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中山(次)
政府委員 ただいま三点につきまして御
質問がありましたので、御
説明いたしたいと思います。第一点の、田舍の方に
電話公債を
負担させることは、少し
負担過重ではないかという
お話でございますが、この点につきましては、私
どもといたしまして、やはり都会においても、田舍においても、この
電話の
架設につきまして今回
電話公債の
負担をしていただくのは、この
電話の
増設につきまして財源が足りません
関係上、これを田舍とか都会とかいわずに、一律の
負担していただくという点にございますので、田舍の
方々におきまして、この
電話公債を
負担していただくことが、まあ生活環境の上からい
つて御無理の点が都会と比べてどうか、そういう点に
なりますと、私
相当これは考究しなければならぬ点かと思うのでありますが、私
どもといたしましては、同樣にやはりこれを
負担していただかなければならぬ現在の財政状態じやないかと考えておるのでございます。それで田舍を先にするか、都会地を先にするかという点でございますが、これにつきましては、現在の國情からいいまして、田舍は田舍で生産拡充、また食糧増産という点で、田舍でも重点的にこれを
増設しなければならぬ必要もございますので、その点につきましては、ある
地域は都会よりも優先的に
増設しなければならぬかと思
つております。また一面都会におきます
戰災地等につきましては、
戰災復旧をなるべく早くして、
戰災後の日本の
國家活動、経済活動の中心勢力とな
つてもらう
意味におきまして、田舍よりも早く、優先的に
復旧増設いたしたいとも考えております。これは個々の都市、町村について考究いたしたいと思
つておる次第であります。
それから今度の
電話公債の方法でなしに、もつと
一般的の生産、
公債によつたらどうか、また富くじによつたらどうかといういろいろの案も、私
どもといたしまして十二分に檢討いたしまして、また大藏
当局ともいろいろ話し合
つたのでございますが、現在の日本政府の財政状態からいいまして、また金融状態からいいまして、今
一般公債を
電話増設のために発行いたしますことは、何分にも背負い切れないという点がございまして、生産的の事業ではございますが、
電話公債は、やはりそういう
一般金融事情に惡影響を及ぼさない
加入者負担という特別なわくの中でこれを募集して、
増設するというようなことに
なりました。私
ども関係者といたしましては、まことに遺憾には思うのでありますが、現在の日本の財政状態からい
つて、がまんしなければならぬと思いまして、このやむを得ない
電話公債案に落ちついたわけであります。また一面富くじ等につきましては、私
どもも考慮したのでありますが、何分にも富くじによる應募は不確定でありましてこの
電話事業、というような、ある
程度の
年度計画
なり、年間計画をやります事業については、不適当ではないかと思います。また富くじによります純益は、その取扱手数料の増大によりまして、手取りが非常に少し
関係上、これもまた
電話建設について妥当ではないというふうに考えまして、この
電話公債によ
つたのであります。もちろん私
どもといたしまして、この
加入者の
負担にかかる
電話公債案が最善のものとは毛頭考えておりませんし、できるなら
先ほどお話のありましたような
一般公債、生産
公債に立ちかえるべきだと思いまして、この点につきましては、今後とも絶えず大藏
当局と折衝いたしまして、本來の姿にかえりたいと思います。從いまして、今度の
法律案も一
年度限りにいたしまして、なるべく早い
機会に
電話公債による数を減らしまして、早く本來の姿にかえりたいと心がけておる次第であります。
それから第三点の地方と都市とにおきまして、
電話公債の
負担額を區別したらどうかという点でございます。この点につきましても、私
どもいろいろ研究いたしたのでありますが、結局都市と農村、漁村におきましては、
電話加入者と
電話局との間の距離におきましても、あまり等差がないのであります。從いまして、施設の
費用についてあまり差別がありません。むしろ
電話の鉱石磁石式、共電式、自働式というのによりまして、多少の價格の差はございます。しかし大体屋外設備が
費用の大部分を占めます。
関係上、その交換方式によ
つて差別をつければつけられるのでありますが、この二万円
なり、三万円
なりの金額は、一應拜借するお金で、これはまたお返しするというような点から考えますれば、むしろ差別をつけずに、一律に
負担さしていただいた方が、簡單直截で、また
加入者に対しましてもある
程度の公平が期せられるのではないかと考えまして、全國一律にいたした次第であります。