上げて、十分御納得いただけるというと確信をもつて御提案申し上げておるのであります。從いまして極力御説明申し上げて御了解を得て、そのまま成立さしていただくことを望んでおります。またその確信をもつものでなければ御提案申し上げておらないわけでございます。しかしながら極力説明をし、あるいはその他の御了解を得るための努力をいたしましても、その後は、最後のこれをお取上げになるかならないか、あるいはお直しになるかならないかという問題は、先ほど申しました通り國会のなさるところでありまして、政府は何らそこにどうということはないという氣持であります。
  14. 多田勇

    多田委員 これ以上お伺いいたしませんが、ただいま法制局の方から、この法案の中の振替貯金と郵便為替の施行期日は十五日でないのである、要するに字句は修正されるけれども施行期日はそのときにおいて行われるという御説明でありましたが、そういう考えもとにこの法案が提案されたものであるかどうであるか。そうしますと、先日御説明いただきました予算についても、十五日から値上げになるという前提の上に予算が組まれておると思うのであります。ところが実際通信当局も御承知のように、この二つ法案は、参議院の委員会のみ通過しておるのであつて衆議院においては予備審査中のものである。從つてこの法案がただいま審議中の法案よりも前に國会を通過するということは考えられないことだろうと思うのであります。從つてこの改正案の後において二つの新しい法案が通過し、実際に効力が発生いたすといたしますと、相当値上げの期間が延期になるのではないか、こういうように考えられるのでありますけれども、ただいま法制局の方の御説明のような考え方もとに提案されたものであるかどうか。あるいは十五日から施行するという前提もとに予算を組まれて、この予算を提案されたものであるかどうか。この点をお伺いいたします。
  15. 大野勝三

    ○大野(勝)政府委員 予算を編成いたします場合におきましては、大体十五日値上げというめやすを置きまして編成いたしましたことは、ただいま多田委員から仰せになりました通りでございます。これは御承知のように予算は一定の條件を定めて組みませんと計数が定まりませんので、一應そういうことにいたしたのでございますけれども、もちろんこの郵便料金その他電氣通信の料金法案を御審議いただきまして、この法律成立した時をもつて初めて値上げは実施されるということになるのでございますから、法案には六月十五日と書いてございましても、これは申すまでもございませんが、他の條項と同じく法案の一部でございますからそのこと自体もまた御審議の対象になるというわけでございまして、それが六月十五日になりません場合ももちろん予想されますので、そういう場合には当然予算面におきましてその影響が現われてまいるのでございますが、その点につきましては、ただいまのところでは、結局この通信料金だけの問題でございませんで、このたびは政府全体の施策の一環としての通信料金の値上げの御審議をいただいておりますので、そのほかの関係とにらみ合わせて考えますと、收支に影響を受けます点がほぼ相殺をいたしまして、予算自体につきましては、実質的にそれほど影響を受けないで済みますけれども、組み方から申しますれば、今申しましたように、一應六月十五日を一つのめやすといたしまして組んでおりますことは、まさに仰せの通りなのでございます。  それからこれは私が申し上げますのは、いささか適当であるかどうかと思うのでございますけれども、ただいまいろいろ御質疑に相なつておりました為替貯金、振替貯金等の関係法案との問題でございますが、実を申しますと、右の二つ法案國会に出まして御審議をいただいておりましたその後におきまして、料金改訂の問題が具体的になつてまいりましたので、法律技術的にこれをどう取扱うべきか、実際の通信会計の現状から申しますれば、為替貯金あるいは振替貯金の料金もまたこの際改訂をさせていただきたいという必要に迫られておりましたので、その技術をどうするかという点につきましては、実はわれわれも非常に苦心をいたしまして、政府部内におきまして寄り寄り研究協議をいたしました結果、ただいま御提案いたしましたような形になつております。それで先ほど法制長官からもいろいろお述べになつたのでありますけれども、決してそういう形がこの際最善のものであるとは万々考えてはいないのでありますけれども、今申しましたような法案がすでに提出されたあとにおいて、料金をかえるという問題が起り、そのために一体現在提案されておる為替貯金、振替貯金の法案の前の状態の料金に、今度の料金関係法案が結びついていくということが事実上むずかしくなりましたので、どうも非常に苦しいところでございますが、そういつた方法法案としてはとらせていただいたのでございます。実質はこの際通信会計の赤字を解消し、少しでも経営の健全をはかる第一歩を踏み出すためのやむを得ない措置としての料金の改訂を、どうしてもこの際ひとつ國会の御審議を仰ぎたいという、つまり実質の考え方からやむを得ずそういう法案の体裁になりましたことは、非常に私ども事務当局といたしましては申訳なく思つているのでございますが、法律的な説明はただいま法制長官から御説明がありましたので、何とぞその辺はひとつ御了承を仰ぎたいと存ずる次第でございます。
  16. 多田勇

    多田委員 最後に法制長官にお伺いいたしますが、かりに法案法律化された曉において、この法案公布なつた、しかしながら先ほど申し上げましたように、郵便為替法及び郵便振替貯金法二つ法案法律として成立しなかつたというような場合に、この改正案をそのまま法律化すること自体との間にどのような矛盾があるか、これは差支えないかどうか、この点についてお飼いいたします。
  17. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 成立しなかつて場合の理論の問題でございますが、これはただいまの大野政府委員説明のように、実体にふれておる問題でございますから、料金の値上げということだけは、政府としてもやりたいという問題が残るわけであります。それをいかに処置するかという問題と、結局形式の問題とが絡み合つたことになると存ずるのでありますが、万一理論的に成立の見透しが困難になつてきたという場合には、國会の方とよくまた御連絡を申し上げてあるいはお願い申し上げて、適切なるその際の処置をお願いするほかはないのではないかという考えをもつております。
  18. 多田勇

    多田委員 國会にお願いするとかしないとかいう問題のほかに、法的に差支えないかどうかという点をはつきりお願いいたします。
  19. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 この郵便為替法の例で申しますと、郵便為替法もとの方の法案が万一不成立なつたという場合におきましては、ここに御審議願つておりますこの第三條は全然意味をなさぬことになりますから、このまま死交となつてしまうことになります。
  20. 多田勇

    多田委員 お話をお伺いいたしますと非常に便宜主義に取扱われておつて二つ法案成立しなかつた場合には、これは死交になつてしまうんだというようなことであるとすれば、このような取扱い方をするということが非常に便宜主義な取扱い方であつて、われわれは少くとも法律をつくる以上は、はつきりした形式を通つて、その上に立つて成立さすべきものであろうと考えておるのであります。このような防宜主義な考え方によつて法案が提案されたということは非常にわれわれとして遺憾なことでありますが、ただいまの問題は水掛論になりますので、この程度で私の集疑は打切ります。
  21. 白井佐吉

    ○白井委員 きようは発言者の数が大分多いように見受けられるのでありますが、あらかじめ発言者の順位を定められておかれたらどうかと思うのであります。
  22. 土井直作

    土井委員長 ただいま白井君から発言者が相当多いだろうから、順位を定めておいてはどうかという御意見がありましたが、ただいままで私の手もとに発言申込みをしておりますのは森君、白井君、千賀君と御三名であります。なおその他に発言申込みがありまするならば、順次委員長の方で適当に順位を決定して発言を許可することにいたしたいと思いますが、それでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 土井直作

    土井委員長 申込みをお願いいたします。申込み順に從いまして発言を許します。森君。
  24. 森直次

    ○森(直)委員 今回の値上げが國民生活にいかに影響するかということは、通信事業と國民生活との関係から見てもよくわかるのでありまして、われわれから申しますと、國民の犠牲によつて一方的に値上げをして、そうして通信事業を賄うということは、これはいずれかと申しますと、われわれとしては反対であります。今の通信事業のサービスといい、その他これに対する國民の信頼感の低下といい、もう少し政府自体といたしましてなすべきことはなされ、打たれる手は打たれて、そうしてなおかつ不足した分は、どうしても國民の犠牲によつて、こうしてもらわなければならぬ、こういうやり方が私はむしろ政府としてなされなければならない点じやないかと思います。そこでこの問題が非常に重大なる影響を與えるのでありますから、われわれといたしましては愼重にこれを審議いたしたいと考える次第であります。そこでまず政府お尋ねいたしたいことは、もちろん通信白書その他の資料によつて大体われわれも通信事業の現状を知ることができますが、事業別の收支と人員の点を一應政府お尋ねいたします。
  25. 大野勝三

    ○大野(勝)政府委員 森委員からお尋ねのございました事業別收支の状況でありますが、これはあとで資料として差上げたいと思いますが、一應御説明申し上げますと、二十三年度の本予算——予算は從來から別に共通的な経費その他がございますので、はつきりと事業別には組み立ててございませんので、一定の比率その他を用いまして各事業にあとで分類をいたしました数字を申し上げますと、郵便の收入が七十五億七千二百八十四万円に対しまして、その支出は百二十三億五千四百八十二万円でございます。差引四十七億八千百九十八万円の不足でございます。つまり郵便事業におきましては四倍値上げをいたしました際におきましても、なおそれだけの赤字を出すという勘定になるということでございます。それから電信事業におきましては、收入が四十九億一千六百五万三千円に対しまして、支出は九十億八千百三十九万三千円でありまして、差引四十一億六千五百三十四万円の赤字でございます。次に電話事業でございますが、收入百七十二億一千六百十九万四千円に対しまして、支出は百二十九億七千七百十五万一千円でございまして、差引四十二億三千九百四万三千円というこれは過剩になつております。つまり電話事業においてだけこれだけの黒字になるという計算でございます。そこで電信電話両事業総合の場合には收支とんとんになるという計算になりますが、この場合におきましても、郵便事業はなお相当の赤字を余儀なくされているという形に相なつておるのでございます。  それから事業別の人員でございますが、郵便事業におきましては、從業員数は八万四千八十人、電信事業においては四万二千八百六人、電話事業においては五万五千六百八十人、いずれもこれは二十二年度の人員でございますが、二十三年度におきましても、これと大した差は起らない見込でございます。
  26. 土井直作

    土井委員長 ちよつと皆樣に申し上げておきますが、数字的に特に御質問になります点は、当局から資料を配付してもらつて、十分ごらんの上御質問願うようにしたいと思います。政府の方もそういうふうにお手配を願います。
  27. 森直次

    ○森(直)委員 郵便事業に関する收支の点は、一應政府の御説明でわかりましたが、四十七億という赤字の原因はどの点にあるのでありますか。
  28. 大野勝三

    ○大野(勝)政府委員 これは結局郵便事業の維持運営に要する経費、つまり原價的に見ますと、非常に重いものについておりますために、現在の料金をもつとしてもなおかつ十分にそのコストをカバーすることはできないということが原因だ、一口で申し上げればそういうことでございます。
  29. 森直次

    ○森(直)委員 私は郵便事業についてはむしろ從業員の数だと考えますが、御承知のごとく昭和九年、昭和二十二年の例をとりますと、業務量一〇〇に対して九二、人員は一〇〇に対して一二一という率になつておるように拜見いたしますが、実際郵便事業を担当しておる從業員が拘束八時間の実際の労働をほんとうにやつておるのか、またうわさによりますとなかなか八時間の拘束勤務ということが守られないように見えますが、そういうような点から人の整理という点を考える余地があると思いますが、この点をお尋ねいたします。
  30. 小笠原光壽

    ○小笠原政府委員 ただいまの御質問は、さような御疑念をおもちになるのはまことに一應ごもつともだと存じまするが、実は昭和九年ないし十一年の当時における能率を基準にいたしまして、昭和二十三年におきまして処理を要する郵便の量を前提といたしまして人員を算出いたしまして、さらに昭和九年ないし十一年当時においては全然なかつた新しい労働條件改善のための條件を考慮に入れます場合におきましては、実は八万四千という数字は決して過大な数字ではないという結論が出てまいるのであります。殊にただいまの御質問のように、それでは拘束八時間ということでやつておるようだけれども手すきの時間が相当あるのではないかという御趣旨でございます。それは確かにそういう面もございます。それは何ゆえにそういう事態が起きてくるかと申しますと、都市等におきまして郵便物の取扱うべき量が十分に多量にあります所はそういう事態は起きてまいりませんで、常に流れ作業のように一定の休憩時間以外はほどんど仕事をしておるという状態になつておりますけれども、地方の田舎等の郵便物の量が比較的に少い所におきましては、若干手すきの時間が出てまいるのでございます。それは結局その郵便物の速度を維持しようというところに原因があるのでありまして、たとえばその地方を通つております鉄道に対して郵便物を輸送するわけでございますが、その鉄道の時刻そのものがまた必ずしも郵便物の取扱いちようど都合のいいようにできておりません。郵便事業の経営面から考えまして、一日に大体二本程度の列車を指定しましてそれに積んでおる。それが倉庫の関係で一日四本になるわけであります。それまでに引受けた郵便物は必ずその所定の時間に間に合わすというように処理いたしております。從つて郵便を引受けますのは、必ずしも一日の朝から夜まで一定のきまつた数量が引受けられるわけでなくて、時間的に上下がございます。從つてその処理を一定の時間までにする。そのために必要な人員を配置しなければならないという関係から、多少地方におきましては手すきの時間ができてまいるのでございます。  それからもう一つ郵便の方で、郵便の量が非常に減つたにもかかわらず、どうしても人間を減らすことができないという一つの主要な原因は、郵便物の配達面にあるわけであります。これは現在の郵便事業の定員の約八万四千人の中で約五万人の人間は外勤をしておるのでございまして、郵便物を集めたり配達したり、そういう仕事をしておる者でございます。ところがこれは一定の郵便物を取集め、配達する一定の区画をきめまして、その中を担当して郵便を集めたり配達したりいたしておるのでございまして、これは郵便の量が減りましても、その者が歩行いたします距離は郵便の量に必ずしも正比例いたしません。もちろん郵便の量が減ります場合には若干低下いたしますけれども、郵便物の量が減るのに正比例しては歩行距離が減りませんために、やはり部数は減つてもある程度の人間は配置せざるを得ないというようなことになります点が、郵便事業の経営上まことに不経済な点でございますけれども、日本全國到るところ郵便の配達をしなければならないという建前からしまして、まことにこれはやむを得ないような状態になつておる次第でございます。
  31. 森直次

    ○森(直)委員 この問題につきましてはなお私たち本当資料を集めておりますから、いずれ後にお尋ねすることにいたしますが、電信の赤字は大体どこに原因があるのでありますか。
  32. 中山次郎

    ○中山(次)政府委員 御説明申し上げます。電信の赤字につきましてはその原因を相当研究いたしておるのでございますが、御承知のように電信は永年赤字の状態が続いておるのでございまして、私ども当事者といたしましては電信電話を総合的に経営いたしてまいつたのでございます。とかく電報は電話よりも非常に先駆的の役目を演じておりまして、交通不便な所、また相当経費のかかるような電話のない所に電報を先駆的に敷設しております関係上、料金收入よりも施設費用の方が相当増嵩しておる次第でございます。從つて多年の赤字の状態を見ましても、相当改善しつつあつたのであります。それの対策といたしましては電狂は人件費、物件費相当の比率を保つておつたのでありますが、最近やはりいろいろの資材難、機器の入手難からいたしまして、せつかく私どもが企図いたしておりました能率化、機械化、高速度化というのが一頓挫をしまして、戰前にある程度実現いたしました高速度化がないために、人件費の方が相当率が高まつておる状況でございます。そこへもつてまいりましてその要員の方もある程度養成また勤続年数というようなものの状態が変つてまいりましたために能率が惡い、從つて人件費が占むる支出の分野は比率が多いのでありますが、必ずしもこのために人員が過剩だということにはまだなつていないのであります。從いまして私どもといたしましては、現在の電報の音響通信の比率をなるべく少な目にいたしまして、自動とか、あるいは印刷電信というような機械力を使いまして、その取扱数の増加によりまして收入の面をもつて高めまして、赤字を補填いたしたいと思うのであります。今このインフレによりまして、非常に支出の面の赤字が巨額に上つておりますが、しかし先ほど説明いたしましたように電話と総合経営の点から言いますれば、まだ黒字の余裕がございます。おそらく電信といたしましても、電話におけておる迷惑といたしましては、ある程度頭をついておるのではないか。これからの施策によりましてこの赤字は減少していくものだと私ども考えておる次第であります。
  33. 森直次

    ○森(直)委員 そうすると電信においては大体施設費というものが、赤字の原因だということに考えてよろしゆうございますか。
  34. 中山次郎

    ○中山(次)政府委員 施設と申しましても、從來から料金制度が、支出を度外視してある程度社会的と言いますか、電話とのサービスと関連いたしまして、赤字のままの経営状態を基礎にしてきめておつた料金であります。從いまして今回値上げいたしましても、そう非常な高率にはほかとの権衡上できません関係上、五倍程度にいたしたのでございます。しかしほかの一般の値上りから比べますと、まだ値上率が低いために、これだけの赤字が玉たのであります。赤字の内容は、人件費と物件費とにわけますと、現在ではやはり人件費の方が相当重味をもつておるのじやないかと思います。
  35. 森直次

    ○森(直)委員 私の質問はこれで終ります。
  36. 土井直作

    土井委員長 午前の質疑はこの程度にいたしまして、午後一時まで休憩いたします。     午後零時二十分休憩      ————◇—————     午後二時七分開議     〔以下筆記〕
  37. 土井直作

    土井委員長 休憩前に引続き開会する。
  38. 白井佐吉

    ○白井委員 川崎市上尾中特定局に電話を架設することであるが、本年の予算にも計上しているが、未だに架設していない。しかるに両隣りの私人宅にはただちに引いた。其の間にみにくい事のあつたのはもつぱらの評判である。電話が郵便局に引かれないで、普通の家に引かれるというのは不審である。電話は命令があつて何箇月には引けるという見透しがあると思うが、知らせてもらいたい。  次に今回の値上げ問題であるが、四倍の値上げということは当然できないという一言である。あらゆる産業及び各界における鉄道通信の値上げに対する声、また今日死線をさまよつている國民のこれに対する声をどの樣に政府はお考えになつておるか。
  39. 中山次郎

    ○中山(次)政府委員 川崎市内局の電話架設の問題であるが、局に架設するのと一般に架設するのには予算面等に差がある。局に引くのには附近の公衆電話があるかなしか調査した上で引かれる。局に電話のないのは非常に不便を感じるので、できるだけ架設したいと思つているが、予算関係で思うようにならぬ。二十三年度に換入区域内のものは二十三年後、三箇年間に整備する考えである。公衆電話もなるべくサービスをよくさせる考えである。
  40. 大野勝三

    ○大野(勝)政府委員 今回のこの四倍の値上げは、去年二十二年秋からどうしても二十二年度において値上げしなければならないと思つたが、当時の物價と対照して、また秋の千八百円ベースを基礎とした値上げについて関係官廳とも連絡してある。  一般会計から繰入金四十八億円と十八億の赤字を出して二十三年度に送つているのである。二十三年度に入つて千八百円ベースは二千五百円ベースとなり、さらに三千七百円ベースとなり、運賃とマル公との関係より考えて、二十三年度マル公を基礎として通信料金ではとても赤字は避けられない。他に方法があればよいが、通信料金としては本年通信料金を値上げしなければ、通信事業が破滅に陷ると考えられる。國民の所得に対する通信料金の低いこと、二十二年は〇・八%、二十三年は一・五%である。
  41. 白井佐吉

    ○白井委員 アメリカ式の簡易郵便局窓口では三人でやつている。複雜なのは大きな郵便局でさせるというが、これに対する政府当局の御意見を伺いたい。
  42. 大野勝三

    ○大野(勝)政府委員 アメリカ式郵便局設置については、現在特定局についてはこの制度の惡い所を改めていけばなんとかなるという考えであり、要求のある地域にだけに設置するという考えである。     〔筆記中止〕
  43. 林百郎

    ○林(百)委員 進駐軍関係の資料提出を要求する。
  44. 多田勇

    多田委員 参考資料の提出を要求する。
  45. 土井直作

    土井委員長 公聽会の公述人の申込締切は今十一日であり、選定は明十二日であるが、時間的都合等により委員長理事に一任されたい。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 土井直作

    土井委員長 異議なしと認めさよう決定する。十四日に公聽会を開くこととし、本日はこれにて散会する。     午後三時三十分散会