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1948-06-29 第2回国会 衆議院 水産委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十九日(火曜日)     午前十一時五十分開議  出席委員    委員長 馬越  晃君    理事 石原 圓吉君 理事 夏堀源三郎君    理事 庄司 彦男君 理事 藤原繁太郎君    理事 三好 竹勇君 理事 鈴木 善幸君       川村善八郎君    坂本  實君       關内 正一君    冨永格五郎君       仲内 憲治君    受田 新吉君       加藤 靜雄君    鈴木 雄二君       矢後 嘉藏君    小松 勇次君       多賀 安郎君    外崎千代吉君  出席政府委員         農林事務官   藤田  巌君  委員外出席者         議     員 井谷 正吉君         議     員 内海 安吉君         農林事務官   高木  淳君         專門調査員   小安 正三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  漁船保險法の一部を改正する法律案(内閣送  付)(予閣第一九号)   請 願  一 香深港築設の請願坂東幸太郎紹介)(    第三一号)  二 焼尻村に漁港築設の請願坂東幸太郎君紹    介)(第四〇五号)  三 羽幌漁港修築請願坂東幸太郎君外三名    紹介)(第八〇一号)  四 遠別村に船入澗築設請願坂東幸太郎君    紹介)(第一〇六七号)  五 川南村通山濱に漁港築設の請願押川定秋    君紹介)(第五〇号)  六 鼠ケ関修築請願泉山三六君紹介)(    第五一号)  七 知床半島漁港築設の請願飯田義茂君外    一名紹介)(第七四号)  八 伊萬里漁港修築請願森直次外紹介)    (第一五七号)  九 宿田曽漁港修築請願松田正一紹介)    (第二六一号) 一〇 焼尻村に漁港築設の請願岡田春夫君外一    名紹介)(第三五一号) 一一 伊達町に漁港築設の請願稻村順三君紹    介)(第五五八号) 一二 青森漁港修築促進請願山崎岩男君紹    介)(第六一号) 一三 尻屋崎附近避難港築設の請願山崎岩男    君紹介)(第一〇七七号) 一四 網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水    産試驗場支場設置請願永井勝次郎君紹    介)(第九〇五号) 一五 網走市に水産試驗場支所設置請願永井    勝次郎紹介)(第一一六一号) 一六 久慈漁港修築請願山崎猛紹介)(第    七四二号) 一七 標津薫別漁港築設の請願伊藤郷一君    紹介)(第六四四号) 一八 羅臼村の各河川鮭鱒孵化場設置請願(    伊藤郷一君紹介)(第六四七号) 一九 羅臼船入澗拡張工事施行等請願伊藤郷    一君紹介)(第六八一号) 二〇 雄武村に漁港築設の請願伊藤郷一君紹    介)(第一〇八八号) 二一 漁業協同組合法制定促進請願田中稔男    君紹介)(第一一七一号) 二二 鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差別    撤廃請願田中稔男紹介)(第一一九    〇号) 二三 本城港を漁港として築設の請願川野芳滿    君外一名紹介)(第一二〇九号) 二四 入漁権撤廃に関する請願内海安吉君紹    介)(第一五五一号) 二五 櫻井町に漁港築設の請願井谷正吉君外三    名紹介)(第一〇七五号) 二六 吉里々々漁港修築請願鈴木善幸君紹    介)(第一〇七六号) 二七 眞鍋島村に漁港築設の請願多賀安郎君紹    介)(第四〇〇号) 二八 稻取漁港修築助成請願小松勇次君紹    介)(第七八二号) 二九 昆布の統制撤廃に関する請願冨永格五郎    君紹介)(第一六九四号)   陳情書  一 能登安部屋避難築港工事施行陳情書    (第四三二号)  二 魚類の統制價格撤廃に関する陳情書    (第四九二号)  三 有明海の漁業取締に関する陳情書    (第九〇八号)     ―――――――――――――     〔筆 記〕
  2. 三好竹勇

    三好委員長代理 これより会議を開きます。  漁船保險法の一部を改正する法律案につき議題に供します。本案提出理由につき政府説明を求めます。     —————————————
  3. 高木淳

    高木説明員 ただいま議題となりました漁船保險法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  漁船保險法において、家畜保險法中規定を準用していましたところ、家畜保險法昭和二十二年十二月十五日に、農業災害補償法施行によつて廃止されましたため、漁船保險法において準用する家畜保險法中規定事項を、漁船保險法中に新たに規定する必要が生じたのであります。これが法律案を提出する理由であります。  次に改正内容について申し上げまするに、まず、改正の第一点は、漁船保險法第二十八條及び第三十六條の規定において準用する家畜保險法中事項すなわち  一、所得税法人税登録税の免税に関する規定  二、組合の創立、役員、総会、総代会定款、監理、組合員、合併、解散及び登記に関する規定漁船保險法規定するのであります。  改正の第二点は、漁船保險法清算人の職務に関する規定の一部が不足していましたため、第二十五條の十四ないし第二十五條の十六の三ケ條を新たに規定するのであります。  改正の第三点は、從來農林保險審査会という機関がありまして、農林省所管の四つの保險すなわち、農業保險家畜保險森林火災國営保險及び漁船保險において、組合森林火災國営保險では被保險者等)が、再保險森林火災國営保險では保險金)に関する事項について、政府に対して民事訴訟を提起するには、この農林保險審査会審査を経なければならないことになつてつたのであります。しかるに、農業災害保償制度においては、別に審査会をつくることになりましたため、他の保險が別個の審査会をつくる必要が生じたのであります。よつて、「農林保險審査会」の名称を、漁船保險法においては「漁船保險審査会」に、森林火災國活保險法においては「森林火災國営保險審査会」に、それぞれ規定改正するのであります。このため、この法律案の附則において、森林火災國営保險法の一部の規定改正するのであります。  以上申し上げました次第でありますから、何卒御審議の上、速やかに御協賛下さいますようお願いいたします。
  4. 三好竹勇

    三好委員長代理 本案に対し御質疑はありませんか。
  5. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 参議院修正個所も併せて説明願います。
  6. 高木淳

    高木説明員 漁船保險法第十三條中「日の翌日」を「時」に改めたのであります。  漁船保險法  第十三條 組合責任ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外組合ガ保險料受領シタル日ノ翌日ニ始マル 以上の如く農林省関係法規は「日ノ翌日」となつています。これを「時」と修正されたのであります。
  7. 小松勇次

    小松委員 保險料率一般会社との関係はいかがですか。
  8. 高木淳

    高木説明員 一般会社は高率であります。
  9. 三好竹勇

    三好委員長代理 本案及び参議院一部修正個所に対して他に御質問はありませんか。  御質問がないようですが、討論採決はあとまわしに致します。     〔三好委員長代理退席馬越委員長着席
  10. 馬越晃

    馬越委員長 御報告申し上げます。船員保險法の一部を改正する法律案について厚生委員会との連合審査の結果、厚生大臣に次の通り質問を致しました。  私は水産委員会を代表致しまして此の際特に厚生大臣の責任ある御答弁を求めたいと存じます。昨日の厚生水産委員会合同審議の際、私及び他水産委員から申し上げましたように、本法案漁船船員に対しては実際に適しない不備の点が多々あるのでありまして、これらの点に対しては政府当局もこれを肯定しておられることは、昨年の御答弁によつて判然としたのでありますが、これら実際に適しない点について、政府は速やかに成案を得て次回國会改正案を提出される御意思があるかどうかを承り、その御所信いかんによつて水産委員会として本法案に対する態度を決定致したいと存じます。尚本法実施に伴い設置される委員会の構成に対して漁船関係者を増員し、その意見を聽き、もつて、その運営に遺憾なきを期せられたいと存じます。  これに対しまして厚生大臣より次の答弁がありました。今回の船員保險法改正は、主として関係方面意見も、政令、省令中の重要事項法律をもつて規定するという点にあつて、こと早急を要する次第であり、今回御審議をお願いした次第であります。漁船関係者の御意見につきましては、早速関係方面とも協議の上御希望に添うようつとめたいと存じまして、せつかく善処方考慮中であります。ついては、成案を得て次回國会提案の上、御審議を煩はすことといたしたいと存じます。何卒御了承願いたいと存じます。  この答弁により、次回國会提案せられることを確信いたし、本委員会として賛成の意を表しました。この対処策として院内理事会を開き、次の通り理事会意見を決定し、申出でたのであります。  一、漁船乘組員には船員保險の中の失業保險及び養老年金脱退手当金を除外すること。   (或はこれを任意加入とすること)  二、船員保險委員会委員漁船関係者を適当数加へること。  厚生大臣はこれを水産委員会意見として認められました。以上御報告申し上げます。
  11. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 漁業者のためにも十分なる事をはかるとの意見はありませんでしたか。
  12. 馬越晃

    馬越委員長 御答弁はありませんでしたが、その意味は十分認められました。では今報告申し上げました通りよろしく御了承を願います。     —————————————
  13. 馬越晃

    馬越委員長 つぎに請願を討議いたします。  日程第一、香深港築設の請願坂東幸太郎紹介、第三一号。  日程第二、燒尻村漁港築設の請願坂東幸太郎紹介、第四〇五号。  日程第三、羽幌漁港修築請願坂東幸太郎紹介、第八〇一号。  日程第四、遠別村に船入澗築設請願坂東幸太郎紹介、第一〇六七号。 に関する請願坂東幸太郎君同一人の紹介議員でありますから、一括して御説明を願います。  各位の御了承を得まして、紹介議員不在でありますから代つて三好竹勇君に御説明を願います。
  14. 三好竹勇

    三好委員 香深港築設の請願。本請願要旨は、北海道禮文郡香深村会所前の船入澗設備不完全のため利用度が大いに縮小されている、しかるに同港北海道本土と内地との連絡港として、又近海漁場避難港として重要なる位置を占め、特に北洋漁場失つた今日、益益その重要性を高めつつある、ついては該船入澗香深港として速やかに大改修工事施行されたいというのである。  燒尻村漁港築設の請願、本請願要旨は、北海道苫前燒尻村船入澗は、人口増加漁業進展に伴い出入船舶増加して、著しくその狹小さを感ずるようになつた、しかも同港日本海要港としても最適の地であるので、該村に速やかに漁港を築設されたいというのである。  羽幌漁港修築請願、本請願要旨は、北海道苫前羽幌町は、天塩國中央部に位し、沿岸ただ一つ海陸物産の豊富な地で、主要食糧の増産並びに輸送上、漁港の速成は一日も忽せにすることができない、ついては昭和二十三年度においても、南防波堤、内港突堤、荷揚場護岸、埋立、浚渫等の諸工事を速やかに完成されたいというのである。  遠別村に船入澗築設請願、本請願要旨は、北海道天鹽郡遠別村は天鹽沿岸屈指有望漁場であり、漁獲物輸送並びに必要物資の集散にも便利であるが、完全なる漁船繋留施設がないため漁業を休止し空しく傍観している、ついては本村船入澗を築設されたいというのである。
  15. 馬越晃

    馬越委員長 本件に関し政府当局の御意見を承りたいと存じます。
  16. 藤田巌

    藤田政府委員 香深、燒尻、羽幌漁港修築に関しては、別途、運輸省改良を加えられる予定でありますが、漁業施設については、將來諸般状勢を考慮して実施するよう努力いたします。なお遠別村に船入澗を築設する必要性は認められるが、北海道当局よりの申請をまつて具体的計画につき檢討の上、財政の許す限り実現を期したい。     —————————————
  17. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第五、川南村通山浜に漁港築設の請願押川定秋紹介、第五〇号を議題とします。押川定秋不在につき、各位の御了承を得まして代つて小松勇次君に御説明をお願いいたします。
  18. 小松勇次

    小松委員 本請願要旨は、宮崎縣兒湯那川南村通山は、漁場としてきわめて優秀で腕利きの漁民は三百を算えるが、漁港がないためその漁獲本村の住民すら賄いえない現状である、ついては海洋資源の速やかな関発のため本村通山濱に漁港を築設されたいというのである。
  19. 馬越晃

    馬越委員長 本件に関し政府当局の御意見を承りたいと存じます。
  20. 藤田巌

    藤田政府委員 通山浜船溜設備改築必要性は十分認められるから財政の許す限りなるべく速やかに実現するよう考慮したい。     —————————————
  21. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第六、鼠ケ関修築請願泉山三六君紹介、第五一号を議題といたします。泉山三六君不在につき、各位の御了承を得まして、代つて坂本實君に御説明をお願いいたします。
  22. 坂本實

    坂本委員 本請願要旨は、山形縣鼠ケ關港日本海における重要港湾の一であり、船溜港として改修中であるが、まだ避難港としての用をなさず、毎年新潟、酒田間航行船舶の難破難航することはまことに遺憾である、ついては速やかに國費支弁をもつて本港修築に着手されたいというのであります。
  23. 馬越晃

    馬越委員長 本件に関して政府当局の御意見を承りたいと存じます。
  24. 藤田巌

    藤田政府委員 鼠ケ関港の修築は、本港避難港としてのみならず漁港としてもきわめて重要なところである関係上、その必要性は十分認めるから、將來計画に関して、具体的に愼重檢討の上、財政の許す範囲内においてなるべく速やかに実現するよう考慮したい。なお本港災害復旧工事については、漁年度に引続き本年度船溜復旧事業一つとして実施する予定であります。
  25. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第七、知床半島漁港築設の請願飯田義茂君外一名紹介、第七四号を議題といたします。飯田義茂不在につき、各位の御了承を得まして代つて川村善八郎君に御説明をお願いいたします。
  26. 川村善八郎

    川村委員 本請願要旨は、北海道斜里斜里知床半島はその周辺に未開無限水産資源を有し、その開発増獲が急務とされているのみでなく、同海域は海霧の発生多く、かつ急潮で、航行に困難を感じ、避難港設置を必要とされている、しかも同半島は豊富なる陸地資源が未開発のまま放置されており、引揚漁民收容の地としても適し、観光地としても將來大いに期待することができる、ついては該半島漁港を築設されたいというのであります。
  27. 藤田巌

    藤田政府委員 本請願にかかる施設についてはその必要性は十分認められるから、具体的計画に関し愼重檢討の上、財政の許す限りなるべく速やかに実現するよう考慮したい。     —————————————
  28. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第八、伊萬里漁港修築請願森直次君外四名紹介、第一五七号を議題とし、森直次不在につき各位の御了承を得まして、代つて坂本實君の説明をお願いいたします。
  29. 坂本實

    坂本委員 本請願要旨は、佐賀縣西松浦伊萬里漁港昭和十年時局匡救事業として完成したが、その後資材不足のため補強修理をせず、港内は土砂に埋沒され、岸壁は船波で破損し、防波堤は沈下してその用をなさない、ついては昭和二十三年度予算を以て速やかに本漁港補強修理並びに浚渫等施行されたいというのであります。
  30. 藤田巌

    藤田政府委員 本請願にかかる施設については、運輸省所管で処理されることになつておるが漁業施設については將來諸般情勢を勘案して実現を考慮したい。     —————————————
  31. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第九、宿田會漁港修築請願松田正一紹介、第二六一号を議題とし、松田正一不在につき、各位の御了承を得まして代つて石原圓吉君に御説明をお願いいたします。
  32. 石原圓吉

    石原委員 本請願要旨は、三重縣度會宿田會村は、古來漁業を以て立つている村であるが、漁港設備が不完全で、漁獲物及び荷物の揚げ下しも不便であり、且つ巡航船の発着にも多大の支障を來している、ついては本地方の水産業並び伊勢志摩國立公園観光等のため速かに宿田會漁港修築施行されたいとの紹介説明があつた
  33. 藤田巌

    藤田政府委員 本請願については、必要性は十分認められるから、具体的計画に関し愼重檢討の上、財政の許す限りなるべく速やかに実現するよう考慮したい。     —————————————
  34. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一〇、燒尻村漁港築設の請願岡田春夫君外一名紹介、第三五一号を議題とし、紹介議員岡田春夫不在につき、代つて受田新吉に御説明願います。
  35. 受田新吉

    受田委員 本請願要旨は、北海道苫前燒尻村船入澗は、人口増加漁業進展に伴い出入船舶増加して、著しくその狹小さを感ずるようになつた、しかも同港日本海要港としても最適の地であるので、該村に速やかに漁港を築設されたいというのであります。
  36. 藤田巌

    藤田政府委員 燒尻港は同島における中心連絡港として、運輸省所管改良が加へられるはずであるが、漁業施設については將來諸般状勢を勘案して考慮したい。     —————————————
  37. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一一、伊達町に漁港築設の請願稻村順三君紹介、第五五八号を議題とし、稻村順三君不在につき、代つて三好竹勇君に御説明をお願いいたします。
  38. 三好竹勇

    三好委員 本請願要旨は、北海道有珠伊達有珠港湾は港口が狹く、港内は廣く天然の良港といわれているが、その深度が浅いため大型漁船避難には適しないので、漁民の福祉のため有珠漁港伊達町に築設されたいのであります。
  39. 藤田巌

    藤田政府委員 本請願にかかる漁港築設の必要性は十分認められるから、財政の許す限りなるべく速やかに実現するよう努力したい。     —————————————
  40. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一二、青森漁港修築促進請願山崎岩男紹介、第六一号、日程第一三、尻屋崎附近避難港築設の請願山崎岩男紹介、第一〇七七号は同一紹介議員のため、一括して議題とし、紹介議員不在のため代つて小松勇次君に御説明をお願いいたします。
  41. 小松勇次

    小松委員 青森漁港修築促進請願、本請願要旨は、青森漁港改修工事導水堤その他の一部が施行されただけで、ほとんど港の形態をなしていない、しかるに青森漁港近海世界有数漁場を売し、漁獲物も多量にあり、漁業技能者の数も多く、國家食糧危機打開重大使命をもつている、ついては該漁港修築工事を速かに促進されたいと思うのであります。  尻屋崎附近避難港築設の請願、本請願要旨は、青森縣下北郡東通村尻屋崎附近は本縣屈指の漁場であるが、附近避難港がないため漁業振興を阻害している、又本村大字尻勞及び尻屋村一帶は無盡藏の石炭岩に惠まれている、ついては本村尻屋崎附近避難港を築設されたいというのであります。
  42. 藤田巌

    藤田政府委員 青森漁港修築促進必要性は十分に認められるところであるから、昭和二十三年度において引続き許容の範囲内で最大限度の割当を行い、もつて地元民の意にそいたい。  次に尻屋崎附近避難港を築設する必要性は認められるが、縣当局よりの申請をまつて具体的計画につき檢討の上、諸般の情勢を勘案して考慮したい。     —————————————
  43. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一四、網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水産試驗場支所設置請願永井勝次郎紹介、第九〇五号、日程第一五、網走市に水産試驗所支所設置請願永井勝次郎紹介、第一一六一号は同一紹介議員のため一括して議題とし、永井勝次郎不在のため代つて矢嘉藏君に御説明をお願いいたします。
  44. 矢後嘉藏

    ○矢後委員 網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水産試驗場支場設置請願、本請願要旨は、オホーツク海は對島海流千島海流の交錯する所で、河遊魚族に富んでいるにかかわらず、漁田科学的基礎調査海田開発試驗的設備がないため、わずかに小漁業範囲を出ない現状である、ついてはオホーツク海を專門とした北海道水産試驗場支場設置されたいというのである。  網走市に水産試驗所支所設置請願請願要旨は、終戰後北洋漁場を喪失した今日、わが國水産業振興オホーツク魚田開発にまつところがきわめて多大となつたが、現在網走市にある水産指導所研究施設及び予算等では廣大オホーツク海の研究開発は到底できない、ついては本指導所施設内容を拡充して水産試驗場支場設置されたいというのであります。
  45. 藤田巌

    藤田政府委員 各請願にかかる支所設置將來開発上その必要性は十分認められるから、財政の許す限り実現を期したい。     —————————————
  46. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一六、久慈漁港修築請願山崎猛紹介、第七四二号を議題とし、紹介議員山崎猛不在のため、代つて仲内憲治君に御説明をお願いいたします。
  47. 仲内憲治

    仲内委員 本請願要旨は、茨城縣久慈郡の久慈漁港はあらたに天然の岩石を利用し、遠洋漁業の根拠地としての新計画の下に昭和二十一年度より着工の運びとなつた、これが完成の曉は太平洋岸有数漁港避難港となることは衆目の認めるところであるが、新規の築港であり、加うるに物價高騰資材入手難等事業の進行は、困難をきわめつつある、ついては昭和二十三年度において相当額予算を計上し、これに対する資材並びに國庫助成を得て該工事を速やかに完成されたいというのであります。
  48. 藤田巌

    藤田政府委員 久慈漁港修築工事については、昭和二十三年度においても継続工事施行予定であるが、工事費については財政の許す限り請願の趣旨にそいたい。     —————————————
  49. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一七、標津林薫別漁港築設の請願伊藤郷一君紹介、第六四四号を請願とい紹介議員伊藤郷一君不在のため、代つて冨永格五郎君に御説明をお願いいたします。
  50. 冨永格五郎

    冨永委員 本請願要旨は、北洋魚田失つた今日、新魚田開発は最も緊要である、北海道標津標津村と目梨羅白村間には定期船航行があるが、一の避難港もなく、殊に秋冬の航海はその危險が大で、標津薫別港に陸揚するにも平穏な時を利用する状態である、また本港沿岸ただ一つ避難港としていた事実もある、ついては目下計画中の薫別奥地農地開放羅熊ロクシベツ農地開発根北鉄道敷設並びに水産物の生産加工業の発展のため、標津薫別漁港を築設されたいというのであります。
  51. 藤田巌

    藤田政府委員 薫別漁港新設必要性は認められるが、道当局よりの申請をまつて具体的計画につき愼重に檢討の上、將來実現するよう努力したい。     —————————————
  52. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第一八、羅白村の各河川鮭鱒孵化場設置請願伊藤郷一君紹介、第六四七号。  日程第一九、羅白船入澗拡張工事施行等請願伊藤郷一君紹介、第六八一号。  日程第二〇、雄武村に漁港築設の請願伊藤郷一君紹介、第一〇八八号は同一紹介議員のため一括して議題とし、紹介議員伊藤郷一君不在のため、代つて川村善八郎君に御説明をお願いいたします。
  53. 川村善八郎

    川村委員 羅白村の各河川鮭鱒孵化場設置請願、本請願要旨は、千島樺太失つた日本鮭鱒資源の増強は急務中の急務で、これが養殖は海遊魚族中最も計画性に富み、五年後には十分なる効果を見られるものであるが、植別川より半島地区は年々減産の一途をたどりつつあつて、このまま放置すれば本漁業の滅亡は火を見るよりも明らかである、ついては北海道目梨羅白村河川鮭鱒孵化場を急速に設置されたいというのである。  概白船入澗拡張工事施行等請願、本請願要旨は、北海道根室國の北端に位する羅白村は魚族の宝庫オホーツク海を漁場とする純漁村であるが、近時水産業進展に伴い機船の來往きわめて多く、かつ引揚者の多数來村により、船入澗狹小による不利不便は益益増大しつつある、ついては魚田開発のため、該村船入澗拡張工事施行するとともに該村南部に位する松法に船入澗を築設し、更に羅白知床間に避難港設置されたいというのである。  雄武村に漁港築設の請願、本請願要旨は、北海道紋別郡雄武村の漁港築設についてはしばしば請願し、昨年は採択されたので、北海道廳においてこれが候補地を調査中であるが、同漁港魚田開発水産物の増強に寄與するばかりでなく、三千余町歩の耕地並びに北海道有林の開発に貢献するところ大である、ついては本港築設工事昭和二十四年度において着工されたいというのであります。
  54. 藤田巌

    藤田政府委員 鮭鱒孵化場設置は、將來その必要性は十分認められるから、財政の許す限り実現を期したい。  羅白並に雄武村に船入澗漁港修築必要性は十分認められるので、具体的な計画につき檢討の上、將來その実現を期したい。     —————————————
  55. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二一、漁業協同組合法制定促進請願田中稔男紹介、第一一七一号。  日程第二二、鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差別撤廃請願田中稔男紹介、第一一九〇号は同一紹介議員のため、一括して議題とし、紹介議員田中稔男不在のため、代つて藤原繁太郎君に御説明をお願いいたします。
  56. 藤原繁太郎

    ○藤原委員 漁業協同組合法制定促進請願、本請願要旨は、働く漁民には、その協同組織による漁業生産力の増進及び漁民の経済的社会的地位の向上をはかる機関を設けることが現在最も急務とされている、ついては漁業協同組合法の制定を促進されたいというのである。  鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差別撤廃請願、本請願要旨は、從來鮮魚介陸揚地の取扱は甲乙両地区に区別して実施されているが、甲地区は農林省の指示であり、乙地区は知事の指示である関係から、甲地区は乙地区に比べて資材配給その他あらゆる点において便利が多いため、乙地区の存在が危ぶまれている、ついてはこれが地区別報奬物資の差別を撤廃されたいというのであります。
  57. 藤田巌

    藤田政府委員 漁業協同組合法に関しては、目下関係先と交渉中にて、本國会に上程は不可能の階段にあります。出來得る限り速急に善処いたす考えであります。  なお地区別報奬物資差別撤廃に関しては、將來リンク物資の数量をでき得る限り多く確保して善処して行く考えであります。     —————————————
  58. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二三、本城港を漁港として築設の請願川野芳滿君外一名紹介、第一二〇九号を議題とし、紹介議員川野芳滿不在のため、代つて多賀安郎君に御説明をお願いいたします。
  59. 多賀安郎

    多賀委員 本請願要旨は、宮崎縣南那珂郡本城港は、有明湾の外港とも称する港で、海上の補給基地として又漁業基地として天然の良港であるが、未だ何らの施設がないため漁業基地として十分に利用されていない、ついては速やかに本港に対し漁港としての施設をされたいというのであります。
  60. 藤田巌

    藤田政府委員 本城港築設の請願は十分認められるから、財政の許す限り昭和二十三年度において実現するよう努力したい。     —————————————
  61. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二四、入漁権撤廃に関する請願内海安吉紹介、第一五五一号を議題といたします。
  62. 内海安吉

    内海安吉君 本請願は大島村の独立と漁撈の濫獲を防止せんがため、他の村よりも入漁権を撤廃せられたいと言うのである。  宮城縣本吉郡大島村は純然たる漁村であつて、戸数七百三十戸、人口四千六百人を擁しているのに、農耕地面積はわずかに水田四十八町歩、畑地百六十町歩であつて、村民三ケ月の食糧を支えることが困難で、村民はことごとく漁撈に依存するほかありません。加ふるに村有財産の收入なく、村財政は一に漁民の納税にまつほかなく、從つて大島村は完全なる專用漁業権の穫得により村財政と村民の生活を擁護するほかないのであります。先年漁業法実施及び慣行の字句に禍せられ、無勢は多勢に圧倒され、涙をのんで他村の入漁権による濫獲をいん忍して來たのでありますが、過去四十年にわたる大島村民の耐乏生活と苦痛は言語に盡きせぬものがありますのであります。特に近年他村よりの入漁者著しく増加して、密漁濫獲が盛んに行はれるため、漁場は荒廃し、大島村專用漁業者の苦痛と村財政は極度に困窮しててまいつたのであります。此の実情を御調査の上速やかに他村より來る入漁者濫獲者を禁止し、同時に入漁権の撤廃を要望する次第であります。何卒状情御覽察の上御採択あらんことを、大島村民外十五名連署をもつて請願する次第であります。
  63. 藤田巌

    藤田政府委員 近く漁業権の制度の改革が行はれ、入漁権等に関してはその海区調整委員会の決定にまつもので、同委員会において具体的処置が講じられて行くことになります。     —————————————
  64. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二五、櫻井町に漁港築設の請願井谷正吉君外三名紹介、第一〇七五号を議題とします。
  65. 井谷正吉

    井谷正吉君 本請願要旨は、愛媛縣越智郡櫻井町は縣内有数の大村で、漁業專業者がその大半を占めているにかかわらず、漁港設備がないため漁業は不振をきわめている、又本町の特産品たる漆品その他各種産物の発展も阻害されている、ついては速やかに本町に漁港を築設されたいというのであります。
  66. 藤田巌

    藤田政府委員 櫻井漁港築設の必要性は十分に認められるから、財政の許す限り昭和二十三年度において実現するよう努力したい。     —————————————
  67. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二六、吉里吉里漁港修築請願鈴木善幸紹介、第一〇七六号を議題とします。
  68. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 本請願要旨は、岩手縣大槌町吉里々々漁港は三陸漁場の中心にあり、漁業は古來最も盛大をきわめているが、漁港としての適切なる施設がないため、地元経営の魚獲物さえ他港に回船陸揚げしなければならない状態で、これがため空費される経費は多額に達している、ついては速やかに該漁港修築されたいというのであります。
  69. 藤田巌

    藤田政府委員 吉里々々漁港修築必要性は十分認められるので、船溜設備工事として財政の許す限り昭和二十三年度において実現を期したい。     —————————————
  70. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二七、眞鍋島村に漁港築設の請願多賀安郎紹介、第四〇〇号を議題とします。
  71. 多賀安郎

    多賀委員 本請願要旨は、岡山縣山田郡眞鍋島村は全人口の九割が漁民で、その魚獲高は常に縣下第一、二位にあるが、きわめて貧弱な船溜があるのみで、漁港がないので大なる支障を來している、ついては速やかに本村漁港を築設されたいというのであります。
  72. 藤田巌

    藤田政府委員 眞鍋島村に漁港を築設する必要性は十分認められるが、縣よりの申請をまつて具体的計画につき檢討の上、実現するよう考慮したい。     —————————————
  73. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二八、稻取漁港修築助成請願小松勇次紹介、第七八二号を議題とします。
  74. 小松勇次

    小松委員 本請願要旨は、靜岡縣賀茂郡稻取漁港修築工事は、昭和二十一年度より五箇年の継続事業となつているが、大体海岸の埋立工事であるので、一度東北風の暴風雨にあえば、一夜にして破壞せらるる運命にある、ついては昭和二十三年度において当縣の申請する國庫補助金を確定され、該港の修築を完了して、町民の安定に資せられたいというのであります。
  75. 藤田巌

    藤田政府委員 稻取漁港修築工事については、昭和二十三年度においても継続工事として施行予定であり、工期その他については、諸般の状勢の許す限り町民の期待にそうよう努力したい。     —————————————
  76. 馬越晃

    馬越委員長 次に日程第二九、昆布の統制撤廃に関する請願冨永格五郎紹介、第一九七四号を議題とします。
  77. 冨永格五郎

    冨永委員 昆布の統制撤廃について請願申し上げます。  昆布は昭和十七年一月統制品目に指定されましたが、当時農林当局の統制理由は、昭和十四年八月海産物対支輸出(昆布、目柱、海参乾鮑、塩鮭鱒)を目的として設立された資本金三百万円の日本海産物販賣株式会社(出資政府一五〇万円——民間大会社一五〇万円)がその目的たる輸出事業に失敗して三百万円の損失を致したのであります。  その赤字補填のため昆布と干するめの國内統制を強行してその利益金をこれに充当し、一年間にその目的を達成したのであります。当時われわれ全國の昆布生産並に取扱業者はこの不自然なる統制のため甚大なる打撃を受けたのであります。しかもその統制の目的はすでに達せられたのでありますから、速やかに撤廃すべきにかかわらず、政府は太平洋戰爭遂行のために籍口してその統制を継続してきたのでありまして、眞に不可解千万と思います。  世は轉変いたし、終戰後三ケ年を経過しました今日においても依然として統制は撤廃されず、その犠牲が継続されている現状であります。元來昆布は嗜好品であり、しかも副食物等の出廻りは漸次好轉しつつある折、政府当局も不必要なる物資の統制は徐々に撤廃されつつあるのは眞に当然の措置と考えられます。たとえば茶のごときは日常不可欠の必需品であり、かつまた重要輸出物資であるにもかかわらずすでに統制が撤廃されております今日、嗜好品にすぎない昆布の今なお統制が存続することはわれわれの了解に苦しむところであります。ここにおいてわれわれ全國昆布関係業者は、左記理由をあげまして速やかに昆布の統制撤廃を実施していただくよう懇願いたす次第であります。   理 由  一、昆布は戰時中主食に準ずるものとして統制をされてまいりましたが、前述のごとくただ單なる嗜好品にすぎぬものであります。  一、昆布の特異性として産地別種類が百種類に及び、その数があまりにも多いため、原藻價値に順應する價格を設定することはほとんど至難であります。  一、生産面より見ましても沿岸漁業に属する昆布採集には魚網、漁油その他漁具等の資材を必要としないために、他の生鮮魚と違し資材面より考えられる昆布統制は不必要と思はれます。  一、生産資金面より見ましても、統制があるためにかえつて資金の操作が円滑を欠いて困難を來している現状であります。  一、輸送面より見ますれば、昨年政府計画輸送もほとんど実行されず、最近の状勢はその八割が機帆船又は定期船により輸送されておりまして、貨車輸送によるものは二割程度でありまして、他重要物資輸送に及ぼす影響などは毛頭考えられません。  一、戰前における昆布の生産状況は、統計によりますと平均一ケ年三三万石程度でありましたが、千島、樺太を失地した現在一七、八万石の少量であります。今この昆布を統制継続して國民に均等配給をするといたしますれば、わずか一人当り一ケ年十八匁、月割六匁五分より割当られず、本來重要なる配給物資とは考えられません。  一、以上のごとき少量の嗜好品を重要物資として各都道府縣別に入口割当をいたしますためにかえつて消流に一大混乱を來している現状であります。 かくのごとく昆布は絶対的な嗜好品でありますために速やかに統制解除をなし、昆布愛好者に自由なる購賣をなさしめられますよう懇願いたします。
  78. 藤田巌

    藤田政府委員 本請願にかかる昆布は数量、輸送、金融等に重大な関係がありますので、撤廃については躊躇されているが、実情調査して事情が明となれば請願の趣旨に向つていきたい。     —————————————
  79. 馬越晃

    馬越委員長 ただいま川村委員より昆布並にいか製品統制撤廃に関する緊急質問の申出がありましたのでこれを許します。
  80. 川村善八郎

    川村委員 加工水産物の統制品目中より昆布並にいか製品の統制を撤廃していただきたいと存じますが、政府当局の御所見をお伺いいたします。加工水産物の統制は、戰爭中また終戰直後、当時の食糧事情が最も急迫し、將來の見透しも不十分であつた場合の食糧の代替品として統制いたしたのであります。しかれどもその当時より現在に至りましてもはたして政府のお考えの通り主食の代替品となつたでありませうか。その最もよい標本は昆布並にいか製品でありますので、この際両水産加工品を十品目中の統制わく内より除外せられたいのであります。申すまでもなく昆布は、統制した当初は主食糧として配給取扱いをしたのでありますが、あの最も食糧の不足な当時ですら、主食糧と混入しても食べなかつたので、これを他に轉賣あるいは物交して米を購つたのであります。最もはなはだしいのは、配給昆布が不良品なので食糧にもならず、また他に轉賣するにも買い受ける者もなく、食糧に困つたばかりでなく、生活上、経済上に及ぼした影響はまことに大きかつたこともあつたのであります。從つて昆布の統制は害はあつたが成功したとは言い得ないのであります。しかるに政府昭和二十二年九月中工水産物を再統制強化して、昆布をその一品目として加えられたのでありますが、当時の状況からいたしまして一應止むを得ざる処置であつたと存ずるのでありますが、過去より現在に至る統制の跡をみますると、必ずしも成功したとは考えられないのでありまして、むしろ失敗したとは言はざるを得ないのであります。  その第一点は、主食糧の代替品として配給しても、絶対に主食糧の代替として食せざること。  第二点は、名柄別昆布の品質に應じて相当の價格差なきため、生産者も消費者も集荷機関も荷受機関も喜ばざる價格なること。即ち左記に示す通り     —————————————  第三点、右事情により優良昆布の部は嗜好品として消費されたくも品質の劣る昆布は消費者に排除され、集荷荷受両機関等は取扱はざるため、生産地に帶荷し、あるいは加工したる昆布も消費地において腐敗しなければならない状態にあること。  第四点は、統制があるため他の用途に振向けようとしても割当のわくがなく、それゆえに生産者も取扱ふ機関もいかんともいたし方なく、帶帶の止むなき事情にあること。  第五点は、第三点、第四点の事情のため、生産者は再生産の資金にも生活資金にも困つていること。  以上の理由から見て害は多くして利は不足でありますので、統制を撤廃するのが至当であると存ずるのであります。  次にいか製品でありますが、これまた昆布同樣のお考えのもとに統制したものと思うのであります。けれどもこれらも現在は昆布同樣粗惡品は生産地にも消費地にも多量に滯荷して、公價を割らなければ販賣でき得ない状態にあるのであります。すなわちするめ、塩辛、塩藏いか等これであります。いか製品は戰爭中より終戰直後までは、いかつり漁業者が不足のためその製品もまた不足であつたのでありますが、現在では同漁民の大部分が復員しましたのと、またいかつり漁業は燃油さえ何とか補給でき得れば資材はきわめて少量でよし、また漁船は小型でも多数の漁民が乘込んで繰業でき得るのと、また素人でも子供でも繰業でき得るというのでありますから、引揚者、戰災者で相当数の人がこのいかつり漁業に轉向したのであります。從つていかつり漁業の生産が増産となるとともに、いか製品の生産も相当に増産されることは疑いない事実であります。昨年の数字は時間の関係上省略いたしますが、農林当局も最初の計画の数倍に上つたことはその最も意義を示したものでありまして、現に北海道の南部すなわちいかの生産地にありましては、未だ盛漁期にならざる今日、いかの豊漁のため鮮魚としての出荷は貨車輸送船舶輸送の行詰りにより、冷凍あるいは加工製品としているという報に接しておるのであります。また今後各漁業とも資材の入手が資金さえ充実いたしますれば容易となりますので、生産が増強されることは明らかとなつてきまして、また鮮魚の供給も相当よくなると思うのであります。かくいたしますれば、いか製品は殊にいか塩辛塩藏いかの如きものの配給を喜んで受ける者はないと思うのであります。從つてこの場合昆布同樣いか製品の統制の撤廃を要望する次第であります。  以上御質問申し上げましたが政府当局の懇篤なる御答弁を相願う次第であります。若し昆布等について統制撤廃の御意思が未だなしとしたならば、價格の面で相当御考慮を要する点もあると思うのでありますから、併せてお伺いしたいのであります。
  81. 馬越晃

    馬越委員長 本質問に対し政府委員答弁を求めます。
  82. 藤田巌

    藤田政府委員 するめ及び昆布製品の統制撤判は困難で、從來通り統制を行う予定であります。     —————————————
  83. 馬越晃

    馬越委員長 次に陳情書日程第一、能登安部屋避難港築設工事施行陳情書、石川縣羽咋郡高浜町長河崎岩太郎外十二名提出、第四三二号。  魚類の統制價格撤廃に関する陳情、福島縣中村町魚自由販賣全國運動本部主唱責任者加藤吉太郎提出、第四九二号。  有明海の漁業取締に関する陳情、九州各縣議会正副議長会幹事福岡縣議会議長稻員稔提出、第九〇八号。  を議題とします。專門調査員に朗読させます。     〔小安專門調査員朗読〕 能登安部屋避難港築設工事施行の陳情  石川縣羽咋郡志加浦村安部屋附近海面は魚族が頗る豊富で、その品質も良好であるにもかかわらず、当海岸は一般に波浪が高く漁船附近に適当な避難港が乏しいため、冬期間は殆んど休業の状態にあり、かくても能登水産振興発展を阻害し、ひいては國家経済再建に及ぼす影響は大であるから、速やかに天然の地形に惠まれた安部屋港を國費を以て修築水産振興を図られたい。 魚類の統制價格撤廃に関する陳情  近時生鮮食料品取締の強化は、一部大都市消費地を除く全國各地における出廻り不良、闇價格の高騰を來し、食生活上の不安を増大せしめている、ついては動物質蛋白栄養源たる魚の統制を撤廃し、自由販賣とされたい。 有明海の漁業取締に関する陳情  有明海の水族資源の永久維持確保と沿岸漁村の福利をはかるため、漁業取締規則等を速かに制定されたい。
  84. 藤田巌

    藤田政府委員 能登安部屋避難港を築設する必要性を認められるから具体的な計画につき將來その実現を期したい。  魚類の統制價格撤廃に関しては一般大衆の迷惑にならないよう考えて將來に向つて善処したい。有明海の漁業取締に関しては規則制定について調査中であります。     —————————————
  85. 馬越晃

    馬越委員長 次に水産業復興促進に関する決議案を上程いたしたいと思います。  決議案を小安專門調査員をして朗読させます。     〔小安專門調査員朗読〕    水産復興促進に関する決議案  我が國現下の経済復興を見るに特に水産業は戰爭以來の荒廃と消耗から未だ恢復し得ぬ状態である。  國内重要産業の全分野にわたる綜合的経済復興、特に食糧対策の見地から水産業の急速なる復興を図る事が当面緊急の要務である。而して南極捕鯨の許可、漁業用重要資材の輸入等多大なる連合軍の好意により生産の復興は曙光は見出されつつありと雖も現在許容されし海区に於て可能範囲における最大限の生産につとむるも尚國民の水産食糧の最低必要量に達せざるうらみあり、次に我國水産復興の基盤をなす水産資源に対する調査研究については殆んど見るべきものなくかくては生産の合理的永続的維持発展を期することは望み難い次第である。尚水産業復興に必要なる資金の融資は特殊に限定され金融機関からの融資は殆んど皆無の状況である。斯くて現状のまま水産金融状勢を放置せんか其の復興は期し難い実情である。  依つて政府水産業復興促進を図るため制限外の海区に出漁し得る樣適切なる措置を講ずると共に水産資源研究に対する的確なる施策と水産資金の円滑化に対する國家敗金の供給を図る施策とを急速に行うことを要する。衆議院は院議を以て之を決議する。
  86. 馬越晃

    馬越委員長 本決議案に異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 馬越晃

    馬越委員長 全員異議がないようですから採択いたします。手続その他で上程が間に合わない時は次の國会に提出いたしたいと思います。提出方については委員長に御一任をお願いいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 馬越晃

    馬越委員長 異議がないようですからさよう決定致します。  請願及び陳情書に関する決定は追て協議の上決する事といたします。  今日はこれにて散会いたします。     午後零時四十分散会