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1948-06-01 第2回国会 衆議院 通信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月一日(火曜日)     午後一時五十分開議  出席委員    委員長 土井 直作君    理事 白井 佐吉君 理事 重井 鹿治君    理事 長谷川政友君    多田  勇君       千賀 康治君    中野 寅吉君       平井 義一君    宮幡  靖君       森  直次君    伊瀬幸太郎君       片島  港君    野上 健次君       荊木 一久君    田島 房邦君       長谷川俊一君  出席政府委員         逓信政務次官  五坪 茂雄君         逓信事務官   大野 勝三君         逓信事務官   小笠原光壽君  委員外出席者         議     員 金光 義邦君         議     員 井谷 正吉君         專門調査員   吉田 弘苗君 五月二十五日飯村泉君が議長の指名で委員補欠 選任された。 六月一日理事天野 久君の補欠として長谷川政友 君が理事に当選した。     ————————————— 五月二十九日  逓信職員訓練法案内閣提出)(第七〇号) 同月二十八日  簡易生命保險法並びに郵便年金法に関する請願  (角田幸吉君外一名紹介)(第一一〇〇号)  同(米田吉盛紹介)(第一一〇一号)  同(前田郁紹介)(第一一一六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件   請願  一、海西郵便局電話交換事務開始並びに一般    電話増設請願武藤嘉一紹介)(第三    八六号)  二、特定郵便局制度撤廃請願外一件(石川金    次郎君紹介)(第四一六号)  三、三保郵便局集配事務開始請願野上健    次君紹介)(第四三九号)  四、高川郵便局電信事務存続請願井谷正    吉君外三名紹介)(第四六四号)  五、柳津、只見間電話開設請願中野寅吉君    紹介)(第五〇七号)  六、奥南村公衆電話架設請願井谷正吉君    外四名紹介)(第五一三号)  七、佐伯郵便局舎建設並びに電話交換方式改善    の請願金光義邦紹介)(第五四三号)  八、豊田村に郵便局設置請願重井鹿治君紹    介)(第五五九号)  九、易國間郵便局集配事務開始請願(山崎    岩男君紹介)(第六〇一号) 一〇、南和氣村郵便局設置請願小枝一雄君    外九名紹介)(第六一三号) 一一、菅原郵便局集配事務開始請願鈴木明    良君紹介)(第六一八号) 一二、中山路郵便局集配事務開始請願(松本    眞一君紹介)(第六五三号) 一三、大坪和郵便局集配事務開始請願小枝    一雄外一名紹介)(第七一九号) 一四、伊東郵便局電話交換方式改善並びに電話    交換局新設請願小松勇次紹介)(第    七八三号) 一五、佐伯郵便局舎新築並びにその電話方式改善    の請願村上勇紹介)(第八二四号) 一六、大高根郵便局集配事務開始請願(海野    三朗君紹介)(第八二五号)     —————————————
  2. 土井直作

    土井委員長 会議を開きます。  この際日程に先だちまして、去る五月の六日理事天野久君が委員を辞任いたされておりますので、理事が一名欠員になつておりますから、この理事補欠選挙を行いたいと思います。
  3. 伊瀬幸太郎

    伊瀬委員 この際投票を用いず、委員長において指名されんことを望みます。
  4. 土井直作

    土井委員長 ただいまの伊瀬君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 土井直作

    土井委員長 御異議なしと認めます。それでは長谷川政友君を理事に指名いたします。(拍手)     —————————————
  6. 土井直作

    土井委員長 次に緊急質問が提出されておりますので、これを許すことにいたします。長谷川政友君。
  7. 長谷川政友

    長谷川(政)委員 福井郵便局火災について簡單にお尋ねいたしたいと思います。五月二十九日の午前三時四十分に福井の縣廳前の職業安定所附近から出火いたしまして、あの附近はいわゆる官廳街でありますが、縣農業会地方事務所、あるいは中部日本、朝日新聞の支局及び福井郵便局も全燒したという報道が、五月三十日の新聞記事となつて出ているのであります。そこで私の郷里である関係上、昨晩電話をかけてその詳細を知ろうと思いましたが、火災関係で電線が燒けたか、あるいは郵便局電話の故障か何かで、どうしても電話がかからないで、その詳細は知ることができなかつたのであります。もちろん本省にはその詳細なる報忠が來ていると思いますが、ただいままでに判明したところをお知らせ願いたいと思うのであります。この福井郵便局福井市を中心として、福井市を取巻く各町村管轄区域としておりまして、福井市民もちろんのこと、その附近町村の方は郵便物その他について非常に迷惑していることと思います。從つて至急にこれが復旧について、復旧善後策をお立て願うとともに、必要とあらば、委員各位お願いをして現地をつぶさに御視察願うことも、でき得れば希望するところであります。一應お尋ねいたします。
  8. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。本省への報告には、五月二十九日福井官衛街火災によつて類燒をした。そして郵便関係御面の應舎を燒失した、電話関係方面さいわいにしてかろうじて難を逃れることができた。郵便物に対しては局員の必死の努力によつて全部搬出することができたから、そういう方面の実際の害というものはない。こういう程度の電報での報告でありまして、詳細なことはそれ以上はつきりしませんが、目下逓信局の方で詳細に調査取調中でありますから、近いうちに報告が参ることと存じます。  なお今も御質問にありましたように、福井郵便局はあの地方通信関係中心をなすもので、一日も早く復旧しなければならぬと信じます。本省においても逓信局報告に基いて、できるだけ早い期間において復旧の方策を講じたい、かように考えている次第であります。一言お答えいたします。
  9. 長谷川政友

    長谷川(政)委員 先ほど申し上げた通り、委員派遣願つて、御調査願いたいのが私の希望でありますが、いろいろの御関係もあおりのことと思いますので、委員派遣実地調査の件はひとつ委員長にお任せいたしますから、適当におはかり願いたいと思います。
  10. 土井直作

    土井委員長 ただいま福井火災に対しまして、委員を派遣して調査したいという長谷川君からの御希望があります、委員長にそれに対するすべてを一任したいということでありますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 土井直作

    土井委員長 それでは、さよう決定いたします。     —————————————
  12. 土井直作

    土井委員長 引続き森直次君から緊急質問の申出がありますから、これを許します。
  13. 森直次

    ○森(直)委員 二、三日前の新聞でございますが、活字がよくわかりませんで、あるいは間違つておるかもしれませんけれども、東逓管内の監査について御調査になりましたところが、六十五名送檢という記事を見ました。その実際の実情を承ることができれば結構だと思います。通信料値上げその他いろいろ逓信省として発表になつておりますが、こういうことがありますると、通信そのものに対する國民の不安というものが相当つのるわけであります。この委員会におきまして、六十五名送檢の実情と、今後逓信省におかれまして、こういう事件に対していかなる態度をとられまするか、その点の御決意を承ることができれば、結構だと思います。
  14. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 ただいまの森委員からの緊急質問についてお答えいたしたいと思います。先般神奈川縣溝ノ口郵便局犯罪事件が問題になりまして、私どもまことに遺憾に存じておつたのでありまして、十分その責任の重大さを自覚いたしておる矢先でありますが、新聞に記載されましたように、東京中央郵便局においてまたまた多数の犯罪者を出したということは、まことに当局といたしまして申訳がございません。特に今もお話になりましたように、通信料金値上げをしようといつておる矢先に、そういう事件を起しまして、國民にそういう方面の不安の念を抱かせるということになりましたことについては、まことに遺憾でありますけれども、今申し上げる事情をひとつよくお聽取りいただきまして、本省といたしましてこれに対して非常な決意をいたしておりまするので、その点御了解を願いたい、かように思うのであります。  東京中央郵便局郵便取扱上、全國郵便網心贓部でありまして、同局取扱いにかかる郵便物について、從來から多数の非難や調査申出があつたのであります、そこで本年、一月以來本省監察部から專門調査委員を派遣いたしまして、五月中旬まで百二十日にわたる長い間、嚴密な取調べを行つたのであります。その間調査委員同局事務所内に連日泊込みで、休日等も一日も休んだことなく調査活動を続けまして、去る五月十六日にようやくその調査の完結を見たのであります。今回その調査によつて判明いたしました被疑者及び被害件数等は次のようであります。 一、郵便物またはその内容品窃取、これは被疑者が三十六名、件数が一千三百六件であります。金額にいたしまして三十六万八千余円であります。内訳いたしますと、小為替が八十二枚、小切手が二十五枚であります。第二は、郵便局相互間に発着する現金在中郵便物窃取でありますが、これは被疑者が四名、被害金高が十六万一千余円であります。第三が郵便物不法開披他人あて郵便物を開けて内容を盗み読みしたもの、被疑者が十名、件数は一千二百六十四件に達しております。第四は切手のはぎとり、外國から参りました郵便物の珍しい切手をはぎとつてつて行つたもの、被疑者が二名でありまして、五十件に及んでおります。第五が郵便料金を横領したもの、窓口で收納いたしました料金を、正当に処理せずに横領したものであります。被疑者が二名、件数が七件になつております。第六は、官物窃取したり、便袋、用紙というようなものを私用に供する目的で盗んだもの、被疑者が三十七名、件数が二百六十二件であります。その他、小包の抜け出した物を食べたり、あるいは郵袋を無断で持つて帰つて自分の用に供したというものが、被疑者が五名、件数が五件に達しております。以上合わせますと被疑者が九十六名、被害件数が二千九百四十一件、被害金額が五十三万六百余円であります。これらの被疑者のうち、最も惡質な者六十四名は五月五十九日東京地方檢察廳に告発いたしました。  これら不正行為者の動機と原因につきまして、いろいろ調査いたしてみますと、一は、戰時中の極端な取扱事務簡素化の惡い影響によつていることであります。二は、戰時中から施設老朽復旧資材が不足していたということであります。第三は、戰時中人的不足に基因して、從業員の素質が著しく低下しておるということであります。第四に、給與條件の不十分であるために、從業員の生活不安というところから來ております。第五に幹部の指導力がきわめて消極的である。そういつたようなことも相当大きな原因だと考えられるのであります。以上でありますが、逓信省といたしましては、これらの犯罪発生のいろいろの條件に鑑みまして、事務取扱方法をもとのごとくに正しく復帰するということやら、施設整備拡充、それから事故、犯罪取締強化というようなことをいたしまして、こういう犯罪防止に一層の努力をいたす考えであります。今回の機構改正におきましても、特に郵便監察部門強化拡充を重視して、郵政監察局を新施することになつたということもその一つの大きな問題であります。またすでにその職能の一つといたしまして、郵便利用者からの苦情申出に対する調査処理の新制度を施けまして、そうしてただいま関東及び東北地方実施しておるのでありますが、だんだん成績がよいようでありますから、これを全國に拡充いたしたいと考えておるのであります。かように業務の復興と犯罪防止努力を続けておるのでありますが、逓信省独自の努力をもつていたしましては、十分に効果をあげることができかねる点もありますので、この点につきましては、今後とも一層各方面からの絶大な御協力と御理解と御支援を切にお願いいたしたい。もちろん本省といたしましては、先般の溝ノ口郵便局犯罪のときにも申し上げましたように、こういうことに関する責任は十分に感じておりますがゆえに、監察部を強化いたしまして、未然に防ぐべく努力いたしたい。またそういう犯罪者は決して仮借するところなく嚴重に処置いたしたい。かように考えておる次第であります。どうか御了解お願いいたしたいと思います。
  15. 森直次

    ○森(直)委員 その不正行為者は大体年齢から申しますとどれくらいになりますか。それから身分はどういう身分の人ですか。
  16. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 身分でありますが、事務官が十一名。それは、普通課事務官が二名、特殊課事務官が二名、集配関係事務官が七名、計十一名、逓信手—これは主として集配関係のものでありますが、十二名、それから事務員普通課事務員が九名、特殊課事務員が十二名、集配関係事務員が十九名、小包関係事務員が六名、東京中央電信局事務員が一名、計四十七名であります。合計七十名であります。年齢別に見ますと、十五歳から二十歳までの者が十九名、二十一歳から二十五歳までの者が二十名、二十六歳から三十歳までの者が六名、三十一歳から四十歳までの者が六名、四十一歳から五十歳までの者が十三名、五十歳以上が五名、計七十名ということになつております。このうち十五歳から二十五歳までの者が実に三十九名あるのでありまして、これを調べてみますと、多くは為替の抜取といつたような現金関係方面のものが多うございます。それから四十歳から五十歳までの、相当年輩に達しておつて思慮もあるべきはずの者が十三名あるのでありますが、これは主として、官有物、たとえば郵袋を持つて帰つてリュックサック利用するとか、そういつたような比較的生活関係関係した犯罪が多いように考えられるのであります。
  17. 森直次

    ○森(直)委員 省の逓信講習所出身の者は何名ございますか。
  18. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 その方は今ちよつと調査しておりませんから、後ほど調べてお答えいたします。
  19. 森直次

    ○森(直)委員 全國的に各管内にこういう不正行為者は相当あると思いますが、通信料値上げ前に一應こういうことは、不安を一掃せられる意味において、御調査になつて発表せられた方がいいと思います。この点をお願いいたしておきます。
  20. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 最近四國、九州の方へさらに監察隊を出して、そうして嚴密中央郵便局のような調査をやろうという計画になつております。お話のごとくに、そういうことが発見され次第公表いたします。
  21. 森直次

    ○森(直)委員 よろしゆうございます。     —————————————
  22. 土井直作

    土井委員長 日程にはいります。海西郵便局電話交換事務開始並びに一般電話増設請願以下十六請願を議題に供します。  日程第七、佐伯郵便局舎建設並びに電話交換方式改善請願金光義邦紹介文書表第五四三号、紹介議員説明を求めます。
  23. 金光義邦

    金光義邦君 大分縣佐伯市は、終戰後すべての軍事施設撤廃によつて、市況は一時襄微いたしましたが、さいわいにして当市は良港に臨み、内海、四國方面との海上交通も開け、附近西尾本有数の漁場を有しており、また背後には豊かな林産地帶を控えておるので、將來平和産業都市として発展し得る十分な地理的條件に惠まれております。当市としても早くからこの点に着目して、各般にわたつて市勢振興対策を練りつつありましたが、結局都市発展の基盤的問題は、交通機関整備発展に帰着するのでありまして、その第一着手として、さきに國土計画を樹立し、その一端として、佐伯駅前から郵便局横通つて鶴岡に至る幹線道路拡張工事計画し、政府の採択を経て、すでに佐伯駅前から常盤橋までの第一期工事実施し、これに継続して常盤橋から大手前まての第二期工事も、昭和二十三年度中に実施運びとなつておるのであります。この実施に伴い、佐伯郵便局本局舎は、正面道路寄り約八メートルの撤去を要することになります。しこうして佐伯郵便局の現局舎は、大正十二年の建築以來二十有五年を経た老朽の建物でありまして、その間昭和二十年四月戰災によつて増築したばかりの半分を爆破され、残る部分もその爆風の影響と、地震及び風水害等によつて極度損害を受け、数回にわたる應急修理根本的補強としては効果に乏しく、またその間局員数は約三倍半に増加したため、全局員收容も困難となり、現在貯金保險課分室において執務しているため、市民利用上多大の不便を感じているのでありますが、右分室とても明渡しを要求されている趣であります。言うまでもなく、通信事業は他の交通機関と同様に、市民日常生活に一日も欠くことのできないものであります。市勢振興のためにも、通信機関整備拡充が非常に望ましいのでありますが、その中でも電話は最も簡便かつ直接的な意思疏通機関として重要なものであるのにかかわらず、佐伯郵便局電話方式は、同局電話交換通扱いを開始して以來すでに三十七年を経た今日、なお最も原始的な磁石式であることは、はなはだ遺憾の極みであります。ついてはこの際、前記都市計画実施までに、佐伯郵便局を移轉新築して、全局員收容し、すベての事務を一簡所で取扱い得るようにするとともに、電話方式共電式に切りかえるよう、ぜひとも予算に計上実施されたい。  以上が請願要旨であります。何とぞ御審議の上御採択あらんことを切望いたします。
  24. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見をお伺いいたします。
  25. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 佐伯郵便局は、ただいまの請願要旨にもありましたように、非常に腐朽いたしておりまするし、狭隘を感じておりまするので、改築の必要を認めております。二十三年度の本予算に計上いたしたのでありますが、さいわいにしてこれは五月分の暫定予算に承認されまして、目下関係方面の承認を得るように努力いたしております。得次第改築にかかります。共電式電話方式をかえることにつきましては、その應舎改築されてから後の問題といたしたいと、かように考えております。
  26. 土井直作

    土井委員長 これに対して何か御意見がございますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 土井直作

    土井委員長 御意見がないようでありますから、次に移ります。      ————◇—————
  28. 土井直作

    土井委員長 日程第四、高川郵便局電信事務存続請願井谷正吉君ほか三名紹介文書表第四六四号、紹介議員説明を求めます。
  29. 井谷正吉

    井谷正吉君 高川郵便局大正十三年六月、政府村民多年の懇望を容れられ、請願局として開局されて今日に至つたものであります。経済力乏しき当時といたしましては、村民物的負担も大であつたのでありますが、この機関を通じ、おかげをもつて地方文化の向上はもとより、産業経済の進展、自治行政刷新等、全般によたり地方民衆福利増進に寄與せられましたことは、はかり知れないところでありまして、村民は常に感謝いたしておる次第であります。この間当局の適切な御施策と御指導とにより、また局長以下全職員の献身的な努力があり、村民またこれにこたえまして、國策に協力いたしておる次第でありますが、社会の進運に伴い、村民の総意をもつて集配事務並びに特設電話開設につきましても、しばしば請願をいたしてまいつたのでありますが、未だその実現を見るに至りませず、非常な不便を感じておるのであります。しかるところ、今回政府におかれましては、國家財政上の御事情により、高川郵便局電信事務取扱廃止の議あることは仄聞いたしまして、村民はこの晴天の霹靂に驚き、痛憤さえ感ずるものであります。当局におかれましては、特別の御詮議をもつて集配事務の即川開始と、電信事務取扱い存続方を御配慮くださいますよう、関係者代表連署をもつて請願いたしておるような次第であります。何とぞ委員会におきまして、特別の御審議にあずかりたいと思う次第であります。
  30. 土井直作

    土井委員長 本請願に対しまして、政府当局の御所見を伺います。
  31. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 高川郵便局集配事務を行うということにつきましては、高川村一村をその区域としなければならぬので、非常に地域が狭い、そこに郵便物をもつてつてその局から配達するのでありますが、そうするのと、ただいまのやり方と、大して郵便物の速達には影響がなさそうなのです。それで今ただちに便配事務を取扱うということはちよつと困難なようでありますけれども、しかし電信取扱いにつきましては、これは從來通り存続して取扱うということにいたしておりますから、さよう御承知を願います。
  32. 土井直作

    土井委員長 本件について何か御意見ございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 土井直作

    土井委員長 それでは次に移ります。      ————◇—————
  34. 土井直作

    土井委員長 日程第六、奧南村公衆電話架設請願井谷正吉君ほか四名紹介文書表第五一三号、紹会議員説明を求めます。
  35. 井谷正吉

    井谷正吉君 愛媛縣北宇和奧南村宇和島湾頭十キロの北端に位し、東吉田町に接し、背後喜佐方村及び玉津湾を控え、豊豫水道に突出する丘陵山脈の半島であります。従つて屈曲せる海岸線はすこぶる長く、全長二十キロに及び、その海岸線に沿い十部落が点在し、人口現住四千九百八十五名を有しております。東端牛用部落より西端大良または北端附代部落に至る距離は八キロに及び、その間丘陵起伏し、交通非常に不便であります。本村の産業の重点は農業及び漁業でありまして、漁獲物は近年一千万円に達する盛況でありますが、これらの鮮魚の集荷、漁況の連絡は寸刻を爭うもので、通信網の不完備は、漁業経営上半身不随にひとしい状態であります。特に火災その他災害突発の場合、他部落または他村への來援を求むるとき、あるいは急患者姙産婦等、医師への連絡を必要とする場合等、村民不安焦慮はまことにはかり知れないものがあるのであります。通信設備完備のため、年々こうむる精神的、経済的損害は実に莫大なものがあるのであります。現在村役場及び農業会に架設せられております二箇所の電話は、村の中央部のため、村内僻地部落への急報にはまつたく無價値と言うも過言ではないのであります。殊に最近の世相に鑑みまして、海上より來製するところの集國的な不逞の徒に対する警備上、各部落間の連歴絡等村民年來の要望は、今や最高潮に達しておるのであります。何とぞ当村の特異性及び村民一同のあふるる熱望を御賢察くださいまして、特別の御配慮を賜わるようお願いを申し上げる次第であります。
  36. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  37. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 公衆電話は、実は大都市における復旧に今主力を注いでおるような次第でありまして、地方のそういう農山漁村の方にまで、いろいろの関係ちよつと手が伸びかねておるような次第であります。しかし大勢の人が使用することができて、事業方面から利用することもできれば、これまた必要なことでありますので、政府においてはそういうことも考えられないことはないと思いますが、今申し上げましたような状況で、急速にということは今のところ考えられないのであります。さような御承知を願います。
  38. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見ございませんか。     〔「なし」と呼で者あり〕
  39. 土井直作

    土井委員長 御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  40. 土井直作

    土井委員長 日程第一、海西郵便局電話交換事務関始並びに一般電話話増設請願武藤嘉一紹介文書表第三八六号、紹介議員出席がないようでありますから、重井委員から説明をしていただきます。
  41. 重井鹿治

    重井委員 本請願要旨は、岐阜縣海津海西郵便局は、昨年末電話事務を開始されたが、他の局の交換区域に属し、その電話加入者も二、三に限られ、一般の需要を満たすことができない。ついては海西局電話交換事務を開始し、一般電話を増設されたいというのであります。
  42. 土井直作

    土井委員長 本請願に対して政府当局所見を伺います。
  43. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 これはちよつと後回しにしていただきたいと思います。
  44. 土井直作

    土井委員長 それでは後回したにいたします。     —————————————
  45. 土井直作

    土井委員長 日程第二、特定郵便局制度撤廃請願ほかに一件、石川金次郎君紹介文書表第四一六号、紹介議員出席がないようでありますから、重井委員から御説明を願います。
  46. 重井鹿治

    重井委員 本請願要旨は、特定郵便局制度による局長は、資本を提供した特殊の官吏で、その局の運営は局長の独裁にあり、その從業員は精神的苦痛い物質的劣惡な待遇を受けている。ついては特定局從業員十四万を、局長の封建的、非民主的支配から解放して、公務員としての自由を権利を確保し、通信事業の民主化をはかられたいというのであります。
  47. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局の御所見を伺います。
  48. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 特定郵便局の廃止の問題でありますが、これは先般も申し上げましたように、第一回國会の際における通信委員会の席で、特定郵便局の弊害とせられるような点をできるだけこれを除いて、そうして普通郵便局のような形にして、これは一應存続しておくということは決定されているのであります。また今日の場合、特定郵便局はほとんど普通郵便局と変りがないほどに、すでに改善されておりますので、ただいまのところ特定郵便局を廃止するという考えはもつていないのであります。
  49. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見ありませんか。
  50. 多田勇

    ○多田委員 ただいまの請願に関連しまして、二、三お伺いしたいと思います。特定郵便局の問題につきましては、第一回の國会において、これは存置することが適当であるということで、われわれ委員会はまとまつたのでありますが、最近において特定郵便局の局長が退職をしたとかその他の場合において、局舎の回收をすることにきまつているというような問題が起つているやに聞いております。これは予算の面から見ても、逓信事業の運営の面から見ても、非常に大きな問題になる可能性があると思いまして、われわれとしては非常に憂慮している点でございます。それらの問題が起りました根本的な理由は、特定郵便局制度が、これを創設した当時の趣旨から相当かけ離れて、現在においてはただいま政務次官からお話がありましたように、普通局とほとんど変りがないというような状況になつており、從つて今後特定郵便局の存置に対して一般に非常な不安を與えているという点が、相当大きな理由になつているのではないかと考えられるのであります。そこでこの問題については局舎の問題をどういうような取扱いに今後考えていくかということと、特定郵便局の存置には、もう少し特定郵便局の存置が必要であるというはつきりした線を引かれて、特定郵便局が今後活動をする上に、安心して運営できるような対策をはつきりお立てになることが必要ではないかと考えておりますので、これに対して当局の御所見をお伺いいたします。
  51. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 廳舎の問題でありますが、今ただちに廳舎を建てるといたしますと、莫大な予算を要しますので、事実上とうていこれは行われるぬことであります。やむを得ず廳舎を借り上げるということになるわけでありますが、そういうときには予算をもちまして、從來支拂していなかつた借上料を支拂う、こういう形にいたしていきたい、かように考えております。  それから特定局を將來どうするかという問題であります。これは今後も大いに研究しなければならぬことだと思いますが、大体普通郵便局と給與その他の点において変りがないといたしますならば、今日のような形で特定局を存続させておいた方が、あるいはその村の人たちの親しみというようなことがありまして、殊に簡易保言險とか郵便貯金とか年金とか、そういつた方面には非常に都合がいいのじやないかというふうにも考えられますので、今のところ、さつき御説明申し上げたようなぐあいに存続いていきたい。かように考えている次第であります。
  52. 多田勇

    ○多田委員 私どもは特定局の問題については、もう少しはつきりした線を引いていただくことがいいのではないか。單にその事業の運営の面というよりも、國が通信事業を運営するために、特定局という一つ制度を置いて、それによつて特定局を担当する部面の人たちの犠牲において、通信事業を運営していくことがいいというような單なる考え方で特定局の問題を取扱うということは、特定局の今後の面に非常な不安を與える問題であろうと思うのであります。そこで特定局の創設の趣旨に鑑みまして、ある程度の規模をもつものに対しては普通局と同様な取扱いをする。それ以上のものに対しては從來と同じような考え方において特定局を運営していくというような、一つの線を引くことが必要ではなかろうかと思うのであります。現実の問題としまして、簡易郵便局開設したりいたしまして、特定局に新しい形のものを現在つくりつつあるやに聞いているのでありますが、一つの線を引いてその線までは從來の形において、いわゆる請負制度において通信事業を運営していくのだ、これ以上のものは普通局と同様に扱い從つて局舎の問題にしても、今後務次官から御説明がありましたように、借入れの制度にしていくというようなことで、はつきりした線を引かない以上は、ただいま政務次官の御説明の程度では、特定局を実際担当しているところの局長はいろいろな不安に脅かされるだろうと思うのであります。戰災の局舎復旧につきましても、特定郵便局長が私財をなげうつて復旧しており、その復旧した局舎を、單に復旧に要した費用の金利にまわらない程度の家賃でもつて借入れをする。しかもそれがほとんど強制的に借入れをされるというようなことになりますと、局舎の問題が全國の特定局の間に相当大きな問題として拡がる危險性があるだろうと思うのであります。この点についてはつきりした当局の方針を示されて、そうして特定郵便局長が安心して特定局の運営の携われるような方針を示されたいということを希望いたします。
  53. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 ただいまのお話のごとく、特定郵便局長の犠牲において國家の事務をとらせるというようなことは、はなはだおもしろくないことだと思いますが、今のところは特定郵便局長に犠牲を負わせるというようなことは、まつたくないような聞いております。先に申し上げましたように、廳舎を提供させる義務を今まではもたしておつたようでありますけれども、これは先に申し上げたように、まつたく借り上げてその借上賃せ支拂するのでありますから、犠牲を拂わせるという意味ではないと思います。それから請負制度に今まではなつてつたのでありますけれども、これも最近請負制度はまつたくとりやめにいたしまして、局員の俸給も、あるいはその他の給與も、全部普通郵便局並にいたしております。それからいろいろな紙であるとか何とかいう資材も、すべてこれは公経済として取扱つておりまするし、まつたく請負制度の形には、今日のところなつておらぬのであります。なお特定郵便局と普通郵便局との間に線を引けというお話でありますが、それはそういうふうな形で進むことが最も望ましいことであるのであります。そこで今日のところ大体局員が五十名くらいになりましたときには、あるいはそれ以上になりましたときには、いろいろな点を勘案いたしまして普通局に昇格をする。それ以下のところでは從來のような取扱いをいたしたい。かように考えているのであります。
  54. 多田勇

    ○多田委員 現在特定郵便局長から局舎の引上げを要求されているものがどの程度あるか、これに対してどういう処置をとられているか、それをお伺いいたします。
  55. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 今の御質問ちよつとお答えするだけの資料をもちませんですが、しかし大体局長が更送するときにその廳舎を返してくれ——その子供なり関係者が局長になつた場合には、そういうことはほとんど起らぬのでありますが、まつたく関係のない者が後任局長にはいつたときには、その局舎を返還してくれというような要求があるようであります。数のことはちよつと今調査いたしておりません。できるだけいろいろの方法で現廳舎を借用するように交渉を進めておりますが、どうしても貸さないということになりますと、やむを得ませんから、他に適当な廳舎を求める。それでも求めることができぬ場合には、町村などの援助を得まして適当なものを借り上げる。それもどうしてもできぬというような場合にはゐこれは普通にはやつていないようでありますが、きわめて特殊な例として、やむを得ず予算を請求して、予算をとることができれば、廳舎を建てる。こういうことにいたしておるわけであります。
  56. 重井鹿治

    重井委員 この請願は、第一回國会の際、在置の請願撤廃請願とがありまして、存置の請願が採択されたわけであります。しかもかなり問題がありまして、結果におきまして数によつて決定したというような状態になつたと思うのであります。そのときも基本的には、特に日本の民主化のためには、現在の特定郵便局を廃止すべきである。しかしながら現在の國家財政と、それから先ほど多田委員から申されましたような、その村から出た局長ということによつて貯金の面とか、そうしたたいへん人情の上において効果があるというような意味におきまして、存置するということになつたと思うのであります。そういう特定局在廃問題に対して現在御当局が——やはりこの問題はおそらく第二國会でも、これから積極的に論議されると思うのでありまして、また昨年の第一回國会のようにこの問題がもち上つてくると思うのであります。御当局におかれましては、積極的に御研究くださいまして、ただいま多田委員が述べられましたようなことに対しましても、はつきりしたお考えを伺いたい。なお撤廃の問題に対しましても、積極的な当局の御意見をまとめておいてもらいたいということをお願いいたしたいと思います。
  57. 中野寅吉

    中野(寅)委員 今重井君、多田君、両君から言われた通り、この問題は第一回國会では存置すべしとなつたけれども、内容はまだ判定されていない、くすぶつているのです。先刻から言われたように、逓信省においてもこれをどうするか。今目の前を過ぎたから、それで安心する問題ではないと存じますから、われわれも多少考えております。特定局はまた会社とか工場とか、そういうところに請負をさして、経費をそこから出させて、局長はそこの推薦によつて逓信省が辞令を出していただくというような方法もよかろうと思うのです。これは第一國会で存置と決したから、それで万全であるというようなことはないと存じます。確かにくすぶつている問題です。われわれまたこの会の常任委員としても、そういう根治療法をしないで、ただ議員の任期を済ましたとしたならば、あとはどこまでも物笑いになりますから、どうか逓信省において捨ておかず、今両君から言われた通り、案を急速に立ててわれわれにお示しください。そうしないとわれわれ常任委員としての責任を盡し得たりとは言えない。また逓信当局といたしましても、ただ目の前を過ぎたからそれでよろしい。そしてあとでまた病氣が出たというのではいかぬ。膏薬張りではいかぬ、どうしても根治療法をしなければならぬ。逓信当局も名医である、われわれ常任委員もまたよかつたというふうにお願いします。
  58. 多田勇

    ○多田委員 ちよつと関連して……。ただいま重井さんから、第一回の國会において、特定郵便局を原則としては撤廃するという建前において、諸般の事情から特定郵便局を存置するというように決議されたというお話がございましたが、私どもとしましては、原則として特定郵便局を存置する。そうして特定郵便局の欠点を是正していく、また特定郵便局のよいところをますます助長していくという建前において、特定郵便局制度について存置するという決議をしたはずであります。この点特定郵便局の存置が原則であるというように、その当時決議したのでありまして、重井さんのただいまのお言葉に対して、一言申し上げておきたいと思います。
  59. 土井直作

    土井委員長 次の日程に移ります。     —————————————
  60. 土井直作

    土井委員長 日程第三、三保郵便局集配事務開始請願野上健次君紹介文書表第四三九号、紹介議員出席がないようでありますから、重井委員説明していただきます。
  61. 重井鹿治

    重井委員 本請願要旨は、大分縣下毛郡三保村は同郡の中心地として、農産物床び青果物の縣下ただ一つの集散地であるが、三保郵便局が無集配局であるため地方民の不利不便は大である。ついては本郵便局集配事務を開始されたいというものであります。
  62. 土井直作

    土井委員長 これに対する政府当局の御所見を伺います。
  63. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 三保郵便局において集配事務を取扱うということになりますと、隣の今津局からの距離がきわめて近いのでありまして、本省で考えております標準距離に達しませんことと、それから三保局管内を区切りますときに非常に狹くなりますので、今のところそういう理由によつて、早急に集配事務を取扱うということは、いざさか困難なように考えるのであります。
  64. 土井直作

    土井委員長 これに対して御意見はありませんか。
  65. 森直次

    ○森(直)委員 議事進行についてちよつと……。請願紹介議員からの御説明がありますが、請願人の御紹介がないのであります。もちろん請願文書でもつて箱に配付されておつてわかつておりますが、前段の特定郵便局制度撤廃請願というような問題、これらは一体何人が請願しておるのかということによつて、相当考慮をめぐらす余地があるわけであります。第一回國会におきます特定郵便局存続と廃止の競合的請願の問題は、結局全労働收益権と生活権と、労働権を主体といたしますところの思潮から來た特定郵便局撤廃である。ただいま同僚委員からも発言のありました民意という方面から考えた撤廃ではなかつたのであります。從つてこれらの請願人のほんとうの感じや氣持で、あるいは外部的な一つの迫力が大いに意議がある。だれが請願して何々議員が紹介するのだということにおいてはつきりと議事の進行をはかつてまいりたい、かように考えております。紹介の際には請願人の名前を名乘つていただくかようにお計らいを願いたいと思います。
  66. 土井直作

    土井委員長 他に別に御意見がなければ次に移ります。     —————————————
  67. 土井直作

    土井委員長 日程第五、柳津、只見間電話開設請願中野寅吉紹介文書表第五〇七号、紹介議員説明を求めます。
  68. 中野寅吉

    中野(寅)委員 現在福島縣南会津郡という所は面積が香川縣ほどあるのです。そこは駒止峠という一つの峠にさえぎられて、駒止峠より西を伊南伊北、東を東部と言います。この請願は全部この西部の方から出たのでありまして、その駒上峠は雪が一丈五、六尺積り、ときどき電線が切られます、これは逓信省の方でもよくおわかりになつておると思ます。ところがこの方面に対する電話は福島縣の若松市と出島町から行つておるのであります。一朝駒止峠で電線が切断されますと、その方面は通信不能に陥ります。そこでこのときの用意のため、またそのとき以外にも必要なことがございますから、柳津という方からもう一本線をやつておいていただきたい、こういう請願であります。そつちは日本再建のための物資などは非常に豊富で、それから水力電氣としてはおそらく日本一のものが今度できます。これは國家的にも必要なことでありますから、ほかの方はさておきましても、この方はぜひ急に御配慮を願いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  69. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  70. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 柳津、只見間の電話線を新設してくれという請願のようでありますが、事情を調ベてみますとこれは柳津から会津若松間、それから会津若松から田島間、田島から只見というふうに、途中二箇所中継いたしております。そこでお説のごとく長時間を要するのでありますが、しかし只見から柳津方面への通話は一日平均二、三通話内外のようであります。それから只見、柳津間の距離は七十キロ以上にも及びますので、その間に電話線を架設するということは、相当の経費をもたなければならない。そういうふうに考えられます。なぜ中継をするとこんなに時間が長くかかるかと申しますと、これは柳津と会津若松間、会津若松と田島間の電話が非常に輻輳するので、そこで中継が長くかかるわけであります。目下本省といたしましては会津若松と田島間に電話線を増設しよう。回線を般殖やそう。そうするとその間の電話が早く通じますから、いきおい柳津から只見の方へ電話が早く通ずるだろう、こういうふうに考えておりますのでこれで、回線を増設したと同じような効果がありやしないか。かように考えておるので、そういう程度でがまんをしていだきたい。かように存じます。
  71. 中野寅吉

    中野(寅)委員 それでは近日私は逓信省に參りますから、当局の方からこまかい調書を下さることをお願いします。電話の度数が少いのは、田島及び若松間の数が多いためですから、ぜひ逓信省の方に御調査お願いしたい。またこの方面には國家再建のために非常な宝があるのです。これは捨ておけないので、日本発送電あたりにもお聽きくださるとよろしいのですが、どうかこれは逓信省としては電話という意味でなく、國のためにというところに御着眼になつて努力されんことをお願いします。これは仙台電話局の花岡さんにもよく話をしておきましたから、特にひとつ御心配を願います。
  72. 土井直作

    土井委員長 他に御意見はありませんか。——御意見がないようせでありますから、次に移ります。     —————————————
  73. 土井直作

    土井委員長 日程第八、豐田村に郵便局設置請願重井鹿治紹介文書表第559号、紹介議員の御説明を願います。
  74. 重井鹿治

    重井委員 本請願請願者は、岡山縣勝田郡の豐田村長須一源平、その他村会議長、農業会長等数十名であります。本請願要旨は、岡山縣勝田郡豊山村大字豊沢は、廣戸郵便局と行方郵便局との中間に位し、勝田郡北部の要地で、農工商の中心であり、かつ最近京阪神に出入する人々が増加しつつある現状である。殊に第一回國会においては衆參両院とも採択になつたのであります。速やかに該地区に郵便管を設置されたというのであります。
  75. 土井直作

    土井委員長 本件に対して政府当局所見を伺います。
  76. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 豊田村に無集配郵便局を設置する件につきましては、第一回國会において請願が採択されております。実際調査してみますと、戸数の上におきましても、あるいは隣りの局との距離におきましてもそ、の他の事情から鑑みまして、無集配郵便局を設置する方がいいと考えられますので、予算その他の方とにらみ合わせまして、できるだけ速やかに設置いたしたい、かように考えております。
  77. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御質問ありませんか。——ないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  78. 土井直作

    土井委員長 日程第九、易國問郵便局集配事務開始請願、山崎君岩男君紹介。文書第表第六〇1号、紹介議員出席がありませんから、重井委員説明をしていただきます。
  79. 重井鹿治

    重井委員 この請願者は青森縣下北郡風間浦村長永井武三郎氏ほか数十名でございます。本請願要旨は、青森縣下北郡風間浦村は現在風間浦及び易國間の郵便局があり、全村の集配事務は風間浦郵便局のみで扱つておるので、集配部落の地理的関係から、郵便物の遅配等のため、地方の不利不便は大であります。さらに易國間は本村の中央に位し、本村行政、産業中心でありますから、風間浦郵便局集配事務を存置しつつ易國問郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  80. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  81. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 易國間に集配事務を取扱わせるということは、本間浦局からの距離、それから易國間局集配区域が易國間と蛇浦に限られるので区間が狭い。また集配の上においてもその速度が大して変りのありません上に区域の狭いところの集配事務を取扱うのは不経済なことでありますので、今のところ易國間には集配事務を取扱わせるということはちよつと考えられないのでありまして、風間浦局の集配事務でこのまま從來通り取扱つていきたい、かように考えております。
  82. 土井直作

    土井委員長 これに対して何か御意見ありますか。——御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  83. 土井直作

    土井委員長 日程第10、南和氣村郵便局請願小枝一雄君ほか九名紹介文書表第六一三号、紹介議員出席がないようでありますから、重井委員から説明をしていただきます。
  84. 重井鹿治

    重井委員 請願者は岡山縣勝田郡南和氣村長寒竹賢吾ほか六名であります。本請願要旨は、岡山縣勝田郡南和氣村郵便業務は、隣村の北和氣郵便局によつて取扱われているが、本村は面積が廣大で交通機関に惠まれず、山間に点在する数部落は、所管局までの連絡に一日を費す始末で、不便を極めている。ついては同村に三等郵便局を設置されたいというのであります。
  85. 土井直作

    土井委員長 本件に対する政府当局所見を伺います。
  86. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 南和氣村に無集配郵便局を置設してくれという請願につきましては、実情調査いたしますると、北和氣郵便局からの距離も相当ありまするし、戸数も相当多いようでありますから、設置の必要を十分認めております。予算その他を考慮したしまして設置することにいたしたい。かように考えます。
  87. 土井直作

    土井委員長 これに対して御意見ありませんか。——御意見がないようでありますから次に移ります。     —————————————
  88. 土井直作

    土井委員長 日程第一一、菅原郵便局集配事務開始請願鈴木明良君紹介文書表第六一八号、紹介議員出席がないようでありますから、重井委員から説明をしていただきます。
  89. 重井鹿治

    重井委員 本請願請願者は茨城縣結城郡菅原長村菅沼二ほか二十七名であります。本請願要旨は、茨城縣結城郡菅原村は交通不便で、手紙による以外に外部との連絡方法がない。近距離にある東三妻郵便局は橋がいなので鬼怒川に妨げられ、二里も離れている岩井、水海道、石下の各郵便局から集配されている現状である。ついては本村菅原郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  90. 土井直作

    土井委員長 本件に対して政府当局所見を伺います。
  91. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 菅原郵便局集配事務を取扱うということにいたしますと、菅原村と大花羽村及び飯沼村の三箇村をもつて集配区域とせなければなりませんが、そうしますと、その隣りの三妻局の集配区域が非常に狹くなります。その上にたとえ集配事務を取扱うにいたしましても、郵便物の配達がそう早くなりません。また集配事務を取扱うについては、外勤局員を二名増員しなければならぬというようなことになりましたり、不経済なことになりますので、今のところちよつと困難な状態になつておる。かように考えられ、るのであります。
  92. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見ありませんか。——御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  93. 土井直作

    土井委員長 日程第一二、中山路郵便局集配事務開始請願、松本眞一君紹介文書表第六五三号。紹介議員出席がないようでありますから、重井委員説明をしていただきます。
  94. 重井鹿治

    重井委員 請願者は和歌山縣日高郡中山路郵便局長的場順一ほか一名であります。本請願要旨は、和歌山縣日高郡中山路村は物資の集散地で、交通の要衝であり、地方民の通信、為替及び貯金等郵便局利用は大であるが、本村の通信は多大の時間と勞力を費しているため、村民不便は大である。ついては本村所在の中山路郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  95. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  96. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 中山路郵便局集配事務を取扱うことは、区域も狹うございますので、今のところ設置は困難ではないかか。ように考えております。
  97. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見がありますか。——御意見がないようでありますから、次に移ります。     —————————————
  98. 土井直作

    土井委員長 日程第一三、大垪和郵便局集配事務開始請願小枝一雄君ほか一名紹介文書表第七一九号。紹介議員出席がないようでありますから重井委員説明をしていただきます。
  99. 重井鹿治

    重井委員 この請願者は岡山縣久米郡大垪和村長本田廣太君であります。本請願要旨は、岡山縣久米郡大垪和村は、海拔三百余メートルの高原地帶で、農、林、畜産物等に惠まれ、各種の学校及び工場があるが、交通並びに通信の設備に乏しく、かつ本村の大垪和郵便局は無集配特定局であるため、その不便はまことに大である。ついては産業の開発と地方民の福祉増進のため、大垪和郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  100. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  101. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 大垪和局に集配事務を取扱うということは、ただいま集配している郵便局からの距離といい、面積といい、集配を行うのに適当であると考えられますけれども、しかし現在大垪和局に郵便物を持つて行くのには人夫によらなければなりません。そういう関係上、早く配達されるというようなことは現在と大して変りがないのではないか。かように考えられます。從つて急速に集配事務を取扱うということは困難であると思いますけれども、將來考慮の中に加えて、適当な時期に計画をしたいと考えます。
  102. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見ありますか。——別に御意見もありませんから次に移ります。     —————————————
  103. 土井直作

    土井委員長 日程第一四、伊東郵便局電話交換方式改善竝びに電話交換局新設請願小松勇次紹介文書表第七八三号。紹介議員出席がないようでありますから、重井委員説明をしていただきます。
  104. 重井鹿治

    重井委員 この請願者は伊東市長、石川哲ほか三十名であります。本請願要旨は、伊東市は、観光都市として発展の途上にあるが、通信機の現状はすでに壽命を超えた磁石式直列複式交換機を未だに使用しているため、毎日の故障はもとより、電話機から起る諸所のトラブルは数えきれない現状である。ついては伊東郵便局電話交換方式を改善するとともに、電話交換局を新設されたいというのであります。
  105. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  106. 五坪茂雄

    ○五坪委員 伊東は観光地でもあり、電話加入者が非常に多い上に、また外人などの出入も多いようでありますから、この電話方式を自働交換方式にかえたい計画をもつております。しかしながらそれは廳舎の新築をしてから後でなければなりませんので、目下本年度中に廳舎を新築する予定をもつて予算を請求いたしております。その廳舎新築ができてから後に、自働交換方式に変更いたしたいと考えております。
  107. 土井直作

    土井委員長 本件に対して別に御意見ありませんか。——御意見がないようでありますから、次の日程に移ります。     —————————————
  108. 土井直作

    土井委員長 日程第一五、佐伯郵便局舎新築竝びにその電話方式改善請願村上勇紹介文書表第八二四号。紹介議員出席がないようでありますから、重井委員の請明を願います。
  109. 重井鹿治

    重井委員 請願者は大分縣佐伯商工会議所会頭福良宇佐吉ほか四十三名であります。本請願要旨は、佐伯郵便局局舎大正十二年の建築にかかる建物で、もはや継続使用に耐えないばかりでなく、全局員收容にも困難なる状態である。またその電話方式は最も原始的な磁石式であるから、本郵便局舎の新築並びに電話方式の改善を要望するというのであります。
  110. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を伺います。
  111. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 これは先ほどの請願にもありました通りに、局舎改築を必要としますので、その改築を待つて交換方式による電話方式にかえていきたいと、かように考えております。
  112. 土井直作

    土井委員長 これは先ほどの第七と同樣でありますから、特に御意見がないと思いますので、次の日程に移ります。     —————————————
  113. 土井直作

    土井委員長 日程第一六、大高根郵便局集配事務開始請願、海野三朗君紹介文書表第八二五号。紹介議員出席がないようでありますから、重井委員説明をしていただきます。
  114. 重井鹿治

    重井委員 この請願者は山形縣北村山郡大高根村長寺崎眞圓ほか二名であります。本請願要旨は、山形縣北村山郡大高根村は現在白鳥郵便局の集配下にあるが、郵便物の遅着はなはだしく、村民の不防は多大であります。ついては諸種の好條件を具備した大高根郵便局を集配局に昇格されたいというのであります。
  115. 土井直作

    土井委員長 本請願に対する政府当局所見を司います。
  116. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 大高根局に集配事務を取扱うということは、いろいろの点で大高根村において非常な防益を得ることと思いますけれども、こにに集配事務を取扱うにつきましては、定員を三名増員する必要がありますので、そういう関係から、さしむき実施することは困難であります。しかしこれは將來の問題として考慮いたしたいと考えます。
  117. 土井直作

    土井委員長 本件に対して別に御意見はありませんか。
  118. 重井鹿治

    重井委員 この請願当局におかせられましてもよく御存じのように、海野三朗議員が委員会のあるたびに、いろいろな角度から設置を要望されておると思うのであります。そういう意味におきまして、特に当局におかれましては、よろしく御研究の上、善処せられたいと思います。
  119. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 大いに考慮いたします。
  120. 多田勇

    ○多田委員 請願に関連いたしまして逓信省にお聽きしたいのです。この前懇談会の際にも、長谷川委員から第一回國会における請願の採択されたものについてのその後の処置について、中間報告でもよいからしていただくようにお願いしてあつたのですが、未だに第一回國会において採択されたものについて報告がないわけであります。今日の請願の中にも、第一回の國会において採択されたものが再び請願として出されておるのでありますが、第一回國会における請願の採択された分についてのその後の処置について、至急報告を願いたいと思います。
  121. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 十分に心得ておりますので、もうやがて調査を完了すると思います。     —————————————
  122. 土井直作

    土井委員長 それでは先ほど当局意見を保留してありました第一の、海西郵便局電話交換事務開始並びに一般電話増設請願武藤嘉一紹介文書表第三八六号。本請願に対する政府当局所見を開陳していただきます。
  123. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 海西局は桑原局の加入区域内であつて、桑原局との距離も二キロ程度でありますので、一應見合せとなつておるのでありますけれども、地況その他を考慮いたしまして、資材の点等もよくにらみ合わせて、できる限り請願の趣旨に副うように努力いたしたい、かように考えます。
  124. 土井直作

    土井委員長 本件に対して何か御意見はありますか。
  125. 長谷川政友

    長谷川(政)委員 請願がいつの國会においても國会の末期になつてたくさん出てまいりますので、委員会といたしましても、あまり遅れて出されたのでは、審議も十分できないことになります。そこでたとえば六月の二十日に國会が終るのだというように、その期日が明瞭な場合は、國会終了の一週間前とか、あるいは五日前とかいつて請願提出の期日をはつきりお示しになつた方が、委員会としても審議しやすいし、また政府の方も答弁しやすいだろうと思うのでありますので、一言希望を述べておきます。
  126. 土井直作

    土井委員長 この点については御意見まことに結構でありますので、適当な処置をとりたいと思います。  なお以上の請願はいずれもきわめて重要なる請願でありまして、その決定に対しては愼重を要すると思いますので、決定を他日に讓りたいと思います。  本会議も開かれておることでありますから、本日の委員会はこの程度をもつて散会いたします。     午後三時十六分散会